人狼物語 三日月国


113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】

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【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「──んっ、……、?」

背には腕、こうも密着した状態では逃げられない。
最も逃げるつもりもないし、続いての命令も。

嫌がらせの為の口付けだったが、その反応を見るに、
まだ恋しそうに見えたので、もう一度唇を重ねようとする。
今は強く抱き止められているから、叶うかはわからないが。

嗚呼、先程までの『怒り』感情が薄れる。
ほんの僅かに、不意を突かれた怒りはあったのに。
貴方の表情で、血を分け与える事の『愉しさ』を思い出す。

 エアハートは彼の詳細な血筋のことなんて知らない。
 彼は隠していたから情報を得られないのはあった。
 それでも、人が思う以上に『魅入られている』ことに気付くもとで。
 理由はわからずとも、フランドルが自身の血に酔うのは、感覚で知っていた。


「あぁ。一緒に、傍……そうだ。今も、ここ、に?」

既に『成されている』事を再度、命令された。
そう認識している為か、困惑の色が浮かぶ。
今この瞬間はここにいるし、貴方は帰ってきた。
だからエアハートは、今も『傍にいる』と信じている。
(-111) 2021/12/16(Thu) 21:46:31

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「……ん、…っ…」

唇を重ねようとすれば、拒まれるはずもなく。
ゆっくりと口内を探り、血の味を探し、目を細めて。
この渇望には耐えられない。
血には抗えない。


自らの行動がそれを証明してしまっている事が、
何よりも嫌で仕方なく、それでも。
貴方が欲しいという欲求に嘘を吐けはしない。


どんなに身を寄せようとも、きっと鎧が阻むのだろう。
血を啜る酩酊の中、それを取り払おうと手を這わせる。

曰く、鎧というものは他者が着脱を手伝うものなのだという。
二人共にあった頃は、きっと互いにそうしていた。

「…今、……今は、そうだとしても
 お前はまた、俺を置いてどこかに行くんだろう。
 ああ、なら、今だけじゃだめだ。ずっと傍に居てくれよ。
 
ずっと傍で、俺以外の何にも囚われないでいてくれよ。


 俺はお前の陰、お前の傍だけが俺の居たい場所だ
 お前が居ないなら、生きていたって意味がないんだ…」

半ば給餌のような口付けを終えた頃。
お綺麗な愛を囁くには重すぎて、切に請い願うには甘すぎる。
掠れた声がもう一つ、貴方に"お願い"を重ねた。
(-126) 2021/12/16(Thu) 23:13:58

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「……んっ、……ふ、ふ」

本当に、雛に餌でもやる感覚にも思える。
それすらご機嫌とばかりに腕を回し、
口付けを深くしながら自ら血を分け与える。

 ほら、やっぱり血に抗えてない。
 俺が何とかしてやらないと。


貴方の渇望は、この男の心の内部に潜む
仄暗く澱んだ使命感と愛着をも呼び起こす。
でも今は傍にいてと乞われたからまだ。まだ、もう少し。

鎧に触れられるとすぐに何をしようとしてるのか、思考が繋がる。手伝う様に回していた手をこちらに戻せば、すぐに中のラフな服装になるだろう。

今でこそ脱ぐのに慣れきった鎧だが、騎士団に所属してた頃は二人でよく、構造に悪態をついていた。

 ──あの時を、あの日の笑顔を
 取り戻そうとしてるのは俺もなのに。
 どうして彼は納得しないのか。
 飛び出した時は理解していたそれも、
 『革命軍』に犯された脳ではそれも理解できない。


 ▽
(-137) 2021/12/16(Thu) 23:56:52

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「────まだ、まだ、駄目だ。

 お前以外の何にも囚われない為に、
 お前のせいじゃない血を、排除したら、そうしたら、
 
本当にどこに居ても、俺達、"昔のまま"いられる。


 ずっと傍にいられる。
 それじゃあ、駄目、なのか、フランドル」

でも、目に力が宿る。
先程から着いたり消えたり自分達との心の機敏のよう。
貴方の命令を聞くはずの、肯定しかしないその声が、
はっきりと【否定】を口にした。

「……生きていく意味がないなんて言わないでくれ。
お前が生きる為に、今まで生きてきた俺は何だったんだって
事になる。俺は、お前を陰じゃなくて──」

傍に立つ、光にしたかったのに。
(-138) 2021/12/16(Thu) 23:58:34
残氷 の エアハートは、メモを貼った。
(a32) 2021/12/17(Fri) 0:19:19

