人狼物語 三日月国


315 Never Ever Enough RSS
(2025/12/27(Sat) 1:00:00 に更新。 )

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【人】 七川 惺


[それでもデカさだけで人目を引きそうな俺は
 悠凛の部屋を見上げるのは早朝だけにしてる。

 夜だと、不審者に見えそうじゃん。
 待ち伏せしてるヤツみたいじゃん。
 暗くなってからの方が、明かりがついてるかどうか
 わかるのにな。


 少ししてから近くの公園のベンチに座って考える。
 できればパリコレデビューは25歳までにしたい。
 基本的にパリコレはニューフェイス、
 20代前半までの方が起用されやすいと聞く。

 現在所属してる事務所は雑誌や広告モデルに強いけど
 元々ショーモデルに推すには弱い所だ。
 パリコレオーディションの件で俺に声がかかったのも、
 映画『デルタ』を見たエージェントからきた話だという。]
(32) rin 2025/12/21(Sun) 20:58:55

【人】 七川 惺


[俳優として大きくなるためにも、
 別の事務所に所属する必要性を感じている。
 天刻さんの大守プロダクションを目標に掲げてみたが
 俳優部門はあれど、現時点ではモデル部門がない。
 
 モデルはモデルとして分け、
 取り合えずは一旦フリーになり、
 オーディションに受かれば、大守プロはそのままで
 フランスのモデル事務所にも所属する。25歳までに。
 そんなにうまくいくかわからないが、
 それが今の俺の描く青写真。

 ランニングもバレエも
 俺が今から始められる、肉体と情操の基礎造りとして有効。
 そう思っている。


 ──真面目にがんばっていたんだよ。
 髪の毛一筋程の脇目も降らずに。
 そう、あの日までは。]
(33) rin 2025/12/21(Sun) 21:05:43

【秘】 七川 惺 → 飛鳥 悠凛


[『世界が終わるまでは』の打ち上げが迫ってくると
 だんだん、そわそわしてきたんだ。
 そう、だんだん。今更のように。

 その日は雨だった。
 一度目に悠凛に振られた日に似ていた。
 きっと気圧のせいってやつだ。

 仕事の時間が押して、夜の帳が降りた。
 帰り道、雨けぶる薄闇が、ネガティブ思考を増幅する。


 どの面下げて悠凛に会えば?


 ──とまでは言わねど。
 久しぶりに会ったら、何て話かけたらいいのか考えたら。
 ……頭の中が迷路になってきた。


 そうだ、飲みにいこう…!

 繁華街には、誓って、飲みに行く
だけ
。*]
(-46) rin 2025/12/21(Sun) 21:07:42

【人】 飛鳥 悠凛

[仕事柄切り替えが早いのが、最近は役に立っている。
 ドラマや舞台で役として生きている間も、
 インターバルなしにユーリと行き来する必要があるから、
 その時その場にそぐう物だけを自分に入れ込んで、
 求められている自分を魅せることに慣れている。

 自宅の敷地に入るまで──エントランスを潜り、
 ホールを抜けてエレベーターで上がり、
 自室のドアを閉めるその時まで、常に人目は意識している。
 自室以外で気を抜くのは、メンバーしかいない楽屋くらい。

 今は、素の飛鳥悠凛に戻る僅かなその時間さえも
 なければいいと思っているから、仕事の後の誘いも、
 翌日に差し障らない限りは受けるようにしていた。


 ──それが裏目に出たな、と思った夜もあったけれど。* ]
(34) eyes 2025/12/21(Sun) 21:46:21

【人】 七川 惺


[『action』とはまた別の、会員制のバーで飲んだくれてる。

 俺は多分、この時点で一度、ガス欠になってた。
 悠凛に振られた事実から、目を逸らして、走り続けてた。

 まだ、死ぬほど我慢できないってわけじゃなかった。
 悠凛に振られるのは初めてじゃなかったから。

 けど、飲み出したら、止まらなくなったんだ。

 パーテーションで区切られたボックス席で。
 アストロノートの飲み残しの入ったグラスが
 とっちらかったガラスの積み木のようだ。

 なんで飲み干さずに次々注文したんだろう。
 きっと、控えめな照明を反射する光の色が
 柔らかくて綺麗だったからだ。
 それが消えてしまうのが、寂しかったからだ。]

