なーなー。どうする？

[問いかけたのはもちろん、この部屋から出るために条件であるあれだ。俺だってやりたい訳じゃないけど、それしか出る方法がない場合。うーん。やっぱやだな？]

　あ、いちおー言っとくけど、俺にお前抱けとか無理だかんな？抱かれるのもやだけどさ！

[なーんてうだうだ考えてたら簀巻きがなんか言ってきた]


　どーするってどーするよ？

　無理っておっま、おま……
　俺だって無理なんだが？？　
　俺のちんこそこまで物分りよくねーんだがどうしろと？

　いっそじゃんけんで決めるか？
　勝っても負けてもお前が突っ込む方で。


[とりあえず簀巻きの簀巻きを解除して、覆面太郎にクラスチェンジさせつつそんな提案をしとこう]

　おわぁ。


[探検としてあちこち覗き込み、戸棚を開けて回って遊んでた俺の口から声が漏れた]


　なーなーすげーよこれ。なんか分かんないのもあるー。


[枕元の引き出しを引っ張り出して出てきたのは、いわゆる大人のおもちゃってやつ？スイッチいれてみたら振動したりして、なんか面白い。見てみろって手招きしたら、やつは来るだろうか。大きさ別のブツのかたちしたやつとかとろっとした半液体とか。形は卑猥だけど面白がって遊んでたら、やつの顔が引きつった気がする]


　あっそーだ。これさーこれさー。これ先に突っ込めたほうが、突っ込まれるがわー。とかでいいんじゃね？


[上機嫌のまま俺が引っ張り出したのは、各種ブツの中でいっちばん大きいやつだ*]

　　

　──ひぇ

　　
[言いくるめてやろうと意気揚々と来たはずなのに、目の前に広がる光景に俺は言葉を失って、なっさけない声しか出せなかった。

ぐわんぐわん動くどぎつい色した梁型手にして、無邪気にはしゃげる精神とかわからんしわかりたくもないんだが？？ナニアレコワイ]

[強い決意を胸に抱いていたはずだった、ケツだけに。
だというのにいきなり突きつけられたひっでえ絵面に揺らいでしまった心は、次の瞬間には砕かれてしまった]


　あっそーだ。……じゃねーよ！
　やめろよそういう人体の神秘チャレンジ！！

　んなもん突っ込んでたまるか！
　んなもん入れた日には括約筋の葬儀がしめやかに執り行われるわ！！！

　そんでお前も突っ込むな！！俺の負けでいいから！
　俺のマイサンはガバガバで抜けるほど敏感肌じゃねーんだわ！！！

　おっ勃たせるのも大変だっつーのに無駄に難易度上げんじゃねーよ！
　もうちょっと人様のちんこを慮っていただけませんかねえ！　　


[砕かれついでに全力で負けを認めて、ツッコめるだけツッコんだのも仕方のないことだろう**]

［てのなかでぐわんぐわんして遊んでたら、なんか奴が急に叫び出した。うるさい。


ついでに奴のよりもマシな提案したはずなのに全却下された。解せぬ。慮れ、というのは俺は苦手である。でももしかしたらここに一生一緒に永住するかもしれない相手だ。精一杯慮ってみようと、手の中のブツと奴の股間を眺め］

……。


［手の中の一番大きかったやつを、一番小さいやつに入れ替えた。

ついでに、これ？なんて確かめるみたいに首を傾げてみたけど、合ってるだろうか*］

［あとなんか、負けがどうとか言ってるけど勝負してたっけ。さっき戦ってたやつ？なら俺が捕まった時点で俺の負けだと思ってたんだが、違うらしい？］


……あんま怒鳴ってると、ケツアツ上がるぞ？


［よく分からんけど組織の爺さんがよく言ってる。俺と喋ってると、ケツアツ上がるわ！！！って。だから親切にも注意してやろう］

[あれがマシな提案であってたまるか。どんだけケツに優しくない基準だよ！
追撃で叫びたいのを抑えつつ、ちょっとは通じたかと視線を向けたら、ヤレヤレとでも言いたげにため息着きやがったぞあの野郎。

まあ、なんか考えてるみたいだしと、俺は一旦ツッコミを控えて、ヤツの視線を追うことにしたんだ]
　

　……


[下がった視線がナニを捉えてるかなんてのは、さっきまでの話題を振り替えりゃ想像に難くねーんだわ]


　…………


[だから]

[首を傾げつつ持ち変えたシロモノをお出しされた瞬間、俺はそいつを奪い取って]


　せいっ！！


[力一杯ぶん投げた。
文句のひとつも飛んできそうだが知ったこっちゃねーんだわ]


　まず！それで！拡げるって！発想を！止めろ！！！


[不服そうに新たな刺客をお出ししようとする覆面野郎はその発想を止めような！

夜のおねーさんの中にはそういうプレイを売りにしてるのもいるわけで、当然俺もそういったものをやったことはあるんだわ。

だから！いきなり張型突っ込むのはやべーってことぐらいは知っている。
金で割りきれる関係のみ、商品になるクオリティのものしか口にしない俺には、いきなりケツに張型突っ込もうという発想自体がおっそろしいんだが、俺を怖がらせてどうしたいんだ！]

　

　それと、ケツ云々以前に。
　………………いや、いい、俺がやるからお前は余計なことすんな。


[血の臭いがクッッッソ萎える、どっか膿んでないか？なんて言葉が口から出掛けたが、
これまでを考えるに、言ったところで反応が面倒くさくなりそうだったんで伝えるのは止めることにした。

