……むう？吹雪いてきたかな……？


[夜になると堅牢な作りのペンションにも外の音が響いて来た。日付が変わる頃には吹雪は勢いを増し、外に出るのは危険な天気となっていった]

　────……あ。雪。

[内湯で身体洗って、とりま湯船で身体あっためて。

湯に浸かったところで、けっこう身体の芯から冷えつつあったことを改めて自覚して、ゆるゆる身体を緩めた後、いざ！と露天風呂に至る浴室奥の扉を開けてみれば、ちらちら粉雪が舞っていた。]

　スキー場だもんな。
　そりゃ、雪も降るよな。

[むしろ今日の日中、ずっと晴れてたのがラッキーだったと言えるのかもしれない。
けど、けっこう風も出てきてるし、あからさま、気温が急激に下がってきてる気がした。

────そう。嵐の前触れみたいに。]

　でも、外が寒いくらいの方が、露天風呂はきもちいーな。

[つっかれたー！と、湯の中、盛大に手足を伸ばせば、疲労成分が湯に溶けてく感じがする。
ああ天国。サイコー。]

　…………って、お前、なんでそんな端っこで黄昏れてんの？

[うっすら外から声が聞こえてきてるように思うから、松センなり律なり、誰かしら風呂に来るんじゃねとは思ってるけど、今んとこまだ、俺たち２人だけ。

秋月の"いろいろ困る"らしい諸事情 >>0:275 は全くお察しではない俺は、呑気に露天風呂を思う存分堪能していたのだった。]

[夕飯は、すき焼き！すき焼き！！だった。昼同様、ボリュームしっかり。

予告通り、松センは楽しそうに晩酌して、秋月と律あたりはそれに付き合ってたりしてたんだろうか。
俺は自重しておとなしーくおとなしーくウーロン茶飲んでたけど。]

　え、なんか、けっこう風、強…………。

[寝る前、もっかい露天風呂行きたいなと思ってたけど、移動の間に凍えそうだな、これ。

早めに入っておいて良かったかもだ。

そう思わせるほどの風の音が、窓をガタガタと揺らしてきてる。

皿を下げに来た国生さん >>0 も吹雪いてきたなと呟いていて、でもこのくらいの天候は良くあるって感じに笑ってたから、まあそんなもんなのかなと思ってたんだ。

驚くほどの猛吹雪が一晩中──いや翌日も──続くとは全く、全然、思ってもいなかった。]*

── ペンションの露天風呂──

　やっぱ広い風呂はいいな。

[足を曲げる必要もない広さの露天風呂は、身体をゆったり伸ばすことが出来るのが助かる。

カラオケパブを改装した今の家は後付けのシャワーブースしかなく。

湯船に浸かれるような機会はあまりない。

忙しい日が続いたりでめちゃくちゃ疲れた時なんかは銭湯に行くこともあるけど。]

　あー、どうりで寒いと思った。

[空閑の雪って呟きに上を見上げると、ちらほらと氷の粒が舞い始めていて。>>1

お湯から出ている顔や首周りはひんやりとした空気に触れていても、お湯が熱いから身体はしっかり温まっているから気持ちいいし。

筋肉痛にならないようにと、脚や腕をお湯の中で揉んでいれば、空閑から疑問の声がかかって目を逸らす。>>2]

　いや、せっかくだし広く使った方がいいだろ。

[今のところ他に人も来てないから詰める理由もないし、ともっともらしいことを言っておいた。

空閑も俺も学校行事は基本参加していたはずだけど、お互いに避けていたから、大浴場や大部屋ですら同じ空間にいた記憶が悉く薄かった。

とはいえ、修学旅行みたいなものでこういった広い風呂に一緒に入ることに問題ある方がおかしいのはわかってる。

他に人がいたら変な意識しなくて済むと思うんだけど。

2人だと条件反射みたいなものがうっかりあるかもしれないし、念のためだ。

でも風呂自体はちゃんと堪能出来てたから問題ないよ。]*

　────あ、そうだ。

[風呂上がり、夕飯までの空き時間に俺は、12人──そう、あの廃校事件の"生還者"たちだ──がメンバーになってるグループチャットに、ぽちぽち画像を送りつけていた。

数枚まとめて撮ってもらってた山頂での集合写真。

────『めーっちゃいい天気だった！』

そんなメッセージ添えて、ぱぱぱっと送信する。

今回不参加だった連中には、どんなタイミングで届いたんかな。

昴と荻センがすっげ大事なデートの予定の日だったとかは知らなかったし、桜輔と晴斗がなんか不穏な空気になってたとかも、こっちは知る由もなく。

ともかくこっちは、これからすき焼きなんだってさ！
やったね！]*

──ペンションの夕御飯──

[ペンションの夕飯は、また随分と豪華だった。

本当にいいとこだなーと改めて古川ちゃんや国生さんに感謝しながら、体力を使った分しっかり食べておこう。

空閑がグループメッセージに写真を送っていたのは、夕飯より前のタイミングくらいか。>>8]

　おー、よく撮れてるな。

[まだゲレンデに着いて間もなくの山頂の写真は空も晴れ渡っていて、皆明るい表情で映っている。

空も見えない校舎の中にいた時の記憶なんてすっかりどこかにいってしまいそうないい写真だったから、来られなかった面々にも皆が元気にしてることは伝わるんじゃないだろうか。

夏目が荻野先生とディナーって話は知らなかったし、おしゃれ料理だとか夜景の写真を送ってくれてもいいのだけど、そんな余裕はない頃だったかもしれない。

立成や辻は何してるんだろう、多分一緒にはいるんだろうなと思いを馳せながら、写真は保存しておいた。]

[夕飯の後は、雪遊びで疲れ切ったりしてなければ、松っちゃん先生の晩酌も一緒にしたし、バスでは先送りにしたカラオケリサイタルも大人しく（物理的に意識がなくなって大人しくなったかはともかく）拝聴もしたはずだ。

空閑が大人しくソフトドリンクを飲んでいることには安心しつつ。>>3

夜が深まってくれば、窓が風で鳴ったりもしていて。>>0

窓の外は暗闇の中に横殴りに白いものがはっきりと横切って見えるくらいには吹雪き始めていた。]

　明日にはすごい積もってそう。

[そんなことを呑気に言う程度に雪山に雪が降ることは当たり前だよなという認識の甘さで。

今日はずっと晴れていたし、外に出られなくなるほどの吹雪が続くなんて全く思ってもいなかったな。]*

──わからなくていいし考えなくてもいい話──

[ちら、ほらと。

綿毛のような粉雪が俺のスキーウェアの上でふわりと一つ消え。>>1

次に歌田の帽子の白に溶けるように消える。

晴天を誇っていた空がいつの間にかやや曇り、藍色が滲む。
気が付くと俺たちは随分ゲレンデでの時間を過ごしていたようだ。

周囲にはまだ元生徒たちはいるか？
見渡す限りいないように思う。

連絡用のLINEグループには俺も参加しているのでそこに「今からペンションに帰る」と一言打つと俺は歌田を促してゲレンデを後にした。]

[楽しかったから時を忘れたんだ。

まあそりゃ当たり前だよ、気になる女子と雪に戯れるなんてイベント、おじの現実にはそうそうないんだものさ。
こんな風に迫ってくる夕暮れに追い掛けられるように帰るまで夢中になるとは思わなかったけどそれも仕方なし。

藍色が滲むオレンジは暴力的に空を支配し、やがて冬の日没の早さを知らしめる。
要するに暗くなり始めてからが早いんだ。
勿論ここはゲレンデであり山と行っても真っ暗じゃないからいきなり遭難なんてしないけれど、本来俺は元生徒たち全員の安否に気を配ろうとしていたのだからなんたる失態。

楽しさに溺れた自分に歯噛みした。
そんな少しのイライラが隣に歌田に伝わらないといいのだが。

俺はだらだらしているように見えて実は根は真面目なんだよ。]

[ペンションの灯りが見える頃、既に辺りは漆黒の帳が随分堕ちてきていた。雪の純白が塗り替えられていく様は美しいとも言えるが、陽が暮れると共に気温もぐんぐん下がってくるのでそんな事を考える余裕もなくなる。]


　　寒くないか…
　　大丈夫か、歌田。

[子供は風の子みたいな彼女だし、スキーウェア着てるんだから平気とは思いつつ声を掛ける。手袋をしているから俺が握って温めてやる必要はないけど、そんなことをしたくなる。
別にエロい気持ちじゃなくな。

まるで蒸気列車みたいに息を吐きながら俺たちはペンションの入口に駆け込んだであろう。]

明るくて暖かい室内にほっとするのは二度目、既に家に帰ってきたような安堵感に包まれた。

どうやら秋月と空閑は露天風呂に入っているらしい。>>1>>4
十河ペアはどうしてるかな。古川は歌田が帰った時、部屋にいたろうか。

さてそんなで俺は俺はトイレ前の部屋に戻るのだが…その前に。
扉を半開きにし、中に引っ込む前に歌田に声を掛けた。]


　　……あー、えっと。
　　今日は。

　　一緒に滑ってくれてありがとうな。
　　凄く、楽しかったよ。
　　ほんと…ほんとに。

　　て、もうすぐ夕飯だろうな。
　　また下の食堂で逢おう。

　　そういや…露天風呂もあんだっけ、ここ。

[階下からは調理しているのだろう、二階まで良い香りが漂ってくる。>>0:272>>0:275

懐かしい青春時代みたいな時を過ごせた事に心から感謝し、やや照れくささを滲ませつつ、さっと部屋に引っ込んだ。

ゲレンデではついあんなことを囁いてしまったが、歌田はどう思っただろう。
別にただの感想とも取れる言葉ではあるが。

もし彼女が少しでも俺を男と見てくれているのなら……。
いや、そんな…。

そんなことをぼんやりと考えながら着替えを済ませた。]

[これは、とてもとても楽で手抜きで、無責任な方法だ。
あまりお勧めできるものではない。
しかし確実に幸せになれると言えば、なれる。

まず、自分が好きだと思う、大切と思う対象を幾人か用意する。
用意するっていうとまるで無理やり好きになったみたいだけれど、人間普通に過ごしていたら家族、友人、恋人、誰でも何人かはそんな人間いるだろう？

次。その相手の幸せについて考える。この場合、出来るだけ自分が関わらない場合の幸せを考えるのがポイントだ。

相手は恵まれた生活をしているか、充実しているか。幸せそうに笑っているか。
色々なものを持っているか。

何人か候補がいるんだから、何人かはそれを満たすはずである。
全員が不幸なんてそうないはずだから。]

[次。俺の幸せは、大切な相手の幸せが全てであると考える。
これこそ別に無理に思い込む事ではない。実際俺は本当にそう思っているんだ。

ただポイントは、これでもう俺の幸せは、俺個人の状態や幸不幸関係なく完結するって点。

要するにただのりだ。
他人の幸せを利用し、お手軽に自分を満たす。

他人は勝手に幸せになっている。自分がもし何か不幸であったとしても、他人から分け与えられる幸せで勝手に満たされるのだから、なんの努力もいらないし自動的に成立するのだ。]

[訂正。俺やっぱり生真面目でもなんでもないね。
心の底から腐った、怠惰な中年だ。

俺が関わらなくとも、生徒たちはそれぞれペアになり、パートナーを見つけ、充実した人生を送る。それを見て俺は満たされる。

歌田だって…。]

