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【神】 ”復讐の刃” テンゴ【ノッテアジト】 いつも煙管をふかしていた昼行灯は、姿を見せなかった。 報告書に上がっていない辺り、死んだ線は薄そうだが… 欠席の連絡すらなく空いた席は、静けさを返すのみだった。 ただ。 紙切れが1枚残されていただろう。 『会議に俺が居なかった場合は、俺自身が死んだか、動けなくなった状態だと判断して貰っていい。用があるなら俺の部屋に書面を置いておけ。』 (G3) 2022/08/23(Tue) 22:09:38 |
【秘】 愚者 フィオレロ → ”復讐の刃” テンゴ「昼行灯の火が消えた時、あなたがどうなるか。 ……心配だなぁ。 燃え続けている間はいいんですよ。 異国人なのに実力主義のノッテの顧問まで 上り詰めたあなたの実力を疑っているわけではないんです」 「そのあとの話で。でも、テンゴさんは」 "そのあと"なんてどうでもいいと思ってるんだろうなぁ。 そう呟いて困った人だとばかりに笑った。 (-5) 2022/08/23(Tue) 22:40:59 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 名もなき医者 リカルド【テンゴの部屋】 いつか、どこかの時間軸。 もし、貴方が。 奇跡的に回復して、何かが気になって。 テンゴの部屋を訪れたならば、部屋の鍵は空いている。 綺麗に整理され、殆ど物が見られない室内に、オーダーメイドと思われるスーツが一式飾られているのがよく目立つ。 ぽつん、と置かれた机の上には、封筒が1つ。それと、貴方にテンゴが投げて寄越した竹の水筒が1つ、残されていた。 何故か貴方は、水筒に不自然さを覚えたかもしれない。 もし手に取って確認したならば、その中に紙切れが入っているのに気付けるだろうか。 紙切れは、達筆で書かれたメモ書きと、港の五番倉庫の地下にある秘密裏に設置された医療施設に関しての情報が記載されているものの2種類だ。 『これに気付く者は、恐らく俺を良く知る人物であると確信している。もし俺が報告書に上がらず、帰る事も無かったら訪ねてみてくれ。運が良ければ生きているかもしれない。』 (-6) 2022/08/23(Tue) 22:43:12 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 愚者 フィオレロ「…なるようになるさ。」 「ただ、天寿を全うすることはないと確信はしている。お前を置いて早々に先に逝ってしまうかもな。」 なんて。縁起でもないことを言いながら。 「お前さんこそ、どうしてそこまで俺を心配する。直属の部下でもあるまいに。」 至極不思議そうに、その時は言っていた。 (-7) 2022/08/23(Tue) 22:59:58 |
【秘】 愚者 フィオレロ → ”復讐の刃” テンゴ「やめてくださいよ縁起でもない。 俺は置いて行かれることが何より嫌いなんです。 そんな事されるくらいならいっそ先に置いていきますから」 「……。ああ、わからないですか?そうですねぇ……」 どうしてそんな事を聞くんだろう。 とばかりに真顔の瞬きを数回し終えて、顎に手を当てながら指でトントン弾くように叩きながら思案した後に、秘密だとばかりに声を潜めて。 「じゃあ、」 「思い出話にしましょう」 「"そのあと"を語れる機会が訪れた時に、ね」 そんな日は訪れることはなかったのだけれど。 起きる事のない事を、秘めた思いごとこの日の記憶と共にしまい込んだままに。 これでよかったのだ。そう自分に今は無理やり言い聞かせた。 (-12) 2022/08/23(Tue) 23:15:29 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → ”復讐の刃” テンゴ【テンゴの部屋】 会議が終わった後か。 包帯を巻き、ふらつく頭を抑えながら、男はよろよろと貴方の部屋を訪れた。 貴方がただの昼行灯でないことはわかっている。 だからこそ、この疲弊した組織をまとめるのは貴方と 姿の見えない上司 しか居ないと、思っているのに。「……リカルドです。テンゴさん、居ますか」 ノックをし貴方の反応を待つ。 待つが反応はなく、ドアに触れるとその鍵は開いていて疑問を覚えた。 「…………テンゴさん?」 周囲に視線を彷徨わせ、質の良いスーツと、机には封筒と不自然に水筒が置かれているのに気づいた。 あの時もらったのと似た竹水筒を振ってみても水が入ってる様子はない。代わりに何かカサカサとした音がしてそれを開く。 自分が秘密裏に設置した施設の事が書いてあり、これはもう必要ないなとその手紙は自分のポケットへと収めた。 「こっち、は…………と」 見慣れた文字を読み、「そうか……」とほっと胸をなでおろした。 そこにいるのなら、行かねば。 (-19) 2022/08/23(Tue) 23:58:15 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 名もなき医者 リカルド【隠された医療施設】 貴方が情報を頼りに向かった先に、隠されるようにしてその施設はあった。 元々、秘密裏に匿ったり、治療を行う目的で作られた施設のようで、言わばファミリーの中でも秘密の隠れ家と言っても良いものであった。 施設の人間にテンゴの名を話せば、此処にいる事を教えてもらえる。だが…男が此処にいるのは患者としてであった。 聞けば、路地裏で倒れていたところを発見されたのだが虫の息で、発見が遅れていれば死んでいただろうとのこと。 身体の至る場所に怪我があったが、心臓部の刺し傷と右目の銃創が特に酷く、致命傷になっていた可能性もあったようだ。 今は何とか持ち直し、意識が僅かだが戻ったと知らされ、貴方は病室へと通されるのだろう。 → (-20) 2022/08/24(Wed) 0:54:19 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 名もなき医者 リカルドベッドに横たわったテンゴは、すっかり変わり果てていた。 体中に包帯が巻きつけられ、いつも付けている面はない。 酸素吸入器を付けられた様子は弱弱しくも映るだろうか。 身体を動かす余地もないのか、気だるげな様子で。残った左目で貴方を見れば、それはもう驚いたように目を瞬かせる。 「お前さん、どうして……」 小さく、思わず、声が漏れた。 (-21) 2022/08/24(Wed) 0:58:37 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → ”復讐の刃” テンゴ【隠された医療施設】 医療施設に着いて見れば、自分の手で用意していた施設と似たようなものが、もうひとつあったのを目の当たりにして苦笑した。 人とは、皆、似たようなことを考えるのだなとでも言うように。 施設の人間には、貴方も十分重症患者ですよと言われながらも治療を受けてる暇はないと断り、病室へ案内してもらった。 それはそうだろう。 リカルドが銃撃されてからはまだ、1日しか経っていない。 頭部を撃たれてるのだから絶対安静であり、それは口酸っぱく救出してくれたストレガにも言われたし、自分自身もマウロにそうしろと話した医者であった。 そうしてなんとかたどり着いた部屋で、貴方は驚くほど弱った姿でベッドに横たわっていた。 「……な、んで……」 どうしてこんなことになってるんですか、という言葉がとっさに出てこずに言葉を飲み込んでしまう。 俺に、死に急ぐなと言ったその口でどうして、こんないつでも死んでしまうような姿になっているのか、頭で理解できなかった。 「俺は……頭部損傷の死の寸前でストレガに助けられました。 腕の立つ闇医者に処置を受けてこの通りです。……ですが、その言葉はそっくり貴方に返しますよ」 (-23) 2022/08/24(Wed) 1:27:27 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 銀の弾丸 リカルド【隠された医療施設】 「……そうか。無事で良かった。」 やっと戻った意識の中では、貴方の無事を認識するのがやっとで、それだけの言葉を漏らし。 次いで、貴方に返された言葉に僅かに言葉を選ぶような間があった。どういったものかを、考えるような、そんな間だ。 「俺は、 ノッテに消されかけた。 恐らくは、抑えがなくなったのを良いことに、元々消したがっていた連中が動いたんだろう。まあ、どんな運が働いたのか、俺は生き延びた訳だ。」「確かに、心臓を抉った筈、なんだがな。」 苦笑いをするように、しかし苦し気に息を漏らす。 目が覚めたばかりで予断を許さない状況であることが伺える。 「それで…俺に用でもあったか?」 わざわざ足を運んだという事は、用向きでもあったかと。 瀕死の重傷を負った身でありながらも、向き合おうとする。 (-24) 2022/08/24(Wed) 1:55:23 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → ”復讐の刃” テンゴ【隠された医療施設】 「……ノッテ、に?」 まさか、そんな。 そんな事あの人が許すはずもない。 俺の上司が居る限り、そのような事を許すはずもないではないか。 ―――ズキリ、頭が痛む。 「俺が診れればよかったんですが……、生憎頭をやられたもので、しばらくは使い物になりそうもありません」 隠してましたが俺は医者なんですよ、と呟いて近くの椅子を寄せて腰を下ろす。 視線が少し、低くなった。 「俺はここの、医者………、……? っ、いや、俺はここのことは知らん……知ってる?」 頭を撃たれた影響か、記憶が混濁してふるりと震えた。 