【人】 澤邑なるほど確かに [ >>1:41少し前、紙袋に詰めてもらった蜻蛉のおもちゃ。子供が遊ぶものだから本物の蜻蛉より頑丈よと言われて納得したんだった。本物の蜻蛉なんて自分はこの手に収めたことがあったか。ずっと榛名の商業地区で暮らしていたから、あまり機会はなかったように思う。] ああ、やっぱりこれはお気に入りになりそうです [ >>1:45好きにさせていたら肩によじのぼりそうだったから腕に抱え込むとしばらくは赤子のようにひっくり返ってじっとしていたのだが、蜻蛉のおもちゃを見分はじめたらこゆきがそれをじっと見つめて手を伸ばしていた。その仕草がもう可愛い。猫バカだ。 孫たちはもう蜻蛉のおもちゃでは満足しないほど大きくなってしまったからこゆきのための玩具ばかり買ってしまった。 店主の女性も柔らかく笑い声をあげていたように思う。露店ということで、あちこちを旅をしているのかなと勝手に思いを馳せたりする。] 花が咲いたところを自分も見られたらよかったな [ それから、箱の中の事を励みになりますねと言えば彼女から思いがけない感謝の言葉。自分も励みになるとだけ言葉をかけたのは、もしかしたら移動の多い人だから、動物では可哀想だとかそんな理由なのかと勝手に想像してしまったからで。 だから、全く噛み合わないはなしを自分はしているのかもしれないのに、感謝の言葉をもらうとか、思いがけず人との縁のようなものを感じさせてもらえた。] そうかな、はは、あとはお団子をお土産にすれば完璧でしょう [ 思いつきで追加で購入したお土産を喜んでくれますよと言ってもらえて再び笑みを返し。大切な人とはなんてだいぶ面はゆい。長年近くに居過ぎて何とも思われていないような気もするが。なんて彼女に言っても仕方ない自分の身の上話はどうにか我慢して口にしなかった。*] (1) 2022/10/03(Mon) 19:57:49 |
【人】 澤邑[ お面が珍しいのだろう、露店の女性もじっと見ていたし、うさぎ堂の娘の事もこゆきはじっと見つめている。 澤邑がそばに居て怖い目に遭った事は今のところないから、怯えたり混乱したりが無いのはよかった。隣に腰掛けて商品を待つ間、こゆきは緊張しているように見えたが害がないと分かればいつも通り。その後は椅子の下に降りて足元に転がって毛繕いをしている。 きっと賢い猫なのだとは飼い主の贔屓目。] 可愛いなあ [ おやつを食べるかいとガラスの容器を見せるとこゆきが直ぐに寄ってくる。匂いが漏れるわけがないから形状を覚えているんだろう。蓋を開ける前から早くといった様子で膝に乗り瓶に顔を擦り寄せている。 手に乗せてこゆきの前に差し出すとてちてちと舐めるようにして食べた。そのまま食べ終わると膝に大人しく丸くなっていて、いっそう可愛い。] …… [ 猫を刺激しないよう、そうっと栗ぜんざいを手に取り、絶対に下に汁を落としてもいけない(落とす事もほとんどないと思うが)細心の注意を払いながら食することになった。 わかっていたことな気もする。 小豆のなかに浮かぶ黄色の栗の実が、夜空に浮かぶ月の色にも似ていて楽しいような気持ちに。 どうせ誰を待たせているでもないから、のんびり甘ったるい汁物を片付けていく。最後あたりはぬるくなっていた。 食べ終わる頃に、こゆきの背を柔らかく撫で。*] (3) 2022/10/03(Mon) 20:00:33 |
【人】 澤邑神社にお参りして行こう [ こゆきがぶら下げている鈴も神社のお守り鈴だ。春に買ったから新調するにはまだ早いし、良い音だ。 家内安全のお札だけ買おうなんて考える。] 抱っこされててね [ 言って聞くものかわからないが、鳥居が見えてくる頃には一層人が多い様に感じられる。片腕に団子とお土産を下げて、もう片腕にこゆきを。紐を短めに持ち移動範囲を狭めておけば肩か腕の中に居てくれるだろう。 あんまり暴れるなら下を歩かせるつもりだが、端をゆっくり人を避けて移動しなければ。 繁華街近くでは陸に上がった傭兵たちや、彼らを迎える呼び込みできっと賑やかなんだろう。榛名の中で暮らす自分に外の危険さなどわかっているようで遠い出来事のようだ。 空を見上げれば月が煌々として、風も心地よい。**] (4) 2022/10/03(Mon) 20:04:45 |
【人】 虹彩異色症の猫[ 露店にぶらさげられた蜉蝣の玩具は、猫の目には挑発的な狩りの対象だ。手の届かないもどかしさにグルルル……と不穏な鳴き声を漏らす頃には商談はまとまり玩具は紙袋の中へ仕舞われた。なーうー、と不服そうな声をあげていたかもしれない。 澤邑と店主が多生の縁を交わしている間>>1、如何にも不服と抱きかかえられたまま澤邑の袖口を後ろ足で蹴っている。あまりに暴れるので路面に下ろされてしまった。 下ろされれば下ろされたで不服なのか足元をうろうろしながら澤邑の歩く方へとついて回る。いや、足元に纏わりつくといったのが正しい様子で、纏わりつかれる側からすれば非常に歩き難い様であろう。 独り言ちを拾い上げて見上げ、今度こそ自分に語りかける様子に>>2飼い主と目を合わせたまましぱしぱと目を瞬く。] (5) 2022/10/03(Mon) 20:44:16 |