【秘】 残氷 の エアハート → 灯屋 レイ

/*
どうもこんばんは、私がホドです。
了解です、と言いたいのですが実はある秘話の現行ツリーの流れを見るに、どうも洗脳が解除されそうな可能性がありまして、それを考えると他のお二人の方を優先して頂けたらなと言うのがあります。

ただ情報として探れるのに持っていない、と言うのは矛盾だと思うので念のためにメモに洗脳関係の情報を張っておきました。一言で言うと「革命軍に洗脳されている」です。もし何処かの会話で使えそうでしたら、くらいの些細なものですがよろしくければ。打診ありがとうございました!
(-143) 2021/12/17(Fri) 1:05:28

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

「嫌だね」

たった一言。
貴方の陰は、低く、低く否定を返した。

「何にも囚われない為に、俺達が俺達のままである為に。
 その為に為さなければならない事があるのは別に良い。

 だが、その為にこの街で何をする必要がある?
 だが、この街の革命はそれと何の関係がある?
 革命軍はその為にお前に何かをしてくれたか?
 なあハーディ、
手段と目的が随分ちぐはぐじゃないか?


否定を突き付けた先は、破綻。
そう、今は手段と目的の相関にあまりにも違和感がある。

そうでさえなければ、そこに第三者の意図さえ無ければ。
貴方の剣は、曲がらぬ刃は、それに異を唱える事はしなかった。
貴方の誘いを受け入れない理由は無かった。
(-148) 2021/12/17(Fri) 1:34:01

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「なあ。
随分と回り道をするじゃないか。

 それともそれは、俺の"お願い"より優先すべき事なのか?
 ここで凡そ無益に時間を浪費する事が、
 決して俺達のこれまでとこれからを蔑ろにはしていないと
 お前は本当にそう思ってやっているのか?」

荒れた喉も厭わず、淀みなく問いを投げ掛ける。
そうしながら、ぐ、と身軽になった貴方の胸を押して。
突き飛ばすというよりは、追い込むような動きだった。

大丈夫、後ろにはベッドがある。

貴方がその上へと倒れ込めば、
その顔の横に手をつき、首筋にもう片手を這わせて、

「これが俺の為、本当にそう思ってるなら、お前はばかだ」

ほんの少し、僅かに呼吸を奪う程度。その指に力を込めた。
言葉と表情に、綯い交ぜになった感情を滲ませながら。
(-150) 2021/12/17(Fri) 1:35:24

【秘】 灯屋 レイ → 残氷 の エアハート

/*
叩いて直ったんですか?(叩いて直ったんですか?)
失礼しました。
いえいえ大丈夫です。エピ後に見るのを楽しみに待っています。

そしてメモありがとうございます!洗脳最高ですね。レイはブチギレますがPLは有り難さを感じています。イイネ。
こちらこそお忙しい中、対応ありがとうございました。終了までよろしくお願いします!
(-153) 2021/12/17(Fri) 1:50:08

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「ちぐはぐ?何処がだ?
 この街に来たのは“アレ”を探しに来た。
 ただ政府とやらが管理していたから、
 何かを掴むにはどうしても──

 ──。
 ────?
あれ、なんでだった?


 ──いや、いい。そもそも、
 
革命軍に協力するのは私として当然の事だ。


 何でその前提を否定する?否定したら
がそもそも、
 …いや、
なら否定、されない?……は?
って誰だ、
 ……まあいい、でも、じゃあ何であのと、き──?」

傍から見ると明らかな「破綻」でも、それを「当然」とした強い洗脳だ。つまりそこに疑問を抱かせた場合“今”のエアハートの否定になる。

──革命軍を優先する。
だって、」

お前の為の行動だから。

 お前の願いであっても、絶対優先にはならない」

なにより、最悪な事に、「本来フランドルに行おうとしていた事」と「革命軍に協力する」がイコールで結ばれている。
洗脳時にそれに手を貸すとでも言われたのか、単純に都合よく描き替えたのか。

いずれにせよ、そんな歪なイコールで結ばれていると言う事は、“そう記憶が混濁してもおかしくない状態”で掛けられた。
(-156) 2021/12/17(Fri) 2:18:57

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
つまり、比較的健全で元気な時の今のフランドルによる魅了は、半年の間の根を張り巡らされた脳への侵食を、言葉ひとつではぎ取れるほどには、今はまだ強くはない。

