なんか困ってたし聞かれたから。
　　俺が手伝いだとは言わなかったけど。

　　そっか、無事に来れてたみたいでよかった。


［しかも本が売れたならいうことないよな。］


　　君がうれしそうなの見ると
　　なんか……


［形を持たないものに鮮やかな色がつくのが
　言葉で表すってことだって。
　君といて気づいたこと。］

　　　

　　だって、前と変わったじゃん？
　　今なら前よりも踏み出すの怖くないんじゃない？


［誰が聞いてるかわかんない場所だし
　出版の話を直接は言わないけどきっと伝わってるはず。

　完売とはいかなくても想定より売れてて
　実際に読んでる人に会えたわけで。
　当初の目的は果たせたって言っていいと思う。］


　　がっつり食べて、
　　デザートまでしっかり食べたい気分。

　　

***


　　うん、イベントお疲れ様！
　　ここまで本当によく頑張ってたと思うよ。

　　
［個室のあるタイプのお店。
　色々話すならそのほうが都合がいいし。
　アリスモチーフのはまたゆっくり楽しめるときに。
　

　でも、そうだな。最初の一杯だけなら、いいか。
　奢り全部を断るのは、
　気持ちを無碍にするみたいで嫌だったから。



　レモンサワーとフライドポテトとか
　つまめるものも頼んで。
　かんぱーい、とグラスの音を鳴らせば
　本当にイベント終わったな、って改めて思った。］
　

　　たぶん、自信なくて、踏み出せなくて。
　　自分なんて、って思うの、似てるから。

　　俺自身を見てるみたいな気もして
　　……だから、ほっとけなかったんだ、最初はね。


　　でも、一緒に居て
　　過ごせば過ごすほど、もっとって思うようになってた。
　　他の人と違って、君は俺の言葉を
　　受け取ってくれる人だったから。
　　

　
　

　　でも、君は普通に接してくれてたから。
　　お礼を言うのは俺のほうなんだ。

　　

　　　

　　

　　
　　だから……、
　　俺と……、鳥海奏汰と付き合ってくれませんか？

［自信をつける第一歩はきっと
　好きな人に、君に受け入れてもらえることだ。］**

　　

　

　そうでしたか。
　ありがとうございました。


［馴染みない人には番号で目的の場所にいくのって
　難しいもんね。
　やっぱ人がいいよなぁ。］


　……なんだか、私の事なのに
　そう喜んでもらえて嬉しいです。


［手伝った分、というのもわかるけど
　そう言って貰えるくらい心を砕いてくれたのが
　嬉しいんだ。］
　

　

　そうですね、前よりは怖くないですよ


［これは本当。
　また怖くなったりもするかもしれないけど
　やれば出来るって成功体験をつめたのは大きい。］


　そうですね、美味しいの沢山食べましょう。

　

　***

　そんな……いえ、頑張りました。
　ありがとうございます。


［つい癖で謙遜しかけたけどここは素直に受け取ろう。
　


　お酒はその…勢いづけもあったから。
　一杯くらいじゃそんな酔わないけど
　素面でもう一度言うには恥ずかしんだよ。

　つまめるものを頼んでくれるのをみつつ
　私も枝豆とか分けれるおつまみを頼んでおく。
　乾杯をすればグラスの音が軽く響く。
　アフターってこういうの憧れていたんだよね。］
　

　

　……似た者ですもんね。
　それで見るのも嫌だって放っておかなかったの
　カナさんの美点だと思いますよ。

　自分を思って言ってくれる言葉ですから
　きちんと聞きますよ。
　
　

　

　……そうなのですね。


［自分の言葉をきちんと受け止めて貰えない。
　それは、自分だったらきっと寂しい。
　周りにそう言われていたのも知らなかった。］




　言葉って軽くとってもいい時もそれはありますけど……
　きちんと聞けば相手を思いやってるって分かりますのに。


［ノリが悪い、とか言う人たちはいるけど
　そういうことじゃないと思うんだよね。
　あまり人の事悪く言いたくはないけど
　言葉はきちんと受け止めてほしい。
　それは私も文章を書くから思うのかな。］
　

