人狼物語 三日月国


153 『Override Syndrome』

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視点:


一日目

村人:1名、念波之民:2名、囁き狂人:2名、黙狼:1名

【人】 ???



     その少女は佇む。

        まるで心を亡くした傀儡のように。


(0) 2022/06/11(Sat) 0:00:00
コミット要求:ON

【人】 内科医 カナ




   ここにいる人たちは皆
   努力の天才ってことだよね。


  [飲み込まない言葉はあなたとは真逆。
   理解とはかけ離れた羨望と、諦観。

   妬みはせず、ただ素晴らしいことと羨み
   自分には到底出来ないと太い線を引く。

   それはお金という要素に縛られず
   努力すればなんとかなるという綺麗事にすら
   翻弄され、負けた私だから言える戯言だ。]


(1) 2022/06/11(Sat) 12:55:04

【人】 内科医 カナ



  [一度欠けた歯は二度と戻らない。
   人体で唯一再生機能を持たない箇所、それが歯。
   誰だって一度は耳にする話。

   一度銀に覆われれば異物に黒ずみ、
   不格好なセラミックを詰め込めば
   見せかけの咀嚼機能を無理矢理引っ張り出すだけ。

   一度失ったら、その痛みが消えることは無い。]



(2) 2022/06/11(Sat) 12:55:42

【人】 内科医 カナ



  [それは心にも言えること。
   一度欠けた心は不格好な嘘の楽園エデン
   埋めてしまっても元に戻ることなんて無い。


   かろうじて取り戻せるのは、
   精神という不安定な咀嚼機能だけなのに。


        それでも人は、選んでしまう。>>0:127



(3) 2022/06/11(Sat) 12:56:52

【人】 内科医 カナ



  [今にして思えば、あなたのその人間らしさが
   私にとってはどうしようもないくらい魅力的で
   あなたの事だけは忘れないと、そう確信したの。


         向けられた強い嫉妬は>>0:129
         運良く恵まれただけの私に
         W意味Wを与えてくれるのだから。]



(4) 2022/06/11(Sat) 12:59:57

【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ



  [私が持ちえない優秀さを持つあなたに
   嫉妬という感情を向けられるくらいに
   私の幸福には、意味が、ある。


         あなたの解釈>>0:130
         私をそよ風から暴風雨に変える。]


(-0) 2022/06/11(Sat) 13:01:12

【人】 内科医 カナ



   謙遜だなんてそんな。

   それなら、あなたが気になって
   お近付きになろうとしたって


         そう言えば、信じられる?


(5) 2022/06/11(Sat) 13:01:56

【人】 内科医 カナ



  [謙遜と嫌味を考える猜疑心の強さは
   努力を重ねられた人ほど強くなる。

   たとえば、努力を重ねて栄光を掴み取った画家が
   才能の一言で片付けられる話は珍しくない。

   それの延長線は、末端の凡人私達にも及んで
   その結果が幾許の沈黙だった。>>0:131

   それを最初に破ったのも、あなただったけれど。



(6) 2022/06/11(Sat) 13:02:45

【人】 内科医 カナ


  [瞳を交わせばその表情の意味が分からず首を傾げて。
   頭に浮かんだ疑問符を頭の片隅に追いやると。]


   そうそう。
   認知の違いで心に与える影響も変わるって
   心理学でも言われてるみたいだよ?


  [だから物事は嫌でも肯定的に捉えてる方がいい。
   その方が心が背負う傷が限りなく浅く済むから。
   だから私はたしかに...幸せものだと思う。>>0:132


   だから私は否定はせずに、頷いてみせるのだ。]


(7) 2022/06/11(Sat) 13:04:17

【人】 内科医 カナ



  [傍から見たらなんとも変な会話だろう。
   しかし周りの人間もそこまで暇じゃないし
   この会話は誰にも聞かれていない、はず。

   そうして周囲を見渡す視線を
   再び彼の元に戻したのは
   紙の束が整う音が聞こえてきたから。

   それがなんなのか、
   この学部に通っていれば、見ただけで分かる。]



(8) 2022/06/11(Sat) 13:05:57

【人】 内科医 カナ



  [大学に通っている最中の栄誉は
   この紙の束に全てが込められている。

   レポートなんて作文とは違う
   新たな発見を元に作られる、論文。

   興味がないと言えば嘘になる。
   文字にはその人の世界が映る。
   それは小説でも、論文でも、変わらないから。



(9) 2022/06/11(Sat) 13:06:53

【人】 内科医 カナ



   そう。
   それなら、後で聞かせて欲しいな。
   論文で何を書いたのか。

   ふふ、ナンパ、そうね、その通り。
   楽しみにしてる。


  [ジョークと思って私は小さく笑うと
   この後のスケジュールを埋めて。

   彼からの吉報を待つことにしたのだった。]*


(10) 2022/06/11(Sat) 13:07:49

【人】 医者 サキ

 
[ 真の字は眞。
  真っ直ぐ、や、まこと
  良い意味ばかりにも見えるけれど

  
死者
を表す……
  ので名付けには不向きだなんて一説もある。

  亜の字の2番目、というのは
  そもそもが土台という意味を持つからだという。
  一番でない、以上は
  悪い意味に捉えられてしまうこともあるが──

  
土台無しには何も建てられない。

  聖人に次ぐ賢人を表す時に
  使われる字であるほどの良い字とも言われる。
  

     ────結局は本人の捉え方でしかないんだろう、
                漢字の由来なんてものはね。 ]

 
(11) 2022/06/11(Sat) 15:29:01

【人】 医者 サキ

 
[ 環境以外の生き方を決めるのは自分だ
  わかってる。

  早く希望が咲きますように。
  咲いたきぼうは、いずれ枯れ落ちる。


  俺の希望は咲き終えてしまったんだろう
  枯れて、誰かの養分になるしか出来ない

  由来も、生き方も、思い方次第だと
  理解っていても、そう思わずにはいられない


              だから何事にも、─── ]

 
(12) 2022/06/11(Sat) 15:29:07

【赤】 医者 サキ

 
[ ───兄が失敗したのは、俺が高校入学を決めた年。

  二度目、落ちて、三度目も、落ちて
  荒れ狂う海のような家庭で、3年を過ごした

  俺は初めて、兄は4度目の大学受験。

  この状況で凡人が勉強になど
  集中出来るはずもなく、成績は下がる一方。
  まだギリギリ合格ラインだった
  底辺に近い私立医大を、兄と受けた。


  結果。 ]

