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![]() | 【人】 七川 惺[言われた通りにそっとドアを開ける。 日本人としては飛びぬけてでかい俺は 自分が目立つことを知っている。 まさにそれが理由で、親父は中坊で未熟な俺を 舞台に上げなかった。だけど最近、 気配を殺す演技を少し学んだと思い込んでいる。 それに演技に集中している二人にとっては、 俺は路傍の石なんじゃないか。 そんな風に考えながら入室したんだ。] ……!! [声なき声を上げるには、充分な場面だった。 原典でも、かの有名な、その場面。 “剣を拾ってください、あるいは私を。” そんな風に訳した台本もあったんじゃないかな。 ああ、悠凛のリチャードは。 抑制した熱を孕んで、そう言うんだ……。>>58] (0) 2026/08/14(Fri) 0:11:30 |
![]() | 【人】 七川 惺[リード&フォロー。 カンナさんの演技も素晴らしくって。 原典でも人気の高いシーン。 エリザベスをたらす時も、違った意味ですごいらしいけど。 アンとのこの場面の方がロマンチックで リチャードの気持ちが本物じゃないってわかってても 彼に声援を送る女性は多いらしい。 騙される悲劇のアンの方にも、勿論。] …………。 [夏のように熱っぽい場の空気。 それとは反対側に立ち竦んで凍ったように固まる俺。 この後、濡れ場だ。 シーンが中断されて助かった。 え、俺、素で嫉妬してる。 俺は自分で自分の性格をよく知っているはずなのに。 ある程度予想はできたはずなのに。 現場を見たショックは思ったよりずっと大きくて。 本番で寝台が出てきたら、俺は……。 ] (1) 2026/08/14(Fri) 0:36:41 |
![]() | 【人】 七川 惺[前方から手を振ってくれる悠凛から、 すっと視線を逸らした。] ……ありがとうございました。 [近くにいたスタッフさんにのみ、 見学させてもらった礼をいい、ホールの外へと向かった。 ああ、なんて大人げない、俺。*] (2) 2026/08/14(Fri) 0:38:44 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[ワルツのシーンのちら見せくらいの、 軽いじゃれ合いのつもりだった。 この後のシーンだって、リチャードとアンの身体が 重なったところで、舞台は暗転する。 濡れ場という意味では、バッキンガムとの方が よっぽど生々しい。 だからかき口説くシーンがあっても、油断してた。 距離を挟んでいるとはいえ、 惺と目が合わない。逸らされた。 恋人と一緒の現場になるって、 そういう事だって分かってたはずなのに。] (3) 2026/08/14(Fri) 0:47:21 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[惺がそのまま、ホールから出ていってしまう。 どうしよう。すぐ追っかけてフォローしたい。けど。] …えっと、次も俺らのシーンでしたっけ? [頭に入っていたはずの今日の稽古の流れが飛んで、 手近なスタッフさんに尋ねる。 次は惺の出番のはずだと教えて貰って] ちょっと早く来ちゃったから、 まだだって勘違いして行っちゃったのかな。 呼び戻してきますね、 [自分と入れ替わりなのか把握するのも忘れて、 そう告げて大股で歩き出す。 俺とのシーンなら、残ってスタッフさんに 呼び戻しに行ってもらう方が自然なのに。] (4) 2026/08/14(Fri) 0:56:07 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[ホールを出ると、少し小走りに近くなった。 廊下の端に惺を見つけて、呼び止めようとする。] 惺、 ……しずか、 [どうしよう。ここじゃ何も言えない。] つぎ、惺の番だって…… 、 [今すぐ抱き締めたい。ごめんって、好きだよって言いたい。 言って欲しい。 *] (5) 2026/08/14(Fri) 1:00:36 |