かわりに覆面野郎の武装をひっぺがして、ベッドの脇に積み上げて。
それから棚を漁りゃ…………まあ、ケツに突っ込む突っ込まないって話な以上、傷薬も当然置いてあるわな。
ラブホもどきにゃもったいない程度の高級品を持ち出して、覆面野郎のもとに戻ろうか**]

　あ。

[これ？と差し出したブツの模型を奪い取ると、やつは目一杯壁に向かってそれを叩きつけた。違ったらしい。大きくても小さくても怒るとか、短気なやつである。

　でも実物を見たことがないのだから、大きさが分からなくても仕方がないだろう。そこは許してほしい。

　ここは実物を無理やりにでも見てから大きさを決めるべきだろうか。なんてのんびり考えつつ模型をあれこれ弄り回していたら、怒られた。なんかこいつ詳しいな？]


　ひろげる？


[なおピッタリな大きさがあったら、とりあえずいけるか突っ込んでみるか？くらいの意識だったのだけれど、どうやらそれはこいついわく危険らしい。俺は痛みに強い方ではあるが、痛いのが好きな訳じゃないので手の中の模型はポイした]

[俺の案を却下するのだから、こいつは詳しいのだろう。余計なことすんなって言われたし、おとなしく座っていたら、めっちゃ嫌そうな顔しつつ、今までちょっとしたことで怒鳴りまくってたやつにしては珍しく言葉を飲み込んだ。


　武装を解かれ、ベッドを背もたれ代わりに座っていたらなんか持ってきた]



　なにそれ？？


[やつがキュポと蓋を開けて手に取ったものに勝手に鼻を近付けて匂いをかぐ。匂いは強いけど嫌いなにおいじゃないから、おとなしくそれを塗られた]


　きずぐすり。


[それを塗っておいたら、怪我が早く治るらしい。なんかすげーな、そんなんあるんだな、なんて感心してたらすげー変な目で見られた。

　いや、俺怪我はよくするけどそんなの使われたことないし。幸い死ぬレベルの怪我はしたことないから、使うまでもないと思われたんだろう]

[塗り終わってぺたぺたするのを触ろうとしたら止められた。触っちゃダメらしい。そわそわしてたらきずぐすり塗った上からばんそこ貼られた。

　丁寧に手当てされたとこをそろそろ触ると、不思議な感じがする。なんでこいつこんなことするんだろうな？怪我なんて放っておけばそのうち治ったし、組織の──つまりは俺の周りの人間は皆そういう扱いをしてきたし、そういうものだと思ってた。


　こいつが変わってるのか？それとも俺の周りが変わっていたのか、どっちかは分からないけどばんそこ貼られた怪我は痛くない。それはなんか……いいな？]


　ふへ。


[にこにこばんそこ眺めてたらまた変な顔されたけどいいや。手当てしてもらったし*]

［

　　そして唇を重ね、タブレットを飲ませる。
　　半ば無理矢理に、飲み込ませたが正しい。

　　久しぶりにキメてしまおう。
　　出なければ、一生出られない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］

［
　　気づけば唇を重ねられて。
　　　　　　　
　　口の中にはタブレットを入れられて
　　吐き出そうにもキスをされたままですから
　　それも当然できなくて。
　　ごくり、と喉のなる音が
　　彼にもおそらく聞こえたのではないでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］
　　

　　　　立てなくなっちゃう前に、
　　　　とりあえず振袖だけは脱ごうね？


［

　　彼女の反応を見ながら口角を上げ、
　　しっかりと締められている
　　腰紐を2本、解いていけば
　　彼女の腰回りの隙間を埋め、
　　彼女の胸を潰していた
　　タオルたちを床に落としていった。

　　そして、彼女を下着姿にしてしまえば
　　軽々と彼女を抱えてベッドに寝かせるのだった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］*

　　　
　　　や……脱ぎたく、ない……


［
　　口だけは辛うじて抵抗の意思を見せていても
　　手を振り払ったり暴れたりしていない時点で
　　どうなるかは目に見えています。

　　紐を解かれて
　　補正のために使っていたタオルが下にはらりと落ちて。
　　水色の下着だけにされてしまいました。

　　ベッドに寝かされて、
　　彼を見上げる形になったでしょうか。
　　頬を染めて、目が潤んでいる私はきっと
　　彼には発情しているようにしか見えないはずで。

　　でも、こんなところで……
　　したくない、けれど。しないといけないならせめて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］
　　

　　　

　　


［
　　以前“オクスリ”を飲まされたとき。
　　思い出したくないほど乱れたけれど
　　記憶に残り続けるほど快感を感じたから。

　　それを思い出して、
　　あの時の快感を体が欲してしまったせいで
　　言葉で抵抗することすら、
　　私は放棄してしまったのでした。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］*

　　

　

　あんまベタベタ触んな、剥がれんだろ。


[絆創膏の上からなら触ってもいいと思ったか？まあ、貼る前よりは強くは止めやしねえけど。
傷を触ろうとする手を捕まえるついでに俺の方に引き寄せて、覆面野郎の肩口に顔を埋めて、服の上から臭いを嗅ぐ]


　やっぱいい薬だと臭いも気にならねーなぁ


[そんなことを一人ごち。覆面野郎を取っ捕まえた右手は、手から腕、それから脇を通って背中へと、辿るようになぞるように上着の中へと滑り込ませちまおう。
鼻孔を擽る香りはミルク系のボディクリームを彷彿とさせるから、まあこれなら許容範囲ってところだな]

　

　嫌がろうと止める気ねーから、俺がその気になるまで付き合えよ？


[「抱くの無理っつったのそっちなんだからな」って言っちまえば、あとはこいつの抗議は後回しにしてやろう。
うちのマイサン、俺のメンタルに忠実だからよ！その気にならんと中々勃たねーんだわ。


