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名前 | ID | 生死 | 勝敗 | 役職 |
---|---|---|---|---|
花瓶 | master | 襲撃死 (2d) | 敗北 | 村人陣営:村人 村人を希望 |
ソーネチカ | alice_sanjou | 処刑死 (3d) | 敗北 | 人狼陣営:人狼 人狼を希望 |
サルコシパラ | 西 | 生存者 | 勝利 | 龍人族:童子龍 童子龍を希望 |
ウユニ | alice0327 | 生存者 | 勝利 | 龍人族:童子龍 童子龍を希望 |
【雲】 サルコシパラ「なつかしいですよね。 ここで初めて貴女を見つけた時には 本当に驚きました。 一目惚れは幻想じゃないんだと 知ることができたんですから。」 (D1) 2022/08/22(Mon) 23:28:48 |
【雲】 サルコシパラ過去を指先でなぞっていくと サルコシパラは意を決したように 被っていた仮面を外して 丘の上に添える。 そうすればきっと サルコシパラの哀愁と慈愛に満ちた 顔が彼女にも見えるはず。 (D2) 2022/08/22(Mon) 23:29:15 |
【雲】 サルコシパラその言葉の真意は この病気と真剣に向き合ってきた 彼女にしか伝わらない。 たとえこの選択が 彼女の心に傷を残すことになろうとも 彼女の生の幕を引けるほど サルコシパラは大人にはなれなくて。 (D3) 2022/08/22(Mon) 23:30:25 |
【雲】 ウユニ指先に込められた力が私の問いへの答え。 貴方に導かれるように丘を目指して。 いいえ、導いていたのは…。 あの日もこんな静かな風が吹いていた。 揺られた花は花弁を散らして。 まるで運命に泣いているみたい。 (D5) 2022/08/23(Tue) 0:48:34 |
【雲】 ウユニ 「えぇ、なつかしいわ。 突拍子もない私の提案をのむ人が いるなんて……、思ってもみなかったもの。 まさか、 竜胆 に一目惚れする人に 出会えるなんて、ね。」 (D6) 2022/08/23(Tue) 0:49:44 |
【雲】 ウユニ思い出話をしに来ただけ、 ならよかったのに。 仮面を外した貴方の顔を見れば そうじゃないことくらい、わかってしまう。 哀しそうで、それでいて……。 (D7) 2022/08/23(Tue) 0:50:13 |
【秘】 ウユニ → サルコシパラ (-1) 2022/08/23(Tue) 0:51:35 |
【雲】 ウユニ きっと逆の立場なら 私もそうしようとしたでしょう。 今まで、貴方に病気のことを隠して 嘘をついて、騙してきた私に 貴方を非難する資格なんて 本当は何処にだってないのに。 頭では、貴方の選択も 間違いじゃないとわかっていても やめて、やめて と心が貴方の選択を拒む。 (D8) 2022/08/23(Tue) 0:52:48 |
【雲】 ウユニ間違ってなんていないけれど きっと正解だってない。 貴方の願いは私を悲哀へと突き落とし 私の望みは貴方を悲哀に晒すことになる。 どちらをとっても幸せなんてない。 だから、私は……。 (D9) 2022/08/23(Tue) 0:53:26 |
【秘】 ウユニ → サルコシパラ「貴方に救われたことはあっても 貴方を救ったことなんて、ないわ。 やめて、そんなこと… 私は、望んでいない。」 (-2) 2022/08/23(Tue) 0:54:05 |
【雲】 ウユニ 貴方を見上げて吐き捨てるように呟くと。 自分自身の都合の良さに嫌気がさして 吐き気すら覚えてしまうの。 貴方の気持ちを裏切って出て行こうとか 貴方に嘘を散々ついていた私が、 今更何を言うのか、と。 立ち上がることも出来ないまま 貴方の瞳を見つめて。 (D11) 2022/08/23(Tue) 0:58:53 |