【人】 虹彩異色症の猫[ 甘味屋に設えられた長椅子に陣取っては、まだないの、もうないの、と掌の上の肉の切れ端がなくなる度に飼主を見上げては硝子瓶の中身を強請り、空の掌をざりざりと舐める。瓶が空になるまで与えられたか、腹下りを案じられ適宜に切り上げられたか。 間食に満足した様子で澤邑の膝の上に陣取る。 人がゆっくりと甘味を堪能している間に、子猫とも成猫とも言えない半端な猫はすっかり寝入ってしまったようだ。 社に参る為抱き上げた際も夢うつつだ。 腕の中に収まりよいよう抱きかかえ直した際、春の生ぬるさと違い、秋先の澄んだ夜風にくしゃん、と大きくくしゃみをして、身を震わせて飼い主の腕の中に潜り込んだ。]** (6) 2022/10/03(Mon) 20:46:34 |
【独】 澤邑/* 春を読み返してたら、澤邑さんもう少し猫に対して最初は仕方なく面倒を見ているみたいな感じだったのに、すぐにでれでれしてて 秋になったら隠すこともやめている。 (-1) 2022/10/03(Mon) 21:37:55 |
【人】 行商人 美濃[うさぎ堂で和菓子を包んで貰った後は、いくらか会話もしたろうか。 接客が忙しそうであればあまり邪魔はしないようにとはしただろう。 うさぎ堂を離れれば、女は酒屋へと向かい、小ぶりの甕に入った透明で米麹の甘い香りのする酒を買った。 それから、月がよく見えるであろう神社へと下駄を鳴らしながらゆったりとした足取りで向かう。 賑やかな人の集まりを眺めながら歩き、ひと気のない境内の裏手へと入れば、草と土以外は何もない開けたところを探した。 少し離れた後方からは人々の笑い声がどこか遠く聞こえる。 地面へと風呂敷を広げれば、その上へと腰を下ろして中天の満月を見上げる。 彼の人と同じ名前の月の形。 盈月の名を持つ露店の元店主は、確かにあの月のような人であったと女は思う。 眩むような眩さではなくとも、優しい光で暗闇を照らしてくれるような。 知らず、空へと伸ばした手は空を切り、掴む形で新円に重なる。] 「 盈月さま 」[音にならない声でその名を呼んでら緩く結んだ手を胸元に下ろして。 幾許かの逡巡の後、女は箱を取り出すと、そっとその蓋を開いた。]** (7) 2022/10/03(Mon) 21:38:18 |
【独】 行商人 美濃/* カラーコードによる文字見えない芸初めて使ったわ。(自己満) しかしあれよ、どっかで間違えて満月のこと偃月と書いた気がするわ。盈月さまのせいで鳩が予測誤変換してたの気づかなかったわ…。 それだと半月じゃん。恥ずかしい。 ひどい間違いしてすみません。 (-3) 2022/10/03(Mon) 21:42:33 |
【人】 修理屋 一二三[さて、観月祭の人ごみを歩きながら どこで飯を食うかと九朗と露店で賑わう道を歩く。 いつもの定食屋にするか。 それとも祭りの出店で買い食いでもするか。 話しながら人波の向こう側へ目を向けると、 腕の中に白いものを抱いた澤邑さんの姿が見えた。>>1:12 片手を上げる様子にあっちも俺たちを 見つけているんだと察して、 俺の方も杖を持っていない方の手をあげつつ、 隣を歩く九朗にも声をかける。] おい、九朗。 あっち見てみろ っておい! [が、九朗の方は澤邑さんがいるのとは 逆の方にある露店に興味を惹かれたらしく、 人の流れに沿って川を泳ぐ魚みたいに するするとそっちの方へ歩いていきやがる。] (8) 2022/10/03(Mon) 21:50:57 |
【人】 修理屋 一二三 あの馬鹿、春にも同じことやったばかりだろ。 [春の花見でも同じように ふらりとどっかへ流されてはぐれたくせに。 澤邑さんには悪いと思いつつ。 九朗の背中に追いつけなくなる前に目礼を返し、 杖で地面を叩きながら早歩きで後を追いかけた。 ガキの頃なら九朗が歩くよりも早く走って追いつき、 細い背中を捕まえて仕舞いだったのになぁ。 澤邑さんも驚いただろう。 二十歳前に揃って蒸気帆船に乗ったガキどもが、 十年後には夢を捨て、足を喪って戻って来たんだ。 少なくとも俺は足を無くしちまったことに 後悔はなかったんだが…。*] (9) 2022/10/03(Mon) 21:51:26 |
【赤】 修理屋 一二三お前はどうだったんだろうなぁ… 後悔したか? 後悔しかなかったか? お前を庇って魚竜に両足をやっちまったこと。 俺はこれっぽっちも後悔なんて してねぇんだけどなぁ…。 (*0) 2022/10/03(Mon) 21:52:56 |
【人】 控井[一人で出かけると、結局何も買わなくなってしまうな。 必要なもの以外には、中々目がいかない自分に気づかされる。 喜ぶ顔が見たい相手の気を引くことばかり、 私は考えてしまうのかもしれないな。 とは言え夜も徐々に更けてきて、流石にお腹が空いてきた。 いくつか食べ物の屋台を見て、 一番上に目玉焼きを乗せた、モダン焼きを購入した。 半熟の黄身を、月に見立てているのだろう。 長椅子の置いてある場所を見つけて、 そこに腰掛け舌鼓を打つ。 焼きそばも入っているので、食べ応えがある。 卵黄とマヨネーズが、ソースの味をまろやかに纏めていた。 一人で手短に夕食を済ませると、 また薄墨神社を目的に、歩き始める。] (10) 2022/10/03(Mon) 22:20:17 |