[無理に眩しい太陽に手を延ばした結果、イカロスはどうなった？

仄暗い気持ちは俺をじわじわと浸食したが。
……やれ、やれ。

あの廃校で彼女を救うために注射器を使うと決めた時も、俺は自身の幸せを投げ出し、彼女の事だけを考えていた。

それを散々怒られた事を、本気で泣かれた事を俺は忘れてはならない。

あの歌田由佳里はそんな二度目の身勝手を、決して許さないだろうから。]*

[怪我以外も特にトラブルなく
ペンションに戻って来れただろうか。
私たちが戻った時にまだ全員揃ってなくても、
まだ慌てる時間じゃなかっただろうから、
特別心配する事はなく……

でも秋月くんと空閑くんが露天風呂に行っている事を
オーナーさんに聞いただかで知れば、
それにもいいなあって思ってしまった……。


ともあれ、美味しそうな夕食には心を弾ませた。
すき焼き、食べるのは久々だったかも。
オーナーさんがお酒も用意してくれて、
先生に注ごうかと思ったけど先を越されたかな。

じゃあ……って訳じゃないけど、
十河のグラスが空いたままだったなら、「飲むよね？」って断ってから彼のグラスに好きな飲み物を注いだだろう]

[私も特別お酒が好きという訳ではないけど、
こういう席なら飲むのも楽しいと思う。
梅酒が好きなので、ゆっくりと味わったかな。
ちなみに強さは並みくらいなので、
一杯しか飲まない。

夕食後くらいだったか、
外の吹雪く音が聞こえてきたら、
別にここが潰れるなんて心配はしないけど]


　　……帰れなくなったらどうしよう。


[と、このメンバーに聞かせるには少々空気が読めないかもしれない事をぽつりと口にしてしまう。
オーナーさんが「帰れるまで泊まってってくださいよ」って豪快に笑ったけど、本当にそうなるとは、まだ想像もしなかった。*]

[ここに至るまでに色々あったけど、みんなと一緒にゴンドラで山頂に行って、降りてくることになった。


俺が先に手本を示すように少しだけ滑って降りて
振り返って合図を送ると、それを受けて滑り出す>>0:244
流石に最初は緊張ガチガチで、おそるおそるといった滑り出しだったけど、いきなりスピードがついてしまう事もなく、ゆっくりと俺の方に近づいてきた。
で、そのまま無事に辿り着くかと思ってたのに]


　？！


[目の前でいきなりコケた。
っていうか、
およそ普段の面の下からは絶対に発せられる事はなさそうな
　みたいな声！

などと驚きつつ、小柄な彼女が雪に完全に埋もれているので、まずは起こす手出すけをする……けれど、]


　……。


[引き上げたばかりのこの手を離せば、今の声がもう一度聴ける？と過って
可哀想なので止めておいた]

[二度目が聞けたかはともかく（二度目があったら素直に謝ったよ、ゴメンね）
ニット帽の頭やウェアの背中など、
雪まみれになった部分を軽く叩いて落としながら、]


　どう？　いけそう？


[と尋ねたら、行けそう>>0:245だって]


　何か掴んだ？　ふ、……そんな顔してる。
　

[先ほどまで不安そうだった表情は、凛々しい引き締まったものに変わっていた。
団体戦で大将しんがり務めている時の顔だね。頼もしい]


　最初だから大分力は入ってたけど、
　体重の乗せ方はちゃんとできてるみたいだから、
　体ではもう、理屈は分かってるみたい？

　もう少し意識を向ければ、すんなり行けそう。
　次は試しに、先に降りてみる？

　あそこに木が見えるじゃん？　次はあの辺りまで行ってみなよ
　今度はついていくから


[と、次は彼女を先へと促す]

[彼女が言葉に従って滑り出したら、その様子を見守りつつ]

　
　……。


[すかさず振り返って、足元の雪面に残された彼女の型>>0:244をカメラに収めた。
これぞ和かほ拓だ。あとで見せてやろっと。]

[ちなみに俺はそんなに写真を撮る方じゃないけど、
ツーショットを撮ったのは（秋月撮ってくれてサンキュ！）
俺よりは彼女のために記念に残したいと思ったからだ。

写真は恥ずかしい>>0:240と最初は抵抗があるかも
しれないけど、俺たちが付き合うようになって
遠出するのは初めてだし
雪山に来る機会など、そう頻繁に訪れるものではない。
常に顔を合わせる間柄ならともかく、
学校も違って住む場所も離れてるなら、こうした写真でもあれば
側に居られない代わりになれば、という思いがあってこそだ。

おそらくこの気持ちは、和かほにも伝わっているはず>>0:241]


　うん、慣れて行こう
　楽しい思い出、いっぱい作ろうね


[ほらね。確かな手ごたえを得て
俺は微笑みかけながら、彼女の頭を軽く撫でた]

[交互に滑っていって麓まで下りれば、和かほもだいぶ動きに慣れて来たんじゃないか。
さすが剣道がとても上手な女だと、言わざるを得ないだろう。
次はリフトに乗って、降りるときは転ばないように支えながら一緒に降りる。
次。また次。と繰り返せば、彼女はどんどん上手くなって
スピードも出せるようになったに違いない。
そのうち、一緒に並んで滑る事も出来たんじゃないかな]


　どーする？　ソリもやる？
　あと雪だるま、作ろうか？


[ボードに慣れて来て、楽しくなってきた頃であろうタイミングで尋ねる。
このままボードを続ける！でもいいし、
初志貫徹ソリをやってもいい。
雪だるまは黄金比バランスで作れば、雪だるまに褒めてもらえて、明日の朝には雪だるま家具がもらえるかも？ってコレは「あ〇森」]

[楽しく遊んでいれば、だんだんと日が傾いてきて、
夕方を迎えると少しずつ人も捌けてくる。この辺りが潮時か]


　そろそろ帰ろっか。


[空閑や秋月も戻ると言ってたかな。
途中で松センに声を掛けられたら、俺たちも帰りますって返す。
おそらくそこまで遅くない時間に、俺たちはゲレンデを後にした。*]

[バスの中ではおにとかあくまとかじんろう（まちがいない）とか聞こえた気がするけど、運転手さんもノリノリで楽しそうに運転してくれたし、
いい移動時間になったって私は思った！

それで部屋割りだけど……
先生も歌田さんも私も一人部屋になるかと思ってた。
私は二人部屋・・・・、というのがまだどうやら怖いみたいで、
歌田さんから誘われなければ……否、
強く希望されなければ、一人部屋を選んだだろう。

でも私も準備が早く済んだから歌田さんと喋り込む時間があって。>>0:181]


　　十河くんと衣代さんね〜
　　私も今日初めて知ったよ。
　　
　　でもいいよねえ、恋人って……


[どさくさに紛れて「歌田さんは好きな人いないの？」って聞いてみたけど、何か聞けただろうか。
ちなみに私は大学で告白されたりいい感じの人がいないでもないんだけど……まだ勉強とか日常生活の方を頑張ってるから、もう少し余裕ができたら、って感じ]

[という訳で問題がなければ　>>0:194訂正

　　・十河と衣代
　　・秋月と空閑
　　・古川
　　・歌田
　　・おじ(トイレの前の部屋)

でいいかな？いいよね？]

[そしてゲレンデに繰り出した際、
実はこっそり国生さんもついて来てくれて、
ちょっとだけ一緒に滑った。
私はこう見えて割とボードが得意なので、
ちょっとした技を撮ってもらったりして……

国生さんが夕食の準備に戻った後、
元同級生たちとゴンドラで頂上へ登った。

山頂から下を見下ろして、
今回来れなかった荻野先生や夏目くん、立成くん、辻くん、鴨嶋さんの事を思う。
みんなどこかできっとがんばってるんだろうなって思えて、
私も、今回のお泊まりが終わってもがんばろうって思った。

ここで撮った写真は私も後でみんなに送ろうと思っていたから、
あ、空閑くん>>8に先越されたな、って思っただろう]

[ところで。
「あの子達CD出してるんですよ」って国生さんにそのアルバムを渡していた。
国生さんが夕食の用意をしている時にそれを聴いてくれて、
「いい曲だなあ……何か沁みるなあ」って感動して、
dawning blueが泊まったペンションとして
二人のサインを飾りたいらしい。

夕食後くらいに二人に色紙とペンを手渡したら、
CD>>0:69と一緒に書いてくれたかな。
国生さんも「お願いします♡」と手を合わせてお茶目にウインクを決めた。**]

[ペンションの入口で雪を払い、先に乾燥室に入ってボードを立てかけブーツを履き替える。
和かほのはレンタルだから、もう返した後だよな。
ウェアは室内に干せる場所があるらしい。
とまあ色々やって建物に入れば、オーナーとお手伝いさんがお帰りと迎えてくれた]


　そろそろ夕飯の時間？
　

[昼のゲレ食サイズのかつ丼はすっかり消化されて、今にも腹の虫が鳴りそうだが、まだもう少しかかるらしい。
その前に風呂でも入ったら、と勧められる。
何でも秋月と空閑が既に露天風呂に行ってるらしい>>22]


　露天風呂？！へぇ…！


[露天風呂なんて、家族旅行でしか行った事がないかも。
そこでは男湯と女湯で分かれていたけど、
ここはペンションなので時間帯によって
男湯と女湯が入れ替わるとかなんとか]

[そうだ。
食事前……つか、いや、風呂前、だったか。]

　秋月……わり、ピアス取って。

[温泉でも温泉じゃなくても、風呂入る前には、ドブルロゴのピアスは外そうって思ってたから。
それはきっと秋月もそうだったと思うけど。

つけるのも怖えんだけど、外すのも怖えんだよ解れよ！と態度だけは尊大に、ロゴピアスを外すのはやってもらって、でも代わりに秋月のピアスを外すのは俺がやっといた。]

　動くなよ。ぜってー動くなよ……。

[言いつつ、ふんふん鼻息荒く秋月の右耳に顔寄せて。

……まあ、人のピアスを外すのはな。

自分の外すよりは気楽に出来たし、怖くなかった、はずだ。

かくして、地味めのに戻ったピアスをつけた状態で、夕食の食堂に赴いて。]

[一旦部屋に戻ってきた俺たち。
朝から動きっぱなしで疲れているので、今すぐベッドにごろんしたい気もするが、
体が冷えていることだし、温かい飲み物でも入れようか]


　何飲む？コーヒー？紅茶？
　緑茶もあるけど。


[電気ケトルに水を汲んできてセットしながら、
二人分のカップを並べる]


　夕飯までどうしよっか。
　一緒に風呂行く？　

　女の子たちと一緒に露天風呂に行くっていうなら
　後の方がいいのかな


[さっきは荷物を置いて、慌ただしく着替えて出て行った部屋の中を改めて確認しながら、カーテンを閉めに窓辺に向かう]

[窓の外はすっかり日が落ちて暗くなっていた。
窓はピッタリ閉じられていて風の音はしないが、外はかなり吹雪いているように見える。
いつの間に。雪山の天気はあっという間に変わるものだと思いながら、厚手のカーテンをピッタリと閉じた]


　俺はどうしよっかな〜……
　露天風呂なんて（俺的には）珍しいし、
　入ってみたい気もするけど


[でも今からだと、そこまでゆっくり浸かれないんじゃないかという気もして、悩んではいる。
せっかくの温泉なら慌ただしく入るのではなく
ゆっくり浸かりたい。
何なら秋月たちや松センも一緒に入れば楽しそうだ。
いや、秋月たちは今入ってるのか。後でもう一度誘えば来る？

それか和かほとワンチャン狙うなら、オーナーに頼み込んで混浴時間帯を作ってもらうとか。
でも、混浴にしたからって、俺たち以外が入ってくると、それはそれで阿鼻叫喚の騒ぎになりそうな気もする……]