![]() | 【人】 七川 惺[……と、その時。 廊下の反対側から歩いてきた スタイリストさんに呼び止められた。] 「あ、二人とも!よかった。 次のシーンの衣装、さっき仕上がったんです。 正確には、本番用でなくエチュード用の衣装です。 どうせだから、その衣装合わせしつつ 稽古しないかってことになって。 さっきシーン練習の順序、変更になったんですよね。 お知らせがギリギリになってごめんなさい。 いわゆる『暗黒の誓い』のシーンの衣装ですよ。」 ……え。 [俺は目を見開いた。] (7) 2026/08/14(Fri) 1:30:26 |
飛鳥 悠凛は、メモを貼った。 (a0) 2026/08/14(Fri) 1:35:21 |
![]() | 【人】 七川 惺『暗黒の誓い』のシーンってリチャードと ……その、バッキンガムが…。 「やだぁ。言わせないでくださいよ?それです。」 [俺は、ちらりと悠凛の方を見た。 衣装付けても、上半身はすぐ脱ぐことになる……よな。 本番じゃないから、脱がないのかな。 悠凛はどんな顔をしてたかな。 いずれにしても、取り合えず俺らは、 スタイリストさんに 衣装替えの部屋に連れていかれたのじゃないかな。**] (8) 2026/08/14(Fri) 1:38:52 |
![]() | 【人】 七川 惺[リチャードの普段着は、基本チュニックにロングホーズ。 15世紀ヨーロッパの服装は、男性は脚線美を誇ったという。 例えていえば、タイツで脚線美を表すということだ。 ちなみに貴族の女性は、長いドレスで脚を隠す。 そこは昔の日本と同じだ。 今回のバッキンガムは長衣。 リチャードと初めて会話したシーンではチュニックだったが 結婚後、ことさら長衣を好むようなった。 祖父の爵位を受けついだ時は実際子供で よく「若造」と揶揄された。 リチャードにも「子供」と言われた。 早く大人になりたかった。 長身をいかして形だけでもと、 威圧感を出せるように工夫したのが始まりともいえる。 対するこの舞台のリチャードは 筋肉のラインが浮き出るようなホーズをよく履いている。 公の場ではマントや長衣で隠れることも多いが、 ほどよく靭やかに筋肉がのった彼の脚線美を 盗み見みする貴族諸兄は多い。 組み敷かれるのを夢想するご婦人方も。 兄王エドワードが勝利したタウトンの戦いから 戦功をたてて凱旋したリチャードの 仮面と鎧を脱いだ下着とホーズだけの姿を、バッキンガムは かつて偶然目にしたことがある。] (11) 2026/08/14(Fri) 11:43:33 |
![]() | 【人】 七川 惺[ホーズは膝下か丈から下半身をすっぽり覆うタイプまで 様々な長さがある。 今日のシーンはガーターレングスである。 今はチュニックで隠れているが ガーターベルトにストッキング。 二対の皮ベルトは男性的で少々ごついデザインだけれども。 なかなか攻めたファッションだな…と横目で見ていた。**] (12) 2026/08/14(Fri) 11:51:44 |
![]() | 【人】 七川 惺[エチュード用の衣装に身を包まれてゆく 悠凛を視界の端にとらえていた。 俺の衣装も整えられてゆく。 太いタックが幾筋も入っている長衣。 上下繋がっているように見えるタックは 上半身の布は縫い留められていて ウエストから下は折筋だけで ふわりと広がるようになっている。 そうして準備ができれば、小ホールに戻った。] 女色に溺れた現王エドワードは病に斃れた。 ──時は満ちた。 [これは観客側に設定した場所に向かって、俺の独白。 それから、リチャードの方に向き直り。**] 私は…… 俺は 貴方と あんたと。 “薔薇の下”にて秘密を共有できるほどに 大人になりました。 今こそ磨いた牙を、貴方のために使いたい。 (13) 2026/08/14(Fri) 12:40:09 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[前の衣装合わせの時、バリエーションや装飾は色々あるけど リチャードは基本このスタイルです。と説明を受けた。 チュニックに、身体のラインが露わなロングホーズ。以上。 「それで、この上は……?」と思わず 聞いてしまった。ズボンがない。 チュニックの丈は大体脚の付け根を隠すくらいで、 太腿の隆起は剥き出しだ。 そこまでタイトじゃないけど、バレエダンサーを連想する。 今日のシーンは、そこにちょっとした装飾というか 何というかが付いている。 ガーターいいよね、セクシーで。