人狼物語 三日月国


294 【P村】RE:demption RSS
(2024/12/27(Fri) 8:00:00 に更新。 延長2回まで。)

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 / 最新


プロローグ

【人】 『歴史の書』



     『×××××の歴史をここに記す』

(0) 2024/12/12(Thu) 22:17:50






到着: G

【人】 G


               。



(1) 2024/12/12(Thu) 22:42:07

(n7) 2024/12/12(Thu) 22:49:41

村の設定が変更されました。

到着:英雄 ジークバルト

【人】 英雄 ジークバルト




   [ 英雄よ、民の光であれ。 ]


 
(2) 2024/12/13(Fri) 1:00:11

【人】 英雄 ジークバルト



[ 国を護り、人を助ける平和の象徴であり
  国の礎の一つ。

  罪を許さず
  自らを律し
  気高く強い人物。

  人は彼こそセントクリムの誇る英雄と
  口を揃えて称賛する。 ]
 
 
(3) 2024/12/13(Fri) 1:00:18

【人】 英雄 ジークバルト




    
[ この国には
英雄
がいる。 ]



 
(4) 2024/12/13(Fri) 1:00:24

【人】 英雄 ジークバルト



[ 彼はセントクリムの国を愛していた。
  自警団の仲間が大切だった。

  次の日の朝を静かに迎えられる毎日。
  命を脅かされることのない人々の日常。
  それこそが彼の平和を表す姿だ。

  国が栄え、大国による怯えはなくなり
  豊かになる国と明るい未来。 ]


 
(5) 2024/12/13(Fri) 1:00:33

【人】 英雄 ジークバルト



[ だが、そこに
  英雄の己の姿はない。

  彼の望む光ある国に
  ジークバルト・カーティスという名の
英雄

  存在しない。」


 
(6) 2024/12/13(Fri) 1:00:44

【人】 英雄 ジークバルト





  
No one will ever know it and
   a sin that's hidden is half forgiven.
           Giovanni Boccaccio.



                      
 ]



    [ 誰にも知られることなく隠された
は、半ば許されるのだ。 ]


 
(7) 2024/12/13(Fri) 1:00:57

【人】 英雄 ジークバルト




 「 ──────────…………。 」



 
(8) 2024/12/13(Fri) 1:01:01

【人】 英雄 ジークバルト







             [ 男は確かに 
”嗤った”
。 ]** 
(9) 2024/12/13(Fri) 1:01:04
到着:親 グリンダ

【人】 親 グリンダ

 

人であること、慈愛に満ちていること、寛容なこと

優し
母であること、清く正しいこと、公平なこと

朗らかで
しみがあること、献身的であること

気立がよい女
あること、不平不満を言わないこと

抗わないこと、し
わせに貢献すること、正直なこと

誠実であること、けが
なく清純であること、耐え忍ぶこと



   
を犯さないこと



        
い母であれ

        
妻であれ

        
善い
であれ

        
善い女
あれ

        
善い民で

        
善い ─────────


 
(10) 2024/12/13(Fri) 6:51:27

【人】 親 グリンダ

 
 

 ‥‥そんな、魔法使いみたいなこと
 求められたって、できるはずなんてない。


 

 
(11) 2024/12/13(Fri) 6:52:17

【人】 親 グリンダ

 
 

 私は、善い魔法使いGlindaには、なれない。 **

 

 
(12) 2024/12/13(Fri) 6:52:52
到着:処刑人 ライナス

【人】 処刑人 ライナス




     
正義
は社会の秩序なり

 

 
(13) 2024/12/13(Fri) 8:22:30

【人】 処刑人 ライナス

 
[ アレテーとしての「
正義
」とは
 正しい行為をし、正しいことを望む
 ヘクシス性質のことであり

 「
不正
」とは
 不正を望み不正な行為をなす状態のことである


 古代から伝わる社会秩序における
正義
の定義だ。]
 
(14) 2024/12/13(Fri) 8:22:34

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 時に、人は愚かな生き物だ。

  罪には罰が与えられるのにも関わらず
  罪を犯す者は消えない。

  社会秩序の中に生きられない者達は
  往々にして淘汰されていく。 ]

 
(15) 2024/12/13(Fri) 8:22:38

【人】 処刑人 ライナス

 


    死は救済である。



 
(16) 2024/12/13(Fri) 8:22:41

【人】 処刑人 ライナス

 
 
 
[ お前の
は何色だ?



         
赤以外に血の色はないだろう? ]



 
(17) 2024/12/13(Fri) 8:22:45

【人】 処刑人 ライナス

 
 
 
   
In valor theese is hope.
勇気あるところに、希望はある



            
Dead men tell no tales.死の理由は、それが正義であるからだ。



 
(18) 2024/12/13(Fri) 8:22:49

【人】 処刑人 ライナス

   


[ 処刑人ライナス・カディア。
 
         セントクリムにおいては、
         正義と呼ばれた断罪者である。]*



   
(19) 2024/12/13(Fri) 8:22:54
到着:宝石商 アビス

【人】 宝石商 アビス



    [ 望まれざる者たちが跋扈し
      嗤う門には罰来たる。

           男には守るべき
大義
などない。]


(20) 2024/12/13(Fri) 13:07:54

【人】 宝石商 アビス



   [ 男の人生は生まれ堕ちた時から
     台本のように定められていた。

     カビの生えたパンを齧り
     淀んだ泥水を啜り
     明日の命を祈る毎日。
     豊かな国の地べたを這い蹲る
     蛆虫のような惨めな生活。

     周りは少年を許しはしなかった。

     お前は罪深い存在だ。
     お前はこの国にいてはいけない。


     幼き頃から刻まれ続けた呪詛は
     長い刻を経てもなお少年を蝕み続けた ]


(21) 2024/12/13(Fri) 13:11:39

【人】 宝石商 アビス



                  どうして

    どうして


         どうして



                      どうして


      どうして



(22) 2024/12/13(Fri) 13:12:38

【人】 宝石商 アビス



    [ 幼き少年の憎しみが腹を満たし膨れる。
      ただ生まれ落ちただけの世界
      子どもひとりに犯せる罪などないというのに。]


(23) 2024/12/13(Fri) 13:13:46

【人】 宝石商 アビス



どうして


(24) 2024/12/13(Fri) 13:14:12

【人】 宝石商 アビス



お父さんが人を殺しただけなのに。


(25) 2024/12/13(Fri) 13:16:21

【人】 宝石商 アビス


   [ 時は流れ、男は笑う。
     大量の金と『宝石』に囲まれて。]**

(26) 2024/12/13(Fri) 13:19:06
到着:薬師 ヴィオラ

【人】 薬師 ヴィオラ




「 神は 私たちを必ず救ってくださいます 」
神は 私たちを救ってはくださらない


 
(27) 2024/12/13(Fri) 20:56:57

【人】 薬師 ヴィオラ



どんなに信心深く祈ろうとも
どんなに辛く苦しみ抜こうとも

奇跡を起こしてはくださらない

 
(28) 2024/12/13(Fri) 20:58:10

【人】 薬師 ヴィオラ



  それが我々に与えられた
  試練だと言うかのように
  ただ静かに見下ろし、見守るばかり


            神の教え通りに生きれば
            果たしてその先で本当に
            魂は救われるのでしょうか?


 
(29) 2024/12/13(Fri) 20:59:17

【人】 薬師 ヴィオラ



  ―――いいえ
  そんなことはどうでもいいの

  私たちが望む救済は死後ではなく
  今、この時なのだから


 
(30) 2024/12/13(Fri) 21:00:43

【人】 薬師 ヴィオラ




ならば私が神になるしかないではないか
例えそれが、魂を曇らせる行為だとしても


 
(31) 2024/12/13(Fri) 21:02:06

【人】 薬師 ヴィオラ




私に罪があるというのなら
それはあなたの罪だ


 
(32) 2024/12/13(Fri) 21:04:06

【人】 薬師 ヴィオラ





[ 私は祈る手を 解いた ]**
(33) 2024/12/13(Fri) 21:04:40
到着:聖母 エリシア

【人】 聖母 エリシア

 

あるところに ひとりの女がおりました
セントクリムの森の中 寄る辺をなくして
家に帰れなくなった子どもたちと
ともに暮らしておりました


女に子はありませんでしたが
母と呼ばれれば ほほえんで頭を撫でてやりました
それはまるで ほんとうの家族のように
血は繋がっていなくとも
愛情で繋がっていたのです

 
(34) 2024/12/13(Fri) 21:22:55

【人】 聖母 エリシア

 

白魚のようだった手がすっかり荒れてしまっても
ちっとも辛くなんかありません
彼女にとって 子どもたちの笑顔こそが
何よりのごほうびなのですから

みなで食卓を囲み 手作りの菓子をふるまって
夏は木陰で物語を読み聞かせ
冬は暖炉のそばで針仕事をしながら
読み書き計算を教えてあげました

家が恋しいと泣く子がいればなぐさめて
粗相をした子にも叱らずに
花の香りを移した洗いたてのシーツで
いっしょに眠ればきっと
すてきな夢を見られることでしょう

 
(35) 2024/12/13(Fri) 21:22:58

【人】 聖母 エリシア

 

ですから 森の奥の道を辿るのに
パンくずを撒く必要なんてありません

そこにいるのは
甘いお菓子で誘う
魔女
じゃなく

やわらかな腕で抱きしめてくれる
あなたの新しい
おかあさん
なのですから ……

 
(36) 2024/12/13(Fri) 21:23:01

【人】 聖母 エリシア

 


[ 罪とはいったい何なのでしょうか? ]


 
(37) 2024/12/13(Fri) 21:23:04

【人】 聖母 エリシア

 
[曇り空を見上げる。

今にも泣きだしそうな空。
早く用事を済ませないと
子ども達が心配してしまうかもしれない。
空の籠を抱え直して、市場へ向かう足を速めた。



    帰る場所がある。
    あたたかい家で迎えてくれる笑顔がある。

          わたしには、それがすべて。]**
 
(38) 2024/12/13(Fri) 21:23:07

【人】 英雄 ジークバルト



 「…………ア゛、………ッ…ガ………」



[ 両手で己の首を掴み、締める。
  きつく、強く。

  そうしなければ声を出してしまう。
  名を呼んでしまう。

  求め、焦がれてしまう。 ]


 
(39) 2024/12/13(Fri) 22:00:20

【人】 英雄 ジークバルト



 「………………グ
………ッ、」



[ その行為は”自戒”
  炎情を己に閉じ込める。
  あの日から、毎日閉じ込める。

  消えることのない炎を内に燃やし続ける。

  どうして消えない?
  炎は酸素がなければ燃えないというのに。
  己の心を燃やし続ける燃料は、
  尽きることなく内に溜め込まれている。

  燻ることをしらない炎は熱くなるばかり。 ]

 
(40) 2024/12/13(Fri) 22:00:26

【人】 英雄 ジークバルト



[ 息を殺し、己を殺し、
  酸欠で思考が鈍り、限界が訪れるまで。

  ああ、この世界は霞だ。
  限界を訴える涙が溢れ出る。
  涙はストレスを流すとは言い得て妙である。
  皮肉にも己の涙がこの炎を鎮めている。

  霞む目で月を見上げ、睨め付ける。
  それでも月は照らし続ける。

  こちらを気にも留めない。
  それが一層己の惨めさを浮き彫りにさせる。 ]


  「グ……ア゛、げほ………ハ…ァ………」



[ 苦しめば許されるなどと浅薄な考えを
  真になると思い込ませ、行為に耽る。

  罪人を神は許しはしない。 ]


 
(41) 2024/12/13(Fri) 22:00:40

【人】 英雄 ジークバルト



[ 罪とは正義とは真逆に位置するもの。
  私もまた、秩序を乱すもの。

  英雄と正義は同意義ではない。

  だが、私が生きているということは
  この罪は誰にも知られてはいない。
  私だけのものだ。

  見破られることもなく
  それは社会の秩序を乱してはいない。

  それは私が正義であることの証だ。 ]

 
(42) 2024/12/13(Fri) 22:00:46

【人】 英雄 ジークバルト



 「ははっ、ははは………!!」


 
(43) 2024/12/13(Fri) 22:00:52

【人】 英雄 ジークバルト



[ 君が処刑され、私が生きている!!
  なんて愚かな処刑人だろう。

  処刑された君より罪深いであろう私がこうして今も
  息をしている。
  滑稽だ。笑い話だ。嗤わずにいられるか。 ]


 
(44) 2024/12/13(Fri) 22:01:01

【人】 英雄 ジークバルト



[ 私も愚かだが私を見逃し続ける其方も
  愚かだと責め立てよう。処刑人ライナスよ。

  お前の目は節穴か?
  私を野放しにしている。
  それこそがこの国を冒涜し秩序を乱す行為だ。

  あいつではなく私だ。
  私を処刑するべきだった。 ]

 
(45) 2024/12/13(Fri) 22:01:06

【人】 英雄 ジークバルト




[ 早く私の血の色を確かめさせてくれ。
  この国英雄の血が赤色かどうかを─────。 ]



 
(46) 2024/12/13(Fri) 22:01:09

【人】 英雄 ジークバルト



  「 早く私を
ってくれ。」


 
(47) 2024/12/13(Fri) 22:01:12

【人】 英雄 ジークバルト



[ 己の罪を知りながら
  正すこともできず

  許されたい、認められたいと
  記憶の中に問いかけ

  罪を隠し
  それでも国のために生きるしかできない。
  憐れな人間に鉄槌を。

  私はその時を渇望し、待ち続けている。 ]**


 
(48) 2024/12/13(Fri) 22:01:16

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 務めとは、国に認められさえすれば
  実に色彩豊かな免罪符だ。

  小国セントクリムにおいて正義とされた男は
  断罪の名目で、どれだけの命を刈り取ったろう。


  罪なき王族
  濡れ衣を着せられた××××
  無き×を××××られた××───


  その是非を問うたことなど、一度たりともない。]

 
(49) 2024/12/13(Fri) 23:18:38

【人】 処刑人 ライナス

 
 
   
「自分は間違ったことをしていない」



[ 幾度と投げかけられる天秤の秤を、
  私はいつだって嗤って壊してみせた。]

 
(50) 2024/12/13(Fri) 23:18:44

【人】 処刑人 ライナス

 
[ カディア家は元より死刑執行人の家系であった。
  ライナスがそれを知ったのは齢10にも満たぬ頃。

  家の事が学友に知れ、
  築いた仲など初めからなかったように咎められた。



  お前の家は人殺しの家だ。
  父親も母親も兄弟もみんな気が狂ってるんだろう。
  お前だって頭がおかしいに違いない。
  近寄るな。人殺し。人間じゃない。



                    殺されたくない。]

 
(51) 2024/12/13(Fri) 23:18:47

【人】 処刑人 ライナス


   
    …………ぼくが、何をしたっていうの。


   
(52) 2024/12/13(Fri) 23:18:53

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 人を殺すことが罪なら
  罪を犯した人間は誰が裁いたらいい?

  死を持って償うべきだ。


  自分たちの手は穢さずに
  ただ正しさだけを述べ、糾弾し
  自らの正義にそぐわなければ
  代わりに穢れを受け入れたものでさえ
  叩き潰しても赦されると思っている。


  自分たちが殺されるのは我慢ならないくせに、
  気に入らない奴の死刑執行は喜んで手を叩いて
  見物するやつだっている!


 なんて、なんて、
      滑稽な生き物だろうか! ]

 
(53) 2024/12/13(Fri) 23:18:55

【人】 処刑人 ライナス

 
[ ならば止めてやるものか。
  レッテルを貼り付けられるならその通りになれば良い。
  ライナス・カディアは無機質な死刑執行人。
  頭のおかしい、話の通じない冷たい血の人間だ。



  お前らに認められずとも良い。

  お前らにいくら貶められようと、
  私を持ち上げる正義が大きければ。


                  私は、救われる。]

 
(54) 2024/12/13(Fri) 23:18:58

【人】 処刑人 ライナス

 



『───自分の魂に──────はしない。』




          ───大罪人の言葉に意味は無い。




『───判決は───』




 
(55) 2024/12/13(Fri) 23:19:01

【人】 処刑人 ライナス

   

  私は、私の正義にのみ従う。


[ 国が罪と決めた者を殺すのだ。
  無差別に殺したりはしない。
  それは正義ではない。

  代わりに自分をと喚く人間も見てきた。
  罪人の代わりになると願う事が理解できない。
  悪を庇いだてする事は正義ではない。]

 
(56) 2024/12/13(Fri) 23:19:05

【人】 処刑人 ライナス

 

   ……──の罪人が


[ 死を口にすれば、眼がどろりと濁る。
  乳白色と血液の
が混ざり、瞳の色を上塗る。

  人の
想い
、感情、過去、
未来
───

            ───私にはどうだっていい。]

 
(57) 2024/12/13(Fri) 23:19:08

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 之迄食べてきたパンの数を覚えていないのと
  本質は変わらない。

 人の命は屑より脆い。


  私を貶めた者たちが許されない世界と
  許される世界なら私は前者の世界を望んでいる。



  私は人が───大嫌いだ。
…───も。]

 
(58) 2024/12/13(Fri) 23:19:11

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 望まぬ死は私の祝福。
  この手に塗られるは罪人の赤色。


  アレテーにおいて、私は正義ではない。
  私は、本来社会秩序にはなりえない。]

 
(59) 2024/12/13(Fri) 23:19:15

【人】 処刑人 ライナス

 



       
[ 15で初めて人を殺した少年は
  今ものために歪んだ正義を掲げている。]

 
(60) 2024/12/13(Fri) 23:19:21

【人】 処刑人 ライナス

 


  私を正義にしたのは、他でもないお前たち罪人だ。**



 
(61) 2024/12/13(Fri) 23:21:43

【人】 英雄 ジークバルト



[ 自警団は賑やかである。
  セントクリムの民の生活と治安を見守る。
  そのため、民たちとの交流は多い。 ]


   おはよう。
   ああ、今日は花が咲いたか。

   …………綺麗だな


[ 花が咲けば国は彩る。
  花は嫌いではない。
  この国を花で埋め尽くしたいくらいだと
  話したことがあった。

  その言葉に賛同する者、ロマンチストだと揶揄う者、
  早速やってみましょうとスコップを持ってきた者、
  それはいつの間にか国に広がり
  国を花で埋め尽くそうとする運動が始まったと
  聞いた時は視察と称して
  各地に止めに行ったくらいだ。

  言動には気をつけた方が良い。 ]
  
(62) 2024/12/14(Sat) 1:08:59

【人】 英雄 ジークバルト



[ 花の思い出の始まりは
  昔の友との思い出へと繋がる。

  それは私がこの国をより良くしたいと考える
  始まりでもあった。 ]

 
(63) 2024/12/14(Sat) 1:09:37

【人】 英雄 ジークバルト



[ カビの生えたパン、淀んだ泥水
  その味は今でも忘れることはない。
  豊かな国だと誰が言ったのか。
  幼いながらにこの国の有り様を、仕組みを知った。 ]


 
(64) 2024/12/14(Sat) 1:09:57

【人】 英雄 ジークバルト



  花も食べられるものがあるのさ
  綺麗なものを手折るのは心苦しくもあるけれど
  弱肉強食
  この花より俺たちは強い


[ そう言って俺は少年に花を差し出した。
  その花は食べられると知り、教えたかった。
  一緒に食べればあの子のお腹もいっぱいに
  なるかもしれないと沢山持って。花束のように。
  そんなに食べたらお腹が痛くなるだろうと
  今の私ならわかることを当時は知らなかった。


  底辺のような生活でも苦ではなかった。
  友がいたから、あの子の力になりたかった。

  彼の受けた呪いの言葉の重みを軽くしたかった。 ]


 
(65) 2024/12/14(Sat) 1:10:38

【人】 英雄 ジークバルト



  君は悪いことをしていない
  君は悪くない
  それは俺が知っている
  大丈夫、君は悪い人じゃない


[ 伝えた言葉はどこまで届いただろう。
  もう子供の時の記憶は薄れて消えてしまって
  いるかもしれない。 ]


 
(66) 2024/12/14(Sat) 1:11:26

【人】 英雄 ジークバルト



[ ────それでも。
  俺にとっては基盤になったのだ。

  クソ不味い味も、綺麗な花も、
  別れても尚、どうしているかと心配してしまう友を。

  これは一方的な”俺”の思い。



  だから花は嫌いじゃない。
  「食べられるから」
  そう言った時の自警団の様子は………

  口を閉ざしておくことにしよう。 ]

 
 
(67) 2024/12/14(Sat) 1:11:56

【人】 英雄 ジークバルト



[ 君のお腹を満たしたものが花ではなくとも、
  英雄の”私”となった今も君のことは忘れない。



  …………噂を、聞いた今でも。
君は私の友だ。 ]**

 
(68) 2024/12/14(Sat) 1:12:11

【人】 薬師 ヴィオラ


[偉大な神の御許で齎された平和を享受しながら、
 咎人にも等しく朝はやってくる。

 小さな国家にある小さな町の端。
 そこに佇む小さな畑付きの家に一歩踏み込めば、
 薬やアルコールの独特の匂いが漂う。
 所狭しと棚に並べられた瓶には乾燥した薬草。
 カウンター向こうの机には、
 薬の調合に使うであろう道具が見える。
 外の畑は一見雑草ばかりだが、すべて薬草だ。

 ここは店舗兼作業場、そして私の住居。
 私の家が代々薬師として引き継いできた大事な場所。
 大事な知識が、すべてここにある。]
 
(69) 2024/12/14(Sat) 1:25:57

【人】 薬師 ヴィオラ


[その力を持ってして私たちは人々を助けてきた。
 あかぎれから腰痛、肌の荒れといったものから
 時に酷い傷を負った者の治療にあたり、
 時に毒に侵された者を救ったこともある。

 自警団のように華々しくはないが、
 悩みを取り除き、苦痛を和らげ、
 笑顔を取り戻せるこの仕事を
 私は誇りに思っている。]
 
(70) 2024/12/14(Sat) 1:30:05

【人】 薬師 ヴィオラ


[だからより良い効能を。今までにない薬効を。
 求め、追及する努力も怠らない。

 全ては少しでも、救える人たちを増やすため。


 おかげで今は町の外からも薬を求め、
 訪ねてくる者もいる程だ。]
 
(71) 2024/12/14(Sat) 1:31:45

【人】 薬師 ヴィオラ



 ……美味しい


[ぽつりと零した口元には僅かに笑みが浮かぶ。

 味見をしてカウンターの引き出しに仕舞うのは
 
の砂糖漬け。
 これは畑から収穫した薬草を処理がてらに作る、
 秘密のおやつ。]
 
(72) 2024/12/14(Sat) 1:34:55

【人】 薬師 ヴィオラ


[たまに私の好物なのだと、振舞うこともある。
 例えば、相手の話をゆっくり聞きたい時。

 甘い物にはリラックス効果がある。
 同じくリラックス効果のあるハーブティーを
 処置の後に共に出して、他愛ない話から始める。

 もちろん応じてくれるかは相手次第。
 何も話してくれなくとも、
 少しでも穏やかな時を過ごしてくれたら。
 それで良かった。]

 
(73) 2024/12/14(Sat) 1:37:53

【人】 薬師 ヴィオラ



[薬師は万能ではない。
 この世に万能薬もありはしない。

 心の傷を処置することは出来ないし、
 手を尽くしても救えぬ命も存在する。
 ましてや、魂の曇りを取ることも出来ない。
 
……私が言うなど愚の骨頂だろうか。


          それでもせめて手の届く範囲の人々に
          さいごまで寄り添い、耳を傾ける。
          そんな薬師で 私はいたい。]**

 
(74) 2024/12/14(Sat) 1:40:01

【人】 親 グリンダ

 

 
を飾らなくなったのは何時からだろうか。
 何もかもが無くなった部屋の片隅を見つめる。

 
   「 あれでよかった 」


 私はあれから何度も何度も呟いている。
 本当は親として¥o来ることはあったのだろう
 本当は親として≠ケねばならぬこともあるだろう

 それでも何もかもが無くなった
 平和で、静かで、怠惰で、虚無に満ち溢れた部屋で

 私はただ、命を消費するだけの毎日を過ごしている

 
(75) 2024/12/14(Sat) 6:45:04

【人】 親 グリンダ

 


   「 あれでよかった 」


 それは罪を正当化するための魔法の言葉
 あれでよかった、あれが正しかったのだ、と
 私は一人になった部屋で、何度も何度も繰り返す

 母でも妻でも親でもなく
 善い女でも善い民でもない、ただの命が一つ分
 独りで暮らすにはほんの少し広いけれど
 家族で暮らすには狭すぎる、古びた部屋の中にある

 
(76) 2024/12/14(Sat) 6:45:30

【人】 親 グリンダ

 


 腕を摩る
 真新しいとは言えなくなった傷が無数にあった
 私はいつだって体の見えないような服を着て
 私が負った傷を隠して生きてきた

 隠したかったのは目に見える傷だけではないが

 無論、暮らすのに支障がないほどに
 私が今もこうして命在るのは
 セントクリムの優秀な薬師のお陰であるけれど

 薬師に世話にならなくなって数日、数十日、

 過去になりつつある傷は
 私が負っていくべき
≠ネのだ


   
── そうやって、正当化して命を費やしている


 
(77) 2024/12/14(Sat) 6:46:30

【人】 親 グリンダ

 


   「 さがさなきゃ 」


 そう言って立ち上がる
 割れた姿見にはただの命がひとつだけ映る

 
   『
どうして


 
 鏡の中から同じ顔が私に問いかける

 
(78) 2024/12/14(Sat) 6:47:16

【人】 親 グリンダ

 


 親だから?家族だから?
 義務だから?責任があるから?