　

　私は私なりに普通にしたつもりですけど
　でも、どう致しまして。
　
　

　

　同じ気持ちですね。

　はい、勿論。


　

　

　そ、その……



［よくよく考えたら本名知らなかったね……？
　私のヘタレ、うう。］
　

　

　私は天ヶ瀬りら。
　名前で呼んでもらっていいですか？　**

　

［聞かれたからそうしただけだし
　目当ての場所が君の所じゃなかったら……
　

　好きな作家さんを応援したいって気持ち
　同じだったからかな。］


　　他人事じゃないから。
　　確かに、俺のことじゃないんだけどな。


［変だよなって苦笑いして。

　でも、そっか。
　手伝って助けになったのなんて
　少しだろうけど、それでも役に立てた。

　背を押すことができた。
　それで、充分だ。

　このイベントは俺にとっても、成功だった。］

　

　　
　　今日は自信をつけるために来たんだから。


［これで、本の出版にも踏み出せるんなら
　俺も嬉しいし、何より本ほしいし。

　君のためって気持ちもあったけど
　自分のためでもあったんだよな。］

　

***


　　そうそう、めっちゃ頑張ってたよ。
　　バーベキューの頃からしたら
　　ちょっと想像できなかったかも。




　イベントのアフターってこんな感じかぁ、って
　ちょっと感慨深くなってる自分がいたりする。
　頒布する側の参加なんて絶対ないと思ってたし。］

　

　　見るの、嫌だってほっとくのは楽だけどさ。

　　なんか、楽できなかったんだよね。
　　そーいうとこは他人から見たら要領悪いのかも


　　言葉を大切にしてくれるのは
　　ほんと、君のいいところだよね。




　　

　　


［自分の言葉を受け止めてくれる人だから
　大事だと思ってくれる人だから出る言葉。
　それが、たまらなくうれしいんだ。］


　　まぁ、今は聞いてくれる人がいるから
　　それで、充分。

　　

　　

　　
　　俺は鳥海奏汰。

　　奏でるって字を使うから、カナって名前にしてた。




　　

　　りら、ちゃん……？


　　可愛い名前だね。
　　ライラックを連想するような名前で。


［たしか有名な歌手の人が
　同じ名前で、ライラックが由来だった気がする。

　

　

［自信なくて保険かけたくなるのは
　暫く直らなそうだ。］**

　

　

　確かに、ここまで関わったら
　他人事じゃないですね


［変じゃないですよって笑って返す。

　応援の力がいかに偉大かって
　うまく伝わるといいのにな。］


　……そうですね、
　それこそ自信もたないとですね


［繰り返される大成功の言葉も
　受け取れるようなった。
　手を貸してくれた人が言うんだし
　結果をみればその通りだよね。］
　

　***

　そうですか。ちょっと恥ずかしいです。
　当時とそこまで違います？


［少しは変わった実感はあっても
　そこまでかどうかって、自分じゃ分からないな。



　イベントの空気も、アフターの爽快感も
　カナさんにとって楽しめた事ならいいな。］
　

　

　そういう要領は大人になって
　欲しくなったら、でも良いと思いますよ。

　勿論身に着けずにそのままでも良いと思います。
　私はその気持ちに助けて貰ったのですから
　
　……あ、ありがとうございます。
　ちょっと気恥ずかしいですね。


［そういうのって要領の良さなのかな？　とも思うけど
　うまく楽できる人は確かにそういうことが
　うまく出来る人なんだろうなぁ。

　私は不器用でもいいかな、って思うのは
　若さゆえなのかな。］
　

　




