人狼物語 三日月国


303 地久節に吟うprélude RSS
(2025/07/05(Sat) 22:00:00 に更新。 )

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ / 最新


サレナ・アントワーヌ  男

    男

  男

3票

処刑対象:、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

決着:村人の勝利

名前ID生死勝敗役職
孤城   master襲撃死
(2d)
勝利村人陣営:村人
  村人を希望
人形技師 サレナ・アントワーヌuebluesky生存者勝利村人陣営:村人
  村人を希望
今宮 水芭   生存者勝利村人陣営:村人
  村人を希望
  男yuma_werewolf処刑死
(3d)
敗北人狼陣営:人狼
  人狼を希望

村の更新日が延長されました。

村の更新日が延長されました。

【人】 今宮 水芭   

道行く人を弾き飛ばす勢いで隘路を走り抜けて駆け込んだのは、煉瓦造の頑強な大型建造物に三方を囲まれ、残る一方を川に囲まれた、閑散とした広場でした。

それまで何も訊かずに付いてきてくれていた学友の萩木が、息の混じる声で「そろそろ説明してくれないか」……と口を切った矢先、地鳴りが響き渡りました。

足元がすべり、地に膝をついてしまいます。
それでも顔を上げ、周囲に目を向ければ、探し物がまだ遠く空に映えているのが見えました。

文字通りの砂上の楼閣、とでもいうべきでしょうか。燃え尽きた薪炭がボロリと零れ落ちるように、高くそびえ立つ望楼塔は、呆気なくその頂上部を崩し壊れてゆきました。
(0) 榧 2025/07/02(Wed) 2:33:36

【人】 今宮 水芭   

滑落する瓦礫は、そこからでは砂粒ほどにしか見えませんでした。
撒き上がった砂塵をなす一粒は、あの時展望室に居た誰かだったでしょうか。それとも、尾張だったでしょうか。

それらは外に投げ出されると一度フワリと舞い上がったものの、すぐさま重力に引かれ、墜落前の鳥のように加速してゆき、犇めく家々の屋根に叩きつけられていきました。

望楼塔に呼応するかのように、あちらこちらで続けざまに、重い物が崩れるような轟音が響きました。

黒煙の柱が何十、何百と立ち、空が赤く燃えるのが見えました。

私と友は互いの袖を握ったまま、都市が壊滅してゆく様を、まじろぎもせずに見詰めていました。*
(1) 榧 2025/07/02(Wed) 3:08:48

【人】 今宮 水芭   

その後日常らしい日常が戻るまで、長い月日がかかりました。

消火、片付け、配給と、次々湧いてくる仕事に慌ただしくする傍ら、被害状況の報とともにあの塔の話も入ってきました。
凌雲閣は、ちょうど私達の居た八階から上が綺麗に崩れ去ったとのことでした。しばらく経ってのち、残った部分もろとも爆破解体され、今は跡形も残っていません。

尾張はあの日以来、学校に戻ることはありませんでした。
臨時休暇が伸びに伸び、ようやく授業が再開された教室には、少なくない数の空席がありました。
席のあるじは、運よく発見された者もいれば、見つからないままの者、状態がひどく推定に留まった者と様々でした。

倒壊による被害もさることながら、市内をもっとも蹂躙したのは随所の大火災で、焼け出された他校の生徒達が私の学校にやって来て、合同授業ということになりました。尾張の椅子はすぐに見知らぬ生徒の席となり、ぎゅうぎゅうの教室には、何かに蓋をするかようなから騒ぎに溢れ、そんな異様な空気のまま、毎日が忙しなく過ぎてゆきました。
(2) 榧 2025/07/02(Wed) 22:10:48

【人】 今宮 水芭   

未曾有の被害によって日常が崩れた中でも、周りの生徒達も、大人達も、みな、立て直しに向けて粛々と日々をこなしているのでした。

街に出れば、焼け跡をざりざりと踏みながら竈を炊く人々が見え、物干竿に見立てられた鉄骨が煤まみれの布をはためかせていました。

やがて、見たこともない大きな車がやってくるようになりました。少しずつ、瓦礫が減ってゆき、
少しずつ、街路が、公園が、
新しい姿で作り出されてゆきました。

再起を願う人のしたたかさは、枯果てた大地を突き破って次なる葉をひらき、
街をふたたび緑に染めてゆくのでした。
(3) 榧 2025/07/02(Wed) 23:18:56