 ── それとも。


 
(79) 2024/12/14(Sat) 6:47:32

【人】 親 グリンダ

 


 あの子が、私の
≠知っているから? **


 
(80) 2024/12/14(Sat) 6:47:56

【人】 英雄 ジークバルト



[ 仮面をつけ、踊り始めた。

  戸惑いのあるステップから
  華麗な足取りで人を騙し、

  独りで踊った。
  相手を求めない孤高のダンス。

  誰に合わせる必要もない。
  神の下で踊りきってみせよう。



       仮面の中がどれだけ歪んでいようとも。 ]


 
(81) 2024/12/14(Sat) 13:55:24

【人】 英雄 ジークバルト



  何を………言っている

  処刑…………?

  あいつは自警団の一員だ
  どんな罪だというのだ
  
  
[ 独りで踊っていれば
  置いてイかれたのは私の方。

  遅かった、何もかもが、遅かったのだ。 ]


 
(82) 2024/12/14(Sat) 13:55:30

【人】 英雄 ジークバルト



[ 立ち尽くしたまま、止まった。 ]


 
(83) 2024/12/14(Sat) 13:55:33

【人】 英雄 ジークバルト



[ 何も欲しくはなくなった。 ]


 
(84) 2024/12/14(Sat) 13:55:45

【人】 英雄 ジークバルト



[ いらないいらないいらないいらない何もいらない何も
  いらないいらないいらないいらない何もいらない何も
  いらないいらないいらないいらないいらないいらない
  何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も
  いらないいらないいらないいらないいらないいらない
  いらないいらないいらないいらないいらないいらない
  いらないいらないいらないいらないいらないいらない ]


 
(85) 2024/12/14(Sat) 13:56:03

【人】 英雄 ジークバルト



  
欲しかったものを奪ったのはこの国だ


 
(86) 2024/12/14(Sat) 13:56:09

【人】 英雄 ジークバルト



[ 処刑理由を私は知らない。
  自警団の団長である私にすら教えられない。
  この国は”変”だ。
  何が秩序だ。何が平和だ。クソくらいだ。

  ”変”になったのは私。
  これがこの国の答え。


  
神は
救いはしない。
  
神は
試練を与え続けるだけ。

  
神は──────────。

  
神は神は神は神は神は神は神は神は神は神は神は



  
神は間違えた私を許しはしないのだろう。 ]


 
(87) 2024/12/14(Sat) 13:56:19

【人】 英雄 ジークバルト



[ 仮面をつけた、もう一枚。
  失ったものを補うようにもう一枚。

  歪なステップで嗤いならがら踊ろう。
  傀儡のように繋がれていた糸を切って。
  それはとても私らしい。

  この国の英雄にはお似合いだ。 ]


 
(88) 2024/12/14(Sat) 13:56:23

【人】 英雄 ジークバルト



  私は、セントクリムの英雄だ
  あいつに認められた男だ

  
俺は………
魂に背いて生きているよ
  お前とは正反対だ




[ よく聞いていた口癖を思い出せば
  自然と口元が緩む。


  ああ、まだこんなにも────────。 ]


 
(89) 2024/12/14(Sat) 13:56:31

【人】 英雄 ジークバルト



  生きている奴にしか正義は語れない
  だから死人は罪人に
  処刑人は正義になる

  ならば正義の象徴である英雄が動こう


 
(90) 2024/12/14(Sat) 13:56:34

【人】 英雄 ジークバルト




[ 無知は罪なり、知は空虚なり、

  英知を持つもの英雄なり。 ]



 
(91) 2024/12/14(Sat) 13:56:45

【人】 英雄 ジークバルト



[ 進むために、知らなければならない。
  どんな真実が待っていようとも。

  それを受け止める自信は正直に言えば、ない。

  もとよりこの国では俺は異端者だ。
  聖人君子ではない。
  そういうのは別のやつがやればいい。 ]


 
(92) 2024/12/14(Sat) 13:56:50

【人】 英雄 ジークバルト



[ 処刑場を視界にいれる。
  君がいなくなった日から、足を運ぶようになった。

  様々な罪人の命が散った場所。
  可能な限り君の死に触れようと近付く。

  花を置くことはできない。
  だからこの場所で花を取り出し捧げる。 ]



  ─────………………。



[ 小さく、小さく、言葉に出せば。
  どこからか風が音を攫っていく。 ]


 
(93) 2024/12/14(Sat) 13:56:58

【人】 英雄 ジークバルト



  なんだ、待っても来る気配がないのだから
  こちらから来たが
  思うようにはいかないものだな
  
  
[ 処刑人は文字通りそれが仕事なのだ。
  恨みや怒りをぶつける程私は子供ではない。


  ただ、話を…………聞きたいことがある。
  あいつの最期を知る人間だ。

  いつかと言わず
  そいつの目の前に現れてやろうと思う。 ]

 
(94) 2024/12/14(Sat) 13:57:03

【人】 英雄 ジークバルト






[ 結局仮面を被っていても私はエゴイストだ。 ]**
(95) 2024/12/14(Sat) 13:57:06

【人】 親 グリンダ

 


 あの日のことは、よく覚えている。


 
(96) 2024/12/14(Sat) 15:30:12

【人】 親 グリンダ

 


 忘れるわけなんてなかった
 
 感情を無くした子どもの瞳
 いつもと同じように繰り返される悪
 見て見ぬふりをするのはいつものことで
 私は時間だけが過ぎるのを待っていればいい筈だった

 今が、過ぎ去ってくれればよかった
 
 必ずそれには波があり
 時間さえ。そう、時間さえ過ぎれば。
 また、いつもの暮らしが戻ってくるはずだった

 
(97) 2024/12/14(Sat) 15:30:48

【人】 親 グリンダ




 だけどその日は違ってた

 悪魔が私たちに見せた隙
 仄暗い部屋 目の端に映る■
 

   善き親であれ、と神が囁く
   善き母であれ、と神が唆す


 神様の思し召しは 私の
使命

 神様の思し召しは 私の
責務


 
(98) 2024/12/14(Sat) 15:31:50

【人】 親 グリンダ

 


 ………嗚呼、なんて呆気ないものなのだろうか。


 
(99) 2024/12/14(Sat) 15:32:12

【人】 親 グリンダ

 


 あれは神様の思し召しだったのか
 それとも悪魔の囁きだったのか


    どちらが善で どちらが悪か
    正義の天秤は傾くことなく、そこにある **


 
(100) 2024/12/14(Sat) 15:32:39

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 処刑する人間の顔や名前など覚えていても仕方がない。

  父にその言葉を口にした時、
  酷く咎められたことを思い出す。 ]

 
(101) 2024/12/14(Sat) 17:32:41

【人】 処刑人 ライナス

 



   『人は神のように振る舞ってはいけない』

   『王も、民も、等しく人なのだから』

   『分かり合えないことを咎めてはいけない』

   『人が人を裁いてはいけない』




 
(102) 2024/12/14(Sat) 17:32:45

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 父は熱心な神論者だった。
  だが、同時に神を認めない者を許した。

  処刑人という立場でありながら、
  その行為には非常に心を痛め、苦しみを口にしていた。

  何度も、何度も何度も何度も。
  死刑執行の傍らで、父は減刑を嘆願していた。
  死をもってしか償えない罪は無いはずだと、
  私はそう教えられてきた。


  まもなく、父は病に伏し
  未だ子どもであった私に白羽の矢が立つ。]

 
(103) 2024/12/14(Sat) 17:32:48

【人】 処刑人 ライナス

 


   ………………。


   父上の仰ることはこの国を、
   セントクリムを、神を。
   愚弄することと変わりません。



 
(104) 2024/12/14(Sat) 17:32:52

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 私は父の言葉を躊躇いなく撥ねた。
  私は父のような善人にはなれない。

  人に咎められながらに職務を全うし、
  咎められることを受け入れる人間に
  なるのが正解だというなら。

  私はそんな正解は欲しない。]

 
(105) 2024/12/14(Sat) 17:32:54

【人】 処刑人 ライナス

 

  『お父上は生前良く国に尽くされ、──』


[ 死人に口なし。
  この国を憎む者たちの一部さえ、
  父が生前この国の間違いを咎めた事を知らない。
  誰よりも死を悼み、神と人を称えた事を。

  これが濡れ衣でなくてなんだろうか。

        呼ばれたようになってしまえば、
        これ以上人を嫌うこともない。
        私は浅はかな人間だ。
        理解っているから、一層父が嫌いになる。 ]

 
(106) 2024/12/14(Sat) 17:32:58

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 処刑を決められた者たちの名が
  連なる紙を流れるように眺めては、
  記憶の片隅にすら残らないよう
  ぼんやりと空を見つめる。

  この行為ほど無意味なものはない。 

 この前は貴族、その前は…
  この国を守るはずの自警団員。

  神の名の元に、この国は何処へ向かうのだろうか。
  私は、私が死ぬその時まで
  私を取り巻く環境が変わらなければ、それでいい。


  疎ましい。何度も何度も
  正しい奴らの声が勝手に反芻される。]

 
(107) 2024/12/14(Sat) 17:33:01

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 人が人を裁く道理。
  人が人の正しさを決める道理。
            そんなものは無いんだろう。

  父によく似たあの男の目が嫌いだ。
  真っ直ぐに正しさを見つめていた。
  厭わしい。憎らしい。
 
  私に対しての恨み言は今まで何度も聞いてきた。


          許さない、許して、殺してやる、
          助けて、どうして、どうして、どうして。


  罪を認めず、行動を伴う。
  魂に背かず生きるとの言葉通り。

             
お前だけだ、私を咎めなかったのは。
 ]
(108) 2024/12/14(Sat) 17:33:04

【人】 処刑人 ライナス




  ────英雄殿には伝えないのですか


[ 罪と定めた者の一人にそう問いかけたこともあった。
  何も知らされずに団員が処刑されるとなれば
  不服の一つや二つ出るというのは
  間違ってはいないだろう。不自然にもならない。
 
  "罪人の事実は変わらない"
  "神の為の決定は何より先に受け入れるものだ"

  全く予想していた通りの返事が返ってくれば、
  一礼をしてその場を離れた。]
 
(109) 2024/12/14(Sat) 17:33:09

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 花を捧げる事も見過ごそう。
  従う正義を決めるのは私では無い。
  私は貴方の行動を罪とはしない。]


   
   神への祈りを捧げる。
   暫く処刑場には近づくな


[ 用意が必要なら私が代わろう、と
  まるで神を愛するが故の行動だと、
  そういった声色で口にする。

         気まぐれの手向けでもしたくなったか?
         違う。咎められたくないだけだ。


  本当は─────────いや。]

 
(110) 2024/12/14(Sat) 17:33:13

【人】 処刑人 ライナス

 


   無知ゆえの幸福を得ず
   不幸を知り自由を求めるか

   ───理解できない



 
(111) 2024/12/14(Sat) 17:33:17

【人】 処刑人 ライナス

 
[ ───英雄が去った後、
  処刑場へ足を踏み入れる。

  落ちていた花弁を拾い握り潰せば、
  苦々しく洗い流された血の跡を見つめた。]**

 
(112) 2024/12/14(Sat) 17:33:21

【人】 宝石商 アビス


  [ 町外れの交易場にて
    初老の男に胸ぐらを掴まれる男。

    造形職人であり宝石商を営み
    尊ぶべき大義など持ち合わせず
    自らの気が赴くままに
    『宝石』を売りさばくその男は
    しばしばこうして恨まれた。

    その度に、やれ騙されただ、やれ罪深いだ。
    決まりきった罵詈雑言、
    しかし男は当然のように聞き流してみせよう。 ]

(113) 2024/12/14(Sat) 17:46:43

【人】 宝石商 アビス



     そう騒ぎなさんな。

     他人からくすねた金を
     我が物顔で使う男には


         そいつ石ころがお似合いじゃないか?


(114) 2024/12/14(Sat) 17:47:51

【人】 宝石商 アビス



  [ どうも初老の男はお気に召さないらしい。
    宝石商に自分に見合うものを寄越せと
    息巻いておきながら渡されたのが
    ただの石ころだったのだから当然か。

    しかし罪を犯したのは向こうなのだから
    こちらが罪人に容赦することはない。


    男はこの辺りじゃ有名な盗みの常習だ
    罪を告げられれば大人しく引き下がるしかなく
    宝石商がその剣幕に動じることもない。    ]


    
(115) 2024/12/14(Sat) 17:51:59

【人】 宝石商 アビス



    さぁ、どうする?
    金を騙し取った俺とアンタ

        二人で仲良く英雄殿・・・に赦しでも乞うか?


(116) 2024/12/14(Sat) 17:54:44

【人】 宝石商 アビス


  [ こんなものは言うなればただの報復だ。

    罪人を裁くのはさぞ気分がいいだろう
    かつて彼らが己にしたことを思い返し
    男はまた一人、罪人を地獄へ突き落とす。]


(117) 2024/12/14(Sat) 17:55:52

【人】 宝石商 アビス



     ( よく言うぜ…

            何が"英雄殿、だ。)


(118) 2024/12/14(Sat) 17:56:45

【人】 宝石商 アビス


  [ 男は真の平和など知らない。
    己を救わぬ者を崇めたりはせず、
    神を信じることもなければ
    神に赦しを乞うなんてこともしない。

    国の根幹を否定する男にとって
    平和の裏には犠牲がつきまとうことを
    知らぬ者の物言いは腹が立つ。
    知ってもなお物言いを変えぬ者にも腹が立つ。

    なにもかも、これも全て
    どこかの幼き英雄を思い出すせいだ。]

(119) 2024/12/14(Sat) 17:59:55

【人】 宝石商 アビス



    たかが自警団
    たかが英雄

         俺にとって正義の象徴とは、神ではない。

(120) 2024/12/14(Sat) 18:02:05

【人】 宝石商 アビス


  [ もう二度と味わいたくないパン
    もう二度と飲みたくはない泥水

    苦々しい記憶の傍にはあの男がいた。

    わざわざ綺麗な花を手折り
    それらしい理屈で良識を跳ね除ける。

    強いものが生き残る、
    それは仕方のないことだと
    まるで悪魔みたいなやつだ。

    そう、子どもながらに恐怖さえ覚えたものだ。]


(121) 2024/12/14(Sat) 18:04:56

【人】 宝石商 アビス


  [ どうせこいつだって
    腹の底じゃこっちを見下している。

    当たり前だ。
    あいつは貧困に喘ぐだけで
    なんの罪だって着せられちゃいない。

    君は悪くない?
    お前に俺の何が分かる
    過剰な正義に殺されかけたこともないお前に。]
    

(122) 2024/12/14(Sat) 18:06:37

【人】 宝石商 アビス


  [ 穿つ眼を光らせ、探る少年を前に
    まるで言い聞かせるように繰り返す幼き英雄は
    少年にとってまさに衝撃であった。

    その言葉は綺麗事か?
    とてもそうには思えない。

    この国の裏側に潜む闇を知らないか?
    そんなはずはない。

    すぐに気付かされた。
    ジークハルトは痛みを知る、仲間なのだと。

    穿つばかりの少年は少しづつ、
    幼き英雄に歩み寄ることを知った。]

(123) 2024/12/14(Sat) 18:07:38

【人】 宝石商 アビス



    ねぇ。ジーク。僕達で、変えよう。


       もう誰もこんな思いしなくていいように。



        
(124) 2024/12/14(Sat) 18:08:03

【人】 宝石商 アビス



    君と僕なら、きっと出来るはずだ。



(125) 2024/12/14(Sat) 18:08:34

【人】 宝石商 アビス


  [ 闇に溶けた約束

    ただ食えるだけで腹まで壊す
    クソの花束に祝福を

    友はその約束を破らず
    片やその友が堕ちるその先は…  ]


(126) 2024/12/14(Sat) 18:11:08

【人】 宝石商 アビス



   なぁ、教えてくれよ、英雄 ジークバルト

      俺はどこまで堕ちればいい。
      どこまで堕ちれば、お前の元に辿り着けるんだ。

(127) 2024/12/14(Sat) 18:12:38

【人】 宝石商 アビス



  [ 薄汚れた世界を生きる少年にとって
    たった一人の友は、光であった。

    この世界を変えるなら自警団に
    入るのも良いだろう。
    言い出したのは少年か、幼き英雄か。

    だが光と闇の邂逅を
    快く思わない者達もいる。
    その歪みはいつも闇側を襲うもの。

    それでも少年は耳を塞ぎ続けた。
    友の言葉と想いを信じ続け、

    彼とは決して相容れないのだという
    逃れられない真実に目を瞑りながら。]


(128) 2024/12/14(Sat) 18:14:04

【人】 宝石商 アビス



   [ だがしばらくして
     少年は自警団への入団を拒絶される。
     それは友ジークバルトが自警団に入った時と
     時を同じくしてか、はたまた先か、後か。
     そんなことは些細な話だ。


     本人の素養に問題はなくとも
     罪人の子どもであるせいだと
     国として当たり前の処置が

     開きかけていた少年の心を、砕いた。]



(129) 2024/12/14(Sat) 18:17:17

【人】 宝石商 アビス



  [ 今にして思えば
    彼は一番の理解者であったはずだ。

        それに真に気づいた時にはもう
        俺は国を腐らせる悪人で
        彼は国を守る宝となり……]*



(130) 2024/12/14(Sat) 18:18:35

【人】 聖母 エリシア

 
[街に出るのはすっかり苦手になってしまった。
今にも群衆の責め立てる声が聞こえてきそうで

人の多いところは特に嫌いだ。
悪いことなんかしていないのに。


でも、子どものための用事となれば話は別。

一人でできることには限界があるから
通いの使用人も雇ってはいるけれど。
なるべく他人の手は借りず、
わたしにできることは、わたしがしてあげたかった。]
 
(131) 2024/12/14(Sat) 18:29:39

【人】 聖母 エリシア

 
[市場で季節の果物を買って。
今日はパイを焼いてあげよう。
最近食欲が落ちている子の好物なのだ、
これならきっと喜んでくれるに違いない。

元々、掃除や洗濯はしたことがなかったから
最初はとても苦労したけれど。
料理と裁縫は比較的得意な方。
愛する家族の喜ぶ顔が見たくて
お菓子を作ったり、刺繍を贈ったりしていたから。

キッチンに入り浸って料理人を困らせてしまったのは
今思うと申し訳なかったけれど……
人生、何が役に立つかわからないものね。]
 
(132) 2024/12/14(Sat) 18:29:42

【人】 聖母 エリシア

 
[こういった買い物にもずいぶん慣れた。
食料品に衣料品、日用品店の店主とは顔なじみ。
体調を崩した子のために、薬を買いに走ることもある。

人目を避けるように森に住み始めた頃は
あることないこと噂されていたみたいだけれど……
心を病んでいるだの言われていたのは、
当時、あながち間違いでもなかったと思う。

今はそんなことも少なくなった。
わたしは行き場のない子どもの面倒を見る
立派な
――あるいは奇特な――
女性として、
このあたりでは認知されているようだった。

目立つのは本意ではないけれど、仕方のない話だ。
わたしよりも子ども達の未来が大事。
文字や計算を教えているのも将来を考えてのことだし、
定期的に礼拝に連れて行くのだってそう。
この国で生きていくために、必要なことだから。]
 
(133) 2024/12/14(Sat) 18:29:45

【人】 聖母 エリシア

 
[もちろん小さなこの国にだって孤児院はあるし。
高貴な人が慈善活動をしたり
裕福な人が奉公人として引き取ったりと、
救いの手はいくつもあるのだろう。
しかしわたしの見る限り、
全く足りているとは思えなかった。


それに、親がいても
救いを必要としている子だって少なくない。


国が富み、光が強くなるほど
闇もまた深くなるもの。難しい話。

そういう話のできる人こそ、
この国には必要だったはずなのに――
……、わたしにはできない話だった。]
 
