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カナイは、昇降口にいる。 (a16) 2022/07/07(Thu) 20:21:48 |
【人】 長女 カナイ【昇降口】 1階、正面入口。ここは、生徒のためのとば口。 並ぶ下駄箱の数が嘗ての在校生の多さを表している。 今となっては見る影もなく、埃を被って朽ちかけているのだが。 ぽちり。スマホのライトを消す。 そうしてしまえば、頼りない空の光だけが残る。 射し込む月あかりが、打ち付けられた板の形に欠けている。 「ぁう…」 暗がりの中、びくびくと怯えるカナイは。 手近な靴箱から、あらためはじめるのだった。 (18) 2022/07/07(Thu) 20:26:48 |
【秘】 友達 ネコジマ → 長女 カナイ猫が怪我をしていたのは昔のことです。今は元気だよ。 良くもなく悪くもない手触りだけど、 清潔にはしてもらっているみたい。 顔をうずめればその分むにむにが形を変えます。 逃げはしないので、好きなだけ猫を吸えるぞ。 (-37) 2022/07/07(Thu) 22:21:27 |
【秘】 長女 カナイ → 友達 ネコジマむにむにの毛玉の虜となった。猫吸い。 のち、いけね、と顔を離す。この子怪我してるんだっ……… してない? してない。 心もとない光に翳して矯めつ眇めつ。 暗くてよく見えないがどうも、大丈夫そう。 なんだ勘違いかぁ、と、ほっとしたりとかしてた。 (-39) 2022/07/07(Thu) 22:42:15 |
カナイは、にゃんこを掲げている。にょーん。 (a26) 2022/07/07(Thu) 22:45:41 |
カナイは、にゃんこを取り落とした (a28) 2022/07/07(Thu) 23:15:15 |
カナイは、……というわけで、後輩たち と探検する こととなった。 (a31) 2022/07/07(Thu) 23:59:37 |
【人】 長女 カナイ【???】 後ろをついていきながら、「にゃんこ、かいらし」なんて。 辿々しくも和やかに、相槌を打っていたところ。 ガララ、と扉が開かれて。 「んぇ。こずちゃん、なんしたと……」 足を止めた少女を、後ろの後ろから見上げる。 笑みの消えた顔を捉えて、視線の先にのろのろと目を遣って。 「 ね 」、 「ぇう?」 ▽ (34) 2022/07/08(Fri) 1:20:39 |
【秘】 陽葉 シロマ → 長女 カナイ抱えられたら、きっと感じるかもしれない。 白間の身体が、見た目以上に細く骨張っていることを。 それこそ、栄養失調と称してもおかしくない程に。 (-74) 2022/07/08(Fri) 19:23:13 |
【秘】 不知 ミナイ → 長女 カナイトリカイが見つかってざわついている頃。 薬袋は何処か空き教室から離れていた。 そんなときにメッセージが来る。 『怪我の具合はどうだい』 『ずきずきしたり また転けたりしていない?』 黒猫が段ボールを被っているスタンプ。 (-83) 2022/07/08(Fri) 20:13:08 |
【秘】 長女 カナイ → 陽葉 シロマ「こ こずちゃん」 「ぅ、あ 歩けるぞ、ぼく…」 抱えられたまましばらく廊下を進んで…… いささか唐突に、あわあわと。 (ずっと昔はそういう喋りかただったこと。知っていてもいいし、知らなくてもいい。) (-95) 2022/07/08(Fri) 22:27:16 |
【秘】 陽葉 シロマ → 長女 カナイ「……自分のことくらい、好きに呼べば良いのに」 少し口を尖らせる。 せめて血縁の自分の前でくらい、という拗ねた気持ちだろうか。 「じゃあ、ゆっくり下ろすよ」 言葉通り、そっと軋む床に貴方を下ろす。 月明かりを僅かに映した瞳が、貴方の頭上にある。 「落ち着いた? まあ、あんなの見てすぐ落ち着くっていうのも難しいけど」 そんな少女自身は、比較的落ち着いているように見える。 装っているだけかもしれないが。 (-100) 2022/07/08(Fri) 22:51:42 |
