人狼物語 三日月国


326 【R18身内】Everlasting Summer RSS
(2026/08/23(Sun) 0:00:00 に更新。 延長2回まで。)

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 / 最新


月が姿を変え、新たな一日が始まった。村人は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?

楽観
人狼なんているわけないじゃん。みんな大げさだなあ。
誰かが死んでしまったのも部外者の仕業だよ。人狼なんているわけない。

だから処刑だなんて、そんな物騒なことはやめようよ。

現在の生存者は、藤枝 真稀、七川 惺、飛鳥 悠凛、七川 幸臣の4名

【人】 七川 幸臣

 ── Judges ──

 「3番、8番、10番、15番が良かったと思います。」

 「では、この四人の中から
  絞るということでいいですか?」

 「私は七川先生の息子さん、あ、すみません、惺君ですね。
  七川君だと先生に君づけしてるみたいだから。
  惺君を推しますね。」

 「飛鳥悠凛君と非常に親和性が高いようにみえます。」


[おやおや、思いの外、惺の評判がいいようだ。
 うーん、私は票を入れるのを遠慮しようか。

 あ、D君お目が高いね。
 息子があれだけれたのは
 相手役が悠凛君だったからだと思うんだよ……

 しかし私が入れなくても、惺に決まりそうだな。*]
(0) 2026/08/11(Tue) 0:13:55

【人】 飛鳥 悠凛

[雨脚が激しさを増す。>>2:58
 罪が罪を呼び合うように巡り合った二人に、先はない。
 共に行ける道も出口も、この深い森にはない。

 半身の去った薄暗い森に独りリチャードを置き去りにして、
 舞台は徐々に暗転する。
 
 七川先生が台本に描いた画は、
 俺の頭にももう拡がっている。]



  ──… ありがとうございました、


[七川先生の掛け声を機に、
 ぱっと顔を上げてから深々と頭を下げた。

 その後も滞りなく実技審査の順番は進み、
 候補者が帰された後、長机の末席に腰を下ろした。]
(1) 2026/08/11(Tue) 0:22:36

【人】 飛鳥 悠凛

[ここで俺だけ帰すのもという事で
 引き留めてもらってるんだろうけど、
 キャスティング権は俺にはない。
 とはいえ、主役が候補に挙がった役者を推して、
 その意見が反映される事もままある。

 今回色んな意味で私情を挟みたくないから、
 あんまり話振られないといいなー…と
 黙ってにこにこ聞いてたんだけど、
 話の矛先がこちらに向いた。>>0
 悠凛君はどうだった?って語る視線も。]


  ……そうですね、

  確かに、演りやすさはありましたね。
  七川くん、前も一回組んでるんで。

 
[贔屓目とか思い入れは極力排除したくて、
 いいんじゃないですか、と軽く付け足すのが
 精一杯だった。実際良かったと思うし。*]
(2) 2026/08/11(Tue) 0:34:54

【人】 七川 惺


[もうすぐ俺の誕生日というある日。
 親父から連絡がきた。
 書面で審査結果が届く前だった。
 

 ……というわけで、
  華岡君の穴はお前が埋めることになった。

  おめでとう。

  だが、私はお前に票を入れてないからな。
  オーディションの日は、
  相手役が悠凛君だったから
  お前は120%の力を出せたのだと思っている。
  舞台では他の役者さんとの絡みも沢山ある。
  これから苦労するぞ。


 嬉しい!嬉しい、けど、けど?
 こうもっと、息子を手放しで褒めるとかねーのかよ。
 あれか?少しでも早く勉強しとけって
 そういう意味で早急に連絡くれたのか?

 その夜、俺は悠凛にそう言ってぼやいた。**]
(3) 2026/08/11(Tue) 1:07:51

【人】 飛鳥 悠凛

[惺がバッキンガム役を射止めたという
 ビッグニュースは、親父さん経由で来たらしい>>3


  ウン、知ってた。


[何ならそろそろ連絡来るのも知ってた。
 だって稽古日程に組まれてるもん。]


  よかったね、おめでと俺のシンデレラ。


[立って電話してた惺を、ソファに寝そべったまま
 見上げて祝福する。
 ぼやいてるとこ悪いけど、俺も手放しで今褒めらんない。
 ちょっと後ろめたくて、ですね。
 あとは、決まっちゃったかぁという複雑な思いと。

 俺が出て行った時点で、惺に有利になるのは分かっていた。
 惺は、俺が相手役として目の前に居る方が
 数割増しで良い演技が出来る。
 俺も思い入れを演技に乗せられる分、
 傍目に相性が良く映るのも分かっていた。
 芝居に化学変化の要素はデカい。]
(4) 2026/08/11(Tue) 1:20:43

【人】 飛鳥 悠凛

[特に今回は、主役と二番手の相性がストーリー上
 最重要と言ってもいい。
 他の候補者に比べ実績の少なさという点で心許ない
 惺の後押しになるとしたら、そこだと思った。

 オーディションの審査中に私情挟みたくなかったのは、
 スタート地点で十二分に私情で動いてたから、なんだけど。
 そもそも、惺が着実につけてきた地力ありきの
 最後の一押しで、主演が恋人だったって運もコネも、
 実力のうち……とは思う。

 でもやっぱ後ろめたいから、次はねぇ。
 というか、こいつ俺がリチャード演んの
 しんどくなるかもとかミリも考えてねぇんだよな。

 喜びつつぼやきつつの恋人を、
 そうゆうとこだぞ……と生温く見守った。
 恋人が大役を射止めたのは嬉しくも誇らしくもある。
 俺にできる限りのバックアップをする心積もりもある。

 一緒に演れる喜びや楽しさがついてくるのは、
 きっと舞台稽古が始まった後からだろう。**] 
(5) 2026/08/11(Tue) 1:30:03

【人】 七川 惺



  え?知ってたの?

  まあそうか。主演だもんな、悠凛…


  『よかったね、おめでと俺のシンデレラ。』


[なんか視線に含みがある気がすんだけど。>>5
 親父同様100%の祝福って気がしねーんだけど。

 気のせいか?気のせいだよな?]


  心配なの?俺がちゃんと
  バッキンガムり切れるかどうか。

  お前のシンデレラボーイだぞ?
  お前が傍にいてくれれば、何だってできるぞ?