スタッフが、ここは貴方が作った場所ですよと言ってるのが遠くに聞こえた気がする。 そうだ……ここは、俺の営む密輸倉庫の俺の地下。 忘れてはいけない。 「……ヴェネリオさんとラウラ、それにレヴィアの姿が見えません。 俺は、貴方がただの昼行灯だとは思っていませんから……だから、せめて貴方を呼ばなければと部屋に行ったんです」 そうしたら手紙を見つけました、と、素直に話すだろう。 (-25) 2022/08/24(Wed) 2:39:47 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 銀の弾丸 リカルド「………。なるほど、ならこれをヴェネリオに寄越したのは、お前さんだったんだな。くく。っ、つう……」 笑いを零し、痛みに呻く。 「気にするな。俺も両腕に足を銃でやられてる上に、心臓は破れかけ。右目はお陀仏だ。悪いが、暫くは動けそうにもない。お前さんはお前さんの怪我を治すのに専念すると良い。」 「それで…そうか、お前さんは知らなかったんだったな。」 貴方にとって、最も聞きたくなかった報告を、告げる。 「ヴェネリオ・フィルマーニ、ラウラ・リベラトーレ、この両名とも、お前さんと同日に、 死亡報告 「レヴィア嬢は…分からんが。少なくとも、俺にこの怪我を負わせた時までは、生きていた筈だ。」 (-26) 2022/08/24(Wed) 2:57:27 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 愚者 フィオレロ「それは俺も困るな。未来有望な若者に先立たれたくはない。それに、気に入りが先に死ぬのを見るのも御免だ。」 「思い出話、か。良いだろう。そのあとが俺にあるのかは分からんが、もしあったなら、その時は。じっくりと聞かせて貰おうか。」 死ねないな、と独り言ちて笑う。 だが、そのあとは、来なかった。 本当に、思い出話になった。 男もまた、芽生えかけた感情に蓋をし、思考する。 そのあとが、あったなら。自分は受け入れられただろうか。 「…きっと。愛していたよ、心から。」 (-27) 2022/08/24(Wed) 3:06:34 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → ”復讐の刃” テンゴ「なんて事を……、ですが……貴方も居ないとなれば、俺が現場にいないわけにはいきませんね」 自分の役割くらい承知しているつもりだ。 生き残ってしまった以上、無理は承知で動かねばなるまい。 自分とて、ヴェネリオが守り抜いたこのノッテを愛しているのだ。 彼が居ない間くらい守れなくてどうする。 休むのは戻ってきてからでいい……そう、思っていたのだけど。 「…………は?」 嘘だと言ってほしかった。 告げられた言葉を聞いて、我が耳を疑う。 施設の部下が慌てて持ってきた報告書を奪うようにして見て、目眩がした。 あの上司が。約束をしたはずのラウラが。 もう居ないなんて。 俺が、右腕としてお守りすべきだったのに。 マウロとうまく話ができればいいと、思っていたのに。 「俺、ひとりだけ……生き残ってしまったと……」 仏頂面の瞳から、涙がこぼれた。 (-31) 2022/08/24(Wed) 8:21:13 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 銀の弾丸 リカルド【隠された医療施設】 「無理をするな。折角拾った命を捨てたいのか。」 ただの怪我であればまだしも、貴方も頭へ相当な傷を負っている。記憶が一瞬混濁するほどだ。無理をすれば悪化する可能性だって否定出来ない。諫めるような言葉が出る。 「…すまんな。守り切れなかった。」 「こうなってから分かったが、二人とも、恐らくは ノッテが原因 だ。俺がもう少し早くに腰を上げていれば、と悔いている。」喪った悲しみ、苦しみ、全てよく分かる。 自分も味わったことがあるものであるからこそ、痛いほどに。 「まだ独りではないだろう。お前さんには残っている者たちがいる筈だ。だが、今は泣いておけ。」 ただそれだけ、零す。 (-32) 2022/08/24(Wed) 9:18:36 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → ”復讐の刃” テンゴ【隠された医療施設】 本来であれば絶対安静の重体であることには変わりない。 頭、脳への損傷は傷が軽く見えても油断ならないことは、一般人であったって理解してる事だ。 それでも、動けるならば動かなくては。 今の状況が、真面目すぎる男を大人しく寝かせるには弱すぎた。 腐った阿呆どもに任せていては、アルバとの交渉だってきっと決裂しかしないだろう。 冷静になれ、考えろ。 自分がどのように動くのが最適解なのかを。 ……ただ、それでも。 「……っ、う」 今だけはこの喪失感を隠せそうもない。 