(134) 2024/12/14(Sat) 18:29:47

【人】 聖母 エリシア

 
[買い物を済ませて市場を出ると、
クライヤー ――町のお触れ役の告知に足を止める。

日常以外のことにあまり興味はないのだけれど、
子ども達に関わることがあるかもしれないと思えば
そうも言っていられず、人に紛れて耳を澄ませた。

貿易の話、自警団の話、
裁判の話――

そこまで聞いて顔をしかめる。
そんな話はもうたくさん。


判決が耳に入る前に立ち去ろう。
睨むように再び空を見上げれば、
ぽつりと雨粒が顔に当たって、少し頭が冷えた。

頭痛がするのも、きっと天気のせいだろう。]
 
(135) 2024/12/14(Sat) 18:29:50

【人】 聖母 エリシア

 
[本降りになるには、まだ少し猶予がありそうだ。
足を速めつつ、気を取り直して別のことを考える。

教会から聞こえる賛美歌は
次の礼拝のための練習だろうか。
子ども達ともおさらいしておかなくちゃ――
あの子やあの子も、次は外に出られるかしら。


わたしはともかく子どもにとって、外に出るのも
いい気分転換になるのではないかと思うのだけれど。
嫌がる子がいれば無理強いしたりはしなかった。

さまざまな事情でわたしの元にやってきた子ども達。
よほど幼い赤子でもない限り、
心に傷を負っているような子がほとんどだから。

何も強制したりしない。
ゆっくり、ゆっくり、癒されてくれればいいと思う。]
 
(136) 2024/12/14(Sat) 18:29:52

【人】 聖母 エリシア

 
[きっと大丈夫。
たとえば、いまだ事情を打ち明けられないあの子だって
笑顔を見せて、花をくれるようになったのだ。
わたしにはそれで充分。
無理に何もかも曝け出す必要なんてないのだから。

花を愛する英雄のおかげか、
この国には以前よりも花が増えたように思う。
真偽のほどは知らないけれど…>>62

花の咲かない季節にも、気分を明るくするような
花の絵などを飾る家や店をよく見かけた。

ふと目に入った
に足を止めると、そこの店主が
「その花が好きなのかい」と話しかけてくる。]


 子どもが贈ってくれた花なんです


[やわらかい声音でそう返せば、微笑みが浮かんだ。

優しいあの子。わたしの、はじめての子。
大切なあの子がくれたのは希望≠フ花だった。

だからきっと、大丈夫。
何も心配いらないわ。]**
 
(137) 2024/12/14(Sat) 18:29:55

【人】 親 グリンダ

 


 ……あの人が。
 私に振る舞ってくれたことはあっただろうか。>>73

 街の薬師にはたびたび世話になっていた。
 私が彼女の元を訪れる時は必ず一人だ。
 傷を負い、痛み止めや塗布用の薬を貰って帰る

 たびたび私は、こう言った

  
 「 ひとり分よりも、少し多めに欲しいのです 」


 その理由を聞かれたとて私は首を横に振るだけ
 貰えなかったときには、悲しそうな顔をした

 ……と。思うのだけれど。
 
 あまりに聞きだすのが上手な薬師であれば ──
 ‥‥どうだったかはわからない。


 
(138) 2024/12/14(Sat) 18:55:52

【人】 親 グリンダ

 


 身なりは浮浪者ほどには極悪ではないものの
 質素な服を常に纏っていた私だ

 ゆっくり茶を嗜む時間など当然に無く
 茶を勧められたとて最初は断っていた筈で

 それでも何度か誘われれば、
 その席へと座ることもあったかもしれない
 ただ常に、時間を気にしてはいただろう。

 
(139) 2024/12/14(Sat) 18:56:17

【人】 親 グリンダ

 


 香りのよい茶や菓子に目を細め
 美味しいなどとの感想を述べる私の表情は
 想定したような穏やかな&\情ではなかったかもしれない
 どこかいつだって張り詰めていて、

   
不安 罪悪感 緊張 怯え 恐怖


 そんな表情を浮かべていたかもしれない

 
(140) 2024/12/14(Sat) 18:56:44

【人】 親 グリンダ

 

     ずっとずっと昔、
     
昔の夫が生きていた頃

     
を愛で、茶を嗜み、菓子を作り、
     嗚呼、そうした幸福だって、存在したのに **

 
(141) 2024/12/14(Sat) 18:57:27
親 グリンダは、メモを貼った。
(a0) 2024/12/14(Sat) 18:59:34

親 グリンダは、メモを貼った。
(a1) 2024/12/14(Sat) 19:13:12

英雄 ジークバルトは、メモを貼った。
(a2) 2024/12/14(Sat) 19:52:53

処刑人 ライナスは、メモを貼った。
(a3) 2024/12/14(Sat) 20:14:21

【人】 宝石商 アビス



  [ 人に恨まれる宝石商にも人情はある。
    境遇がそうさせるだけであって
    元来、アビスとはそういう人間なのだ。

    目には目を、歯には歯を
    善性には善性、悪性には悪性を。

    人の縁は鏡のようだと宣う男にとって
    その人の元を訪れる時は
    善に溢れた姿と成るのが常というもの。]


(142) 2024/12/14(Sat) 20:41:08

【人】 宝石商 アビス



  [ その善性は、中が空洞の宝石と同じ。
    所詮中に悪性を孕んだ産物に過ぎない。

    どれだけ善人ぶってもそこが知れる。

         その性の担い手がこれだ。
         それも仕方のないことだろうか。]


(143) 2024/12/14(Sat) 20:46:07

【人】 宝石商 アビス



   やぁ、いるかい。

            ヴィオラ先生。


(144) 2024/12/14(Sat) 20:48:01

【人】 宝石商 アビス



  [ 今となってはただ一人だけ、敬意を示す者。
    先生、とは最大級の賛辞に他ならず
    男にとってはそれに値する程に偉大な相手だ。

    そのきっかけは、
    男がまだ明日の命を祈り、
    満足に食と金の工面もままならなかった頃
    森で毒性のある花を口にした時まで遡る。

    命懸けで辿り着いたのが、彼女の家だった。


    この恩は今もなお計り知れず、
    男が善性に身を委ねられる唯一の場所であった。]


(145) 2024/12/14(Sat) 20:51:54

【人】 宝石商 アビス


  [ 彼女にだけは悟らせてはならない。
    あの時の礼と言い、いつも置いていく金も
    少しでも彼女の為にと薬を買うための金も

    全て薄汚れているという事実を。

    知られてはならない。
    どんな事実も、知らなければ罪ではないのだから。

    嗄れた偽善、痩せこけた自尊心のためだけに
    彼女を今以上に利用するわけにはいかない。]*

(146) 2024/12/14(Sat) 20:54:30

【人】 英雄 ジークバルト



[ 捨てるには背負い過ぎた。

  切った糸も再び絡まれる。

  この国によって
  自警団の団員たちによって
  民たちによって

  失った者たちによって

  踊っていたのは傀儡だ。
  国によって踊らされていた。

  
私の”罪”だけが唯一の今の己の証明だ。
 ]


 
(147) 2024/12/14(Sat) 22:20:14

【人】 英雄 ジークバルト



[ 処刑場で捧げた花。


  その花を口元へ持っていき

  唇で花弁に触れる。


  口を開き

  静かに、口に含んだ。

  花びらを一枚ずつ、

  蜜を吸い

  私の糧にしていく。 ]


 
(148) 2024/12/14(Sat) 22:20:29

【人】 英雄 ジークバルト




  ……………。


 
(149) 2024/12/14(Sat) 22:20:32

【人】 英雄 ジークバルト



[ 人の気配を遠くから感じ、
  その場から離れることにした。

  落ちた花弁に気が付けどそのままに。 ]


 
(150) 2024/12/14(Sat) 22:21:05

【人】 英雄 ジークバルト



  あれが────……ライナス・カディア


[ 瞬間、身体に熱が走った。
  心臓が大きく高鳴る。
  頭は驚くほど冷静だ。

  まるで、戦場で宿敵に会えたかのような
  興奮を覚える。

  今すぐにでも斬りつけたいと震える利き手を
  逆の手で強く抑える。
  
  体は正直だ、本能のままに動くから厄介だ。
  殺していた息を吐き、体を鎮める。 ]


 
(151) 2024/12/14(Sat) 22:22:23

【人】 英雄 ジークバルト



[ そうして、落ち着けば再び彼に注視する。

  カディア家の生まれか
  死刑執行人の家系だったはずだ。

  シャルル・バロンを処刑した処刑人。
  会うことが叶うまで調べ尽くした。
  叩けど埃がでるはずもない人物であった。

  耳に入ってくるのは
  実にわかりやすい冷徹人間だということ>>54
 
  人の噂では人物像は掴めない。
  頭がおかしいやつであれば今頃この国は血塗れだ。

  私の見立てでは
  噂を気にせず、己の信念がある
  繊細な人間だといったところか。 ]


 
(152) 2024/12/14(Sat) 22:23:39

【人】 英雄 ジークバルト



  父親はどうやら信心深いようだが………



[ 遠くから気付かれないよう眺めていた
  姿が動く。自分はどうするべきか……。

  今まで慎重さを欠いたことはない。
  判断の間違いが損害へと繋がるからだ。


  だが、今は───────……


  今だからこそ──────。 ]


 
(153) 2024/12/14(Sat) 22:26:13

【人】 英雄 ジークバルト



  すまない、忘れ物をしてしまったようだ
  花弁だが落としてしまったようだ

  ………お邪魔していたよ
 
  ライナス・カディア、だな
  

[ 対面するのは今だ、
  いつかなど待っていられるか。 ]  



  私はセントクリム自警団団長
  ジークバルト・カーティスだ


[ 握手でもしようかと相手の手を見れば
  何かを握りしめているようだ。

  その指を指し、花弁ならばもらおうと
  手を差し出し、ライナスへと目を向けよう。 ] 

 
(154) 2024/12/14(Sat) 22:26:38

【人】 英雄 ジークバルト



[ 処刑場ではじめましてとは
  私たちにはお似合いだとは思わないか? ]**


 
(155) 2024/12/14(Sat) 22:26:56

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 気配に振り返ることはしなかった。
  気の所為であれと願う私の傲慢だろうか。
  花弁に爪を立てたところで
  小気味の良い音は出ない。

 食い込む不快さに眉を潜め、
  鼓膜に刺さる人の声で
  漸く視線を彼の人へと向けた。]

 
(156) 2024/12/14(Sat) 23:14:33

【人】 処刑人 ライナス



   ……………ジークバルト…


[ 反射的に名を落とせば厭に口に残る。
  嫌な味だ。人の名に言うのも至極失礼であろうが。

  一刻も早く立ち去れ、と。脳が警告する。]

 
(157) 2024/12/14(Sat) 23:14:36

【人】 処刑人 ライナス




   …英雄殿がこのような場に何の用かな。

   貴方達は国の守りの象徴だろう。
   罪人の死を悼んでいると、
   勘違いするものが現れないとも限らないが───


 
(158) 2024/12/14(Sat) 23:14:38

【人】 処刑人 ライナス


[ 視線の先に握りしめていた拳を開く。
  くすりと嗤って、花弁を破り空へ投げた。


  それ以上の反抗はしないとでも見せるように
  両手をあげ、前を見据える。]

 
(159) 2024/12/14(Sat) 23:14:41

【人】 処刑人 ライナス



   
真実
か、
復讐
か。
   

[ 普段の処刑場には似つかない程、静かだ。
  民衆の声などは聞こえず、風だけが吹いている。

  日差しも明るく、雲ひとつない。
  小鳥が囀り、天は生きる人々を祝福している。


  私のようなものにとっては似つかわしくない日。]

 
(160) 2024/12/14(Sat) 23:14:44

【人】 処刑人 ライナス

 


   まるで英雄の顔じゃないな。
   仮面の下の心がまるで隠し切れていない。
   隠すつもりもないか?


   ───あまり貴方とは話をしたくないが。

   何を望むのかくらいは、聞こう。

   事実を知る者として。



 
(161) 2024/12/14(Sat) 23:14:47

【人】 処刑人 ライナス



[ 目を細めた先にあるのは、どんな顔だったろうね。
  セントクリムの英雄殿。]**


 
(162) 2024/12/14(Sat) 23:14:50

【人】 宝石商 アビス



     少し、昔話をしよう。

(163) 2024/12/15(Sun) 0:14:53

【人】 宝石商 アビス



   セントクリムの街にある夫婦がいた。
   逞しい夫に美しい妻、
   裕福とは言えないまでも慎ましく
   そした穏やかに、暮らしていた。

   罪などという物には程遠い家庭

   それが俺の生まれるはずだった、世界。


(164) 2024/12/15(Sun) 0:15:44

【人】 宝石商 アビス



   やがて母親は子を身篭り
   子は腹の中で生誕の時を待ちわびた

   これからさらに幸せな世界が待っている。
   母親も、腹の子も、それを疑いもせず

   神の御加護の元に
   ただ当たり前の幸せを授かるだけだと
   信じてやまなかった。


(165) 2024/12/15(Sun) 0:17:31

【人】 宝石商 アビス



   それからすぐのこと、
   俺の父親による王族の暗殺未遂が起きたのは

         俺が生まれるよりも半年ほど前のことだ



(166) 2024/12/15(Sun) 0:18:46

【人】 宝石商 アビス



   動機も何もかもが不明。
   だが状況から見ても間違いない。
   俺の父親は、黒だ。

   国の警備をくぐり抜けて
   王族を葬ろうとした道半ば
   警備の人間の命を奪い
   その果てに、自警団によ捕らえられた。

   当然、父親は極刑。
   俺が生まれるよりも早く、父は逝った。
   死人に語る口はなく、真実はもう、闇の中。



(167) 2024/12/15(Sun) 0:20:15

【人】 宝石商 アビス



   全てはまやかしでしかなかった。
   平和で幸せな道を進み、生きていこうなどと
   笑いあった夫婦の姿など最早茶番。

   まだ腹に俺を宿した母親に
   周囲は堕胎を強く勧めた。

   あんな極悪な罪人の子どもなど
   産んではいけない。その子は、呪いなのだと。



(168) 2024/12/15(Sun) 0:21:54

【人】 宝石商 アビス



   しかし母は譲らない
   子どもに罪はないのだと、頑なに。

   母の愛が、俺をこの世界に縛りつけた。


(169) 2024/12/15(Sun) 0:22:55

【人】 宝石商 アビス



   俺は生まれたその瞬間から堕ちている。
   その血なまぐさい獣道は
   台本でもあるのかと疑いたくなる程に腐り

   かくして王族暗殺を目論んだ人殺しの子ども、
   俺は生まれながらにして
   この国で忌み嫌われる存在へとなっていく。**


(170) 2024/12/15(Sun) 0:23:53

【人】 宝石商 アビス



  [ それは幾年前か定かではないが
    男には忘れられない
    強烈な記憶として残る事件が、あった。

    大きな穏やかで平和な国も罪で溢れ
    中でも重い罪は直接的に裁かれるもの。
    そしてただの国民にも罪状程度の報は届く。
    ただ、客伝いに聞いた時は流石に驚いた。

    
虫唾が走る程皆に愛された
ある男の報
    しかもその罪状は想像もしなかったものだ。]


(171) 2024/12/15(Sun) 0:47:21

【人】 宝石商 アビス



    なに?あのロジャーだぞ?
  

        何かの間違いじゃないのか?


(172) 2024/12/15(Sun) 0:49:21

【人】 宝石商 アビス


  [ ロジャー・ピュロシア・スチュアート。
    吐き気がする程の聖人君子であった青年だ。

    宝石商のような薄汚れた男にさえ
    対等な商売を、と言えるだけの器量の持ち主。

    あれほどの胆力と器を持ち合わせた男は
    後世にだってそう現れやしないだろう。

    この世の悪と最も縁遠いであろう男が
    この世で最も忌み嫌われる罪のひとつを
    犯してこの世を去ったのだ。


    信じろという方が無理な話だが、
    裁きが下されれば信じるしかない。]

(173) 2024/12/15(Sun) 0:52:43

【人】 宝石商 アビス



    そうだ、ムカつくやつだったよ。

    口を開けば街のみんなを愛してるだの
    まったく、青臭くて敵わない。

    でも俺はあいつを嫌いにはなれなかった。
    あいつの言う街のみんな、は俺もそうなのだと。

    人目がつく場所だというのに
    何も構わず口にしやがる。

    それがどれだけ危険な行為か
    知らんわけでもあるまいに。


    
(174) 2024/12/15(Sun) 0:54:08

【人】 宝石商 アビス



       惜しいやつを、亡くしたな。


(175) 2024/12/15(Sun) 0:55:01

【人】 宝石商 アビス



  [ だが哀しみに暮れてばかりもいられない。

    ロジャー処刑の報が耳に入った瞬間から
    宝石商にはひとつ気掛かりがあった。

    彼には家族、妹がいたはずなのだ。
    宝石を見ながらいつも妹に似合うと
    妹の自慢をされていた宝石商には
    その事実は忘れることなど難しい。

    痛みを知り尽くした罪人の子として
    罪人の家族というのは立場の危険度は
    この国の誰よりも知っているつもりだ。]


(176) 2024/12/15(Sun) 0:57:32

【人】 宝石商 アビス



    悪いな旦那。

           今日は店じまいだ。


(177) 2024/12/15(Sun) 0:58:15

【人】 宝石商 アビス



  [ 報を知らせてくれた客に断りを入れ、
    男は店を閉めるとロジャーの家を目指す。

    たとえ罪人だろうが彼の家族だ。
    家族に、罪などあるはずがないというのに
    それを知らない国民が多いことは知っている。

    忌み嫌われてきた側の人間として
    余計なお世話で、邪魔者であったとしても
    ロジャーの家族を案じずにはいられない。

    ロジャーが裁かれてすぐのこと、
    男は彼の最愛の妹を探した。
    せめて石の雨に晒されないことを願いながら。
]*


(178) 2024/12/15(Sun) 1:02:33

【人】 英雄 ジークバルト



[ あの頃は努力をすれば
  神は救ってくださると信じていた。

  正しいことをしていればそれでよかった。

  正しいことすれば
  辛い思いをする人が減ると考えていた。

  それは人を救えると信じていた。 ]


 
(179) 2024/12/15(Sun) 13:46:21

【人】 英雄 ジークバルト



  ジークバルトが一番最初に救いたかったのは

  君だよ────アビス
 

 
(180) 2024/12/15(Sun) 13:46:43

【人】 英雄 ジークバルト



[ 悪意のある言葉は心に残ってしまう。
  子供は声を聞いてしまうから。
  他者に自分の価値を植え付けられてしまうから。

  言葉で苦しめられている君を見ていた。
  庇っても言葉は届いてしまう。
  だから俺もその分言葉にした。
  大丈夫だと、悪くないと
  呪詛を呪詛で埋めようとしただけの幼稚な行為だ。

  人は弱者には容赦がない。
  それに対抗するには力が必要だった。 ]


 
(181) 2024/12/15(Sun) 13:46:47

【人】 英雄 ジークバルト



  クソ…………あいつら殴って楽しいのかよ


[ アビスに悪意を吐いていた周りに
  言い返してやったことがあった。
  「もうやめて」と「俺に言えばいい」と
  だがアイツらは自分達を正当化していた。

  犯罪者の子供は犯罪者だ。
  アイツもいつか人を殺す。
  だから我々は良い事をしているのだ。


  
歯向かうならお前も同罪だ。


  あまりに馬鹿馬鹿しく、その場で笑ってしまった。
  どうやら俺は人の神経を逆撫ですることが
  得意らしい。

  俺を貶める言葉が見つからないのか
  口ではなく手が出てきたが
  それで少しでもアビスへの当たりが
  弱くなるならと
  
(引っ掻くくらいの抵抗しかせず)

  大人しく受け入れていた。 ]
 


 
(182) 2024/12/15(Sun) 13:46:59

【人】 英雄 ジークバルト



[ だがアビスへの風当たりに変化はなかった。 ]


 
(183) 2024/12/15(Sun) 13:47:01

【人】 英雄 ジークバルト



[ 力のない自分が何をしようと変わらない。
  変えるには力が必要だ。
  周りをねじ伏せる圧倒的な力だ。
  有無を言わさない程にわからせられる力だ。 ]


 
(184) 2024/12/15(Sun) 13:47:15

【人】 英雄 ジークバルト



[ アビスに大丈夫だと
  伝え続けることはやめなかった。
  安心をして欲しかった。


  アイツらの暴力も続いていた。
  そこで受け身の取り方、急所の外し方、  
  色々と実践で学ぶことができた。


  何よりアビスが少しずつ俺に歩み寄ろうと
  してくれてることがわかって嬉しかった。 ]


 
(185) 2024/12/15(Sun) 13:47:21

【人】 英雄 ジークバルト



  俺も、アビスに伝えたかった。
  一緒に変えよう。

  俺もアビスと二人なら、出来ると信じてる。


 
(186) 2024/12/15(Sun) 13:47:30

【人】 英雄 ジークバルト


 

  俺は欲張りだから君も
──────



       君には、君らしく生きて欲しい。


 
(187) 2024/12/15(Sun) 13:47:48

【人】 英雄 ジークバルト



   ( アビスを救いたい。 )


 
(188) 2024/12/15(Sun) 13:47:50

【人】 英雄 ジークバルト



[ その言葉は言うべきではない。
  君と一緒に居たいが為の身勝手な言葉。

  君を救えば君には俺しか居なくなる。
  恩義を感じ俺だけを頼るようになる。
  俺はアビスを誰よりも知っていた見ていたのだから。


  だからこそ

  俺と一緒にと言ってくれた君の言葉は

  とても嬉しかった。


  一緒にいる事を許されたようで

  俺は思い上がってしまった。


  
君が俺に堕ちてきた、
と。 ]


 
(189) 2024/12/15(Sun) 13:48:06

【人】 英雄 ジークバルト



  どこまで………、か
  足りない、底は奥深い深淵だ
  下から手を伸ばしても
  簡単には堕ちてこれない

  ならば救い上げて
  一気に堕とそうとした


  そしてそれは
  君に気付かれてしまったのだろうな


(190) 2024/12/15(Sun) 13:48:15

【人】 英雄 ジークバルト




[ 君は自警団には来てはくれなかった>>129 ]



 
(191) 2024/12/15(Sun) 13:48:22

【人】 英雄 ジークバルト



[ 少し考えればわかることだった。
  自警団とはどんなところか、
  世間体を気にする世間の風当たりを
  この目で見てきたはずなのに。

  君が来なかった事実だけが
  俺を落胆させるには十分だった。 ]


 
(192) 2024/12/15(Sun) 13:48:47

【人】 英雄 ジークバルト




[ ジークバルトは
  今でも君が去ったと思っている愚か者だ。 ]



 
(193) 2024/12/15(Sun) 13:48:59

【人】 英雄 ジークバルト



[ 愚か者でも心配はする。
  どこへ行ってしまったのか、
  お腹を空かせていないか、
  花は綺麗なものほど毒がある、
  間違って食べていないか?と
  森を探したこともあった。


  時が経ち、力を得た。
  アビスがどうしているのか
  調べられる立場にもなった。 ]


 
(194) 2024/12/15(Sun) 13:49:02

【人】 英雄 ジークバルト



[ とある噂を知った。
  アビスはあの時の約束を果たそうと
  しているのかもしれない。

  それが犯罪と呼ばれるものでも。
  ”罪”になることだとしても。

  私は、友を信じている。 ]

 
(195) 2024/12/15(Sun) 13:49:45

【人】 英雄 ジークバルト



  アビス、私はもう”罪”からは
  逃れられることはない

  それでも君との約束は
  最後まで諦めずにいよう

  また会えた時に、君に恥じないように

 
(196) 2024/12/15(Sun) 13:49:47

【人】 英雄 ジークバルト






[ 私の罪は、まだ誰にも知られていないのだから。 ]**
(197) 2024/12/15(Sun) 13:50:12

【人】 薬師 ヴィオラ



  ……この傷、どうされたのですか?


