人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


一日目

村人:3名、王子様:1名、人狼:1名

【人】 火澄 七瀬の日記


 ××月〇〇日

 『 対価が必要らしいです。

   天秤を釣り合わせるために求められたのは、
   大切な肉親二人分と、大切な他人一人分。

        そう言ったんですよ、神様が。 』
  
(0) 2023/05/03(Wed) 21:18:17
コミット要求:ON

【人】 【NPC】ヒトデ姫 スピカ

 
 
 
「 デ ジ マ ! ? ! ? 」

 
 
(1) 2023/05/03(Wed) 21:41:34

【人】 【NPC】ヒトデ姫 スピカ

 
 
 「 こんなにいい家なのに
   誰も住んでないってどういう事なの!???

   あ、もしかしてもう人類滅んじゃった? 」
 
 
 私は、ヒトデ姫スピカ。
 本当の名前はηΨ☆λяλ☆Ψηだけど、
 おそらく人間に発音は無理ね。諦めなさい。
 
 人間ってば、陸地は自分達のモノだって言わんばかりに
 住みやすそうな家をガンガン建てちゃって!
 ちょー!ちょームカつくから!!
 手頃な家を乗っ取ってやろうと侵入したんだけど!!!
 
 なんか、空き家っていうの?誰も住んでないみたい。
 
 
(2) 2023/05/03(Wed) 21:41:37

【人】 【NPC】ヒトデ姫 スピカ

 
 
 「 ま、誰もいないなら使ってあげるわ

           人間、感謝なさい!! 」
 
 
 前回住もうと思った場所は、ダムで沈んじゃったし。
 沈んだトコ見た訳じゃないから知らないけどね。
 
 それからはやりたい放題。家の中を海水で満たして
 ☆の姿でぴちゃぴちゃはしゃいだり
 人間には理解できない歌声を響かせたり。
 
 いつしか周囲に噂され、
 話題のスポットになってる事なんか
 当然、ヒトデの姫たる私は知る由もない。>>0:31 **
 
 
(3) 2023/05/03(Wed) 21:41:41

【独】 【NPC】ヒトデ姫 スピカ

/*
ヒトデ姫でネタ発散すれば
禎光でシリアス継続でき……できるんか?
(-0) 2023/05/03(Wed) 21:42:45

【独】 火澄 七瀬

/*
シリアスバイバイ
(-1) 2023/05/03(Wed) 21:45:43

【人】 火澄 七瀬




  …… 知らない人の家。

  というのは、表現を失敗したかもしれません。
  2度繰り返した禎光の顔を見て。>>0:38
  私は言葉を取り繕おうとして。
  やっぱり上手い言い方を思いつかなくて。
  人魚みたいに、口をパクパクさせました。

  ええと、ですね。
  そうですね。正確ではなかったんです。
  ただ、全くの嘘でもないのです。

  その家は、父方の祖父母の家です。
  ただ、今は誰も住んでいません。
  私達が物心つく前に、どちらも亡くなったので、
  顔も知らないと言えばその通りなんです。
 
 
 
(4) 2023/05/03(Wed) 22:12:39

【人】 火澄 七瀬




 権利がどうなっているのかも分かりませんが。
 一度だけ、父が掃除に行くのについて行きました。
 鍵の場所も、その時に知りました。

 それ以来、一人でいるのが都合が良い時。
 私はその家を訪れていました。
 歌うのにも、ちょうど良い場所でしたから。

 二人に伝えなかったのは ……
 どうして、でしょうね。


 人に見られたら都合の悪い日記帳。
 記すのも、その場所でだったでしょう。>>0
 
今となっては海水で濡れていないのを祈るばかりです。

 
 
 
(5) 2023/05/03(Wed) 22:13:58

【人】 火澄 七瀬




 つまりその場所は、

 
人に見られたくないことを行うのにも


        
同じく都合の良い場所なのです


 
 
(6) 2023/05/03(Wed) 22:14:21

【人】 火澄 七瀬




 「 人が住んでいない廃屋なのですが。

   なんでもヒトデが出るとかで。

   流行のスポットになっているんです。 」
 
 
 
(7) 2023/05/03(Wed) 22:14:34

【人】 火澄 七瀬




 「 その、掃除は定期的に行っているので。
   埃っぽくもないです。

   ベッドのシーツもちゃんと洗っています。 」
 

 これは、身体の弱い禎光に向けて。

 気管支などに影響を与える場所ではないし、
 彼が体調を崩しても、
 休める場所はあるというアピールです。 
 
 しかしながら興味を誘うために口にしただけで。
 噂になっているのは確かですが、
 ヒトデ云々に関しては眉唾物です。
 そんな存在がいるとは到底思えません。
 
 
 