上着の中をまさぐったら中のシャツは薄手なようだ、これはこれで脱がさない方が愉しそう、か？
勝手知ったる相手を鳴かせるのも楽しいが、初めての相手を探るのも結構ワクワクするよな？

上着は脱がしきらず、両手首まで心持ち後ろ手になるようひっぺがしたら手始めに、シャツの上から腹筋に軽く歯を立ててなぞってみよう。
背中は力を入れずに爪でかりかり引っ掻いて、この段階ならくぐもった声でも反応としては上々か。
胸は突起を無視してその周りだけ引っ掻いたり撫で上げよう。

まあ、懇願されようと、ちんこそのものはまだ触る気はないんだわ。
とっととやることやってほしいなら、せいぜいその気にさせてほしい**]

[ぺたぺた触る手を止めるように手を掴まれて、見上げた顔は案外近かった。と思ったら、ゼロ距離になってた]


　ぅえ？


[肩に顔を押し付けるように匂いをかがれて、戸惑う。なんか座りが悪いというか。どうしていいのか分からなくて、そわそわした気持ちでいたら、やつの手のひらが体をなぞるように移動して背中に回った]

　え、あ、ああ。うん、それは、うん。



[付き合うのはやぶさかではない。けれど、妙に優しい手のひらは落ち着かない。


　とりあえず服引っぺがして突っ込んだら終わりだって思っていたんだ。それに付随する行為なんて知らないから、セックスってものはそういうものだって思ってた。

　けどこいつの手は力ずくなんてことはしない。しないのに、妙に変な気分になる]


　ちょっ、まっ


[こいつの歯が肌の上にゆるく当てられて、背中にも緩い刺激。え、なにこれ。なんか、全然痛いこともないのに変な。ぞくぞくするみたいな。止めようとしたけど、こいつは止める気はないみたいだ]

　っひ


[声が漏れそうになって、慌てて手で口を押さえようとしたけど中途半端に引っ掛かった上着が手首に巻きついて動けない]



　ちょ、っと、たんま！服！せめて脱がせろよ！っん、やだってば！ちょっと、ちょっとだけ、だから、とめっや！


[慌ててバタバタするけど、体の上に完全に乗っかられた状態で腕も自由にならないから、逃げられそうにない。痛いのなら平気だって思ってたのに、これなに？分からない。


　分からないけど、油断すると俺の声じゃないみたいな変な声がでるから必死で口を閉じて。そっちに必死になりすぎてこいつの与える変な刺激に身体全体がびくっと震えたりするけど、俺は声なんて出したくない]


　……うー。っ、ひ、や


[その気にさせるってなにするんだよ。分からないけど、俺は必死で体のあちこちに与えられる刺激に耐えてた*]

［最初は、ビクッとなるくらいだったんだ。けど触られ続けてたら、なんかこう。ビクッとなるのが長引くっていうか、あとを引く？みたいな。

全身溶かされるみたいな。自然に声が出そうになって、それだけは必死で堪えてるんだけど］


っ、ん。んーーー！やだよぉ。なっ、に、これ…


［腕に引っかかってた上着は動いた拍子に片腕だけ自由になった。だから最初こいつの肩を押しのけようとしたんだけど、すっかり力が入らなくなってたから、自分の口を押さえるのに使ってる。

知らなかったけど、口を押さえても声って出るんだな。さすがに喋れないけど、んーんーいう声は抑えられてない］

［ズボンの前がなんか苦しい。おかしいな、サイズは合ってる筈だし今までこんなのなかったのに。理由が分からないから、どうしたら楽になるかなんて分からないからどうして欲しいなんて言えないけど、無意識に腰はコイツの体に押しつけてたりはした。

とろりと脳内が霞むみたいなじんわりとしたのが広がる］


……は。ぁ、ん、ん……


［なんかちょうどいい位置にあったから、奴の肩のとこを噛む。こうしたら口を押さえなくてもよくなるから。

止められたら自分の手のひらに戻すけど、止められなければそのまま噛み付いて、自由になった片手はコイツの服でも掴んでおこう］

　

　…………
　
　

[

　こいつ結構可愛いなぁ

]　

　

[要らんこといいそうだから黙っていて欲しかったが無理だったらしい。
まあ、返ってきたのが予想外に可愛らしい反応だったんで結果はオーライ、改めて黙ってもらおうとは思わねえ。


あいつの静止無視して喉仏を口に含んでもごもごやってたら、肩に噛み付かれたりしたけれど。
必死こいて声を堪えようとした結果だろうってのは、反応求めて弄くってた俺自身が知っているから、痕がつこうが甘受する。


　その気になったかって？もうすでになっているんだわ。


けれど、帰ってくる反応が初いというか予想以上に可愛らしいもんだから、言わなきゃばれないだろうしと、
俺は俺の楽しさ最優先で責めの手を緩める気はない。


でもパンパンな下半身をそのままにするのは、さすがにかわいそうだからベルトを引き抜き下着ごとズボンも取り払っちまおう]

　

　…………


[ちんこ出させたらえっぐいのが出てきたんだが？？
筋肉しかついてないほっそい腰の割にズボン引き抜けねーなって、ファスナー全部下ろして改めて引き抜いたら、くそでかいんだが作画ミスか？
下手すりゃこれを突っ込むはめになってたのかと、折れた過去の俺を全力で称えたくなっちまった。

突っ込まれることがないってわかってりゃ、くそでかちんこも怖かない。
鈴口濡らして刺激を与えて欲しそうにひくついてんのはエロいまである]


