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【人】 摘まれた花 ダニエラ (136) 2023/10/01(Sun) 20:26:47 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「う、っ……」 前髪が引かれて、頭が持ち上げられる。 痛みに歪んで、脂汗と涙を滲ませた表情は 貴方にとって満足のいくものだったろう。 貴方の事を認識出来ていたのかすら怪しい意識のまま 手が離されて、頭は重力に従って地面へと。 重たい、硬いものが落ちるような音と共に 男の身体は床に転がって…脳に走る痛みを感じながら 今度こそ、意識は暗闇の中へ溶け落ちていくのだった。 淡々と報告する声を聞かぬまま 貴方の声に反応した係員が慌てて動くのだろうが 普通に救急車を呼べば、目につくことは違いない。 今のこの状態で暴行が明るみに出るのも如何なものか。 そも、貴方に命じたのは過激派の集団だ。 一先ずは命に係わる事はないだろうとの判断のもと 取り調べの終わらぬ罪人は、応急手当を受けてから 牢の方へと戻されていくのだった。 その事を貴方が知るかは、今は分からぬままだっただろう―― (-421) 2023/10/01(Sun) 20:27:45 |
【鳴】 L’ancora ロメオ「……そっか。そっかあ、ならいいや。 オレが会いに行ける所ならどこでも…… あ。治安いい所にしろよ」 オレが言う事じゃねえけど!なんて付け足した。 髪を撫でられている間は、やっぱり目を閉じて嬉しそうに。 せっかく兄弟が出来たってのに、すぐにお別れなんて嫌だったのだ。会いに行けるなら、顔を見に行けるなら、それならいいかな。 包むようなハグはちょっと力が強くて、 それでも苦しくはないくらい。温かい体温は変わらないまま。 「言うよ。相手がお前なら猶更」 「帰ったら猫とお前が居るのか……嬉しいな。 ホントに家族みたいだな。アハハ……」 想像をしたらどうしようもなく嬉しくなった。 貴方が旅立つ時に離れ難くなっていたらどうしようか。 『フレッド』としての新たな再出発を、 自分は笑顔で見送っていたいのだ。 「……うん。こちらこそよろしく、フレッド」 頼みまーす、と笑って返して、背に回した腕を離す。 こうして一緒に居る時間が限られているのなら、 それまではこうやって家族らしくしていよう。 本当の家族じゃないけれど、本当の家族みたいに。 ▷ (=17) 2023/10/01(Sun) 20:28:13 |
【鳴】 L’ancora ロメオ「……マリトッツォ溶けるわ」 食おうぜ、と促して朝食と称した甘味を手に取る。 まずはゆっくりお互い休もう。 これから文字通りきっと、新しい一日が始まるんだから。 (=18) 2023/10/01(Sun) 20:30:29 |
【独】 L’ancora ロメオ窓から差す朝日を浴びながら、クリームを頬張って。 ひとのかたち は。これを幸せって言うんだろうな、と思った。 (-423) 2023/10/01(Sun) 20:31:10 |
【秘】 幕の中で イレネオ → きみのとなり リヴィオ「 く ふ 」その声に。 男はぱっと口を抑えた。手の下の唇は笑みの形に歪んでいた。 自分の体温もかっと上がった気がした。それが男は不思議だった。 だけれど、それをただ不思議がる大人しさは生憎持ち合わせていない。 男が持っているのは、ただその情動に身を任せる愚かな素直さだ。 剥がされた小指の爪を眺める。裏を表を返して見る。白、黒、赤の三色が人工の光を弾いて光った。くく、く、と喉から笑いが漏れる。 喘ぐように息をする貴方に目を映す。 時折は咳き込み、逃避にもならないように身を震わせる貴方を見る。 瞳はそのまま。 貴方の顔に向いたまま。 男は次に手をかけた。 ▽ (-424) 2023/10/01(Sun) 20:31:38 |
【人】 摘まれた花 ダニエラ (138) 2023/10/01(Sun) 20:32:21 |
