【独】 残影の フランドル喉奥に指を突っ込んで、 反射的に、本能的に、迫り上がったものを、そのまま。 「ぅ"、………」 そうし続けて、すっかり胃の中が空になった頃。 顔を上げて、吐き戻したものから視線を背けた。 鼻の奥が、つんとする。 一度冷静になれば、待ち受けているものは自己嫌悪ばかり。 普通は受け入れられないなんてわかっていたのに。 この忌むべき血筋が齎す全てのものも、 それに抗う事のできない自分も、嫌で仕方ない。 そして、それによって見限られる事が、何よりも。 (-321) 2021/12/18(Sat) 20:32:53 |
【独】 残影の フランドル──ちょっと怖がられたくらいで。 「も、嫌だッ!! い、」 くらい、であるものか。 本気に取るに決まっている。 自分でさえ受け入れ難いものを、反射とはいえ拒絶されれば。 "フランドル"に存在意義を与えられるのは、"エアハート"だけ。 貴方に拒まれるという事は、そういう事だ。 目の眩むような絶望とは、そういうものだ。 自分に非があるとはいえ、怯えもするわけで。 (-323) 2021/12/18(Sat) 20:36:29 |
【墓】 残影の フランドル「…………」 役者騙りの騎士は、誰かと二人連れ立って。 暫くの間、何処かへ姿を消した後。 夜には酒場へ戻って来て、適当な席で茫としていた。 何処かへ消えていた武器は二つ、再び在るべき場所へ。 がり、ごり。 甘いものは、好きな方であるはずなのに。 乳白色の飴に歯を立てても、今は何も満たされない。 (+32) 2021/12/18(Sat) 20:59:23 |
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