[俺は自分の喜びに目が眩んでいた。
 
月の裏側の気持ちはこの時は見えなくて。


 ソファに寝そべったままの悠凛を
 上から覆いかぶさるようにして抱きしめようとした。*]
(6) 2026/08/11(Tue) 12:38:12

【人】 飛鳥 悠凛



  うん。俺が言う訳にいかないから黙ってた。

  っていうかキャスティングの時も居たし、俺。


[惺がそわそわと落ち着かない様子なのを横目に、
 しれっと普通の顔で日常を送ってましたとも。

 心配なの?と少し不服そうに聞かれる。
 ドラマと違って撮り直しのきかない舞台で
 いきなりの二番手起用なのに加えて、
 相手が俺っていうのも諸刃の剣感あるんだよな。
 大丈夫かなこの人、とは正直思ってるけど、
 男は心配され過ぎるより“おまえなら出来る”って
 言われる方が、奮起する生き物でもある。
 特に恋人からはね。]


  ふ。…可愛いこと言う。
  そうだね、俺の隣を他の男に渡したくなくて
  頑張ってくれたんだよね?  
  
  期待してるよ、俺のキングメイカー。


[おいで、と腕を広げて呼び寄せるのと
 惺が俺に覆い被さってきたのは同時だった。
 ぎゅう、と背中を抱き締めて撫でさする。*]
(7) 2026/08/11(Tue) 13:11:41

【人】 七川 惺


[黙ってたという悠凛の返事を聞きながら
 俺はへにょりと眉を下げた。]


  ……うん、居たな。
  あの時はびっくりしたよ、俺。
  お前、朝家出る時も全然そんなそぶり見せなかったから。

  でもな……あそこでお前の姿が目に入った途端。
  力が漲ってきたんだ。


[悠凛の掌の上で踊ってたのかもな、俺。
 でも、それでもいいんだ。いや、それでいい。

 だからこそこの役を獲れたのかもしれない。
 
 ……ガラスの靴を履かせてくれたんだよな?
 割れるかぴったりかわからない、ガラスの靴を。]
(8) 2026/08/11(Tue) 13:33:06

【人】 七川 惺



  この髪のまま、王冠を被せてみたいな。
  黒染めにするの、もったいない。

  でも、黒髪のお前もまた別の魅力があるのかも。


[悪魔的に美しいお前……うん、そそるよ、きっと。

 抱きしめ返され、背中をさすられ。]


  俺の、宝石みたいな王様。


[今日はそこに、
 アレキサンドライトは飾られていただろうか。
 あってもなくても、
 俺は耳元でそう囁いて、悠凛の耳朶を食んだ。*]
(9) 2026/08/11(Tue) 13:40:54

【人】 飛鳥 悠凛

[あの時はびっくりしたと眉を下げる惺>>8
 朝家を出る時も、そんなそぶりはなかったと。]


  他の参加者にも知らせてなかったから、
  そこは対応一律にしないとね。


[そう、そこは注意を払った。
 オーディションに俺が出ていくの自体は、
 今回緊急の追加募集だから、実地で相性見た方が
 確実ですよねと提案はしたと思う。
 惺が受けようと、受けまいと。
 結果的に惺が有利になるだろうと分かってての
 行動ではあったけど、他と対応は変えていない。 
 その上で俺達の相性が良く見えた、という事で]


  …ぁ、そっか。

  それは考えなかった、


[“あそこでお前の姿が目に入った途端。力が漲ってきたんだ。”
 そういう惺に、今度は俺が目を丸くする。
 動揺させたよなと思ってたけど、確かに惺はそういうやつだ。
 
 俺は、考えなかった。
 リチャードとして惺に相対した時、
 胸が締め付けられたから。]
(10) 2026/08/11(Tue) 14:02:53

【人】 飛鳥 悠凛



  それねぇ、絶対惺はそういうと思ったんだよ。

  でも本番近づいてきたら、稽古中も
  その方がみんなイメージ湧くだろうし、
  舞台は長丁場だからな……


[毎日毎日ヘアマスカラってのも、と呟いてふと気づく。]


  あ。毎朝惺が染めてくれるなら、それでも──……、


[一瞬で想像した。公演から帰ってきて、
 一緒にシャワーを浴びて髪を流してもらって。
 惺の腕の中で愛し合って眠って、
 朝になれば染め直してもらって
 いってきますのキスを交わして、
 舞台の上で斬りあい、惺を殺す。

 いや、その時にはバッキンガムのはずなんだけど。
 日中とそれ以外の振れ幅と落差が酷過ぎる。

 これは……と思うところがあって、
 「やっぱ今の保留で」と撤回しておく。]
(11) 2026/08/11(Tue) 14:15:02

【人】 飛鳥 悠凛

[それでも、惺の手で王冠を被せられる
 空想の光景は、ときめくものがある。
 バッキンガムの衣装も似合うだろう。
 狡猾なくせ情熱的な、美しい俺のキングメイカー。

 あ、ようやくちょっと楽しみになってきたかも。]  


  俺も、舞台衣装着けたおまえに
  あれやこれやされるのが楽しみ。


[別にやらしい事だけじゃなくて、お仕えされたり
 共謀したり……、あとやっぱ色っぽいシーンも。]


  舞台の上でも、俺以外見えなくしてやるから… ン、
  


[そう宣言した声は、耳朶を食まれる柔く温い感触で
 語尾が甘く途切れた。
 熱心に愛撫される耳元は、俺を王様と戴く男の捧げた宝石で
 今日も鮮やかに彩られている。*]
(12) 2026/08/11(Tue) 14:27:57
七川 惺は、メモを貼った。
(a0) 2026/08/11(Tue) 15:34:30