最もそれは、逆を言えば「同じ事」を行えば、
上書きや綻びの可能性が出るだろうと言う事。

そして洗脳を掛けた者も、「それを行える人間がほぼいない」と、そう思ったからこそ、今のエアハートの地位と自由度があるのだろう。

「……は、っ……貴方もレモネードがお嫌いでしたかね。
 馬鹿で、結構です、よ。
 今までだって、私達はそうして生きて来た。

 下級市民が騎士になるなんて、
 馬鹿を通り越して蛮行だとも。まあ、なりましたけどね。
 だから馬鹿と言われようがやめません。貴方相手でも」

ベッドに押し倒されて、顔の横についた手を見ている。
首筋に触れられる人肌の感覚から少しでも目を逸らす為に。
(-157) 2021/12/17(Fri) 2:20:42

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
──平行線だ。

矛盾点への正論は揺さぶりにこそなるが、
どうにも揺さぶりを掛ける以上の成果は生まないらしい。
破綻を認識した瞬間認識が擦り替えられてでもいるのか。

そもそもの話、この妙な様子が鳴りを潜めるのは
大抵は現在の目的とは関係の薄い話の時だったようにも思う。
とはいえ引き離すだけで直るものでもないだろうが。

一度ひどく混乱した後、すぐさま平静を取り戻す様子を見て
抱いた所感はそんなものだった。
何れにせよ、言葉によって、論理的に突き崩す事は難しい。
となれば、となれば、だ。結局の所、結論は。

叩いて直すしかないのかもしれない。


過程は少々違えど、辿り着く手段は同じ事。
何処ぞの灯屋には少々疑問符を浮かべられはしたものの、
精神面への操作を行う側としては結構本気で言っていた事だ。

痛みによるショックや動揺は存外に人を正常にする。
それで術が解ける事も、わりとある。あってしまう。
(-175) 2021/12/17(Fri) 4:06:05

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
となれば、まあ。

「馬鹿が」

首から一度手を離し、溜息混じりに零して。
その手で容赦なく片頬にもう一発くれてやった。
あの時は結局何度殴られたんだったかな。覚えてなどいないが。
何より、今は殴るよりも。

「ああもうだめだ、最悪だ。
 手酷くやられたせいもあるし、お前が煽るせいで余計に」

ぶつくさ言いながら、する、と隠し持っていた短剣を抜いて。
刃を貴方の首筋に当て、ぶつり、浅く食い込ませた。
そんな事をすれば当然傷口からは血が伝うわけで。


からん、適当な所に短剣を放って。
傷口に唇を寄せ、舌を這わせ、割り込ませて。
唯一この身が求めてやまない血を啜る。
時折もっとと強請るように傷口に歯を立てながら。

空いた片手は貴方の服の下へと潜らせて、
手慰みに腰や脇腹を擽るようになぞる。

レモネードは嫌いじゃないが、今はこっちの方が良い。
(-176) 2021/12/17(Fri) 4:10:07
エアハートは、「レモネードより中毒性がって何ですか!引き合いに出すとか許しませんよ!」と怒った。
(a39) 2021/12/17(Fri) 4:25:50

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「いッ」
──1回目。
「ぁ、がッ」
──3回目。
「っ、…………ぐ」
──13、14?回目。

「痛っ、……は、ぁ」

 ──突然首筋に走る鋭い痛み。

「あ゛、や、ぃや」

 ──じんと痛むそこに触れる温かさ。

「グ、…やめ、ッひ…!」

 ──啜って“喰われる”感触。

確かに遊んだ事はあった。度々コイツが何故か怪我を、
しかも切り傷の方が多かったけれど、見る目が違って
見えたから。何も言わないから黙っていたのに。
ちょっと遊んでやろうと思っただけなのに。
ここまでなるなんて聞いてない!
どうしてなるかも、一言も説明された事もなかったのに!
こんなのになるなら尚更、あの血を何とかしておくべき、


啜られるだけじゃ飽き足らず、傷口に歯を立てられる。
明確に、皮膚を突き破られる感覚。

「も、嫌だッ!! い、」

 ──だってこの後の性交は普通じゃない。

服の下に回る手になんて気が回ってない。
最悪だ最悪だやっぱりさっさと血を消し飛ばしとけばこんな事には間違ってるのは私じゃなかったのにどうしてこんな目に、
(-182) 2021/12/17(Fri) 5:47:36

