【人】 三橋 夕凪[─── あの人は、妙な先生だった。 高校に上がったばかりの16歳には少々、 というかかなりの衝撃を与えてくれた人。 その国語の先生は、時折お酒の臭いをさせながら 教卓に立っていたり、非常勤の涼風先生を 生徒の前で堂々と誘ってみたりと、 百歩どころか一万歩譲っても 真面目という言葉からはかけ離れていて。 『源氏物語研究会』なんて、 部員がいるのかすらわからない部活の 顧問をしていながら 最初の授業で高校生に勧めた純文学が 三島由紀夫『春の雪』 渡辺淳一『失楽園』 川端康成『眠れる美女』 谷崎潤一郎『痴人の愛』 だった人。] (50) 2021/02/01(Mon) 12:45:11 |
【人】 三橋 夕凪[けれど不思議なことに先生の周りには いつだって生徒が絶えなかった。 皆ちゃんとわかっていたんだ。 あの頃の私たちを、子供扱いもしないで、 対等な人間として扱ってくれることが どんなに難しくて、貴重で、 そして嬉しいことかってことを。 皆、先生が好きだった。 先生は、知っていたかな。 ] (51) 2021/02/01(Mon) 12:46:48 |
【人】 三橋 夕凪[すぐにぐんと上がった国語の成績。 持っていた教科書でぼすん、と私の頭に触れて、 『三橋ぃ、今回模試良かったぞー。』 なんてにっこり笑ったりしたら 初心な女子高生が恋に落ちる理由としては 充分過ぎるでしょう? 私が先生のことを好きだということは、 友達全員が知っていた。 夕凪は添木と話す時顔がやばい、って皆が笑う。 必死で否定したら、プリントを届けに行って 先生と話す私の顔をスマホで撮影した友達が居て、 ─── 自分でもひくくらい顔が赤いことを その時初めて知ったのだった。 ] (52) 2021/02/01(Mon) 12:50:58 |
【人】 三橋 夕凪あーやばい絶対間に合わない…… [左手に握ったスマホの時計表示にちらりと 視線を落とし、がっくり肩を落として項垂れる。 図書館で借りた本の期限が今日までだったのを いつものようにすっかり忘れていて、 いつものようにぎりぎりに思い出して、 慌てて下宿先を飛び出したものの、 普通に考えて閉館時間には完全に間に合わないと、 いつものように今、知る。 はー、とため息をひとつ落として ゆっくり踵を返した。 肩から下げたトートバッグの中、 重たい本が数冊ごとん、と傾いて、 よいしょ、の声とともに持ち直す。] (62) 2021/02/01(Mon) 18:39:38 |
三橋 夕凪 は、メモを貼った。 (a12) 2021/02/01(Mon) 18:44:54 |
【人】 三橋 夕凪……もしかして、リクちゃん? [記憶の中の、知っている子に、 どこか似ている気がして 半信半疑のまま、そう聞いた。 ]** (78) 2021/02/01(Mon) 20:01:16 |
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