　…………え。衣代も飲むのか。マジでか。 >>23

[衣代も成人してたとは、なんかこう、裏切られた気分……とは言わないけども。

秋月から"お前は飲むなよ"って風な視線がぐさぐさ来てたこともあって、今日の俺は自重してたよ。

疲れすぎてて、どんな酔い方するかちょっとだけ自信無かったってのもあるし、何より、食べる方に集中したかったってのもあるし。]



[言ったら、おかわり肉まで出てきたからそれも食った。

いや、豆腐も春菊も長ねぎも、色々全部しっかり食ったし、最後は器に残った卵液をご飯にぶっかけて食った。
旨かった。

────……で。]

[お湯が沸いたので二人分のお茶を入れる。
カップを二つ持って、片方を和かほに渡してから
並んでソファーだかベッドに座る]


　まあ、こうして悩んでる間に夕飯の時間になりそうだけどね…
　あ、さっきの菓子があるよ
　軽くつまんでいこっか


[昼食の時に一緒に出されたお菓子を部屋に持ち込んでいた。
この後の予定は悩ましいけど、まずはのんびりティータイムと行こうじゃないか、と。

そして、この頃はまだ、この後訪れる苦難のことなど
これっぽっちも思い至らなかったのである、…───。*]

　へ？え、なんで……？

　………………っ、古川ぁ……。

[いや、隠す気はねーです。
むしろありがとうです。

けど、満面の笑みで国生さんが色紙を渡してきたことに、なんで？って一瞬面食らってしまった。

や、一応、俺の勤務先のライブハウスと居酒屋と、あと秋月が働いてるプールバーもか？あと地元のレコード店？そのくらいは、色紙飾ってもらってたと思うけど、まだそんな、そこまでそういうのは慣れては無くて。]

　え、CDって……あ、古川から？
　じゃあ古川にもっかい渡す……っ、
　つか、え、国生さんの方に新品渡した方がいい？

[言いつつどかどかと自室を往復してともかくもCDもう１枚渡して。]

どうにも気恥ずかしいサイン会になったところからしても、やっぱ俺は酒飲んでなくて良かったような気がしないでもない。

秋月はな。酒飲んだとこで顔色とか全然代わらねーんだけど。]

　秋月……お前やっぱサイン変えたら？

[俺の倍くらいのスピードで、端正な筆記体(しかも縦書き)でえんえんと"時雨"の文字を書いてる奴の傍ら、俺は謎に目玉と口がついた"KU-MA"のサインを量産して。

この、なんとも言えない２つ並んだサインのバランスの悪さもまた、俺ららしいのかなと、思わないでも無いんだけど。]*

[で、恐らく夕飯までに風呂は行かなかったと思う。
予め聞いていた時間に部屋を出て食堂に向かうと、
出来たての温かい食事が、幸せな匂いを立てていた。
ああ、これは……紛れもなく]


　すき焼き……っ


[隣の和かほを見たら、目をキラキラとさせていた>>22
そういえば、俺たちまだ二人で鍋を囲んだ事がなかったな。
すき焼きは奮発しないといけないから
そう簡単には出来ないけど、次に部屋デートするなら
鍋かおでんでもいいかな、と]

[皆も食堂に集まって、思い思いに腰を下ろす。
何となく部屋割り通りの並びだ。
すき焼き鍋の他に、酒瓶もちょっとだけ並ぶ。>>22
何だか大人の集まりって感じがして嬉しくなった。
既に居酒屋に入って飲んだ事はあるけど、それとは別の高揚感]


　それじゃ、まずは乾杯？


[って音頭を取るのは、ここは元担任の松センだよな。
きっと〆るのも松セン。まあ、堅苦しい会じゃないので、挨拶もそこそこに乾杯〜！って音頭を取ってすぐにすき焼きパーリィが始まるだろう]


　肉美味いなぁ……あ、和かほは豆腐も食えよ
　肉、肉、豆腐、肉、豆腐くらいでいいから


[ささっと手早く鍋から掬って和かほの器によそう。
この辺は抜かりなく。
一方、和かほは俺のグラスにお代わりのビールを注ごうとする。「飲むよね」と訊かれて]


　うん　でもこれでラストな


[君は俺の酒量知ってるだろ？明日起きられなくなっても困るし]

[すき焼きで大方腹が膨れて来た後は、何やらサイン会が始まった。古川から聞いたのか、オーナーが空閑と秋月にサインを求める>>34]


　いよっ、　有名人！


[こういう時に囃し立てるのは大概俺。
酒も入って若干声がデカい。
周りも調子を合わせて拍手して場を盛り上げる。
で、サイン色紙はこのペンションの壁に飾られるのか。
明日の朝になれば、この食堂でお目にかかるかもしれない？]


　つーか、お前ら。もっと有名になれよ。
　俺も自慢できるし、鼻が高いから。


[なんてな。まあ、この先どんな事があろうとも、
お前らが活動を続ける限り、俺はお前らのサポーターだよ。*]

[楽しい晩餐も終わって、皆が思い思いに過ごしている時。
この後温泉に入るつもりだったけど
腹が膨れてどこか億劫にもなりつつ、レクリエーションルームの片隅でボドゲ（あるんだ！）を物色していたら、
不意に和かほが呟いた>>23]


　……ん？


[満腹とほろ酔いで外の荒天に気付くのが遅れた俺は、
彼女の呟きでようやくその可能性について思いを巡らす、も]


　別に？　帰れるんじゃね？


[帰れなくなるほどの荒天がいまいちピンと来ないまま
あっさりと返してしまう。
これだけでかい建物なら潰れる事もなさそうだし、
食料も、何なら自家発電だって備わってそうだし。

雪山で経営するペンションなら、豪雪への備えも万全なんじゃないかなと。
彼女の不安を聞いたオーナーも、「帰れるまで泊まっていっていいと」言ってくれた（やったぁ！）
今のところ、不安になる要素はひとつもない]

[それに、彼女は数時間前
山頂でも似たような事を呟いていた。>>0:171]


　……さっきも帰れるかなって言ってたけど、
　無事に帰ってこれただろ

　だーいじょうぶだよ


[さっきまでごちそうを目の前にしてキラキラしていた顔は
今はちょっと不安に陰っているか？
顔の覗き込むように身を少し屈めると、頭をぽふぽふと撫でる。

俺はまだほろ酔いで上機嫌だったから、深刻に考える事なんてできなかった。
翌日になってまさか、本当に積雪に閉じ込められるなんて、
この時はまだ、考えも及ばなくて。*]

[なお、ここまで外の風雪が強くなっているとすると、
露天風呂に入るのも厳しめか？

混浴の打診をオーナーにするどころか、
俺は露天風呂に入り損ねたかもしれない。*]

[山頂からの旅路は、未知ではあったけれど
これまでの稽古に比べたら辛いというものではない。
稽古では見せた事のない醜態を晒した気がするが……
しかもそれをもう一度聞きたい？と思われたとは>>24
夢にも思わないまま。

彼に手を貸してもらって起き上がって、
頭やらについた白色を払ってもらって、
もう一度一緒に降りる方法を教えてもらう。>>25
「うん」としっかり頷いて、
今度は肩からも足からも自然と力が抜けて、
すいっ……とうまく彼が示した木まで滑れた。

私の滑り出しが順調だったからといって、
後ろで彼が拓を撮っている>>26なんて思いもせず]

[うまくいった、と思う。
細かいところや技術的な面はそりゃ拙いだろうけど、
少なくとも倒れる事なく、変な方向へ曲がる事もなく
目的の木まで辿り着けた。
彼も喜んでくれたかな。

写真も、こういう遊びも、
一緒に慣れて、楽しい思い出を作っていきたい。>>27
写真に撮れない今この瞬間の思い出も、さっき秋月くんが撮ってくれた写真を見ればきっと思い出せるから……
私も嬉しそうに微笑みを向けていただろう]

[そうして麓まで無事降りられたら改めて山頂を見上げ、あそこから降りて来たのだという達成感に何だか感動すら覚えた。
でも今度はリフトに乗ってまた登ると言われたら
ええっ折角降りたのに？！と信じられないものを見る顔で彼を見た。滑るのが楽しくなかった訳ではない、が、
身体の使い方に集中して必死だったから
「またやりたい」という感想とはちょっと違って……

でも、彼に誘われてやってみたら、
楽しさがわかるレベルには滑れる様になった。
並んで滑るのも楽しかった。
だから、]


　　ありがと……
　　十河が一緒だったから、
　　すごく楽しい、よ。


[途中、彼に感謝を伝えた。
一人でも私は上達はしたかもしれないけど、
きっと、楽しめるところまでいかなかった。
だからありがとう、って。

でもソリもしたい、ってちょっとだけ滑って、
雪だるまも作った。
小さな雪だるまをいっぱい作っている古川さんとばったり会って、彼女に少し離れたところから見てもらいながら十河と雪を固めていけば、素晴らしいバランスの雪だるまができたかな。
通りがかったお客さんが写真を撮っていたので、
三人＋雪だるまでの写真も撮ってもらったかも]

[楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
そろそろ戻らなければならない刻限となり、
十河の言葉に頷いた。>>30
古川さんと三人で戻ったかな。

ボードを返却してウェアを乾かして……
さっきお昼ご飯を食べたばかりだと思っていたけれど、
いっぱい遊んでもうお腹がぺこぺこだった。

でも露天風呂にも惹かれる。
温泉とか旅先の浴場って結構好き。
秋月くんと空閑くんが一緒に入ってるって知って、
いいなあって思った私はそれを口にはしなかったのに、]

[ともあれ、一旦部屋に戻って一息つく。
飲み物を用意してくれる十河は、
私の部屋で料理を主に担ってくれる様なムーブだ。>>37
私もベッドに寝転びかけていたけど、
起き上がって一緒に手伝おうとする]


　　えっと、紅茶……十河は？


[部屋はあったかいが、
まだ末端が冷えている気がして温まれる様なものを選ぶ。
十河は何を選んだかな]


　　お、お風呂……時間あるかな……


[「一緒に風呂」なんて勘違いしそうな台詞に一瞬引っ掛かりつつも、真面目に考える。お風呂、行きたい気もするけど、温まるには紅茶で十分だし、その紅茶を飲んでゆっくりしてたら、あんまり時間がない気がして]

[十河が入ってみたいと言うのなら、
今なら秋月くんたちと一緒に入れるかもしれない……
でも、窓辺に向かう彼>>38にはその提案はしなかった。

だって、行ってほしくなかったから。

お茶とお菓子を前に二人で並んでソファに座り>>40、
紅茶を一口……。
そして飴玉みたいに包まれたチョコレートをひとつ……]


　　十河……


[包みから出したそれを十河の口に押し付けて、食べさせる。
無言の「あーん」だ。

]

―　🍴す！き！や！き！２🍴　―

　鍋、いいよな。
　うち今、一緒に夕飯食える時は半分以上、鍋料理だよ。

[一緒にテーブル囲んでたのは７人だから、長テーブルにいくつかカセットコンロが置かれることになったんだろうな。

鍋いいよな、みたいな目配せを向かいの咳の律と衣代がしてた風だったから>>43、俺はそう告げて。

俺等は互いにバーだったり居酒屋だったりでバイトしてるから、休み合わせないと夕飯を一緒とはなかなかいかないけど、それでも。うん。]

　うん、料理けっこうしてるし……、
　や、自炊のが安上がりだしな。
　…………料理は秋月のが上手いけど。

[一緒にハンバーグを作ったりはしてるし。
でもオムライスは秋月のが上手で、俺は謎の黄色い玄関マットみたいなシロモノが出来上がったから目下練習中だったり。]

　あと、こいつの作るプリンがくそ旨い。

[惚気のつもりはない。
ありのままの事実を述べたつもりだけど、でも惚気だったかもしれない。]