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
因果応報、意趣返しの節はあると言っても。
殴り付けても特別胸のすくような気持ちは無かった。
様子を見てもやはり生半可な衝撃ではだめらしい。
まあいい、憔悴させた方が精神面の操作はしやすいものだ。
何も無意味ではないだろう、とはいえ。

湧き上がる衝動は、与えられた分だけでは満たされなくて。
もっと血が欲しい。
渇望は既に無視できない所まで来ていた。

だから、怯え竦む声も、拒絶の声も。
どこか遠くに聞きながら、血を啜り、牙を立て、血に酔って。
喉を鳴らし、合間合間に熱い息を漏らして。
忌むべき血筋によって与えられる歓びをただ享受していた。

ずっとずっと、我慢していた。
貴方の血を見る度に奇妙なざわつきを抑圧し、自制していた。
不思議と、他人の血では決してそうはならなかった。

深く血に酔う感覚と、向けられる恐怖は、これが初めてだった。
(-184) 2021/12/17(Fri) 8:50:59

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「──ああ、
随分恐ろしいものでも見るような目をするんだな。

 受け入れられないか、受け入れられないよな。
 俺が不義の子だと知った時のようにお前は拒むんだろう
 俺だって受け入れ難いくらいだ、当然だ。
 結局は何処も同じだ。それが普通の事なんだろう」

ああ、居場所がない。

結局は居場所がない、居場所がないのだ、何処にも。
上流階級には棄てられ、中流階級には見向きもされず。
下層の吹き溜まりでは流れる血のせいで擯斥される。
人間とも言い切れなければ、人ならざるものとも言えはしない。
政府に与する事も、革命勢力に与する事も無いよそ者だ。
他人を心から信用する事はできず、友の心の在り処も曖昧だ。

何もかもが"どっち付かず"、居場所の無い人生だ。

「これに限って言えば、"餌付け"をしたのはお前だったがな」

"蝙蝠"は自嘲めいて嘲笑う。どこまでも暗い笑みだった。
幾ら血を与えられたからと言って、自ら牙を立てれば、それは。
理性に欠ける化け物と取られても致し方なくはあるのだ。

わかっている。
もしかしたら、と期待する事の馬鹿馬鹿しさなんて。
もう、痛いほどにわかっている。
(-185) 2021/12/17(Fri) 8:52:51

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

 
「なーあ、ハーディ。
 お前のことは何も取って食いやしないさ。
 俺にはお前が俺にしたみたいに手酷く抱く理由はないんだ。
 昔みたいにうんと優しく抱いてやるからさ、
 だからそんなに怖がらないでくれよ…」

怯える子どもをあやすように、掠れた声が甘く囁いて。
暗示めいた言葉が脳裏に刷り込まれていく。
嘘か本当かに関わらず、貴方の恐怖と後悔を煙に巻く。

「それとも、
 
良い子にしていろよ
…と言った方が良いか?」

貴方の下穿きをずり下げ、潤滑剤を垂らしてやって、それから。

"命令"を重ねた後、着けっ放しの手袋を咥えて外して。
そうして宥め賺すように再度口付けを交わし、
その傍らに貴方の下腹部へと指を滑らせた。
先ずは前から。粘着質な水音がする。

今は局部は恐怖に萎えているかもしれないが、まあ。
貴方がこちらの身体をよくよく知っていたように、
こちらもどうすれば貴方が好くなるかを知っているわけで。
(-186) 2021/12/17(Fri) 8:54:19

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「……る……い」

「──うるさいッッ!!」


口付けを交わされ、身体は自分の時とは違い前戯も踏まえて触れられている。
自分が相手に行った時よりも遥かに丁寧で、だがそんなことは関係ないとばかりに、突如『良い子にしていろ』の命令があるにも関わらず、盛大に額に頭突きをかました。

正直、物凄く痛い。ふらつく視界の中、
それでも睨み付けて、自分の自由な指を突き付ける。

「急にネガティブ思考に走るからセックスの気分じゃまるでなくなったでしょうが!
ちょっと「うわ怖っ」されたくらいでウジウジと……ヤるならしっかり襲うか、安心して優しく抱くかじゃないと勃つものは勃たないし、イクものもイけませんよ!
この、ド下手くそ!!!」