 
(*0) 2022/06/11(Sat) 15:29:15

【赤】 医者 サキ


[  合格切符を手にしたのは、俺だけだった。  ]

 
(*1) 2022/06/11(Sat) 15:29:19

【独】 医者 サキ


             [ でも、俺は選ばれなかった ]

 
(-1) 2022/06/11(Sat) 15:29:22

【人】 医者 サキ

 
[ ───目を瞑る。


  己の口から出た言の刃が、
  誰かの人生を狂わせる事を知っているから

  
  現実の幸福を手にできるなら、
  どんな形であれそれはきっと
正解
だから



  兄と俺が受験した大学受験の合格発表日、
  俺だけが先ゆく船に乗り
  絶望の底なし沼に沈んでいく1人の傍らで
  もう1人、きぼうの沼へと沈んでいく人がいた。 ]
 
(13) 2022/06/11(Sat) 15:29:27

【人】 医者 サキ

 
 『 ───おめでとう──おめでとう、

      頑張ったわね───信じてたわ──!! 』


 
(14) 2022/06/11(Sat) 15:29:31

【人】 医者 サキ

 
[ 難関大学に子どもが合格した体験を
  狂ったように聞き続けている。

  聞き続けている。

  聞き続けている。

  聞き続けている。

  聞き続けている。

  聞き続けている。



  指定感染症:
Override Syndrome


  Project Override発足に伴い
  誕生したエデンの使用により
  発症する
奇病楽園依存



  発症したのは、
  誰よりも、兄の合格を願い
  支え 荒くれの的になってきた母。

  既に依存状態に陥っていた母を治そうにも、
  俺の合格くすりだけでは足りなかったんだ。 ] 

 
(15) 2022/06/11(Sat) 15:29:37

【秘】 医者 サキ → 女子大生 マユミ


[ 名声の芳香なき英雄は英雄に足らず。

  黙っているに越したことはない。
  俺は己が無力であることを何より知っている。 ]

 
(-2) 2022/06/11(Sat) 15:29:43

【人】 医者 サキ



   
火事!?
…それは…大変だったね
   怪我してるし、良かったと言っちゃなんだけどさ……
   それでも、命が無事で良かった、


[ 普段は上げないような声をあげて
  ばくばくと揺れる心臓を抑えるように呼吸をする。

  火事。ニュースでやっていたか、ここの近くはないが
  死者もいる大きな火事があったと記憶していた。

  だから、生きていてよかった、と。
  咄嗟に出たのはそんなセリフで

  大病院を退院してきて、
  距離のあるここへ通い直しだなんて
  マユミにしては珍しい行動だけれど、
  家が燃えたとなれば
  必然と実家に戻っているのだろうと、
  この時は気にも留めなかった。

  突然やってきた混乱と安堵。
  アユミのことを聞くタイミングは逃してしまい、
  以降半年、未だに聞けないままでいる。 ]

 
(16) 2022/06/11(Sat) 15:29:48

【秘】 医者 サキ → 女子大生 マユミ

 
[ 神に助けたいと思われるには
  一片の慈悲が必要だ。

  蜘蛛の糸はその日吊り下がったんだろう。

  登った君が途中で抱いたのは、邪念か──さて、 ]*

 
(-3) 2022/06/11(Sat) 15:29:53

【人】 医者 サキ

 
[ 半年も経てば新しい家も見つかるだろう。
  大学だって授業を待ってはくれないはずだ。

  通院の度に嵩む違和感は、
  以前のマユミを思い出させる真結実とは裏腹に
  そろそろ限度を迎える頃か。


  けれど今は、特段変わりなく。 ]


   まだ履ける歳のうちには治るから安心して。
   …っていっても大学でミニスカートっていうと、
   結構目立たない?ユミちゃんなら要らない心配かな。

   うん、依存も怖いからね。

   そしたら今日はこれで、終わりにしよっか…
   あ、ちょっと待って。


[ 話しながらに情報をPCに打ち終えれば、
  何か思い出したような表情の後
  机の引き出しを開けて。

  特に何も書かれていない白の横開き封筒を
  取り出すと彼女に向かって差し出した。 ]
 
(17) 2022/06/11(Sat) 15:29:59

【人】 医者 サキ



   商店街の福引で当たったって
   患者さんに貰ったんだけどさ、
   俺一緒に行く人いないし。

   ユミちゃんにあげるよ


[ 封筒の中身は某鼠ランドのペアチケット。

  日付指定は無かったし、
  1年も期間があれば花盛りの大学生なら
  無駄になることはないだろう。

  ついでに恋人と行くと別れるっていうしな、
  友達と行くのをオススメしておく。
  的確な老婆心は実体験からだとは
  口が裂けても言わないが。 ]**
(18) 2022/06/11(Sat) 15:30:09
医者 サキは、メモを貼った。
(a0) 2022/06/11(Sat) 15:32:19

【独】 医者 サキ

/*
は〜〜〜〜お前と言うやつはどうしてこんなに筆が…遅…………
私の頭が悪すぎて拾えてる気がしないんよ……アルトさんの想定とがばってたら申し訳ない 遅いし(ほんと)
(-4) 2022/06/11(Sat) 15:36:12

【独】 医者 サキ

/*
毎度賢いものがかえってくるので、賢いものを返そうとするんですけど、かしこさがたりない

今回ソクラテスばっかりみてるんですけどね
嘘はいつまでも続かない
みただけでかしこくなれるなら苦労は無いのだ すいを
(-5) 2022/06/11(Sat) 15:41:24

【独】 女子大生 マユミ

/*
先生、ちゃんとご飯届いたのかな?
待たせてるとか気にしないで、リアル大事に生きて欲しい。
言葉選びが秀逸で、本当に私が1書いたら、
100返ってきますよね。(ロルのクオリティの話です)
(-6) 2022/06/11(Sat) 16:31:35

【人】 女子大生 マユミ



          
 
 
椿
 
 
 
 

      
   は 
 は 
 は は は
      
   舞 は 落 は 零 散 枯
       
    う 萎 ち 崩 れ る れ
       
      む る れ る   る
       
          る
      

      


(19) 2022/06/11(Sat) 20:36:20

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 生きとし生けるものは、いずれ死ぬ定めであるけれど、
  それが花ならばどうだろうか。
           確かに花もいつか必ず枯れるもの。
           けれど―――……。