俺も好きだよ。 自分が履く想定は今日までなかったけども。] ──…… 、 [とはいえ普段なら、何とも思わずさっと着替える。 でも今日は隣に彼氏が居て、それとない視線を感じる。 同世代の男同士だし、当然着替えは同じ部屋だ。 伏し目がちにストッキングをするすると膝上まで上げ、 ガーターの皮ベルトの留め具を嵌めて。 立ち上がる時に、ちら、と惺に視線を返して、 気づいてますよと暗に伝える。 この先に控えたシーンが頭にあるのもあって、 ちょっとそういう気分になってくるから、止めて欲しい。*] (14) 2026/08/14(Fri) 13:30:29 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛“クラレンス公”も、兄上の轍を踏まねば良いが。 ……時既に遅し、と言うべきか。 [次兄を名前ではなく称号で呼び、 酒に溺れるその体たらくを暗喩する。 一度は兄王に反旗を翻したが、リチャードの説得により 再び舞い戻ったジョージ。 どちらが兄王に重用されているかは、誰の目にも明らかだ。 疎外と鬱屈からの逃避なのだろう。] 道半ばに心挫け、落果のごとく朽ちていく。 おまえはそうはならなかったな。 バッキンガム。 [才気煥発と誉れ高いバッキンガム公爵。 成長した彼を若造と侮る者は、もう居ない。 バッキンガムの言葉の真意を問うかのように、 視線を男の顔へと滑らせる。*] (16) 2026/08/14(Fri) 15:33:23 |
![]() | 【人】 七川 惺[初めは純粋な“憧れ”だったのだと思う。 この人に自らの手で王冠を被せたい。 そう思った少年の日々を今だ眩しく想い出せる。 変化が生まれたのは、 “薔薇の下”で初めて語り合った日。 その手で頬を撫でられ その手で胸に飾られた薔薇に、自分の血が混じった時。 噂には尾ひれがついていること。 欲望や嫉妬が翻っての中傷。 リチャードがその誉れ高き身体を 誰にでも開くのではないこと。 わかっていたのに。 ……その時背筋にぞくぞくと駆け登ったものが 純粋さだけではないと、後になって気づいた。 ここまで成長するまでのバッキンガムの心の動きは、 どこまでもリチャードを崇拝するケイツビーの行動や その彼との対話の中で対比され、 観客にも伝わっているだろうか。] (17) 2026/08/14(Fri) 16:03:15 |
![]() | 【人】 七川 惺私を欲しいと言ってくれませんか。 貴方の頭上に王冠を被せる者として。 [……す、と一度観客側に視線を逸らす。] それを許してもらえるのなら 私は貴方と一緒に地獄までお供する覚悟がある。 そうして、誓いの証を頂けませんか。 神への誓約を凌ぐような、その証を。 [誓いの証、とは何か。 まだ明言しない。 もらえるはずもないとも思っている。 キスだけでももらえれば重畳、と思っていた。 まだ、この時には。 ただし、騎士のようにその手にキスするのでなく。 その薔薇のような花の唇に。 そんな熱のこもる想いを、俺の声は、視線は。 *]観客に伝えることができるだろうか。 勿論、目の前の相手役にも。 (18) 2026/08/14(Fri) 16:26:20 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[バッキンガムに水を向けた言葉は、 腹の探り合いの呼び水とはならなかった。 直截な申し出が、その唇を突き動かす。>>18] まさか。 私と王冠の間には、未だ隔たりがある。 おまえのその牙が届きうる──と? [兄王の命が尽き果てる日は遠くないだろう。 だが血を分けた実兄と、兄王の幼い王子達がいる。 その覚悟があってのことかと、バッキンガムを流し見る。] まさしく悪魔の所業だ。 神の国には行けぬであろうな。 [リチャードの自室は塔の上にある。 窓からの景色は、民が住まう下界よりも天に近い。 窓の傍で外を眺めていたリチャードは、 ようやく身体ごとバッキンガムに向き直る。] (19) 2026/08/14(Fri) 16:45:02 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[一歩、二歩、 バッキンガムの方へと歩み寄る。 急ぐことのない足取りで。 “私を欲しいと言ってくれませんか。” そう言い募るバッキンガムに、ふっと笑む。] おまえだろう?バッキンガム。 私を王にと欲するのは。 望むは地位か名誉か。肥沃で広大な領地か── [問うでもなく、詠うように言葉を継ぐ。 貴族の男が望むものなど、たかが知れている。 乱世に謀略は付き物だ、こうした申し出にも慣れている。 他の誰も、ここまでの熱心さは持ち合わせていなかったが] 私の影を踏み、地獄まで付き従うと望むなら。 許そう。 ──悪魔の誓約は、何を以てなす? [バッキンガムが手を伸ばせば届く距離に、 リチャードは佇む。 熱を燻らす男の顔を、見上げている。*] (20) 2026/08/14(Fri) 17:06:46 |
![]() | 【人】 七川 惺[「おまえだろう?バッキンガム。 私を王にと欲するのは。 」と聞けば。>>20] 貴方、なら、と思う。 いえ。貴方でこそ、と思う。 “クラレンス公”ではありません。 あの方では、幼い王子達の後見役にも不足でしょう。 許す、と言ってくださるのなら 地獄行の露払いをもいたしましょう。 [悪魔の誓約、とは。] 私は地位も名誉も、今以上の領地も望まない。 ソドムとゴモラのような背徳。 あんたと共に禁断の美酒に酔うのが望み。 [キスだけでいいと、さっきまで思っていたのに。 口に出して言ってしまった台詞は、敬語さえ忘れて。* 手を伸ばせば届く距離に、今、お前がいるから。 ]アンに対して焼けつくような嫉妬を覚えた後では、もう。 (21) 2026/08/14(Fri) 17:45:20 |
![]() | 【人】 七川 惺あんたを抱きたい。 あんたの影を踏む──悪魔の誓約に、ふさわしいだろ? [ここで俺が演じるバッキンガムは、 白鳥の湖のロットバルトのイメージだ。 それは台本を読んだ時から決めていた。 変容してゆく少年の夢。 しかし熱量だけは今も昔もずっと変わらず。 その解釈に、今の俺の気持ちが乗った。 ゆらりと長身を傾けて 悠凛の演じるリチャードの傍近くまで迫る。 **] (22) 2026/08/14(Fri) 18:01:14 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛………ああ。 おまえが地獄をも厭わぬのは、 既に神に背いているからか。 [肉の欲に溺れ、神の裁きで滅びた都市。 バッキンガムの欲する禁断の美酒の味が そこには溢れていたのだろう。 “女と寝るように男と寝てはならない。” 彼の前には既に閉ざされた、神の国の門。] ならば、何をも厭わず恐れず、 その身を捧げると誓えるか? 神でもなく、現王でもなく。 リチャード・プランタジネット唯一人に。 [また一歩、自分からも距離を詰める。 バッキンガムが腕を伸ばすだけで、 囲えてしまえる立ち位置まで。*] (23) 2026/08/14(Fri) 18:12:30 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[この腕に今すぐ抱かれたいと望む俺がいる。 あと一歩を踏み留まる躊躇は、 リチャードのものだ。 玉座を狙うなら、右腕たりえるバッキンガムの支援は 欠かせない。 けれど、身を委ねずとも人を操る術を リチャードは知っている。 取り込もうとした司教に迫られた時には、 逆に弱みを握って従える。 この先、肉親のジョージを排除する時にも、 幼き王子達を塔に幽閉する時にも 表に見せない躊躇いを。] …… 、 [こちらへと傾く長身が迫る。 憂うように臥した視線を上げて、 バッキンガムを見た。*] (24) 2026/08/14(Fri) 19:31:06 |
![]() | 【人】 七川 惺[それからリチャードに腕を伸ばせば、 彼の肩に手が届くだろう。 振り払われなければ、その肩を抱きしめようとする。 憂うように臥した視線を上げられた時。 俺はちゃんと、バッキンガムの目をしていられたかな。 その時芽生えた気持ちが 演技としてなのか、自分の気持ちなのか、わからなくなる。 バッキンガムは愛していると囁けない。 けれども俺の心は、愛していると叫んでいる。 どちらがどうとは境目のない、混沌とした気持ちのまま。 悠凛が演じるリチャードの唇にキスを落としてしまう。