　たのしーよ。２人暮らし。

[そんな風に、つい発破をかける風な事を言ってしまうのは、本音でそう思ってるのもあるし、律が最初で最強のサポーターだってのもあるし>>45、真剣に付き合ってんだったらもうとっとと同棲しちまえば？なんて思ってしまったのもあったかな。]

　……自覚は無えんだって…………。

[食後、サインぐりぐり書いてる傍ら、律に「もっと有名に」とかなんとか言われ。>>45

アルバムが出る前後はやたらいろんな人に挨拶したし、挨拶されたりもしたけどな。

けど地方でイベントとか、そもそも記念ライブとかも、年末慌ただしい時期ってこともあっておおむね年明けにって後ろ倒しにしてるから、"有名人"なんて自覚はほど遠い。

けどさすがに、KU-MAのサインも、そこに添えるdawning blueの綴りも書き慣れては来ていた。
一番書きやすい油性のサインペンはどんな時も持ち歩くようになったのも、ここ数ヶ月のこと。

いや、しかし。しかしな。]

　…………あー、くそ、気恥ずかしー……。

[慣れない。やっぱ慣れない。]

[や、メジャーになりたかったよ？

いろんな人に俺の曲を──つか、今は"dawning blueの曲"を──聞いて貰いたかった。知って欲しかった。

音楽だけで飯食っていけるようになれたら最高だと思ってたのは、今も以前もずっとそうで。

けど、”有名"になって云々ってのは、また別のお話でさ。

律の言葉>>45はくっそ嬉しかったけど、それはそれとして。]

　なー、律。
　ずっと友達でいてくれ、な。

[有名になっても、いつかすっげ大箱でライブできるようになっても、こうして皆で馬鹿騒ぎできる自分で居続けたい。

あと３ヶ月ちょいで、俺も酒飲めるようになってるはずだし、別に遠出しないでも、地元で宴会だってできるはずだし。

ぽそもそ呟いたら、いくらか酒が入ってた律からは、過剰な反応が返ってきたかもしんないけども。]*

[ウィンタースポーツってのは、外でヘトヘトになるまで動いて
汗をかきまくっても、そんなに臭わないのがいいよな（体験談）
無論、今夜はこのまま眠るつもりはなくて
後で風呂には入ろうかと思っているけれど、
少なくともあの時あの廃校舎で
着の身着のままで丸二日以上抱き合った時よりはマシなんじゃないかと。


つまり、俺は和かほが嫌じゃなきゃ、
いつでも密着可能ってコト]

[飲み物を訊ねたら「紅茶」と返って来たので
俺も同じのにした。
露天風呂に行く時間が無くなるかもと思いながら
手元を急がなかったのは、和かほを置いて部屋を
出ていくのが嫌だったから。
お互い口には出さなかったけど、
似たような気持ちであったかもしれない>>54

紅茶のカップを渡して並んで座る。
カップの湯気を口元に当てながら一口、二口と飲んで。
並べた菓子に和かほが先に手を伸ばしたと思ったら、
包みを解いた中身を自分ではなく、俺の方へと差し出した]


　ん、　……あーん


[意図を察して口を開けると、
彼女の指先ごとチョコレートの粒を口に含む。
チョコを奪いながら、指先も軽く音を立てて吸った。
指先を解放して、口をもぐもぐさせながら、
間近に彼女の顔を覗き込んで、ふふ、と笑う]

[口の中いっぱいにチョコの甘い香りが広がって、
紅茶を飲んで流し込む。
カップを目の前のローテーブルに置いたら、
今度は俺から「あーん」する番だ。
同じチョコの包みを取り上げると、包みをほどいて
彼女の口元に運ぶ]


　……おいし？


[今しがた味わった甘さが、
彼女の口の中にも広がった頃を見計らって尋ねる。
さて、夕飯の時間まであと30分もないぞ。
あんまり激しくしてのめり込むと、夕飯食いっぱぐれるかもしれないから、]

──ペンションの夜──

　動かないからさくっと外して。

[耳が千切れるわけでもないんだから、そのまま片側をちゃんと摘んで引っ張れば取れるよと頭を空閑に合わせて斜め下に傾ける。>>36

露天風呂は温泉成分だとかがピアスに影響があるかもってことで、例により怖くて付け外し出来ない空閑の分は手伝ったのだけど。

自分のを触るのは怖くても練習はしたかったらしく、俺の耳を貸すことになった。

俺としては勝手知ったる自分の体より他人のいじる方が怖くない？と思うのだけど。

お互いのピアスは付属の箱へと対のロゴを戻すと、自分の普段付けてるシンプルなスタッズピアスを付け直す。

それも空閑がやりたいというなら、練習台くらいにはなっただろう。

ちなみに十河や松っちゃんせんせーから風呂は誘われたらまた入っただろうし、国生さんに頼んで混浴に変わるようなことがあるなら、そこに入っていかない空気くらいは読めるよ？>>38

もっとも、夕食後には露天風呂に入れるような天気ではなくなっていたかもしれないが。>>48]*

[俺と和かほがすき焼き鍋を前に目を輝かせていると、
空閑がその様子に気付いたのか、「冬はやっぱり鍋よな」
みたいな事を言ってきた>>55

聞けばなるほど、秋月と二人暮らししている今、
夕飯の内容は半分が鍋だと。
二人暮らしは自炊中心で、料理は秋月が上手いと。
それは分かる気がするが]


　プリン、へぇ〜……


[別に聞いてもいないのに、
秋月の得意レシピまで教えてくれる。
なんだ、これは。惚気か。
これはただの二人暮らしじゃない予感がして、俺は思わず口元にニヤけ笑いを浮かべる。
俺の表情の変化に気付いてか、空閑はどんどん喋る喋る。
しまいには、たのしーよ。２人暮らし。で括られた]

　

　……なんか、 みたいだな


[と率直な感想をぶつけてみたが、空閑の表情は変わったかな？
ちなみに同棲したくてもできない事情があるんだよ。
お前らはデビューした社会人だけど、
俺たちはまだ学生の身分だしな。
とまあ、今はそこまで語らなかったけど]

[ほんで、夕食の途中でオーナーからサインを求められて、
空閑はまだ慣れてないのか、気恥ずかしそうに応じてる。
これからもっと有名になれよ、と発破を掛けたら
たぶん喜んでくれたのだと思うけど、
不意に「ずっと友達でいてくれ」>>57なんて言われた]


　えっ？
　むしろ、それは俺の台詞じゃね？

　「有名になったら、遠い存在になった気がする」
　「有名になっても、ずっと友達でいてくれよ」

　って感じ？


[過剰な反応が出来たかはともかく、意表は突かれた。
でも、急激に環境が変化して、
本人も合わせていくのが必死なのかもな。
周囲が急に変わっていく中で、
変わらない存在が欲しいのかもしれない。
それが、俺とのダチ関係っていうなら、
まあ、改まって言うと気恥ずかしいが、お前が望むなら喜んで、]

　
　
　もちろん、いいよ。
　お前の誕生日、来年だっけ。3月？
　立成と一緒か。また飲みに行こ


[気安く応じたから、軽く聞こえたかもしれないけど
絆は強いはずだよ。
なんたって俺たちは、廃校舎からのサバイバーだからな。*]

― ペンションの自室で ―

[十河も紅茶を飲むんだって。
お揃いで嬉しい、って、こんな事で少し喜んでしまう自分がいる。

一緒に並んで紅茶を飲む……というと
優雅な時間に感じるかもしれないけれど、
折角人目もなくて二人きりだから……
もう少し触れたい、って思ってしまう。
ゴンドラに乗る時や雪面に倒れた私を起こす時なんかに
彼の手には触れたけど……そういう触れ方じゃない。

チョコレートを差し出して、
どさくさに紛れてその唇に触れたい……って、
そんな事は言えなかったけど。
みなまで言わずとも口を開いてくれた彼が、
私の指先にも唇で触れる。>>59]


　　ん、っ


[一瞬触れただけで心臓が大きく鳴って、
思わず指先が揺れたが、引っ込める事はなかった。
チョコレートで頬を少し膨らませた彼の顔を見る私は、
平静ではいられなかった]

[彼の手が紅茶のカップに伸びるのを、目で追う。
彼が紅茶を飲む間も、
私はどきどきと心臓が鳴り続けるのを聞いていた。

彼がお返しの様に差し出したチョコ>>60……
私は口を開けて、彼の指に触れない様に気を付けながら受け取った。


舌の上に硬いものが乗って、
ゆっくりと歯を立てれば、
甘すぎるくらいのチョコレートの味が広がった]


　　ん……甘い……


[少し困った様にそう告げる私の瞳は、
薄っすら潤んでしまった]

[夕食のすき焼きは肉も野菜も地産地消というやつなのか、文句なしの味だった。

豆腐も水が綺麗な山中だからなのかな、やたら美味くおもえたし、大豆の味がしっかりとして煮崩れたりもなくて。

味が濃いめだし、溶き卵と食べるのが至高となると、米と食うのが美味いのは当然のこととして。

国生さんおすすめらしいこの地域の酒造の日本酒と一緒にいただくことにした。

他の皆も結構飲めるようだったから、空閑だけ飲めないのは可哀想な気もして、控えめにはしておいたよ。(1)^1d5杯くらい？]

　鍋、楽だからな。
　道具さえ揃えばそう高くもつかないし。

[空閑が最近の自炊状況を話すのに頷く。>>55

そういえば俺の誕生日は、空閑が1人ですき焼きを作ってくれたんだった。

肉もいいやつをバイト先から譲って貰ってきてくれたからこれに劣らないくらいに美味かったよ、と卵に浸した肉を口に運んだ。]

　……まあ、デザートみたいなのが多いのは
　バイト先がバーだからかな。

[プリンが旨いとか言われれば、微妙に気恥ずかしくなって口を挟む。>>55

“楽しい“っていうのは同意なんだけど、十河が“新婚生活“とか言うのに飲んでいた酒を咽せそうになった。>>63]

　っ……、
　俺はそれまで全く自炊したことなかったから。

[大学行ってた頃は金に余裕あったから外食や出前ばっかだったし。

家族と暮らしてても十河が衣代ちゃんのために料理を作ってるって話を聞いたら、純粋にすごいなと思ったに違いない。

俺らは今は金もないからというのと、空閑がほっとくと素パン？（何も塗ったりしてないパン）とか食って生活しようとするから作るようになったってだけだよ、とは十河に告げたものの、空閑がどんな顔をしていたかはどうだろうな。]

[それから夕食の終わりだったか国生さんが俺らのCDを持っていたことには驚いた。

新しいのを渡すからとバタバタと撮りに行くのは任せることにして。]

　サイン？いいですよ。
　あ、古川ちゃんのも書くよ。

[古川ちゃんに頼まれたら勿論二つ返事で頷くに決まっている。>>34。

彼女が国生さんにも布教してくれていたみたいで、ペンションにも飾ってくれるらしい。

バスに乗る前に希望を聞いていた松っちゃんせんせーだったり、他の人にも頼まれたら2人分のサインを記すことにしただろう。]

　そう？遊びが必要ならハートくらい書いとく？

[やるとしても女子限定ねと軽口を叩きつつ、変えた方がいいと言われても>>42書き慣れた本名で支障は全くないものだから。

空閑のが文字以外の装飾も書いてるから大変なんじゃないだろうか。]

　十河が将来子どもにでも自慢できるくらいには、
　長く息がもつように頑張るよ。

[こんな時にも盛り上げようとしてくれる十河には>>45、空閑が“ずっと友達でいてくれ“と言う傍ら、そう答えておいた。

やっぱり友達に褒められるのは恥ずかしいのは変わりなくても、応援してくれるのが嬉しいし。]