【秘】 長女 カナイ → 不知 ミナイメッセージに気がついた、いずこかのタイミングで。 急いで返事を綴ろうとした指が、 受話器のマークに、ぺそ。 「あえぁ……」 もしもミナイがこの電話に出たのなら、開口一番はそんな感じ。 (-101) 2022/07/08(Fri) 23:09:53 |
【秘】 不知 ミナイ → 長女 カナイ「あえぁ」 リピートをしてすこしの間をあける。 くすくすと声を出して笑ってしまって。 「突然すぎたか、誰もいないようだね」 「ボクは探険中。保健室探しだ。 ここには、 大怪我した人たち 一番背の小さいキミが、事故に遭ったらたまったものじゃない。 無事なひとことで安心させてくれないかな?」 (-118) 2022/07/09(Sat) 10:06:26 |
【秘】 長女 カナイ → 陽葉 シロマ「ぇう」 無理難題が降ってきたみたいな鳴き声。 ぎっ、床に脚を下ろすと、ぺた、と腰骨のあたりに円盤の。 蚊取り線香のホルダーが揺れて、当たる。 「お …おちつい、とんな。……」 「ねーちゃんは……ねーちゃん なんに、だめやなぁ」 「 ま き お の、ことぉ…… 」俯きがちに、上目遣いの瞳が。 野暮ったい前髪と、フードの影を透かして。 「うぅん ん。 ……ありがとなぁ、こずちゃん」 (-119) 2022/07/09(Sat) 11:57:23 |
【秘】 長女 カナイ → 不知 ミナイ「 ぁあぅ… 」かわいらしい笑い声と重なった、 しゅんしゅん小さくなるときの声。 どこかに立ち止まって話しているらしい。 声以外の音、床が軋む音なんかはたぶん殆ど、しない。 「えぅ。ぅ、ひとり」 「 だ だいじょぉぶ、けが、しいん…」「 んぁ。…… ん んん? 」「ぉ 大怪我した人たち 、て 言ったか」 (-122) 2022/07/09(Sat) 14:50:28 |
【秘】 長女 カナイ → チャラ男 ウラミチ>>54(トリカイ見つけたあと)からたぶん、どのくらいか後の話。 空き教室に一度戻ったカナイ。 腰には蚊取り線香のホルダーが吊られている。 これを探しに昇降口に行って、見つけて、帰ってきた。 うらみち、おるかいね。 そう広くはない教室の入り口で、姿をもとめる。 (-123) 2022/07/09(Sat) 15:32:24 |
【秘】 陽葉 シロマ → 長女 カナイ「姉ちゃんだからとか、そういうのは関係ないよ。 私は 慣れてるから 、あんまり驚かなかっただけでさ」それは貴方という個を尊重した上での言葉であるけれど。 歪んだ捉え方をすれば『ねーちゃん』であるカナイは必要ない、という意味にも取れてしまう。 「今ここにいる皆は、カナ姉がお姉ちゃんじゃなかったら縁を切るような子達じゃないだろう?」 まるで最年長であるかのように、少女は諭した。 /* 襲撃予告し〜ちゃお! (-124) 2022/07/09(Sat) 17:03:47 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 長女 カナイ相手を見つけるとずかずかと近寄ってきた。 「おい!お前勝手に何処に行ってんだよ!」 気付いたらいなくなっていたのでめちゃくちゃそわそわしたチャラ男だ。 貴方の心配というよりは置いて行くなよといった色が強いかもしれないが。 「あ?なに?蚊取もってきたのか?」 (-126) 2022/07/09(Sat) 18:12:25 |
【秘】 不知 ミナイ → 長女 カナイ「そう、大怪我した人たち」 「痛そうで、ずっと治らない傷をもった人たち」 「連絡を見なかったかい? みつかった、彼、動かなくなっていたみたいだからね」 悲しそうに、慈しむように、丁寧に言う薬袋の表現は あまり死という言葉を使いたく無さそうな気配を感じさせた。 (-127) 2022/07/09(Sat) 18:34:52 |