　ちょっと肩噛むの止めような。


[本人の意思はさておいて、本人のちんこはこちらを誘っているようだ。
せっかくのお誘い、ちょっと相手してやろう。

肩口に噛みつく覆面野郎の唇を撫でて、口が開いたら舌を捕まえるように指を滑り込ませる。
指で舌を弄び、歯列の裏を傷付けないよう擦りあげ、わざとらしく唇を撫で続けていりゃ、突っ込んだ指はふやけそうな程ぐちゃぐちゃに濡れるだろうから溶けちまう前に引き抜こう]

　　　　やだじゃないよ？
　　　　早く見られないようにするには
　　　　こうしなきゃ出られないんだから。


［

　　最後の抵抗を弱々しくも見せてくる彼女。
　　そんな彼女を下着姿にしてしまえば
　　彼も上の服をまずは脱いだ。
　　そして、彼女の上にのってしまえば
　　レース生地のついた水色の下着に
　　口角が緩みっぱなしになってしまう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］

　　　　可愛い下着身につけてるね…
　　　　気持ち良くしてあげなかったこと、ある？


［

　　彼女の可愛いお願いにふっと笑って、
　　唇を何度も重ねていく。
　　段々慣れていけば彼女の唇を割って
　　ぬちゅっと湿った舌が中へと入り
　　唾液と、空気を絡ませていくのだった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］*
　　

[やつの唾液にまみれた指を、物欲しそうな逸物に絡めて、無駄にはっきりした陰影をなぞるように塗り付ける。
イかせないよう気を付けつつ、鈴口を親指でぐりぐり弄くってたら、離した手を追いかけるように覆面野郎の腰がゆるく浮いた]


　お前、結構正直だなぁ。


[そんな可愛い反応されて、俺が楽しくないわけがないだろ？
思わず口角が上がるのも仕方がない事だよな？
抱くのは無理だなんて嘘だったわ、そういう空気になっちまえば全然ヤレるし余裕で抱ける。

浮いた腰の下に手を滑り込ませ、俺の前で脚を開く形に持ってこう。俺に抱き付けなくなるのは可哀想な気もするが、ヤることヤるには必要なんだから諦めろ。

おっ勃ってるえっぐいのに比べりゃ慎ましく存在する搾りも、なんか無駄にエロいんだが。
っつーかお仕事前にもなんか突っ込まれてたのか？こんなとこに真新しい傷があるなんざ。
やたら初な反応とケツの状況がちょっとアンバランスにすぎるっつーか、よっぽど下手くそにヤられてたんだなぁこいつって思わずにはいられない。

俺のちんこも臨戦態勢にしようと思えばできるけど、可哀想なのは抜けないから出来るだけ優しく解してやるべく努力しよう。
こいつにとってはその方が大変だなんて予想できるはずもない俺は、傷薬まみれの指を奴の搾りに塗りつけるように這わせることにした]

[ケツに突っ込んだことはあるけれど、男に突っ込んだ事はないから、ゆっくりじっくり慣らしていったわけだが──…
やっぱこいつ、今までよっぽどへったくそなやつにヤられてたんだなぁって思わずにはいられないし、ツッコミを入れずには居られない]


　まだ指を突っ込んだばかりなんだが、乱れすぎだろ？
　お前余裕ぶってなかった？　人体の神秘チャレンジとかやりかけてなかった？


[俺の状態？片手でゴム着けるのに困らん程度には勃ってますが？
エッロいのが目の前であんあん鳴いてる状態で、マイサンネグレクトする程白状でもお行儀よいでもないんだわ。

まあ、そんな感じで急げば突っ込むのは問題ないだろうけれど、どうせならおねだりくらいはさせたいところだし、それに]

　　　ない…いつもきもちいい…


［
　　問いかけにへらりと笑って答えると
　　再び唇が重なるのです。
　　いつも私は、彼のキスで
　　その気にさせられてしまうから。
　　舌が中に入り込んで、
　　お互いの唾液を交換するような形になるころには、
　　ここがどこか、なんて
　　段々と頭から消えていくような気になっていました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］
　　

　　
　
　　　んぅ……おうじくん…
　　　わたしの……


［
　　口づけを交わしている間も
　　体は敏感に反応をしていて、下着が濡れるどころか
　　動かすと少し音がたつほどになっているのに
　　彼は気づいたでしょうか。
　　
　　私はもっとキスを強請るように
　　彼を身体ごと引き寄せて
　　口づけに夢中になっていました。

　　彼の首筋に吸い付いて
　　鬱血痕を残そうともしましたが…
　　彼が嫌がるそぶりを見せたら
　　ただの口づけで終わったことでしょう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］*

[　

　……こういう機会がなきゃ、な？


腰が揺れるのにあわせてぶるんぶるん存在を主張するでかいブツが目の前にあるわけで？
突っ込むのはごめんだが、どんな反応するのかってのには興味深々なわけで？
人様のちんこ間近で眺める機会なんてないわけで？
どうせ男とヤるわけだから、ちんこ舐めるくらい問題ないよな？
せっかくの機会なんだからシカタナイ？仕方ない！

俺の中の知的好奇心だか恥的好奇心だかは抑えられないもんだから、ケツを解す指を増やしつつ、ヤツの唾液と先走りでぐちゃぐちゃになってるちんこの筋を舌でなぞりあげたんだ]


　いやー…はっきり形がわかるって、パーツごとに解れそうで面白いよな。


[実際ちんこが分解できたらびっくりどころではないけれど、そんな目的を作って溶解液感覚で唾液をまぶして舌を這わすのは結構楽しい。
持ち主の反応そっちのけで決して分解できないちんこのパーツの分解に躍起になってしまってるわけだけど、本来の目的ってなんだったか……
いや、一応覚えちゃいるんだが、今はこっちが忙しい]