【雲】 ウユニ「貴方がしようとしていることは 私の救いになんてならない。 そんな形で助かっても… 生きていても、意味なんてないわ……。 貴方が傍にいない時間を 独りで過ごすことなんて、耐えられない。 寂しさを受け入れるなんて 私には出来ない……。」 (D12) 2022/08/23(Tue) 1:01:12 |
【雲】 ウユニ 病気を引き受ければ 当然、引き受けた人は助からない。 貴方がそれを選ぶことは、 私が残されることと同じで。 はらはら、ひらひらと。 花弁 が風に乗って空へとのぼっていく。 (D13) 2022/08/23(Tue) 1:02:25 |
【雲】 ウユニ 涙で滲む視界の中、 口にしたのは、決意であり、脅し文句だった。 貴方の気持ちは尊重したい。 でも、それだけは。 犠牲だけは、受け入れられなかったから。* (D14) 2022/08/23(Tue) 1:03:36 |
【雲】 サルコシパラ手折られた花は 平野に放たれる未来を拒む。 一度折れた根が繋がることはなく それでも花の未来を繋ぐために 自分に何が出来るのか。 サルコシパラの答えは不幸なのか。 いや、初めから、幸せに溢れた道など なかったはずだ。 (D15) 2022/08/24(Wed) 21:34:05 |
【雲】 ウユニ貴方の問いかけには何も返せず。 黙しているのは肯定と同じだった。 そう、私達がしようとしているのは同じことで。 私達は変わらない。 愛した人を守りたいと願って でも、相手を傷つけずに守る術を知らないの。 たとえ傷つけてでも、自分の望みが叶うのなら そうしようとする、自分勝手な、人間。 そんな自分がたまらなく嫌いなのに。 (D23) 2022/08/24(Wed) 23:19:01 |
【秘】 ウユニ → サルコシパラ (-7) 2022/08/24(Wed) 23:19:32 |
【雲】 ウユニ抱きとめられて、逃れようと身をよじれば 袖口から隠していた 花 が覗く。それでも、覆せない力の差を、 運命を、 私は身をもって思い知ることになるの。 (D26) 2022/08/24(Wed) 23:27:01 |
【雲】 ウユニ それが合図だったかのように 今まで私を蝕んでいた花たちが 私の身体から落ちていく。 病気に打ち勝った証でもあり、 この身をめぐる毒が 貴方へとわたってしまった、証。 (D29) 2022/08/24(Wed) 23:31:36 |
【秘】 ウユニ → サルコシパラ 昨夜、口にしてしまった言葉が頭をよぎる。 治ったら、ウエディングドレスを着たい、なんて。 治るはずもないと思いながら言った言葉だったのに。 言わなければよかったと思っても、 遅 い。 (-10) 2022/08/24(Wed) 23:33:46 |
【雲】 ウユニ 私は誰とも一緒にいるべきじゃなかった。 独りで生きて、独りで終わるべきだった。 この身が周りを不幸にする。 そして、誰かに関われば、自分自身が傷つくと。 知っていた、はずなのに。 あぁ、それでも 貴方に出会わなければよかったなんて それこそ、死んだって言えるはずもないの。 誰よりも、貴方を愛しているから。 (D31) 2022/08/24(Wed) 23:34:39 |
【雲】 ウユニ貴方の深い愛情が、 痛くて痛くて、堪らない。 ぽろぽろと、耐えかねたように 涙がこぼれおちて。 「私の家族には… 裏切り者しか、いないのね……。」 ひどい、ひどいわ、 と同じ言葉を繰り返しながら少女のように泣きじゃくっていた。* (D32) 2022/08/24(Wed) 23:35:11 |
【雲】 サルコシパラ「ウユニさん…… どうか…自分を責めないでください。 これは僕が選んだ結末ですから。 貴女が悲しむことは何も…………。」 (D34) 2022/08/26(Fri) 0:02:43 |