ハアハアと一気に失礼な事を捲し立てたが故に声を荒げている。洗脳が効いてないのか?そんな事はない。でも貴方は『大人しくしろ』とは言わなかった。

つまり『このエアハートが思いつく良い子』を実践しているのだ。怖がらないでくれ、と言ったのも半端にブーストとなったのかもしれない。 ▽
(-201) 2021/12/17(Fri) 17:43:35

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「……"俺"より"私"の方が拘りもないのでアレですけどね。普通に考えて自分の血を吸われてウットリする相棒を初めて見て、大喜びする人はいると思います?いませんよね?普通は驚くでしょう?貴族の問題のせいで貴方、結論を性急に求めすぎなんですよ。

はー……何で私がこんな説明しないと何ですかね?もう貴方にその洗脳やら上書きやらで消されようとしてるのに。居場所がないのは私の方ですよ全く」

仮にも情事を始めようとしていた最中なのだが、半目のジト目になってペラペラと捲し立てる。それも、貴方が飲み込める人間だと理解しているからこの速度で述べている。

ハア、と溜息の後、男は肩口に爪を立てて自分で皮膚を破く。「ほら、」と、
新鮮な鮮血
が玉になり、徐々に流れ落ちて行くのを横目で見ている。

「私は"良い子"なので教えてあげますよ。優しくしても効果が薄いです。まあ愛の力とかは知らないですが、その場合は"俺"の方と、貴方が今抱えてる血の衝動の不安を話すべきですね。すれ違いまくりですけど。でも、無理でしょ?」

「──じゃあ、酔いきっちゃえば良いんですよ」


「貴方が本能のまま貪った後、それ自体が離れる人間だと思うなら……もうそんな人間の洗脳だって解く必要、ないでしょう?貴方を助けないし信じてくれないし何もくれない上に立ち去る。そんな奴いらないじゃないですか」

なら私を私として残していてくれてもいいですよね?そうしましょう?煽り囃し立てるようにそう言って。そして、この人格は貴方への恐れが見て取れない。少なくとも行為に没頭は出来るだろうし、貴方を犯したくらいだ。何も恐れない。

血は幾らでも流れ続ける。何を選ぶのも、貴方の自由だ。
(-204) 2021/12/17(Fri) 17:51:45

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


「………うるっさ…」

がつん、額に走る衝撃と遅れて感じる痛みにやや呻いた後。
うるさいのはお前じゃん、みたいな顔をした。
確かに大人しくしてろとは言わなかったけどさ、
良い子にしてるって何だっけね。認識の相違を感じます。

「……あのさ〜
 "くらい"じゃないんだよ俺にとってはさぁ…
 お前には革命軍があっても俺にはお前しか居ないわけで、
 お前に否定されたら何もかもそこで終わりなの。わかる?」

なら我慢しろという話になりそうなものの、それは棚上げ。
だって餌付けしたのはお前じゃん。
たとえ反論されてももはやそう開き直るつもりしか無い。
血を与えた貴方と怯えを見せた貴方は異なるのだろうけど。

事ここに及んでは流石に見当も付いてきた。
今は異なる二つが揺らぎ鬩ぎ合っているから非常にやりづらい。
そしてそれらは必ずしも二つに一つなのだろうか。
決して共存し得ないものなのだろうか。
本当に?
(-219) 2021/12/17(Fri) 21:42:27

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


いいや、曲がりなりにも同じ人間から出づるものなら。

何も消えやしないだろう。

 俺がお前に望むのは俺以外のものに囚われない事だけ。
 今はあんたの存在を否定してるわけじゃないし、それに
 たとえそれで"あんた"が消えたとしても。

 あんたがあんただった事が消えて無くなるわけじゃない。
 あんたがこの街で過ごした時間が嘘になるわけじゃない。
 今となってはあんたという存在も、
 確かに"エアハート"という人間の一部だろう。

 仮にそれが"お前"にとってどんなに忌むべきものであっても。
 たとえこの血を抹消しても、この生まれだったからこそ
 俺がお前と出会えた事実が変わらないように。」

貴方の肩口に頬を擦り寄せ、掠れた声が静かに言い聞かす。

「あと、俺は別に同じ事をされてもああまでは怖気付かない。
 お前になら何をされても構わないし、
 "エアハート"が俺に危害を加える事は無いと知っている。
 まあ"あんた"がどうかはどうにも測りかねる節があるが…」

これは単に人格的に、というよりは命令の強度に懸念点がある。

結局の所。
殆ど強姦じみて手酷く抱かれても口答えをするだけで、
拘束の上とはいえ抵抗らしい抵抗はしなかったのがこの男だ。
何かこう、変なのかもしれない。情緒とか感性が。
(-220) 2021/12/17(Fri) 21:44:09