【人】 七川 幸臣

 ── The vision for the ending scene ──

[舞台の終盤。

 破竹の勢いだったリチャードの攻勢に
 陰りが見え始める。

 まず、リチャードを支える勢力の一角である
 ヘイスティング卿が、リチャードの野望に
 ついてこれなくなり、彼の不況を買って殺される。

 次に腹心の朋友バッキンガム公の造反。
 実はこの痛手は、リチャードにとって
 自身が思っている以上に、公私ともに大きかった。
 
 そしてボズワースの戦いの前夜。
 リチャードは悪夢に苛まれる。

 玉座に上り詰める為に殺してきた者達の亡霊が
 次々に語り出し、リチャードを責め苛む。
 ことに肉親殺しは大きな心の傷だ。

 ……ここまでは、ほぼ原典に沿う。]
(13) 2026/08/12(Wed) 1:53:56

【人】 七川 幸臣


[その悪夢に、バッキンガムだけが登場しない。
 そこがオリジナルだ。

 夜中にはっと目覚めるリチャード。
 原典を下敷きにすれば、ここにも長台詞がある。


『俺は何を恐れている、俺自身をか、他には誰もいない。
(中略)
 ここに人殺しがいるのか。 否。 いや、いる、この俺だ。
(中略)
 ああ、俺は俺を愛している。……何故?
(中略)
 否。ああ、俺は俺を憎んでいる。』


 ……ここはこんなに長くなくてもいいな。
 削ってコンパクトにする。口語調にしようか。
 なんなら主演の悠凛君と相談して
 稽古を重ねるうちに、変えていってもいい。]
(14) 2026/08/12(Wed) 2:02:48

【人】 七川 幸臣


[そうして迎える終幕。

 ──ボズワースの戦い。

 不利な条件の中、
 リチャードは獅子奮迅の戦いぶりを見せる。
 そこは原典でもその通りで
 彼がせむしで身体が不自由とは思えない程。
 それだけでも観ている者の感動を誘う。
 
 だが、この舞台にいるのは
 美しい貌を仮面に隠した雄々しい五体満足な男。

 戦いの中、最後までリチャードに付き従っていた
 腹心の部下ケイツビーがまず先に斃れる。

 乱戦の中、元バッキンガムの配下だった
 ティレルの放った矢が、リチャードの脚を貫く。

 原典では、ここで落馬したリチャードが叫ぶ
 有名な台詞がある。
 せむしのリチャードは馬がなければ
 五体満足な兵と互角に戦えないからだ。]
(15) 2026/08/12(Wed) 2:39:37

【人】 七川 幸臣



 『A horse! a horse! my kingdom for a horse!』


[「馬をくれ、馬を!馬一頭でわが王国をくれてやる!」

 いくつか名訳があって先人の芝居で使われているが
 当初はその日本語訳をそのまま使おうかと思った。

 ……足を貫かれて落馬するリチャード。
 落馬した拍子に仮面も割れて、
 悪魔的に美しい貌が露になる。

 果たして、このリチャードは
 最期の瞬間にくれてやる≠ニ叫ぶだろうか?
 
 そこでまず、for a≠フ叫びの後を
 思い切り溜めてもらうことにする。

 つまりこうだ。

 「馬をくれ、馬を! 馬一頭でわが王国を…!!」

 次の瞬間、私の舞台では。
 戦い前夜、悪夢に出てこなかった
 バッキンガムの亡霊が馬を引いて登場する。

 ──そこで幕が下り始め……。**]
(16) 2026/08/12(Wed) 2:42:40

【人】 七川 幸臣



[映画やドラマならば、ここでエンドロールに被せ
 ナレーションを流す所だが。**]


『Your soul is carried to the most suitable place with destiny.』
 
(17) 2026/08/12(Wed) 3:02:28
飛鳥 悠凛は、メモを貼った。
(a1) 2026/08/12(Wed) 10:29:44

七川 惺は、メモを貼った。
(a2) 2026/08/12(Wed) 11:57:56

【人】 飛鳥 悠凛

[新しいバッキンガムを迎え、
 舞台稽古が始まった頃。
 先生から個人的に、終幕の演出について話をされた。
 まだ固めきってはいないシーンだから、
 稽古を重ねるうちに変えていっても良いと。

 最期のリチャードの台詞。
 そこに先生は疑問があるようだった。

 “for a……”と溜めるのはどうかという話を聞いて>>16



  “for”で切って、止めてしまうのはどうですか?
 
  そうすれば、その前の“a horse”に続くようにも、
  そうでないようにも観る人は解釈できる。



[気づけば、そう呟いていた。
 リチャードが、王国を馬一頭と引き換えるだろうか?
 例え全てを失った後でも。
 半身たるバッキンガムと謀略を張り巡らし手に入れた、
 リチャードが夢見た王国を?

 いや、寧ろ──……*]
(18) 2026/08/12(Wed) 12:44:23
飛鳥 悠凛は、メモを貼った。
(a3) 2026/08/12(Wed) 13:14:21

【人】 七川 幸臣

  

  なるほど、いい着眼点だ。

  “for”が何にかかるか、解釈の余地がある。
  “for”で止めた台詞をあえて日本語に訳すとすれば

  「馬をくれ、馬を!我が王国を……!」になるか。

  いや、いっそのこと。
  多くの人が知る、短くてわかりやすい
  シェークスピア戯曲の名台詞だから
  そこだけ英語で叫んでも違和感ないかもしれないな。
  だいたいタイトルが横文字なわけだしね。

  そこの所は君に任せてもいいかい?
  いますぐ決定しなくてもいい。
  
  

[芝居は生き物だ。
 舞台上でいつ何時化学変化が起きるとも限らない。

 初日と千秋楽では、
 役者の役への入り込み方が違ってくる。
 最初は微笑んでいたシーンが涙に代わる時すらある。

 演出家の仕事は役者を舞台に上げるまでだと思っている。
 役者のアドリブで芝居の景色が一変することを。
 ──そんな芝居を、私は、愛する。**]
(19) 2026/08/12(Wed) 13:44:45

【人】 飛鳥 悠凛

[また、ある日のこと。
 その日は横浜の方で仕事だから、
 久々に実家に顔出してくると惺に言ってあった。

 父さんがステーキを焼いてくれて、
 両親と軽く呑み交わして。
 久しぶりのベッドで一人寝の夜。


 ──夢を見た。]
(20) 2026/08/12(Wed) 14:09:01

【人】 飛鳥 悠凛

[ランウェイを肩で風切って歩くようにして、
 背筋のすっと伸びた青年が明るい部屋に入ってくる。


 ああ、俺の男だ。

 その伸びやかな肢体を、
 いつの間にか甲冑が包んでいる。
 馬の傍らで濡れた地面に跪き、
 喉許に剣を突き付けられた男が、呻く。
 喘ぐように、俺に訴える。]