  
この国を象徴する花、

  
桜は散る姿が兎角美しいと言われている。

  
でも桜の命は、花と共に散り落ちるものではない。

  
花が散ったその後に若葉が芽吹き、命は続く。

  
寧ろ、青々と茂る葉にこそ、生命力の豊かさを見る。


  だから花が散ってしまえば、希望も絶えたと思うのは、
  早計だとは思いませんか? ]
 
(20) 2022/06/11(Sat) 20:37:06

【秘】 女子大生 マユミ → 医者 サキ

 
[ 能ある鷹は爪を隠すとはよく言ったもので、
  爪を秘めたまま終わり、
  名の残らなかった英雄のなんと多い事か。


  そもそも英雄譚なんて、その殆どが捏造エンタメでしょう? ]

 
(-7) 2022/06/11(Sat) 20:38:12

【人】 女子大生 マユミ



   マンション火災、住人と思われる3名死亡



    警視庁によると、×月×日の午前3時20分ごろ、
    7階建てのマンションが燃えていると
    消防に通報があった。
    火はおよそ5時間後に消し止められたものの、
    マンションはほぼ全焼の状態。

    年齢、性別共に不明の3人の遺体が発見され、
    警察は住人とみて身元確認を急いでいる。


(21) 2022/06/11(Sat) 20:39:31

【赤】 女子大生 マユミ

 
[ パチパチと火が爆ぜる音に、視界を蹂躙する赤。
  燃え盛る棚の下敷きになって、呻く妹。
  私はただただ脚を震わせて、
  何をすることもなく絶望的な光景を見下ろしていた。



      「何してんの!?……早く逃げなさいよ。
       アンタがそこでじっとしてたって、
       何にもならないじゃない!
       さっさと逃げて、助けでも呼んできなさいよ」


  じわじわと後退る。確かに、真結実の言う通りだ。
  それでもすぐに体は言う事を聞かなくて、
  ぼろぼろ涙を零して、少しずつでも足を動かす。
  やっと背を向けることが出来たその時に、
  私の耳は最期の言葉を拾った。 ]

 
(*2) 2022/06/11(Sat) 20:40:29

【赤】 女子大生 マユミ

 
 
 
「もしダメだったらさ、アタシの分もちゃんと生きなさいよ」

 
 
(*3) 2022/06/11(Sat) 20:41:16

【赤】 女子大生 マユミ

 
[ "真結実の分もちゃんと生きる"
  その言葉の意味が、これだなんて私だって思っていない。
  でも、これまでちゃんと生きてきたとは
  到底思えない私は、
  "真結実のような生き方"しか、
  ちゃんとした生き方を知らなかった。


  ニュースや新聞で報じられたとおり、
  遺体の損傷は激しく、双子のどちらか所か、
  性別や年齢を判別するのも困難な有様であったらしい。

  亜結実なのか真結実なのか、
  判断する材料がもう私の自己申告しかなかったから。
  私の一世一代の嘘は、
  あっさりと受理されてしまった。>>0:37 ]

 
(*4) 2022/06/11(Sat) 20:42:17

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 先生の推測通り、>>16
  全焼したマンションに住むことは出来ないから、
  実家に戻って生活をしていた。
  元々大学に通えない距離ではなかったのだし、
  またこんなことになって
  娘を失う訳にはいかないからと、
  その後、新たに部屋を探すことを両親は許さなかった。
  私自身も、そんな気にはなれなかったしね。



  先生に亜結実わたしのことを聞かれることはなかった。
  それは先生なりの辛いことを
  思い出させないようにという
  配慮だったのかもしれない。

  それでも引越した後も足繫く通っていた、
  "亜結実"のことを一度も聞かれないなんて……。
      
少しだけ、身勝手で見当違いな事も考えたわ。 ]

 
(22) 2022/06/11(Sat) 20:43:05

【秘】 女子大生 マユミ → 医者 サキ

 
 
 
 
 
     [ これは"真結実いもうと"の方が望まれているという
                証左なのではないかと。 ]

 
(-8) 2022/06/11(Sat) 20:43:33

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 言い訳にしようというつもりではなく、
  これは極めて純粋な自虐心。


  世界にとって真と亜のどちらが有益かなんて、
  聞くまでもない愚問だって、ちゃんと弁えている。 ]*

 
(23) 2022/06/11(Sat) 20:44:19

【独】 医者 サキ

/*
>>*3 ま、まゆみ〜!!!!!!!!!
(-9) 2022/06/11(Sat) 20:45:26

【人】 女子大生 マユミ

 
[ バイトも火事を切っ掛けに辞めて、
  最近は大学に通う頻度もかなり上がってきた。
  通学という点においては、
  もう問題なく復旧できたと言って良いだろう。

  "真結実"として生きることにも大分慣れてきた
                  ……と思う。 ]



   ほんと?それなら良かった。>>17
   まぁ、それなりには目立つかもしれないけどさ、
   大胆なファッションなの
   アタシだけって訳じゃないし。


       [ 掴んでいたスカートから手を離し、
         捲っていたブラウスの袖も元に戻す。 ]
 
(24) 2022/06/11(Sat) 20:45:47

【人】 女子大生 マユミ

 
 
   いーの?>>18
   つか先生、一緒に行く人いないって嘘でしょ!?
   お医者さんってだけでも既に、
   女子はほっとかないと思うんだけど。


[ 嘗て真結実と、"病院の跡取り"なんて、
  女性看護師の格好のターゲットだなんて
  話していたのを思い出す。>>0:111
  素人に医者としての技量なんて分かりっこないけれど、
  悪い噂も聞いたことは無いし、
  男としての度量が量れるほど親しくはなくても、
  十分好青年であろうことは伝わってくる。
  ジンクスに負けたとは知らぬこと。 ]

 
(25) 2022/06/11(Sat) 20:46:51

【人】 女子大生 マユミ

 
 
   ありがと。
   友達と行って、先生にお土産買ってくるね!