【人】 控井[途中、気になる露店を見つけた。 所狭しと並んでいるのは、凝った作りの絡繰り人形。 私も玩具を作る会社に勤めているから一目見て判る。 あれらは全て、拘って作られた一点物だ。 ゴーグルをつけた売り子と思しき女性に声をかける。 話を聞いてみるとやはり全て一点物で、 何と売り子だと思っていた女性が手掛けたものなのだそう。 私の持っている"じゃっく"にも気が付き、 いつ頃作られて、 どんな絡繰りの仕込まれたものなのかを言い当てた。 実は彼には、首元のボタンを押すと、 ぺこりとお辞儀をして手を振る絡繰りが仕込まれている。 別のお祭の際に観光で来て、この島を甚く気に入ったそうで、 生まれも育ちも榛名の私には、とても嬉しく感じられた。 「この島は一見武骨に見えるかもしれないけれど、 温かい心を持った人の多い、とてもいい島ですよ」 既に知ってくれているのに、私もつい弁が熱くなった。 途中でふと我に返って、 キリの良い所で「いいお月見を」と言って別れた。] (11) 2022/10/03(Mon) 22:22:21 |
【人】 控井何 死 我 涙 逢 に な が に ふ か ぬ 身 浮 事 は 薬 に か も [悲嘆にくれた私の毎日が、 せ も は ぶ こんなにも温かかったのは、 ん 偏に私を取り巻く優しい縁のお陰だ。] (12) 2022/10/03(Mon) 22:22:50 |
【人】 控井― 回想:君と過ごした観月祭 ― [夫婦は屋台を見て回り、焼きそばを買って一休み。 手巾で軽く長椅子を拭い、男は女に座るよう促した。] 「こういった外での食事は、格別ですね」 [女の言葉を聞いて、 毎日食事を用意するのはさぞ大変な事だろうと、 男は「いつも美味しいご飯を有難う」と返した。 そういう発言を引き出そうという魂胆ではなかったけれど、 女は素直に感謝の意を好ましく受け取った。 蜜色の月が、互いの顔を照らしている。] 来年も再来年も、こうして一緒に月を見に来よう。 [「死が二人を別つまで」などという、 楽しい祭に水を差すような余計な一言は飲み込んで、 男は小指を差し出した。約束は交わされ、そして果たされた。 想定以上に、約束の有効期限が短かっただけのことだ。*] (14) 2022/10/03(Mon) 22:24:57 |
【人】 控井― 回想:彼女と過ごした観月祭 ― [娘はお祭りの食べ物では特に、たこ焼きを好んでいたから、 娘の好みに合わせて男は毎年たこ焼きを買って二人で食べた。 時には変わった物をタコの代わりに 入れていたりする店もあった。] 熱いから、気をつけて食べなさい。 [どちらかというと、娘は食べるのに時間がかかる方だったが、 それでも心配は口を衝いて出てくるもの。 空は既に暗かったが、 それでも月光が柔らかく差し込んでおり、 父娘の時間を優しく包んでいた。] 「お父様、来年も再来年も、一緒にお祭に連れてって」 [差し出された細い小指に、ほろ苦い思い出が去来したが、 何も言わずに指を切った。ほんの、数年前の事。**] (15) 2022/10/03(Mon) 22:25:47 |
控井は、メモを貼った。 (a1) 2022/10/03(Mon) 22:28:11 |
【人】 修理屋 一二三まったく… お前ときたらガキの頃から あっちへふらふらこっちへふらふら… [人の流れをどうにかかき分けて。 ようようその腕を捕まえた頃には、 澤邑さんや白猫とすれ違った場所から随分遠ざかっていた。 あぁ、まったく。 暦の上ではもう秋だってぇのに。 妙に焦ったり急いだりしたせいで 汗までかいちまったじゃねぇか。 そのうえ隣を歩く九朗の奴は「すみませんねぇ」と 小首をかしげて言葉ばかりの謝罪をするばかり。 嗚呼もう知ってるよ。知ってたよ。 お前は昔っからそういう奴だよ。 こういう時に折れるのはいつだって俺だってな。] (16) 2022/10/03(Mon) 23:16:16 |
【人】 修理屋 一二三この辺の簪…は、まだ早いか。 飾り紐あたりなんか土産にどうだ? [誰への土産かといえば、 それは当然九朗の可愛い可愛い姪っ子にだ。 九朗は相当だが、他から見れば俺も大概甘いんだろう。 自分の子供なんて、 この歳まで自分がしたいことだけしてきた奴には 早々望めはしないだろう。 同年代でも早い奴は娘が嫁に行ったと言うし。] [「でも赤より桃色の方がいいんじゃないですか?」 という九朗に、赤が好きなのは母親の方だったなと。 赤いキャンディーリングを嵌めてきらきらと笑っていた 九朗と面差しのよくにた妹の笑顔を思い出す。 その間にも九朗の指先はいくつかの品の上を彷徨って、 店主の話を聞きながらふむふむと相槌を打っていた。*] (18) 2022/10/03(Mon) 23:17:08 |
修理屋 一二三は、メモを貼った。 (a2) 2022/10/03(Mon) 23:23:40 |
天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。 2022/10/03(Mon) 23:25:15 |
【独】 修理屋 一二三/* うさぎ堂は満員御礼っぽいので、伺うのは明日にしましょう。 九朗と一二三は所謂結婚適齢期にあちこちの島を旅していたので、婚期を逃した形になります。 とはいえ色よい話も時々はありましたとさ。 しかし結局はその島に居つくわけでもなく。 結婚して着いてきてくれと言うわけでもなく。 一二三が両足を失ってからはそういう話からも遠のいて。 榛名へ戻ってきた時には四十前後。 見合いの話は多少あった(九朗(6)1d6回、一二三(1)1d6回)けど、一人暮らしが長かったせいか、改めて誰かと生活する生活に踏み切れず。 またそうしたいと思える相手もいなかったので結局結婚まで行かなかったというわけで。 ずるずると腐れ縁のように、九朗と一二三だけが並んでいるという現状。 (-9) 2022/10/03(Mon) 23:35:51 |