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


もう一度、与えられた血を種の本能のままに啜って。
貴方の肩、或いは首を単なる甘噛みとして柔く一噛みした後。

「…『お望み通りに』«What You Will»。
 元はと言えばそっちが煽ったんだ。
 泣いて懇願してもいいが、俺に聞き入れてやる義理は無い。

 たとえ"お前"が怖がっても、その時は
 いっそ恐怖心も何もわからなくなるまで。
 目一杯溺れさせてやればいいわけだ」

「そうだろう、ハーディ?」

貴方を見下ろす笑みは捕食者のもの。

すっかり中断されていた愛撫が再開される。
再度下腹部へ伸びた指は前を通り過ぎて後孔へ。
手付きは依然甘ったるいほどに優しいまま、
けれど快楽を逃がす事は許さない。
気が済むまで執拗に、勝手知ったる貴方の身体を暴き立てる。
(-221) 2021/12/17(Fri) 21:47:04

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「わかりませんね。否定されてもあの程度言いくるめるなり身体で懐柔なりすればいい。そんなに大切ならね?

そもあれやってる最中に「嫌っ」って言ったら本気に取って心配されたノリですよ。だから下手くそって言ったんです」

この思考だ。だからのちに貴方が出した結論には大層満足そうな、少し腹立たしい笑顔を見せる事だろう。

「確かに半年間、この身体で生きていたのは"私"です。勿論、完全に別ではない同じエアハートですから、貴方の言う通りなのでしょう。

それでも、私に取っては役目の終わりは死と変わりません。私の生きた半年も、気付けばみんな"貴方と20数年生きたエアハートだった"に塗り代わる──そう言う感覚になるのでしょう。ああ、覚えているとかいいですから。気休めは結構です。最初からこうなる定めと理解してあり続けていました。

だから、先ほど貴方に消されると恨み言は吐きましたが、本当はそれでいいんですよ。それが、カエルの王子様がキスをされて人に戻るように、当たり前の本来のあるがままの結末です」

言い終えて、頬をすり寄せてくる貴方の頭を穏やかに撫でる。革命軍のために作られた、ベースは本来のまま「静」を付与し倫理観を一部破壊された人格。

けれど、感情がないわけではないのだから、こうして撫でる姿が何処か憧憬と、何かに焦がれる微笑みが生まれるのだって、おかしくはないのだ。 ▽
(-229) 2021/12/17(Fri) 23:57:32

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「っふぁ、…は、は。
そう、捕食者になっちゃ、んっ、 開き直っ、てっ、ぅあ」

撒き餌のように傷つけた肌に噛み付かれるだけで背筋に甘い痺れが走る。痛いはずなのに気持ちいい、きもちいいのは、役目も使命も少しだけ忘れられて、好きだった。だからこの男はするのも、されるのも、積極的であり続けた。

「ぁ、あ、あ、でもこれ、勝 て、に反応、ぅあ」

指を入れられた時にお返しに耳朶に甘噛みを返して、舌をざりざり耳の中を犯したりしていたが、元々触れ合っていた相手となるとこんなになのか、或いはこれがフランドルに向ける感情によるものか、わからない。

わからなくても、執拗な責め立てに、生理的な涙と同じ様にあらゆる場所は容易に喜びのように滴を溢れさせる。まだ指しか入れてないと言うのに、時折耐えられないとばかりに身じろぎをして、貴方の首筋に無理やりぐりぐりと快楽を少しでも分散させる様に顔を押し付けた。慣らす必要もない程ぐずぐずに溶けるのも、あっという間だった。
(-231) 2021/12/18(Sat) 0:01:54

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート

耳朶に掛かる吐息に、這わされる舌の、その濡れた感触に。
ぞくりと背筋を震わせ、それでも指が動きを止める事は無い。
貴方が甘えるように首筋に顔を埋めれば、
きっと"役者騙り"らしく上品な香水の匂いがしただろう。