[ 贈った人のことを考えると、それで良いのかしら?
  と思ったけれど、真結実なら素直に受け取るだろうから
  その思考をなぞって答えを出す。
  真結実は勿論友達には不自由していないけれど、
  これはペアチケット……。
  誘う相手が一人だけとなると、結構気を遣うもので。


  ……未だに真結実アタシの部屋の机の引き出しに、
  鼠ランドのペアチケットの入った封筒は眠っている。]**

 
(26) 2022/06/11(Sat) 20:47:55
女子大生 マユミは、メモを貼った。
(a1) 2022/06/11(Sat) 20:54:44

【独】 医者 サキ

/*
>>19 >>20 ここアユミだな〜〜〜〜〜好きです
(まだ着席出来てないの



次…これは次がある…のか…?とりあえず続き書こうかな
(-10) 2022/06/11(Sat) 22:17:57

【独】 医者 サキ

/*
せんせがモテない理由は…ってかこうと思ったけどこれは表で書くやつですね
(-11) 2022/06/11(Sat) 22:18:37

【人】 会社員 ツグアキ


[ ぞわり。
  背を蟲が這う。

  再生能力を持たない歯が
  奥のほうでみし、と軋む。
  奥歯の音に共鳴する。
  ぴしりと心にヒビが入るような。


  やめて、こわさないで
  おれがてにいれたものまでうばわないで。
  しあわせなひとのてでさわらないで。
  まやかしのらくえんエデン
 ]
 
(27) 2022/06/12(Sun) 6:00:14

【人】 会社員 ツグアキ


[ 総じて人の心などわかりようがないけれど
  もっと素直に、人生や人間に対して
  無防備に笑える生き方をしていれば
  少しは違ったと思う。

  少なくとも彼女が考えていることが
  妬みではなく単純な羨みであり
  僅かでもそこに敬意の類いが含まれていると
  好意的に受け止められたかも知れない。>>1

  人間らしい、という言葉から
  己は対極にいると思っていた。
  あなたが俺に対して思ってくれていた感情を>>4
  知る由も無く、知る術も無く、   ]
 
(28) 2022/06/12(Sun) 6:02:16

【秘】 会社員 ツグアキ → 内科医 カナ




   ───……知って、いたら、さ。



 
(-12) 2022/06/12(Sun) 6:02:58

【人】 会社員 ツグアキ



   やめてください、
   信じませんよ、そんなこと。>>5


[ 耐えきれず、ぶは、と吹き出した。
  良いなぁ。
  自分の容姿や身上が平均値以上だと
  自覚しているから口に出来る台詞。 ]
 
(29) 2022/06/12(Sun) 6:04:07

【人】 会社員 ツグアキ



   あなたみたいに綺麗な方が
   俺みたいに勉強しか取り柄のない男と
   お近づきになるメリットなんて
   俺には思いもつかないですよ?


[ からからと爽やかに笑ってみせる。
  込み上げる笑みは、本物だった。
  だって、初恋が実った日の幸福体験を
  書き込んだどこかの誰かと
  こんなに似ているなんて。

  ───こんなに別次元のものなのに。
 ]
 
(30) 2022/06/12(Sun) 6:05:43

【人】 会社員 ツグアキ




  ああ、続きを早く
   早く、早く、聞かせて。

     早く、早く、早く。



 
(31) 2022/06/12(Sun) 6:06:35

【人】 会社員 ツグアキ


[ こんなに様々な面において文明は進化しているのに
  なんで未だに論文は紙で提出なんだろうな。
  馬鹿馬鹿しい、と思いつつ
  整える束が微かに震えているのを感じていた。

  堅苦しい文字が蚓のようにのたくっている
  紙の束の表面
  『腎臓内における神経の走行について』
  なんていう仰々しいタイトルは
  あなたの目に映ることがあったか。
  脳へ記憶されただろうか。 ]


   ……そうだな
   次は俺からナンパするよ。
 
(32) 2022/06/12(Sun) 6:08:05

【人】 会社員 ツグアキ


[ 一応ね、弁解しておくとその約束を
  きちんと守るつもりはあったんだ。

  命を削って書き上げた論文が
  理事長のご子息様の名で大々的に
  発表されるのはすぐのことで。

  そうだな、残念だったよ
  ……ナンパ出来なくなったこと。

  各方面からの良い評価を
  作者では無い"持ち得る者"である
  お坊ちゃんが得た事実は、
  あなたの耳にも届いただろうか。

  その時俺の姿はもう学校には
  なかったかも知れないけれど。 ]
 
(33) 2022/06/12(Sun) 6:10:52

【秘】 会社員 ツグアキ → 内科医 カナ



[ 不思議なことにね古森さん。
  呆然と荷物を整える最中、
  ああそういえばコーヒーくらい
  飲んどけばよかったな、なんて

  下卑たことを思って虚に笑ったんだ。 ]

 
(-13) 2022/06/12(Sun) 6:12:08

【秘】 会社員 ツグアキ → 内科医 カナ


[ それくらいには
  すでに俺の精神は
  戻らない歯と同じだったのだろうか。>>2

  不安定な咀嚼機能の音が>>3
  ざりざりと脳を侵食するかのように聞こえていた。 ]

 
(-14) 2022/06/12(Sun) 6:13:42

【人】 会社員 ツグアキ

***

  『ストレスチェック……重大な症状が
   潜んでいる可能性があります。
   速やかに専門医の診断を受けましょう。』


[ 机の上で紙がかさりと音を立てる。
  職場の健康診断の結果をもらった時は驚いた。
  まじまじと穴が開くほど見つめ
  可笑しいな、ストレスなんて
  あるはずないのに、と笑った。

  きちんと緩やかな位置に固められた口角は
  そのままに、指定された病院の
  予約時間を確認して、笑ったままため息を吐く。 ]
 
(34) 2022/06/12(Sun) 6:15:34

【人】 会社員 ツグアキ


[ 気づけば外はいつのまにか日が傾いて
  電気もつけずに狭い部屋で一人
  イヤホンを耳に、借り物の幸福に揺蕩っていた。

  耳の上から宝物のように両手で大事に
  覆い包み込んで、目を閉じる。
  空腹感もあまり感じない。
  食事を摂ったのはいつだったっけ。

  立ち上がるのもめんどくさい。
  歩くことも面倒なのに、
  指示されたことに背くことも面倒で、
  ノロノロと病院へ向かう。

  病院なんて
  一番、行きたくないのにな。  ]
 
(35) 2022/06/12(Sun) 6:17:28

【人】 会社員 ツグアキ



[ 医者になりたいと願って
  掴みかけた幸福のこと、思い出してしまう。

  まさか、そこで
  ナンパの続きが、

  時を経て不意にやってくることになるなんて。
 ]**

 
(36) 2022/06/12(Sun) 6:19:40

【独】 医者 サキ

/*
上手く返せなくてずっとわからんなあ…てしてる((
(-15) 2022/06/12(Sun) 13:48:07

【人】 医者 サキ

 