(8) 2023/05/03(Wed) 22:15:15

【人】 火澄 七瀬


 

        超常的な存在なんて、
            神様だけで充分ですから。**
 

(9) 2023/05/03(Wed) 22:15:27

【独】 水面 禎光

/*
なんだか重要な家になってしまったじゃないかww
(-2) 2023/05/03(Wed) 22:30:35

【人】 火澄 瀬名




  私のことだからですよ 


 
 そう言われてしまうと何も言い返せません。
 だとしても、こんなに大事なこと……


(10) 2023/05/04(Thu) 0:13:26

【人】 火澄 瀬名





 この半年、変わってしまったことが確かにあって、
 私はずっとそれを言葉にすることができずにいました。




 
(11) 2023/05/04(Thu) 0:13:59

【人】 火澄 瀬名

  


 「 
え???
 」>>0:31



 思い出作りに、「知らない人の家」って言いました?


 
(12) 2023/05/04(Thu) 0:14:47

【人】 火澄 瀬名

  
 

 「 話題のスポットって……

   賭博場townとか、
   怪しげな店townじゃなくて? 」



 病弱な禎光のことを気遣ってなのかもしれません。

 それでも、七瀬の考えていることが分からない。



 ……こんなにも分からないなんて。



 禎光もほら、悩んでいるように見えます。>>0:38

   
(13) 2023/05/04(Thu) 0:15:47

【人】 火澄 瀬名

  


 「 ヒトデが出る廃屋なんて、
   ますます意味分かんないんだけど。

   ……海の中にある廃屋じゃないよね? 」
 
 
 
 それが流行のスポットになるなんて、
 世も末というものではないでしょうか。

 だけど ………

    
(14) 2023/05/04(Thu) 0:16:35

【人】 火澄 瀬名

 

 
 「 定期的に掃除に行ってるんだ。


           
……… ふぅん。
 」



         知らなかった。きっと。


  
(15) 2023/05/04(Thu) 0:16:49

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 「 いいよ。七瀬が行きたいところで。 」
 
 

 七瀬が思い出を作りたい場所で。




              だって私は、


 
    
(16) 2023/05/04(Thu) 0:17:21

【人】 火澄 瀬名

  


       七瀬私の半分のことを、█████。 ** 
 

   
(17) 2023/05/04(Thu) 0:19:16

【人】 火澄 七瀬




 「 ありがとう。
   そうですね。傘を持って行った方が
   よいかもしれません。

   …… 今日は雨が降りそうですから。 」


 今朝の天気予報を思い出すと、空を仰ぎました。

 …… 春の冷たい雨に晒されてしまえば、
 まだ淡い色で目を楽しませてくれる桜達も、
 くすんだ色で、コンクリートに散るのでしょう。

 
 
(18) 2023/05/04(Thu) 10:16:24

【人】 火澄 七瀬




 生まれる前から隣にいた。>>16
 私の瀬名半身へと微笑みかけます。

 どうしましょう。
 どうか最後までバレないといいのですが。

 
 
(19) 2023/05/04(Thu) 10:16:44

【人】 火澄 七瀬



 
          私が貴女を█████こと。


 
(20) 2023/05/04(Thu) 10:16:49

【独】 火澄 七瀬

 


               
愛してる



 
(-3) 2023/05/04(Thu) 10:16:51

【人】 火澄 七瀬




 …… かつて私は貴女で、貴女は私でした。

 いつも一緒にいて、顔も声も同じ。
 そうですね。親が同じ服を好んで着せてしまえば、
 私達を見分けるのは難しかったでしょう。

 それはきっと、私達自身にも当てはまることで。

 確立しない自己を前にすれば、
 瀬名は七瀬で、七瀬は瀬名でした。

 いつからでしょう。
 貴女と私が、別の人間なのだと知ったのは



(21) 2023/05/04(Thu) 10:18:14

【人】 火澄 七瀬


 

 「 …… 禎光くん? はじめまして。

        わたしの名前は ──── 」
 

 
 
(22) 2023/05/04(Thu) 10:18:20

【人】 火澄 七瀬




 ある日2人の世界に現れた、3人目の男の子。>>0:36

 七瀬でも瀬名でもない存在が、

 私と名瀬を別の人間にしたのです。
 
少なくとも、私の始まりはそこからで。

 
 