【独】 修理屋 一二三/* 見合いの回数、ダイスの女神が正直すぎません??? 私としては結婚相手にするなら九朗より一二三の方が人間的におすすめなんですが。 え、見た目? 見た目なんです??? ダイスの女神はやっぱりイケメンが好きなんですか? (-10) 2022/10/03(Mon) 23:37:12 |
【独】 修理屋 一二三/* それにしても控井さんの立ち回りうまいなぁ… この村のシステム的には私より控井さんのような立ち回りの方が村建てNPCの立ち回りとしてあっている気がするんですよね。 実際に人がやっているのを見てみないと気づかないものです…。 見習いたい。 (-11) 2022/10/03(Mon) 23:44:40 |
【人】 高比良 お、みんなもう来てたんだ、早いじゃん [先に来てた連中に声をかけ仲間に加わる あと誰が、と言いかけたところでその当人がやってきた] あ、やっぱちび達一緒なんだ 「おう、悪いな」 いつものことだし、忙しいんだろ? [なんて言ってる間にも仲間たちは小っちゃいのの相手を始めている ちび達も慣れたものでキャッキャとはしゃいでいる 最後の一人は薄墨神社の傍にある旅館の息子だ 当然、ここ数日は大忙しだから弟たちの面倒を見るのは当然で こんな時はいつも「子連れ」と決まっていたから] 「でも昨日と今日の手伝い分とこいつらの子守分の小遣い貰ったし!」 [ぐっとポーズを決めて言うのに「おぉー」と歓声をあげて、ついでになんか奢れとか言ってみたりする] (20) 2022/10/04(Tue) 0:51:07 |
【人】 高比良 「まあ、こうして遊べるのも最後だからな」 [なんていうもんだから、はっとしてそいつを見る] やっぱ、上の学校行かずに家手伝うんだ? 「父さんたちは行けっていうけど早く仕事覚えたいしな」 [そう、俺たちは次の春には卒業する わかっちゃいるけど、来年はもうこの面子が揃う事は無い] 「高比良はどこ受けんの? やっぱ一高?」 ん、近いし 警察学校の受験資格、高卒なんだもんなぁ 「俺は妙高受けるから、運がよかったら榛名を出る、かな」 「えぇ、あそこ難関の学園都市じゃん!」 「好成績とれば学費減免あるし、資格とりたいからさ」 「あ、俺は親戚の工房に見習いで行くから、やっぱ榛名から出る口だわ」 (21) 2022/10/04(Tue) 0:54:10 |
【人】 高比良[こうやって改めて進路を聞くと、本当にバラバラになるんだって思う しんみりしかけたところでちびが声をあげた] 「早く屋台見に行こうよー」 あ、そうだな。ぱーっといくか、ぱーっと! 「パーッといくほど金ないんだけど!」 「足りなかったら貸すけど後で返せよ?」 [なんて言いながらとりあえず仲見世へと向かって、そこで見覚えのある顔を見つけた>>8 道場にたまに顔を見せてる修理屋のおっちゃんだ。勿論、うちでもお世話になったことがある 初めて見かけた時思いっきり頭を撫でられた>>0:54 撫でられた、というよりはなんか体重掛けられた気がする>>0:55 「おっちゃん、重い」と言っては見たが、脚が悪いことに気付いて一応は耐えたけど でも、あのおっちゃんくらいの体格があったら警官になっても苦労しないだろうなぁ と思いながら見てたら慌てたように誰かを追っていった 気がつくと俺も仲間に置いて行かれかけていたから、あわてて後を追いかけたんだ**] (22) 2022/10/04(Tue) 0:55:37 |
高比良は、メモを貼った。 (a3) 2022/10/04(Tue) 0:59:08 |
【人】 行商人 美濃─露店のお客・九郎と一二三─ [何かを探しているようで、買い物をすることはなかった男性>>10と歳の頃は同じくらいか、壮年の男性二人が露店にやってくる。>>17 杖をついた男性が、長髪の男性に簪や飾り紐を見遣り問いかけるのを聞いて>>18、彼に勧めたのかと思い、似合う色はどれかしらと斜め上の方向に考える。 よくよく会話を咀嚼すれば、“まだ早い“、“土産に“と言っていたのだから、簪はまだ早い年頃の少女のためだと思い至る。 聞けば姪御への土産だと知れたろうか。 尋ねなければ娘への贈り物と女は思い込んだだろうから。 あの、ただ露店を見つめるだけで佇んでいた彼も、女の空想とは違う生活や思いを抱いているのかもしれないとは、女にしては珍しい気づきだった。] 飾り紐ならこの、桃色と白なんて可愛らしいと思うけれど。 赤と白、赤と桃だと派手かしら。 花の形に結ばれた飾りや蜻蛉玉の飾りがついたものもあるけれど。 [等々、一緒に頭を悩ませながら手持ちの品を紹介した。 親族への土産を二人で見繕うものだから、彼等兄弟だろうかと女は思ったが、面立ちは似ていないので違いそうだとは結論づける。 ならば旧知の仲だろうとは会話から。 彼等に妻子があるかは不明だが、いくつになっても仲の良い友人がいるというのも幸せなことだと女は思う。] いっそ、姪御さんとお揃いの飾り紐をつけてみては? そちらのお兄さんも、御髪は短くとも、こう、頭に巻いた装飾の方に…。 [なんて、名案のように言ってみたけれど押し売りのつもりではない。 少女への土産を見繕う様子が二人して、とても楽しそうに見えたから。]** (23) 2022/10/04(Tue) 1:07:26 |