【秘】 幕の中で イレネオ → きみのとなり リヴィオみち。 肉とその被膜が引き剥がされていく。 みち。みち。みち。 上下に裂かれる神経が悲鳴をあげる。 みち。みち。みち。みち。 壊れた玩具かなにかのように貴方が叫ぶ。 駄々をこねる赤子のように頭を振る。 「あはっ」 縋るように握り込まれる指。 瞳ごと溶けるように零れる涙。 男は笑っていた。 「はは…… ふ ふっ 、く」笑っている。 「 く ふ、ふ ふ、 あははっ、 あははは!」 壊されていく貴方の上で。 これはずっと、笑っていた。 笑っていた。 (-425) 2023/10/01(Sun) 20:33:42 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ「まあ、見回りとかでちょこちょこ会う程度の仲だよ。 ガキ共の面倒見てくれてたしな。」 彼女の持つ一面しか、この男は知らないから。 真っ当な付き合いだったろう事だけは分かるだろう。 「不吉な事言うなよな…全く。 もしそうなったら、何が何でも止めてやるさ。 俺に言った事を後悔しても知らないからな。」 なんて笑うのは冗談交じりで けれど、任された、と確かに頷いてみせた。 「ともあれ、助かったよ。歩き回るなら気を付けろよな。 また会おうぜ、ルチアーノ。」 次で会う時はきっと食事会で。 此処まで世話を焼いてくれた貴方に礼を述べながら 男は病院まで担ぎ込まれるのだろう。 (-426) 2023/10/01(Sun) 20:34:03 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → きみのとなり リヴィオ「ああ無駄だね、俺はしつこいんだ。 ……心配するな。何があっても俺がついている」 貴方の事を望んでいる。 貴方の事を、まあ、愛している。 貴方の事を、守りたいと思っている。 その生が苦しい者でないように、楽に息が出来るように。 あなたがいつか安らぎの中で涙が流せるようになれば良い。 「何度言わせれば分かる、その顔が俺の願掛けだ。 勿論、顔が潰れても、オーラはなくせんよ」 その終わりが見えている。 貴方に求められてはきっと叶えられてしまう。 望んでくれるというのなら、きっと悲しみながらも、 あなたに休んで欲しいとその穏やかな声は告げるのだ。 それはきっと一つの愛で、紛うことない情の形。 それでもまだ少し、あと少しこれから先の未来を、 平和を祈った語らいを思い出して、過ごしていこうじゃないか。 「勿論一緒に行くぞ、それまでに好きな店を探しとけ」 (-427) 2023/10/01(Sun) 20:34:41 |
【人】 黒眼鏡>>138 『…もしもし?』 その電話を取ると、 男の声が聞こえた。 ──君はきっと、よく知っている。 思い出せるかは分からないが、思い出してもおかしくないくらいに。 ……あのジェラート屋の店主だ。 『──ああ。ええと。今日、あんたから電話がくるか、 あんたが電話に出たら、こう言えと言われてます』 彼はあなたの声を聴くと、 何も尋ねることなく、 『「俺が一番好きなのは、カップのバニラ」って』 『お届けしましょうか、なんて聞いたんですが、いや、食いたいわけじゃないと……』 咳払い。 『すみません、私が首を突っ込むことではなかったです。 それだけ…ああ、その電話はやるから好きにしろと。 それだけ伝えろと言われていますので、伝えました。 あ、私は姿を晦ましますのが、店は娘が継ぎます。 今後とも、ごひいきに』 がちゃり、と電話がきれて、それきり。つー、つー、つー、という電子音だけが聞こえた。 (139) 2023/10/01(Sun) 20:36:14 |