 
(23) 2023/05/04(Thu) 10:18:31

【人】 火澄 七瀬




 言葉遣いを敬語へと改めたのも、
 私と瀬名がべつべつ≠セと知ったからでした。

 どうしたって、私と瀬名を間違える人は
 存在しましたから。

 服装や髪形などで違いを出すこともできたでしょうが。
 私にとっては言葉遣いが、
 どんな状況でも、何を用いずとも使える、
 私達を区別するための装飾品だったのです。
 
 
 
(24) 2023/05/04(Thu) 10:19:01

【人】 火澄 七瀬




 「 そういえば、禎光。
   今日はホワイトデーですが。

   瀬名にお返しは用意していますか? 」

 
 
(25) 2023/05/04(Thu) 10:26:43

【人】 火澄 七瀬




 当然です、という顔をして。
 彼の耳元へと、そっと内緒の話を寄せたのは
 目的地に向かって歩き始めて、
 少し経った頃合いだったでしょうか。

 丁度1ヶ月前にあったバレンタインデー。
 私はそうですね。
 禎光へと友チョコを渡していたと思います。 

 此方へのお返しへの頓着はしていませんが、
 大事な妹へのお返しを蔑ろにされてしまうのは ……
 そうですね。駄目ですね。
 彼が大切な幼馴染と言えど、許してはいけないことです。

 
 
(26) 2023/05/04(Thu) 10:28:16

【人】 火澄 七瀬




 ………… ひょっとしたら、
 瀬名は禎光へとバレンタインの贈り物を
 していない可能性もありますが。


        その、別に貰えていなくたって、
        お返ししてもいいじゃないですか!
        ホワイトデー。**
   
 

 
(27) 2023/05/04(Thu) 10:28:29

【独】 火澄 七瀬

/*
瀬名ちゃんごめん……
名前間違えそうだなと思ったら間違えました
(-4) 2023/05/04(Thu) 10:32:51

【人】 火澄 瀬名

 

  
 かつて私は七瀬で、七瀬は私でした。

 生まれた時から……いいえ、生まれる前から
 一緒にいるのが当たり前で。
 
 周りにそっくりね∞仲良しね≠ニ言われても、
 私がもう一人いるのだから当たり前だとしか思えなくて。

 双子ちゃん≠フように呼ばれれば尚、
 それは七瀬でも瀬名でも関係のないことでした。



 いつからでしょう、
 私と貴方が、解離していくことを止められなくなったのは
 

 
 
(28) 2023/05/05(Fri) 10:48:21

【人】 火澄 瀬名

 

 

 2人の世界に現れた、禎光3人目


 それは、少しだけ世界が生まれ変わった始まりでした。



  
(29) 2023/05/05(Fri) 10:48:29

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 「 禎光!どっちがどっちでしょうか! 」


 服装も髪型も揃えて遊びに出掛けた私たちを、
 彼は見分けられることができたでしょうか?


 それは七瀬が敬語を使い始めるまでの間だけ
 だったかもしれませんけれど。

 
 *****
  
(30) 2023/05/05(Fri) 10:48:34

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 丁度1ヶ月前、バレンタインデー。

 毎年恒例のように私たちは、
 彼にチョコレートを渡しました。


   
(31) 2023/05/05(Fri) 10:48:52

【人】 火澄 瀬名

 


 いつもと違ったのは、

 七瀬が用意したものよりも少し良いものだったこと。

 友チョコ≠ニは言わずに渡したこと。



          それだけです。それだけでした。

  
(32) 2023/05/05(Fri) 10:50:08

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
     変えることも、変わることも、怖かった。


   
(33) 2023/05/05(Fri) 10:50:22

【人】 火澄 瀬名

  


             それなのに ――

   
(34) 2023/05/05(Fri) 10:50:38

【人】 火澄 瀬名

   
 
 
 間違ってしまったのは、私だったのでしょうか **

 
  
(35) 2023/05/05(Fri) 10:51:18

【人】 水面 禎光

 
 
  知らない人の家 ≠ニいうワードに
 瀬名も、僕と同じく驚きの声をあげた。>>12

 けれど ─── 瀬名が想定していたスポットとして
  賭博場 ≠竍 怪しげな店 ≠出してくるあたり
 やっぱり双子なんだな、とふたりの顔を見やった。
 
 ヒトデが出るのは理解した。 >>7
 いや、理解できなかったけど話が進まないので頷いた。
 
 どうやら埃っぽくない場所らしいのは有難い、けど。
 僕が少し首を傾げたのは、
  掃除は定期的に行っている ≠ニいう部分で。 >>8
 誰が掃除しているか主語は抜けていたが
 瀬名も引っ掛かりを覚えたようで。 >>15
 