[しばらく熱中していたら、覆面野郎の腰が大きく震えた]


　……まっず。精液ってこんな味だったんだな。


[未知の知識を手に入れたんだ、賢さが１くらい上がったかもしれないな！
精液舐める機会なんてそうそうないから舐めてみた。一度生まれた好奇心は止められねーんだすまねえ！]


　……それにしても。
　こりゃ、どっちでイったんだか。
　どっちも弄ってたからわっかんねえな。


[力なく倒れるちんこも、はくはくと伸縮するケツ穴も、どっちも余韻に溺れるようにひくついてるからこれわかんねえなって状態だ、
ふと覆面野郎の顔をみりゃ、随分と泣かせちまったようだから、慰めになるかわからんが額にキスでもくれてやろうと思ったんだが………]


　……駄目だな、俺ちんこ舐めてたわ


[というわけでキスはお預け。かわりに頭を撫でてやろう。
ごめんな、本番これからなんだ。とは、言ったらめんどそうなので口にしない]

[ヤツの呼吸が少し落ち着いたら、当初の目的を果たそうか。
遊んでるうちに仕事モードはすっかり行方が知れなくなったから、こいつ相手で全然イける、余裕でイける、これだけ可愛く乱れる奴なら毎日こいつを抱けでも条件を満たせそうなんだが？

腰を持ち上げたら、まだ終わってないって気付いたら、これからだってわかったら、どんな反応するかなこいつ。
考えただけで楽しくなってきちまうから、突っ込むときもゆっくりもったいぶってしまったのは仕方のないことだろ？

先っぽ突っ込んで落ち着くまで制止して、根本まで埋め込んで落ち着くまで制止する。
弱い部分をかする程度にゆるゆる動かしてはまた落ち着くまで待ってやろう。
せっかくかわいい反応するのに、逐一味あわずに一度に全部叩きつけるのはもったいない。
下手くそに抱かれすぎっぽいのがちょっとかわいそうになってきてるから、セックスは楽しくて気持ちいいもんだってのをしっかり教えてやらなきゃならないと、今の俺はそんな使命感に燃えつつあるんで。
店の新顔抱く時以上に甘やかしてやろうって思うんだわ。

指の役目をちんこで奪えば、両手はまた空いてしまうから、手慰みにこいつの体をまさぐって、拾わせる快楽の足しにしてしまおう。

*それとごめんな？　言ってなかったが俺遅漏なんだわ*]

ん、ん。…っ、ゃ

［必死で声を堪えてるからこいつが妙に楽しそうなのは気付かない。ズボンも下着も下ろされたら、股間の苦しいのが楽になった。なんで？


でも肩を噛んでた口を離されて、代わりに口の中に指が突っ込まれた。

これを本気で噛んだらめちゃくちゃ痛いって分かるから、噛まないように気をつけてるんだが。その人の優しさを無視するみたいに口の中を触られる。上顎だとか、舌の先っぽとか根本やらそんなのなんも感じるわけないのに、こいつの指で触られると変にゾクゾクするから意味がわからない。なにこれ。


でも気がついたら必死で指を舐め回し、舌を絡めてたらしい。指を引き抜かれたら、変に口の中が物足りない］

［口を押さえるものがなくなったから、手のひらで押さえたのと同時だった］


っひ、ん？！？！や、そ、


［指を絡められて、そこが立ち上がってたってはじめて気がついた。なんで？分からないけど、こいつが指と手のひらで擦ったり突いたりするたびに、腰全体が溶けるみたいになんか、え、なにこれ。分からない。分からないなんかに襲われる］

んんーーー！！んっ、ん！んー！！


［やめろ離せって言いたいけど手を口から離せないから、意味にならない呻き声にしかならない。

必死で堪えてるのに、こいつは止める気配もないしたまに襲ってくるなんかが強くなりすぎてくるとちょっとだけ緩めて、少し落ち着いたらまたグリグリされるから終わらない］

［それだけでも必死なのに。こいつの指は俺の体を探って、ケツの穴を探し当てた。

知ってるよ、そこに突っ込むんだろ？って思うのに、こいつはモノじゃなくて、指を突っ込んできた。指はなんかを塗ってあるのか、いつもみたいな痛みを伴わない。

それが不思議で変な感じだとか思っていたら、奴の指に奥の方を探られた時になんかすっごいのがきた！

全身がビクッとなったし、声も出た］


……あ……？


［意味が分からなくて呆然としてたら、奴が今さっきのすっごいのをグリグリしてきたから、またビクビクなる。待て、ちょっと待て、ヤバいそれヤバいから止めろ！

って言いたいけど言えないまま、グリグリされ続ける］

　ひう、あっ、あ、んっ！んんー！！！！


[驚いて手を離してしまったけれど、慌ててまた押さえる。けど押さえても刺激は全然止まらなくて、だんだん声が大きくなってしまうから両手で口と鼻を両方押さえた。

声はさすがにくぐもって小さくなったけど息ができない、でも大声出すよりマシだからってそのまま押さえてたのに鼻を押さえてた手は奴にどけられた。


　耳元でなんか言ってるけど内容なんて理解できる訳がない、それより耳元に息がかかって、くすぐったいって思う筈なのに出てきた反応は背中全体を走るゾクゾクだった。え、なんで？分からない、俺の体どうなったんだこいつ俺に何したの？]