[彼女が初めて店を訪れた日。
 その生々しい傷に驚き、そう訊ねた。
 ただ転んだにしては数が多く、
 場所も広範囲に及んでいたからだ。

 しかし彼女が口ごもるようなら、
 それ以上の追及をすることはしなかった。>>138
 
(198) 2024/12/15(Sun) 15:30:29

【人】 薬師 ヴィオラ


[一介の薬師風情がプライベートにまで
 進んで踏み込むべきではない。
 
誰にだって、触れられたくないことはあるものだ。


 私たちはただ症状を聞き取り。
 状態を正しく見極め。
 薬を正しく調合し、処方し。
 正しい用法用量を伝える。
 
             それが仕事なのだから。]
 
(199) 2024/12/15(Sun) 15:31:39

【人】 薬師 ヴィオラ


[しかしその後も訪れる度に新しい傷をこさえ、
 いつも多めの薬を望む彼女が気にならない
 わけはなかった。

 悪習慣があれば、再発を繰り返してしまうもの。
 その場合、根本の原因を絶たねば根治は難しい。

 ……ただ、彼女の場合そうすることが難しいのは
 その表情一つとっても容易に想像が出来た。
 明らかに他者によりつけられたであろうそれは、
 私が介入したところで解決出来る事案だとも、
 思えなかった。]

 
(200) 2024/12/15(Sun) 15:33:09

【人】 薬師 ヴィオラ

  
[私に何か出来ることがあるとすれば、
 一時の安らぎを提供するくらいだった。
 ただそれさえも、いらぬお世話だっただろう。
 当然だ。
 いるはずのもう一人の怪我人を連れて来られない
 状況で、落ち着けるはずもない。>>139>>140



  ……塗り薬は問題ないのですが、
  もし他の方に使われるのでしたら、
  体重によって飲む量が変わりますのでご注意ください。
  形状も、丸薬で大丈夫でしたでしょうか。


[多めの薬を求められた際、念のために聞いた問いで、
 相手が子供なのだと察することが出来たなら尚更。
 引き留めることに申し訳なくすら思う。]
 
(201) 2024/12/15(Sun) 15:36:26

【人】 薬師 ヴィオラ



  あの、良ければこちらも持って帰ってください。
  お代は結構ですので……


[お茶を振舞った後、一人分より多いいつものお薬と
 残りの砂糖漬けを入れ物ごと差し出した。
 ここにはいない、もう一人の口にも入ればと。

 憐れみや同情に見えてしまったかもしれないが。
 無力な私に出来る、せめてもの気持ちだった。]

 
(202) 2024/12/15(Sun) 15:38:10

【人】 薬師 ヴィオラ



[―――それ以降だったろうか。
 彼女の姿を見なくなったのは。
 薬が必要なくなったのならそれでいいのだけれど。

 
の花を見るたびに、
 どうしているのだろうと思い出している。]*

 
(203) 2024/12/15(Sun) 15:39:50

【人】 英雄 ジークバルト



[ 処刑場に花が舞う。>>159

  只の口実ではあったが
  そちらも随分と素直ではないことが窺える。 ]

 
(204) 2024/12/15(Sun) 15:44:32

【人】 英雄 ジークバルト



  勘違いさせておけばいい。

  私はしたいことをしてきた。
  これからも改めるつもりは、ない。


[ 快晴の空、小鳥は戯れ風が遊ぶ。
  異質なのは我々だとつくづく感じる。
  これから話すことにしても、だ。 ]


 
(205) 2024/12/15(Sun) 15:44:42

【人】 英雄 ジークバルト




  私が望むものは、
真実



 
(206) 2024/12/15(Sun) 15:45:43

【人】 英雄 ジークバルト



  そして、話してくれるのなら
  君のことも知りたいと思う
  ライナス・カディア。

 
(207) 2024/12/15(Sun) 15:46:28

【人】 英雄 ジークバルト



  君にも知って欲しい、
  シャルル・バロンという人物を。

 
(208) 2024/12/15(Sun) 15:46:35

【人】 英雄 ジークバルト



[ アイツを奪ったのはこの国。

  アイツの魂を浄化したのはこの男。 ]



[ 浄化?

  ──────それがこの国の教えだ。
  アイツの魂は浄化された。

         
まるで信じられない。
 ]


 
(209) 2024/12/15(Sun) 15:46:49

【人】 英雄 ジークバルト



  私は君と話がしたい。


[ 目を細めた先、>>162


  その顔は 
  
微笑んで

         
哀しんで

         
憎悪で歪んで

         
睨みつけて

         
泣いて

         
強張って

         
怒って



            どの顔にもならず
            ただ君を見ているだけ。 ]

 
(210) 2024/12/15(Sun) 15:48:24

【人】 英雄 ジークバルト



  君、友達はいるのか?
  その友達の前では笑うこともあるだろう?

  笑顔は大事だと思うぞ
  英雄のこの俺のようにな


[ お手本のように笑ってみせた。 ]



          
[ 仮面は一枚じゃないと教えてあげたんだ。
            親切だろう? ]**

 
(211) 2024/12/15(Sun) 15:49:49

【人】 薬師 ヴィオラ




昔から 笑うのが苦手だった



 
(212) 2024/12/15(Sun) 16:43:14

【人】 薬師 ヴィオラ



 切欠は恐らく、母が亡くなったこと。
 薬師だった父の力を持ってしても、
 救えない命があるのだと。

 初めて間近で見て感じ、絶望するとともに。
 まだ幼かった私は父を責めた。


 
(213) 2024/12/15(Sun) 16:43:51

【人】 薬師 ヴィオラ



 父だって救いたかったはずなのだ。
 私の知らない所で沢山手を尽くしていただろうと、
 今ならわかる。

 それでも尊敬し、
 憧れていた父に治せないものはないのだと。
 その時までは信じていた。

 後に酷く後悔したのを覚えている。
 弟と私が寝静まった夜、
 一人で静かに泣いている父を見た日から。


       
―――私の小さな小さな、罪の一つ。


 
(214) 2024/12/15(Sun) 16:44:37

【人】 薬師 ヴィオラ



 それでもあまり不自由に思ったことはなかった。

 近所の子たちと遊ぶよりも、
 父の後について勉強する方が好きだったから。
 愛想がないと言われることは多々あったけれど、
 父の手伝いをすることに支障はなかったし。
 代々積み上げてきた評判と薬師としての腕は
 そんなことでは揺るがない。

 幸い弟は相反するように明るく育ってくれたから、
 家の中が暗くなることもなかった。


 
(215) 2024/12/15(Sun) 16:45:43

【人】 薬師 ヴィオラ



  それでも父が亡くなったあの日から、
  私はさらに笑うことが苦手になった。


            いえ、もうそんな資格はないと
            心のどこかで思っているのかもしれない。


 
(216) 2024/12/15(Sun) 16:46:39

【人】 薬師 ヴィオラ



それでも私は薬を作る。

私の薬で救われる人が確かに存在することを、

私は知っているから。


 
(217) 2024/12/15(Sun) 16:47:54

【人】 薬師 ヴィオラ



  ッ大丈夫ですか……!?


[彼を助けたのはまだ父が存命の頃だったろうか。
 どちらにせよ、店の扉の向こうから聴こえた物音を
 不審に思い開けた先に、後にアビスと名乗る彼がいた。

 その頃は今と違い、明日の食事にも困っていたらしく。
 お腹を満たすために口にした植物が、
 不運にも毒を持っていたのだ。>>145


 ここまで辿りついていなかったらその命はとうに
 失われていたかもしれない程に、危険な状態だった。
 原因が毒物の経口摂取だとわかれば適切な初期対応を。
 解毒薬の調合と介抱を合わせ、数刻。
 彼の呼吸や顔色が戻った時は胸を撫で下ろした。]
 
(218) 2024/12/15(Sun) 16:50:10

【人】 薬師 ヴィオラ



  これには毒があります。
  使いようによっては薬にもなりますが、
  見かけても食べてはいけません。


[彼がすっかり元気を取り戻したら、
 
半ば無理矢理
畑の中でそんな講習が開かれた。
 聞かせるのは森や道端でもよく見かける物を中心に、
 もう二度と同じことを起こさぬための知識。

 同時に食べれば美味しい物も教えたが、
 中には既に知っているものもあったかもしれない。]
 
(219) 2024/12/15(Sun) 16:51:25

【人】 薬師 ヴィオラ


[そもそも彼は草花よりもいい物を食べたかっただろう。

 自警団の英雄も花を食べるらしいと。>>67
 自警団に入りたまに帰ってくる弟が言っていた。
 放っておけば収穫や効能を確かめるついでに
 薬草でお腹を満たす私を思い出したと笑いながら。


 そんな私が提供する食事も身体の事を考えた菜食中心で、
 彼には物足りなかったかもしれない。
 
の砂糖漬けならば、喜んでもらえただろうか。]
 
(220) 2024/12/15(Sun) 16:53:09

【人】 薬師 ヴィオラ


[彼が支払えるお金がないと心配したならば、
 そんなものはいつでもいいと言ってのける。
 お金がないという理由で目の前の救える命を
 みすみす見捨てるなど、出来るわけもないのだから。]



  とにかくまずは元気になることを第一に考えて。
  稼げるようになったら考えてくれればいいので。


[彼はその言葉を覚えていてくれたのだろう。
 しばらくの後に、彼はお金を置いていくようになった。
 稼げるようになったことは喜ばしいことであったし、
 その分彼のように薬代が払えず困窮する人たちへの
 無償奉仕で、身銭を切る必要もなくなった。]
 
(221) 2024/12/15(Sun) 16:59:36

【人】 薬師 ヴィオラ


[それから幾ばくかの時が流れた頃だ。
 その噂を聞いたのは、
 いつものように彼がお店を訪れた後のこと。
 人の口に戸は立てられないとはよく言ったもので。

 「あの人は何か悪事に手を染めているらしい」
 「出入りしていると店の評判に関わるんじゃないか」


 入れ違いで入ってくるなりひそひそと話す、
 噂好きのマダム。
 彼女なりにこのお店のことを慮って
 進言してくれたのだろうことはよくわかった。

       それでも、あまり気分はよろしくない。]

 
(222) 2024/12/15(Sun) 17:00:41

【人】 薬師 ヴィオラ



  ……心配をして頂いたことは有難く思います。
  ですが噂は噂、ですし。
  曖昧な情報で判断したくはありませんので。


[如何にも善性溢れるそれらしい理由と感謝を述べる。
 そうすれば、彼女も渋々と引き下がった。]
 
(223) 2024/12/15(Sun) 17:03:07

【人】 薬師 ヴィオラ


[ もしその噂が本当であれ、
  罪のない人間などいるのだろうか。
  目の前にいるあなたも、
  誇れるほどに清らかに生きていると、
  神に誓って言えるのだろうか。

  その自分のための化粧水代で、
  誰かを助けようと思ったことはあるのだろうか。 ]
 
(224) 2024/12/15(Sun) 17:03:42

【人】 薬師 ヴィオラ


[ 彼が悟らせたくなかったように、
  私にだって悟ってほしくないものがある。

  あなたが思うほど、私の魂も清らかではないのだ。
  キラキラと甘い衣を纏って輝くこの
だって、
  部位によっては
を孕んでいる。

  それでも私は、正しいことをしていると。
  そう思って生きているけれど。 ]

 
(225) 2024/12/15(Sun) 17:05:11

【人】 薬師 ヴィオラ



  ……今後はもう受け取れません。


[いつもの調子でかけられた声>>144に挨拶を返した後、
 彼の懐からお金が取り出される前に
 遮るように口を挟んだ。
 決して、あの
を聞いたからというわけではない。]
 
(226) 2024/12/15(Sun) 17:07:05

【人】 薬師 ヴィオラ



  前々から援助を断るべきだと思っていたんです。
  あの日の恩は十分すぎる程に返してもらいましたから。

  そのお金があれば、他に必要としている人を直接
  助けることだって出来ると思います、し……
  今後はアビスさんご自身の為にお使いいただけたらと。


[笑ったか笑っていないかわかり辛い顔で、
 最大限の感謝を述べる。

 ちゃんと伝わったかどうかはわからない。
 もしかしたら変に勘繰られるかもしれないが、

 私の気持ちは、それがすべてだった。]
 
(227) 2024/12/15(Sun) 17:10:14

【人】 薬師 ヴィオラ



[ 宝石に興味はない。知識だってない。

  あなたにどんな罪があろうとも。
  あなたの善性が例えイミテーションだったとしても。
  あなたから貰ったものは間接的であれ、
  結果的に沢山の人を救ったのは事実。

  私がその宝石を綺麗だと感じるのは、
  この先もきっと変わらない。
  あなたの根本がそうであると思うから。]**


 
(228) 2024/12/15(Sun) 17:11:57

【人】 聖母 エリシア

 
[別の日のこと。
わたしは月に一度の遠出をしていた。
町から馬車に乗り込む途中、
知り合いに会えば挨拶をして。
いつものか?と尋ねられれば、ええそうですと返し。

わたしが何の職にも就かず
たくさんの子を養えているのは、
お金を渡してくれる人がいるからで。
こうして月に一度出かけて行って、
それを受け取ってくるのだ。

町の人は、それこそ裕福な出資者がいるのだろうと
そう思っているみたいだけれど……
まあ間違いではなかった。だから訂正もしない。]
 
(229) 2024/12/15(Sun) 17:27:42

【人】 聖母 エリシア

 
[小さな国といえども場所によって変化はあるものだ。
車窓からのぞく風景が
鄙びたものから都会的になってゆき、
辿り着いたのはわたしの生まれ故郷。

屋敷まで行く気にはなれなくて
家令に出て来てもらう約束をしている。
彼はこちらの家まで来てくれると言うのだけれど、
たまには故郷の様子が見たいからと言って
それは断っていた。矛盾しているだろうか。


やり取りの内容は毎回あまり変わらない。
家を出た時より良くなった顔色に安堵され。
お互いの近況などを、話せる程度に話して。
今月分のお金を受け取り。
……それから気まずい顔で縁談の話をされる。

わたしの面倒を見るのに都合がいいからと
親族との結婚をすすめられているのだ。
何度断ってもしつこく言われて、
財産目当てなことくらい
もうわかるようになってしまった。]
 
(230) 2024/12/15(Sun) 17:27:48

【人】 聖母 エリシア

 

 諦めの悪いことね……
 いつも通りお断りしてちょうだい。


[そう言って視線を落とす。

家督の相続権は持たないけれど
持参金をはじめとした母の遺産を相続したのは
このわたし。そういう取り決めがされていた。
今受け取ったお金も、家令に管理を任せているだけで
そもそもわたしのものなのだ。

おかげで子ども達に
ひもじい思いをさせることはないが、
面倒事も絶えなくて溜息を吐いてしまう。

昔はこんなこと考えなくてよかったのに。
どれだけ甘やかされて、守られていたか思い知った。]
 
(231) 2024/12/15(Sun) 17:27:51

【人】 聖母 エリシア

 
[わたしのような者を妻にしては
家名に余計な瑕がつくばかりです、と
最初の頃使っていた言い訳も
今となっては弱いだろうか。

わかっている。
罪人の家族がまともな暮らしをできているのは
家門の後ろ盾があったから。
何もできなかったわたしに代わり、
一連の対応を引き受けてくれたのも彼らだ。
我儘を言っているのはわたしの方。

それでもまだ、許されるんじゃないかと。
そう思っていたわたしに、
また一つ現実が突きつけられる。]
 
(232) 2024/12/15(Sun) 17:27:53

【人】 聖母 エリシア

 

 え? ……今なんて?
 無駄な出費だって、確かにそう言われたの?

 …………そんなこと。
 わたしのお金の使い道まで
 指図される謂れは…、――……!


[声を荒げかけて。
家令に言っても仕方がないと、どうにか堪える。

…そうね、そう言われるのも当然か。
当てにしていた財産が日々目減りしているのだから。

実際、わたしには財産の管理能力もないし。
当時、事を収めるために
彼らがいくら使ったのか知りもしない。
反論の余地なんてどこにもなかった。悔しいけれど。]


 ……わかりました。
 今後は少し…控えるようにしますから。
 ご心配には及びませんと、伝えてください。


[だから、お願いだから、今はまだ放っておいて。

そう言って、気まずい空気のまま席を立った。]
 
(233) 2024/12/15(Sun) 17:27:56

【人】 聖母 エリシア

 
[屋敷には戻りたくない。
大切な思い出の詰まった家だからこそ。

主人の変わってしまったあの家で、
わたしの方が異物になっていくのが悲しくて。

何よりも、
あの家での最後の記憶――兄の死が。

幸せな思い出まですべて塗りつぶしてしまいそうで
わたしには、つらかった。]
 
(234) 2024/12/15(Sun) 17:27:59

【人】 聖母 エリシア

 
[何もできなかった。
何をしたらいいのかさえわからずに。

大変なことになった、あとは任せなさい、という
親族の言葉を当たり前のように頼り。
悲しみに暮れるばかり。

自分で何かするということを知らなかった。
甘やかされるだけの箱入り娘。

唯一できたことといえば、
嘆願書に手紙を一通混ぜてもらっただけ。]
 
(235) 2024/12/15(Sun) 17:28:02

【人】 聖母 エリシア

 

『この度の御沙汰は何かの間違いです。
 兄は決してそのようなことをする人ではありません。
 情に厚く、人々に慕われ、大勢の民を導いて
 王国の未来に貢献できる素晴らしい人物です。
 どう
ご慈悲を賜り、兄に機会をお与えください。
 神は兄
無実をご存じのはずです。
 恐ろしい事件の上に、冤罪などという
 新たな罪を重ねることがありませんように。
 今一度慎重に調べ直していただけ
ま●
よう、
 伏してお願い申し上げます。

        エ
●●
ア・ルシール・ス
ュアート』




       [そんな。
       涙の痕をつけて情に訴えかけるだけの
       証拠の一つにもならない手紙には、
       何の意味もなかったのだろう。]
 
(236) 2024/12/15(Sun) 17:28:05

【人】 聖母 エリシア

 
[死刑判決は覆らず、わたしは半狂乱に陥った。]



 いや、いや、兄さん!!
 兄さんのところに行くわ、離して!!
 こんなの絶対間違ってる、おかしい、
 止めにいかなくちゃ、ねえ離してったら!!!



[兄の元へ駆けつけようとして、
使用人総出で止められて。
罪が罪だけに、その身内が牢の周りをうろつけば
どんな目に遭うかわからないと。
今思えばもっともな言い分だった。

それでもわたしは処刑の日に抜け出して、
抜け出したその先で――
何を見たのだったかしら?]

 
(237) 2024/12/15(Sun) 17:28:08

【人】 聖母 エリシア

 
[処刑場には辿り着いたはずだった。

だけどわたしは怖くて、
処刑人も、集まった人の目も、兄の顔を見るのも
何もかも怖くてたまらなくて、
……あとはよく覚えていない。

兄の最期の姿を思い出したくないのか
思い出せないのかも、よくわからない。

わたしはいつの間にか気を失って、
家に運び込まれていた。

倒れた際に打ったのだと聞かされた傷は、
まるで石でもぶつけられたかのようだった。]
 
(238) 2024/12/15(Sun) 17:28:10

【人】 聖母 エリシア

 

[恐怖と絶望、悲嘆の向こうに全てが曇っていく中で  
処刑人のことだけをなぜだか鮮明に覚えている。   
兄さんの命を奪った、その手。           

あちらにとっては数ある中のひとり、    
見物人に紛れ込んだ小さな人影など     
視界にも入らなかっただろうが。      

わたしにとってはただひとり、] 

 
(239) 2024/12/15(Sun) 17:28:13

【人】 聖母 エリシア

 
[親族の『任せなさい』という言葉は、
兄を救うのではなく、家門を守るという意味だった。

裏切られたような思いだったが、
彼らは最善手を打ったにすぎない。

でもわたしにはそんなことわからなくて。
わかりたくもなくて。

目が覚めたわたしは、全てを恨み、
嘆きながら自分の世界に閉じこもった。
食事も喉を通らず、気力を失って
ベッドから起き上がることもできなくなっていた。

誰かが訪ねてきたような気もするが>>178
その時のことは、やはりよく覚えていない。
あとで聞いた話では、虚空を見つめながら
うわごとを呟いているような有様だったらしい。]
 
(240) 2024/12/15(Sun) 17:28:17

【人】 聖母 エリシア

 

 どうして…どうして…兄さん…
 兄さんがそんなことするはずない……
 わたしを置いていくなんて…そんなこと…
 兄さん…兄さんが…そんな…………

 
(241) 2024/12/15(Sun) 17:28:20

【人】 聖母 エリシア

 



そんな……理由で……死ぬなんて、ありえない!




 
(242) 2024/12/15(Sun) 17:28:22

【人】 聖母 エリシア

 

 だめよ、許せない、そんなの絶対に駄目、
 許せない、許せない、許せない、
 あああ…………!!!