[ 母を助けることが出来なかった。

  形だけは一人前に医者になり
  ただ1人治すことの出来なかった
  患者のことを、ずっと引きずっている。

  希望は咲き終えた。
  そうだな、きっと、花じゃなかったんだ。
  土壌が腐って、内側から蝕まれて、枯れた。

  この大地に木が植わることはもうない。
  …ない、はずだ。 ]

 
(37) 2022/06/12(Sun) 15:35:53

【人】 医者 サキ


[ 俺はいつもアユミに聞いていた。
  「二人とも元気にしてるか」と。

  俺がマユミに聞くことはなかった。
  「二人とも元気にしてるか」なんて。 ]

 
(38) 2022/06/12(Sun) 15:36:26

【赤】 医者 サキ


[ 半年間、聞けなかった。
  でも、船越亜結実の死は、知ってしまった。

  それはここ数月前のこと。 ]

 
(*5) 2022/06/12(Sun) 15:37:13

【人】 医者 サキ


[ 世間に死の烙印を押されたのは船越亜結実。
  今ここで息をし話しているのは船越真結実。

  俺が理解るのはそれだけだ。
  傷を抉らないように、触れないように。
  聞くことがなかったのは、聞けなかったのは、
  隠れているほんとうなど知りたくはなかったから。


      その命に優劣も望みもありはしないのに。 ]

 
(39) 2022/06/12(Sun) 15:37:50

【人】 医者 サキ



   うーん……まあ、
ほら、

   個人経営の医者なんて忙しいしさ、
   すぐフラれちゃうんだよ

   いいのいいの。
   使って貰えた方がチケットも報われるだろ


[ 歯切れ悪く、適当な理由を1つ述べる。
  最後はけらけら、笑って受け取るのを眺めていた。

  実際の理由なんて次男だから、
  面倒な嫡男がいるから、
  メリットが見合ってないから、
  上げだしたらきりが無い。


  ゆらり、心で黒いものがもやつく。
  診療時間が終わりかけていることを指す
  時計を見やると、また口角を上げた。 ]
 
(40) 2022/06/12(Sun) 15:38:24

【人】 医者 サキ



   おー、楽しみに待ってるよ
   無理しないでな、お大事に。


[ 友達と行く、もお土産を買ってくる、も
  消化されることがないとは、知らず。


  ひらひら、手を振って見送った。

  次に来た時だって、つけ込む気はなかったさ
  今のまま、いてくれたのなら
  それでよかった。

  想像するはずも無い。
  日常は続かないだなんて、そんなこと。 ]**

 
(41) 2022/06/12(Sun) 15:39:17

【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ



   心の内を知っていればなにか変わった?


      そんなこともう、誰にだって分からないよ。



(-16) 2022/06/12(Sun) 18:39:45

【人】 内科医 カナ



  [やっぱり信じてはくれないらしい。>>29
   しかも得は思いつかないとまで言い切られる。
   決して間違っているとも言い切り難い損得勘定は
   卑屈という感情を正確に体現していたから。>>30


   損と得だけで動けるほど私は賢くないよ。

   でも強いて言うなら...
   興味を持った人と話が出来るのなら
   それだけで得になるものじゃないかな?


  [得がないといえば嘘になるけれど
   それが全てというのは全くの嘘。

   でもそう、あなたに嘘をついても
   きっとバレるって直感が警笛を鳴らすから
   思うことは正直に伝えるようにと決めて。

   見えた黙示録とあなたのお誘いに>>32
   この話の続きを、
期待を胸に待ち焦がれた。


   
(42) 2022/06/12(Sun) 18:40:34

【人】 内科医 カナ




   早く聞かせてほしい。
>>31


      抱く言葉は同じなのに。感情は同じなのに。
      孕む意味はまるで違くて。

      背負う痛みも、失う苦しみも
      なにもかもが違う神経刺激。


      
(43) 2022/06/12(Sun) 18:42:06

【人】 内科医 カナ




        けれど期待は期待のまま。
        腎臓の中に流れ込み、老廃していく。



(44) 2022/06/12(Sun) 18:43:47

【人】 内科医 カナ



     言葉はシナプスに過ぎず


         私たちが分かり合える日は─── **



(45) 2022/06/12(Sun) 18:44:46

【人】 内科医 カナ



      ───『光の丘診療所』───


(46) 2022/06/12(Sun) 18:47:34

【人】 内科医 カナ




      お大事にしてください。


(47) 2022/06/12(Sun) 18:49:09

【人】 内科医 カナ



  [『光の丘診療所』の院長、古森 佳奈。
   Override Syndrome流行に伴って
   入院設備もある特殊な心療内科。

   今日、私はまたいつものように
   訪れた患者達に手を差し伸べている。>>045

   大学での勉強の末に医師国家試験を突破し
   医者になって数年、そろそろ板についてきたころ。


   太陽が休暇を求め沈み始めた時。
   次の診察の時間の隙間ができると、>>35
   私は身体を休めるようにホットティーの
   カップを両手で持ちながら外を眺めていた。]


(48) 2022/06/12(Sun) 18:50:02

【人】 内科医 カナ



  [ちゃんと約束した予定じゃないけれど
   それでも私にとっては大切な予定だった。

   彼の努力の結晶に触れる時間
   その精製に至るための苦悩

   聞きたいことは山ほどあるし
   話してみたい話題も山ほどある。

   だから私はあの日、講義が全て終わって
   彼が私の元へ来てくれることを
   待って、待ち続けて。最後には探して。


              その未来を見失った。]

   

(49) 2022/06/12(Sun) 18:51:49

【人】 内科医 カナ



  [あなたの身になにがあったのか。

   その日の夕方に見た大学の広報に載った
   『腎臓内における神経の走行について』
   という論文のタイトルと学会発表の予定日。

   どこにも見当たらない研究者の名前


              それが、答えの全て。]

