【人】 詐欺師 アダムふえっ!? あ、あの…… ありがとうございます。 [ アダムが獲物と狙った男より早く。 髪飾りに手を伸ばす俊敏な影があった。 洗練された動きに、ついぽかんと口を丸くしてしまい いけない、と慌てて唇を結んだ。 今の私は御令嬢なんだ。 男に金を落とさせる手っ取り早い方法。 それは金を払う価値のある女だと 相手に錯覚させることだと。 これまでの人生で そのように、アダムは学んできた。 ] (46) 2020/05/11(Mon) 20:10:04 |
【人】 詐欺師 アダムよろしければ、あちらの屋台で。 お礼に何かご馳走させて下さいな。 さ、参りましょう? [ 髪飾るを受け取ると 安堵したように、小さく笑みを零して見せる。 予定通り、そんな誘い文句を投げながらも、 この青年をターゲットに定めるかと問われれば まだ肯けない。 アダムの獲物は、あくまで裕福な男だ。 金のない者に貢がせて破滅させるのは 流石に寝覚めが悪い。 どちらかといえば純朴、 そんな言葉がふさわしいだろう青年は おそらく自分のターゲットから外れるだろう。 意外と女慣れしていないのかな? 眼前で頬を染める青年のことを>>32 内心でそんな風に分析しながら、 アダムは男の手をそっと取った。 ]** (50) 2020/05/11(Mon) 20:14:31 |
【人】 詐欺師 アダムこんなにご立派な騎士様ですもの。 もう可愛らしい方がいらっしゃるのでしょう? [ 男の格好から立場に検討を付けて。 恋人の有無をこっそり探る。 相手がいる男など、トラブルの宝庫だ。 流石に手を出す気はない。 彼女がいてもおかしくないだろうという予想は 本心からのものであったが。 ] (66) 2020/05/11(Mon) 23:03:42 |
【人】 詐欺師 アダム[ 揚げたてなのだろう じゅうじゅうと小さく音を立てるコロッケ。 本当は被り付きたいところだったけれど しかし今の私はお嬢様。 そっと、啄むように口をつけた。 ナイフとフォークを使わない食事なんて 緊張しますね。 なんて笑いながら。 ]* (67) 2020/05/11(Mon) 23:05:34 |
【人】 詐欺師 アダムええ。外で食べるなんて初めての経験で。 今も少しドキドキしているんですよ。 ありがとう。 ここは良い国なのですね。 語る貴方の誇りに満ちた眼差しを見れば分かります。 ぜひお祭りを堪能させて頂きますね。 [ 上品に見えるように微笑めば、 食事も終えたし頃合いだろうと。 ――――良い国、その通りなのだと思う。 活気があり、道ゆく人の笑顔で溢れている。 アダムの生まれた国とは違う、豊かな国。 ] (74) 2020/05/12(Tue) 0:07:13 |
【人】 詐欺師 アダムでは私はこれで、 立派な騎士になって下さいね。 [ 純朴で真っすぐな青年だった。 私みたいな悪い女には、捕まってはいけない人。 最後にもう一度微笑むと、 ドレスの裾をそっと指先で摘んだ。 ]* (76) 2020/05/12(Tue) 0:09:29 |
【人】 詐欺師 アダム[ 段々と小さくなっていく後ろ姿に思う。 名前すら交わさない邂逅だったが これでいいのだろう、と。 “仕事”で来ているアダムは本名を名乗らない。 どうせ偽名しか与えられないのだから。 ]** (84) 2020/05/12(Tue) 0:57:23 |
詐欺師 アダムは、メモを貼った。 (a28) 2020/05/12(Tue) 0:59:20 |
【人】 詐欺師 アダム[ 祭りの催しの一環だろうか。 誰かが撒いた色とりどりの花弁が辺りを彩る。 指を伸ばしてそのうちの一つを摘み。 鼻先に近づけ、芳しい香りを楽しんだ。 ……そんな行動は、単なる現実逃避。 目の前に立ち塞がる男達への。 ] (115) 2020/05/12(Tue) 15:36:51 |
【人】 詐欺師 アダム[ しばらく街を彷徨ったが、 金持ちそうな人間は見つからず。 しかし焦る必要はない。 慌てて手を出して、禄でもない男を引く。 その方がリスクが大きい。 今日は大人しく引き上げて宿でも取ろう。 そんなアダムに声をかけてきたのは ナンパ目的の男達だった。 どう考えてもアダムの標的には成り得ない そんな種類の。 ] (116) 2020/05/12(Tue) 15:38:06 |
【人】 詐欺師 アダム[ 気付けば3人の男達に取り囲まれて。 下卑た視線が、アダムの身体に向けられる。 アダムの嫌いな、ドブのような臭いの男達。 アダムと同じ臭い。 あしらっても、立ち去る気配はなく。 高いヒールのかかとで足でも踏んでやろうにも この人数差では部が悪い。 ] (117) 2020/05/12(Tue) 15:38:43 |
【人】 詐欺師 アダム[ しかし残念ながら 男達はそうは思ってはくれなかったようで。 運良く?運悪く? アダムの蹴りは男のうちの一人の右足と左足の間。 いわゆる急所を捉えたらしく。 苦痛、怨嗟、その他諸々。 負の感情が渦めいた咆哮を前にして アダムは脱兎の如く駆け出した。 なんとか無事に逃げ出せたはいいが、 走るのに邪魔だからと、 かかとの高い靴は途中で脱ぎ捨てた。 長いドレスの裾も豪快に破ったせいで、 膝上ほどの長さしかない。 今のアダムの姿は見るも無残な格好をしていた。 これでは金持ちどころか、 普通の男だって寄ってこない。 ] (148) 2020/05/12(Tue) 20:07:16 |
詐欺師 アダムは、メモを貼った。 (a52) 2020/05/12(Tue) 20:09:44 |
【人】 詐欺師 アダムきゃっ [ 扉に意識を向けていたせいだろう。 背後からかかる声にアダムは驚いた。>>165 小さく悲鳴を溢しながら、振り向けば。 ] …………ええ。 旅行先で浮かれていたか お酒でも入っていたのでしょうね。 ちょっと柄のよくない人に絡まれてしまって。 [ この件に関しては、偽りを述べる必要はない。 よって突然現れた男の風変わりな様相に驚きながらも 正直に口にして。 しかしドレスに関しては失敗した。 これも貢がせた品の一つだが、なかなか上質な物で アダムの持ち金では、そう簡単に代わりを 用意できるものではなかったから。 ] (176) 2020/05/12(Tue) 22:38:51 |
【人】 詐欺師 アダム貴方も仕立て屋に御用? そうね、貴方なら何でも着こなせそうだもの。 [ その格好が似合うなら、 何だって似合うに違いない。 小さく微笑むと、どうぞと。 入店を促すように、軽く掌をあげた。 ]* (178) 2020/05/12(Tue) 22:39:22 |
【人】 詐欺師 アダム…………いけない。 私ったら、一番重要なことを忘れてた。 ドレスの手直しと合わせて いくらくらいするのかしら、それ。 [ 美しい服は好きだが。 アダムはなによりお金が大好きだったから。 ユカタとやらがあまりにも高価なようなら 今回は諦めなければいけないだろう、と。 ]* (185) 2020/05/12(Tue) 23:04:56 |
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