【独】 行商人 美濃/* 一発言に詰め込んだから文字ぎゅうぎゅう罪だよ。 箱開けてその後お前どうしたんだよってとこで止めてるけど、 箱の中身のくだりを投下したら もうソロルではやることほぼなくなるから渋ってんだわ…。 (-13) 2022/10/04(Tue) 1:12:13 |
行商人 美濃は、メモを貼った。 (a4) 2022/10/04(Tue) 7:51:33 |
虹彩異色症の猫は、メモを貼った。 (a5) 2022/10/04(Tue) 8:03:45 |
【人】 和菓子屋 稲庭―和菓子屋「うさぎ堂」― はぁいこんばんは。 いらっしゃいませぇ。 [月見団子を求める客は多い。 くるくると、うさぎが跳ねるように給仕娘も働いていた。 その中で、見覚えのある狐面の女性が来れば、うさぎ面の口元が笑みの形になった。>>0] はいはい、ございますよぅ。 お約束頂いておりましたからねぇ。 [買いに伺う、という言葉を覚えていた娘は、予約だと捉えていたらしく。>>0:25 取り置いていたことを匂わせれば、女性は他にも和菓子を買っていってくれると機嫌よく。味には自信があるので、どうぞお楽しみくださいとばかりにおはぎと芋ようかんも包むのである。] (24) 2022/10/04(Tue) 15:29:06 |
和菓子屋 稲庭は、メモを貼った。 (a6) 2022/10/04(Tue) 15:46:17 |
【人】 行商人 美濃―神社へと向かう前― [女がうさぎ堂に向かった時には、お団子を土産に買うと言っていた猫飼いの人は>>1、女の露店を離れてまっすぐそちらの方向へ歩いていたと記憶しているし、あの美味しい栗ぜんざいを愛猫と共に食しているところは見られなかっただろう。>>3 品を袋に詰める折、玩具を取り上げられたと思ったのか不機嫌そうに鳴いた姿を思い出して>>5、仮面の下で小さく笑う。 連れ立って歩く一人と小さな一匹の影を思い返せば、きっとすぐに機嫌はよくなったのであろう。 「花が咲いたところを自分も見られたらよかったな」との言葉に、「ええ、咲いていればよかったのだけど。まだ咲かないみたい」とまるですぐにでも咲くかのように答えた女をどう思われたかはわからないが、あの人当たりのよい笑みが怪訝に変わることはないのだろうことは短い会話と猫への接し方で知れたことだった。] (27) 2022/10/04(Tue) 18:50:28 |
【人】 行商人 美濃[そうして、うさぎ堂へとつけば、うさぎの面の給仕が忙しく動き回るのを見て微笑ましくなる。>>24 女の顔を見て、口角が上がるのも、取り置きしてくれていたことも嬉しくて。] 約束、覚えていてくれたのね。 ありがとう。 ええ、良い月が見られて嬉しいわ。 [うさぎは確かに目の前で、弾むばかりの働きっぷりであると思えば、クスクスと笑って返した。 失礼しますと去る姿を>>25一度、呼び止めて] これ、つまらないものだけどお礼よ。 [予約のお礼に、と小さな月のような黄色い石のついた簪を渡した。 少女と言っても遜色ないなんて感想を初めて見た時には思ったけれど。 随分としっかりした働き者で、もう簪をつけても良い年頃だとは、二人連れの男性客の会話を思い出したからで。 実際は、女も誰かに贈り物をしたくなった、というだけのこと。 それだけ渡せれば、酒屋へと足を向けたのだった。]** (28) 2022/10/04(Tue) 18:51:34 |
【人】 澤邑[ てちてちと肉を食べて、なくなるとこちらを見上げる>>6その度に瓶からおやつを取り出してこゆきの前へと。多すぎる量はそもそも持ち歩かないから、あるだけ与えたのだが物足りないようで何もない掌をしばらくはザリザリした舌で舐めていた。 そのうち満足したのかあきらめなのか、膝の上でまるくなって目を瞑っている。大人になりかけの若い猫で膝に置いていても頼りないくらいに軽い。 しばらくはじっとしていてくれるようで、ゆっくりと栗ぜんざいを味わった。箸休めの漬物が大変に美味しく感じる。] ご馳走様 [ >>26うさぎ面をつけて忙しく駆け回る様子の娘に挨拶をして。ありがとうございましたぁと語尾の残る返事が返ってきて可愛らしい。今夜は繁盛して大忙しだと思うのに丁寧に頭まで下げてくれた。 こゆきを連れていたから、時々気にされていたように思うが、特に大きな粗相もなくてよかった。*] [ もっと沢山もたもたしていたら>>27露店の店主が訪れるところも見られたかもしれないが、流石に店舗を構えている人物と、暇人の自分がその日すれ違うことはなかったか。 「咲いていればよかったのだけれど、まだ咲かないみたい」そんな不思議な返答も自分にはなんだか納得がいって、笑みが崩れることはなかっただろう。世界の端から端まで知っているわけでもなく、本当にそんな花があるのかもしれないし、不思議なことがあるならそれが叶うといいとも思う。*] (30) 2022/10/04(Tue) 20:10:59 |