【秘】 長女 カナイ → 陽葉 シロマ/* マ?? わ〜〜い、気合い入れて襲撃されるぞ 「そぉやろ」 諭されるや否や、同調する。 そんなの、考えるまでもなくその通りだ。頷く。 皆がいい子だなんてのは、カナイねーちゃんがよく知ってる。 「けどな……ぼくは、ねーちゃんなんだ」 昔っから迷惑ばっかのぼくが、言えることじゃないんけどな。 目の前の 気丈に振る舞う子 だってまだ17歳で、1学年ぶん下の高校生で、腕だってあんなに細いんだ。 「ぃ 、いくら慣れてるからって、きみが―――」 ▽ (-132) 2022/07/09(Sat) 18:59:16 |
【秘】 長女 カナイ → 陽葉 シロマ『私は 慣れてるから 、あんまり驚かなかっただけでさ』 ………… 「 ん ぇ?」バヂ、と脳裏に火花が散らばった。 「おろぉか、」 もつれる舌に構わず、思考が垂れ流されていく。 こういうとこもだめなんだ。ぼくって奴は。 「ぉ 驚かなかった て 」何に? 「 こず ちゃ、 きみ」「死んだ人に 慣れてる。」 のか? 間抜け面が、月光をかすかに纏うきみを見る。 (-135) 2022/07/09(Sat) 19:13:31 |
【秘】 長女 カナイ → チャラ男 ウラミチ「 ぁえ、 ぇぅ…」詰められて、たじたじ。 でもちょっと嬉しそうな顔をした。 (すぐ顔に出るので、全然こっそりとかではない。) 「ん… ぁ、んむ。げんかん置いちょった」 カナイは結構……というか案の定。よく、ものを置き忘れる。 (-143) 2022/07/09(Sat) 20:53:59 |
【秘】 長女 カナイ → 不知 ミナイ「ぁ。ぅ、 …… 見た。 」きみの忌避(かもしれないそれ)に気づけなかったことを、 申し訳なくとか、恥ずかしく思う。 「た」 躊躇いがちに、恐る恐る。 選ぶほどの言葉を持たないから、只、たどたどしく。 「 た たち。 て、 」「 ……まきおだけじゃ のぉて? 」 (-144) 2022/07/09(Sat) 21:06:34 |
【秘】 長女 カナイ → 奔放 クリスよく知った同級生の声に、ぺとぺと近づいてきた。 「 んぁ。…そ、 そぉまだぁ」「ねーちゃんは でんき、さがしとぉ」 無くしてしもた、と言うそれは、 最初らへん (>>1:58 らへん) に落としたマグライトのこと。「そぉまは、なにしとんの」 (-153) 2022/07/09(Sat) 22:23:13 |
【秘】 奔放 クリス → 長女 カナイ「なんだ、つまり迷子か」 合流すればいいだろ、とは態々言わない。 マグライトに思い入れがあるわけでもなし。 「推理。頼まれたから」 「考え中だ」 (-154) 2022/07/09(Sat) 22:27:29 |
【秘】 長女 カナイ → 奔放 クリス迷子。あながち外れでもない。 この廊下はきっと落としたのと別の廊下なので。 「ぇぅ」 ので、図星です!みたいな鳴き声をあげて。 (きみと話すといつもいつも鳴いているともされています。) 「推理」 「どんな」 「 しゅ す シュヒぎむ、か? 」 (-155) 2022/07/09(Sat) 22:36:20 |
【秘】 奔放 クリス → 長女 カナイ「戻れないのか? いいだろ、別にマグライトで怒る奴はいないよ」 怖がりの癖に変な行動力だけあるそいつを珍獣を見るかのような目つきで見やり。 躊躇はない。誰に対してもこうだ。 いつもの続きかのように言葉を吐く。 「鳥飼が僕らの中の誰に殺されたかの推理」 (-156) 2022/07/09(Sat) 22:41:53 |
【秘】 長女 カナイ → 奔放 クリス「 ん …んぅ」中途半端な首肯は否定と同義の、けど、 言い切られた『いない』に逆らって主張するほどでもない。 「だ だれに …… て。」探偵さんは、誰かに殺されたのだと断定しているらしい。 カナイは、賢いきみが言うんならそうなんだろなと、思うわけで。 「……ぁ。ぁう…」「…… ぁあ、 あ 」▽ (-157) 2022/07/09(Sat) 23:10:56 |