  “あんたにとって、俺は野望の一部。”
 
  “俺にとってのあんたは……”



[───違う。

 俺の声は、雨の音で届かない。
 こんなに近くに居るのに。
 鎧で覆われた身体は、重く動かない。

 その咽笛にじわじわと食いこんでいく切っ先を
 止められない。
 剣を掴む手は──ああ、俺の腕に繋がっている!]
(21) 2026/08/12(Wed) 14:11:57

【人】 飛鳥 悠凛

[当然、寝覚めは最悪だった。

 稽古始まってからも、惺の隣で寝てたら
 よく眠れてたんだけどな。
 まさかほんとに“俺のお布団”がないと
 上手く眠れなくなってる……?いやいや。
 
 また都内のスタジオに戻るから朝は時間がなくて、
 朝食はピーナツバターを塗ったトーストを、
 ささっとカフェオレで流し込んだ。]



  母さん、俺もう出ないとなんだけどさ。
  昨日言い忘れてたこと思い出して。

  最近、実は番が出来て。
  今度こっちに連れてきてもいい?



[昨夜ご飯食べながら俺の主演映画の上映会を始められて、
 そのへんの話をすっかり忘れてた。
 父さんもう事務所に向かったらしいから、伝えといてもらおう。]
(22) 2026/08/12(Wed) 14:16:00

【人】 飛鳥 悠凛

[はっとした顔した母さんが、齧っていたトーストを
 ちゃんと皿に置いて手を拭ってから立ち上がり、
 テーブルのこちらへ回り込んでくる。]


  「ゆうくん……!」


[そろそろその呼び方止めてくんないかなぁと思いつつ、
 親にとっては幾つになっても子どもは子どもだよなと
 好きにしてもらっている。
 ひし、と抱き締められたけどそれもされるがまま。]


  「おめでとぉ、ゆうくん忙しそうやから、  
   良いひと居いひんのやと思てたんよ。
   お母さん、嬉しいわぁ。

   それで番さん、何してはる人なん?」


[いかにも大和撫子然としたおっとりとした口調で、
 すかさず素性をチェックしてくるあたりが母さん。
 シビアだよな。
 それでいて、京都の旧家のお嬢さんだったのに父さんと
 駆け落ちする大胆さもある。]
(23) 2026/08/12(Wed) 14:18:52

【人】 飛鳥 悠凛




  同業者だよ。モデルと俳優やってて、
  高校の同級生。ちなみに男ね。


 「え、もしかしてそれ、SHOUくんやない?
  最近ゆうくんのインスタにもよう出はるから、
  えらい仲良いんやなぁて見てたんよ。
  今度一緒に、舞台もしはるんやろ?」


[連絡ほとんど入れなくても、元気だって
 親に伝わるの楽だよな。近況把握されてる。
 そうだよと認めれば、嬉しげに大きく頷かれる。]


 「ええやん、あの子好きよお母さん。
  ゆうくんのこと、大好きやんなぁ?」


[惺が俺にベタ惚れなことまでズバッと言い当てる。
 ……人前ではそこまであからさまでもないと
 思うんだけどな? 相変わらず勘が良い。
 「それはほんとそう」とカフェオレのマグを
 持ち上げながら頷く。]
(24) 2026/08/12(Wed) 14:28:32

【人】 飛鳥 悠凛




  そろそろ離して、飲みづらい……

  あとほんと、もう出ないとだから。


[そう言って腕をタップすれば、母さんはようやく
 俺を離して自分の席に戻ってくれて、
 「お会いできるん楽しみやわぁ。お父さんにもいうとくね」
 と言い終える前にいそいそスマホを操作し始める。

 ……早ぇよ、行動が。*]
(25) 2026/08/12(Wed) 14:30:41

【人】 飛鳥 悠凛

[今日はスタジオでメンバーと練習してから
 舞台稽古に向かう予定になっている。
 音楽特番用に3曲メドレー編成にしてもらった俺達の曲。
 うち1曲はカップリング曲でPVがないから、
 コンサートの時に俺が振りつけたやつ。
 前回振付師さんにメドレー用に組み直してもらって、
 今日はフォーメーション移動の細かいチェックもしている。]


  はい、通しで全員ミスなく揃うまで
  休憩なしな。

  何故なら俺がそういう気分だからです!


[高らかに宣言すると「出たよ、ダンス番長」
 「たまに唐突に横暴だよな、悠凛。」
 「たまにか?」とリヒトとタイチが
 ぼそぼそ呟き合っている。
 うるせぇよ、特にリヒト。たまにだろ。]

  
  今のうちにそんだけやっとかないと
  次揃うの本番だから間に合わねんだよ、
  文句言うなオラァ。


[ほらやるよ位置ついて、とけしかけつつも、
 スケジュールが合わないのは基本俺のせいなので
 やっぱり横暴かも知れない。*]
(26) 2026/08/12(Wed) 14:38:33

【人】 七川 惺

 ── 舞台稽古始動 ──


[通し稽古はまだ先である。
 場面場面を切り取る様にして順不同で稽古が行われる。
 
 また、合間を縫って衣装デザインの打ち合わせもある。

 衣装担当は、『砂上の王国』『ドラキュラの真実』で
 オスカーに輝く世界的デザイナーさんの二世だそうだ。
 親の才能や環境を受け継ぎ、フレッシュさを加えている。
 ちょっとゴシック入ってるのは、趣味ですか?
 いや、リチャード三世の時代は15世紀。
 時代背景的にもそうだった。

 リチャードの衣装はほとんど黒を基調としてるけど
 原典でも有名なバルコニーのシーンだけ
 金銀の装飾が控えめに要所を飾る純白の衣装だそうだ。

 悠凛、どれも似合うだろうなぁ…
 早く衣装合わせの日こないかなぁ。]
(27) 2026/08/12(Wed) 15:14:36

【人】 七川 惺


[スタイリストさんとヘアメイクさんが傍らに来た。]


