【置】 篝屋に来た カジヤマ『あンの野郎、自分で酸被って殴ってきやがった!!』 『俺ちゃんはまだ死んで――』 小さな声がどこにも届かない。 それは身体から発されていない。 自分が本当に死んでないのかこの暗闇ではわからない。 外の声も聞こえない、稀に己に反応してくれた人間が 生きているか死んでいるかもわからない。 まるで黄泉をさ迷う亡霊のようだ。 いつかは どちらかに 行ききるのだろう。ふざけたことばっか頭によぎる。 死んだら家族に会えんのかなーとか。 後輩や大学面子に怒られそうだなとか。 先輩たちは呆れていい気分にはならないだろうなとか。 あの子は敵じゃねぇっていってくれたのに、 あの人を敵のままにしてやりたくないのに。 なんでこの身体は動かねぇのかなとか。 『死んでも声届くならセーフ?』 んなわけないか、無理に笑って闇雲に黒の世界を走った。 (L6) 2022/06/07(Tue) 14:50:07 公開: 2022/06/07(Tue) 14:50:00 |
【秘】 猶大 ロク → 篝屋に来た カジヤマ『暢気という言葉はお前の為に存在するんだろうな。 じゃあ本当に死んだら俺もそう思おうっと』 『 うっせ!うっせぇうっせぇ! 誰もンな事言ってないだろ! そもそも吐き気催したり寝まくってる奴に言われても全然頼り甲斐が無いだろうが!』 半分くらい声に出しながらまくし立てた。こういう輩はやっぱり面倒だ…… 『…………わーかったよ。厳然たる事実は嘘をつかないからな。 勝手に死んでやるつもりはこれっぽちも無いけど、もしもの時は歩く死体にならずに死んだって教えてやる。 出会って間もない誰かが死んでも寂しいとか変なの』 フェードアウトしていく声の方向(?)を見遣って意味も無く手を振った。 幽霊にでもなって駆けまわってんのかなアレ。 (-41) 2022/06/07(Tue) 19:16:54 |
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