【雲】 サルコシパラ激情の渦に飲み込まれたウユニを 守るようにサルコシパラは手を伸ばす。 裏切り者だと涙を流す姿に 心痛まないとは言わないが けれど彼女の言葉を否定することは サルコシパラにはできなくて。 (D35) 2022/08/26(Fri) 0:03:18 |
【雲】 サルコシパラ花一つ咲かない自分の身体を ウユニへと見せれば 「貴女の苦悩と比べれば こんなのは安いものです。」 そう言って彼女を落ち着かせようと その荒む心を宥めていく。 (D37) 2022/08/26(Fri) 0:06:24 |
【雲】 サルコシパラ荒むウユニを案じたサルコシパラは 思いついたようにウユニの瞳を覗いて 「私の部屋にもうひとつ贈り物があるんです。 よければ…持ってきてもらえませんか?」 そんな提案をする。 丘の上からサルコシパラの自室までは 数十分でたどり着ける。 しかし発症のきっかけが分からない以上 自分が不用意に動くのはあまり得策ではない。 もしもウユニが渋るのなら そのような理由もしっかりと告げるが 彼女は受け入れてくれるだろうか?* (D38) 2022/08/26(Fri) 0:07:49 |
【雲】 ウユニ責めないで、と言われても その言葉が私を守ることは出来なくて。 守りたいと願ってくれるのなら こんなこと、しないでほしかった。 そんな恨み言は辛うじて声に出さなかったけれど 貴方への恨み言を抑えれば、 抑えた分、後悔も何もかも、自分へと向く。 私のせいでなくて、誰のせいだというの? きっと誰だって、そう言うに決まってる。 (D40) 2022/08/26(Fri) 13:48:28 |
【雲】 ウユニ瞳を覗かれて、視線が交わる。 吸い込まれるように、見つめていると 貴方に一つの提案をされて。 「贈り物……? でも、それなら……、 二人で帰ればいいのに、どうして……?」 どのみち、行きたい場所は此処が最後のはずで。 取りに戻るくらいなら、 貴方を一人にするくらいなら、 一緒に居たかったから、当然渋った。 (D44) 2022/08/26(Fri) 13:53:56 |
【雲】 ウユニ渋っていたけれど、 貴方に理由を言われてしまえば 私はそれに納得してしまうの。 まだ、発症していない。 そう信じていたかったから。 貴方を悩ませるくらいなら、 そう遠くもない家まで取りに戻るくらい なんでもないはずだ、と。 自分自身に言い聞かせて、 貴方の願いを聞くことにしたの。 でも、離れがたくて、時間を稼ぐように (D45) 2022/08/26(Fri) 13:55:08 |
【秘】 ウユニ → サルコシパラ「私は、いつまでも貴方を愛しているわ。」 貴方を見つめて、愛を囁くと。 柔らかな口付けを、貴方に贈った。 (-13) 2022/08/26(Fri) 13:56:17 |
【雲】 ウユニ丘から家まで、数十分。 急ぎ足で戻って、貴方の部屋まで向かう。 机の上にあったのは、一通の手紙。 手に取った瞬間、嫌な予感がした。 わざわざ私一人に取ってきて欲しいと 頼むようなものではないような、気がして。 そもそも、理由がどうあれ、 取りに戻らせるのは不自然だったのに、私は……。 (D48) 2022/08/26(Fri) 13:57:46 |
【雲】 ウユニさぁっと血の気が引いていく。 手紙を読みもせず、手に持ったまま 私は丘の上へ戻ろうと走り出した。 急いでいた拍子に花瓶を落としてしまって ガシャン、と大きな音が響いたけれど、 今の私には気に留める余裕もなく。 (D49) 2022/08/26(Fri) 13:58:30 |