　そうだ、また立成と飲むことあったら呼んでよ。
　十河の誕生日の時は、
　あいつとも少ししか話せなかったからさ。

[十河は酔ってて覚えてなかったかもだけど、俺も帰り際に顔は合わせたよと話しつつ。

空閑に飲ませるなら弱いから量は抑えた方がいいと付け加えたら、また本人からは謎の否定をされただろうか。

そんな話をしながら、サインは頼まれた分を書き切ることができたかな。]*

[そうそう、何かにつけておじさんを関連付ける先生だけど、男だけはまだ廃業の予定がないらしい>>1：253。
それがギャップにも思えて、面白くさえある。]

[ぐんぐんと進んでいく感覚は、ドリブルで選手を抜き去るときの身体の動きによく似ていて、新しいものをやっているのになんだか懐かしい。さすがに経験者の先生を置き去りにできるほどではないけれど、筋の良さは存分に発揮できていると思う。]


　せんせ、これめっちゃ面白いね！！


[真冬の冷たい風が、どんどんと自分の顔を高揚させていくのがわかる。]

[長野……そうだったんだ。聞いていたような聞いてなかったような、絶妙な知識にふぅんと思って。
そいえば、前の奥さんとはどういう関係で、いつ付き合ったんだろ。
この辺り、聞いたら嫉妬深いとか思われるのかな。とか思うのは、なんだかおじさんらしくもない、俊敏なスキー裁きを見たからかもしれない。]


　何回も、何回でも！！
　つぎオオタニのストレートくらいのスピード出したい！！


[地面に照り返す光は、ちょっとまぶしすぎる。ゴーグルを前髪と一緒になってくい、上げると、ぴかぴかとした風景と、]

[それからへとへとになる(赤面するような言葉を言われる)までに。結局何往復位しただろう。デパート屋上の子供さながらに何度も何度も、先生の腰が爆発を迎えるまで、せびったことだろう。]


　ねえめっちゃ暗くなんの早くない？


[それは単に日が短くなったね、という意味だけではないのはいうまでもない。先生が切望されておられる、スキーウェアの中はちょっとだけ汗ばんでいるくらいの状態で。問い掛け>>14にはふるふる、と首を横に振った。]

　なあに、改まっちゃって。
　わたし、スノボしたくて来たんだもん。


[部屋の前に戻ると、まるで同伴をしたことに対しての感謝の気持ちを伝えられて。>>15
欲望もなんか、駄々洩れてるような気がして、少し意地悪そうに白い眼を向けてみたりもする。露店風呂、言われても一緒に行くとか……でもちょっと想像はしてみたりして]

[だって、まあ、今は完全に先生に対して回答を保留しているのが私の状態で。「年の差を考えて」ということを盾に、曖昧な態度を取り続けてしまっているというのは、自覚しているところでございます。
そういうのの先には、必然、裸の付き合い？というのももちろんある訳で。……想像をつけろと言われても難しいんだけど、ま、そりゃ考えなくもないっていうのが、率直な感想で、そこにはまだ折り合いが付けれない。]

[カバンに忍ばせたアンクレットを、先生に見せられる日は来るんだろうか。

ぐうぅぅ。甘じょっぱい香りが鼻孔をくすぐると、腹が呼応して返事した。うーん、まずは飯、飯！*]

──ペンションの部屋──

　すげー吹雪……。

[夕食とちょっとした酒の席も終わって、部屋に戻ってからも、益々窓の外の吹雪は勢いを増しているように見えた。

帰れなくなったら、なんて衣代ちゃんの呟きに国生さんも冗談めかして答えていたけど。>>23

さすがに明日には収まるよな？とスマホでこの辺りの天気予報を見ようとしても、天候のせいなのか微妙に接続が悪くて途中で諦めた。

明日にも多少降ってたところで出られなくなるほどの吹雪というのは想像がついていない。]

　お前、どっちのベッドのがいいとかある？

[窓に近い方が冷えたりすんのかな、と特に希望がないなら窓際の方に荷物を持っていった。

別にいつも同じベッドで寝てるんだし、多少狭くても一緒に寝てもいいんだけど。

それこそいろいろ困るっていうか、友達の親戚が経営するペンションでおかしな痕跡残して帰りたくないし……。

男女ならそういうこともあるだろうって思われるにしても、男の2人部屋で？っていうのがな。

何にしても今日はくたくただったし、さっさと寝ることにはなったと思う。

見てるだけで底冷えしそうな窓の外の様子に、日付が変わる頃には少しだけ不安を覚えたりはした。]**

― すき焼き晩ご飯 ―

[夕食の時間には、ちゃんと顔を出せたと思う。
オーナーさん達が用意してくれたすき焼きを囲んで、
みんなで賑わいながら食べる……
すごく同窓会っぽいな、と感じ入る。
今回欠席の人たちが揃ってほんとの同窓会だから、ちがうんだけど……でも、いいなって思った。

十河と二人でお鍋もいいなって、
私も同じくらいのタイミングで思ったかも。>>43

乾杯の音頭は、先生の役目？
先生が違うならきっと十河あたりが務めるだろう。
何はともあれ、
美味しいお肉とお酒を楽しむ……豆腐？>>44]


　　え……？うん……


[別にお豆腐好きだしよそってもらって嫌がりはしないけど、
何でお豆腐だけピンポイント、そしてその割合……。
首を傾げながらも、十河にラストビールを注いだ]

[途中、空閑くんに驚いた顔をされた。>>39]


　　え、うん……だって大人だもん。


[大人だから飲んでもいいじゃないかと
そういう意味で言ったけれど、
空閑くんが大人じゃないみたいな言い方になったかも。
や、彼がお酒を飲める歳ではないのは事実なんだけど。
あと、秋月くんの作るプリンの話>>55はちょっと気になって、
食べてみたいなって思ったけど、
そこまではちょっと図々しいかなって口にはしなかった。

そしてお腹いっぱいになった後、
サイン会が始まった。>>42
十河も囃し立てている>>45が、]


　　すごい……
　　お店とかに色紙飾ってあるやつだ。


[それって十河の言う通り有名人がやる事だから、
純粋にすごい、と思って感嘆の様なため息を漏らす。
まだ駆け出しと呼ばれるかもしれない彼らだけど、
例えば剣道の大会で優勝した私のサインとかは
ここに飾られるものではない。
比べるものじゃないけど、私とは違うってはっきり感じた]

[でもそれは立場だけの話。
友達でいてくれ、と願う空閑くん。>>57
もちろん、と頷く十河。>>65

そこに割って入る事はしないけど、
私にとって空閑くんは元同級生で、ずっと友達で、
ずっと空閑くんの事を応援してる。
勿論、秋月くんの事も。

二人の大きな夢が叶います様にって、
見えない星に願った]

[建物に阻まれて見えないだけだった星が、
大雪にも掻き消されていく夜。
明日本当に帰れるのだろうかと不安をふと口にしたら、
それを拾ったのは十河だった。>>46

あっさりと返事が返ったが、
私の不安は消える事はなかった。
オーナーさんが笑ってくれても同じだったけれど……

十河の言葉>>47を聞いて、
頭を撫でられたら、ようやく少しほっとした顔になった。

遅くならない内にお風呂に行ってから部屋に戻ったら、
十河は居たかな]

　　露天風呂、一緒に入れたらよかったね。


[なんて台詞は、
入るのは難しいからこそ言えたのかもしれない。
何せこの窓から見える分でも十分にわかる悪天候だ。
オーナーさんに頼んで>>38……なんてまでは考えられなかったが、お風呂に行きがてらちらっと露天風呂を覗いたら、（吹雪いてて見えにくかったけど）一緒に入れたらいいなあと憧れが大きくなるくらい素敵なお風呂だった]

　（私たち、同性カップルだったらよかったかな……）


[とふと考えて私の頭に浮かんだのは、
秋月くんと空閑くんの顔だった。
……なんでだろう。
十河が「新婚生活」>>63とか言ったからだったかな。**]

["勝手知ったる自分の体"？ >>61

いや、俺の耳はもはや、"勝手知らない自分の耳"なんだけど？

穴が空いた自分の体って、まだなんか全然慣れない。
あ、ドウモーハジメマシテー？オセワニナリマスー？って感じしかしない。

お前の耳の方がよっぽど見知ってるわ。]

　あとでもっかい触らせてもらっていい？

[つけるけど。今つけるのもするけど。
ごにょごにょ言いつつ秋月の"スタッズピアス"もどうにか付けて、自分のも付けてもらって、んで、風呂入って。]

　これ、この穴、ぐにぐにしても大丈夫なもんなのか……、
　………………そうか。

[言いつつ、自分の耳でやっとけよみたいな、猿のグルーミング的仕草を風呂上がりに展開していたその時、少し離れた律部屋で揉まれてたのは耳朶ではなく胸だったとか、それは俺らが知らなくていい話だ。]*

　………………っし、!?!?

[律が、屈託無い笑顔で「」>>63なんて言うもんだから、俺は口にしかけたウーロン茶を危うく吹き出すとこだった。

隣で秋月も同じ風に咳してて>>69、そんなとこまで仲良しかよみたいな視線が律から飛んできた気がする。

その横の衣代はと言えば、新婚云々じゃなく、「プリン……」って顔してた>>79のが、ちょっと面白かったんだけど。]

　や、うん、こいつ俺より器用だし、なんか、やたらちゃんと食えちゃんと食え言ってくるし、俺はさ、ほら、食パン袋で買ってきてそんまま袋から出して食ってるみたいな食生活で文句なかったんだけどそれじゃだめだろってなんかいろいろしてくるからまあそれでいいかなって、ゃ……？あ"？なんだよ。

[動揺した勢い、ぶっ壊れた音声ファイルみたいに言葉が止まらなくなってたとこで、お前ちょっと黙れと秋月につむじスイッチを押された俺は、我に返って口を止めた。

だからそこスイッチじゃねーっつーの。でも止めてくれたことには感謝しておいた。内心だけだけど。]

[────で。]

　いーんじゃね？ハート。>>70

[お前らしいよと軽口叩きながら、ぐりぐりぐーと綴った"KU-MA"のMの内側に目玉と口を描いていく。

いや、やたら直線多い感じがするお前の名前(楷書縦書き)より、一筆書き風にしたKU-MAの方が簡単だからな、絶対。]

　え、遠くなんの？
　ならないだろ？

[俺の言葉に応えた律が、「遠い存在になった」云々言い出して>>64、だからそういうのが嫌なんだってーと口を尖らせたら、３月の飲みの誘いを受けて、もちろん、とへらりと笑う。

あー、でも今度は、と思ったところで秋月が「呼んでよ」>>71と。]

　うん。秋月も一緒に。
　いやだから俺、酒弱くねーだろがよ。

[流れるように付け加えられた"量は抑えた方が"って台詞には、おかーさんかと口を尖らせつつ、けど、どうせ集まるなら大勢の方が楽しいわけで。

俺が心配なら来ればいいし、……つか、秋月置いて俺だけ飲みに行くのも違う気が、するし。

なかなかサシで話すこともない──ほら、大体桜輔とニコイチになってっから──晴斗や、あと昴も元気かなー、なんて、ちらりと思ったりした。]

　外、真っ白だな。

[雪山は雪が降るから雪山なんであって……と自分に言い聞かせてるけど、ここはスキー場じゃなく南極越冬基地なのか？ってくらい、外は過酷な状況にあるみたいだ。

俺らは送迎のバスで来たから良いけど、自家用車なんかはもうすっかり雪に埋もれてるんじゃないだろうか。夜が明けてからの発掘作業大変そうだな……、なんて。

けど楽天家の俺は、朝になれば当然のように太陽が見えるようになってんだろうし、ここまでの悪天候、そうそう長く続くもんじゃないだろと、なんか勝手に思い込んでいた。]