 「惺君は、華岡さんより6cm背が高いから…
  それにイメージが随分違うよね。

  セクシーというよりはノーブル。
  ちょっと先生と相談してみるね。
  ほぼデザイン出来上がってても
  今から変えれる部分もあるから。」


[この場合の先生≠ニはデザイナーさんのこと。
 ついでに言うと、俺は姓だと親父と紛らわしいから
 スタッフさん達の間で惺君′トびが定着したらしい。
 子役の王子達を抜いたら
 俺と悠凛が一座の中で一番若いと言うのもある。
 あ、俺の誕生日を過ぎたから悠凛が一番若い。
 で、主演。脇を固める中に
 芸能界の大御所もいる中、すげーなと改めて思う。
 リチャードにたらされるも、後に不承不承
 リッチモンドの妃になるエリザベスの役者さんですら
 悠凛より二つ年上だ。]
(28) 2026/08/12(Wed) 15:20:30

【人】 七川 惺

  
 「髪の色は大地みたいな黒に近い焦げ茶にするから。
  リチャードの髪は、みどりの黒髪。
  時々碧に濡れ光るようにも見える。
  ライティングによって二人とも漆黒に見えたり、
  僅かに輝きが違ったりするんだって。
  そんな所まで観客は見比べるかな?
  でも演出的には細かい所まで凝ってるよね〜」


[そんな会話を聞いていたら、
 俺の採寸をしていたスタイリストさんが、ふと。]


 「あ、綺麗な指輪……ステディリングかな?」

  ……ご想像にお任せします。

 「きゃー、惺君、恋人居るんだ?」

 「いるでしょ、そりゃ。この見た目なら。」

  ありがとうございます。


[恋人が……パートナーがいるんです、とは
 売り出し中の俺は明言できなかったけれど。
 それでも俺は内心誇らしげに微笑んだ。**]
(29) 2026/08/12(Wed) 15:24:49

【人】 七川 惺


[オープニングアクト>>2:0
 の、次のシーン。薔薇戦争の戦闘が
 大スクリーンにシルエットで映し出された後。>>2:2

 さらに時は遡るが、時系列はふんわりしている。
 なんとなれば、バッキンガムの結婚は史実では11歳。
 まあ、日本の文学でいえば、光源氏が結婚した年だ。
 まだ子供…おかざりの夫婦。その結婚前夜。
 子役を使わないのと、絵面的な面で、
 俺は15歳位を想定した扮装で舞台に立つことになっている。
 今日は舞台に見立てた、ステージのない小ホールに入る。
 
 オープニングアクト以外で、俺の初登場のシーンだ。]


  結婚なんて、まっぴらだ。


[回廊を速足で歩いていると。
 貴族達が外を指差しながら噂話をしている所にでくわす。
 咄嗟に身を隠して聞き耳を立てた。]
(30) 2026/08/12(Wed) 16:57:10

【人】 七川 惺


 「あの漆黒の黒髪をごらんなさい。
  父上に全く似ておられない。」

 「母上の浮気。
  ジプシーの血が混じっているとの噂ですぞ。」

 「どうりで。奔放な血なのでしょう。
  彼にたぶらかされたのは、一人二人ではない。」

 「美しすぎるのです。禁断の恋に身を焦がす者もいる。
  たぶらかされても仕方がない程に。
  悪魔のように美しい。」

 「いや、実際悪魔のような身体をしているのでは?」
(31) 2026/08/12(Wed) 17:02:39

【人】 七川 惺


[俺は物陰から踏み出す。]

  
  諸兄。お言葉が過ぎます。
  ……黒髪なら、ここにもいる。

 「これはバッキンガム公。
  貴殿の由緒正しい血筋は疑うべくもない。」


[一歩下がる貴族達。
 控えたように見えるが、俺が去った後に聞こえるのは。]


 「若造が。」

 「王にもなれる血筋といえど、此度の結婚では
  彼の出世は打ち止めでしょう。いや、むしろ……」
(32) 2026/08/12(Wed) 17:04:46

【人】 七川 惺


[俺=バッキンガムである
 ヘンリー・スタッフォードは、その後中庭で
 悠凛=リチャードと対面する。
 中庭に踏み入れる直前の、独白。]

 
  遠くから、いつも見ていた、彼を。
  その涼し気な美しい横顔を。
  悪魔なんかじゃない、けれども。
  ……まるで誘われるように欲が湧く。
 
  ああ、だから。
  皆、彼を怖れるのだ。
  自分の深淵を覗くのが怖くて。


[それから数歩前へ進み、リチャードと対面する。*]


  ……王弟閣下。


[実際言葉を交わすのは初めてだった。
 続けるべき言葉が見つからなかった。眩しくて。
 この眩しさは、悪魔などではない。

 一言目の呼びかけに
 それだけの気持ちを込めるのが、俺の解釈。*]
(33) 2026/08/12(Wed) 17:13:17

【人】 飛鳥 悠凛

[一人遅れて稽古に加わることになった惺は、 
 持前の人当たりの良さで共演者やスタッフさんと
 すんなり打ち解けているようだ。

 いつも俺との稽古がある訳じゃないけど、
 一緒になった時にその指に控えめに光る
 プラチナリングが視界に入ると
 誇らしい気持ちで満たされる。

 この美しい男は、俺のもの。


 “惺君、舞台初めてって聞いたけどいいね”


 裏でそんな声を聞けば、なおのこと。*]
(34) 2026/08/12(Wed) 18:38:51

【人】 飛鳥 悠凛

[リチャードが中庭を散策するシーン。
 白薔薇の咲き誇る季節。
 薔薇の茂みの向こうに下肢が見え隠れする様を
 思い描いて、悠然と歩を進める。

 以前より顔見知りだった二人は、
 その時、初めて言葉を交わす。
 未来の王と、王の半身の邂逅。]


  これは、バッキンガム公。
  此度はおめでとう。

  お父上も、美しい花嫁を随伴する
  貴公の姿を見れば、さぞ誇らしく
  思われたことでしょう。


[バッキンガムの先代は、リチャードの生まれの
 プランタジネット家と敵対するランカスター家を
 支持していた。

 しかしリチャードは、優れた者、美しい者、
 そうして熾火を燻らす者を好む。
 己と同様に。]
(35) 2026/08/12(Wed) 21:15:48

【人】 飛鳥 悠凛

[9歳にしてグロースター公に叙されたリチャード。
 それと前後して、6歳で公爵位を襲爵した
 ヘンリー・スタッフォード。
 王妃を後見人に持ち、此度はこの年若さで
 王妃の妹を娶る手筈となった。
 棘なき茨で雁字搦めの、若き公爵。]



  今日はことに空が高い。

  ……ですが、花の顔が曇るのを幾度か見た。


  喜ばしき明日という日を控えて、
  憂い事でも?