【独】 サルコシパラ流行り病に犯されたように 身体中に倦怠感が駆け巡る。 彼女から愛を伝えられて 彼女の涙を見せられて 心が動かされる度に この倦怠感は強くなっていた。 (-15) 2022/08/27(Sat) 7:59:12 |
【独】 サルコシパラ並外れた精神が成し遂げた奇跡は 感情の昂りによる花の開花を押さえ込み 最愛の人を欺くことさえできてしまった。 しかし彼女がこの場所を去れば 無理矢理止めていた時計の針が回り出す。 (-18) 2022/08/27(Sat) 8:01:57 |
【雲】 サルコシパラ「ぐっ…ぁ…うあああっ…!」 自分が自分でなくなっていくような 恐怖を感じれば、頭の中はウユニとの 思い出に満ち溢れていく。 その度に背中の竜胆は羽化する蛹のごとく 大きな成長を遂げいき、腕先や身体の節々には 色とりどりの薔薇が咲き誇り。 そして左目に咲いたのは、勿忘草だった。 (D55) 2022/08/27(Sat) 8:04:58 |
【雲】 サルコシパラサルコシパラは血液のように 花弁を身体から散らしながら 丘の橋に生えていた木にもたれかかる。 しかし花咲みが留まることはなく、 やがてサルコシパラはその身体を 自分から咲いた花々に包ませて 遠くなる意識の中、蒼空を仰いだ。 (D56) 2022/08/27(Sat) 8:06:02 |
【置】 サルコシパラ「ウユニさん。 私は貴女に謝らなければなりません。 きっとこれを読んでいるということは 僕が今、貴女を哀しませているということ。 何も言い訳はできません。」 (L0) 2022/08/27(Sat) 8:14:24 公開: 2022/08/27(Sat) 8:30:00 |
【置】 サルコシパラ「貴女から病気の事を聞かされた時から 私はずっとこの道を考えていました。 決して貴女がこれを望まないことも 全てをわかった上で、僕は貴女の命を 未来に繋ぐことを選ぶことにしたのです。」 (L1) 2022/08/27(Sat) 8:15:20 公開: 2022/08/27(Sat) 8:30:00 |
【置】 サルコシパラ「だから叶うならどうか… 今は生き延びてください。 そうして好きなだけ寄り道をして 好きなだけ生き抜いてみてください。 また数十年後、貴女に会えることを楽しみに 私は蒼空で貴女を見守っています。」 (L3) 2022/08/27(Sat) 8:20:06 公開: 2022/08/27(Sat) 8:30:00 |
【雲】 サルコシパラ苦悩の日も、健やかなる日も 蒼空はいつだって壮大で青い。 蒼空を見上げたまま サルコシパラは小さく笑い独り呟くと そのまま意識を手放して。 いつも被っていた仮面が 滑り落ちるように地面に投げ出される。 (D57) 2022/08/27(Sat) 8:21:29 |
【雲】 サルコシパラ彼女が戻ってきた頃には そこにはサルコシパラの姿はなく あるのは木にもたれかかるように 咲いた竜胆や薔薇と たった一輪の、勿忘草** (D58) 2022/08/27(Sat) 8:24:25 |
【雲】 ウユニ 縋るように駆け寄って何度見ても 貴方の姿は、ない。 足に力が入らなくなって がくり、とその場に座り込んでしまった。 なんでなんでなんで、 どうして、さっきはなにもさいてなかったのに どうして―――――。 (D61) 2022/08/27(Sat) 17:15:57 |
【雲】 ウユニ脳裏によみがえるのはさっきまでの貴方の姿。 泣きじゃくる私を優しく撫でてくれて。 私から初めて言葉で伝えた愛情を返すように 誓うように、口づけを交わして―――――。 そっか、わたし、が……。 (D62) 2022/08/27(Sat) 17:16:39 |