　あ、いや別にどっちでも。

[秋月の声>>77にそう答えれば、秋月が窓際、俺が内側ってなって、一度は布団と毛布が重なってるベッドに潜り込んだんだけど。で、もちろん空調もちゃんと効いてたんだけど。

隙間風があるわけでなし、ただ、窓の外からはずっと風の音がしてて、俺は小さく身震いした。]

　………………寒い。

[物理寒いわけじゃなく。なんか。…………なんか。

寝て30秒後くらいにがばりと起き上がった俺は、数十センチ向こうの秋月の布団をがばりと捲り、ちょい詰めろ言いつつ秋月の布団に収まってがばりと布団をかけ直し。]

　しねーけど。
　…………こっちがいい。

[考えてることはお前と一緒だよ。

古川の親戚筋のマンションでエロいことしましたなんて察せられたらいたたまれなさすぎるし、それ以前、ぐにゃぐにゃに疲れ切ってもいるし。

ぐり、と肩口に額を押しつけたら特段拒否はされなかったのを良いことに、俺はそのまますこんと寝落ちてた。

秋月が"いろいろ困る"ことになったかは、知らない。悪いな。]*

[誘われるままにあーんして、差し出されたチョコを口に含んだ。>>66
いや、本当はどうしようかなって思ってたんだ。
疲れてる所を無理矢理したら悪いし？
でも、君がその気なら俺もやっちゃうもんね
]

[言うと毎回怒るけど、君ってな女の子だよね。
あの廃校舎で「浮気しよう」と先に言ったのも君だった
俺もお返しにとチョコを出したら、唇が指先に触れないようにして奪われた。>>67
彼女の意図は何となく察しつつ、チョコの表面にまぶしたパウダーが指先についたので、こちらから彼女の下唇に触れて、少し強めに擦りつける]


　え、だって、指が汚れたから…？
　このまま触ったら、君の服が汚れるじゃん


[睨まれたらそんな風に返して、次の行動に移した]

──夕飯前の話──

[風呂に入る前に外すのと入った後に付けるので、夕飯で階下に降りるまでは空閑のピアスの練習をしていた。

自分の身体よりも空閑の方が見たことある部位は確かにないことはないけど、耳はさすがに自分の方が見知ってんじゃないのというのは穴の有無で異なってくるものらしい。>>84]

　俺のはとっくに固まってるし
　いじられたとこで痛くもないから。

[全部で5箇所あるから好きなとこの付け外ししていいよとは言っても、耳朶のは右に1個だから上のやつは空閑の練習台には不向きかもしれない。

スキーはあれだけ早く慣れたんだからピアスなんて相当簡単だと思うのは、また別の話らしかった。]

──夕飯から後のこと──

[夕飯の時は皆と顔を付き合わせていたから、食べながらいろいろと話すことにもなったんだろう。

廃校舎で目を覚ます前の最初の同窓会の時は、人数も多くてテーブルが別だったりの人もいたんだよな。
少なくとも空閑と十河、立成の集まりと俺は離れていた記憶があるし。

それも俺と空閑が近くに座る選択肢がお互いになかったからで、当たり前みたいに横並びで座ってるのもあの頃には考えられない話だったな。

空閑が俺の料理を何故か詳細に語り出すのなんて尚更で、ほんとに得意と言えるほどのものじゃないから、聞いてて恥ずかしくなってきて途中で止めた。>>85

でも、プリンくらいならそう手間のかかるものではなく、衣代ちゃんや他の誰かでも食いたいって言うなら、材料さえ揃ってて使うのが許されればキッチンを借りて作ることもできるのだけど。>>79

外にも出られず同じ場所で長時間過ごさないといけないような状況──例えばあの事件の時みたいな？とまではいかなくても──でもなければふるまう機会はなかなかないかもしれない。

あの当時にそれくらい出来てたら皆の分作ったりできてたのかもな。
あそこの冷蔵庫はレトルト以外の牛乳なんなの生鮮品も入っていたし。

生憎あの時は料理なんて一切したことなくて、そんな発想もなかったんだが。

そして今のところそんな状況は二度とあるものでもないと思っていた。]

[それはそれとしても、高校の同級生やせんせーと酒を飲むのはいかにも同窓会っぽくて。

俺も誕生日が早い方ではないから、案外この中で一番見た目的には幼く見える衣代ちゃんの方が早く飲めるようになってたのかもな、なんて、“大人だもん“と当たり前のように言う彼女に思いつつ。>>79

空閑は立成と合同で誕生祝いをする時にでも飲み会リベンジしたらいいんじゃないかと十河の言葉に頷いていた。

だから強くはねーだろって理解を空閑はいつするんだろう。
別に俺も保護者のつもりで同席したいわけじゃないから。>>86

今日来られなかった辻や夏目ともしばらく会ってないから近況が気になるし、その時にでもそうじゃなくても、そのうち集まれるといいなと思う。]

[夕食後も皆と話したりはしただろうし、しばらく食後のお茶だとかを貰って階下で過ごしたりもしていたと思うけど。

ゲレンデでかなり長いこと遊んでたのは全員同じだったから、日付が変わる頃には各々部屋に引き上げていただろうか。

部屋割りは古川ちゃんと歌田ちゃんもせんせーと同じく1人部屋になったようで、その方が落ち着く人もいるよなと特に不思議はなく。

空閑が眠そうにしだしてから、皆におやすみと声をかけてから部屋に戻った。]

　一応アラームはかけるけど、
　朝飯までに起きなかったら起こすよ。

[天気さえよければ朝風呂も露天風呂に行けんのかな……と晴れることに期待して、窓側のベッドの布団に潜り込む。

おやすみ、と目を閉じると風の音すごいなとかぼんやり考えていたら、空閑の声が聞こえて。>>88]

　寒い？空調の温度上げる？
　……って、それで大丈夫ならいいけど。

[起き上がる気配がしてすぐ、布団が剥がされたから端に詰めた。]

　わかってるよ、俺だって眠いし。

[“しねーけど“って言うのに少し安心する。

したいって言われたら（言わないだろうけど）、諸々の懸念はあっても断れる気はしなかったし。]

　……まあ、そういうのは帰ってからな。

[肩口に押し付けられた頭を撫でると、セットが解けてふわふわしてる髪の毛に軽く口付けてから目を閉じた。

この方が暖はとれるというか、安心感はあるよな。

疲れていたのもあったし、よく知る体温に眠りに落ちるのは早かったと思う。]*

──一晩明けて──

[そうして、特に何ごともなく目を覚ました時間は空閑はまだ寝ていただろうか。

朝飯……と今日は作らないでいいのかと慣れない天井が見えてから気づいた。

風が強いのか窓がガタガタと鳴る音がしている。]

　うわ、まだ吹雪いてんじゃん。

[体を起こして分厚いカーテンを開けてみれば、夜より明るくなってはいてもガラス窓には白い雪の粒が叩きつけられていた。

朝風呂に露天風呂はまず無理だなと室内のシャワーだけ浴びることにして。

まだ早いしと空閑を起こさないようにベッドから降りようとしたけど、起こしてしまったかもしれない。

熱いシャワーで目が覚めてくる頃には、帰れるのかな、とはいよいよ思い始めていた。]

[空閑も起きて着替えも済ませたら、時間になれば朝食の香りが漂う階下へと降りたと思う。

朝食はパンケーキに分厚いベーコン、スクランブルエッグとサラダの乗った大皿にミネストローネが添えられた洋食に、ヨーグルトとフルーツがデザートでついていて、ボリュームも申し分ないものだった。

でも、国生さんや他の面々に朝の挨拶がてら話しかけるのに、まず話題に出してしまったのは自然と吹雪のことになったと思う。

昼までにやむのか、これ……？って答えは誰が出せるものでもなかった。]*

[雪山でウィンタースポーツを満喫した後で、
極上の晩餐を楽しいゆかいな仲間たちと囲む会。
隣には俺の可愛いもいるし、外の悪天候なんて気にならないくらい幸せだった。まだこの時は。
酒を交えつつ、色々な話をする。
空閑の二人生活ぶりを聞いて「新婚生活だな」と突っ込んだら、
二人同時に咽そうになってるのは面白い図だった。>>69>>85

一緒に聞いていた和かほは「プリン」の単語に反応を示していた？>>79
ならば、こちらも豆乳を使った菓子を押し付けるのはやめて、
これからは彼女の好きなものを作ろうか、と頭の片隅に留める。

ドブルのサイン会から友情を確かめ合う流れになって。
来年また飲みに行こうと切り出せば、次は秋月も>>71>>86と約束を交わす]


　和かほも来る？


[口を挟まないようにしていたのか、
隣でずっと大人しく話を聞いていた風に和かほにも声を掛ける。>>80
都合がつくなら一緒に行こ、とこちらから屈託なく誘った。

こうして片っ端から芋づる式に声を掛けて行ったらまた、
同窓会のような集まりになるか？
いいじゃん、何度でも同窓会。
手軽に小ユニットで集まっていくのもいいけど、
何なら今回の旅行も今回限りと決まったわけではなし。
今回来れなかった奴らも次に集まれたらいいな、
なんて話で盛り上がった]

[食後にふと、外の天候が悪化するのに和かほが不安を口にしたけど、大丈夫だと明るく声をかけた。
何たって、今回はに参加しているのではない。
目の前の子をか、俺がかなんて究極の選択に悩んだ時の事を考えれば、外の天気が荒れる事くらいどってことないと、俺はお気楽に考えていた]


　万が一閉じ込められても、泊めてもらえるなら安心だろ
　一日外に出られないなら……、俺も厨房に立たせてもらうか


[実際にこうなるとは明日になるまで知らなかったんだけど、
今の俺は目の前の彼女の不安を払拭したい一心で言葉を重ねる]


　慣れない雪山で不安になった？　割とあるあるだけどな。
　国生さんもほら、……焦ってないだろ？


[客を不安がらせる態度はしないかもだけど、
準備が万全だからこそ、泊まっていってください、と豪快に笑えるのではないか]

　　

　あの時『ことだま』のことを俺に教えてくれたの、君だろ？
　次は大丈夫、って言ってごらん。
　言えなかったら、代わりに俺が言ってあげる。……何度もね。


[これはフラグか？と、それはともかく。
俺は彼女が笑顔になるまで言葉を繰り返し、頭を撫でた。
そうして彼女の表情が、ようやくほっとしたものに変わったら>>81
周囲に声をかけて部屋に引き上げる事にする]


　それじゃ、俺たちそろそろ風呂入って寝るよ
　おやすみ、みんな
　国生さんも、おやすみなさい


[二人で部屋に戻ったら、今度はちゃんと風呂道具を持って
内湯に向かった。
こっちは時間帯分けじゃなくて、男女別に入れたかな]

[このペンションは内湯も温泉だ。本当に素晴らしいな。
広い湯舟に浸かって、存分に手足を伸ばせるのは久しぶりだ。
日中のレジャーで使い切った体を、ほぐすように肩を回す]


　露天風呂……一緒に入りたかったなぁ……


[なんて、風呂に浸かりながら思わず呟いたのと
まったく同じ内容を、部屋に戻るなり和かほが言ったのは面白かった>>82]


　俺もさっきそう思った
　今度一緒に入れる温泉に行こっか


[彼女を俺のベッドに手招きしつつ。
いや、もう今日は疲れてるからぎゅっして寝るだけだよ。
ってこの時はまだ思っていたけど。
ちなみに俺は、同性同士だったらよかった>>83
などと、これっぽっちも思わなかったけどね。
]