   
(50) 2022/06/12(Sun) 18:53:50

【人】 内科医 カナ



   どこにも無い『佐々岡 嗣朗』の名前

   
   嘲笑うように記された、
   私と同族の腐ったお坊ちゃまの名前


   
(51) 2022/06/12(Sun) 18:54:52

【人】 内科医 カナ



   あの時、生まれて初めて
   他人に
怒り
を感じたの。


         許せなかった。


            本当に、許せなかった。



(52) 2022/06/12(Sun) 18:56:50

【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ




   私に特別な安寧をくれる
   そんなあなたの存在意義を奪われて


        一番困るW他人Wは、私だもの。



(-17) 2022/06/12(Sun) 18:58:20

【人】 内科医 カナ



  [不意に目線は机の天板へと向かう。
   そこにあったのは私が卒業した来年に発行された
   学会が監修する学術誌。

   私が卒業時に書いた論文は今もここに掲載され
   当然引用された論文だって書かれている。]


   『精神障害における腎機能の症状と
        神経伝達機能との因果関係』



  [この研究だってヒントを貰ったのはあなたの論文。
   けれどその栄光はハリボテのお坊ちゃまに向けられ
   本当に栄誉を受けるべき人は消えたまま。]


(53) 2022/06/12(Sun) 18:59:26

【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ




    お坊ちゃまの名前、なんだったっけ。
    ううん。そんなどうでもいいこと、覚えてない。

    私が持つこの1冊にだけは、
    ちゃんと手書きで書いているの。

    黒く塗りつぶされた名前の横に、あなたの名前が。


(-18) 2022/06/12(Sun) 19:02:41

【人】 内科医 カナ



  [あの論文の研究者名を黒で塗りつぶしたページを
   開いたまま机に置き直すと
   新人の看護婦の子に声をかけて。]


   次の方が今日の最後の診察です。
   
   適宜休憩しつつ、入院されている
   患者さんの様子を診ておいてください。

   
  [Override Syndromeの重症化に苦しむ患者達の
   様子を案じなが指示を出すと、予約されていた
   患者の名前を確認して目を丸くするのだった。]**


(54) 2022/06/12(Sun) 19:06:13

【念】 内科医 カナ




   『佐々岡さん』


      あなたが受付を済ませていたのなら
      私はきっと扉を開いてあなたを呼ぶの。*


(!0) 2022/06/12(Sun) 19:08:11

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 診察が終わって帰宅をすれば、真っ先にスマホを見た。
  今日、友達と行った、気になっていたカフェ。>>0:34
  SNSに上げた、オープンサンドのランチプレート。
  "亜結実"のアカウントに同じ写真を載せた時と、
  ファボの数は一桁違う。


  
……でも、"真結実"にしては、明確に少ない。 ]

 
(55) 2022/06/12(Sun) 19:22:01

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 火事以降、暫くこのアカウントは放置状態だったから、
  単純にその間にフォロワーが減っている
  というのも勿論ある。
  それでも、私がこのアカウントを引き継いで
  定期的に投稿をしても、
  フォロワー数やファボの数は緩やかに減少していった。


  それが全てではないと分かっていても、
  それこそが真と亜の力量の差なのだと、
  突きつけられているようで……。
  
付け焼刃の努力など、しょせんこんなもの。 ]

 
(56) 2022/06/12(Sun) 19:22:38

【人】 女子大生 マユミ

 
[ きらきらした、幸せな、
  ちゃんとした人生を引き継いだはずだった。
  "船越真結実"は、今もこの世界に生きている。
  私がその名を引き継ぐことで、
  一縷の希望を現実に結び付けたつもりだった。

  ……厚顔無恥にもほどがある。
  この体たらくはなんだ?
  SNS上ですら、きらきら女子大生を維持できていない。 ]

 
(57) 2022/06/12(Sun) 19:23:14

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 先生から貰った、チケットの入った封筒。>>18
  開けて中身を確認する。
  勿論、ちゃんと鼠ランドのペアチケットが入っている。

  先生は友人と行くことを勧めた。
  恋人と行くと別れるというジンクスがあることは、
  私も知っている。
信憑性はあまりないと思っているけれど。


  言われなくても、慶人を誘おうとは思わなかっただろう。
  火事から半年経過した今、
  彼との間柄は非常に微妙なものへと変わっていた。 ]

 
(58) 2022/06/12(Sun) 19:23:52

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 法学部のイケメン彼氏の存在、
  私だって羨ましいと思わなかった訳ではない。
  "亜結実"であったときは、口をきいたこともなかったが、
  二人の仲睦まじい様子は、何度も目にしてきた。


  彼は顔だけが良い男ではなく、
  人柄も信用に足る人物だと、実際接してみてよく分かった。
  辛い思いをしたからと、煮え切らない態度の私に対して、
  不満を露わにすることなんて一度もなかった。

            「いずれ迷いもきっと晴れるから、
             それまでずっと傍にいる」


  そう言って私の心を支えようとしてくれた。


          
……恋人に成りすます詐欺師相手に。 ]

 
(59) 2022/06/12(Sun) 19:25:08

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
 
 
           
[ その優しさが、私は怖かった。 ]

 
(60) 2022/06/12(Sun) 19:25:26

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 抱きしめられれば、体は震え。
  唇を寄せられれば、涙が滲んだ。


  そんなに近づかれたら―――……
見破られてしまう!
 ]

 
(61) 2022/06/12(Sun) 19:26:04

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 何度もエデンにアップロードされた、
  真結実の幸福体験を味わった。
  
本当に、本当に幸せで。



                   
羨ましかった、

                   
妬ましい程に。
 ]

 
(62) 2022/06/12(Sun) 19:26:45

【人】 女子大生 マユミ

 
[ けれど実際同じ幸せを現実で喰んでみれば、
  同じものであることを疑ってしまう程、
  味わいが異なる。

  だって、現実で幸せを享受するには、
  その幸せを掴み取れるだけの"価値"がなくてはいけない。
  イケメンの彼氏に見合う、イイ女でなければいけない。
  皆に慕われるほどの、徳がなければいけない。


  それを持たない人間が手にすれば、
  分不相応な幸福は
から
に変わる。



         
見限られ失う怖さだけが、舌に残った。 ]

 
(63) 2022/06/12(Sun) 19:28:05

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 私は一度も幸福体験を、
  エデンにアップロードしたことがない。
  真結実は生きていた頃、定期的に投稿していたのに。


  
それは、"今の真結実わたし"が幸せでない何よりの証拠。 ]

 
(64) 2022/06/12(Sun) 19:28:43

【人】 女子大生 マユミ

 
[ こんなことではいけないと、
  アプリを起動して、イヤホンを付ける。
  "船越真結実"は、
  きらきらした人生を謳歌する素敵な女性。
  彼女は生きている。
  変わらず、幸福であるべき人間として。
  だって、この国に生きる全ての人間に、
  幸福を追求する権利があるのだから。>>0:n0

  味覚が麻痺するまで、
  幸福体験をオーバードーズすればいい。 ]

 
(65) 2022/06/12(Sun) 19:29:26

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
 
 
         
[ 
を食らわば皿まで。

           
You might as well be hung for a sheep as for a lamb. ]

 
(66) 2022/06/12(Sun) 19:29:50

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 現実と仮想の境目が曖昧になるほど、私は過食を続けた。

  
幸せになる事って、

  
実はそんなに難しい事ではないのでは?