 
  いーかげんにしねーとなぁ……
(35) rin 2025/12/21(Sun) 22:02:00

【人】 七川 惺


[俺はテーブルの上のタブレット端末をタップし
 テキーラサンライズを注文した。

 落ち込んでたってしょうがねぇ、
 俺はこっから昇るんだって、心の中で
 息巻いてたのかもしれない。


 グラスが届いて、それを一口喉に落とし込んだ時だ。
 馴染みのヤツに声をかけられたのは。

 ふざけてじゃれつこうとしてきたから、
 俺は慌ててグラスを持っていない方の掌で唇を隠した。


 それから少し、対話のやり取りをした。
 なんか笑われたり、睨まれたりしたけどな。

 あんまり内容を覚えちゃいねー。

 ──ただ、目の前にいない悠凛の唇が恋しかった。*]
(36) rin 2025/12/21(Sun) 22:05:09

【人】 飛鳥 悠凛

[その夜は、事務所の先輩が行きつけのバーに
 連れていってくれた。
 会員制で気楽に飲める店だと言って。
 正直、空気感が肌に合わないなとは
 早々に思っていた。
 思えば、虫の知らせだったのかも知れない。
 
 マネージャーに折り返しの電話を入れに立った帰り、
 ボックス席の横を通り過ぎようとした時。

 聞き慣れた声を、耳が拾ってしまった。
 その真横には派手な雰囲気の女性が立っていて、
 避けようと歩調を緩めたのもタイミングが悪かった。

 一部始終が、しっかり聞こえてしまったから。]
(37) eyes 2025/12/21(Sun) 22:23:03

【人】 飛鳥 悠凛

[ただの友人ではないと容易に察せる、
 男と女の軽薄なやりとり。

 ……付き合うのは俺が初めてだとか言ってたけど。
 まあ、案の定遊んでたってことだよな。

 俺の知らない、遊び慣れた男がそこにいた。
 それも当たり前だろう。
 俺がよく知っていたと言えるのは、
 高校の1年ちょっとの間の惺だけだから。

 すっと踵を返して、遠回りをして席に戻る。]


  すいません、お待たせしちゃって。

  明日の入り午後からになったらしいんで、
  俺、まだまだ飲めますよ?
  ここのおすすめ教えて下さい。
 

[席に着くなりそうねだれば、
 酒豪の先輩が嬉しそうな顔をしてメニューを開く。
 出来れば場所は変えたいから、頃合いを見て
 二軒目に誘おうと内心考えながら、身を乗り出した。*]
(38) eyes 2025/12/21(Sun) 22:32:22

【独】 飛鳥 悠凛

/*
ここで目撃したの正史にしちゃってるから
しょうがないんだけども、どんどん惺の気持ちを
信用しないモードに入ってしまっているな……w

これ仲直り、大丈夫かな。
この村で番うのは回避できそうで、そこはよかった……のか?
(-47) eyes 2025/12/21(Sun) 22:37:13

【独】 飛鳥 悠凛

/*
ヒート中が想定以上に相思相愛だったから、
拗らせないとまずいかも知れんって動いてたんだけど、
SS俺より心境が拗れたな……

でも惺の愛がなんとかしてくれるであろう。(他力)
(-48) eyes 2025/12/21(Sun) 22:49:21

【独】 飛鳥 悠凛

/*
ただ、別れてる。って認識がインプットされてしまったので、
歌声が好きって留守電ひとつで、あの反応はしない気がしていて……

折り返しの電話もしなさそうな……
(タイムパラドックスの気配再び
(-49) eyes 2025/12/21(Sun) 22:54:48

【人】 七川 惺


[昔馴染みの女──アリサの斜め後ろ側あたりで、
 誰かの足音が聞こえた。

 随分酒が入った後のことだった。
 だからだろう、踵を返して遠ざかってゆく足音を
 それ以上気にせず、会話を続けていた。


 愛しい者が、すぐ傍まで来ていたとは気づかずに。



 やがて、アリサも去った。
 俺は暫く、うとうとした。
 重くなる瞼を上げるには、少し時間がかかりそうだった。*]
(39) rin 2025/12/21(Sun) 23:00:23

【人】 飛鳥 悠凛

[オムニバスドラマの制作チームの打ち上げを控えた朝。
 あいつに会ったらどう接しようかと、少しだけ考えた。

 今まで付き合ってきた子と別れた後に、
 現場で一緒になった時は。
 仕事仲間として丁寧に接しながらも、
 一緒に過ごした時間は楽しかったよ、ありがとう。と
 本人だけにはそれとなく伝わる程度の親密さは残していた。
 お互いに、苦い思い出にはしたくないから。

 今回は、そういうのはなしだな。
 未だ上手く演れる気がしない。

 高校の頃仲良くて、最近仕事の相棒も務めた相手。
 それが一番、やりやすそうな気がした。]
(40) eyes 2025/12/21(Sun) 23:11:58

【人】 飛鳥 悠凛

[立食パーティーの形式ではあったけど、
 テーブル席はいくつかある。
 先に来ていた惺が、共演者やスタッフに囲まれて
 座っているのを見て、ドリンク片手にそちらに脚を運ぶ。
 それ以外の選択肢が、この場でないからだ。
 みんなに当然、こっちこっち!と手招きされていたし。]