【秘】 長女 カナイ → 奔放 クリス「あ、ぁぁ あぶない 、だろ…!」「なにが……と、 んぅ ……んん、と、 『鳥飼が僕らの中の誰に殺されたかの推理』だ、よ」「す しゅ すひ しゅぃ…ギム。 だ、大事にしろ 」だばだば喋って、よっぽど流暢に畳みかけて。 ぼたぼた汗をかきながら、 わし、と栗栖の二の腕あたりを掴んで見上げている。 「ぼ、」 「ぼくだったらどうすんだ きみ…」 (-158) 2022/07/09(Sat) 23:18:21 |
【秘】 奔放 クリス → 長女 カナイ「あのさあ、違うなら違うって言いなよ」 「僕だって全部合ってるとは思ってないんだからさ」 そんな言葉を吐きながら、目を細めた。 吐息をこぼす。へえ。とでも。 「 そういう 反応するんだ」▽ (-159) 2022/07/09(Sat) 23:23:20 |
【秘】 奔放 クリス → 長女 カナイ“いる”を前提に話した。 それが意味するものに、興味を示しながら。 吐息に微笑みを乗せながら。笑って、返す。 「きみじゃないからね」 まぁ。仮に君だったとしても、変わりはしないが。なんて言葉は言わない。 「僕の言葉の方を信じられるんだ、きみは」 彼らより。 それはどこか、 見上げられたその視線に、打ち払うわけでもなく。 ただ、見下ろして。 「なんで? 信じてあげないの? 彼ら」 (-161) 2022/07/09(Sat) 23:29:45 |
【秘】 陽炎 シロマ → 長女 カナイ「……ん、変なこと言ったかな」 心配そうに貴方の顔を覗き込む。 その様子は、生徒を助けようと席へやって来る教師の姿を彷彿とさせる。 白間梢はいつも通りだ。 いつから? 白間梢は昔からこんな子供だった。 どんな? 正月に親戚で集まった時だって、隅に座る貴方の隣にいたのは決まって彼女だった。 本当に? 「……それに、先生になるならさ。 何事にも動じず構えてなきゃいけないだろう?」 嬉々として語り出すのは、時代遅れも甚だしい教師像。 そもそも。 彼女は、進学を諦めた筈である。 奨学金という手段もありながら、少しでも早く家を出たいからと。 数年間の通学が保証される家庭ではないからと。 そう小さく溢した、いつかの帰り道。 ────空は、どんな色をしていただろう。 (-167) 2022/07/10(Sun) 0:02:54 |
【秘】 長女 カナイ → 奔放 クリス「………そりゃ。ぼくじゃない、けど」 けど、危ないって言ってるだろ。 「し 信じ …… んぁ 」もどかしさに、臍を噛む。 だめなカナイに、何かを聞く奴なんてあんまりいないから。 だめなカナイがそれでも伝えたいことなんて滅多とないから。 言葉を探す羽目になる。 ぼくはそういうのも、うまくできないってのに。 ▽ (-169) 2022/07/10(Sun) 0:28:56 |
【秘】 長女 カナイ → 奔放 クリス「そぉまは、」 「し、信じて るんだろ。 ぁう、ぉ ぼくらの中にいる …って」掴んだ腕に力を込める。 長袖の先から覗く指先は多少、冷えて。 「 だ 「ぼくも、 ねーちゃん …も、そう!そうしたい って、ぃ 言ってんだ」 「 ち、 違う。 から、な…」カナイの脳裏に矛盾はない。 不出来な回路に、ハナから整合性なんてものはない。 「 みんなを し 信じたい ……からってき ぃみのこと 信じちゃ、いけないこと。」「な ないだろ…! 薄暗い廊下で、月の明かりを仄かにうつして。 暗色のフードと野暮ったい前髪を透かした瞳が、真っ直ぐ。 (-170) 2022/07/10(Sun) 0:30:11 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 長女 カナイ「なんでんな嬉しそうな顔してんの? お前そんな蚊に刺される体質だっけ?」 じろじろとあまり出ていない肌の部分を無遠慮に見た。 「お前一人でうろうろすっと逆にアブねぇだろ。 忘れ物したならラインで誰かにたのんどけよ」 間が抜けていてふらふらしている相手の事も心配だが、自分の身の危険的な意味も含まれている。 「オラ、もうおとなしく座ってろ」 軽く肩を叩いて適当壁にもたれるようにして窓際に座った。 (-171) 2022/07/10(Sun) 0:40:02 |