【人】 澤邑眠くなっちゃったかい [ こゆきは膝の上ですっかり寝る体制になってしまったようだ。猫の眠りは浅いから動かせばすぐにしゃんとなるかとも思ったのだが、これなら早々に行って帰ってこよう。 少しの肌寒さを感じたかくしゃみをしてそのあと腕の奥に頭を潜り込ませるようにして丸くなる。羽のようにとは大袈裟だがまだまだこゆきは十分軽い。その上じっとしてくれているからすごく楽ちんだった。] 今日は諦めよう [ 社務所の前を通って足を一旦止めたのだが、こゆきがもう眠ってしまいそうで、財布を取り出すのも面倒になってしまった。家内安全のお札を授かるのに袴姿の売り子に財布から金を取ってくれというのも罰当たりな気がする。 墨染神社の石造の階段を上まで登って、祭殿の前で一礼。お賽銭は今度持ってきますからと心の中でお祈りして、引き返す。>>n0神楽を見るのも諦めよう。まあ猫を連れている時点で候補から外れていた気もする。] おっと、驚いちゃったね [ >>29神楽のことを考えていたらちょうど、竜笛の音でこゆきが腕から跳ねる勢いで驚いていた。背を撫でて何でもないよと誤魔化して。落ち着くまでそうしていたが果たして。下に降りたがるなら降ろしたかもしれない。 >>n1内容は過去と大きく違っていないなら見知ったものだったろう。神話の出来事でもしかするなら榛名の外、砂の海では今でも似たような行いがされているんだろうか。流石に夢を見過ぎか。] (31) 2022/10/04(Tue) 20:14:38 |
【人】 澤邑[ 来る時に見かけた>>9九郎と一二三に手を上げ挨拶したなら、一二三は気づいたようだが九郎は別の方を向いていた。九郎を追いかけて一二三がこちらに気の毒そうに目礼をして去っていく。 ちょうど自分の息子よりいくつか年上の二人に、子らも憧れめいたものを抱いていたようだ。今もその頃の面影のようなものが垣間見えて笑った。いつまでも仲がいい。*] ただいま〜 [ 神社からゆっくり歩いて、半刻ほどして自宅へと戻った。息子は寄り合いで飲み会があるというし、妻と義娘は孫を連れてお祭りに行くらしい。] 晩酌しよう、ゆきちゃん [ お団子を居間のテーブルに置いて、いまだこゆきを抱えたまま台所へ向かうとお盆の上にメモが置かれていて「冷蔵庫にお刺身」と書かれていた。] あ、とその前に [ 手ぬぐいを濡らすと、こゆきの背を柔らかく拭っていく。ジタバタと暴れたかもしれないが必要なことなのと言わんばかりに。そのあと手足も一つ一つ丁寧に。不機嫌は刺身で治るといい。**] (32) 2022/10/04(Tue) 20:16:11 |
澤邑は、メモを貼った。 (a7) 2022/10/04(Tue) 20:17:33 |
【人】 虹彩異色症の猫[ 天高く響く龍笛の音、地を這い腹底響く和太鼓の音。跳ね起き落ち着かなげに辺りを見回していたが、宥めるように背を撫でる手で>>31またとろとろとうたたねに戻る。 運ばれるままに自宅に戻り、そのまま良い気分でおれたらいいものを、湿り気のある手拭いで背を、手足を拭われる。 にゃっ、にゃっ、と抵抗して見せる素振りだが、これも散歩跡のいつもの恒例行事だ。 冷蔵庫から澤邑が刺身を取り出し、いつもの錫の酒器を取り出すと>>32、ふなあ、ふなあと足元に纏わりだす。小さなお脳である癖に、鈍色に輝く銀の酒器は、御馳走が口に入る合図であることを覚えている。 今日ばかりは常の卓ではなく、縁側で名残の月を惜しみながらの晩酌となるだろうか。片目ばかりがまんまるの月を模した双眸で、膝に前足掛け晩酌のお零れを今か今かと待ち構えている。]** (33) 2022/10/04(Tue) 21:29:12 |
【人】 修理屋 一二三[狐面の店主が浮かべた斜め上の勘違いを知ったら、 俺と九朗は真逆の反応をしていただろう。>>23 苦いものを噛んだ顔と、よく分かってねぇって顔だ。 九朗とつるんで長いせいかお互いに言葉を端折るもんで、 昔から周りに勘違いをさせることがままある。 俺としてははなはだ不本意ではあるし、 時と場合によっては九朗の方が悪乗りするんで、 行商人の勘違いは知らないままでよかったんだが。] 赤と桃か… どうなんだろうなぁ? 子供の好みってのはいまいちよく分からねぇや。 [こういうのは九朗の方が得意だろう。 そう思って隣を見れば、 行商人の勧める飾りの方を熱心に見比べていた。] (34) 2022/10/04(Tue) 22:12:18 |
【人】 修理屋 一二三ん? あぁ、俺はいいさ。 こいつならともかく、俺の方はなぁ… [元々女顔の九朗ならともかく、 四十を過ぎた男が髪を飾るのも…。 そう言って狐面の娘の提案を断るが、 俺の隣ではすっかりその気になった九朗が 桃色と白、紫と黒の飾り紐を選んでいた。] (35) 2022/10/04(Tue) 22:12:49 |
【赤】 修理屋 一二三九朗が露店の商品を選ぶさまを眺めつつ、 やっぱりお前の方がこういう物を選ぶ趣味はいいと 当たり前のことを再確認する。 榛名を出る前。 九朗は絡繰り人形を作る人形師で、 俺はそれを修理する人形技師だった。 作りたい人形があると 榛名を飛び出す決心をした九朗を止めるどころか、 丁度いいって相乗りする形で俺も一緒に旅に出た。 無鉄砲以外の何物でもねぇ、 勢いだけで行動に移しちまえるのは若者の特権だった。 だからまぁ、下地は元々あったんだよな。 人形を作る代わりに九朗は技師や義足を作るようになり、 俺は変わらず九朗が作ったものを修理し続けた。 (*1) 2022/10/04(Tue) 22:13:23 |
【人】 修理屋 一二三「「それとこっちの蜻蛉玉がついているものと、 このガラスの猪口もふたついただけますか?」と 飯屋に着く前にいそいそと荷物を増やしている。 っと、うっかり見ている場合じゃねぇな。] あー、悪いが飾り紐は別にしてくれねぇか? 会計は全部こっちで。 桃色のと猪口だけ包んでくれ。 [値段を聞いた九朗が財布を出す前に口を挟んで、 俺の方でさっさと支払いを済ませることにした。*] (36) 2022/10/04(Tue) 22:13:58 |