【秘】 きみのとなり リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ何だか悪戯っ子のようだなと、 笑う君に少しだけ眉を下げて笑う。 答えは上手く返せなかったし、君もそれを分かってる。 自分はこの問いに困っているのだろうか。 それとも、それ以外もあるんだろうか。 なんだか綯い交ぜになったような感情に僅かに首を傾ける。 その間に肩にとん、と軽い衝撃を感じて。 言葉はまだ、返せない。 聞こえる小さな声に眉を下げたまま、また、笑った。 「………はは、…そうか」 そうしてそれ以上、言葉は出てこなかったから。 止まってしまった手でもう一度、君の背を撫でる。 自分は、そう長くその選択を取れないのだろうと思うけど。 だからといって、そうだと君に明かすのは、まだ先の話だ。 再び君が顔を上げる時、その言葉に頷いて。 回していた腕を外し、緩慢にベンチから立ち上がる。 「頑張って治療するよ、困ることも多いからね。 君に迷惑をかけることもあるだろうけど……あぁそうだ。 俺には色男で猫のエキスパートの友人がいてね。 今度紹介するよ、家の話も彼にする予定だからさ」 「──それじゃあ、帰ろうか」 (-428) 2023/10/01(Sun) 20:37:56 |
リヴィオは、「ねぇ、ニーノ。………いや、えっと」 (a45) 2023/10/01(Sun) 20:38:03 |
リヴィオは、署内での"ニーノの話"を思い返して悩むような仕草。しかし、言葉は続く。 (a46) 2023/10/01(Sun) 20:38:11 |
リヴィオは、「俺達はまだ、お互いに知らないことも多いからさ。落ち着いたら話をしようか」 (a47) 2023/10/01(Sun) 20:38:21 |
リヴィオは、言えること、言えないことがあるだろうけど──それでも、話すべきことがあるから。 (a48) 2023/10/01(Sun) 20:38:31 |
フィオレは、気まぐれに、もらったリップを塗っている。似合う?なんて近くにいる彼に聞いたりして。 (a49) 2023/10/01(Sun) 20:38:38 |
リヴィオは、「あぁ、そうだ。晴空の下の散歩も忘れずに行こうね」 (a50) 2023/10/01(Sun) 20:38:41 |
リヴィオは、 暫く は君と、君達と歩んでいくために、足並みを揃え歩んでいくのだった。 (a51) 2023/10/01(Sun) 20:39:32 |
フィオレは、なんとなく、予感がしたのだ。 (a52) 2023/10/01(Sun) 20:39:32 |
【人】 摘まれた花 ダニエラ (140) 2023/10/01(Sun) 20:45:00 |
【神】 口に金貨を ルチアーノ>>G15 ペネロペ 「……今の俺に言ったか?」 ルチアーノという男は常に誠実であろうとした。 誰かにとって必要とされることは、誰にとって平等で不平等か。 その価値を持って示し続け、道理を通してきた。 そんな人間は自分自身のことを融通が利かない真面目だとは思っていなかったのだが。 何かがかみ合ってしまえばそれは、きっと、誰も止められやしない石頭になるのだろう。 「練習しておこう、どうせ使わんと思ってサボり気味だった。 散歩もしばらくしないしな、少々練習に時間を使うとするか」 「ああ、祝ってくれよ。忘れてても思い出させてやるからな」 互いにいつ居なくなるか、わからない。 それが些細なことで起きることを知っている。 少なくとも互いのことで取り乱すとしたら、 それは一体犯人は誰だったのかということだろう。 死に際は立つ鳥跡を濁さず、 そんなすっきりしたものになれば、 ――俺達も今こんな風に困らなかっただろうにな。 (G16) 2023/10/01(Sun) 20:47:49 |
フィオレは、予感が、悪い方向に当たるなんて。この時は思っても見なかったのだけれど。 (a53) 2023/10/01(Sun) 20:48:31 |
【独】 歌うのが怖くとも カンターミネ>>140 言いたい事もなにもかも、色々あったけど。 結局その役も『父親』に取られたみたいだし。 「はーぁ」 なんて零すため息は少し自信を無くしたような。 でもまあ、それもいいだろ? だって、一番は俺が『王子様』である事じゃなくて。 彼女が前を向いて、歩いて行けるって事なんだから。 「……よっし!叫んだらすっきりしたわ、俺は。あはは! あ、今度さあ、他の奴とメシ食いに行くんだよ。 そこで俺達の結婚発表しちゃおうぜ。 ……あでもエーコがいるのバレていいんかな。 まあ、ダメだったら適当にボカして言うわ。 そもそもそいつら全員、バラしたらどうなるかくらい よーくわかってる奴らだろうしな。さーて、じゃあ――」 「エーコ、帰ろうぜ!」 (-429) 2023/10/01(Sun) 20:50:29 |