【秘】 奔放 クリス → 長女 カナイ「じゃあみんなのこと疑えるか?」 「みんなを信じるなら、僕を疑えるか?」 至極簡単な、至極単純な、過程に合理性はなくとも。 結果を出すならばつじつま合わせをしなくてはいけない。 「わがままだな、司馬は」 慎ましやかにその奥に隠されてきた強欲なそれが表にでも出たのだろうか。分からない。 「別に、それでいいよ」 「でも少し考えてみて」 「ねえ、司馬」 「今まで手に入らなかったものでも、あった?」 (-172) 2022/07/10(Sun) 0:45:27 |
【秘】 長女 カナイ → 奔放 クリス「ぁ、う」 「で でき……」 勢いだけの言葉はつんのめって。 なけなしの啖呵はよろめいて、答えを出す前に、ぼと。 墜落。 わがままだな。瞳がぐらぐら揺らぐ。 目をうまく逸らせないから、固まっていることしかできない。 それでいいよ。 それって、なぁ、どういう ▽ (-180) 2022/07/10(Sun) 1:59:59 |
【秘】 奔放 クリス → 長女 カナイ目を見ている。 その目を見ている。 「きみが、ほしがり、だからだよ」 「自分の矛盾にすら気付かないほどに、無垢にほしいものを、欲しいと言える」 「普段そういうそぶり見せないくせにね」 「きみは、それを抱えていた」 「どこかアンバランスで」 「“興味がある”」 ▽ (-182) 2022/07/10(Sun) 2:05:48 |
【秘】 奔放 クリス → 長女 カナイ「それに固執するきみは」 「失われたことがあるんじゃないかってね」 抑圧されたもの。自分自身すらから。 だから、それは無垢に欲しがってしまう。 こうして、発露するまでに。 どうかな。どう思う? 「きみが、欲しかったものをね」 (-183) 2022/07/10(Sun) 2:07:27 |
【秘】 長女 カナイ → チャラ男 ウラミチ「 んぇ。 ぇう、さ 刺される 」こくん…頷いて。 「ね ねーちゃんのじゃけ」 一人称がややこしい。自分のものは自分で…と言いたい。 そうして、ぽん、と肩を叩かれる。 またちょっと嬉しそうな顔して、裏道の隣に座りこむ。 のそのそ、すとん。 「うらみち、ずっとここ いんの」 くっついたと言って過言でない距離だったりする。 ぺと… (-184) 2022/07/10(Sun) 2:14:25 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 長女 カナイ「 オ゛ッ 、まえ……」ナチュラルに隣に座るまではよかった。 だがくっつかれると思わず声が裏返ってしまう。 「………」 居心地が悪そうに微妙に顔をそらした。 子供の頃はくっつかれても平気だったのに、暫く皆と離れている間に自分の中で何かが変わってしまったのか、昔みたいにはいかなくて。 「ん、んん……別に、探索興味ねぇし……」 (-187) 2022/07/10(Sun) 2:44:47 |
【秘】 長女 カナイ → 陽葉 シロマ「 こ、 ずちゃん…」覗き込んでくる顔を、呆然と見つめ返す。 当然返ってくるはずの否定は、行方知れずで。 「こずちゃ ん、 」変なこと言ってるのは、きみの方だ。 「……こずちゃん…」 白間梢は、そばにいてくれた。 いつまで? 血を分けた人たちにすら馴染めない、鹿乃のそばに。 梢は優しい。しっかり者の、こずちゃん。 例えば? 皆の人気者で、何でもできるすごい子なんだ。 昔っから、ずっとずっと。 本当に! 「んぃ、 ぎぅ 」▽ (-194) 2022/07/10(Sun) 6:44:46 |
【秘】 長女 カナイ → 陽葉 シロマ「 せ、 んせぇ なるの か 」脳の裏がバヂバヂ煩くて、チカチカ火花が舞い散って。 けれど、細い細い糸が。こんなに煌めくから。 のろのろと、縋りつくように白間の上着を握る。 そうしなければ─── 目の前の少女が急に、遠くに行ってしまうような気がして。 ……絶対、いい先生になれるのに、と。 こっそり唇を噛んだ日の空は、思い出せない。 『こ こずちゃ…… うぅん、ん。そぉ、か。 そ、かぁ……』 (-195) 2022/07/10(Sun) 6:52:18 |