【人】 控井[あちこち道草を食っては少しずつ前進し、 漸く目的の薄墨神社へと辿り着いた。 まずは拝殿でお参りをしていこう。 何度こうして、ここで祈願しただろうか。 手を合わせて、目を閉じる。] (どうか大切な人達が、 健康で幸せに暮らせますように) [社務所に寄ることも少し考えたが、 特に必要なものが思い浮かばず、 そのまま神楽を見に行こうと神楽殿へ。 距離が縮まるごとに、大きくなっていく音楽と期待。 もたもたしていたせいか、既に神楽舞は始まっていたけれど、 遠巻きにも舞台はよく見ることが出来た。] (37) 2022/10/04(Tue) 22:36:19 |
【人】 控井[毎年こうして足を運び、見てきた舞ではあるけれど、 やはりいつ見ても、何度見ても、迫力に圧倒される。>>2:n1 君や彼女は、姫櫻の神楽の方が好きだと言っていたね。 確かに可愛らしいし華があるけれど、 私はこちらも渋くて良いと思うけどな。 まぁ、彼女が舞姫に選ばれ、 無事大役を果たした年は格別だったけれど。 一頻り神楽を見れば、のんびり月を見ようと、 人熱れを避け静かな場所へと移る。 じゃっくを脇に侍らせ、 午前中に買っておいた月見団子に手を付ける。 もちもちとした弾力のある食感に、程よい甘さの餡子。 変わらない、いつもの美味しさ。] (38) 2022/10/04(Tue) 22:37:21 |
【人】 控井[観月祭に一人で来るのは初めてだけれど、存外悪くない。 でもそれは決して悲しみや、想いが薄れたからではない。 一人でもこうして歩いて、美味しいものを食べて、 露店の商品に目を輝かせたり、神楽を見たり。 そんな時に必ず、月光のように淡く優しく差し込む 光 。それは全て、幸福な思い出であった。 失った時の悲しみの強さと、想いの強さは比例する。 だから何れ失って悲しむくらいなら、 最初から持たなければ良かった。 そんな風に言えてしまうのではないかと、私は恐れていた。 確かに喪失から暫くの間は、酷く心が痛んだものだけれど、 それ程失いたくない大切なものが何もない人生の方が、 余程哀れではないだろうか。 それにまだ、温かい思い出を作る機会は いくらもあるのだろう。] (39) 2022/10/04(Tue) 22:38:55 |
【人】 控井[一人と一羽で見上げる 月 遥か彼方で君が見守ってくれていると、 そのように思わせる神秘を感じた。 夜は更けていく、名残惜しいけれどまた来年に。 死が世界と私を別つまで、約束は果たされるだろう。**] (40) 2022/10/04(Tue) 22:39:44 |
【人】 修理屋 一二三[狐面の娘が広げる露店で支払いを済ませた後。 そろそろ飯を…と思った俺の腕を、 今度は九朗が引いて歩く。 そうは言っても、 九朗に腕を引かれて歩く速度や歩幅を急だと思わない。 はやる九朗の気持ちが上乗せされてる分、 普段より少し早いくらいだ。 それくらいならまだ両足の義足は 機嫌よく重心を移動させながらこっちの意をくんで 素直に歩いてくれる。 それはつまり、そんだけこの義足を作った 職人の腕がいいってことなんだが。] (41) 2022/10/04(Tue) 23:13:01 |
【人】 修理屋 一二三九朗、今度はどっち行くんだ? [人の往来を横切るように通りを歩いていく。 俺と九朗は知るはずもねぇが、 その道筋はしばらく前に同じ露店で買い物をした 澤邑さんと同じもんだった。 つまりは行きつく先も同じってわけで。 店の外にまで席を広げて甘味を振る舞う うさぎ堂へ辿り着いた。 店の名の通り薄桃色をした兎の面を付けた娘が ぴょこぴょこと愛想よく働きまわる姿は 見ているだけで目が回りそうだが。 元気がある分楽しそうでもある。] (42) 2022/10/04(Tue) 23:13:13 |
【人】 修理屋 一二三「すみません、まだ月見団子はありますか?」 [昨日の今日で。 ここへ来てまた団子を買おうとする九朗を お前団子に恨みでもあるのかよと冗談めかして見れば 「来年の参考にしようと思いまして」 なんてしれっと言いやがる。 姪っ子に袖にされたこと、 まだ根に持ってるんじゃねぇか。**] (43) 2022/10/04(Tue) 23:13:32 |
【人】 和菓子屋 稲庭[一二三と九朗に商品をお渡しした後、団子が少なくなってきたのもあり、少し休憩に入ることが出来た。 ふう、と一休みしてお茶を飲み。 そしてすぐ、うさぎ堂を出た。 ろくに簪の礼も言えなかったのだ、狐面を探して兎面は駆ける。が、祭りだと浮かれて面をしている者はそこそこ居て、すぐには見つからず。 懐中時計を持った兎のように駆け回っていたのだが、神社への道を登る前にくたびれて、石段に座って空の月を眺めていた。] ああ……? なぁに、あれ…… [ぽかんと口があく。>>n2 白銀の鱗を持つ魚のような、蛇のような。 不思議な姿を、うさぎは見たのだ。**] (46) 2022/10/05(Wed) 0:47:01 |