　や、こ、っれ、ダメ！！やめ


[足を閉じることもできないのに、ブツと穴と耳と全部が『　　　　　』


　『　　　　　』は俺が認められない感情だから、必死で否定するけど。だってここでそんなこと感じるなんてありえないだろう。だから必死で否定するのにどんどん湧いてきて、もうどうしたらいいのか分からないんだ]

[そんな俺の内なる戦いを嘲笑うみたいに。奴は今まで指と手のひらで触っていたそこを、あろうことか、舐めやがった！]　


　んんっっ！！！


[最初、確かめるみたいに。続いて遠慮もなくベロベロ舐めてくる。

　手でも大概だったのに、生ぬるくて生あったかい舌で舐められるのは、それだけで限界迎えそうだった。

ていうか、さっきから何回もなんかが出そうになってるけどそれも必死で堪えてるんだ。抑えようとはしてるけど声だって堪えきれてないのに、漏らすとか絶対嫌だし。けどそろそろそれも我慢しきれなくなりそうなのに、奴は口を離す気配もない]

[もはや前と後ろとどっちでビクビクなってんのか分からないけど、やつが指と舌で探るたびに全身が溶けるみたいに震えて]


　も……む、りぃ……っ


[力なく声を漏らして、同時に俺は全身震わせながらなんかを吐き出した]


　は……っん！


[頭がまっしろになる。すっげー全身が震えてたまらなく、あれだ。吐き出したのに、まだビクビクする。そこをまた舌を這わされて、またまっしろになった。すげー体が敏感になってるらしい]

　……、


[力が入らないから脱力してたら、やつが額に唇を近付けてきた。何するのかと視線だけで追っていたら、思い直したみたいに唇を離して、代わりに頭を撫でてくる。


　そういや、俺頭撫でられたことなんてあったっけ？よく覚えてないけど、なんかこれ安心する。

　目を閉じて撫でられるままにしてたら、手が離れていった。惜しいなぁ、俺疲れてるからこのまま眠れそうだったのに。けど腰を持ち上げられて、やつが何をしようとしてるのかを理解、できてしまった]

　ん。


[やんの、というのは声にならなかった。疲れてたし、こいつは外に出たいみたいだからさっさとやってしまいたいんだろう。その割になんか事前のが長かったけど。


　俺は痛いのが好きな訳じゃないけど、痛みには強いからこれからくるであろう痛みに備えてしっかりと口を閉じる。さっきのあの、まっしろになるやつ。あれよりもたぶんマシな筈なんだ、俺的には。だからきちんと備えていたのに、やつのさきっぽが体内に押し込まれて感じたのは、痛みじゃなかった]


　えっ。え、や、なにこれ……っ

[ずぶずぶ飲み込まされて、さっきなんか吐き出した時のみたいなまっしろになるやつ。あれだよ。だって俺まだ全身敏感なままだもん。吐き出したりはしなかったけど]



　──あっ、あ、だ、っめ……


[声だけで必死で否定するけど、抵抗にはならなかった。
　さきっぽ飲み込んで真っ白になって、ゆっくり突っ込まれてまたビクビクして。こいつがちょっとなんかするたびに全身甘いみたいな不思議な感覚に陥る。


　さっきは自分で泣いてるの分かってなかったけど、今は分かる。俺絶対泣いてる、ボロ泣きだ。


　入ってきて、出ていく。この一連の動きだけでももうものすっごいのに、一回じゃないんだ。一回されるだけで俺はビクビクしてて、これがなんなのか分からなくて混乱してたらそれはイクってことだって目の前のコイツに教えられた]

[全身力が入らないのに、こいつに突っ込まれてるとこだけ変に力が入ってて、ぎゅうってなるたびに頭の中までビリビリする。力を抜きたいのに抜けなくてつらい。耐えるために指を噛んだら、それも遠ざけられた。ひどくね？


　ゆっくりと全身揺さぶられながら宥めるみたいに撫でまわされて。びくっとなるたびにコイツの手が的確になる。

　もう声なんて抑えられてないけど。でもなんかそれどころじゃないから、俺は俺の声じゃないみたいなのをずっと垂れ流してた。




　ゆっくりゆっくりした動きだったから、だんだん俺は甘さを享受できるようになってった。

　そしたらやっと『きもちいい』を認められるようになってきたから、そろそろと、ちょっとだけ、甘い声をあげてみようか*]

　こんなふざけた部屋に二人きりで、
　バイブ持って男に声かけてさ、
　香菜はからかってるつもりでも、
　……抱くよ？


［玩具を握りしめた手を上から強く握ると
　電源を押したのだろう、
　ぶぶ、と低い唸りを上げて震えだした。

　ぐ、と更に体を引き寄せれば
　こちらも気の抜けた部屋着のこと、
　密着した腰が、既に昂った欲を伝えただろう。］

［彼女の方がいくらか背が低く、
　艶々しい髪が甘やかな香りを放つのをまともに吸い込んだ。

　幼い日にその髪に口づけたことを思い出せば
　どうしようもないほどの切なさと罪悪感に
　血の味を感じるほど強く唇を噛んだ。］

［そして、熱の篭った声が、あたしをなじる。
　言われた言葉がすんなり飲み込めなくて
　あたしはぽかん、と口を開けて……］


　　…………ッ、！


［今自分が魔法のステッキだと思ったものが
　淫具の類と気付いて、ぶわ、と総毛立つ。
　普通、思わないでしょ、こんな変な形で
　スイッチを入れれば蛇のように蠕動する、
　こんなのを、中に入れるの？
　でっぱり、二本あるよ？
　─────いや、でもそれはともかく。］