 それじゃわたし…………
 どうして、なんで……

 あんまりだわ、
 こんなの、

 
ひどい  ――――…………
 
裏切りよ


 
(243) 2024/12/15(Sun) 17:28:25

【人】 聖母 エリシア

 
[その後しばらく寝込んでしまって。

やっとまともに話ができるようになった頃、
もし見舞いにでも来てくれたなら
「恥ずかしいところをお見せしました」と
謝罪の一つもしたのだけれど。

実のところ、自分が何を喚いていたのかも
やはり、覚えていないのだった。]
 
(244) 2024/12/15(Sun) 17:28:27

【人】 聖母 エリシア

 
[けれど、どうだろう。

結局、
わたしは居心地のいい家で
ふかふかのベッドに横たわって
ぐずぐず腐っていただけの、甘えた娘。

兄が整えてくれた宝石箱に包まれて。
そんなわたしは、彼の目にどう映ったことか。]
 
(245) 2024/12/15(Sun) 17:28:30

【人】 聖母 エリシア

 
[――ふと思い出す。
そういえば彼は、宝石商ではなかっただろうか?

財産とは何も、金銭ばかりではない。

母から受け継いだもの。
それに、兄から贈られたもの。
……手放すのは惜しいけれど、
どうせもう、身を飾るような機会もないのだから……
他に換えられるものがないのなら……、

………………]
 
(246) 2024/12/15(Sun) 17:28:33

【人】 聖母 エリシア

 
[しばらくして。
少々、生活に困ったある日のこと。]


 すみません。
 …少し、相談に乗っていただけませんか?


[わたしは彼の店の戸を叩いていた。]**
 
(247) 2024/12/15(Sun) 17:28:36
薬師 ヴィオラは、メモを貼った。
(a4) 2024/12/15(Sun) 17:41:22

聖母 エリシアは、メモを貼った。
(a5) 2024/12/15(Sun) 17:42:50

【人】 処刑人 ライナス

 
[ ───ぐるりと目が上天を向く。
  首が落ちるのはどのような苦痛だろうか。
  神経の痛み?恐怖?麻痺?……知らない。

  あの男だって例外ではなかった。
  悲哀か、未練か。
  私が慮ることでは無いと見ぬふりをした。
  それ以上に抱えたくなかった。

  今まで通り、ただの一人の罪人として。
  そうありたかった。  ]

 
(248) 2024/12/15(Sun) 18:00:12

【人】 処刑人 ライナス

 

   ……ふ、ふふっ、
ハハ



[ まるで人間じゃない。>>162
  冷徹な処刑人よりずっと化け物地味ているんじゃないか?


                 これが───か。
                 心底煩わしい。]

 
(249) 2024/12/15(Sun) 18:00:16

【人】 処刑人 ライナス

 

   貴方には芯がないのか、
   それとも目的に対しての誠実さが不十分なのか。

   望むのが真実だとしたら
   私の事を調べなかったのか?

   二度と私の前で友達などという
   不快な言葉は使わない事だ。

   少しでも話がしたいならな。


[ 上げていた両手を降ろし、一歩近づく。
  笑顔を破り捨て、不愉快そうに眉を顰めた。]

 
(250) 2024/12/15(Sun) 18:00:20

【人】 処刑人 ライナス

 

   シャルル・バロンの何が知りたい?

   最期の言葉か、信念か、
   それとも死の理由か?

   
それを聞いて貴方はどうする?

   
 
(251) 2024/12/15(Sun) 18:00:29

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 正義を執行する為の手はいつだって
  ボロボロに荒れ果てている。
  無様だ。
  酷く苦しんで死ねば、民衆は私を責める。

  死をもって救済とする
  死の苦しみは一定でなければならない
  自分が殺された時のことを誰しもが心に浮かべる。

  私は私のために罪人が最も苦しまずに
  死を迎えられるように努力している。
  それに気づいたのだってあの男だけだった。
  厭わしい。]


 
(252) 2024/12/15(Sun) 18:00:33

【人】 処刑人 ライナス

 

   あの男は死んだ。
   残された貴方に出来ることは生きることだけだ。

   命を持ってこの国の方向を正すか?
   シャルル・バロンの正しさを証明するか?

   ───たかだか一人で何が出来る。

   英雄殿。


   
(253) 2024/12/15(Sun) 18:00:40

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 私は、君程愚直には生きられない。
  私は、君程────こともできない。
  同じじゃない。

  私は、私は、私は──────

               君が嫌いだうらやましいよ、シャルル。]

 
(254) 2024/12/15(Sun) 18:00:44

【人】 処刑人 ライナス




   私は貴方に真実を教えたくない。
   ……全てをどうにか出来るほど私は万能じゃない



 
(255) 2024/12/15(Sun) 18:00:50

【人】 処刑人 ライナス

 
 

  
『オレの相棒のこと、よろしく頼むよ。ライナス。』



 
(256) 2024/12/15(Sun) 18:00:53

【人】 処刑人 ライナス

  

   シャルル・バロンは国に逆らって死んだ。
   それ以上を私に問うな。

   悲観するな、堕ちるな、
   真っ直ぐに前を向いていろ。
   
   頼むから、私に貴方を殺させてくれるな。
   ……一方的であれ約束を違えたくはない。
   私にもセントクリムに生きる男としての誇りがある。



 
(257) 2024/12/15(Sun) 18:00:57

【人】 処刑人 ライナス

 
[  ジークバルト。
  仮に目の前の男が裁かれようと、
  いつか死を与えることになろうと、
  どうだって良かったはずなのだ。


  私の前に真実を求めて現れるような
  命知らずでさえなければ。
  私は真実を伝えていたのだろうか。


  どこか悲しそうに目を伏せ、背を向けた。]**
 
(258) 2024/12/15(Sun) 18:01:03

【人】 親 グリンダ

 


 傷について尋ねられても>>198
 深追いしてこない限りは「ちょっと…」としか答えない。
 もしも鋭く真実にごく近い見解を告げられようと、
 私は否定も肯定もせずに俯いただろう。

 多めの薬>>201を貰うことは叶ったようで
 丸薬で大丈夫だ、と頷いた

 …そう、もしかしたら、
 自分より半分以下の体重の者に使う場合は、と。
 念のため聞く機会もあったかもしれない。
 
 連れてこないのか、なんて問われたら
 緩く首を横に振るだけだ

 
(259) 2024/12/15(Sun) 21:06:23

【人】 親 グリンダ

 


 …一緒にきたがらないだとか。
 …動けないほどけがをしているとか。
 …連れて行くなと言われているだとか。


   そんな理由じゃなかった。


     私が大切にしていたのは
     私が守り続けていたのは ──、


           
世間体。

           
ただ、それだけ。



 
(260) 2024/12/15(Sun) 21:06:56

【人】 親 グリンダ

 


 「 ありがとう。助かります。
   ヴィオラさんの薬は効くから…
   本当に町一番の薬師だわ。 」


 薬を受け取り、礼を言う。
 守っているのが世間体だったとしても
 述べた言葉は世辞などではない。
 
 何より、深く詮索をしてこないのが
 本当に心から救われていた。
 
 彼女に辿り着くまでは、
 …まあ、それなりに、色々と在ったから。


 
(261) 2024/12/15(Sun) 21:07:23

【人】 親 グリンダ

 


 その日、薬に添えられたのは、
 
の砂糖漬け。>>202

 同じような、紫色の花irisを愛していた。
 ── そんな時期も、あった。

  
  受け取りながら、確かに思い出していた
  だから、私はこんなことを語る。

 
(262) 2024/12/15(Sun) 21:07:54

【人】 親 グリンダ

 


 「 紫色って、安らぎを与える色、なんですって
   菫では、無かったのだけど
   私も昔、紫色の花が好きだったことがあったなって
   …そんなことを。思い出しました。 」


 それは今よりもずっとずっと昔
 まだ、私が不幸になるよりももっと前
 私にとって希望の花。

   
……まだ、我が家に悪魔≠ェ来るよりも、前。


 
(263) 2024/12/15(Sun) 21:08:25

【人】 親 グリンダ

 


 だけど、砂糖漬けを貰った顔は
 やはり決して嬉しそうな顔はしておらず、
 ほんの少し困った表情のまま、きっとその場を後にする *


 
(264) 2024/12/15(Sun) 21:08:53

【人】 親 グリンダ

 


   家は、静かだった。
  
   家の裏口を、三往復くらい。
   私は部屋に入るのを躊躇って、
   そのまま、裏口の脇に、瓶を置く。

   部屋に入れば気づかれぬよう
   戸棚の中に薬を隠し
   私は何食わぬ顔で日常≠ヨと戻る


 
(265) 2024/12/15(Sun) 21:09:12

【人】 親 グリンダ

 


   …大丈夫。

   砂糖漬けが渡るべき手の持ち主は
   きっと裏口から出る機会がすぐ訪れる
   寝息を立てる悪魔が夜に目を覚ませば
   そう、今度は私の番≠ネのだ

   
大人の時間に、子どもは居てはいけないから



 
(266) 2024/12/15(Sun) 21:09:41

【人】 親 グリンダ

 


      空になった瓶に、
      泥水と小銭が、溜まっていく **


 
(267) 2024/12/15(Sun) 21:10:02
親 グリンダは、メモを貼った。
(a6) 2024/12/15(Sun) 21:10:51

【人】 宝石商 アビス


 [ 日に日に傷を負う友の姿を前に
   どうかお救いください、神様、と。

   一度は見限った神に救いを求めるとは
   なんと滑稽なことだろう。

   だが彼は間違ってなどいなかったはずだ。
   神が正義の象徴だというのなら
   彼を悪意から救うことなんて造作もないはず。]

(268) 2024/12/15(Sun) 21:12:19

【人】 宝石商 アビス



 [ だが結果はどうだ。

        ジークバルトの勇気を前にしてもなお、
        誰一人として救いはしないではないか。]


(269) 2024/12/15(Sun) 21:13:10

【人】 宝石商 アビス



   ジーク、君はどうしてそこまで…


(270) 2024/12/15(Sun) 21:13:43

【人】 宝石商 アビス



  [ 人の想いを穿つ少年はもうそこにはおらず、
    友が傷つけば己の軟弱さに涙が止まらない。

    なぜ友はそこまで命をはる。
    行き過ぎた正義は人を滅ぼすと知りながら、何故。

    それがたとえ深淵に堕ちた強欲でも構わなかった。
    エゴイズムに膨れた腹でも構わなかった。

    独りではないと教えてくれた、それだけで、
    少年にはもう、何も要らない、と。]


(271) 2024/12/15(Sun) 21:14:25

【人】 宝石商 アビス



   その先が深淵の闇でも、光でも良かった。

   独りでないのだったら
   俺はどこに堕ちたって構わなかった。


(272) 2024/12/15(Sun) 21:16:18

【人】 宝石商 アビス



   僕は君を赦そう



          だが神は俺達を赦さないらしい。


(273) 2024/12/15(Sun) 21:17:16

【人】 宝石商 アビス



   神はきっと見透かしていたんだ。

         ジークの漆黒に塗れた優しさも
         俺の煮えくり返るこの劣等心も。


(274) 2024/12/15(Sun) 21:18:53

【人】 宝石商 アビス



 [ きっとこの先ジークバルトは
   少年にとってかけがえのない人となるだろう。
   それは正に、彼の思惑通りに。


   彼の前でなら、罪人の枷をつけずに済む。
   それだけで少年がどれだけ救われただろうか。

   だが光の裏には闇が潜むもの。
   ジークバルトの存在が大きくなればなるほど
   心の奥、深淵であざける悪魔が、顔を覗かせる。]


(275) 2024/12/15(Sun) 21:20:00

【人】 宝石商 アビス



   ジーク、君は凄いよ。

   僕に出来ないこと、
   僕が諦めてしまったことを
   全部やってのけるんだから。



         羨ましい。憧れちゃうよ。
         僕だって君みたいになりたい
         君と居たら、なれると信じていたんだ。



(276) 2024/12/15(Sun) 21:22:56

【人】 宝石商 アビス



   でも、ジーク、
   もしも、もしもだ。

         君と僕がもし反対の立場なら
         君は今もそんな顔をしていられたかい?

   
(277) 2024/12/15(Sun) 21:24:06

【人】 宝石商 アビス



  [ その答えを聞くことは

         未だに叶えられてはいない。]


(278) 2024/12/15(Sun) 21:24:49

【人】 宝石商 アビス



   本当に一度でも思わなかったのか?

   俺が罪人の子どもである限り
   お前がお前俺の光であればあるほど
   この手は取り合うことが出来ないって。

   
(279) 2024/12/15(Sun) 21:25:57

【人】 宝石商 アビス



  [ その答えを聞くことだけは

         未だに叶えたいと思えない。]



(280) 2024/12/15(Sun) 21:27:20

【人】 宝石商 アビス



   けど、それでいいんだ。

      お前の進む道に、俺は要らない。
      ひとつだけ願いが叶うというのなら
      せめてお前は罪を知らぬままでいてくれれば…


(281) 2024/12/15(Sun) 21:28:41

【人】 宝石商 アビス




 [ かくして、少年は静かに友の前から姿を消した。

   自らがこれ以上愚かな獣に成り下がる前に

   ただの友として、彼の記憶の中で死にたいと願って。]


(282) 2024/12/15(Sun) 21:30:16

【人】 宝石商 アビス



  [ 友が背負う覚悟と罪など知りもせず。]**


(283) 2024/12/15(Sun) 21:31:01

【人】 宝石商 アビス



  [ 教育というのもひとつの幸せなのだろう。
    学を持たない男は一度花を食した経験でしか
    物事を推し量る能力を持ち合わせておらず
    花は腹を壊すだけで食えるものだと思い込み

    その結果がこの惨めな姿だ。
    扉を開けたと同時に倒れた男の耳には
    微かにその声だけが、届いていた。]


(284) 2024/12/15(Sun) 23:19:33

【人】 宝石商 アビス



   人は食わなきゃ生きていけないんだ。

   泥を啜らず、花なんか食べず
   誇りに死ぬなんてそう出来るもんじゃない。

   
(285) 2024/12/15(Sun) 23:20:12

【人】 宝石商 アビス



   罰が当たったとでもいうのか、くだらねぇ

   クソッタレの花め。

            俺がこの程度で死んで……


(286) 2024/12/15(Sun) 23:20:56

【人】 宝石商 アビス



  [ 目を開けるとそこは部屋の中だった。

    確か気分が悪くなり、
    死にものぐるいで歩き回り
    命からがらたどり着いて後は

    そこで記憶は途切れている。

    生きているのは恐らく
    ここの店の人が助けてくれたということか。]


(287) 2024/12/15(Sun) 23:22:01

【人】 宝石商 アビス



    すまねぇ……


         助けてもらってなんだが、今は金が…


(288) 2024/12/15(Sun) 23:22:56

【人】 宝石商 アビス



  [ 意識を取り戻して初めに浮かんだのは
    とにもかくにも金、そう、金だ。

    施しにいつだって金がかかることと心得ていても
    その心得に準ずる貯えなどない立場でもあり、
    働いてでも返させてもらう覚悟であったが…

    それが必要ないことなのだと
    彼女の広い心が諭してくれると
    男は何も言えないまま、首を縦に振るしかなく。]


(289) 2024/12/15(Sun) 23:24:03

【人】 宝石商 アビス



    面倒をかけちまった。

           この恩はいつか必ず………


(290) 2024/12/15(Sun) 23:25:20

【人】 宝石商 アビス



  [ すっかり元気を取り戻した男は
    恩人である先生に深々と頭を下げる。

    こんな頭では足りないぐらいの大恩
    男は生涯忘れることは無いだろう。

    だがこれ以上ここに居てはいけない。
    かつて友の顔に傷をつけたように
    どんな飛び火が襲うか分からない以上、
    彼女らに迷惑などかけられない。


    男は立ち上がり、彼女達に背を向けると…]

    
(291) 2024/12/15(Sun) 23:26:29

【人】 宝石商 アビス



      [ 店を立ち去…
れなかった
。]


(292) 2024/12/15(Sun) 23:27:26

【人】 宝石商 アビス



  [ どんな思惑があったのか、純粋は善意か
    先生は積み上げた知を分けようという。

    思わぬ提案に流石に男は慌ててしまった。
    あまりにも恐れ多いことを
    彼らはどうして、しようと思えるのか。]


(293) 2024/12/15(Sun) 23:28:30

【人】 宝石商 アビス



    まてまて!
    知識ってのは安くないんだ!
    
          それが先生のものなら尚更だろ…!?


(294) 2024/12/15(Sun) 23:29:22

【人】 宝石商 アビス



  [ 男の主張はどのように届いただろうか。
    だがこの瞬間から男は彼女らに
    頭を上げることは出来ず、
    彼女らがそれを良しとするのなら
    断ることなど出来はしない。

    ましてそれが彼女の意思であれば
    男は渋々彼女の講習を受けることになっただろう。]


(295) 2024/12/15(Sun) 23:30:24

【人】 宝石商 アビス



  [ これほどの善意を仇では返せない。
    先生の知を分けられる間は
    自分でも驚く程に真剣に耳を傾け、
    頭の中に叩き込んだ。

    善性に背いていい事は無いし
    そしてなによりこの先生の前では
    実直でありたいなどと思い上がってしまう。]



(296) 2024/12/15(Sun) 23:31:08

【人】 宝石商 アビス


    素人が手を出していい花じゃないのはわかった。

    二度と食わねぇと約束するよ。
    教えてくれた先生が格好つかねぇもんな。

(297) 2024/12/15(Sun) 23:33:17

【人】 宝石商 アビス



  [ もっといい物が食べられればどれだけいいか。
    そう願ったことがないわけではない。

    だが、花は嫌いではなかった。
    男にとっては苦くも思い出深い物で、
    味わったことのなかった善意は
    食をより豊かに変えていく。

    薬草で小腹を満たすなんて
    先生でなければ出来ない芸当だろう
    先生は笑っていたが、
    男は自分の無謀さを痛感して耳を痛めるばかり。


    与えられた知も、食も、慈善も
    物足りないだなんて、思うはずもない。]



(298) 2024/12/15(Sun) 23:34:34

【人】 宝石商 アビス


しぬほど、うめぇよ。
(299) 2024/12/15(Sun) 23:38:18

【人】 宝石商 アビス


  [ 菫の砂糖漬けを食す男の目には

            一筋の雫が零れていた。]**


(300) 2024/12/15(Sun) 23:40:24

【人】 宝石商 アビス


  ***

  [ あの頃から懐はかなり暖まった。
    だがどれだけの歳月を越えようとも
    男にとっては金など生きる糧でしかなく
    それが変わることなどないだろう。

    だが知っている。
    何かをなし得ようと思った時、
    金だけでは何もできないが、
    金がなければ何も出来はしないのだ。

    なにか噂が立つのであれば
    先生に会わず金だけを置いていったっていい。
    先生が何かを成し得るために必要なものならば
    それを差し出すだけだって構わない。

    男は、それしか恩に報いる術を知らないのだから。


(301) 2024/12/16(Mon) 0:04:29

【人】 宝石商 アビス



    なぁ先生。俺ってさ。
    この国じゃ嫌われ者なんだ。

    そんなやつでも助けちまうんだから
    先生はすげぇ人なんだよ。



(302) 2024/12/16(Mon) 0:06:21

【人】 宝石商 アビス



  [ これまで幾度となく
    恩という名の金を押し付け、
    感謝を口にしながら。

    その度に男は先生に
    
の砂糖漬けを買わせてくれと頼んだ。

    あの日食べた菫の砂糖漬けを
    どれだけ魂が腐ろうとも忘れないように。

    男にとってヴィオラとは
    クソみたいな国に一輪だけ咲いた
    希望みたいなもの。

    結局それも全部勝手な押しつけだ。]



(303) 2024/12/16(Mon) 0:07:09

【人】 宝石商 アビス



    そんな先生には

            幸せでいて欲しいよな。

(304) 2024/12/16(Mon) 0:08:06

【人】 宝石商 アビス



  [ 訪れる度、男は先生の前で笑ってみせた。
    どれもこれも紛れもない本心なのだ。

    こんな世界でも
    捨てたものじゃないんだと
    そう思わせてくれた人の不幸など
    想像したくもない。

    罪に塗れ光のない魂を背負う男は
    光に巧妙に隠され魂の陰りには鈍感だ。


    それでも男は望んだ。
    自分を救ってくれた先生の幸福を
    こんな形だけの黒ずんだ方法でも。]


    
(305) 2024/12/16(Mon) 0:09:30

【人】 宝石商 アビス



    [ だが……。  ]


(306) 2024/12/16(Mon) 0:09:59

【人】 宝石商 アビス



        いま、なんて…


(307) 2024/12/16(Mon) 0:10:16

【人】 宝石商 アビス



  [ 聞き間違いではないはずだ。
    受け取れない、と、確かにそう言った。

    この金は宝石を売って手に入れた金だが
    蓋を開けたら悪人から体裁良くくすねたものだ。
    褒められたものじゃない。
    気づかれてしまった、のだろうか。


(308) 2024/12/16(Mon) 0:11:18

【人】 宝石商 アビス




      やっぱり、迷惑、だったか?


(309) 2024/12/16(Mon) 0:13:51

【人】 宝石商 アビス



  [ いつからだろう。
    これはただの恩ではなくなった。

    男にとっては自らが認めた相手が
    少しでも人生の足しになるのであればと
    言ってしまえばただのお布施だ。

    だが、男に告げるその目は
    あの日男を救い、知を分けるとした
    意志を込めたものと同じに見えた。
    ともなればこれ以上、食い下がることは出来ない。


    だが先生の意志を尊重する傍らで
    彼女の想像通りに、男は勘繰り、その真意を問う。
    それぐらいのことはどうか、許してほしい。]*



(310) 2024/12/16(Mon) 0:15:37
宝石商 アビスは、メモを貼った。
(a7) 2024/12/16(Mon) 0:22:06

宝石商 アビスは、メモを貼った。
(a8) 2024/12/16(Mon) 0:23:17

【人】 宝石商 アビス



 [ ロジャーは男にこう言った。
   一つ、特別な宝石を作って欲しい、と。

   奇妙な話だ。
   宝石なんて本来権威を示すための物。
   何を買おうが変わらないはず。

   それを庶民風情が手を出すからこそ
   高い勉強代を払う羽目になるだけで

   そこそこの家の人間ならば
   それなりの品は手に入れているはず。

   それを知らないロジャーではないはずだ。]
   

   
(311) 2024/12/16(Mon) 2:44:28

【人】 宝石商 アビス


   
   お前、また宝石こんな物なんて買ってどうするんだ?