 けれど、追及するでもなく賛成するのなら
 ほらもう 多数派の出来上がりだ。
 思い出作りを真っ先に賛成した僕にも反対する理由が無い。
 
 
(36) 2023/05/05(Fri) 19:58:24

【人】 水面 禎光

 
 
 「 今日は雨か …… ちょうどいいかもね 」
 
 
 僕は知らなかったけど、天気予報は雨らしい。>>18
 考えもないまま 思わずでた言葉に
 何がちょうどいいのか思い浮かべてみたら ───
 すぐ思い当った。
ヒトデが喜びそうだからだ。

 
 七瀬が此処を去るのなら、桜も散ってしまえばいい

             ─── そう感じたからだろう。
 
 
(37) 2023/05/05(Fri) 19:58:26

【人】 水面 禎光

 ***** 
 

 姿形も声もそっくりな七瀬と瀬名。
 
 僕だって、初めて会った瞬間から見分けられた訳じゃない。
 初めは ─── たぶん、
 同じように扱うべきなんだろうって思ってた。
 彼女達が" 同等 "を嫌がっていた素振りは
 きっと感じる事がなかっただろうから。
 
 それどころか、わざわざ外見を揃えて
  どっちがどっちでしょうか!
 なんて試された事もあったっけ。 >>30
 
 
(38) 2023/05/05(Fri) 19:58:30

【人】 水面 禎光

 
 
 「 え……? なに言ってるの瀬名 」
 
 
 だけど、そんな遊びをぶつけるほど
 僕らはもう友達だったのなら。
 僕に初めて出来た" 友達 "だったのなら ───
 扱いを同じにしていただけで
 きっともう 間違える事なんて無かったんだよ。
 
 違う名前、姉と妹。繋いだ手は右手と左手。
 まばたきのタイミングだって同じじゃない。
 やがて、七瀬が敬語を使いだしたりすれば猶更。
 
 彼女達と 共に過ごせば過ごすほど ────
 僕の中で、個々へ抱く感情もまた違いを見せていった。
 
 
 ***** 
(39) 2023/05/05(Fri) 19:58:36

【人】 水面 禎光

 
 
 「 え? もちろんだけど
   七瀬にだって ちゃんと用意しているよ
   また…… 帰ってからね 」
 
 
 目的地へと歩き出し、少し経った頃。
 七瀬が、瀬名にホワイトデーのお返しを用意しているのか
 僕にそっと耳打ちで聞いてきた。 >>25
 例年通り、"同じモノを"用意していると言わなかったのは
 今年は 七瀬と瀬名で貰ったチョコに違いがあったから。
 
 だから僕も、今年は思い切って
 七瀬と瀬名へのお返しを違うモノにした。
 
 
(40) 2023/05/05(Fri) 19:58:45

【人】 水面 禎光

 
 
 もう高校生にもなろうとしているのに
 男女3人で寄り添えている僕ら。
 
 それがどうしてかなんて ──
 僕は深く考えたコトも無かったんだ。


       僕らのささやかな対立はいつだって
       敗れたあとも
       多数派に混ざる事を許されていたから
**
 
 
(41) 2023/05/05(Fri) 19:58:48

【独】 火澄 瀬名

/*
>>41

       僕らのささやかな対立はいつだって
       敗れたあとも
       多数派に混ざる事を許されていたから


こういうの!!すごいな。好きだな。
さすがよしさん。
(-5) 2023/05/05(Fri) 20:07:48

【人】 火澄 七瀬




 「 ここにいたのですね、瀬名。
   もうすぐバレンタインデーですよね。
   今日は一緒に禎光へのチョコを作りませんか?