【秘】 不知 ミナイ → 長女 カナイ「え? ああ、やっぱりボクにしか見えないのか」 「鹿乃くん」 その声は一瞬だけ上がって、それでもやはり寂しそうに。 悲しそうに、まるで冗談に聞こえないように。 「 幽霊 。ボク、彼らを知っているんだ」 (-200) 2022/07/10(Sun) 9:43:45 |
【秘】 陽炎 シロマ → 長女 カナイ焼けた肉の臭いがする。 ……ぐるる。 場違いな腹の音がどこかで鳴った。 どこで? 「うん……やっぱり、諦めきれなくてさ。 こうなったら自力で先生になるしかないと思ってね」 これ が口に出すのはおかしなことばかり。しかし声色は変わらず、自信に満ち芯の強さを持っている。 まるでおかしいのは貴方であると断言するかのようだった。 焼けた肉の臭いがする。 「でも先生って、生徒がいなきゃできないだろう?」 上着を掴む手に、そっと自分の手を重ねる。 その手のひらは、焼けた様に熱い。 ▽ (-204) 2022/07/10(Sun) 12:16:58 |
【秘】 陽炎 シロマ → 長女 カナイ「 だから、生徒を集めてるんだ。 」貴方達である必要はあるのだろうか。 「誰も置いてけぼりにしない。 誰もがありのままの自分でいられる。 そんな学級を作りたいんだ。」 貴方である必要はあるのだろうか。 「……カナ姉にも、手伝って欲しい。 私達だけじゃ、難しいことだから」 それでも。 貴方を、ねーちゃん≠、頼った。 焼けた肉の臭いがする。 (-205) 2022/07/10(Sun) 12:18:02 |
【秘】 長女 カナイ → チャラ男 ウラミチ「んぇ?」 ひっくり返った声を、不思議そうに見上げる。 引っ付いているカナイはじんわり、あたたかくて。 「……んふ」 ちいさく、含むように笑う。 抱え込むようにこっそりした笑い方は、昔から。 「こわがりやもん、なぁ。うらみち」 「……ぼくも」 (-206) 2022/07/10(Sun) 12:57:08 |
【秘】 長女 カナイ → 不知 ミナイ「 ゆ ゆうれ、ぃ 。な… 」ピャッ、というような跳ね上がりかたをして、もごもご。 カナイの声は不明瞭で、それでも、怯えだけではないような。 「…… …どんな子が いるん」 (-207) 2022/07/10(Sun) 13:20:53 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 長女 カナイ「 バッ!!! ここここ怖がってねぇよ!!!ガキの頃の、話だろ?!!」 子供の時は大層なビビリヘタレだったが今は違うと顔を必死に横に振る。 都会にいってビッグな男になってきたのだ(当社比) 「お前は今も変わらずビビりみたいだけどなっ!!!」 変な汗をだらだら流しながら、フン!とそっぽを向いた。 (-208) 2022/07/10(Sun) 13:41:33 |
【秘】 長女 カナイ → チャラ男 ウラミチ「 ピャッ!! ……ぇぅ… 」大声にびっくりした。 縮こまったあと、のろのろと弛緩して戻る腕が当たる。 漂う線香の匂いは、きみの近くから離れない。 「こ こわいけど、き 来たもん… 」「うらみちはなんで、ぃ いっしょあそび 来てくれたん」 「……こ こわがりなんに」 (-209) 2022/07/10(Sun) 14:04:21 |
【秘】 不知 ミナイ → 長女 カナイ「多くの顔はわからない。靄みたいな物でさ。 色がぶわーって陰ってる。暗い煙が世界に浮いている。 泣いていそう、怒っていそう、苦しそう。 ……喜んでいる人はみないかな。 事故にあったんだって、殺されたんだって。 友達と仲直りしたいんだって、お家に帰りたいんだって。」 淡々と普段から見えている物を説明してから一区切り。 「 怖いよね。 できるだけ話しかけないようにしていたんだけど、 どうやらボクはここで幽霊と話してしまったみたい。 キミたちも、話してた くすくす、と、聞きたそうな君に優しく甘い声で囁く。 「―――優しくて、可愛くて。 好きな子を好きだった気持ちをずっと大事に思っている子」 (-210) 2022/07/10(Sun) 14:07:13 |