ニコロは、幸福の為に、これからも歩き続ける事を決めた。 (a54) 2023/10/01(Sun) 20:52:16 |
ニコロは、月桂樹の花を、ゴミ箱へと捨てた。 (a55) 2023/10/01(Sun) 20:52:59 |
ルチアーノは、「早起きが毎日出来るようになったらな」そう告げて、貴方と共に海辺を歩いた。 #ReFantasma (a56) 2023/10/01(Sun) 20:53:46 |
【独】 摘まれた花 ダニエラ>>-429 ぐし、と少し乱暴に涙をふいて。 くるりと女は振り返った。 「…もおやだ。」 「今日なんもしたくない。」 文句だ。…お望み通りの。 そうして変わらず、ゆるりと絡みつく。 ずび、とまた鼻をすする音だけが聞こえて。 「ん、…帰ろお、ミネ」 足音がひとつ、ふたつ。 港を離れて、車へと消えていく。 (-430) 2023/10/01(Sun) 20:56:01 |
【鳴】 夜明の先へ ニーノちょっと力の強いハグは苦しさを教えるものではなくて、 貴方からの愛情を教えてくれるものだ。 兄弟としてのこれからは始まったばっかりだったのに、 すぐに遠くなってしまうことはこちらも寂しいけれども。 「そうだよ、ろーにいが帰ってきたらにゃんことオレがいる。 へへ……競おうかな、この子たちと。 どっちが早く玄関までろーにいを出迎えられるか……」 それでも、それまでの少しの間だけでも。 貴方に家族の温もりを与えられるのなら。 "オレでいいの"、と。 零された小さな声を未だ、覚えているから。 「…………────」 そうして腕が離れた頃。 そっと伝えられる感謝には目を瞠り。 呆けている間にマリトッツォを手に取った貴方を見て、眦を下げる。 すこしだけ、視界が滲むのを感じながら。 「…………それなら、オレだって」 [1/3] (=19) 2023/10/01(Sun) 20:56:27 |
【念】 摘まれた花 ダニエラさて、翌日。 正式な手続きを踏まず脱獄した女にどれほどの時間があるだろう。 少なくとも今ここで、自宅のアパルトメントへと立ち寄るような女ではなかった。 「…ただいまあ」 だから、最後に立ち寄ったのはそのホテルだった。 …変わらず、照明はついたまま。誰もいない室内に声をかける。 そうして真っ先にデスクへと向かい。 そこにある『大切なもの』たちを見つめ、ひとつひとつを回収してく。 冷蔵庫から、チョコレートも取り出した。 (!0) 2023/10/01(Sun) 20:56:53 |
【独】 摘まれた花 ダニエラライムグリーンのウィッグをつけたテディベア。 これは大事に飾っておこう。 ブーゲンビリアの花束も。 枯れるまでは大切に、花瓶に生けて。 このチョコレートは、紅茶と一緒に食べようかな。 ミネは、チョコが大好きだし。 バスボムは、特別疲れた日に使っちゃおうか。 …今夜とか。 (-431) 2023/10/01(Sun) 20:57:11 |
【念】 摘まれた花 ダニエラ片腕にそれら『大切なもの』たちを抱いて。 そのまま振り返り、部屋の隅を向く。 ちょこんと最後にひとつ残されたスーツケース。 片腕で、よいしょ。これもそこそこ重いから、怪我した腕ではひと苦労。 …この中身は、どうしようか。 それだけは、まだ決められそうにない。 自分ひとりの問題ではないからかもしれない。 でも、いづれは決める心算ではあった。 (!1) 2023/10/01(Sun) 20:57:36 |
ダニエラは、「ああ、でも…。」 (a57) 2023/10/01(Sun) 20:57:49 |