そうして貴方を暫く苛んだ後、指はずるりと引き抜かれて。
ベルトだの何だの金具の立てる僅かな音、
取り払われたものがベッド脇へと追い遣られた気配の後。

「カエルのままの王子を愛するのも自由だろう」

低く囁いて、勃ち上がった自身を貴方の後孔に宛てがって。
そのままずぶずぶと熱く蕩けた胎内に押し入った。

「んん、……俺としては、一つでも
 愛せる"エアハート"が減るのは…いや、そもそも役目とか
 俺が必要としてるからじゃだめなのか?だめか…?」

ある程度分け入れば熱い息を漏らし、一度動きを止めて。
切れ切れに零すのはムードもへったくれもない思考のだだ流し。

「だめか?」

ちょっと揺すった。

つまるところ。
貴方も"エアハート"の一部であるならば捨てる気は無いし。
仮に役目の終わりが凡そ死と同義であるのなら、
自分がある意味貴方にそうしているように、貴方も自分に存在意義を依存すればいい。
強欲で傲慢で暴論もいい所、そんな思考だ。
(-248) 2021/12/18(Sat) 3:36:24

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

「……ふ、…"気取ってる"って、言いたくなる…のと同時に、
 ……ああ、私の知ってる貴方だ。とも、思うんですよね」

貴方と20年も居たエアハートは、こんな"役者騙り"の香りに「自分達みたいなのが」とおかしそうに笑っただろう。けれど、今こうして匂いを嗅ぐ自分は、前に抱いた時もこの匂いをしっていたから、「フランドルだ」と思う。記憶はあっても、香りは実際に体験する方が"残る"から。

「自由ではあり、っ、ん…は、ぁ……」

"それに応えられるかは別だ"、と言う前に、後孔から下腹部にいとも簡単に迫り上がる圧迫感。けれど慣れ親しみ慣らされきった体は、その押し入る熱の熱さと苦しささえも歓喜とばかりに中は受け入れ、そして締まる。

ただ享受するだけでなく、無意識レベルで相手も悦ばせようと自然に貴方自身にねだるように、甘え甘やかすかの様に、何度もぎゅうと繰り返す。

「……ぇ……?消すんじゃ、ない、?……ははッ…既に、
 元の苦楽を共にした、一人がいる、のに、我儘……
 …あ、ずる──わ、わからな、いッ、」

わからない。今でも革命軍の為にと言う思考は当然の様に残っていて、でも、あなたの目を見る度に、絶対の生き甲斐だったものが、緩やかな意志になるように、今の体と同じ様に、何か解きほぐされている感覚を覚える。「だめ」かなんて、聞かないで欲しい。自分は選ぶ権利はない側なのだ。残りたくて残れるかも、全部、貴方の瞳と── ▽
(-287) 2021/12/18(Sat) 17:02:50

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「ぅあ!?あ、あ……くっ……」

止まっていて考えに思いを馳せていたのに、その軽い揺すりと律動だけでどんな小さな快感でも拾い上げてこようとするこの体のせいで、視界が白の世界に飛びかかる。思わず相手にしがみつく手の力を強めた。

「…いま、ち、ちょっと敏感す、ぎ、から……
 ……ま、あ、待ッ、あ、ああっ」

洗脳で感情を全てを入力された訳ではないと言うことは、"君にもう一度、惹かれて、本物のエアハートと少しだけ違うからこそ恋をした"。

そんな、キミも、誰も知らない──愛される資格を自分から捨てた刹那の人格は、自分から手を伸ばせず、誰も知らずに、いつか終われば良いと思っていた。求められるなんて思ってなかったし、自分でも変えられない。だから、

「……欲しいなら、…この身体を全部、貴方が満たして、
 貴方のものにすればいい。……できるなら、ですけど」

最後の言葉は、煽る様に言いたかったのに、敏感な所を擦り上げられて声が裏返りかけた気がした。こんな時まで格好がつかないが、でも、そんなものだ。

元々、身体をモノにされて弱らされ切った所に洗脳をかけられ生まれた、そんな自分なんかを望む物好きがいるなら、"奪ってくれ"。それが、望まれることを欠片を考えてなかった男の、絞り出す様に呟いた答え。
(-288) 2021/12/18(Sat) 17:08:34