【秘】 長女 カナイ → 陽葉 シロマ焼けた肉の臭いがする。 蚊取り線香の煙が、仄かにたちのぼる。 いつもの夏を切り取ったような、日常に漂っていた香り。 ぁ 集める て。 縋る手が焼かれるように熱い。 きらきら綺麗なだけの糸は鋭くて、 「どうや ……って」 ぼくが見たかったのはそんな、おかしな幻じゃなかった。 ▽ 焼けた肉の臭いがする。 (-212) 2022/07/10(Sun) 14:56:19 |
【秘】 長女 カナイ → 陽葉 シロマ「あは」 「き 決まってる 青褪めた顔が、乾いた笑いを漏らして。 壊れた蛇口みたいにぼとぼと言葉を吐いていく。 「ぼくでも。わかる、ぞ」 「なぁ、こずちゃん」 「……こ 」 「ころすん か」 ぼた、ぼた。 大粒の汗を落として、ぐる。間の抜けた音。 誰のだ。 焼けた肉の臭いが、渦巻き型の夏の香りを覆っていく。 「せ 先生、に なりたいから、か ?」 (-213) 2022/07/10(Sun) 15:01:04 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 長女 カナイ「……はぁ、わりぃ……」 虚勢を張りつい大声をだしてしまい、また相手を怯えさせてしまった事に気付くと、自分を落ち着かせるために深く呼吸をしながら謝罪した。 「………」 嘘をつこうと見栄を張ろうと、相手にとっては昔の素の自分しか映っていない。 「………会いたかったし…、ぉ……皆に」 諦めたようにポツリと本音を零した。 もにゃもにゃと口ごもるようなしゃべり方は昔の自分に似ている。 (-214) 2022/07/10(Sun) 15:07:28 |
【秘】 長女 カナイ → チャラ男 ウラミチ「ん…」 大丈夫、というように頷いて。 それからちらと覗き見える、懐かしい幼馴染の昔の顔。 「……んふ、ふ」 「ぼくも。うらみちと また遊べて…嬉しい、ぞ」 それはきっと、お互い様。 ずっと昔のカナイはよく喋って、男みたいな口調だった。 (-221) 2022/07/10(Sun) 15:24:27 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 長女 カナイ「まぁ、俺も………田舎はやだけど、お前らとまた遊べんのは…… 嬉しぃ…かな 」照れくさそうに言いながら後頭部をかしかしとかく。 「お前も、ちょっと変わったか?」 (-222) 2022/07/10(Sun) 15:50:50 |
【秘】 長女 カナイ → 奔放 クリス栗栖が次々と放り込むはやさに、目を回す。 ひとまず、どうにか引っ掛けたのは最後の言葉。 「……欲しかったもの?」 きみが。えっとつまり……カナイ、が。 んぅ、とか、ぅぇ、とかなんとか。 小声で鳴きながらうんうん唸りはじめて。 (考えろと言われて考える、たぶん学校の宿題をしているときと似たような光景となった。) 「 んぁ…… はっ」目をひらいて。 ぱちぱち、瞬きののち。 「ほ ほしがりじゃ ない… 」周回遅れの、よわよわしい否定をぺそ、と投げつけた。 (-223) 2022/07/10(Sun) 15:52:32 |
【秘】 長女 カナイ → チャラ男 ウラミチ照れくさそうな素振りを見る。 一段と小さな声の最後までを拾って、目を細めた。 「…んぅ。か かわったかいね」 「うらみちは、お洒落さんになっとぉ よなぁ…」 そうして、自身の変化には無頓着。 明るい色の髪と、面影が残る横顔をじっと。 (-231) 2022/07/10(Sun) 18:55:51 |
【秘】 長女 カナイ → 不知 ミナイ「…… 」 絶句、のような。 空白があいて。 「そぉか、あ」 「ゆうれぇ、と。ぼくも、喋っとったん、なぁ」 どの子だろ、と呟く。 聞き出そうというよりか、つい漏れた独り言といった感じに。 (-232) 2022/07/10(Sun) 19:02:29 |