  
ただ耳から流れ込む多幸感の海に、耽溺するだけでいい。

  
現実で幸せを掴もうとするより、

  
ずっとずっと確実で効率がいい。



  
私にだって、簡単に出来てしまうじゃない! ]

 
(67) 2022/06/12(Sun) 19:30:39

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 寝食を忘れて、ただただ耳だけを傾けた。
  邪魔をされるしうるさいから、
  スマホの通知機能をオフにした。



             
もう私には不都合は何も見えない。 ]

 
(68) 2022/06/12(Sun) 19:31:12

【人】 女子大生 マユミ

 
[ とは言え、今の私は実家で生活している身。
  家族が当然その異変に気付いた。
  ろくに食事もしなければ、自室から出てくることも
  少なくなった娘からスマホを取り上げて、
  「兎に角、病院に行きなさい!」と母が一喝。

  口答えするのも億劫で、適当な服に着替えた。
  意識はしていなかったけど、
  真結実なら絶対に選ばない暗い色の服ばかり。
  本当はメイクも面倒だったのだけれど、
  流石にすっぴんでの外出は躊躇われた。
  ファンデーションにフェイスパウダーを重ね、
  雑にチークをはたいて色付きのリップを塗った。
  目の下のクマもコンシーラーなど使う事無く放置。

  先生に貰ったペアチケット、そのままだったな……。
  そう思って、チケットをバッグの中に忍ばせた。
  私は使わないから、返した方がいいかもしれない。 ]

 
(69) 2022/06/12(Sun) 19:32:12

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 受付では、一瞬びっくりされたようだった。
  それが、死んだ姉の様だったからなのか、
  生き残った妹らしくなかったからなのかは分からない。


  診察を待つ間、
  ついバッグの中にスマホを探してしまうけれど、
  スマホは取り上げられたままだった。

                  
……落ち着かない。


  玩具を取り上げられた子供のように、母を疎んだ。
  やがて名前が呼ばれれば、診察室へ。 ]



               
―――――……。



[ 濁ったように虚ろな瞳が捉えた相手に、
  かける言葉を今の私は持たなかった。 ]**
 
(70) 2022/06/12(Sun) 19:33:07

【独】 会社員 ツグアキ

/*
体調を崩しておりましてですね
ご挨拶すらしておらず大変にご無礼を致しております

この度は村建て様とペアを組んでいただけてほんとに幸せです
ありがとうございます!
あのねほんとに直近のカナちゃんが天才
(-19) 2022/06/12(Sun) 22:00:48

【人】 医者 サキ


[ 今日も変わりなく、時間が過ぎていた。
  
お大事に
、と何万と言ってきたフレーズを
  また1つ積み重ねる、日常。

  そんな日常に薄くヒビが入ったのは、
  次のカルテを持ってきた看護師が
  どうにも落ち着かない様子を見せたその時だった。 ]

 
(71) 2022/06/12(Sun) 23:08:07

【人】 医者 サキ



   そうしたら次の方を───…
何かありました?



[ 尋ねれば、
  「船越さんの娘さんなんですけど…」

  と歯切れ悪くカルテを渡される。

  船越真結実。ここ半年見てきた名だ。
  半年前、久しぶりに持ってきた時だって
  こんなに驚いた様子はなかったのに。
  …驚いているのは、それだけの何かがあったのか?


  考えを纏めるのが精一杯、深く尋ねている暇はなく。
  呼んできますと言って看護師は待合室へ出ていった。

  少しして、入ってきた彼女の姿を見て。
  俺は思わず、持っていたペンを床へと落とした。 ]

 
(72) 2022/06/12(Sun) 23:09:49

【人】 医者 サキ



     ……っ
ッ、!



[ 形だけはこちらを向いているのに、
  まるで掴めない遠くの何かを
  見ているような、
ろいの瞳。


  しばらく、言葉が出なかった。
  言葉になり損ねたものが  
なんで、

  喉奥でつっかかって、押し返されて、
  胃の腑に帰っていく。  
どうして、


  カラカラと、落ちたペンの回転する音が
  虚しく時の進みを知らせていた。

  ───俺はその瞳を、知っている。

  同じだ。
  …10年以上前、嫌という程見せつけられたそれと。 ]

 
(73) 2022/06/12(Sun) 23:11:37

【人】 医者 サキ



   …とりあえず、こっちおいで。
   座りな、…ね。


[ ただ手招きすればいい距離だというのに
  どことなく落ち着かなくて、立ち上がって。
  この歳の子に話すには随分と幼い言葉を向けた。

  歩く様子が無ければ近づいて誘導したけれど、
  とにかく椅子につくまでは
  その様子をじわりと滲む目で見守って。 ]
 
(74) 2022/06/12(Sun) 23:12:54

【人】 医者 サキ

 
[ ───色濃い隈、…食欲不振か。
  化粧で顔色は多少誤魔化せても、
  若干痩けた顔の形までは隠しきれていない。

  ……でも、内科の仕事じゃ、ないだろうな。
  もし、この子の病気がOS*なら。
  精神科…心療内科の仕事だ。


  手が震える。声も。
  俺の管轄じゃないと分かっているのに、
  身近な人間であるという情が。
  助けられるんじゃないかと、淡い希望が。


  …見捨てられない。 ]

 
(75) 2022/06/12(Sun) 23:15:10

【人】 医者 サキ



   ……色々と聞きたいことはある、けど。
   先に1つ、聞かせてほしいんだ


   君は、………
"船越真結実"で、間違いないか?