   しかも作れって?
   宝石なんか何つけたっていいだろ。


(312) 2024/12/16(Mon) 2:46:20

【人】 宝石商 アビス



   …………は?贈り物?誰に。


         いや別に、お前の頼みならやるけどよ。
         

(313) 2024/12/16(Mon) 2:47:02

【人】 宝石商 アビス



 [ 男が聞いてもロジャーははぐらかすばかり。
   だがどうやら入り用なのは確かなようだ。

   と、これ以上の詮索は無用なようで。
   男は早速店にあった大きな石を持って
   ロジャーにだけこっそりと見せる。

   男が宝石を生み出せると
   今となっては知っている者の方が珍しい。]



(314) 2024/12/16(Mon) 2:49:16

【人】 宝石商 アビス



   この中に宝石が眠ってる。

      一週間だ。一週間後に、また来い。

(315) 2024/12/16(Mon) 2:49:50

【人】 宝石商 アビス



   その頃には

      お前が目を奪われるほどの
      最高の宝石を用意してやる。

(316) 2024/12/16(Mon) 2:50:22

【人】 宝石商 アビス



  [ それから男は一週間店を閉め
    ひたすらにその宝石を造り始めた。

    本物の鉱石から取れる宝石など
    その価値は文字通り桁が違う。
    庶民には決して手が出せない代物だ。

    久しく忘れていた感覚を思い出す。
    死んだ母がよく父親の真似だと言って
    石を叩いては綺麗な形に整えていた。

    幼い頃の、わずかばかりの記憶が蘇る。
    父親を知らない男であったが、
    血は争えないとでも言うべきか。
    宝石を造りだすその腕は確かなものだった。 




(317) 2024/12/16(Mon) 2:53:46

【人】 宝石商 アビス



  [ 一寸の狂いも許されない
    緊迫の刻を奏で、ついに完成させたのは
    ×××色の小さな宝石。

    この色はロジャーから頼まれた通りのもの。
    形は手を握れば隠せるほどに小さく
    しかし権威を示せるようなものじゃない。

    だがそれでいいのだとロジャーは言った。
    文字通り、男の魂を込めた一作。

    約束の日まではあと二日ある。
    後はロジャーが店に来るのを待つだけだ。]



(318) 2024/12/16(Mon) 2:55:03

【人】 宝石商 アビス



    [ そうだ。待つだけ、待つだけだ。]


(319) 2024/12/16(Mon) 2:56:09

【人】 宝石商 アビス



  [ だがいくら待てども

        ロジャーが店に現れることはなかった。]**


(320) 2024/12/16(Mon) 2:56:44

【人】 宝石商 アビス



    悪い夢でも見ているようだ。

    あれほどの男が罪を犯しただと?

    そんなわけがないと
    信じてやるべきだろう。

    だが俺にはそれが出来ない。
    俺は…罪がない側を、知らないからだ。



(321) 2024/12/16(Mon) 2:59:33

【人】 宝石商 アビス



  [ 家にたどり着くのはそう難しくはない。
    むしろ心配なのは忌み嫌われるということ。

    由緒ある家系であればあるほどに
    男を一同が毛嫌いしそうなものだが
    なんの気まぐれだろうか。

    物を投げつけられ、追い返される
    などということはなく。

    だがロジャーの妹、エリシアは
    とても話が出来るような状態でもないらしい。

    彼女の心の叫びが聞こえれば、
    思わず苦虫を噛み潰したような顔で
    男は淡々と、その目的を告げる。



(322) 2024/12/16(Mon) 3:01:43

【人】 宝石商 アビス



      俺はただ、
      頼まれていたものを
      ここに届けに来ただけだ。

      特注までしておきながら
      いつまでも受取に来ないんでな。



(323) 2024/12/16(Mon) 3:04:28

【人】 宝石商 アビス



   [ 男は出迎えた者にあの宝石を見せた。
     だが妹でなければ渡すことは出来ない。

     金としてではなく、誰かを飾る装飾として
     ロジャーが一言だけ口にした送る相手の名。

         ────────エリシア。


     それが彼の妹であることは
     男にもすぐに分かった。
     妹を溺愛する彼の姿は
     街でもまた、有名であったからだ。]


(324) 2024/12/16(Mon) 3:06:36

【人】 宝石商 アビス


  [ 宣言通り、後日、男は改めて
    エリシアの元に足を運ぶ。

    こんな国の汚点のような男を
    家に入れるとなれば中々危険だ。
    身内にあんな犯罪者が出たのだ。
    今更そうも言ってられないのだろうか?


    だがそんなことよりも。

    家族が罪に塗れ死んでいく。
    生まれながらに味わってもこれだ。
    生まれ、思い出を育んだ後に味わうなど
    その痛みは想像を絶するはず。


    それもいつかは時間と共に
    受け入れていくしかないものだろうか。

    エリシアは以前と比べると
    少しは落ち着きを取り戻しているようで。
    男はエリシアの部屋の扉をノックすると
    咳払いをしながら扉越しに声をかけた。]

(325) 2024/12/16(Mon) 3:10:37

【人】 宝石商 アビス



    あー…ごほん。

    すまない、エリシア
    アンタに届けものがあるんだ。

            その…ロジャーに頼まれて。


(326) 2024/12/16(Mon) 3:13:04

【人】 宝石商 アビス



  [ その時は、それっきりのつもりだった。
    見舞いと称して渡すべきものを渡して
    そこから先、男にはなんの義理もない。

    箱の中で守られてきた娘など
    国の地を這いずり回った男にとっては
    見ていて気分がいいものでもない。
    ロジャーに果たせなかった義理を果たせば
    エリシアとの縁も終わりだ。


    だがひとつだけはっきりしている。
    ロジャーのことで、エリシアに罪はない。

    例え腸が煮えくり返るような富を授かる
    箱入りの娘であろうとも
    同じ痛み、いやそれ以上の痛みを受けた者に
    わざわざ妬みはぶつけない。それだけのこと。]



(327) 2024/12/16(Mon) 3:15:12

【人】 宝石商 アビス



  [ だがなぜか、しばらくした後、
    エリシアは男の店を訪れた。

    それも宝石を欲しがるというよりも
    なにか困った様子で。

    一体なんだというのだろうか。]


(328) 2024/12/16(Mon) 3:16:59

【人】 宝石商 アビス



    こいつは…どういう風の吹き回しだよ。



(329) 2024/12/16(Mon) 3:17:48

【人】 宝石商 アビス



  [ 縁というのは、不思議なものだ。]*


(330) 2024/12/16(Mon) 3:18:05
宝石商 アビスは、メモを貼った。
(a9) 2024/12/16(Mon) 3:19:59

【人】 親 グリンダ

 


 ─── あの子iriselが、逃げた。


 
(331) 2024/12/16(Mon) 17:08:46

【人】 親 グリンダ

 


 言い訳なんてするつもりはなかった
 保身に塗れた私はそれ≠処分するのに精一杯で
 気づけば、家には私ひとりになっていた

 あの子が帰ってくることはない

 幸い私の罪が明るみになった形跡もなく
 おそらくこのまま事故≠ニして処理されるだろう

 私は、あの日から、ずっとひとりだ。

 
(332) 2024/12/16(Mon) 17:09:09

【人】 親 グリンダ

 


 もしも、どこかでとある子ども≠ェ
 家族のことを話すのならば
 父親なんて初めから居なかったなどと語るだろう

 …いや。もっと心を開くのならば、
 遠い遠い昔に悪魔≠フような男とは違う、
 父親生みの親という存在があったらしい、

 …という話をするかもしれないが。

 まだ私が、
を愛していた頃のこと。
 幼い日に無くなった亡き夫のことを、
 息子がどれほど覚えているのかはわからない。

 
(333) 2024/12/16(Mon) 17:10:33

【人】 親 グリンダ

 


 私にとって、大切だったのは
 子どもだったのだろうか、世間体だったのだろうか

 捜索願のようなものは出さなかった
 もともとこの家に子どもが居たことを知っているのは
 どれほどの数の人間だっただろうか

 隣近所に興味も示さないような
 スラムにも近い下級地域だ   
 正義の目はこんな路地裏までには届かない

 戸籍すら怪しい者の寄せ集めの場所には
 神の祈りすら、届かない

 
(334) 2024/12/16(Mon) 17:10:58

【人】 親 グリンダ

 


 ある日、町のどこかに
 身寄りのない子≠集めている者がいると
 そんな噂を聞くことがあった

 積極的に訪問しようなんて思わなかった。
 子どもに会ってどうしようというのか。


 それでも「さがさなきゃ」と>>78
 そう思う日だってあって、

 そういう日は、噂の場所をなんとなく通り掛かった。

 
(335) 2024/12/16(Mon) 17:11:24

【人】 親 グリンダ

 


 真偽のほどなんてわからない
 取り戻したいと思っているわけでもない 

 ここまで来ても、私が守りたいのは自分の身だ
 
 「 あの子が黙っていてくれているのか 」

 私は、そればかりを気にしていたように思う
 
あの子が話そうものなら ────── 。



       
そこに、すでに愛は無い。


 
(336) 2024/12/16(Mon) 17:12:03

【人】 親 グリンダ

 


 子どもに会えることは一度もなかっただろう。
 だけどその日、私の足はぴたりと止まった。

 目の前に見えるのは紫の花>>137
 それは確かに私がかつて愛し、
 あの子の名前にも冠した、
アイリスの花
だった **


 
(337) 2024/12/16(Mon) 17:12:37
親 グリンダは、メモを貼った。
(a10) 2024/12/16(Mon) 17:13:44

【人】 英雄 ジークバルト



  ああ、失礼
  ”友達”という言葉は嫌いだったか?

  友達、仲間、分かり合える人
  どれも素敵な言葉じゃないか


  きみは なにが 気に食わないのだろうね

 
(338) 2024/12/16(Mon) 20:57:41

【人】 英雄 ジークバルト



  君のことも知りたいと言っただろう?
  調べさせてもらったさ

  その上で私は口にしたんだ。
  ”友達”はいないのかい? とね。
  別にいなくてもいいじゃないか
  なにも恥ずべきことじゃない

  過剰に反応するというのは
  何か─────、君に思うところがあるのだろう?


[ 言葉遊びのようではあるが
  知りたいという願望は私の本心だ。
  反応一つでさえ、君の情報になる。

  ………そう簡単には教えてくれないだろうことは
  その頑なな態度からは見てとれる。
  それ故、少し揺さ振りをかけたくなったのだ。 ]

 
(339) 2024/12/16(Mon) 20:58:48

【人】 英雄 ジークバルト



  そうだ。
  私に芯があるとでも?

  英雄とは、なるものではい。
  人が英雄にしたのだ。


  …………君と、かわらない。

  それに、目的を果たすことに
  誠実である必要がどこにある。

  私はそれこそ手段を選ばない人間だ。

  お綺麗なだけの上っ面に君も騙されたか
  正義を重んじ、神に忠実で、国を支える
  ”英雄ジークバルト”を


[ ライナスが一歩近付けば>>250
  こちらも一歩進めよう。

  その不愉快そうな顔を見て
  にこりと笑顔で返そうじゃないか。英雄らしくな。 ]


 
(340) 2024/12/16(Mon) 20:59:35

【人】 英雄 ジークバルト



  …………まるでアイツのことを
  なんでも知っているような口振りだ

  アイツのことは私が全て知っていた
  知っているはずなんだ
  なのに何故
  何故わたしには最期の言葉がわからない
  何故死の理由すらも教えられないのだ


  この国は不都合があるとすぐ隠す
  きみは隠す側の人間か


  隠すなら求め続けるだけだ
  私にはもう欲しいものはない


 
(341) 2024/12/16(Mon) 21:00:17

【人】 英雄 ジークバルト



  ……………。


  …………ただ生きてどうなる。
  私がアイツの為に出来ることは
  思い続けてやることだけだ。


  この国を正すのは私の役目ではない。
  アイツが間違ったことをするのだとしたら
  理由があるはずだ。
  正しさを証明するのではなく
  その理由を私は知りたい。

  それが”真実”なのだろう。

  一人では無理だろうな。
  だから私は君にお願いしているのだが?


[ 
お願いしている態度ではないのは

  
百も承知だが。

  この明らかに何かを知っているであろう男の
  口を割らせるにはどうしたら良いか、
  お手上げ状態だ。
  こちらも両手を上げていいだろうか。 ]


 
(342) 2024/12/16(Mon) 21:01:48

【人】 英雄 ジークバルト



  …………君こそ全部を背負いすぎではないか?
  全てを一人でやろうとするからだろ

  私に真実を伝えることが
  君とどんな関係があるのだろうな


  …………聞いてばかりでは怒られてしまうな
  少しは自分で考えてみるとするさ

 
(343) 2024/12/16(Mon) 21:02:13

【人】 英雄 ジークバルト



  おや、君がそんなアドバイスをくれるとはね
  生憎だが
  悲観もしてるし
  元より堕ちている
  ああ、真っ直ぐ前は向けてはいるようだが


  ……アイツが国に逆らうほどまでの理由を
  私が知らないままでいられると思うのなら

  君こそ私を知らないのだな。


 
(344) 2024/12/16(Mon) 21:02:24

【人】 英雄 ジークバルト



[ 目を伏せたその隙に>>258
  その耳に優しく囁いてみせようか。 ]

  

  私も殺されたくはない。
  望むのは救済だ。

  私は待っている。
  君が救いに来てくれるのを。ずっと。

 
(345) 2024/12/16(Mon) 21:03:08

【人】 英雄 ジークバルト



  君が私の望みを叶えてくれるのなら
  私も君の望みを叶えよう。

  その時まで、考えると良い。


 
(346) 2024/12/16(Mon) 21:03:22

【人】 英雄 ジークバルト




      [ 救いを待っている。

       この国で生きることに救いはないのだから。 ]**
(347) 2024/12/16(Mon) 21:03:50

【人】 処刑人 ライナス



   ───……まるで獣だな
   躾もされていない野獣だ



[ 伏せていた目を水平に上げ、
  耳元の囁きを振り払うと
  意地悪く眉を顰め笑ってみせる。 ]

 
(348) 2024/12/16(Mon) 22:08:50

【人】 処刑人 ライナス


   

   私の救済は貴方には似つかわしくない。
   
   国のための正義は一人に加担しないし、
   正義に真実は必要ない。
   最後に口を開いたものが真実になるのだから。
   私は私が死ぬまで変わらずに過ごせればいい。


   冷徹無比の処刑人の口癖だ。
   きちんと調べたのなら耳触りがあるだろう?

   

   
(349) 2024/12/16(Mon) 22:08:52

【人】 処刑人 ライナス


[ 無知ゆえの幸福。
  悲しみの底に居ると思っている人間は、
  更に深い底があることなど知らない。

  水槽の外から見ている者にとっては憐れなものだ。
  沈んでしまえば生きられないと分かっていて、
  何故人は真実を求めるのだろう。


  不可解だ。───…本当は。 ]

   
(350) 2024/12/16(Mon) 22:08:55

【人】 処刑人 ライナス



[ 貼られたレッテル以上に落ちぶれた人間にはならない。
  それは私が処刑人として生きる最中で
  一度たりとも曲げなかった事。

  いたぶって殺しはしない。
  速やかに、冷徹に、無感情に、
  ただ罪人とされた者に死を齎す。


  ライナス・カディアの生の象徴であり、
  死の理由にすらなりえる事柄。]

 
(351) 2024/12/16(Mon) 22:09:00

【人】 処刑人 ライナス

 

   そうだね、考えてみたらいい。
   それでもシャルルが国に逆らった理由が
   分からないのなら

   私から吐かせることも出来なければ

   
"君"
は君の言葉すら満足にこなせない

   
それまでの人間ということだ。



 
(352) 2024/12/16(Mon) 22:09:03

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 私は救済を望まない。
  私の望みはただ平穏無事に、人生を終えること。


                     あの男の置き土産を、約束を
                     破り捨てずにいること。 ]

  
(353) 2024/12/16(Mon) 22:09:06

【人】 処刑人 ライナス




   考えて貴方なりの答えを持ってくるといい。
   それが
"真実"
かを偽りなく伝えることは約束する。

   ……チャンスは一度だ。
   自分に自信を持ちたまえよ、
"団長"
殿。
   
   それだけの態度が取れるなら、
   私の口を割ってみせろ。


   
(354) 2024/12/16(Mon) 22:09:09

【人】 処刑人 ライナス






                   [ 真実は砂糖のように甘くなく
                     ただ味わいもない苦しみだ
                     求めるのなら、いずれ名乗り出よう
                     駒鳥を殺した雀として。 ]**
(355) 2024/12/16(Mon) 22:09:17

【人】 薬師 ヴィオラ


[見た感じ、彼女は私と同じ年ごろぐらいだろうか。
 私は未婚であるから、もちろん子供もいない。
 故に親になったものの気持ちは真にわからないし、
 子育てがどれほど大変なものか身をもって体験して
 いないから、共感さえも薄っぺらいものになる。
 もし見当違いなアドバイスでもしようものなら
 "あなたに何がわかるの"と、反感を買うだけだ。]


  ……そう ですか。
  化膿でもしてたら大変なので、
  その時は言ってくださいね。


[だから、いないもう一人の怪我の具合が診たくて
 連れてこれないか尋ねた時も、>>259
 緩く首を振る彼女にそれ以上何も言えなかった。

 あまり彼女は自分の事を語りたがらない。
 私の想像が正解であるかも自信がない。
 連れてこれない事情があるのだろう。

 そんな理由しか、思い浮かばない。]
 
(356) 2024/12/17(Tue) 0:01:36

【人】 薬師 ヴィオラ


 
  ありがとうございます。
  効いているようなら何よりです。
  どうぞ、お大事になさってください。


[それでも。簡素な一言で済ます人も多い中で、
 彼女がお礼を述べてくれた時>>261
 嬉しくなったものだ。
 少しくらいは、気を許してくれただろうかと。

 ―――あぁ、でも。
 まだ私は、彼女の事を理解は出来ていないみたいだ。]

 
(357) 2024/12/17(Tue) 0:03:20

【人】 薬師 ヴィオラ


[そう思い知らされたのは、あの日。>>262>>263
 突き返されでもしたら引っ込めようと
 思っていた瓶は彼女の手に無事に収まって。
 珍しく語ってくれた言葉……
 思い出の片鱗に耳を傾けていた。]


  そうなんですね。
  もう、その花は嫌いになってしまったのですか?  


[どの花だろうといくつか思い浮かべながら
 改めて見た彼女は。
 変わらず穏やかとは程遠い、困ったような顔。

 何故そんな顔を浮かべるのか。
 私が親だったなら、理解することが出来ただろうか。]

 
(358) 2024/12/17(Tue) 0:08:07

【人】 薬師 ヴィオラ



  店を閉めたら静まり返る家。

  かつて両親が使っていた部屋は、
  たまの掃除をする時以外開くことはない。

 
 入れば辛くなってしまうから。


  優しく穏やかだった母。
  母が亡くなった後も不自由なく、
  私と弟を育ててくれた父。

  恵まれた家庭だった。
  間違いなく、幸せだった。


 
(359) 2024/12/17(Tue) 0:09:25

【人】 薬師 ヴィオラ



  かつては夢見たこともあったけれど。
  同じような幸せを望むなど、
  神は許してはくれないだろう。

  私が語らなければ、誰にもわからない

  裁かれない
はそのうち、天が
を下す。

  だからこの先も、
  私があなたを真に理解する時は きっと来ない。**


 
(360) 2024/12/17(Tue) 0:10:20
薬師 ヴィオラは、メモを貼った。
(a11) 2024/12/17(Tue) 0:13:02

【人】 聖母 エリシア

 
[幼い頃に両親を亡くしたから。
兄は、わたしにとって唯一の家族だった。

わたしは兄ほどの人格者ではないけれど、
それでもその背を見て育ってきたから。
彼の価値観や考え方を、多少なりとも
受け継いでいるのではないかと思う。
あるいは、守られていたゆえの無知か。


だからわたしが寝込んでいる間に、
兄の知己が訪ねて来たことを聞けば。
ましてや、兄が注文した品を届けに来たのだと知れば、
拒む理由なんてどこにもなかった。]
 
(361) 2024/12/17(Tue) 2:51:42

【人】 聖母 エリシア

 

 どうぞ、お入りください。


[ノックされた扉の向こうに声をかけて。
どうしてそんなに遠慮がちなのだろうか?>>326
と首を傾げたけれど、
先日の取り乱した様子を知られているなら
躊躇されても仕方がないか、と勝手に解釈し。
気恥ずかしい思いをしながら
あらためて謝罪の言葉を述べる。

まだ顔色は冴えなかったけれど、
今日はきちんとした身なりで出迎えて。

家の者には、次にいらしたらお通ししてと
言ってあったので、彼が中に入れるのは当然だった。
使用人の内心まではわからないけれど、少なくとも
わたしの前で嫌な顔をして見せるような者はいない。
それもまた兄の影響なのかもしれなかった。]
 
(362) 2024/12/17(Tue) 2:51:44

【人】 聖母 エリシア

 
[笑顔までは上手く浮かべられなかったが、
礼を失することはなかったはずだ。

彼のことは兄の知人、というよりお友達、
それに近い存在ではないかと認識している。

博愛主義の兄には数えきれないほど友人がいただろうし
わたしも全員知っているわけではないけれど。
たまに我儘を言って、兄にくっついて街に出る時
兄が親し気に声をかけている所を見たことがあり、
その姿が印象に残っていたのだった。

わたしの方は当時人見知りをしていて、
兄が誰かと話す間、少し離れて見ていたので
向こうの印象には残らなかったかもしれないが。


とにかく、彼がどう思っていたかはともかくとして
わたしは、彼を兄の友人と思って遇していた。]
 
(363) 2024/12/17(Tue) 2:51:47

【人】 聖母 エリシア

 
[それでお品物の方は…とあらためて宝石を受け取って。
わたしはそれを手に取り、じっと見つめた。]


 兄さんが、これをわたしに……?
 …………そうですか。


[どんなつもりでこれを注文したのか。受け取る時に、
兄さんがいないのでは意味がないではないか。
そんな思いが浮かんで素直に喜べず、
つい悲しい顔をしてしまったけれど。

それでも見入ってしまうほど、
宝石の出来は素晴らしかった。
目利きができるわけではないから、
それがどれだけ特別かまではわからなかったけれど。
きっと、丹精込めて生み出された一品なのだろうに。

わたしだって、喜んで受け取りたかった。
そうできたらどれだけよかったか。]

 
(364) 2024/12/17(Tue) 2:51:49

【人】 聖母 エリシア

 
[しかし、良い仕事には然るべき報酬があるべきだ。
兄だってそう言うに違いない。

まさか商人と職人が同一人物だとは思わなかったが、
彼が手配してくれたのは間違いないのだから。
わたしはどうにか感謝を伝えねばと
顔を上げて、微笑んでみせた。]


 きれい、ですね。とても。

 お届けいただき感謝します。
 代金は……


[支払いがまだならすぐに用意するつもりだったが、
兄が先に払ってくれていただろうか。

そういったことに考えが及ぶ程度には
頭の冷えた自分がいることに、なんだか腹が立った。]

 
(365) 2024/12/17(Tue) 2:51:51

【人】 聖母 エリシア

 
[だって思ってしまうのだ。
兄の友人だったなら、と。

いいや、思っていたのだ。
みんな止めてくれる。わたし以外にも。
あんなに慕われていたのだから。
間違いだって、兄はそんなことしないって、
そんな声があちこちで上がって、
なのに、なのに、…………

実際上がっていたのかもしれないし。
彼が、そうしなかったとしても
責められる筋合いなんてない。

わかっている。これはよくない考えだ。でも。]
 
(366) 2024/12/17(Tue) 2:51:53

【人】 聖母 エリシア

 
[……宝石を届けるだけなら
もっと適当に済ませてもよかったはずだ。

あんなことがあった後で。
わざわざわたしの顔を見に来た。
兄の頼みで。遠慮がちな声で。

その意味をきちんと考えてしまうくらい、
やはりわたしは冷静で。]


 ……ありがとうございました


[深く頭を下げて彼を見送った。
妹として、そうすべきだと思ったから。]
 
(367) 2024/12/17(Tue) 2:51:55

【人】 聖母 エリシア

 
[……というわけで、
最低限兄の顔は立てられたはずだ…
とわたしは思っているので。
時を経て、今こうして顔を合わせても
わたしの方は、そこまで気まずいということもない。]


 ……? 風の吹き回しも何も……
 ああいえ、実は先日の嵐で
 家に穴が開いてしまって……


[快く迎えられるとまでは思っていなかったけれど。
兄が顧客だったなら、わたしが来たって別に
おかしくはないではないか。

そんな言葉をかけられるとは予想外で>>329
我ながら頓珍漢な答えを返してしまった。

が、なんとそれが冗談でもなかった。]
 
(368) 2024/12/17(Tue) 2:51:58

【人】 聖母 エリシア

 
[森の中で暮らしていると、風の強い日に
折れた木が直撃することもあるのだなと。
とうとう思い知る日が来てしまったのだ。
幸い、子ども達に怪我はなかったからまだいいが。

いざという時のために、多少は余分なお金も
持つようにしていたけれど…今回はちょっと苦しくて。
追加のお金も、要求しにくい状況で……]


 修理はしたのですが、
 その……おかげで少し、手元不如意で。

 あの、こちらで……
 買取をしていただくわけにはいきませんか?