           ああ、……
             そうなのですね ──── 」
 
 

 
(42) 2023/05/05(Fri) 20:56:24

【人】 火澄 七瀬




 変化の兆し。 私は見て見ぬ振りをしました。


(43) 2023/05/05(Fri) 20:56:33

【人】 火澄 七瀬




 お菓子作りを趣味にしているわけではありません。
 私は例年通り、初心者でも失敗しないレシピで、
 友チョコの名に恥じない味を贈ったでしょう。

 …… 私にとっては、
 普段と変わらないバレンタインデー。

 エプロンを付けて、湯煎をする私の隣に。
 揃いのエプロンを纏う瀬名がいないことを除いては。
  
 
 
(44) 2023/05/05(Fri) 20:57:18

【人】 火澄 七瀬




 「 …… それを聞いて、安心しました。 」


 瀬名が禎光にチョコを渡さなかった可能性。
 彼の言葉で否定されました。>>40
 ならばどうして彼女は、
 私と同じものを贈ることを避けたのでしょうか。
 
 …… どうして私達は、並んでキッチンに立ち、
 冬の寒さに震えながら、
 頬についたチョコを見て笑い合うような。
 そんな時間を過ごせなかったのでしょうか。 
 
 
 
(45) 2023/05/05(Fri) 20:57:57

【人】 火澄 七瀬




 どうして。
 変わらないままでいられなかったのでしょうか。>>40


(46) 2023/05/05(Fri) 20:58:13

【人】 火澄 七瀬




 「 …… 雨、降ってきましたね。 」


 きっとそれは、小雨も小雨で。
 地面を1,2滴の粒が叩いた程度。
 
ヒトデには物足りなかったでしょう。


 なのに私は、幸いとばかりに持っていた傘を広げて
 曇天の下に、薄紅色の花を咲かせました。
 
 
 
(47) 2023/05/05(Fri) 20:58:58

【人】 火澄 七瀬




 「 はい。 ──── 帰ったら。 」


      その時の私がどんな顔をしていたかを、
      覆い隠してしまうように。>>40
 
 
 
(48) 2023/05/05(Fri) 20:59:05

【人】 火澄 七瀬




 「 ああ、駄目ですよ瀬名。
   流行っているからと言って、
   賭博場や怪しげな店に出入りをするのは。

   貴女は昔から、少々危なっかしいんですから。 」


 …… 次に傘を小さく揺らす頃には、
 私はお姉ちゃん≠フ顔をして。
 妹を見守る眼差しを浮かべていたでしょう。**
 
 
 
(49) 2023/05/05(Fri) 20:59:20

【人】 火澄 瀬名

   
 

 「 すごいね、禎光。また正解!
   今日は間違わせる自信があったのにな。 」



 連続正解を止めたいなってお揃いに磨きをかけて
 一方で本当は、見分けてほしかったのかもしれません。


 だってこんな友達≠ヘ
 これまでにはいなかったのですから。


 *****  

 
(50) 2023/05/06(Sat) 1:11:25

【人】 火澄 瀬名

 

 

 「 ごめん、今日は用事あるの。
   だから今年は、七瀬と作れない。 」



 
(51) 2023/05/06(Sat) 1:11:37

【人】 火澄 瀬名




  いつまでもお揃いではいられない。

  先にそれに気が付いたのは、誰だったのでしょうか?


 ***** 


 
(52) 2023/05/06(Sat) 1:11:46

【人】 火澄 瀬名

 

 
 小粒の雨が髪を濡らしました。
 七瀬の広げた傘が花咲きます。
 倣って広げた薄水色は、
 曇天に馴染んむ私の心のようでした。
 


 「 …… 別に、私がどこに出入りしたって、
   七瀬には関係ないでしょ。 」



 決して賭博所や怪しげな店に出入りしてるわけでは……
 あーー、怪しげな店くらいはあるかもしれませんが。
 それを言うとまた面倒なことになるので、
 今は黙っておくことにしました。
 
 
 
(53) 2023/05/06(Sat) 1:12:47

【人】 火澄 瀬名

 
 

 兎にも角にも、七瀬の何かあるとすぐに
 お姉ちゃん≠フ顔をするところに、
 私はいつだって納得いっていない顔を返すのでした。

 
 一緒に生まれたのに。ずっと隣にいたのに。
 ほんの数分の差が何だっていうのです。


 私だってもう他にも、
 自宅town怪しげな店townくらい
 ひとりで行けるのですから。 **

 
 
(54) 2023/05/06(Sat) 1:14:39

【人】 水面 禎光

 

 彼女達が個々を認めて欲しいのか、同じでいたいのか。
 それは 長年傍で見てきた僕にも分からない。
 
 言葉の口調を変え、今だって咲かせた傘は違う色。
 その一方でお姉ちゃん≠フ顔をすれば
 妹≠ヘ不満を目いっぱい含めて反発する。
 
 どう扱われたいのか、なんて聞いたところで無意味だろう。
 数式や化学式のように整然とした解を
 彼女達自身、持ち合わせていないと思うから。
 
 
(55) 2023/05/06(Sat) 5:26:22

【人】 水面 禎光

 