［つい小さく縮こまる。
　多少変わってもまだ、自信満々とはいかない。］


　そうですか。


［充分、と言ってくれるのなら
　それでいいのかな。］
　

　



と、鳥海さん。
　お名前からとっていたのですね。


［いきなり名前呼びする度胸がなかった。
　こ、この辺も追々かなぁ。］
　

　
［そんな度胸無しとは違ってさらっと
　呼んでとは言ったけど呼ばれた名前に顔が熱くなる。］


　あ、よくご存じですね。
　名前の響きが綺麗で気に入ったから
　とは親から聞いた事ありますが

　あ、いえいえ。
　別に気にしませんよ。
　全くの的外れでもないんですし


［お互いそう簡単に自分の全部が変わるわけじゃない。
　不器用な一歩ずつを歩いていくしかない。
　それを隣で見ていけたら
　お互い励ましあって進めたらいいな。］


　


［手を差し出して握手を求めた。
　現状お酒が軽く入ってすらこれが背一杯なのは
　ま、まぁ…場所とか諸々あるし。
　そう言ったことも一歩ずつでお願いします。］
　

　***

　『聞いて下さい、発売予定日決まりました』


［そのメールを送ったのはあれからまた日々が過ぎて
　暫くしてから。
　結局合同で、という話は流れて私一人の短編集に
　という話でまとまった。

　修正とか書き下ろしとか、こんな細かい箇所まで
　見られてなおしてやるんだ……って
　最初は編集さんの仕事にただただ感心しちゃったよ。

　不慣れな作業に何度か自信なくしかけたりとか
　そういう繰り返しをしかけたけど
　何度か鈴を鳴らしてみたり
　また不安を感じるって素直に甘えたり
　そんなこんなをして乗り越えていった。

　そうしてやっと本の発売決定までこぎつけて
　たどり着いた、というわけだ。］
　

　
［ネットで見る発売予定の書籍一覧に
　私の本の名前がのるなんて……もうそれだけで
　満足出来そうだった。早いかもしれない……。

　イベントに持って行った本の残りは
　ネットで販売出来るサイトを利用して
　売れればラッキーかな、位の気持ちで置いてたら
　まるまるさんがテンション高めに
　本を買う約束と共に買ってくれただけじゃなくて
　拡散、宣伝までしてくれて少し売れた。

　顔が広いってこういうことか…ありがたいな。］
　

　
［俺はそのツイートを見るなりやるじゃーん！
　って自分の事のように笑った。
　いやー、縁がある子が本出すとかすごくね？
　勿論縁ある人がいるロックバンドが新曲だしたりとか
　何かしら知り合いが宣伝した方がいい事ある度
　積極的に拡散してるぜ！　俺は！

　縁ってーのは何が切欠で繋がるか分からない。
　俺は俺の企画とか、宿とかが誰かの切っ掛けに
　なってくれたらすげー嬉しい。

　それに誰の作品であっても俺は興味津々だからな！
　皆、何か面白いことあったらこれからも
　ガンガン教えてくれな！！

　絶対だぞ！！！］
　

　
［販売日当日はそりゃあもう落ち着かなくて。
　一緒に本屋めぐりませんか？　と誘えば
　応えて貰えたかな。



　書店に並んだ本を見ればすごく感動した。
　思わず店員さんに許可とって写真までとっちゃった。

　売上出せるかな、とか不安がないわけじゃないけど
　この一冊は私の生涯の宝物になるんだろうな。
　ご希望があればサイン入れるよ……って

　

　
　そういえば、これ、教わったゲーム
　この面クリア出来るようなったのですよ
　コラボカフェやるらしいですね。行ってみたいです


［以前教わったゲームの画面を見せつつ笑う。

　私が誘うのはアリスカフェリベンジだったり
　カップルで注文出来るというまぁ普通に二人分
　というだけのパンケーキだったり
　食べ物関連になるのはもう仕方ないかも。］
　