　　だ、い……


［だって、どうしようもなくその手は男の人の手で
　いつの間にかすっかり身長も体格も越され
　がっしりとした力と、バスローブ越しに伝わる
　腰の辺りに押し付けられた熱に
　あたしは初めて義哉くんに「雄」を見たの。

　小さい頃の綺麗な思い出には無かった、
　生々しいまでの、欲を。］

［あの時みたいに髪に口付けられて
　は、と唇の隙間から息が漏れる。

　漠然と、この熱をあたしの中に招いて
　とろとろと絡み合うのを想像したら
　ショートパンツの奥が、じゅん、と熱を持つ。

　いいよ、って期待を込めて
　伏したまつ毛をゆっくり瞬いた。
　まずその血の滲んだ唇を解こうと
　唇を寄せて─────

　なんて、結局頭に描いたけれど
　あたしの身体は、動かなかった。
　ただ、時間をかけた瞬きを、ひとつ。］

［取っかえ引っ変えされる女のひとりにもなれず
　このままこの部屋で二人。
　それでも恋の花のひとつも咲かせられない。

　そんな終わり方なんか嫌で、
　あたしは震えを殺した声で、問うの。］


　　ねえ、どうして、さっき
　　そのまま……抱い、てくれなかったの……

　　出られたかもしれないのに。


［そんなに、嫌なの？って。
　それとも、ほかに理由があるの？
　ベッドの上で緩やかに足を組み合わせて
　じっと彼の瞳を見つめて待つ。］*

[こいつの口から漏れる声はドライフルーツに合成甘味料ぶちまけたみたいに甘ったるくて、下手なおねだりより脳にクる。
しばらくこのまま泣かせ続けるのも悪くねーけど、そろそろ終わらせることも考えなきゃな]


　……キツかったら、噛みついてもいいぞ


[腰を持ち上げてより深く繋がっても、
目の前でだらだら涎を垂らすこいつのものとは違って、俺のちんこは平均的……だよな？こいつのが基準じゃねーよな？
ともかく、曲がり角なんてのはいけそうもない。

まあ、奥まで突っ込まなくてもこいつが快感を拾えたとこは見つかっているんだ。
ゆったりした出し入れから少し早めた動きも交えても、こいつの頭はともかく身体の反応は変則的な動きにもついてこれてるようだから、ぐぐっとこいつの弱いとこをぐりぐり押し込む動きも入れちまおう。

このまま終えるのがもったいなくもあるが、こいつの正気を焼ききりたいわけでもない。

イきそうになったら下手に勿体つけるつもりはな…………あ、せっかくだからお前はイくのちょっと待ってな？
こいつの根元をきゅっと掴んで、出すタイミングを少しだけ遅らせて、俺がイくのにあわせてちんこから手を離してやろう]

[ゴム越しの体内は名残惜しさを感じるが、イった後の虚脱感は俺を冷静にさせるから、大人しくこいつの中から引き上げさせるくらいはできるんだ。

身を引けば、ぐしゃぐしゃに泣いてるツラだって目に入っちまうもんだから]


　…………よしよし、頑張ったな


[なんて、撫でるくらいはやぶさかでもない。
目を細めて眠そうにするなら、眠るまで撫でるくらいはしてやろう。

なかなか楽しかったものだから、誉めるかわりにキスしてやりたいところだが、つくづくちんこを舐めたことが悔やまれる。
まあ、楽しくはあったんだがな！**]

　あ。んっ、んん……


[ゆるゆる揺さぶられる動きに合わせるみたいに開いた口からは声が漏れてた。腰を高く持ち上げられて角度が変わったら、また新しい『きもちいい』が……って、え？]


　ひ！あっふ、んん！！


[高く上げられた足をばたつかせるけどやっぱり逃げられそうにない。今までのゆっくりした動きから一転動きが早くなり、さらに深いとこを突かれるたびに、あの、まっしろなのがきそうになる]

　ああぁ、やっ、だっ、め！んん、


[必死で高い位置にある顔を見たら、なんかあいつも必死な顔してた。


　そっか、俺ひとりじゃないのか。なんてよく分からない納得をしてたら、ふらふらと振り回されてたそれがきゅっと握られる]

　んんん、あっあ、ん！


[焼き切る気がないなんて嘘だ、とっくに焼き切れてる。焼き切れてるからこれをきもちいって思ってしまってる筈なんだ、理性さえ戻ればきっと。


　そのはずなのに。


　やっとコトが終わったらしく、ヤツが俺のケツからモノを抜いた。俺は最後の最後のやつ、まっしろになるやつのいっちばんすっごいの、飲み込まれたまっしろの余韻で呆然としてたとこを


　頑張ったな、なんて言いながら頭を撫でてくるコイツに。


　ありえないけど、なんかすっかり安心してしまって、抱き寄せてきた体に身体を寄せて、安心して眠ってしまった。ふしぎ**]

　よし、じゃあ一回目俺がされたんだから、今度はお前が突っ込まれる側な！！！！


[超めいあん！！！みたいな顔して言ったら、こいつはどんな顔をするだろう。俺は自分のナニが恐怖を与えてたなんて知らないから、こいつだって最初は突っ込まれる側がいいって言ってたんだから了解するだろ、って気楽に思っていたんだ*]

［重ねた指のすべすべしい調子や
　指のはまるほどくびれた腹や、くるくると回る瞳の揺らぎに
　淫らな予兆を嗅ぎ取って、ますます猛りが昂った。

　このどこまでも清潔な香菜が
　幾枚もの皮にくるんで心の底に隠している欲念を
　自分の雄の力で掘り起こしてみたくてたまらなくなった。
　それを他の男に任せるのが妬ましくてたまらなくなった。