[よく考えると、そこまで正直に
全部話す必要があっただろうか?
今更恥ずかしくなって、わたしは縮こまった。]
 
(369) 2024/12/17(Tue) 2:52:00

【人】 聖母 エリシア

 
[そもそも、買取をしているかどうかも
知らずに来てしまったので。
断られる前に「まずは見るだけでも」と続けながら、
小ぶりな宝石のついた装飾品をいくつか取り出した。

母のもので、あまり使った形跡のない品々。
おそらく当時の流行物だろう。台座などを外せば、
宝石には今も変わらない価値があると思うのだが……]


 どれがいいのかわからなくて、
 いくつか持って来たのですが。

 ……あ。あの、もちろん、
 あの時の宝石は売ったりしていませんよ。
 ……大切に、持っていますから。


[やはり今更だが、きまりが悪くなって
聞かれる前に弁明もしてしまった。]
 
(370) 2024/12/17(Tue) 2:52:03

【人】 聖母 エリシア

 
[一つだけでも買い取ってもらえれば助かるけれど、
引き取れないと言われれば大人しく諦めただろう。

いずれにせよ、残った宝石は再びしまって。
……席を立つ前に、ふと、
わたしは聞くつもりもなかったはずの
言葉を口にしていた。]


 ……あの、宝石は。
 どんな意味があったんでしょう。

 兄は何か……言っていましたか……?


[あの時は心に余裕がなかっただけで。
本当はずっと、聞きたかったのかもしれなかった。]**

 
(371) 2024/12/17(Tue) 2:52:09

【人】 英雄 ジークバルト



[ あの頃の俺は……
  ただ、自分に正直にさえ生きれば
  正しい行いを続けていれば

  報われると思っていた。 ]


[ 痛みに耐えれば、
  理不尽な暴力に耐えれば、

  悪は滅びると。

  なんてことはない
  誰かにとっての”悪”は
  他の誰かの”正義”になる。


  ならば何を以て、悪を悪と見做すのか。
  それは神に背いた者すべてだ。 ]


 
(372) 2024/12/17(Tue) 2:55:53

【人】 英雄 ジークバルト



  俺の傷は見えるから痛いだけだ。
  アビス、君の傷は見えない場所に負った。

  見えない分、
  俺にはどれだけの傷かはわからない。
  だからこれ以上傷を深くしたくはなかったんだ。

 
(373) 2024/12/17(Tue) 2:56:03

【人】 英雄 ジークバルト



  俺は凄くはないよ
  大丈夫、俺がいるから
  アビスは悪くない、
  俺の傷の心配もしてくれる優しさもある。

  怖くないよ、俺がいるから
  君は心配しなくていい。



           [ 羨ましい、憧れる、
            俺みたいになりたい>>276


            そうだ、それでいいんだ。
            俺といれば良い。
            俺の側は安心出来るだろう? ]



           [ 俺に溺れさせ、沈めていく。

            息ができるのは
            この場所だけだというように。 ]


 
(374) 2024/12/17(Tue) 2:57:11

【人】 英雄 ジークバルト



[ 赦されないことをしている自覚はあった。
  時折、君を俺から逃さなければと
  強く思う時がある。

  
だが止められない。

  一度歯車が回れば自分では止まらない。 ]


(375) 2024/12/17(Tue) 2:57:23

【人】 英雄 ジークバルト



[ 神は見抜いていたのだろう。

          俺の黒く汚れた傲慢な心を。
          アビスの心の内に育ったものを。 ]



(376) 2024/12/17(Tue) 2:57:31

【人】 英雄 ジークバルト



[ >>277
  でも? もしも?


  なにを いって いる? ]


       どうして、そんなことを聞くんだ?
       どうして、どうして…………



(377) 2024/12/17(Tue) 2:57:37

【人】 英雄 ジークバルト



[ 君はーーでいないければいけない。
  君はーーーでいなければ
  君はーーーていなければ


  アビスジークになる必要はない。 ]



(378) 2024/12/17(Tue) 2:57:55

【人】 英雄 ジークバルト



[ ああ、でも
  あの時の俺ならこの答えになるだろう。
  俺がアビスの立場なら

  


   
それでも俺は立ち向かうよ

   
俺の中のこの世界を壊すよ



  そう、変わらぬ顔で告げただろうな。
  …………今とは違う歪みのない答えだろう? ]


 
(379) 2024/12/17(Tue) 2:58:19

【人】 英雄 ジークバルト



[ 今、出す答えとしては

      君に聞かれた時に、答えることにしよう。
             ありのままを、素直に。 ]


 
(380) 2024/12/17(Tue) 2:58:25

【人】 英雄 ジークバルト



  考えたことはある……が
  さして問題のないことだった。

  君が君である限り
  君が私の側にいる限り

  私は手を離すつもりはなかったのだから


 
(381) 2024/12/17(Tue) 2:58:31

【人】 英雄 ジークバルト




[ 言葉にしたことは なかったが。 ]



 
(382) 2024/12/17(Tue) 2:58:34

【人】 英雄 ジークバルト



[ 君はいなくなってしまった。
  居れなくなっとは考えたくはなかった。

  私がそんなことを思わせないようにした
  つもりだった。
  
  君は去り、
  俺ではない寄り処を見つけた。
  美味しい花の食べ方を知ってしまった。

  
俺ではなくても良くなった。



          進む道も分かれてしまった。 ]


 
(383) 2024/12/17(Tue) 2:58:55

【人】 英雄 ジークバルト



  それでよかったのか。

        俺の進む道に、確かに君は必要だった。

                必要だったんだ………。


 
(384) 2024/12/17(Tue) 2:59:10
聖母 エリシアは、メモを貼った。
(a12) 2024/12/17(Tue) 2:59:22

【人】 英雄 ジークバルト



[ 友の辿った道を本当の意味で理解できない俺が
  君を責めることができるだろうか。 ]




            [ 歯車は一度、止まった。 ]**
(385) 2024/12/17(Tue) 2:59:29

【人】 薬師 ヴィオラ




幸せとは 何なのだろうか


 
(386) 2024/12/17(Tue) 4:16:00

【人】 薬師 ヴィオラ



 着る服があること
 食べるものに困らないこと
 住む家があること

 優しい家族がいること
 周りに恵まれていること
 しっかりとした教育が受けられること
 やりがいのある仕事に就いていること
 自由な時間があること
 のめり込めるものがあること
 好きなものを食べれること
 生命を脅かすものが何もないこと

            誰かを救えること
            誰かを笑顔に出来ること
            誰かのありがとうが聴けること


 
(387) 2024/12/17(Tue) 4:17:34

【人】 薬師 ヴィオラ



 幸せの形は人それぞれではあるけれど
 あげていけばキリがない。

 それでもこれだけ揃っている私は、
 十分に幸せで、恵まれている。

 これ以上望めば、強欲というもの。


 
(388) 2024/12/17(Tue) 4:20:47

【人】 薬師 ヴィオラ



  そうなんですか?

  ………では、
  私があなたも知らない罪を犯していたとしたら。
  もし私が今あなたの目の前で倒れても。
  あなたしか助けられないとしても。
  アビスさんは助けてはくれないんですか?

 
(389) 2024/12/17(Tue) 4:22:32

【人】 薬師 ヴィオラ


の砂糖漬けを包みながらそんな質問を返す。>>302
 助けてくれるのなら
 「ならばあなたも凄い人になりますね」と笑んで。
 助けてくれないのなら
 「そうですか」と少し悲しそうな顔をして。
 そっと差し出しただろう。

 私の秘密のおやつだった砂糖漬け。
 購入したいと言われた時は驚いたものの、
 あの日を思い出せば彼も思うところがあるのだろうと。
 少量ならと了承し、分けるようになった。>>303

 以来彼が来る頃に切らさないよう、作るようになった。
 さすがに時期ではない時は我慢してもらったけれど。]

 
(390) 2024/12/17(Tue) 4:26:42

【人】 薬師 ヴィオラ


[あの日。
 
の砂糖漬けを口にしたあなたが零した涙。
 今までのあなたの人生が、
 そこに詰まっている気がしたのだ。>>299>>300


  ……頑張ってきたんですね


[そんな言葉しかかけられなかったけど、
 助けられて良かった。
 そう思うには十分だった。]

 
(391) 2024/12/17(Tue) 4:29:37

【人】 薬師 ヴィオラ



[あなたがどんなに国に嫌われていようとも。
 開口一番お金の心配をし。
 無理矢理開いた講習をも真剣に聞き。
 恩を忘れず律義に返し、私の幸せまで願ってくれる。

 そんなあなたを嫌いになんてなれるはずもない。
 
 あなたの幸せがどんな形かはわからないけれど。
 幸せでいて欲しいと思うのは、私も同じ。]


 
(392) 2024/12/17(Tue) 4:31:32

【人】 薬師 ヴィオラ



  迷惑だなんて。
  むしろ、凄く助かっていました。
  父が亡くなった時は仕事もあまり手につかなくて、
  信用を落としてしまった時期もありましたし。
  お金が払えない人を助けることも、
  慈善で孤児院に行くこともありますから。
  薬の研究や改良にもお金がかかりますし……。

  でも最近出した化粧水やクリームが評判になって
  売れ行きが良いんです。
  それから………治療のお礼にと、
  沢山いただいてしまうことも、あって。

  これ以上甘えてはいけないなと思ったんです。

  もちろんお薬が必要な時や砂糖漬けは、
  今まで通り買いに来ていただいて構いませんので。


[……あぁ、今初めて。
 上手く笑えないことを不自由に思ったかもしれない。]
 
(393) 2024/12/17(Tue) 4:33:38

【人】 薬師 ヴィオラ



[彼の詳しい事情は知らない。
 手に染めたという悪事が
 あなたにとっては
正義
なのかもしれない。
 あなたにとっては
必要悪
なのかもしれない。
 もちろんもっと他に理由があるかもしれないけれど。


 だから止めてほしい、なんて口が裂けても言えない。
 私だって同じ穴の狢でしかないのだから。

 でも、私の元にまで噂が届くのだ。
 いつか、咎められる時がこようものならば。
 今度はあなたを助けることは出来ないだろう。

         それだけが気がかりでならない。]**

 
(394) 2024/12/17(Tue) 4:38:13
薬師 ヴィオラは、メモを貼った。
(a13) 2024/12/17(Tue) 4:40:00

【人】 聖母 エリシア

 
[逃げるように家を出たのはわたしも同じ。
でも閉じ籠る場所のあったわたしが
あの子と出会えた幸運は、
偶然よりも神のお導きと言いたくなるような――

そう、わたしがまだ一片の希望を持っていられるのは
彼の、イリゼルとの出会いがあったから。]
 
(395) 2024/12/17(Tue) 4:47:12

【人】 聖母 エリシア

 
[どうしたの? と尋ねても、
あの子は首を振るばかり。

ほんの少しだけ話してくれた内容から、
身内がいないわけではないと――
つまり生きてはいるのだろうと、
そう受け取ったけれど。

そんな状態の子どもを放っておくわけにも、
無理やり家に帰すわけにもいかなくて。

……森の家でひとり寂しく暮らしていたわたしは。
気がつけば、少年の手を引いて家に連れ帰っていた。

それが始まりだった。]
 
(396) 2024/12/17(Tue) 4:47:18

【人】 聖母 エリシア

 
[そうだ。癒されているのはわたしの方なのだ。

傷ついたり、何かが欠けてしまったり、
そんな人間が手を取り合って暮らしている。

だからこれは慈善活動なんかじゃなくて。
わたし達は愛し合い、支え合う家族。

傷の舐め合いなのかもしれない。
おままごとのように見えるかもしれない。

でもそれが間違いだと、誰に言えるだろう?]
 
(397) 2024/12/17(Tue) 4:47:20

【人】 聖母 エリシア

 
[以来、あの子は事情を語りたがらない。
わたしもそれ以上無理に聞こうとはしなかったし、
家族の様子を見に行こうとすすめたこともない。

だから、生みの親のことは知らないけれど。>>333
イリゼルと同じ、金髪碧眼の人を見ると
つい目で追いかけてしまう。

わかっている。ありふれた色だもの。
そこから探そうだとか、
そんなことを考えたりはしない。
でもつい、気にしてしまうのだ。

もしも見つかったらどうしよう?と。]
 
(398) 2024/12/17(Tue) 4:47:23

【人】 聖母 エリシア

 
[喧騒から離れて静かな土地で暮らしたかった。
誰もわたしを知らない場所に行きたかった。
物騒な事件の話も聞きたくなかった。

そんなわたしの辿り着いた、穏やかな町の外れ。
スラムのような場所とは違う。
この辺りの子を、連れ帰ったこともない。
だから。]
 
(399) 2024/12/17(Tue) 4:47:25

【人】 聖母 エリシア

 
[同じ色を見つけても、
同じ
を見ていても、>>337
わたしはそう≠セとは思わなかった。

あまつさえ、話しかけもした。]


 あなたも、このお花がお好きなんですか?

 綺麗なだけじゃなくて。
 花言葉も、素敵なお花ですよね。


[ほころぶような笑顔を向けて、そんな話を。]**
 
(400) 2024/12/17(Tue) 4:47:27
聖母 エリシアは、メモを貼った。
(a14) 2024/12/17(Tue) 4:53:30

英雄 ジークバルトは、メモを貼った。
(a15) 2024/12/17(Tue) 7:19:31

【人】 親 グリンダ

 


 私が語らなければ、誰にもわからない

 裁かれない
はそのうち、天が
を下す。>>360

    抱えてるものは違おうと
    幸せを望めないのは、お互い様だったというのに
    私の目には、それでもあなたが、幸せに映る。


 
(401) 2024/12/17(Tue) 7:35:46

【人】 親 グリンダ

 


 花が嫌いになったのかと問われたら>>358
 曖昧な表情で首を傾げた


 「 嫌いになったというよりも
   好きな気持ちを、忘れてしまった…
   そっちに近いかもしれませんね 」


 続いて「余裕がないので」と
 蛇足のように小さく零したそれは
 相手に聞こえたかどうかはわからない

 
(402) 2024/12/17(Tue) 7:36:01

【人】 親 グリンダ

 


 きっともし、昔の私であるならば
 花の話であなたと心を交わせたのだろう

 きっともし、今の私でないならば
 砂糖漬けの作り方を聞いたり、
 おすすめの茶葉を尋ねたりして、
 善きお茶の時間を楽しめていたのだろう


    悪魔に出会い、危険に晒され
    善の心を棄てて、罪を犯し
    今もなお、罰に怯えている私は


    ‥‥もう。変わってしまったのだ。

 
(403) 2024/12/17(Tue) 7:36:27

【人】 親 グリンダ

 


 菫の砂糖漬けは、とても甘くて、
 幸せの味に、…映る。


    あなたの隠した
は、
    私の目には、映らないまま。 *


 
(404) 2024/12/17(Tue) 7:36:56

【人】 親 グリンダ

 


 神が本当に存在するのならば
 聖母が本当に存在するのならば

 彼女のような表情を浮かべるのだろう>>400
 私は、紫の花を前にして、そう思った。


 
(405) 2024/12/17(Tue) 7:49:12

【人】 親 グリンダ

 


  『 アイリスは希望の花。
   子どもが生まれたら、名前は、
   女の子なら、アイリスにしよう
   男の子なら ───、 』

 
 『 どうか、誰かに救いを与えるような
   そんな優しい子に、育ってほしい。 』


    『 神の言葉で、
      エゼル[ezer]って
      助ける、っていう意味があるんだって 』



   ── そんな会話は、もう遠い記憶の彼方

 
(406) 2024/12/17(Tue) 7:51:47

【人】 親 グリンダ

 


 「 そう、ですね 」


 綺麗だし花言葉が素敵なのだ、と
 そんな聖母みたいな人が言うから。
 思わず言葉に詰まりながら返事を返す

 好きなのかと問われたら、
 いつか薬師に答えたように>>402歯切れの悪い言い回しで


 「 昔は好きだったんですけどね
   今は花を愛でる余裕もなくて 」


 そんなふうに答えただろうか。

 
(407) 2024/12/17(Tue) 7:52:01

【人】 親 グリンダ

 


 その人は花を買おうとしていただろうか
 それとも、買ったあとに出会っただろうか

 何にせよ、買いたい意思がそこに見られれば。
 何にせよ、美しい花束として手に持っていたならば。


 「 ……誰かへの、贈り物ですか 」


 そんな言い方で尋ねることもあったかもしれないが
 決して詮索しよう、なんて思っていたわけでは無かった。

 聖母のようなその人が、
 まさかそう≠ナあるとは思わなかったから。**

 
(408) 2024/12/17(Tue) 7:52:16
親 グリンダは、メモを貼った。
(a16) 2024/12/17(Tue) 7:53:38

村の設定が変更されました。

村の設定が変更されました。

【人】 英雄 ジークバルト



  なんだ、笑えるじゃないか
  …………
15
点といったところか


[ 眉を顰めた笑みに返すように>>348
  言葉と共に少し笑う。 ]



  君は、とても人間らしいな
  言葉で解決しようとしている。

  それに、葛藤をしている。だろう?

  悩み、考え、他者を思い、
  言葉を選んでいる。

 
(409) 2024/12/17(Tue) 22:03:05

【人】 英雄 ジークバルト



  君の考えの通り
  私は獣だ。
  国という首輪を引き千切ろうとしている。

  君にだって噛み付くつもりだったさ。
  私には君も、獣に思えたからな。

  でも違った。君は理性的だ。

  笑顔はまだまだ努力が必要みたいだが


 
(410) 2024/12/17(Tue) 22:03:21

【人】 英雄 ジークバルト



  私に救済は似合わない、と
  存外その時は近いのかもしれないが………

  君の救済が得られないのは寂しいものだ


 
(411) 2024/12/17(Tue) 22:03:35

【人】 英雄 ジークバルト



  君の望みは死ぬまで変わらず過ごすことか?
  
それは無理だろう


  生きている以上、不変とは真逆にいる。

  …………だが私も同じなのだろうな。

  脅かされない、朝を静かに迎えられる
  明日の心配をしなくてすむ
  平和が約束された国の未来を望んでいる。

  私たちにも共通点があったようだな

 
(412) 2024/12/17(Tue) 22:03:50

【人】 英雄 ジークバルト



[ だが私にとって今の場所は深く沈んだ場所。
  ここより底があるのなら。
  私は喜んで飛び込もう。>>350

  真実を求めずにはいられないのも
  また”人”の業。ならば………。


  
私まだ人間ではあるのだろう。
 ]


 
(413) 2024/12/17(Tue) 22:03:54

【人】 英雄 ジークバルト



  …………お互い、気難しい性格のようだ。
  かといって変わるつもりはないのだろう?
  私もだが。



  話ができて良かった。時間を取らせたな。


[ 背を向けたその後を少し見て、
  こちらも背を向けよう。


  それは向かうところが二人は別なのだと
  体現していながらも
  少しだけ交わったことで
  前とは違う何かを得られたのは間違いないはずだ。 ] 

 
(414) 2024/12/17(Tue) 22:04:13

【人】 英雄 ジークバルト



  
…………。 
随分と手厳しくされたものだ。


[ 処刑場を離れ、
  宛もなく歩いていたのだろう。

  相変わらず人気はなく、
  動かしていた足を止め

  快晴であろう空を見上げた。 ] 

 
(415) 2024/12/17(Tue) 22:04:18

【人】 英雄 ジークバルト




  答え、か………。
  考えてわかる答えなら

  こんなにも苦労はしないさ


  真実を知って
  どうしたいのだろうな、私は。



 
(416) 2024/12/17(Tue) 22:04:23

【人】 英雄 ジークバルト



  シャルル………
  君のことを考えるほど………君が遠い。

  手の届かないところまで君はいってしまった。
  …………いや、元より手に入れてなどいなかった。


  ………、情けないな、
  君の名を呼ばないようにしていたのに
  そんなことすら私は続かない

  駄目だ、

  駄目なんだ

  君がいないと私は駄目になる。






        ……………”俺”はどうしたらいい?