　
［そんな中、以前誘ってそのままになっていた
　遊園地に、行きたいなって言ったのは
　珍しいと思われたかもしれない。
　本の発売記念で、と少々強引に誘い出した。

　観覧車にいくつか乗ってから、向かった。
　思い切って隣に座って少し縮こまる。］


　水ノ島とかまた行きたいですね。
　海鮮物また食べたいですし
　開運のお守り効果あったなら
　神様にお礼を言いに行きたいですし


［なんというか……色気が足りなくないかな、私。
　そうじゃなくて。そう言いたいんじゃなくて。］
　

　
［そっち方面、怖いよりもそうしたいに
　変わっていくのもまた、変化。



　頬に顔を寄せたのが今の私の精一杯だけど
　それからどうなったかは、彼氏さん次第かな。］**
　

***


　　なんだろ、上手く説明できないけど。
　　バーベキューの時より前を見てる感じがして。




　　

　　
　　んー、そうなのかも。
　　欲しいなーって思う気持ちもあるけど
　　今回ばかりは身に着けてなくてよかった。


［目を逸らして、息を殺して
　きっとそうしていれば楽なことは多いし
　傷つかなくても済むこともあるわけで。
　そうなれば、楽だよなってどこかで思ってた。

　今は……
　不器用に手を伸ばすのも悪くないって思ってる。］


　　ありがと、思ったこと伝えてくれるのも
　　否定せずにいてくれたのも、両方。

　

　　偉そうとか思わなかった。

　　……名前は追々でいいよ。
　　時間ならいっぱいあるし。

　　そう、何にも思いつかなかったから。
　　今思えばもう少し考えたほうが良かった気もするけど。
　　

［時間ならいっぱいあるから。




　
　

　　よかった、的外れじゃなくて。
　　知ってたのは偶然だよ。

　　でも、最近りらちゃんの手伝いしてたからか
　　物語の登場人物の名前って
　　意味あるのかなって考えたりするんだよね。
　　前まで全然考えてなかったけど、
　　色々調べたら面白い。


［気にしない、って言葉に安心する。
　不器用な一歩を重ねて
　少しずつ二人で進んでいけたらいい。］

　

　　こちらこそよろしくね。




［差し出された手をぎゅっと握って微笑むと
　ちょっとしたわがままを。



　

***


　　『ついに決まった？！おめでとうー！！！
　　　発売日、いつ？？？
　　　一緒に買いに行こうよ。』


［その知らせを見た時は
　思わず何にも考えず思ったことそのまま送ってたから
　テンション高いって思われたかもな。

　不慣れなのは自然なことだし
　イベントやり切った今のりらちゃんなら大丈夫、って
　励ましたりもしつつ、発売までの日は過ぎていく。］

　

［一緒に本屋巡るって話は
　勿論、って二つ返事でOKした。

　なんでもない顔で手を握ったけど
　内心は少しだけ緊張してた。
　嫌われたくないし、本気で好きな相手だから。

　今までは手をつなぐなんてなんでもなかったのに。
　君といるといい意味で調子が狂うみたいだ。］



　　ほんとに店に並んでんじゃん……

　　




　　

　　え、もうクリアしたんだ。
　　そうそう、コラボカフェあるんだよね。
　　ゲーム内でキャラが飲んでたラテ飲めるし
　　始まったら一緒に行こう。
　　コースターチャレンジしたいし。


［二人で行けば推しのが出る確率上がるし、
　なんて打算もあるけど
　それよりも好きな人と好きなものを共有したい。
　そっちの気持ちが強い。

　アリスカフェでは文字の書いてあるクッキーとか
　飲んだことないフレーバーティーに目を丸くしたり。
　カップルで注文できるってパンケーキは
　周りに結構仲いいカップル多くて
　ちょっと苦笑いしてたの、見られたかな。
　あ、パンケーキは美味しく食べました。］
　
　　　