[ベッドは一人用だけど、小柄な和かほを抱えて一緒に寝るくらいの広さはある。
パジャマに包まれた体は温かくてやわらかくて、
抱きしめるだけで幸せな気持ちになれる。
今すぐ寝落ちそうなほど体力はギリギリだけど、
まあ、もう少し……この感触を楽しませてもらおう]


　旅行から帰ったら、すぐクリスマスだよね
　どっか遊びに行きたいところ、ある？
　映画とか、……水族館もいいな


[お互いに冬休みでクリスマスは都合がつくんじゃなかったかな。少し先の楽しい予定について語り合う]


　年末は……？どうするんだっけ、
　実家はこっちの方だったよな


[何せ同じ高校だったのだ。互いに親元から通っていた事を考えればそうなる]
　　

　一緒に初詣もいく？
　和かほって、着物着たりするのかな……


[寝落ちそう。でも、俺の手はどさくさに紛れて和かほのパジャマの内側に入って、両手にあふれんばかりのおっぱいを揉みしだいていた。
うーん、最高の感触……というか、]

[なんか不思議な感覚だよなと思ったのは、気のせいじゃ無かったんだよな。>>92

俺の隣に秋月が、秋月の隣に俺がいるのはもう当たり前な感じしかしてなかったけど、こうして皆で飯食ってる時に秋月が隣に居るのは、改めて思えば不思議な状態で。

廃校舎に連れ去られる直前の同窓会は、律と桜輔と俺は固まってたけど秋月は遠い席だったし、秋月と律、秋月と桜輔はそれぞれ仲良くても、皆まとめて会って云々って機会はついぞ無かったわけで。

皆で飲みに行こうぜなんて提案も、３月のあの一件が無ければありえないことなんだよな。]

　ふは、だったら歌田や古川も呼ぶか。

[除け者にするつもりは毛頭なかったし、律が衣代に声をかければ >>98、もうまとめて同窓飲みにする？ってなって。

社会人──俺らみたいな自由業じゃなくサラリーマンとか、さ──になれば会える頻度も少なくなるんだろうし、会えるうちに会っとこうぜと、しばらくは食堂で盛り上がってたんだろうなと思う。]

[時折会話が途切れると、聞こえるのは窓がカタカタ揺れる音と、いかにも冷たそうな風の唸る音と。

出かけた欠伸を噛み殺していれば、そろそろ部屋戻るかって声がどこからともなく上がって、それじゃおやすみーと席を立った。]

　いや、さすがにアラーム鳴れば起きるし。

[これでも寝起きは悪くない方なんだ。

けど普段は、まだ寝てていいよとかなんとか言われて……その……

って、どうでもいいんだそんなことは。うん。]

　…………ん。

[もはやこの状態の方が居心地いいとか、ほんとどうなってんだって話だけど。

問答無用の勢いで秋月のベッドに入って目を閉じれば、今度こそ安心して眠れる気がした。

おやすみ、って囁くような声に、声を返せたのか頷きだけだったのか定かでないくらいに、俺はすとんと眠りに落ちて。]

　────…………、はよ……。

　ぇ、なに、まだすげー音…………。

[え、まじですごくね？

秋月の小さな囁きが聞こえ>>96、いやそれ以上に相変わらずのがたがたびゅうびゅうの音にがばりと起き上がる。

窓の外は夜よりは明るくなってはいたものの、相変わらずここは南極越冬基地ですか的様相を呈していて。

真っ白で何も見えないのに、更に真っ白な雪粒がばしばしと窓に当たりまくっている。

────え。けっこうこれ、やばくない？

電気や水が止まってないことには安堵しつつ、交代でシャワー浴びて、あったかい格好──つまり秋月のセーター──に着替えて再び食堂に集まった。

集まってきた皆と、この嵐すごくね？やばくね？なんて話しつつ。

でもまあ、とにかく、朝御飯。]

　え、すごい、豪華。
　ホットケーキとパンケーキって何が違うの？

[教えてプールバーの店員さん、って秋月に尋ねつつ、添えられたしょっぱいベーコンを意に介することなくシロップびたびたかけて大ぶりに切ったパンケーキを口に運ぶ。バターとろけてじゅわって浸みたとこが格別に旨いよな。]

　あ、コーヒー、ミルク入れたい。

[ブラックあんま得意じゃない、と卓上のミルク入れに手を伸ばそうとすれば、あっためた牛乳多めに持ってきてやろうかと国生さんに言われ、すんませんありがとうございますとこくこく頷いて。

つか皆、ブラックコーヒー飲めるの？
俺、紅茶もコーヒーも、牛乳じゃぶじゃぶ入れる派なんだけど？

で、帰れる帰れないって話は、国生さんと古川と、大人代表の松センあたりが相談してたんだろうか。]

　……は、"出られない"って、まるであん時みてーだな。

[でも今度はおかしな脅しがあるわけじゃないし、電気もガスも水道も普通に使えてる。

どうやら食事についても、１週間とかって単位ならともかく、今日一日出られないという程度はどうってことないって話みたいだし。]

　談話室にボードゲームとかカードゲームとか
　色々あるっぽかったよな？
　時間つぶしはまあまあ出来るだろ。

[俺と秋月２人なら、ゲームしてるよりは紙とペン持って曲作るとかする方が生産的だけど、あれはギターなりキーボードなり無いといまいち非効率だしな。

あとまあ、だめな大人だったら、やることないと昼から酒盛りしたりはするよな？

だめな大人が集まる居酒屋で働く俺は、よくよく知ってることだけど。]*

[ペンションへ帰る時、姿を見掛けた十河ペアには声を掛けた>>30
みんながちゃんと帰らないと心配だからな？
衣代の隣には古川もいたかな。>>52
国生さんは夕飯の支度があるとゴンドラ前に帰っていたはず。

ここからは、歌田と部屋前で別れた後の話し。

部屋で着替えを済ませた後、風呂に入る時間は残念ながらなかったので俺は早速食堂に向かう。いい匂いの正体はすき焼きであった。>>3
メニューを知るとうひょっと声を上げてしまう。

すき焼き！すき焼き！冬の定番ゴージャスメニュー、おまけにビールにピッタリである。]

　　先生ビール飲もうっとビール。
　　すみません、瓶下さい。
　　誰かお酌してくれー。

[銘柄はアサヒで頼む。はて、誰がお酌をしてくれたろうか。
衣代が十河の酌を担当するのは既に夫婦のような空気である。>>22

他にも酒を飲むメンバーもいるだろうか。歌田はなんか飲むのかな？
皆のグラスに飲み物が注がれたら音頭をとろうか。]

　　こうしてみんなと集まれて、先生嬉しいぞ。
　　もうすぐ今年も終わるが、来年も健康に気を付けて、
　　やるべきことをそれぞれ頑張るんだ。

　　>>44

[ウーロン茶の空閑だって勿論参加して杯を合わせたであろう。

そしていよいよ主役のすき焼きタイム。

濃いめで甘いタレでさっと煮た牛肉をとき卵につけて食べる。まろやかな卵が肉を包むとたまらんのだよなあ。

ザクと呼ばれる野菜の存在も忘れてはならない。まず王道の白菜に始まり、長ネギの布陣。ネギって煮ると甘味が増すんだよなあ。中がアツいから食べる時は火傷しないよう気を付けないと駄目だが。

エノキ、シイタケといったキノコ類もいい。噛むとじゅわっと味が広がってほっぺが落ちそう！はなさかじいさんでなくとも顔が削げてしまいそうだ。そして野菜の中でも俺の好物は
春菊。苦味が好きだ、たまらん。肉と一緒に食べると旨味を一層引き立ててくれる。

地味な具材だがキラリと光るのは麩だろうか。スポンジみたいな麩は鍋の汁をたっぷり吸って柔らかく膨らみ舌にとろけた。

うまい、うますぎる。アツアツを一口食べては冷たいビールをあおり、咥内の寒暖差を楽しむ。喉を通り過ぎていく泡の感覚が心地良くてほう、と熱い息を吐いた。

すき焼きサイコー！！

空閑が肉をおかわりした時には若いなあって思ったけど。>>39
老体には脂っこい肉は少しで十分だ。]

　　ん？秋月がプリンを作るのか？
　　お前たちは歌って踊れて料理も出来る
　　万能バンドマンなのか…>>55

　　でも新婚っぽいのは十河、お前たちもだろ？>>63
　　二人の結婚式には先生必ず呼んでくれよ。


[多芸すぎる二人に笑みが零れる。そりゃドブルの人気が出るのも当然であると頷いた。

下の言葉は片時も離れない衣代と十河を見ての言葉だ>>78
仲人は独り身では出来ないので、俺がするなら立会人になるのだろうか…なんて勝手に妄想した。]

[晩酌とは夕食時に酒を飲む事だ。大体家庭での場合は奥さんが料理を用意している間、旦那がおつまみをちまちま食べながら既に酒を飲んでいるなんてパターンが多い。

俺が結婚していた頃も、妻の由佳里が好物のエイひれを焼いてくれたっけ。

今回は食事開始と共に飲み始めたので、もし秋月が晩酌に付き合ってくれると言うのならすき焼きを食べ終わった後、改めて軽いつまみと一緒に時間を持ったろう。

聴いてくれてるのは秋月だけか、他のメンバーもいたかわからないけど、おじ特有の語りをしておく。]>>10


　　しかしほんと、先生は嬉しいよ。
　　お前たちの音楽がみんなに認められて、喜ばれて。

　　好きな事を仕事にするって理想だよな。

　　先生はなー、実は学生の頃はアニメ部で。
　　アニメ監督になるのが夢だった。

　　でも大学入った時には元妻と付き合ってたから、
　　結婚視野に入れたら安定した職のがいいよなって考えて、
　　教職に就いたんだ。

　　勿論、子供大好きだし教職もやりたい仕事だったけど、
　　アニメに携わる仕事を諦める時は残念な気持ちもあった。

　　好きな事だから仕事が楽なんてないのは知ってる。
　　大変な道だろう。
　　…でも。夢を叶え、好きなものを
　　手放さなかったお前たちが眩しいよ。


[そんな風にしみじみ語る時は熱燗にチェンジしてたかな。秋月も飲めるなら一緒に杯を交わしただろうよ。]

[その後は満を持してのカラオケタイム！！今時のペンションにはちゃんと通信カラオケがあるんだな？DAMよりジョイサウンドが好き。

早速マイクを握った時、観客としてそこにいてくれた犠牲者メンバーは誰だったかな。俺はまた得意の前口上から入った。みんな待ちかねているだろうから！]

　　
　　心に積もる　雪溶かす
　　あなたの笑顔にときめいて
　　思い出遠く　香りも淡く
　　あの日の別れは　涙の彼方
　　記憶の底の面影を
　　どうか上書きしてほしい

　　男・松本志信が歌います
　　聴いてください……

　　『雪に埋もれた親父の末路』

[そうそう、晩酌の前に約束したサインも貰ったよ。古川がペンを用意していたから、部屋からCDを持ってきて便乗するおじです。きっとその場はちょっとしたドブルサイン会と化しただろう。>>34>>42>>70


囃し立てる十河の姿も目に止まる。友達の出世を心から喜んでいるのがその弾む声から伝わる。>>45
恥ずかしがりながら嬉しい気持ちを伝える可愛い空閑も見れたし先生眼福。>>57]