　長い髪に五本の指を挿し入れ、かき乱し、
　思いのままに彼女を揺さぶる様を夢見ながら
　つやつやしく光るその髪に口づけを落とす。
　すると熱い息吹で喉元を焙られて
　ますます彼女の胎の中に自らを捧げたくなる。

　喰われるのは自分かもしれないと茫洋とした頭で思った。］

［しかし香菜はやはり清潔で、
　淫らな予兆と感じたのは小泉の思い違いでしかなく、
　緊張と怯えによってすっかり体が固くなっている。
　視線が交錯することはなく、濡れたように輝くまつげが
　小さく、時間をかけて、揺れた。］

［静寂を打ち消したのは
　抑えていてもなお小さく震える言葉だった。

　問いかけはあまりにも予想外で
　虚を突かれてまともに見返すと
　小鹿のような、まつ毛の長い、形のいい目が、
　涙に美しく濡れて夕月のようにぽっかりと並んでいた。

　この上なく詩的な、霊的な一瞥を与えられれば
　己の浅はかな、臆病な胸の奥を丸裸にされてしまう。

　自分の拙い言葉でうまく伝えられるとは思えない。
　しかしその多恨なまなざしの前では
　堪忍して何もかもさらけ出すしかなかった。］

　……犯したく、なかったから


［ぽつんとこぼした言葉は、言い訳がましく響いた。］

　覚えてる？
　結婚したら、おいしいご飯毎日出してくれるっていう、あれ。
　子供の約束だから、香菜は忘れてるかもしれないけど。
　あの時のことを思い出して、想像したんだ。
　……きっと素敵な、幸せなお嫁さんになるって。
　なのに、その未来を、俺がこんな形で壊しちゃいけないと思った。

［「俺の」お嫁さんと言えるほどの図々しさも無ければ
「誰かの」と譲れるほど鷹揚でもない。

　仮に同室していたのが香菜ではなかったら
　軽い気持ちで行為に及んだかもしれない。
　何しろ出るにはしなければならないという
　大義名分があるのだから。

　だが、脱出手段として提示されていても
　香菜が相手だと、それを理由に抱くのは
　間違っている気がした。］

　出るためだったとしても、抱いたら戻れなくなる気がした。
　香菜から身を引くことなんてできる気がしなくて
　全部壊してしまいそうだった。
　……香菜にどれだけ大切な相手がいても。


［それが、香菜と誰かの心を
　五つにも六つにも引き裂く行為だとしても。

　本当に、踏みとどまれるぎりぎりのところだったのだ。
　情けない、醜悪な本質を告白しながら
　いたたまれなさに耐えきれず、「ごめん」と小さくつぶやいた。］**

［気付かなかった、って>>160言ってくれたら
　まだ穏やかにいられたかもしれない。

　あたしはその瞬間俯いて、
　ローブの腿の辺りにぽたり、と雫を落とす。
　じゃあ、どうして？って、
　沈黙の中で問いかけると
　長い沈黙の後、答えが返ってきた。

　意味を呑み込めないまま、もう一度瞬き。
　……そう、神社の奥であたし達は夫婦だった。
　偽物のご飯と偽物のベッド、
　摘んできた花で飾られた、ままごとの夫婦。
　でも、大きくなってみれば
　現実はそう上手くいかなくて。
　綺麗にお化粧する暇もなく働いて
　家に帰ればくたくたで。

　だから、義哉くんにも、もっと綺麗で
　美人な奥さんが出来るかも、って。
　でも彼が失恋報告に来る度に
　内心仄暗い喜びを覚えてしまう自分も嫌で。］

［話を謝罪で締めくくった義哉くんの手を引いて
　腰掛けたベッドの隣のスペースへと招く。
　大きくて、雄々しくて、だけども優しい体。

　そっと鎖骨から胸板まで手を当てて、滑らせる。
　鼓動は指先から伝わるかな。
　それとも、あたしの手が震えてるだけかな。］


　　あたしだって、覚えてる。
　　……あの時、シロツメクサとタンポポ摘んで
　　結婚式をしたのも、髪にしてくれたキスも
　　忘れた日なんか、ないの。


［むしろ、彼も覚えててくれたんだ、って
　それが少し嬉しくもあって。

　そんな「誰か」なんて何処にもいない。
　いるとしたらあなたがいい。
　そう、言いたい。
　けど、あたしはまた言葉を選ぶ。］

　　あたし、義哉くんになら、いいの。


［期待を込めた指先で、胸元から
　臍をなぞって、止める。
　ここまでして、もし彼の腕が
　あたしを押し倒しても
　あたしは決して「犯された」なんて思わない。］


　　……あたしはあんたしかいなくても
　　義哉くんには、もっと良い奥さんが
　　出来るかもしれないでしょ。
　　あたしも、その芽を摘んじゃうのが、怖くて。


［腿と腿が触れ合う。
　なんて固くて逞しい身体。
　誰にも渡したくない、って気持ちは
　まだ口には出せないけど。］

［男の身体は、引けば女の力でも
　後ろに倒せたりするだろうか。
　倒れてくれても、くれなくても、
　あたしはその身体を跨ぐ。
　バスローブの裾から素肌が覗くけど
　それをいちいち直すのももどかしい。］


　　……あげる。全部。


［あたしの気持ちも、身体も、将来も。
　安心させるように微笑んで
　そっと顎の輪郭を指でなぞったら
　初めて、男の人と唇を重ねたい。
　嫌なら、妥協を顎にひとつ。

　重力に従ってたゆん、と揺れる胸元を寄せて
　神社で見せたような、照れた笑いを見せようか。］*