［二人の時間を重ねていく中で

　強引に誘われたときは
　勢いに多少驚くことはあったけど
　断ったりはもちろんしない。

　コーヒーカップとか定番のも乗ったりしてから　
　乗った観覧車の中。

　隣に座ると距離近いな。体温だけじゃなくて
　鼓動まで伝わってしまいそう。］


　　思えばあれがきっかけかぁ……
　
　　なんか、めっちゃ昔のことみたいな気がする。
　　

　　あのときはあんまし観光とかしてねーもんなー。　
　　神様へおお礼は絶対行きたいし
　　バーベキューの時は食べ損ねた海鮮食べないと。

　　

［名前は追々でいい、という言葉に
　ひとまず甘えておくことにした。


　それに急がなくても平気かな、って
　私も長い付き合いを無自覚に想定しているんだ。］


　名前凝る人は凝りますからね。
　そうですか…ふふ、私の影響がわかるって
　嬉しくもあり恥ずかしくもありです。

　面白かったなら良かったです。
　興味ある事調べて楽しいと
　色々見え方変わりますよ。

　
［興味ない事って視野にあまり映ってない
　って言うのかな。ぼんやりしているような
　そういう印象を受けるんだよね。
　勿論私だって何にだって興味ある訳じゃないし
　そういうもの。だけど
　知りたいと思って楽しいと思って調べると
　思わないとこに意味があって面白いんだよね。］





［握られた手に鼓動が騒ぐ。
　わ、私手汗かいてないかな？　大丈夫かな？
　
　今でさえこんなドキドキしてて
　更に普通に話して名前を呼ぶ……
　か、必ずハードル超えるから
　順番に、一歩ずつお願いします！］
　

　***

［テンション高めの返答にほっとした。
　予定がない限りは大丈夫とは思ってたけど
　先約があったらどうにもならないからね。
　
　挙動不審しちゃったことも多いだろうけど
　落ち着かないのは多少目をつむって貰うしかない
　日々が過ぎるのが遠いようなあっという間のような
　そんな感覚だった。］
　

　


　緊張をごまかすようにぎゅっと手を握っていたし
　本を見つければあったあったってはしゃいだ。］


　─────え……



　恥ずかしいんだけど！？
　いや、でもここまで付き合って貰ったし
　特別扱いそれ位しないとなぁ……］
　

　
　
　そ、その…まだ慣れてませんが


［担当さんと考えて貰ったサイン。
　一応デザイン作ってはおいたんだよ。
　ペンをお借りして購入したての本に
　ど、堂々とかかないと…かかないと…！
　とぶつぶつ言いながらやや小さめになったご愛敬。
　PNのサインをなんとか書ききったころには
　息があがっていた。そこまでです。］


　ど、どうぞ……


［人前でプリシラさん呼びは大変恥ずかしいので
　以後自重してくれると嬉しいです！
　……と心の中での抗議はしておくね！
　慣れないだけだけど……恥ずかしいんだもん。］
　

　

　この面特化で攻略してましたから。
　鳥海さんそういうの絶対好きでしょうし
　私もこのふわふわラテ、飲んでみたいです。
　あ、コースター。二人ならチャンスは倍ですね。

　
［特別推しというほどではないけど
　癒しマスコットキャラが可愛くて好きなんだよね。
　相手の好きも一緒に楽しめるのも嬉しい。

　なおランダムコースターは推しが出たよ
　

　
［時に、私の絶叫系耐性はほどほどです。
　あ、あまり激しくなければそこそこ楽しめるよ！
　思い切り叫んだり、怖がることも楽しみの一つだよね。
　そういうことで一つ。］

　
　そうですね……言われてみればあっという間です。
　……うう……、恥ずかしいですが


［甘い言葉に耐性はさしてなく
　毎度顔赤くして手で覆う感じになっちゃう。
　うーん、早くなれないと。
　敬語も覚えているんだけどね。］