[眼下に咲き乱れる白薔薇に手を翳し、
 強い陽光の下、くっきりと影を落とす──
 その光景を現実の視界と二重写しに観ながら、
 ゆったりと首を擡げる。*]
(36) 2026/08/12(Wed) 21:20:03
七川 惺は、メモを貼った。
(a4) 2026/08/12(Wed) 21:46:56

【人】 七川 惺



  はーっ。


[思いっきり溜息をついてしまう。俺の素に近い。
 
これでいいのか?違うのかもしれない。



  ……失礼いたしました。

  ご機嫌麗しゅう。


[今更ながらに挨拶を付け加える。
 居住まいを正したものの、表情は昏い。]


  正直言って、気が進まないのです。
  家の繁栄のためにと決めつけられた妻。

  例えどんなに美しかろうと
  それは私の選んだ、望んだ美ではありません。


[あんたの前では霞むだろうと思っても
 それはまだ胸の内に秘め、視線を落とす。]
(37) 2026/08/12(Wed) 23:11:10

【人】 七川 惺


[しかしその視線はやがて
 白薔薇の上にくっきりと落ちる
 リチャードの手の影の方へと吸い寄せられる。]


  家の繁栄が私の望む形のものなら
  義務だと諦めもしましょう。
  貴族の家に生まれた者の務めとして。

  けれどもこの結婚が、
  現王妃に頭を押さえ付けられものなら

  ……間違っている。


 [──後見だと?おためごかしに。
  観客にギリギリ聞こえるような悪態。
  そして熾火を燻らす者の瞳。

  
できているだろうか、俺に。
(38) 2026/08/12(Wed) 23:12:27

【人】 七川 惺



  ただ、私はあまりに年若く
  今それを跳ね返すだけの器量がない。
  そもそも私は現王が一番玉座にふさわしいとは……


[さすがにそれ以上は口を慎む。
 ほとんど言ってしまったようなものだけれども。

 ──ああ、あんたの前で俺は本音を隠せない。
 
できるだろうか、そんな貌。


 リチャードの掌の下の、
 影が落ちている薔薇の茎に手をかける。]


  貴方、なら、と思う。


[棘に刺されて血を流す指。
 
痛そうに、そう見えるようにする。
(39) 2026/08/12(Wed) 23:22:19

【人】 七川 惺



  その手に欲しいものを見出した時、
  私を想い出して下さい。


[そうして観客に向かって抑えた声で独白。
 
まだ観客はいないけどな。
*]


  この美しさは悪魔のものではない。

  ──麻薬のような、王の、器。
(40) 2026/08/12(Wed) 23:25:00
七川 惺は、メモを貼った。
(a5) 2026/08/12(Wed) 23:28:22

【人】 七川 惺


[いつかの、休憩時間。]


 「なんか惺君さー。
  私達とる時と、
  悠凛君とのシーン、熱量違くない?


[これは橋立カンナ。ホントに童顔。
 同い年くらいに見えちゃうけど、
 芸歴でも舞台歴でも先輩だから、敬語。]


  ええーっ?そうですか?
  前に共演したから、呼吸が合うっていうか。
  他の皆さんとは初共演ですし。

 「そうかなぁ?」

  アン橋立さんとはライバルですからね。
  これから負のオーラ出すようがんばりますから。


[それが後に現実になるとは。
 舞台の上で、俺バッキンガムはアンに激しく嫉妬する。*]
(41) 2026/08/13(Thu) 0:07:25

【人】 飛鳥 悠凛

[思い出したように礼をとるバッキンガム公。
 鷹揚に構え、彼の吐露に耳を傾けるうち、
 ふ、と顔を綻ばせる。>>37



  素直な方だ。

  素顔を見せる相手は、よくよく選んだ方が良い。


[微笑を湛えるままに、声を落として]


  ……摘まれてしまいますよ。
  若芽が、大樹となる前に。


[まだ硬い蕾をつける一枝を手繰り寄せ、
 戯れに手折る真似をする。]
(42) 2026/08/13(Thu) 0:20:08

【人】 飛鳥 悠凛



  望んだものを望んだように得られる者はそう居ない。

  神の代理人たる王の血筋に連なる者とて、
  それは同じこと。


  足ることを知り、務めを果たすのみです。


[王弟であるリチャードは無論、
 バッキンガムも王の血筋を引いている。
 それでも、世の道理を動かす術はない。
 動かしがたい、この世に産声を上げた巡り合わせの前には。]
(43) 2026/08/13(Thu) 0:23:15

【人】 飛鳥 悠凛

[咲き狂う薔薇に視線を臥せるリチャードは、
 手を伸ばすバッキンガムにも反応を返さない。
 英雄色を好む兄王に、自身も思うところがないではない。

 “貴方、なら”と熱を滲ます声が、
 リチャードを誘う。]



  ───… 、 


[一瞬。深く皺を刻んだ眉間を開き、
 眉を跳ね上げる。]



  あまり迂闊なことを言ってくれるな。

  子どもでなければ、反逆罪で
  陛下の御前に突き出すところだ。



[自ら棘に刺されに来たその手を捕らえ、
 軽く捻り上げる。

 それでも、バッキンガムは言い募る>>40
(44) 2026/08/13(Thu) 0:30:45

【人】 飛鳥 悠凛





  ……貴公は、婚儀を明日に控えた身。

  “薔薇の下”での会話は不問にしよう。


[掴んでいた手首から手を離すと、バッキンガムの 
 肌を刺した一輪を摘み取り、恭しく跪く。
 その胸元に、ブーケトニアのように
 純白の薔薇を挿してやる。

 立ち上がる間際、白い頬につと頬を寄せて]