【雲】 ウユニ 自身の病が悪化したことを悟った時だって 貴方に病が感染ったことを知った時だって 確かに絶望を味わったはずなのに。 絶望には底なんてない、と。 私は、思い知ってしまう。 知りたくもなかった、そんなこと。 (D65) 2022/08/27(Sat) 17:22:14 |
【秘】 ウユニ → サルコシパラ いかないで、独りにしないで。 そばにいるって、死なないって言ったのに。 うそつき、わたしもつれていって。 (-20) 2022/08/27(Sat) 17:23:09 |
【雲】 ウユニ 貴方に向かって何を言ったのか、 もう、わからなくなるくらいに 何度もなんども言葉にならない音をこぼして 涙を流し続けて。 手に持ったままだった手紙のことを ようやく思い出したときには もうずいぶん長い時間が流れていて。 震える手で、中身を取り出した。 (D66) 2022/08/27(Sat) 17:24:14 |
【雲】 ウユニ 貴方を失った私は 今、死にたくて死にたくて仕方ないのに。 好きなだけ生き抜けと言われたって 隣にあなたがいない日々を過ごすと考えただけで 辛くて、辛くて、幸せなんて見いだせないのに。 貴方の命を奪った罪悪感が この身を蝕んでいるのに、それでも 耐えて生きろ、と貴方は言うの……? ぽたっ、と手紙が涙にぬれていく。 濡れる度に文字が滲んで、 それでもあふれる涙は止まらない。 (D68) 2022/08/27(Sat) 17:29:11 |
【雲】 ウユニ風に吹かれて、何かが転がるような音が 微かに聞こえてそちらに目をやれば 貴方がいつも付けていた仮面を見つけた。 「……どうして、って聞けなかった。」 仮面を拾い上げて、 泣き腫らして酷い顔を貴方から隠すように それを身に着けると、貴方の方を見て。 (D69) 2022/08/27(Sat) 17:31:45 |
【雲】 ウユニ そのあとの記憶はおぼろげで どう家に帰ったのかすら、曖昧だった。 思い出そうとしても、思い出せない。 貴方がいない家に戻って 私が割ってしまった花瓶の破片を見て。 貴方が薔薇を可愛がっていた姿を思い出せば また、涙があふれていく。 この先ずっと、こんな思いを抱えていくなんて 到底耐えられない。 貴方の言葉に背いて、死んでしまおう、と。 破片を手に取り、腕を切ろうとして―――――。 (D72) 2022/08/27(Sat) 17:37:34 |
【雲】 ウユニ誰かの声を、聴いた気がした。 貴方の声だと最初は思って、辺りを見て。 勿論、貴方がいるはずもなく。 幻聴だったのかと、がっかりした。 でも、貴方に引き止められたような気がしたから。 その日は気絶するように眠った。 (D74) 2022/08/27(Sat) 17:42:59 |
【雲】 ウユニ 次の日も、その次の日も。 私は何もする気力も起きなくて ただただ、死ぬ方法ばかり考えていた。 家にいれば、貴方との思い出ばかり蘇って そのたびに何度も泣いて 心の痛みを誤魔化すように、 自分の身体を傷つけ続けた。 何かを食べても味がしないと気づいて 食事も疎かになっていって。 それでも私は死なないように、生きていた。 死ねなかった原因は二つ。 (D75) 2022/08/27(Sat) 17:50:11 |
【雲】 ウユニ一つ目は、貴方が遺した手紙。 W数十年後にW の一言は今、死んでも貴方にあえないんじゃないか、 私にそう思わせたし、 私が貴方の宝だという一言は この命を投げ捨てるのは、 貴方の宝を投げ捨てるのと同じだと、 私に思わせたから。 死のうと体に傷をつけても 躊躇うような傷で終わったのはそのせい。 今まで散々貴方の気持ちを 蔑ろにしてきたから。 罪滅ぼしにもならないけれど それでも、……。 (D76) 2022/08/27(Sat) 17:51:05 |