*] (26) 2026/08/14(Fri) 21:37:43 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[バッキンガムは言い募る。 リチャードが問わなかったことを。 “自分を堕とすのはおまえなのだ”と。 悪魔と呼ばれ続け、今まさに悪魔となるを 選ばんとするリチャードの前で、 その身を捧げると誓う。] 貰い受けよう。 神の僕でも民の僕でもない、 お前は、私のものだ。 [いっそ厳かな空気の下で、誓約は成された。] (27) 2026/08/14(Fri) 21:59:40 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[惺の──バッキンガムの腕が肩を抱く。 身体が降伏したがる、慣れた体温。 視線を上げれば、目が合った。 ……ああ、ダメだ。 俺を愛する番に見えてしまう。 その唇を迎えようと、自然と顔を傾ける仕草が 身体に染みついてしまっている。 片手を後頭に添えたのは、リチャードだろうか、 俺だろうか。 ──引き摺られる。* (28) 2026/08/14(Fri) 22:07:46 |
![]() | 【人】 七川 惺[親父の台本では このシーンの時点でバッキンガムが どれ程の自覚があるかは別として リチャードを愛しているんだから、 大筋では俺の演技は間違ってないはず。 けど、どこかで台詞飛んでないか。 ああ、あそことあそこで敬語が抜けた。 それらを気にする意識は直前まであったんだけど。] 「貰い受けよう。」 [そう言われ、キスを受け入れてもらった途端、 本当にゾクゾクしてしまって。 ──引きずられる。 すごいいい演技だ。 美しい、男らしい。それでいて甘やかさも含んでいて… 対面していると 引っ張り上げられる、俺の地力以上に。 夢中になってしまう。 リチャードに?悠凛に? ] (29) 2026/08/14(Fri) 22:49:42 |
![]() | 【人】 七川 惺[高い塔の窓から見える外の景色は、 星空だと想定している。 星明かりからも身を隠す様に 俺達は窓から少し横の壁際に身をずらす。 唇の次は、耳元に、それから首筋にキスを。 そうして、リチャードのチュニックをたくし上げる。 観客側からは、一瞬だけガーターベルトが見えるだろう。 俺の手がベルトごと リチャードの太腿を撫でる。 暗転はどこからなのか、まだ聞いてない。 アンとリチャードののラブシーンよりは 濃厚にやると聞いている。 舞台の上だから、女性相手ではできなくても、 同性同志はもっと攻められる。 今日はそこまではやらないはずだけど。*] (30) 2026/08/14(Fri) 22:51:22 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[覚えがある、この感じ。 W主演したドラマのキスシーンでも。 俺の身体が過剰に反応する、唯一のαとの濡れ場。 ……忘れてた、リチャードになっていたから。 今は二人きりじゃない。 塔の上の、リチャードの部屋だ。 そのことを意識しながら、壁際へと退がる。 バッキンガムの身体に押されるようにして] ……… 、 ッ、 [耳へのキスは何とか堪えた。 男に触れられるのは、“リチャード”は初めてだ。 敢えて顔を背けたせいで、項に程近い首筋を 生温かい吐息と唇が湿らせ、短く息を呑む。 まずい、あの時よりも俺の身体が── チュニックをたくし上げる手に驚いて 目を瞠ったのは、演技ではなくなっていた。] (31) 2026/08/14(Fri) 23:12:14 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[ガーターベルトの上から、 “バッキンガム”の手を捕らえる。 下肢の付け根近くまで太腿を這った手を、 素肌を滑らせるように撫で下ろさせる。] … 主君を立たせたままにしておくつもりか? [片方の口端を吊り上げ、蠱惑的に笑んでみせる。 するりと頬を撫でるとその胸を押し返し、 本番なら寝台があるだろうあたりへと バッキンガムを導くべく、身体を離した*] (32) 2026/08/14(Fri) 23:29:00 |