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


たとえ応えが無くとも構わない。
何せ貴方を追い続け、手を伸ばし続けるのは得意なのだから。
貴方の陰は、貴方の剣は、今までそのようにして生きてきた。

「っ、…そもそも、さあ
 あの時折れるなって言ったの、そっちじゃないのか。
 俺を認めたのは、お前"も"じゃないのか。」

そして、剣を預けた時の事。
貴方の剣として在り続ける事を許された時の事を覚えている。

「俺はお前に消えて欲しくないし、逃してやる気も無い。
 だって言い逃げなんて卑怯だろう」

だから今もこうして手を伸ばして、欲しがって。
我儘であろうと関係無い。その分望むものは唯一つなのだから。
それくらいの我儘は、許されたっていいだろう。

「ハーディ、…エアハート、かわいい俺のかたえ。
 
ずっと傍で、俺以外の何にも囚われないでいてくれよ。

 俺はどうにもお前が他人の為に在るのは我慢ならないらしい。
 お前でも俺でもない、他人の為のお前で在るくらいなら。
 俺がお前の為にあるように、お前も俺の為にあってくれよ…」

或いは命令を、或いは請願を、重ねるように。
掠れた声が切なく甘く蕩けるように囁いて、あとは望むまま。
縋るように収縮する粘膜を割り開いて、好い所を責め立てて。
時折首筋や肩を柔く喰んで、傷口に再び舌を這わせて。
欲のままに貴方を貪り、そして求められるだけ与え続けた。
(-309) 2021/12/18(Sat) 19:37:45

【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート


──じゃあ、こうしよう。

暫定的に、元あったお前をハーディ、
後から生じたお前をエディと区別する事にしよう。
そうする事で二つは一度明確に個として分かたれ、
混ざり合い混濁する事はある程度抑制されると考えられる。

次。
お前はハーディであり、エディであり、エアハートである。
こうする事で恐らく二つは矛盾せず共存する事ができる。
共存の形が統合か併存かは…まあ、お前次第ではある、が。
併存であった方が、望ましくはあるだろうな。

それから。役目が無ければ存在意義も無いと言うのであれば
お前を望んだ俺の為に在る事を役目とすればいい。後は…

…ちゃんと聞いておいてくれよ。
お前が聞いて、頭で理解して、意識しないと意味が無い。
無理矢理書き加えられた矛盾と破綻だらけの命令を整理して、
改めて整合性の取れた命令として上書きし直せば。
理論上は、どちらの"エアハート"も維持する事ができるはずだ。

──実に貪欲な情事を終えた後。そんな、いつかの会話。

…………
(-311) 2021/12/18(Sat) 19:50:20

【秘】 残氷 の エアハート → 埃運び オーウェン

「おや、耳が早い。私はつい最近知りました。」

ただ一つ、見えないだけで案外どこにでもいるのは、
下層市民だろうがハーフだろうが同じだなと内心ごちた。

「──それがですね、私、下級市民とは言いましたが、
 他の下級市民の犠牲や安全には興味がないんですよ。
 面白みもなく
貴方に反感も抱けない男で
すみません」

含みのある言い方。
近付く顔に視線だけをやって笑顔を投げる。

「ただ、オーウェンの思考は面白いと感じました。
 まるで“冒険者”と言う存在が初めから生まれるようだ。
 例えば私が今、騎士を経て冒険者をしているように、
 最初から冒険者だった人間なんて一握りにも思えます。

 となると、私みたいな成り上がりは捨てるとして。
 最初から夢や誇りを抱いた冒険者だけを、
 貴方は守りたかったでしょうか。己を捨ててまで」

でもそれは、冒険者と定義するよりは──
誇りを持った人間を、ただ支えたい、そんなものに聞こえて。
ある意味下級市民が抱くよりも純粋な願いに思えた。

「革命軍は下級市民の待遇改善も使命ですから、
 表立って賛同はしませんが──
 俺が目指していたものも人に言えば馬鹿にされる、
 そんなものだったから、応援しますよ私は。
 貴方が本当に心からそれを目指し続ける限りは」
(-329) 2021/12/18(Sat) 20:51:44

【秘】 残氷 の エアハート → 迷彩掃除屋 ノアベルト

 
「どういった意味で拷問なのか、実はサッパリで。
 詳しく聞かせて貰わないと次に活かせないんですけど
 …まあノアベルトは面倒見が良さそうだからいいでしょう」

そんな訳で楽しげに首輪は付けられ、

「逆に言えば、顔を見なければ寝られるのでは?」

そんな意味不明な供述をし、ベッドに入ろうとしたり、
その過程で殴られるなり怒られるなりなんなりして、
その後、レモネードを弾かれて「困りごとを用意するの貴方じゃないですか」と文句を言いたくなったり実はしていたのだが、割と自業自得であり、なんだかんだ「こちらは」楽しそうなままだっただろう。
(-332) 2021/12/18(Sat) 20:57:13
 




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