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

サレナは、拾った人形を胸ポケットに送り入れ、ポケットから顔だけ覗かせる。
傍目には、可愛らしい状態になった。

つけられた痛々しい傷は、人形のためにも、人の目には触れないようにしたかった。
(4) uebluesky 2025/07/02(Wed) 23:44:41

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

その場を去ろうとした矢先、野次馬の中に、地面に膝をつくように崩れ落ちている人物>>1:13
に目についた。
(5) uebluesky 2025/07/02(Wed) 23:45:35

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

覚えがある。
昨日、商店街でパフォーマンスを披露した際に、最前列でサレナを窺うかのように見ていた少年だ。>>0:28

群衆が沸く中、まるで何かに逃げるかのように身を翻したその美しいブルーヘアーの後頭部>>0:31
が目に焼き付いている。
(6) uebluesky 2025/07/02(Wed) 23:46:12

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

その美しい髪で、新たに人形を作れたらどんなにいいかしら。
なんて、男をいなしながら、ふと考えていたのだった。

サレナは、心の中で、その日の、ブルーヘアーの後頭部を心に描いていた。>>1:14
(7) uebluesky 2025/07/02(Wed) 23:46:29

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

サレナは、するすると滑らかに動き、かの少年に背後から近付く。

ーーもっと、そのブルーヘアーを近くで見たいーー
その好奇心に駆られていた。

少年は、きょろきょろと辺りを見廻しているようだ。>>1:14
視線の先は、先ほどサレナが立っていた場所ではあったが、それをサレナが気に留めることはなかった。

同時に揺らめく直毛のブルーヘアーが、息を呑むほど、美しい。
(8) uebluesky 2025/07/02(Wed) 23:54:13

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

「もし、大丈夫ですか?」*
(9) uebluesky 2025/07/02(Wed) 23:54:42

【人】 今宮 水芭   

私はあの日以降、もちろん人並の悲哀と喪失こそ覚えながら、しかしどこか弛緩したものが心奥に巣食っていることを認めていました。

いつ来るとも分からない余震におびえる人々をよそに、もし自分の命に危険が及ぶならば、またあの幻覚とやらの警告があるのではないか……といった慢心が、私を彼らと同じ焼け跡という土俵に立たせずにいるのでした。

あれから幾度か、人の死に目を視ました。
それらの全てが、偶然の事故や、人の故意による、どこかの誰かの最期でした。いずれも、私が未然に防ぐことは叶いませんでした。

"夢"は、遠い将来の出来事であるほど抽象の度合いを増し、時期が近付くと具体性を帯びてくることが分かっています。抽象的な絵図の示唆するところは曖昧で、読み解きはほぼ不可能です。
(10) 榧 2025/07/03(Thu) 1:18:08

【人】 今宮 水芭   

時折私は、地から足が離れてこの街を鳥瞰しているような錯覚を覚えます。
その時の私はなめらかに透き通っていて、生物としての重みを失っているので、あの時のように転げ落ちる心配もありません。

もとより断ち切られる筈であった糸を接いだ私は、本来生きる筈ではなかった世界です。
私が見ている新しい街並みは、一人で──いえ、正確にはもう一人を選んでいるので計二人で──友を見捨て、抜け駆けをして、得られた眺めなのです。
(11) 榧 2025/07/03(Thu) 1:18:26

【人】 今宮 水芭   

背徳感を拭い去るため、起こるべき惨事を食い止めようとしたことはありました。
唐突に現れては他人に対して逃げるよう指示し、報道前に事件現場に急行したりと、わき目もふらず軽率なことばかりです。人目に付くことも当然でしょう。

何か物騒なことが起こる度に、そこに居合わせる人影がいる……そんな噂が流れるまで、さほど時間はかかりませんでした。

私の危なげな様子に家族が気付かないはずがなく、奇矯なふるまいをにらまれ、お父様に出された結論は「この子に勉学は毒である」という事でした。
苛烈な受験戦争に関しては、長らく問題とされ、論壇を賑わせているのは知っていました。自分の場合はそうではない……などと説明しようにも、大人を説得できる言葉はありません。