  不遇に倦まず、牙を研いでおくことだ。
  時代がいずれ、お前を必要とすることもある。



[鮮血の滲む指に視線を留め、すっと目を細める。
 己のために、青き血を流すを厭わぬ男かも知れない。
 ──リチャードは、そう考える。

 失礼、とマントの長い裾を踊るように翻し、
 ゆったりとした足取りで歩み去る。*]
(45) 2026/08/13(Thu) 0:40:56

【人】 七川 惺


[「“薔薇の下”での会話は不問にしよう。」

 
今のアドリブだよな?親父の台本にねーぞ?
ここでの会話は特別に不問、だったか。
あ、いけない見惚れちゃ……


 まだ滑らかな、年若な頬を撫でられ。
 己の力のなさを呪いながら。

 胸元に飾られた白薔薇を血濡れた指でなぞる。

 ──翻るマント姿を見送る。**]



  牙を研いでおこう。
  
あんたの為に。

  いつかの日、“薔薇の下”にて。

  秘密を共有できる、大人の力を携えて……。**
(46) 2026/08/13(Thu) 1:16:35
七川 惺は、メモを貼った。
(a6) 2026/08/13(Thu) 1:18:28

【人】 飛鳥 悠凛

[婚儀を控えた花婿に贈るには物騒な餞を囁いた
 リチャードは、バッキンガムを振り返ることもなく
 悠々と歩み去る。

 途中、舞台脇上方に設えたバルコニーから
 こちらを見つめささめきあう娘達に、淡く微笑みかける。
 長兄であるエドワード4世のように
 好色の素振りはないが、女性に冷淡でもない。
 それでも人々の噂は絶えない。>>31

 王位継承権が高いということは、
 その威光に擦り寄る者も、陥れようとする者も
 多いということだ。

 侮られてはいけない。
 目立ちすぎてもいけない。

 秀でていればなおのこと、慎み深く用心すべきだと
 リチャードは心得ている。]
(47) 2026/08/13(Thu) 13:59:16

【人】 飛鳥 悠凛

[“舞台袖”へと捌けて、ふっと息を吐く。
 今はまだ小ホールでの練習だから、
 実際にはバルコニーも緞帳もない。]



  …前とちょっと雰囲気変わったと
  思うんですけど、どうでした?



[キリの良い所で七川先生に尋ねる。
 ついアドリブを幾つか入れてしまった>>46
 舞台に慣れてない惺相手に。
 惺が即興で返してくれてよかった。
 今回はトラブルで稽古の進みが遅れたのに、
 役の入りが早いと自分でも感じる。

 惺のバッキンガムは、やっぱり雅治さんとは違う。
 雅治さんのバッキンガムは、子供時代から強かさがあった。  
 大人になってからは、老獪さも。

 大仰に溜息を吐く惺のバッキンガムを前に“素直な方だ”と
 口にし、自然と笑みを零したのはアドリブだった。

 “貴方、なら、と思う。”
 そう囁かれ、よく物を言う眼差しを向けられた時には。

 ──この少年が俺に見た夢を、叶えてやりたい。
 そんな想いが湧くのを感じた。*]
(48) 2026/08/13(Thu) 14:02:22

【人】 飛鳥 悠凛

[つい別のシーンの事も話し込んでしまって、
 休憩をとりそびれた。
 俺のお妃様を探しに休憩室に入ると、
 惺が同世代の女子数人に囲まれている。>>41
 背後から近寄って、話に割って入る。]


  それはねー、惺が俺のファンだから。


[「ね、惺?」と冗談半分本気半分で同意を求める。
 同じ舞台に立つなら、やっぱり他の誰より
 俺に魅了されていて欲しい。
 “ライバル”とアン王妃役の彼女を呼んだ惺が可愛い。
 そこは頑張らなくても自然にできるんじゃないかな?なんて。]


  カンナちゃん。

  スタッフさん呼んでるよ、
  次俺らのシーンだって。  


[年上の彼女への接し方が気安いのは、
 前に学園物のドラマで一緒になった時に、
 「芸歴はほぼ一緒だし今はクラスメイトでしょ」と
 フランクに接して欲しいと言われてたからだ。
 彼女が童顔なのもあって、俺らの実年齢をそこまで正確に
 把握してないスタッフさんには、同い年位に思われてそう。*]
(49) 2026/08/13(Thu) 19:38:22

【人】 七川 幸臣

 ── As you like it ──


  ──よかったよ。
  “素直な方だ。”からの、流れ。

  悠凛君の対応能力には舌を巻くものがあるね。


[リチャードの微笑みを見た惺バッキンガムは。
 いや、観客も。
 その一瞬は慈しみを与えられたような気分になるだろう。
 そこから声を落として、静かに。
 それから反転して、厳しく演じるのも映える。]


  華岡君と相対した時とはまた違って。
  惺のバッキンガム登場シーンは
  まだまだ生意気盛りの子供に見えるからね。


[でかい図体しているのにね、と笑った。*]


  丁々発止のやり取りも魅力的だが
  少年の夢と、それを包む包容力。
  思春期の二年差は、あれくらい隔たりがあってもいい。

  “薔薇の下”でと置き換えたのも、
  薔薇戦争時代にふさわしいし、浪漫のある響きだ。
(50) 2026/08/13(Thu) 21:58:23

【人】 七川 幸臣



  相手によって柔軟に対応を変える、
  経験の積み重ねでそれができる役者さんはいるが
  ……君がフォローが上手いのは昔からだね。

  今後とも、よろしく頼むよ。


[まあ、演技面でのことだがね。

 主演の君に舞台全般をよろしくというのは、
 それも本当のことだが。

 リテイクがきかない舞台において。
 プロの舞台が初体験の惺のことが、
 やはり心配ではあるよ……色々とね。
 親心が見え隠れしてしまったかもしれないな。*]
(51) 2026/08/13(Thu) 22:12:59

【人】 飛鳥 悠凛

[七川先生に演技の是非を仰げば、
 肯定的な答えが返ってきてほっとする>>50
 思い出してきたけど、惺と演るとたまに
 ペースが崩される感があるんだよな。
 結果的にそれはそれで収まるというか、
 寧ろ良かったりするんだけど。]


  そう……、なんかそういうのひっくるめて、
  可愛い、んですよね。


[周囲にこちらに注意を向けている人がいないことを
 確認してから、ぽつっと漏らす。
 やっぱり序盤は調子が狂う、というか。]


  前話してたラストシーンも、
  バッキンガムの仕上がり見てから
  考えた方がいい気もしてて、


[惺の演るバッキンガムの仕上がりが、
 俺が構築したリチャードを何がしか
 変容させるのかも知れない。]
(52) 2026/08/13(Thu) 22:31:49