　　やー、立派なサインだ。
　　ありがとな、空閑、秋月。
　　先生このサイン入りCD家宝にするからな。

　　俺が死ぬときは墓に持ってくよ…

[物騒な事も言っておくが、それだけ大事ってことだ。CDをしっかり握り、改めて教え子たちの栄光の道筋に目を細めた。]*
　　

──2日目の朝──

　悪い、起こした？
　まだ朝食には余裕あるから
　シャワー浴びるけど、お前もそうする？

　二度寝するなら後で起こすよ。

[普段は朝飯を準備するのに時間もかかるから、まだ寝てていいとも言うのだけど。>>104

空閑も外の様子が気になって二度寝って感じでもなさそうで、シャワーはざっと浴びて交代することにした。

さすがに外の様子から室内でも温かくしといた方がいいと思ったのか、言われなくても空閑の鞄に詰めておいたセーターは着ることにしたみたいだ。]

　ホットケーキはおやつでパンケーキは飯……？

[違いを尋ねられて答えたことが正確かは知らない。>>106

ホットケーキは甘くて厚いことが多い気がするし、こういうおかずと合わせるのはパンケーキってイメージだ。

そんな感じで味や食感も違うって俺は思ってるけど、それは店や国にもよるみたいだしな。

あとパンケーキの方がもちもちしてることが多い気がする、とバターの染みたパンケーキを切り取ったベーコンと一緒に口に入れた。]

　うん、美味い。
　コーヒーにも合うし……
　
[俺はコーヒーにいつも何も入れないが、空閑は牛乳を多めに入れたやつを好んで飲む。>>106

でもコーヒーフレッシュはあまり好きじゃないとか、牛乳はどのくらい入れたらいいのかも感覚で覚えていた。

だから、このままだと飲みづらいんじゃないかと問うより先に、国生さんに温めた牛乳を貰っていた。

それも今は当たり前のことみたいに思っているけど。

人の飲み方がどうとかは普段意識したことがなかったなと、空閑が周りの飲み方を気にしていそうな様子から今更気づいたりした。]

　吹雪が収まるまでは出られない……なら、
　帰りがいつ頃になるのかはわかんないのか。

[昼にぱたりとやめば、1時間くらいの距離だし帰れないことはないのかな。

バスが来られるかどうかもあるか。
どのくらいがリミットなんだろうとは様子を見ながら判断するしかなさそうで。

とりあえず予定通りの時間で帰るのは厳しいらしいことを把握すると、それまでは時間を潰すしかなさそうだ。]

　じゃあまだしばらくは
　外には出ない方が良さそうなんですね。

　国生さん、もし手伝えることがあれば言って貰えたら。

[雑用でも料理でも、予定よりも長くお世話になるならと告げれば、十河や他の人も似たようなことを考えたりしていただろうか。>>99

客にやらせるのはと遠慮されるようなら、自分たちの分でやれることがあれば、くらいでと伝えただろう。
材料だとかをどのくらい使っていいかもあるだろうし。

実際、外に出られないなら暇だからというのが理由ではあった。]

　あと時間潰せそうなことってなんだろ。
　ああ、ゲームあるんだ？

[空閑が談話室にあったと言うのに、そういうのが確かにちょうどいいのかなとは。>>107

最近は自由な時間って楽器弾くか曲作りか……空閑と飯作ってみたりくらいか。

いざ室内で出来ることってなるとパッと思い浮かばない。

高校の頃はもっと適当に時間潰す術もいろいろあった気はするけど、なんか食べながら駄弁ってた記憶ばかりだ。

大人になるとそれが酒に変わるっていうのは、短い大学生活で既に知ってることではある。]*

― 夕食後 ―

[サイン会やその後のやり取りを少し遠巻きに見ていたが、
十河に声を掛けられて>>98、びっくりした。
何かそういうのって
男の子同士の方が気楽ってやつだと思ってたから。
でも「みんながよかったら」って、
遠慮がちにしながらも頷いただろう。

その後もここから帰れるか不安そうな私に
沢山言葉を尽くして元気付けようとしてくれた。>>99
本当に、十河って優しいな、と改めて思う。
ここでも十河の料理が食べられたら嬉しいな、と
そんな楽しみも生まれつつ]


　　うん……ありがとう。
　　大丈夫、だね。


[ことだまの話なんかも持って来て、
私の不安の一切を払うかの様だった。>>100

露天風呂をうっかり覗いたらちょっとまた不安になったが、
お風呂でゆっくりして部屋に戻った後は、
もう帰れないかもなんて不安を口にする事はなかった]

　　一緒に入れる温泉……うん、いいね。


[部屋で彼もそう思った事を聞いたら>>101、
ふふ、と笑って、手招きされるまま彼のベッドに潜り込んだ。

私を抱きしめる彼は目を細めて眠そうだけど、
楽しい予定をたくさん話してくれる。>>101
遊びに行きたいところ、と言われてもすぐに浮かばなくて
うぅんどれもいいなあ……と幸せな悩みにくすくすと笑う]


　　大晦日、午前中は部活なんだ。
　　その後は実家に戻るよ。

　　でも、初詣は一緒に行こ。
　　着物……考えてなかったけど、
　　お母さんに聞いておくね。


[来年は成人式だから振袖の準備はあるけど、
それを着られるかって、お母さんに聞いておこうと
心の中でメモをしておいて……

めちゃくちゃ眠そうなのに私の胸を揉む十河の手>>102を、
そろそろ引き剥がそうと考えていたけど]

[オータニサンのストレートは最速165kmだったか。あんなにビュンと俺たちが滑れたかと言えば無理だったが、二人で風を切り雪を蹴って斜面を駆けるのは本当に楽しかったよ。

スピードに飲まれている瞬間は、お互いの関係だとかなんだとかの煩雑を全て忘れてしまうほどに。>>73]

[同窓会その2なんだから勿論みんなに逢いに来たが一番で。しかし、スポーツを理由に答えるのは歌田らしいと言えばらしい。

『先生に逢いたかったから』
こんな答えは期待していなかった。それは俺の知ってる歌田じゃないし。

ただ、答えを聞いて俺は自身の胸に問う事になる。歌田が来なくたって俺は他の元教え子たちに逢うためにこの旅行に参加しただろうが…でも。

歌田がいなかったら、俺はきっと何度も旅行中に寂しい横顔をすることになっただろう。
別に旅行じゃなくても、一緒にライヴに行ったりと俺たちは顔を逢わせてはいるんだけどさ？]

[一拍置いて。

それを言ったらプレッシャーになるだろうと言う想いに揺れて。

でも、飲み込むよりも吐き出したい。
俺の本音。

太陽に羽を焼かれても言いたい一言は、扉を閉める前に伝えたよ。]

[ちなみに…部屋で別れる前に露天風呂の話をしたのは「一緒に入ろうぜぐへへへ」という意味では流石になかった、いや下心があったかないかならあったけど、そこまで直球誘うほどおじノンデリじゃないよ？！

そも、このペンションの露天風呂は混浴ではない。だから一緒に行くとしても男女の脱衣所が分かれる手前までだ。

俺が考えていたのは、スキーで身体が冷え切ったから暖かい風呂に浸かりたいなあって事で。しかし歌田の腹時計は食事の方をご所望のようであった……>>76]

[すき焼きを堪能し、晩酌、カラオケ大会、ドブルサイン会といったイベントを経て。
あとはそれこそ風呂で温まって寝るだけってなった頃。

外からビュウビュウと聴こえる風の音は次第に強くなり、窓硝子をびりびりと震わせるほどになっていた。叩きつけるような雪の粒が外の景色を塗りつぶしてしまい、もしもこの時間に外にいたら本当に遭難したかもな、と俺は思った。]*

　や……起きる…………。

[秋月の声で、ああ家かってなって、でも風の音でいや違うわこれ雪山だってなって、でも、"朝食"とか"二度寝"とか、聞き馴染んだフレーズにふんふんと頷いて。>>118]

　…………ゃ……、…………。

[じわじわと後からその台詞を反芻して、顔に朱が走る。

────やっぱさ。なんかさ。なんかこう、さ。



皆のいる前ではそれなり取り繕ってる風だ（と昨日俺は思った）けど、改めてこう、２人で居ると、なんか、こう……。

己の態度は己ではなかなか省みられないから、周囲にどう思われてんのかは解らねど、]



[秋月が浴室に消えてから、ぼそ、と呟いた。

昨夜、"ズッ友だよ！"みたいな事言っといて、これ伝えないのは、すげーフェアじゃねー気がするし。

隠してるつもりじゃないけど、変なとこから察せられるよりは自分で言えって話なんだよな。知ったとこで揶揄ってくるような奴でも無いんだしな。]

　ジャンルの違いなのか？>>119

[でも、一理ありそう。パンケーキには卵だのベーコンだのついてきても、ホットケーキのベーコン添えって響きはあんま聞かない気がするし。

ホットケーキには砂糖入ってるけどパンケーキには入ってないとか？単に字面の違いなのかな。

いずれにせよ、朝食はくっそ旨かった。]

　国生さん。この牛乳、なんかすげー旨い。

[秋月がいつもブラックだから、うちでは牛乳は俺専用みたいになってるけど、この場だったら他に飲む奴居たのかな。

"（牛乳の）違いの解る男"がその旨さを褒め称えたら、地元の牧場の牛乳なんだってさ。そんなの絶対旨いやつじゃん、と、コーヒー飲み干した俺は"素牛乳"も貰って飲んだ。牛乳旨い。]

[で、もっぱら消費者としての力量しか発揮してなかった俺と違って、秋月や律は手伝いを申し出ようとしていて。

俺も皿洗いとか掃除とか、あと、雪かきとか？と手を上げたけど、車が立ち往生しかねないレベルの吹雪となれば、生身の人間が屋外へ一歩踏み出すことすら危なかったりしたんだろうか。

でも皿洗いはします！って宣言したし、そのくらいはさせて貰ったし、手を動かすついで、牛乳をいかに好きか熱く語りつつ秋月お手製プリンについて熱心なプレゼンをした結果、国生さんから食材のストックの有無だとか厨房の使用許可についてもちゃっかり言質を取ってきたのだった。]



[本日最初に建物に響いたデカボイスが、これだったという。]

[各々が部屋に戻ったのは何時頃だったか。修学旅行みたいに消灯が決まっているわけではないから、自然にあくびがひとつ、ふたつと零れたら皆階段を上がっていっただろうか。]>>94

　　みんな、ちゃんと布団掛けて寝るんだぞ。
　　窓もしっかり閉めておけよ。

　　おやすみ。


[そんなことは言われなくてもとみんな思うだろうけど、俺はそう声を掛けた。

歌田が部屋に引っ込むのを見てちょっとだけ後ろ髪引かれる気持ちにはなる。

あの廃校では二つあったベッドの一つが使い物にならなかったので、俺たちは一つのベッドに横になったのだ。彼女の寝息を、近くにある体温を感じながら寝た夜を思い出す。

一人寝にはもう慣れたはずなのにな。

離婚してから既に六年の歳月が過ぎている。
幼馴染の妻と神生高校にて再会し、交際。別々の大学を経て俺は教師、妻は看護婦に。
結婚して娘が生まれ、幸せな生活が続いて。

そして。

寮の万年床よりペンションのベッドは快適だ。寝そべり天井を見上げ、妻と娘を思い浮かべて。その顔がぼんやりと消えた後、太陽みたいな歌田の笑顔が広がったあたりで俺は。

深い眠りへと落ちていった。]*

[あ。夕飯後に温泉入るつもりだったんだけど、俺はビールと日本酒をぐいぐいやってしまったので公共の湯は避けておいた。

飲酒状態での風呂は血圧の変動や溺死などの危険性があるため、死亡のリスクが高まるのはみんな知ってるよな？

元教え子の親戚のペンションで！露天風呂にぷかーっと浮かんでとかヤバすぎるだろ！！


つーことで部屋のお風呂を利用しましたハイ…]