[ じ、と虚ろな瞳に焦点を合わせ、
  あくまで、柔らかく。
  震えている以外は、優しい声で、尋ねる。

  これからの何もかもを、
  分けてしまうのはきっとここだ。 ]**

 
(76) 2022/06/12(Sun) 23:16:14
医者 サキは、メモを貼った。
(a2) 2022/06/12(Sun) 23:18:04

【人】 会社員 ツグアキ



[ もう、今更どうでもいいのだけれど。

  どうせ研究するなら、対象を
  脳にすればよかったとだけはつくづく思う。

  忘れたいことを綺麗さっぱり消し去るような
  奇跡の仕組みがあれば

  脳に血糊の手型がべっとり張り付いて
  離れないこの靄に

  覆われることもなかっただろうに。  ]
 
 
(77) 2022/06/13(Mon) 13:46:12

【人】 会社員 ツグアキ


[ 結論から言えば俺の論文の出来は
  かなりよろしく、ぱっとしない後継の
  箔付にぴったりだと見染められたと
  いうだけの話。

  今思い出しても笑いが止まらない。

  それは取引、などという対等なものではなく
  強要、恫喝、脅迫を、
  礼儀正しい体裁と言葉で包みかくした
  結論ありきの交渉だった。

  なんのことはない。
  俺は多額の金と引き換えに
  未来とプライドを売り渡した、

  売り渡さざるを得なかった、だけの話。 ]
 
(78) 2022/06/13(Mon) 13:46:56

【人】 会社員 ツグアキ



[ 持ち得る者、の無敵感。チート。
  相手には有った居場所>>0:122
  俺にはなかった、だけの話。  ]


 「敷かれたレールを踏み外してはいけないよ。
   踏み外したら最後、
    二度と戻って来れないからね。」>>0:6
 
 
(79) 2022/06/13(Mon) 13:48:07

【人】 会社員 ツグアキ


─── 光の丘診療所

[ 病院の名前は知識としては知っている。
  Override Syndromeという病状も知ってはいる。

  だからこそ俺が今この病院の待合室に
  座っていることだけがひどい違和感。

  落ち着かない気持ちを無理矢理
  落ち着かせるように柔らかな椅子に背を預け
  持ってきた本を開く。

  変わらぬ穏やかな表情のまま
  口角の位置はゆるやかに弧を描いている。
  ただ、ページを捲る指先は小刻みに震える。 ]
 
(80) 2022/06/13(Mon) 13:51:45

【人】 会社員 ツグアキ




  蟾蜍。
それが、自分だ。
  世間がゆるすも、ゆるさぬもない。
  葬むるも、葬むらぬもない。
  自分は、犬よりも猫よりも劣等な動物なのだ。
  
  蟾蜍。
  のそのそ動いているだけだ。
**
 
 
(81) 2022/06/13(Mon) 13:52:38

【念】 会社員 ツグアキ


[ 声が聞こえた気がした。
  ざざ、と、ひらがなの羅列。
  自分のことを呼ばれた感覚はない。
  本から視線を上げてぼんやりと周りを
  見渡すけれど、そこには誰もいないから
  それでようやく気づく。>>54


   ささおかさん、……ああ、おれか。
   ─── はい、すみません。


[ なんだか今日はネクタイの結び方が
  わからなくて、ノーネクタイ。
  シャツにパンツ、ジャケットは手に持って
  ゆっくり立ち上がる。

  ウエスト部に緩く余裕がある。
  今更気付いてベルトの部分に手をやった。 ]
 
(!1) 2022/06/13(Mon) 13:54:39

【念】 会社員 ツグアキ


[ 開いた扉に向かう。

  背筋は伸ばして、整えた穏やかな笑みで、
  真っ直ぐに足を運んでいるつもりだけれど
  診察室までの数歩がやや遠い。

  床がぐにゃりと歪んでいるような錯覚に
  二、三度足を止めながら、
  迎え入れてくれる医師の前に立つ。 ]


   こんにちは。


[ あくまでにこやかに、声音も穏やかに
  軽く頭を下げれば、医師の顔を見られただろうか。

  ぼんやりと靄がかかる頭の中、
  ちかちかと何かが瞬くのがわかる。 ]
 
(!2) 2022/06/13(Mon) 13:55:57

【念】 会社員 ツグアキ



   だめだ。
   おもいだしては、いけない。
   
   ─── やめて、しらない。

 
 
(!3) 2022/06/13(Mon) 13:56:56

【念】 会社員 ツグアキ



   こんにちは。
   こん、…………


[ 医師の顔を訝しげに、虚に見つめながら
  挨拶を繰り返す。

  無意識に手が、イヤホンを探していた。 ]**
 
(!4) 2022/06/13(Mon) 13:58:20

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 真結実を知る人間にとっては、
  違和感を覚えざるを得ない状態だったようだけれど、
  私自身にはそんな感覚は一切なく。
  
"真結実"であろうとする気概さえ、今の私にはない。


  先生を見ているようで、追い求めているのは楽園の先。
  その表情の色にさえ頓着せずに、
  ペンが落ちて転がる音を落胆と共に拾っていた。>>72

  座るよう促されれば、言われるがまま腰を下ろす。>>74
  優しい声に、安堵することはない。
  
私が聞きたいのは、幸福の音。唯それだけ。 ]

 
(82) 2022/06/13(Mon) 18:33:39

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 病院へ行けと言った母の示す"病院"とは、>>69
  『東雲医院』のことだったのだろうか。
  私の状況を鑑みれば、
  素人だって内科が適任とは思わないだろう。

  それでも私にとって病院とは、『東雲医院』だったから、
  母の考えがどうであれ、
  ここに来る他なかったのだけれど。

  瞳は診察室を確かに映している筈なのに、
  私が見ようとしているのは本来見えないもの。
  先生も同じく、私ではない別のものを想起しているとは、
  気付くはずもない。 ]
 
(83) 2022/06/13(Mon) 18:34:30

【人】 女子大生 マユミ

 
[ そんな、心ここにあらずな私ではあっても、
  "船越真結実"であるかどうかを確認する質問には、>>76
  流石に意識を現実に引き戻された。 ]


   先生は、私が"船越真結実"ではないと?
   私に"真結実"は荷が重いと、
   役者不足だとそう仰るのですか?


         [ 柔らかい声が痛かった。
           優しい声が怖かった。
           その奥に嘘を糾弾する本音があると、
           私は勝手に捉えていたから。 ]**

 
(84) 2022/06/13(Mon) 18:35:41
女子大生 マユミは、メモを貼った。
(a3) 2022/06/13(Mon) 18:37:13

【独】 医者 サキ

/*
んーーーーこれわざと…か…?いやちがうか みんな言うてるもんな
(-20) 2022/06/13(Mon) 20:14:58
 




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