  お疲れ様でーす。ご無沙汰してます。
  視聴率上々だったみたいでほっとしました、
  SNSでもバズってたし。


[最後のはメンバー情報だけどね。
 放映も、俺は見てない。]
  
 
  お疲れ、惺。
  俺達もこれで肩の荷が降りたよな。
  初主演大成功、おめでと。


[七川さんの隣に、と気を利かせて開けてもらった
 場所に腰を落ち着けながら笑いかける。
 まあまあうまく笑えてたんじゃないかな。*]    
(41) eyes 2025/12/21(Sun) 23:20:28

【人】 七川 惺


[打ち上げの朝。

 今日は共演者やスタッフに感謝する他、
 最大の目的は、演者のタカトさんではなく
 大守プロの天刻さんに営業をかけることだ。

 久しぶりに悠凛に会えるというのは
 目的ではなく希望だ。


 朝からそわそわしていた。
 SHOUとしてなら幾らでもコーディネートが思いつく。

 けれど、俳優 七川 惺 としての
 初めての制作打ち上げには何を着ていけばいいだろう。

 悠凛と久しぶりに会えるからとか、
 そんなことは……少し考えた。


 試しにググったら
 “派手過ぎずカジュアル過ぎない清潔感のあるスタイル”
 ときた。
 なんか、だからどうなの?もっと詳しくって感じ。]
(42) rin 2025/12/21(Sun) 23:42:32

【人】 七川 惺


[会場の雰囲気にもよるとはいえ、
 まあ、スーツが無難だろうなということで。

 結局のところ、ややカジュアルめな
 細身でストレッチ性のあるコットンスーツ。
 色は薄いグレー。
 シャツはそれよりは濃いグレーにして
 シャツと同色の先端が三角のタイプのニットタイを締めた。

 服に迷って時間を割いたが、
 新人なので遅刻は厳禁。
 タクシーを使って会場に着いたのだったか。

 
 俺より先に来ていた共演者やスタッフに手招きされ
 促されるまま、そのテーブルにつく。

 悠凛が来る前は、俺は普通に話せていたと思う。
 共演者とスタッフにねぎらいの言葉をかける。
 俺もかけられたし、その後は話が弾んだ。]
(43) rin 2025/12/21(Sun) 23:43:39

【人】 七川 惺


[……と、悠凛がドリンク片手にこちらに向かってくる。

 実は、悠凛が会場に到着した時から
 その姿を視界の端には入れていた。

 テーブル席の皆に挨拶している声も聞いた。
 俺は、悠凛の方をまともに見ることができない。

 なのに。
 当然のように、皆が自然に俺の隣の席を開ける。

 
 悠凛が俺に声をかける。
 お疲れ、と。 
 俺は一度、唇を軽く噛んだ。]


  ありがとう。


[悠凛の方を向いたように見せて、瞳は伏せている。
 俺のが座高が高いから、
 完全に視界から締め出すことはできなかったけれど。
 視線を合わさずその時言えたのは、たった一言だけ。]
(44) rin 2025/12/21(Sun) 23:47:36

【独】 飛鳥 悠凛

/*
俺達のこの、すれ違いっぷりよ……(通常運転再開)
(-50) eyes 2025/12/21(Sun) 23:47:44

【秘】 七川 惺 → 飛鳥 悠凛


[本当に、何から話したらいいかわからなかったのだ。
 恋を知り染めた少年のように、意識するあまり。

 ──視線を合わせたら、神経を焼かれるんだ。

 俺は、何度でもコイツに恋をする。
 *]
(-51) rin 2025/12/21(Sun) 23:49:01

【人】 飛鳥 悠凛

[惺はこちらに顔を向けはしたけど、
 その視線の先は俺じゃない。

 撮影前に再会したばかりの頃。
 制作発表の記者会見。
 まるきり目が合わなかったのを思い出す。
 気は沈んだけど、懐かしく思いもする。

 楽しかったな、撮影。
 初日に思いがけず想いが通じ合って、
 それからの2週間近く。
 掛け値なしに幸せだった。]


 
  … うん。こちらこそ。


[相手役ありがとう、と柔らかく微笑む。]
(45) eyes 2025/12/21(Sun) 23:58:14

【人】 飛鳥 悠凛

[惺と顔を合わせれば、恋人として過ごしたことを、
 夢のように感じるかと思っていた。
 ヒートの俺が願った夢。
 でもこうしている惺は、当たり前だけど
 何も変わっていなくて。