ダニエラは、この中にある、鍵だけは、どうしようかは決めていた。 (a58) 2023/10/01(Sun) 20:57:59 |
【鳴】 夜明の先へ ニーノ「……溶けるのは、困る〜」 そうしてぐしと少し乱暴に目元を拭ってから、 己もまた同じように甘味を手に取る。 食べ終わったら何をしようか。 夜になっても貴方の隣に居られるのを思いながら。 久々に口に入れた甘味は幸福と呼ぶのが相応しい味がした。 ──『ねえ、戸籍ってろーにいのと同じにできないのかなあ』 そうして食べている最中、そんなことを零していただろう。 難しかったら大丈夫、あんまりよくわかってないから、と添えてもいたが。 ──『そうしたら、ほんとの家族になれるでしょ』 すれば離れたとして、貴方の寂しさも少しは紛れるかなって。 子どものような発想を声に載せて。 ──『そうじゃなくても、ほんとの家族だって思ってるけどね』 貴方の弟は甘えただから、変わらずぎゅっと肩を寄せて笑っていた。 [3/3] (=20) 2023/10/01(Sun) 20:58:24 |
ダニエラは、きっと近いうち『お兄さん』に連絡を入れる。 (a59) 2023/10/01(Sun) 20:58:33 |
ダニエラは、彼の方が、自分よりずっとあの場所での思い出が多いと知っていたから。 (a60) 2023/10/01(Sun) 20:58:39 |
【念】 摘まれた花 ダニエラ「常連さんには、結局なれませんでしたしねえ」 そうひとりでに、からころ笑う。 喜ぶべきか悲しむべきか微妙なところだ。 女はそもそもコーヒーという飲み物の味が好きではなかった。 今まで一度も、誰にも、そのことを口にしなかっただけで。 荷物に両腕を抱えて、女はホテルを後にする。 もうここを訪れることもないだろう。そうやって初めて照明を消した。 (!2) 2023/10/01(Sun) 20:58:59 |
【置】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ本名:ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリア(Vincenzo Berti di Maria) 死因:■■■■■■ 発見場所:■■■■■■■ 遺体の様子: ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ (L6) 2023/10/01(Sun) 20:59:15 公開: 2023/10/01(Sun) 21:00:00 |
【影】 摘まれた花 ダニエラ 苦い水面に砂糖を2つ。 そうやって飲める味にしても尚やっとだった。 それでもダニエラ・エーコは、日常的にコーヒーを嗜んだのだ。 でないと、喫茶店になんて足を運ぶ事も出来やしない。 そしてそのための我慢は全然苦でもなかった。 きっとこれも、石であり、星だったのだろう。 もう、そんなかいがいしい我慢もする必要はない。 だというのに、スーツケースの中、手放す気のないものがひとつだけあった。 …この香りが好きだったのは、本当だったから。 (&2) 2023/10/01(Sun) 20:59:21 |
【置】 摘まれた花 ダニエラねえ、アレッサンドロさん。 あの日、聞くことができなかったこと。 だから、本当のことはわからないままのこと。 あたしは、―― 親孝行 できていましたか?聞けた方が良かったのか。 聞けないままで良かったのか。 その答えすら、今も出ない。――きっと、これからも出ることはない。 (L7) 2023/10/01(Sun) 20:59:40 公開: 2023/10/01(Sun) 21:00:00 |
【人】 摘まれた花 ダニエラ荷物を転がし、抱えて、少しの距離を往く。 虚実不明の明るい鼻歌を奏でる。 そうやって向かう先にいるのは王子様。 あたしのひと。いつものように、女はその名前を呼んだ。 (141) 2023/10/01(Sun) 20:59:55 |
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