男は正しく、上司を愛していた。 それが色恋のような感情ではなくても、確かに愛していた。 一生忠義を尽くすつもりだった。 ラウラを幼馴染の元へ帰すつもりだった。 感情の種別はさておき、彼女にとっても上司は最愛の相手だったはずだから。 まるで自分のように、妹のように見守っていたのだから。 (-34) 2022/08/24(Wed) 11:24:23 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 銀の弾丸 リカルド【隠された医療施設】 「泣ける時に泣いておけ。きっと此処から先は、泣きたくとも泣けなくなる。お前さんも、マウロもツィオも、上を目指すべきだと期待しているんだ。」 「他の連中よりは、余程信用出来る。だから。」 「落ち着いたら休め。どうしても動くなら、一人でやるな。良いか、お前が無理をして倒れたらそれこそ本末転倒だ。」 喪失感をよく知る男は、親友の言っていた言葉を思い出しては、似ているな、と一人思った。 「強く生きろ、リカルド。我が親友ヴェネリオが期待して目を掛けた男は、後にも先にもお前さんだけだ。」 (-43) 2022/08/24(Wed) 15:52:46 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → ”復讐の刃” テンゴ【隠された医療施設】 そうかもしれない。 残された幹部を考えるとあまりにも、ノッテは脆い城となってしまった。 その上で唯一信用できた上司の親友はこの有様だ。 今のノッテを支えるのは、俺達三人をおいて他に居ないだろう。 マウロを今の境遇から引き上げるのにも逃せぬいい機会だった。 この方にも、上司にも目をかけてもらった自覚もある。 可愛がってもらった自覚があるからこそ、このままではいられないと、止まらぬ涙を流しながらそう思う。 「はい……、 俺の愛する上司もまた、後にも先にもあの方だけです。 そしてあの方の親友も、貴方をおいて他にはおりません」 ですから、貴方はこのまま死んだりしないでください。 点滴まみれの貴方の手を取って、切に願った。 (-44) 2022/08/24(Wed) 16:29:59 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → ”復讐の刃” テンゴ「なるほど、信じらんねえことばっかだな向こうの話は。 死んだ人間と話せるのか」 「だったらお前は俺と話せないだろうなあ。 俺は死ねたらきっと後悔なんてない。 常にやりきって自分で死をえらんでやる、だから――」 「その剣も、それに合わせられる俺の銃も しっかり覚えていられるだけそばにいてくれよ」 「俺は下の面倒を一々見られるような性格はしてないんだ」 (-48) 2022/08/24(Wed) 18:26:47 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → ”復讐の刃” テンゴ「どちらかが死んだら片方は やり残したことがなくなるまで生き尽くす、誓えよ兄弟」 (-49) 2022/08/24(Wed) 18:28:07 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → デッド・ベッド ヴェネリオ「話せるったって、運が良ければだがな。口寄せは女の方が適性が高いようでな。男の俺ではそう簡単には聞けんよ。」 言いながら、貴方の言葉を最後まで聞く。 聞き終えれば、ふ、と笑うのだ。 「お前さんはそうだろうな。死んだ後に俺に未練を託す無様は晒してくれるなよ。嗚呼、その銃も何も、全て覚えておいてやろう。故に、だ。」 → (-85) 2022/08/24(Wed) 20:27:03 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → デッド・ベッド ヴェネリオ「誓おう。この血に、ノッテに掛けて。」 「お前さんがくたばった後も、生きてやる。俺がそうなったら、精々長生きしてくれよ、兄弟。」 (-87) 2022/08/24(Wed) 20:30:42 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 銀の弾丸 リカルド【隠された医療施設】 「…それでこそ、だ。」 「俺は早々くたばるつもりはない。誓ったからな。」 なあ、兄弟。と零す。 意識が戻ったとは言え、傷は深く。 脂汗を滲ませて、息を吐いた。 「お前さんが作り上げたこの施設の連中は優秀だ。そうだろう?だから心配はするな。お前の為すべき事を為せ。」 安心させるように、貴方の手を軽く握った。 (-88) 2022/08/24(Wed) 20:35:46 |
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