【秘】 不知 ミナイ → 長女 カナイ「知りたい? 教えてあげるよ」 「あの子は知られること気にしていなさそうだ。 ただ、――揺蕩っている」 信じてくれるんだね。驚いて居るはずなのにね 「一人目は深雪くん。 ――――きっとまだいる。 ボクはその子を見つけてあげようと思う」 痛みや苦しみを感じることが生者の特権だ。 恨みこそあれ何も感じなくなることが死者だ。 「かわいそうだから。 鹿乃くんは、どう思った? これを聞いて」 ――――今この瞬間だけでも。 彼らは手に入れたのだろうか。 態々、生きる辛さと苦しみを。 喪ってから気付く、命の重みを。 それは、幸せな事なのだろうか。 生き地獄なのではないだろうか。 (-239) 2022/07/10(Sun) 20:20:36 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 長女 カナイ「だろ!?向こうでは皆髪色染めてピアスとかもバチバチなわけ! 俺も、元々金髪だったんじゃね?ってぐらい似合ってるっしょ?」 お洒落と言われればご機嫌な様子で自分の前髪を一房摘み上げた。 「お前もなんか染めてみれば? ピンクとか赤とかさぁ」 そう言って大胆にもあなたの頬にかかる髪に触れ掬いあげた。 (-240) 2022/07/10(Sun) 20:33:52 |
【置】 出席番号 縺斐a繧薙↑番 カナイ────起立、気をつけ。 どこか懐かしさを覚える、快活な声が脳の裏を焼く。 んぁ、と間の抜けた覚醒。 鳴き声の主は、がばりと身を起こす。 大きな、長袖のパーカーを身に纏った小柄な少女だった。 着席の姿勢を保った少女が居るのはどこか暗い一室のようで、目の前の机に突っ伏して眠っていたらしい。 窓から鈍く刺しこむ月明かりのほかに光源は存在せず、掛け時計のあるべき壁にはその痕だけが残されて。今が何時なのか、見当もつかない。 すぐにでも窓の外を見に行きたかったけれど、逸る気と裏腹にどうにも手足に力が戻らない。 次第に思考も霞がかって、只ぼんやりと月の光に照らされていた。 じりじりとした時間が過ぎて、薄闇に目が慣れた頃。 再び正面に視線を戻せば、黒い板が目に飛び込む。 壁を横切る堂々とした質量に加えてこちらを向き鎮座する教卓とくれば、ここが教室であることは一目瞭然だった。 自分は、一体いつから眠っていたのだろう。 不安を覚えた少女は、ぐるりと辺りを見回す。 静けさが耳に痛いほどで、毛羽立った居たたまれなさが際立つ。 息を潜めるように、焦れったい程にゆっくりゆっくりと正面から視線をずらせば────視界の端に、人影が、引っ掛かる。 誰かが、斜め前の席に突っ伏している。 皺の寄ったシャツが月を反射して、白々と冴えていた。 いつからそこに在ったのだろう。ひぅ、と息を呑む。 しっかりとした体格を表すような広々とした背中、男の子のように見える。 身じろぎ一つしない背中が、生物の形をした置物のようで薄ら寒い。 肩越しにどうにか彼の顔を見られないかと思い立ち、座ったまま首を伸ばすと、 (L7) 2022/07/10(Sun) 20:58:56 公開: 2022/07/10(Sun) 21:00:00 |
【置】 出席番号 縺斐a繧薙↑番 カナイ頭には、見慣れた麦わら帽子 。雲間が途切れ、窓から入る光がさっと床を照らし出す。 埃を掻き分け踏んだ幾つもの、人と猫の足跡。細く、僅かに伸びた赤い痕跡。 つん、と鉄臭さが少女の鼻をつく。 些か唐突に過ぎるそれは、路傍の石が不意に思い出されたようなものだった。 記憶の底から立ちのぼるような、まだ新しい血の匂いは、一気に生々しさを以って少女に迫る。 ―――え? 息を殺していたことも忘れ、跳ね上がるように立ち上がる。 しかし間もなく追いかけてくるはずの、 椅子の倒れる音は、いつまで経っても響かなかった。 (L8) 2022/07/10(Sun) 20:59:31 公開: 2022/07/10(Sun) 21:00:00 |
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