【人】 飛鳥 悠凛

[思春期の二歳差の隔たりは、俺も意識した事だった。
 七川先生は役者のアドリブも好む方だと知ってはいたけど、
 受け入れて貰えて有難い。
 相槌に時折お礼を挟みながら、話を聞く。]


  上手く合わせていけたらと思って  
  意識的に変えてる部分はあるんですが、

  ……何というか、


  あの直向きさと熱意には、
  揺さぶられるものがありますね。  


[演技に限らずなんですけど。と声を潜めて
 ひっそりと笑う。
 演出家としての顔の奥に、お父さんの顔も
 ちらりと垣間見えた気がしたから。*]
(53) 2026/08/13(Thu) 22:43:00

【人】 七川 惺


[さてアン王妃役のカンナさんらと話していたら]


 「それはねー、惺が俺のファンだから。」>>49


[背後から悠凛に声をかけられて、焦ってしまった。
 バラすなバラすな。
 ……って、それ位バラしているうちに入んないけど。
 顔色に出てなきゃいいけど。

 ちょ、ふざけて凭れ掛かってくんなよー。]


  あ、はい。
  同級生だった高校時代から
  悠凛君のダンスや演技は尊敬してましたから。


[半分外れかかったSHOUの仮面を、慌てて被り直す。]


 「えー、仲いいんだね〜」

 「時々遊んでる写真、インスタにもあがってるもんね」


[カンナさんとエリザベス役の戸倉理恵さんが
 交互にさんざめく。]
(54) 2026/08/13(Thu) 22:51:58

【人】 七川 惺



 「お店の人に色違いのマフラー買わされたって?
  仲良すぎるからなんじゃない?」


 「あやしーぃ」


[勿論揶揄われてるだけなんだろうけど。]


  や、違いますって。


[プラチナリングを嵌めた右手を咄嗟に顔の前で振る。
 偶然にも恋人がいますからアピール…
 になったかな?

 その恋人が、目の前の悠凛なんだけど。
 でも、バレてないと思う。
 例え俺の頬が薄く桜色に染まってたって。
 じゃれ合って照れてるだけだと見てくれるはず。
 だって、さっきのカッコイイ悠凛の演技の後だぞ。
 女優さん達、魅了されただろ、どうよ?
 この後すぐ悠凛の真骨頂、女の子をたらす演技あるし…!*]
(55) 2026/08/13(Thu) 23:03:08
七川 惺は、メモを貼った。
(a7) 2026/08/13(Thu) 23:06:09

【人】 七川 惺


[とはいえ俺も、そわっとしてきたな。
 ……実は気になってるんだよな、次のシーン。]


  あのー?俺も次のシーン見学してきていいですか?


[件の二人が小ホールに去って間もなく。>>49
 傍にいたスタッフさんの一人に聞く。
 その人は稽古の進行表をパラパラ捲って。

 「いいんじゃないかな。
  惺君の出番、この後に続くだろ?
  参考になるだろうから。

  あ、言わずもがなだけど。
  小ホールに入る時は、そーっとドアを開けるように。
  後ろの方で邪魔にならないように見てね。」


[はい、と返事をすれば、足早に小ホールに向かう。*]
(56) 2026/08/13(Thu) 23:27:40

【人】 飛鳥 悠凛

──Take up the sword again, or take up me.──

[早くに父王を亡くしたリチャードは、ウォリック伯の城で
 彼の庇護と騎士の薫陶を受けて育った。
 共に野で遊び馬を駆った、ウォリック伯の娘のアン。
 長じてランカスター家のエドワード王太子の妻となるも、
 父は兄王に討たれ、夫はリチャードの率いる軍に殺された。 
 彼女は今や、イングランドで最も高貴な捕虜だ。
 莫大な財産と貴人の称号を持つ寡婦でもある。]
 

  ──…どうか、今だけ。

  昔のように“我が君”と呼ぶことをお許し下さい。


  私の罪は、決して許されざるもの。
  貴女から愛する人を奪ってしまった。
  美しい貴女が、もう誰かの妃ではない事に歓喜する
  この卑しき心も、許されるものではない。


  罪深きこの心臓を、どうか。
  貴女の手で貫いて下さい。

  私の血一滴までを以て、贖いを。


[彼女を幽閉する塔の上、寝台に腰かけるアンの傍に
 抜き身の剣を安置し、自分の胸をはだけて足元に跪く。]
(57) 2026/08/13(Thu) 23:35:19

【人】 飛鳥 悠凛



  これは元より、貴女のものです。

  御父君の城で貴女を見知って以来、
  ただ御身一つに捧げてまいりました。


  剣をお取りください、我が君。


[剣を拾い上げたアンの震える手は、それ以上動かない。
 強張った顔には、躊躇いと迷いが見てとれる。
 彼女を見上げるリチャードの瞳が、 
 眩しいものを耐えて見つめるようにそっと細まる。]



  ……願わくば、私のこの手を。



[押し殺した声には、一途な熱が滲む。
 苦悩する男の最期の哀願。
 アンの手から剣が床へと滑り落ちる音が、
 その答えだった。*]
(58) 2026/08/13(Thu) 23:41:43

【人】 飛鳥 悠凛

[嫋やかな手首を男の掌で捕らえ、
 取り零した剣の代わりに自分の手を握らせる。
 思慕と崇拝を籠めた眼差しで、
 陶然と彼女を見つめること暫し。

 片腕で抱き寄せた背を庇いながら、
 寝台へと押し倒し────

 というところで、一旦シーンは中断される。
 寝台のセットがないからね、まだ。
 悪ふざけして、腕の中でオーバースウェイのように
 くっと撓らせた彼女の身体を引き戻す。
 彼女との結婚式では、ワルツのシーンもある。]



  … あれ、


[惺だ。まだ呼ばれるタイミングじゃなくない?>>56
 「どうかした?」と腕の中でカンナちゃんが見上げてくる。]


  や。見学のひとがね、


[気まずい。恋人が現場に居んの、気まずい。
 そっと彼女の身体を離して、ホール後方に軽く手を振った。*]
(59) 2026/08/13(Thu) 23:57:04
 




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