【人】 ウユニ 家族に見捨てられた私を、優しく迎え入れて 普通なら到底受け入れられない病を受け入れて 私の事を、愛してくれる人と、過ごしていた。 綺麗だ、と言ってくれたことも 私の贈り物に喜んでくれたことも 思い出をなぞるように湖で遊んだことも 愛を誓いあったことさえも。 すべて、ゆめだったの。 (1) 2022/08/27(Sat) 17:53:59 |
【人】 ウユニ―――――また、哀しい夢を見ていた気がする。 呼ばれて、ふと、現へ意識が引き戻された。 心配そうにこちらを見つめている子に 私は優しく笑いかけて。 (6) 2022/08/27(Sat) 18:03:01 |
【人】 ウユニ「なんでもないの。 ……ごめんね、ヴィオラ。 起こしてしまったかしら。」 まだ、陽が高くない時間、 幼子が起きるには随分早かったから、 まだ寝ていていいのよ、と頭をなでた。 (7) 2022/08/27(Sat) 18:03:56 |
【人】 ウユニ『ううん。 もう、ねむくなくなっちゃった。 おかあさんは……? ねてるときのおかあさん、 ずっと、くるしそうだった。 だいじょうぶ……?』 (8) 2022/08/27(Sat) 18:04:23 |
【人】 ウユニ眉下げて、此方を見つめる目元は 愛しいあの人に、似ている。 この子は……、ヴィオラは、 最愛の人の忘れ形見。 だから似ていて当然なのに、 数年見続けてもまだ、はっとしてしまう。 今でも、この子の存在は夢じゃないのか、と ヴィオラを見ては 驚いてしまうことがあるくらいだから 身籠っていると分かった当時は、 本当に驚愕したし 暫くは信じられなかった。 (9) 2022/08/27(Sat) 18:05:10 |
【人】 ウユニ でも、我が子の存在を知れば 死ぬわけにも、この身を蔑ろにするわけにも いかなくなってしまって。 裁縫で生計を立てる術はあったから。 誰にも頼ることなく、私は子どもを産んだ。 (10) 2022/08/27(Sat) 18:05:41 |
【人】 ウユニなおも心配そうなヴィオラの気をそらすように 朝食を作って、食べさせて。 視力を失った左目を隠すように眼帯をして、 机に置いてあった仮面を一度、撫でた。 ヴィオラが生まれてからは、付けていない仮面。 それは埃一つ被らず綺麗なまま、置いてあった。 身支度を済ませれば、 ヴィオラの手を引いて、家を出る。 (17) 2022/08/27(Sat) 18:12:49 |
【人】 ウユニ目指すのは、あの日以来訪れていなかった丘。 行けば、あまりにつらい出来事を 思い出してしまいそうだったから、避けていた。 久々に来た場所は、 花が増えていること以外は 何も変わっていなかった。 吹き抜ける風の心地よさも、景色も。 (18) 2022/08/27(Sat) 18:17:56 |
【人】 ウユニ最後は語り掛けるように呟くと、 蒼空を見上げて、 天国にいる貴方へ笑いかける。 つられた様にヴィオラも 天を見上げて、笑って。 つながれた小さな手の温もりを感じながら、 私は密かに誓った。 (20) 2022/08/27(Sat) 18:19:35 |
【雲】 ウユニ幾度も季節は巡って。 一組の男女が夫婦になった日。 祝福の鐘の音が鳴り響く。 それを嬉しそうに、 眩しそうに 見つめていた隻眼の女性がいた。 彼女は柔らかく微笑むと、 夫婦に気づかれないように そっとその場を後にした。 (D78) 2022/08/27(Sat) 18:21:55 |
【雲】 ウユニ女性が向かったのは、街を見下ろせる丘。 来るまでに着替えて来たのか、 白いドレスを身にまとって 白い薔薇の花束を手にした彼女は 周りに花々が咲き誇る 木の根元に 寄り添うように 腰を下ろして。 (D79) 2022/08/27(Sat) 18:23:00 |
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