 顔も、声も、匂いも。
 俺に向ける態度以外は、何も。
 束の間俺の恋人だった、美しい男。]



  ……恰好いいね、今日の服。


[何故か優しい気分にすらなって、
 声を潜めることもなく、素直に口にした。
 「ですよね、流石現役モデル!」
 「それどこの?」と話題の中心が惺に移ったから。
 俺はやんわりと微笑みながら、
 グラスにちびちびと口をつけていた。*]
(46) eyes 2025/12/22(Mon) 0:08:30

【人】 飛鳥 悠凛

[スーツ姿の惺の隣に座る俺は、
 黒いニットジャケットに、
 同色の襟のないボタンシャツを合わせている。
 鎖骨のかなり下まで開いたVネックの胸元には、
 今日は何もアクセサリーをつけていない。
 未練がましく思われるの、やだし。

 髪をラフなポニーテールに結い上げた後、
 何も考えずに朝のルーティンで着けそうになって、
 慌ててアクセサリースタンドに戻した。
 危なかった。*]
(47) eyes 2025/12/22(Mon) 0:21:00

【人】 七川 惺


[俺は、悠凛の口元まで視線を上げた。
 瞳の中に映っているであろう心を
 読まれないようにするギリギリのラインまで。

 悠凛が柔らかく……綻ぶ唇。

 ああ、この唇に初めて触れたのは。
 そして思いが通じ合って深いキスをしたのは。
 初夜のキスは。それから悠凛のヒートの時は…俺の……。

 そこには確かに幸せがあったのに──…。]
  

  『……恰好いいね、今日の服。』


[褒められたら
 なんでだか瞳に盛り上がるものがあった。

 恋人だった時なら、
 格好いいのは服だけ?って軽口でも叩いたろうに。

 でも、テーブル席の皆が次々声をかけてくるから。
 涙を零すことができない。
 ほどほどの所で、俺は一度席を立った。]
(48) rin 2025/12/22(Mon) 0:29:49

【人】 七川 惺

[その後も、悠凛とはあまり話せなかった。
 話しても、極力目を合わせないようにしていた。

 その不自然さに、悠凛以外に
 気づいた者がいたかどうか。

 だが、立食パーティーで
 人々が入れ代わり立ち代わりするので
 それ程目立たなかったかもしれない。

 そういえば…親父も招かれていた。
 親父の席にも、ドリンクをつぎに行った。

 それに俺は、天刻さんの近くに人がいなくなる時を狙って
 行ったり来たりしていた。
 ようやく捕まえることができて、
 パーティー後に二人だけで詳しく話す段取りをした。

 ふと、振り返ると。
 悠凛が澄夜君にチケットを渡しているのが見えた。


  ──…ああ、俺の分は。きっと、ないんだろう。**]
(49) rin 2025/12/22(Mon) 0:32:00

【秘】 七川 惺 → 飛鳥 悠凛



[悠凛の深く開いたVネックの胸元には。
 光る星を縫い留める鎖が……もう…見えなかった。**]
(-53) rin 2025/12/22(Mon) 0:36:11

【独】 飛鳥 悠凛

/*
あ、ほんとだ。
俺無意識に、服だけ褒めてる。
撮影初日は、似合うね、って言った記憶。
(-52) eyes 2025/12/22(Mon) 0:36:22

【独】 飛鳥 悠凛

/*
ヒートの時も、似合ってるって言ってる。
意識が切り替わってるから、
無意識に言葉選びも切り替わってる……

鋭い、惺。
(-54) eyes 2025/12/22(Mon) 0:38:08

【独】 飛鳥 悠凛

/*
切ない……

おかえりのキスもおはようのキスもしたよね。
(-55) eyes 2025/12/22(Mon) 0:40:55

【独】 七川 惺

/*
つらい…今すぐ仲直りしたいんだけど!!!(by 未来の惺)
(-56) rin 2025/12/22(Mon) 0:52:27

【人】 飛鳥 悠凛

[テーブルの数が少ない分詰めて座っているから、 
 惺と腿が掠めるように触れ合った。

 こんなに近くに居て、こんなに恋しいのに。
 惺が俺に触れることも、熱っぽい目で見つめられることも
 もうないんだと、テーブルの上に置かれた手を
 見つめながら思った。


 惺がくれた指輪。
 一度でいいから、この手で嵌めてもらえば良かった。


 惺と離れていた4年間、
 熱に浮かされ、触れて欲しいと何度も求めながら。
 上手く思い出せなくて哀しかった
 長い指と手の甲の形。
  

 今度は、覚えておこうと思った。**]
(50) eyes 2025/12/22(Mon) 0:59:00
 




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