[ 何も掴めなかった手は
  ただ強く握りしめるだけに終わった。 ] ** 

 
(417) 2024/12/17(Tue) 22:04:41

【人】 聖母 エリシア

 

 まあ……そう、なのですね……


[どこか言いにくそうな様子で返ってきた答えに>>407
わたしの笑顔は一度引っ込んで。

わかるような気がした。
わたしも絶望の淵にいた頃は、
そんな余裕もなかったから。

しかし、彼女の事情を知りもしないわたしが
共感を示すのも差し出がましい気がしたから。]
 
(418) 2024/12/17(Tue) 23:23:35

【人】 聖母 エリシア

 

 ……またゆっくり、
 花を楽しめる時が来るといいですね。


[他意はなく。
そうなりますように、という思いでもう一度
ふわりと微笑みを浮かべてそう言った。]
 
(419) 2024/12/17(Tue) 23:23:39

【人】 聖母 エリシア

 
[そうやって立ち話をしていれば、店の軒先で
冷やかし客のようになっていたことに気がついて。
少し買って行こうかと、わたしは花に手を伸ばす。

みんなで暮らす家に飾る花は、誰かのため>>408
と言うのも少し違うかもしれないけれど。]


 贈り物? ああ、そうね……
 それはいい考えかもしれません。

 これは大切な人に贈る花なんだって言って
 わたしにくれた子がいるんです。
 たまには、わたしから返すのもいいですよね。


[アイリスを見ながらそう言って。
その花を数本と。……それから、他の花も。
子どもの人数分、小さな花束を買って行くことにした。

こういう時、一人だけ特別扱いはできないもの。
けれどアイリスは彼の特別な花だから、
全員に別々の花を。

尋ねられれば、ぼんやりした説明に
それも付け加えて答えたかもしれない。]
 
(420) 2024/12/17(Tue) 23:23:42

【人】 聖母 エリシア

 
[そう、特別な日じゃなくても、
たまにはこんな贈り物もいいだろう。

喜ぶ子どもの顔を思い浮かべて、
にこにこと笑いながら彼女にお礼を言った。]


 素敵な思いつきを、ありがとうございます。

 そうだ。……ご迷惑でなければ
 一輪、いかがですか?


[まだ花束になる前のアイリスを、
す、と一本抜き取って彼女に差し出す。
思いつきへの感謝と……お裾分けのようなもの。

余裕がないと言っても理由は様々だし。
いい機会になるかもしれない。
時期尚早だったなら申し訳ないけれど、
その時は謝って手を引っ込めよう。]**
 
(421) 2024/12/17(Tue) 23:23:44

【人】 処刑人 ライナス

 

   
Intermezzo間奏曲


 
(422) 2024/12/17(Tue) 23:27:18

【人】 処刑人 ライナス


[ この国に生き、神を信仰する者
  その上に立つ者たちであれば。
  歯向かい、牙の跡を残して死んだ男の名を知っている。

  この国では罪とされたこと。
  認めず、抗い、ただ前だけを向いて生きた。
  私の胸に、ひとつの置き土産をしていった。

  これは私だけが知るシャルル・バロンの話。
  遺された、真実。  ]

 
(423) 2024/12/17(Tue) 23:27:19

【人】 処刑人 ライナス




「俺は自分に背く生き方はしない。…いや、できないんだ。」


[ "何故、囚われると分かっていて訴えた?"

  私はシャルル・バロンの元へ訪れ、問いかけた。
  ただの興味だ。

  死刑の数は日に日に増えている。
  また一人増やされたのかとの苛立ちもあれば
  この国を守る自警団員が、との心もあった。


  その返答がこれだ。
  思わず眉を顰める。 ]

 
(424) 2024/12/17(Tue) 23:27:21

【人】 処刑人 ライナス



   認められないからと背いて死ぬのが
   お前の正義か、シャルル・バロン。


[ 馬鹿馬鹿しい。
  一人で声を上げて何が変わる?
  国が変わらないなら自分が変わるしかない。
  大衆が変わらないなら
  偏見の目が変わらないなら

  自分が。

  そういった生き方をしてきた。
  人が変わることなんて期待できなかった。
  自分を善人と差し出せるほど、強くもなかった。]

 
(425) 2024/12/17(Tue) 23:27:24

【人】 処刑人 ライナス




   ……残される者のことは。
   無謀でも正しいことを述べるのが正義だと。
   お前は、そう言うのか?


   …終わるだけのお前には過ぎた話だったな

   せめて苦しまずに逝かせてやる。
   私から与えられる対価はそれぐらいだ

   邪魔をしたな


[ 噫、馬鹿馬鹿しい、馬鹿馬鹿しい。
  "罪人"にこれ程惑わされるのも、
  この男の罪も。
  私には重くて堪らない。]

 
(426) 2024/12/17(Tue) 23:27:26

【人】 処刑人 ライナス

 

[ この男だけは私のことを咎めなかった。
  あまつさえ、私の正義を肯定してみせた。 ]



 「××××を置いて一人で死ぬと分かっていても、
  オレには自分の魂に背く覚悟も度胸もない。

        ──────アンタだってそうだろ?」



 
(427) 2024/12/17(Tue) 23:27:28

【人】 処刑人 ライナス



[ 何もかも見透かしたように、
  もう消えてなくなる命の間際に、
  私の中の人間を引きずり出して微笑んだ。 ]



   「ようやく人らしい顔を見せたな。」



 
(428) 2024/12/17(Tue) 23:27:35

【人】 処刑人 ライナス



[ 私は私の正解を、正義を貫いた。
  人の正義を受け入れずとも否定しないことを、
  私はお前に教えられた。 ]



「俺たちはみんな、
 自分が死ぬその瞬間、ようやく気づくのさ。

 自分の正義が正しかったのか、間違いだったのか。」




 
(429) 2024/12/17(Tue) 23:27:37

【人】 処刑人 ライナス

 
[ 一人、誰もいない処刑場に立っている。
  今は真夜中。
  明日になれば、日の下でまた血が重ねられる。

  何故、シャルル・バロンが罪人とされたか。
  はじめは私にも明かされていなかった。
  まだ箝口も間に合わない具合の噂話を耳にして
  上に問い、吐かれた言葉を聞いて押し黙った。 ]

 
(430) 2024/12/17(Tue) 23:27:39

【人】 処刑人 ライナス




   『たとえ優秀な自警団員であろうと───』




 
(431) 2024/12/17(Tue) 23:27:41

【人】 処刑人 ライナス



 

  『───ソドムの罪人など、神はお許しにならない』





 
(432) 2024/12/17(Tue) 23:27:43

【人】 処刑人 ライナス


[ 
"誰"
を愛し、
"誰"
のために。
  知る必要もなかった。
  あの男は口を割らなかったのだから。

  私に出来ることは、何も。]

 
(433) 2024/12/17(Tue) 23:27:45

【人】 処刑人 ライナス





                       >>256
(434) 2024/12/17(Tue) 23:27:48

【人】 処刑人 ライナス

   
[ 世界が私を罪人にした。
  罪人が私を正義にした。
  毒のように苦い世界が、
  ただ一人、生きているべき人間を殺した。


  今でも変わらぬ正義を抱えている。
  私は、私のために生き、私のみを信じる。

 
  ────間違いだったかどうかは、
            死ぬその時に分かるのだろう。 ]
   
(435) 2024/12/17(Tue) 23:27:51

【人】 処刑人 ライナス

 

   自分を信じられない臆病者にも
   ただ影を追いかけて死にたいだけの男にも
   お前が遺した心は必要ないだろう

   判断に文句は受け付けないぞ、シャルル。
   頼んだのはお前だ。


[ くすり、と。
  英雄の背が見えなくなってから、
  上手に微笑ってみせた。]**

 
(436) 2024/12/17(Tue) 23:27:54
聖母 エリシアは、メモを貼った。
(a17) 2024/12/17(Tue) 23:28:43

処刑人 ライナスは、メモを貼った。
(a18) 2024/12/17(Tue) 23:34:44

【人】 宝石商 アビス


  [ 幸せとは何か。
    知に富む者ほど自問に耽るのだろう。

    恵まれなかった者と
    恵まれてしかこなかった者の
    導き出す答えはまるで違う。

    そのどちらの目も欠けた
    幸せを知らなかった男には
    それを論ずるだけの知はない。]
    
(437) 2024/12/18(Wed) 2:05:38

【人】 宝石商 アビス



      俺は……


(438) 2024/12/18(Wed) 2:06:16

【人】 宝石商 アビス


  [ 答えに、詰まる。

    目の前にいるのが先生なら
    男は迷わず助けたことだろう。

    だが先生ではなかったとしたら?
    先生として尊敬する前だとしたら?

    例えばそれが、命を救われ、心を救われ
    こうして縁が出来る前だとしたら?

    先生と同じ選択ができただろうか。
    本物の善性を持たない男には、分からなかった。]


(439) 2024/12/18(Wed) 2:07:01

【人】 宝石商 アビス



   俺は、どんな状況に陥っても相手次第で
   簡単に選択肢を変えちまう。

   信念も何もない
   たとえ助けたとしても、
   先生とは違う。俺なんかハリボテだ。


(440) 2024/12/18(Wed) 2:08:43

【人】 宝石商 アビス


 [ 自嘲しながら歯切れの悪い答えをしてしまう。

   善意に条件をつけるその時点で
   先生には遠く及ばないことくらいは分かる。

   だがこの答えで先生の顔がどう動くかは
   先生にしか分からない。

   あの日から買い続けた
の砂糖漬けは
   この国の人間捨てたもんじゃない
   中には良い人もいるんだと
   その事を忘れない為の、希望の象徴だ。]


(441) 2024/12/18(Wed) 2:09:57

【人】 宝石商 アビス



  [ 気づくべきだった。
    気づけたはずだ。

    あの時、先生が何気なく口にした
    知らない罪を犯していたらという例え話、
    その意味を、深く考えればよかったこと。

    かつて、聖人君子と呼ばれたあの男が
    空の向こう側へと無惨に旅立った時、
    他人には見えない罪があるのかと
    散々虚を突かれておきながら

    どうして、同じ過ちを繰り返すのか。]


(442) 2024/12/18(Wed) 2:13:39

【人】 宝石商 アビス


  [ 先生の口にした言葉は
    どこまでが本当で、嘘なのか
    男の本能がら先生を疑いたくないと叫ぶ。

    それに妙に納得はしてしまう。
    先生がどこまで変わらない芯を持つなら
    己が先生にしてきたことを
    他の人間だって考えるものだろう。

    だがそれだけでは
    断る理由には足らない
    迷惑ではないのだとしたら、尚更そうだ。]


(443) 2024/12/18(Wed) 2:14:15

【人】 宝石商 アビス



  [ どうして先生は
      ぎこちない、そんな顔をするのか。]



(444) 2024/12/18(Wed) 2:14:37

【人】 宝石商 アビス



   分かった、先生。


         こういう金の渡し方は、
         これで最後にするよ。

(445) 2024/12/18(Wed) 2:15:28

【人】 宝石商 アビス



  [ 男はその意志を汲み取るしかなく、
    せめてここに来ることを拒まれないことを
    幸運と、そう呼ぶことに決めよう。

    それでも、そこで話を止めず、
    口を開かずにいられなかったのは
    あんな後悔を、もう二度としないためだ。]

    
(446) 2024/12/18(Wed) 2:16:48

【人】 宝石商 アビス



   なぁ。先生。

         これは俺の話なんだけどな。


(447) 2024/12/18(Wed) 2:17:21

【人】 宝石商 アビス



   昔…ってほどでもないが

         俺のダチが一人、死んだんだ。


(448) 2024/12/18(Wed) 2:18:00

【人】 宝石商 アビス



   そいつは誰よりも国の皆を愛していて
   街の誰からも愛されてるようなやつだったよ。

         だけど、最期は罪を犯して、処刑された。


(449) 2024/12/18(Wed) 2:21:25

【人】 宝石商 アビス


   ………今でも思うんだ。
   あいつは腹の底で何を思っていたんだろうか、
   本当にあいつがそんな罪を犯すんだろうかって。

   俺は未だに何を信じたらいいか分からねぇ。

   事実ならぶん殴ってやればよかったし
   事実じゃないなら信じてやるべきだったのに。

   知らなかったせいで、そのどっちも、叶わなかった。

   
(450) 2024/12/18(Wed) 2:22:40

【人】 宝石商 アビス



   腹を割って話してこなかったことを
   俺は今でも後悔してる。


(451) 2024/12/18(Wed) 2:23:41

【人】 宝石商 アビス



   罪を犯してようが
   そうでなかろうが


      そいつと俺がダチなのは変わらねぇ。
      顔の一発でも殴ってやればよかったのに。

      俺には出来なかったんだ。


(452) 2024/12/18(Wed) 2:24:51

【人】 宝石商 アビス



  [ いきなり脈絡もなく自分の話なんて
    煙たがられやしないだろうか。

    全てを話してから
    途端に恥ずかしくなり頭を掻いてしまう。

    言葉がまとまらないまま
    それでも、伝えたかったことは
    いつか詰まってしまったあの答えだ。]


(453) 2024/12/18(Wed) 2:25:25

【人】 宝石商 アビス



   俺は先生が目の前で倒れたら助けるよ。

   それはこの先も変わらない。
   アンタが、何者であっても、な。


(454) 2024/12/18(Wed) 2:26:08

【人】 宝石商 アビス



  [ 自分は元来褒められる立場にいないのだ。

    少々大口を叩きすぎたかと
    先生に背を向けて立ち去ろうとする背中には
    後悔と、罪がいくつにも重なっている。

    罪は裁かれるべきである、などという
    国の規範になど興味はなく、

    いつか犯した罪を目の前にした時に
    これ以上の後悔だけはしないように。
    良い人の前でくらい、そうありたいと願うだけ。]**

    

   
(455) 2024/12/18(Wed) 2:26:55

【人】 薬師 ヴィオラ




『苦しむ人たちを救ってあげなさい』
『それが、私たち薬師の使命なのだから』


 
(456) 2024/12/18(Wed) 2:52:03

【人】 薬師 ヴィオラ




  父がよく口にしていた言葉。
  私の指針であり、同時に―――… 



今となっては、呪いの言葉。
(457) 2024/12/18(Wed) 2:54:26

【人】 薬師 ヴィオラ


[父は腕のいい薬師だった。
 町の人からの信頼も厚く、頼りにされ。
 父であると共に、私にとっては師でもあった。]


  母さん!
  ヴィオラは良い薬師になれるぞ!


[幼い私が見よう見まねで薬を完成させたときは
 とても喜んで、沢山褒めてくれたのを覚えている。
 それから私は薬草の事を積極的に学んだ。
 最初は父に褒められたいという動機だった気もする。
 次第に父の背を見て、薬師の仕事に憧れを持っていった。

 効能を確かめるため自分の身体を実験台にした際に、
 頬や肩に痣が残ってしまった時は泣かれてしまったが。
 父と共に歩む日々は、楽しいものだった。]
 
(458) 2024/12/18(Wed) 2:55:36

【人】 薬師 ヴィオラ


[しかし、そんな父も病には勝てなかった。
 気づいた時には既に病魔は身体を蝕み、
 どれだけ手を尽くそうとも治すことは叶わない。

 昔父が感じたであろう無力感を、身をもって知った。

 あと余命幾ばくか、そんな現状。
 効果があるのは痛みを取り除くための鎮痛剤だけ。
 そんな時に、父は囁く。]

 
(459) 2024/12/18(Wed) 2:56:54

【人】 薬師 ヴィオラ



「………もう、十分だよ ヴィオラ」

 
(460) 2024/12/18(Wed) 2:57:52

【人】 薬師 ヴィオラ


[―――その後。
 父は眠るように安らかに、息を引き取った。
 最後にあの言葉を、残して。

           ぽつり。
の花は雨に濡れる。]

 
(461) 2024/12/18(Wed) 2:59:40

【人】 薬師 ヴィオラ


[カタリと扉に<CLOSE>の札をかける。
 戸締りを確認すれば、外出用に羽織った外套を翻し
 町の中心部へと向かった。

 今日はお店に通うことが難しい人たちに
 定期的にお薬を届ける日だ。

 体が不自由な人や寝たきりの人。
 
中には父と同じ死病を患い闘病している人もいる。]

 
(462) 2024/12/18(Wed) 3:01:49

【人】 薬師 ヴィオラ



  こんにちは。お加減いかがですか。


[経過とその日の状態を伺いながら、
 症状に合わせたお薬を。
 必要に応じ増薬、減薬も検討する。

 それが私の仕事。

 ありがとうの言葉と共に見送られながらも、
 町を歩く足は徐々に重くなっていった。]
 
(463) 2024/12/18(Wed) 3:02:36

【人】 薬師 ヴィオラ



   あの日から何も変わらない。
   変えられない。
   あの病を治す薬は、何処にも存在しない。


    
―――神は 奇跡を起こしてはくれない。


 
(464) 2024/12/18(Wed) 3:05:08

【人】 薬師 ヴィオラ


[一つの扉に手をかける。
 長い闘病生活の末にある独特の空気が、
 その部屋を包み込んでいた。
 傍らにある椅子に腰かけて、鞄の持ち手を固く握る。]


  先日、仰られた言葉は……、
  お気持ちは 変わりませんか。


      [頭の奥で父が最後に残したあの言葉が、
          ずっと止むことなく響いている。]**

 
(465) 2024/12/18(Wed) 3:06:59
薬師 ヴィオラは、メモを貼った。
(a19) 2024/12/18(Wed) 3:13:27

【人】 親 グリンダ

 

 花をいつか楽しめるようになるといい
 そんな言葉には曖昧に緩く頷いただろう>>419

 何にも怯えず取り繕わず
 安寧を得られる日など来るのだろうか
 そんな日── 一生来ないように思いながら

 
(466) 2024/12/18(Wed) 7:39:32

【人】 親 グリンダ

 


 (………子?)


 どうしたってそんな風に、
 言葉尻を捉えてしまうのは
 あまりに敏感になりすぎだろうか>>420

 口には出さずとも、
 花をくれた子≠ノ引っ掛かりを覚えつつ
 敢えてそれを指摘することはしなかった

 だから私は彼女があれもこれも、と
 色とりどりの花を選んでいくのをぼんやり見ている

 
(467) 2024/12/18(Wed) 7:39:45

【人】 親 グリンダ

 


 よくよく考えれば
 そんなに花を贈る相手がいる聖母のような女、

 ──それこそ噂>>335と合致していたというのに


 
(468) 2024/12/18(Wed) 7:40:21

【人】 親 グリンダ

 


 「 私に? 」


 差し出されたアイリスの花
 突然のことに戸惑う表情を見せてから
 首をそっと、横に振る

 
 「 私には、受け取れません
   私には、受け取る資格がないんです 」


 きっと私が受け取ったとしても
 もう、花を愛し、愛でることはできないだろう

 きっと私が育てたとしても
 もう、彼を愛し、愛でることはできないだろう


 水もやれない母親は、
 それを育てる資格なんて、無い。


 
(469) 2024/12/18(Wed) 7:40:55

【人】 親 グリンダ

 


 希望の花は、
 もう私のもとでは、永遠に、咲かない **


 
(470) 2024/12/18(Wed) 7:41:16
親 グリンダは、メモを貼った。
(a20) 2024/12/18(Wed) 7:41:50

 




情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 / 最新


トップページに戻る


←↓■□フィルタ

生存者 (7)

G
0回 残 たくさん

 

ジークバルト
14回 残 たくさん

 

グリンダ
20回 残 たくさん

 

ライナス
0回 残 たくさん

 

アビス
14回 残 たくさん

 

ヴィオラ
13回 残 たくさん

オフ

エリシア
21回 残 たくさん

 

犠牲者 (1)

『歴史の書』(2d)
 

処刑者 (0)

突然死者 (0)

舞台 (0)

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
舞台
置き手紙

一括操作




発言種別注目






















(0.23 CPUs)
運営 moonpupa
人狼物語 by あず/asbntby
人狼議事 by ななころび
トップバナー画像 by naomyplum
人狼物語画像 by Momoko Takatori
Schwarzwald(黒い森) by hagios
トロイカ TYPE:А / 哀愁のタタロチカ by かえるぴょこぴょこ/あさくら
ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
都道府県キャラセット by kairi(企画代表)
繋<つなたま>魂 / 班帝家の一族 / H)SOCIUS(A by めいあ
もふぁんたじぃ / もふぉれすと by ほのゆる
Cathedral / 学園Cathedral / Grand Cathedral / 学園Grand Cathedral by Izuya
夜月町 by 夜月けい
南区 / 古今東西 by 南
IRO-COLORE(いろころる) by Izuya, 南
お茶会 / 演奏会 / 花見会 by ゆひろ
GNL / GNL+ by guiter-man
ジランドール / イルミネーション by may-co
シキメグリ by afinter
-汝人狼也-人物画 by 878, かんこ
closure / closure' by 閉
Emoricu / Cumorie / 黎明街 by milk_sugar
ワンダーズ言戯団 by pike
宝石箱《Jewel Box》 by 宝石箱制作委員会
文明開化 by sin
カティサーク by apricot with y_hyuga
月狼学園 / 人狼署 / 狼達の軍歌 by apricot
花一匁 / 桃酔郷 by さね
po!son / Girl's Talk by pure_g
madparty by シロクマ
rhizome by CH3COOH
曲芸会 / 曲芸会Hello! by otokasa
AtoZ by 築
瑞洋館 by ういろ
LastSunday / HeaVen by 志摩
かくりよ by plmi
桃色concerto by 桃昆布
狼兎 by クロマ
人狼ヶ谷学園の放課後 by 竜山明日佳
bAroQue / tradimento by souya
Bokuyume. by 卜部
FGOキャラセット by 有志一同
魔法少女は眠らない by 魔法少女チップ企画
Liberte by みぃな
噛志野医院 by manamiz
メギド人狼 by メギドチップ企画
absolventi by ぶんちゃん
歳時抄 by 小由流
文アルセット by 文アルセット企画
荘園パック by ARC(企画代表)
Friends by 真知
城下町の酒場 / 大神学園 by じっぷ
エッグ by 朧恩
ぐれすけ・ぷらす by 純
ニューホライズン by youden
バーバチカ / プトロレ by たべ
ユメツナギ by 天瀬春日
StarGazer / LittleStar by CONBE
御常紀学園 by HS_29
オハナシノクニ by オハナシノクニ制作委員会
Fragment of Jewels by 粉海月
花園女学院 / 他種族孤児院 by はこみ
xxxx組 by サイコ瓦
おりふし学園 by めんるい
Fairytale Syndrome by hTuT
Salute by むくっこ
Le parterre by イヌバラ
Troopers by 人類管理連合
お野菜キャラセット画像 by 無料素材倶楽部
Siuil a Run by 匈歌ハトリ
紫煙をくゆらせ by 空砂
RocketPencil by 山本羅刹
エトリエ / エトリエ・戦国 by とり
ボワボンボン by あとらそふと
古の迷宮 by とり夫
JEX Online by katarazu
煌夜の決闘 by ジュエルセイバーFREE
こだわりアイコン by fatcow
トランプ画像 by しろま空間
リンソン by moonpupa