【人】 行商人 美濃─露店のお客・九郎と一二三─ [彼にとっては不本意な女の勘違いは彼等に伝わることはなく、恙なく行商人としての務めは果たせたか。>>34 悪ノリする友人に顔を顰める姿も見られたら楽しかったかもしれないけれど。 長髪の男性が姪御への贈り物に決めたのは、蜻蛉玉の飾りがついたもの。 まだほんの少女を勧めた品が飾るのを思い描いた。 想像する面立ちは中世的な彼の姪御なれば、きっと美人になりそうなもの違いない等。 それから硝子のお猪口をふたつ。 お酒呑みたい、とは心の隅で。 月見の頃には呑むのだからと振り払う。] ふふ、きっと似合うのに。 そちらのお兄さんはお揃いのものを? 良い色ね、姪御さんと並んだ姿を見てみたいわ。 [歳や性別に頓着しない女は飾り紐は不要との声に笑って返して。>>35 乗り気で飾り紐を選んだ彼との違いに、二人の関係性が垣間見えて微笑ましくなった。] はい、こちらの包みは別ね。 お買い上げありがとうございます。 お二方とも、良いお月見を。 [品を選んでいない彼の方がお財布を出すのが二人の仲が密であることを窺わせる。 雰囲気や性格は異なる二人だが、だからこそ上手く付き合えるものなのだろうかと考えながら包みを分けた商品を渡し、お辞儀をすると二人を見送った。]** (47) 2022/10/05(Wed) 2:11:18 |
【人】 行商人 美濃─神社裏手─ [開けた箱の中は、やはりいつもと変わらぬ土の詰まった碗があるだけだった。 碗を持ち上げると土の重みが指先に伝わった。 目の前まで持ち上げて、矯めつ眇めつしてみたけれど、芽の一つもでてはいない。 予想はしていたことだ。 何も嘆くことはない。 満月を見上げ、お団子を食べて、酒を飲む。 それだけできれば充分だと。 もしその時が来るならば、きっと───… 永遠に、そばにいられるのだと、 指先が震えて、碗が落ちる。 ガシャンと土の上に転がり、中の土が溢れた。 慌てて碗を取り上げるが、傷はついていないものの、中身は全て地面の上へと散らばっている。 平すように土の上を掻き分けても、何も指先には触れず、植物の種のようなものは見当たらなかった。] (48) 2022/10/05(Wed) 2:25:38 |
【人】 行商人 美濃………どうして、 [汚れた指で仮面を覆い、熱い雫が頬を伝う。 戯れだったのだと、思いたい。 否、おそらくの真意を女は察していた。 ひとり残していく先で、夢見がちな女が生きていけるよう、 ありもしない希望を与えたのだ。 少女の頃、あの露店で見た綺羅綺羅とした異国の品のように。 硝子玉でさえ本物の宝石だと信じて疑わないような頃のままだと思われていたのだろう。 ───…そんなはずはないのに。] (49) 2022/10/05(Wed) 2:27:11 |
【人】 行商人 美濃[顔を俯かせたまま、ぼろぼろと溢れる涙が面の内側を濡らす。 面の細い目の隙間を零れ落ち、指の間から雫が、ぽた、と膝に置いた碗の上に落ちた。] ………? [茶碗の底に落ちた水滴の中、模様のようなものが拡大されて見えた。 顔を近づけると、何か文字が彫り込まれているようだ。 仮面を外し、目元を擦るとそれを読む。 弾かれたように茶碗の中を手拭いで拭き取ると、傍らに置いていた酒を注いだ。] (50) 2022/10/05(Wed) 2:27:58 |
【人】 行商人 美濃[透明な液体を満たした茶碗を顔の前に掲げると、確かにそこには咲いていた。 震える指先に揺らぐ水面に、 愛した人と同じ名前の蜜色の盈月が。 『永遠に、君と共に』と彫られた底の文字と、あの頃の思い出と共、女は浮かぶ月を飲み干す。 一筋だけ、溢れた涙がきっと先の長い生涯のうちでも、最後の涙となるのだろうと、女は思った。]** (51) 2022/10/05(Wed) 2:30:22 |
【人】 澤邑よし [ >>33こゆきの体についた木の葉の屑や指の間の泥を拭うと、嫌そうに鳴き声をあげるのだが、まだ甘えたような響きがあって可愛らしい。本気の抵抗に変わる前に何とか終わらせる。 上半身を包み込むように装着されていたハーネスもすっかり取り払われて、こゆきは肴と酒器を用意する自分の足元をうろちょろしていた。] 頭が良いね [ こゆきは、何か良いものが貰えると既に察知している様に見える。いつもなら自室へ向かうのだが、今夜は縁側で月を見ながら一杯とする。 こゆきを逃したくないのと、少し肌寒くなってきたからガラス障子は閉じたままだ。そろそろ熱燗でも良いかもしれないと思い始める。] わかったわかった [ 刺身を一つ摘んで指で小さくちぎってこゆきに差し出す。自分のどうでもいい考え事なんかより、目の前のご馳走を早くと訴える猫の方がよっぽど賢い。美味しいものを食べて、季節のちょっとした綺麗なものを眺めて、そんな少しの余裕が幸せだ。 そのうちに出かけていた家族が帰ってくる気配があって、居間で戦利品を広げて楽しげな声が聞こえてくる。お団子を食べても良い?と遠くから声をかけられて、良いよと答えたりもした。 その後お茶とお団子を皿にいくつか持ってきてくれたし。寝るなら歯を磨いてからにして下さいよと、小言も言われただろう。ついでにお土産があると言って硝子細工の板を妻に渡したら、複雑な表情をしていた。栞に使えるそうだと伝えると何となくの納得をしていた。 明日になったら、蜻蛉のおもちゃで遊ぼう。今は毛糸玉をこゆきに見せてみたがもう疲れているかもしれない。こゆきはずっと側に居ただろうか、それともうろちょろとして寝る頃に戻ってきたか。**] (52) 2022/10/05(Wed) 3:54:22 |
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