 「 ねえ、瀬名 ……傘貸してくれない?
   ほら …… 僕、病弱だからさ 」
 
 
 ぽつ、ぽつと雨が地面を濡らし始めれば
 僕が視線を向けたのは、傘に隠れた七瀬の表情ではなく
 いつの間にか空を覆っていた灰色の雲で。
 
 彼女達が傘を持っていたから
 どこかで雨が降るんだろうとは思っていたけど、
 天気予報を知らない僕は 当然傘の持ち合わせがない。
 
 僕がどちらかの傘に潜り込んでもいいけど、
 背の高い僕が1本借りて
 同じ背丈の彼女達が相合傘をするのが一番濡れないだろう。
 
 
(56) 2023/05/06(Sat) 5:26:26

【人】 水面 禎光

 

 ちなみに ───
 今の僕は、彼女達が思うほど病弱ってわけでもない。
 引っ越してきた当時は まだ少し入院もしたけど
 友達≠ニ外で過ごすようになってからは
 少しづつ体力もついてきて、
 中学では普通に体育の授業もこなしている。
 
 "身体が丈夫じゃないから無理をさせないように"って
 僕と遊ぶとき、彼女達の母親が何度も釘をさしていたから
 きっと今でもその印象が強いんだろうね。
 
 自虐ネタとして冗談に使える程過ごせるようになったのは
 紛れも無く、彼女達のおかげなんだよ。

 
 
(57) 2023/05/06(Sat) 5:26:29

【人】 水面 禎光

 

 僕は、半ば強引に瀬名から薄水色の傘を借り受けると
 押し込むように瀬名を七瀬の傘の中に入れようと。
 
 ふたりでひとつの傘 ───
 
 ああ、そうだね。
 同じがいいのか、個々がいいのか。
 相合傘に押し込んだり、別々のお返しを用意したり
 僕だって、答えなんか持ち合わせていなかった。**
 
 
(58) 2023/05/06(Sat) 5:26:32

【人】 火澄 七瀬





 「 大丈夫ですよ、瀬名。

   何があっても。
   お姉ちゃんが貴女を守りますから。 」


 禎光に出会い、私と瀬名が別々の人間だと知って。
 それと時を同じくしてでしょうか。
 自分が姉だと気付いたのは。


 私にとって当然となる言葉を繰り返せば、
 貴女はやはり、
 納得のいかない表情を浮かべたのでしょうか。>>54



(59) 2023/05/06(Sat) 10:40:46

【人】 火澄 七瀬




 お父さんとお母さんが死んだときも、きっと。


(60) 2023/05/06(Sat) 10:40:50

【人】 火澄 七瀬




 「 …… そうですか。 」


 怪しげな店には出入りしてほしくないし、
 自宅へはひとりで行けてほしい。
 
 そんな思いは飲み込むしかなかったでしょう。
 最初に手を離したのは私なのですから。>>0:30
 
 
 
(61) 2023/05/06(Sat) 10:40:59

【人】 火澄 七瀬




 全身を濡らすには及ばない雨。
 それでも互いに傘を開いた分、
 私達の距離を開かせるのには十分で。


 「 …… 禎光?
   ああ、それは。 仕方がないですね。

   禎光は ─── 身体が弱いのですから。 」
 
 
 だから、瀬名の手から傘が離れて、
 唐突に彼女が私の隣へと飛び込んでくれば。
 縮んだ距離に、思わず心臓を跳ねさせました。
 
 
 
(62) 2023/05/06(Sat) 10:41:42

【人】 火澄 七瀬




 不意に思い出したことがあります。
 確かあの日もこんな風に、
 今にも落ちてきそうな曇天の下でした。

 瀬名と禎光の遊びのこと。>>50
 知ってはいましたが、自ら参加はしていませんでした。
 微笑ましいと、少し呆れた表情で見守ること。
 それが姉の役割だと思っていましたから。
 
 不意にむくりと沸いた悪戯心だったのです。
 
 
 
(63) 2023/05/06(Sat) 10:42:22

【人】 火澄 七瀬




 「 禎光、今帰り?
   雨降りそうだけど、傘は持ってきた? 」


 ある日の放課後の昇降口。
 たまたま瀬名が隣にいない帰り道でした。
 私はそっと、自らの装飾品を外してみたのです。**>>24
 
 
 
(64) 2023/05/06(Sat) 10:45:44
 




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