素行不良が直るまで家にいるように、という指示に逆えず、そのまま高校受験は取りやめになりました。
そして今に至るまで、学校にも行けず、実家暮らしです。
(12) 榧 2025/07/03(Thu) 1:55:28

【人】 今宮 水芭   

これが私の病癖、私の過誤です。
私を支えるものといえば、共に災禍を逃れた友人の萩木から涙ながらに感謝を述べられたことだけでした。

兄の友人の口利きで、せめて文筆に携われるようにとコピーライターの仕事を貰い、生活の足しにしています。

本当のところは仕事がなくとも金銭には困らないのですが、手を付けたくないお金は無一文と同然ですから。
(13) 榧 2025/07/03(Thu) 1:57:21

【人】 今宮 水芭   

  

 
「君の才覚は君一人では支えられないほど大きなものだ。
 我々は協力を惜しまない。
 次こそ共に成そうではないか、救世済民、尽忠報国を」

  
(14) 榧 2025/07/03(Thu) 2:08:44

【人】 今宮 水芭   

  

  
(15) 榧 2025/07/03(Thu) 3:08:59

【人】 今宮 水芭   

しばらく、呆けたように座り込んでいたようです。
例の遺体はとうに官憲の手で運び出されており、
残された黒い血溜まりは日射に水気を吸われ、その外周からだんだんと硬く萎れかけていました。

正夢の感覚を、久しく忘れていました。
焼き付けるようなイメージで強く揺さぶりをかけてくるので、私はいつも急き立てられるようにその場所まで引き寄せられてしまうのでした。

とは言え、せめて現場に急行する癖はどうにか改善しないと、また周囲に睨まれてしまいます。

早く帰らなければ。未だに力を失ったままの脚を持ち上げるようにして、その場より踵を返……
(16) 榧 2025/07/03(Thu) 3:18:24

【人】 今宮 水芭   

『もし、大丈夫ですか?』

ぞく、と後頭部が総毛立つ思いがしました。
忘れもしません。冷徹さと温かみの入り交じったような、言い現しがたいその声色を持つ主を。
(17) 榧 2025/07/03(Thu) 3:19:46

【人】 今宮 水芭   

人形の視線を感じるなどという予感が、現実のものとなってしまうとは。

まるで正夢の続きを見ているかのような錯覚に慄きつつも、一思いに首を回して声の主に相対しました。
行商の女の着るドレスは冬物のようにも見えましたが、彼女は暑気など微塵も感じない、昨日と変わりのない無表情をこちらに向けているのでした。
私は、内心の狼狽を隠すように

「あ、ああ……いえ、すこし立ちくらみが」

などと言って当たり障りない返しをします。
何でもないふうを装ってやり過ごそうとして、つい、彼女のその暑気をものともしない、涼しげな面差しに目が惹かれていきました。
(18) 榧 2025/07/03(Thu) 3:44:17

【人】 今宮 水芭   

まるで陶器で設えたかのようにきめ細やかで、
近くで見るほどにうつつ常世とこよの区別のつかないほどに、一片の曇りもなく均整のとれた造形です。

その人形……いえ、行商の女に吸い寄せられるような感覚は恐れにすり代わり、私は堪らず目を逸らしました。

彼女のドレスからはもう一人、小さな人形の頭部が覗いています。
……こう見ると、やはり似ている。
二人はまるで親と子のようにこちらを真っ直ぐに見ているのでした。
(19) 榧 2025/07/03(Thu) 3:56:53

【人】 今宮 水芭   

  

「では、これにて」

二対の視線に絡めとられる前に去らなければ。
そんな焦りは、私の膝をむなしく地面にめり込ませました。

立ち上がりざまに転ぶ私を見て、彼女は無表情を変えぬままなのか、それともその冷ややかな頬を持ち上げて微笑むのか、
私にはまったく想像もつきません。*
(20) 榧 2025/07/03(Thu) 3:57:16

村人の勝利、全ログ・ユーザー名が公開
終了日時:2025/07/05(Sat) 22:00:00


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