【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里えっ、あっ ずるい!!! こっちはか弱い女子なんですからね! [ ほっぺたをぷくうと膨らませて。 性差はちゃっかり主張しつつ。 よーいドンもなしに始まった駆けっこに。 こちらも慌てて走り出す。 速さを出すには、どうしても腕を振る必要があったから あんなに集めていた薪も、 途中でどこかに落としてしまって。 ただがむしゃらに、走って、走って、走って。 前の背中だけを追いかける。 明日の事なんて考えなくていい。 ただ今日だけに全力を注ぐ、幼い子供みたいに。 ] (167) 2020/11/28(Sat) 11:38:42 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 未来というのは。 往々にして曖昧で、不安定なものだけど。 少なくとも、今の私は。 君と同じ方向を向き、そこを目指して。 全力で走っていた。 ] (168) 2020/11/28(Sat) 11:39:02 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里えーいっ [ 宿に着いたのはどちらが先だったかな。 スタートの差が縮まらなければ、 順当に私の負けだったかな。 切らした息すら整えないまま 在りし日の公園の続きを始めるように。 今度は玄関周りの枯葉を拾い集めると、 子供みたいな顔で笑って、 君に向かってふわりと投げた。 ] (169) 2020/11/28(Sat) 11:39:42 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 恋人になる話。>>164 君はあっさり「それも悪くない」なんて頷いていたけど。 私の胸中は、もう少しだけ複雑だ。 これまで私は数度失恋を繰り返したけれど。 君が近くにいて、慰めてくれたから。 立ち直って、次の恋を始める事ができたんだと思う。 ] (171) 2020/11/28(Sat) 11:40:54 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 君を失いたくないから。 私は君にだけは、恋をしない。 それは、愛情とも友情とも言い難い。 誰にも言えない私だけの秘密。 ]** (173) 2020/11/28(Sat) 11:41:25 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里・ 次は負けないからね。 [ 先に到着する姿に、悔しそうに。 それでも、躊躇わずに先の未来を口にする。 先程交わした会話はこういう事だと信じて。 それからしばらく宿泊施設の周辺で遊んで。 私はともかく、健吾のそういう姿は貴重だから、 もし誰かに目撃されたら、そうだね。 それこそ宇宙猫みたいな顔をされたんじゃないかな。 お腹が鳴ったのはほぼ同時。 ─── 個人的には、気付かない振りをお願いしたいけど。 おにぎりは塩昆布が至高。 だけど駆けっこで火照った身体を 風で冷ましながら食べる明太子とエビのマヨネーズは、 あっという間に胃に収まった。 ] (176) 2020/11/28(Sat) 13:11:19 |
叶わぬ想い 日下部 汐里は、メモを貼った。 (a20) 2020/11/28(Sat) 13:12:47 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里── キャンプファイアー ── [ ぱちぱち、と火の爆ぜる音。 その中心から少し離れて。 踊るみんなが遠目で見える位置で、 1人小さく息を吐く。 林間学校という非日常は間も無く終わる。 再び始まる日常に、 私は立ち向かわなければいけない。 “友人”という仮面をつけて。 ] (224) 2020/11/28(Sat) 19:05:47 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里……大丈夫、大丈夫。 [ 言い聞かせるように呟く声は、 思ったより悲壮感を含まず。 その事に、私は安堵した。 この非日常が私に与えてくれた影響。 出会ったばかりなのに、 胸を貸して泣かせてくれた先輩がいた。 そして、いつかの別離を覚悟していた幼馴染も ずっと一緒にいてくれるらしい。 ] (225) 2020/11/28(Sat) 19:05:52 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ たとえ胸に抱いた想いが。 成就する日は来ないのだとしても。 ] …… なぁんだ。 結構恵まれてるじゃない、私。 [ だったら、うん。 きっと頑張れるよね。 ] (226) 2020/11/28(Sat) 19:06:02 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ ぽつり、呟いてから、満足そうに微笑むと。 二色の瞳を、今は同一の、 照らす炎に染めながら。 想像よりずっと晴れやかな気持ちで。 キャンプファイアーの煙が 闇色の空に溶けていくのを、見詰めていた。 ]** (227) 2020/11/28(Sat) 19:06:37 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里うん、楽しかったよ。 普段話さない人とも話せたし、 知っている人とも、普段しないような話ができた。 ─── 絵理香ちゃんは、どうだった? [ 近付く声に振り向いて、笑みと共に尋ねる。 私の知らない林間学校を過ごした彼女の事を。 これまでの私は、 心に沸き起こる嫉妬心に、 自己を嫌悪する心を抑えられなかっただろうけれど。 曲がりなりにも受け止められる強さ 与えてくれた二泊三日の出会いへ感謝しながら。 ] (244) 2020/11/28(Sat) 20:59:08 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 絵理香ちゃんは踊らないの? そう尋ねて、汗のリスクを教えて貰えば>>241 残念だね、眉根を下げる。 踊った後にシャワーでも浴びられるか、 先生に尋ねてみようか。 そんなことを話しながら。 ] でもせっかくなのに踊れないのも残念だね。 スローステップのゆっくりしたダンスならどう? のんびりと、風を感じられるくらいの。 [ …… とある先輩が屋上で見せた勇気。>>235 それを私は知らないけれど。 その機会があれば、心から讃えたと思うんだ。 ] (245) 2020/11/28(Sat) 20:59:41 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里Shall We Dance? [ 私の出せる勇気は、そんな提案と共に そっと差し出した手のひらが精一杯だったから。 ]** (246) 2020/11/28(Sat) 20:59:52 |
叶わぬ想い 日下部 汐里は、メモを貼った。 (a30) 2020/11/28(Sat) 21:00:54 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ ゆっくりのダンスと言っても、 私はそれほどダンスに詳しいわけでもないから。 重なった手を、しばらく見つめた後。 音と風に身を任せて。 ゆったりと円を描くようにつま先を動かしたら。 あとは自由気ままに動き出す。 だから噛み合わなければ、くすくす笑って。 上手くステップが合えば、なんだか嬉しい。 きっと人によっては、稚拙で幼稚に違いない。 …… 夢のような時間。 ] (263) 2020/11/28(Sat) 23:59:36 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里「 そうそう、包丁で指を切っちゃって。 」 「 雨宮先輩って、悪い子だけど良い人だよね 」 「 健吾と森でかけっこしてね ─── 」 [ くるり、くるり。 時に背中合わせに、時に貴女と向き合って。 小さく息を吐きながら。 林間学校の思い出を語って。 夜空に浮かぶ月と、 遠くで燃えるキャンプファイアーの明かりが 混ざり合い溶け合って、 スポットライトのように貴女を照らす。 ] (264) 2020/11/28(Sat) 23:59:39 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里綺麗…… [ 思わずそう呟いてから、慌てて空に視線を傾ければ。 貴女は勘違いしてくれたかな。 ] ───…… ね、絵理香ちゃん [ 気付けば、曲もそろそろ終わりを迎える頃。 少しずつ踊りに慣れてきた身体が、 フィニッシュの準備を迎え始めたら。 ] (265) 2020/11/28(Sat) 23:59:42 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 小さな、小さな耳打ちを一つ落とした後。 最後に手足をぴんと伸ばして、ポーズを決めて。 ゆっくりと冷めていく余韻の中。 ぺこりと礼をすると、 繋いでいた手を解いた。 ]** (266) 2020/11/28(Sat) 23:59:48 |
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