![]() | 【人】 七川 惺[──すごい。 俺は自分のことで手一杯だった。 番の身体の事情を慮る余裕なんてなかったのに。 悠凛は一瞬で立て直した。 その上アドリブで次に繋げたんだ。] ……つい、夢中になってしまいました、我が君。 [本音交じりの台詞をアドリブで返す。 片方の口端を吊り上げる笑み。頬を撫でる仕草。 その全部が愛おしいものに変わりはないが。 俺も、バッキンガムに戻る。 恭しくリチャードの手をとって。 今はまだ姿の見えない寝台の方へと。*] (33) 2026/08/14(Fri) 23:53:13 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[“つい、夢中になってしまいました”って。 流石にそれはアドリブでも使えないだろと惺を睨む。 NGテイクが出た時のように、 その場の空気が緩んだ。 スタッフさんの笑い声も聞こえる。 それでもリチャードとバッキンガムに戻って、 寝台があると思しき方向へと歩く。 手をとられていても、歩くのは肩を並べた隣を。] (34) 2026/08/15(Sat) 0:02:39 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[とはいえ、実際に寝台は置いてないから、 これ以上は濡れ場を続けられない。 一旦昼休憩です、と声がかかって 心底ほっとする。] ……飯食べにいこ、惺。 [聞かれても問題のない会話なのに、 声がいつもより小さくなった。 配布されるお弁当を貰う間、多分俺は真顔だったと思う。 弁当の上にパックのお茶をまとめて 片手で鷲掴み、惺の腕を引いてずかずかと歩く。] (35) 2026/08/15(Sat) 0:09:11 |
飛鳥 悠凛は、メモを貼った。 (a1) 2026/08/15(Sat) 9:38:45 |
七川 惺は、メモを貼った。 (a2) 2026/08/15(Sat) 11:27:17 |
![]() | 【人】 七川 幸臣 ── Under the rose ── [バッキンガムの心の変遷は 観る者に少しずつ伝わる芝居の流れになっている。>>17 誓約に至って突然変容したようには見えないだろう。 一つは酒場でゲームをする場面。 実は原典の『リチャード三世』には酒場のシーンはない。 シェイクスピアの別の作品の『ヘンリー四世』にはあり 後世の作家が、オマージュとして それを取り入れた作品はある。それをベースに。 リチャードが側近数名と飲みに出かける。 次兄ジョージの殺害計画が発動する少し前である。 いい塩梅に酒が回って現代で言う王様ゲームが始まる。 バッキンガムが王様の籤を引く。 「もっとも信頼する者に口吻けせよ」 ほんの戯れに言ったように見せかける、静かな台詞。 しかしその場面の直前には、 リチャードとアンの結婚式の舞踏シーンが挟まれている。] (36) 2026/08/15(Sat) 16:04:54 |
![]() | 【人】 七川 幸臣[リチャードがバッキンガムにキスしようとして ……唇が触れる直前で寸止めする。 バッキンガムの驚き→喜び→落胆。 ト書きにはそこまで書いてないが、 そう解釈する者は少なくないだろう。 だが、あからさまだったな惺。 華岡君はもう少し抑制のある演技だったぞ。 芝居だからと大げさにすればいいというものでは… そう一瞬思ったが、あの演技は、素か。 だから一寸心配していたんだぞ。 最初の濡れ場がどうなるか。 そこをどうやって上手く 乗り越えて 演じるか。それで今後の芝居も変わってくるだろうと。 ドラマの仕事の時も危うそうだったが あの時は熱のこもった演技で通った。 また、暗転も早かった。 そして今回はちょうどそのシーンの時 都合で私は現場にいなかった。] (37) 2026/08/15(Sat) 16:09:21 |
七川 幸臣は、メモを貼った。 (a3) 2026/08/15(Sat) 16:17:00 |
七川 惺は、メモを貼った。 (a4) 2026/08/15(Sat) 16:23:10 |
![]() | 【人】 七川 惺[午後の立稽古。 本番のセットはまだないものの、 会議室にもある長テーブルの上に三個の紙コップ、 テーブルを囲んでパイプ椅子が三脚置かれ、 直前まで、ケイツビーもいたのを表している。 少し離れた所にあるマットレスと毛布は寝台だ。 小ホールの窓にカーテンが引かれる。 本番では照明が落ち、燭台の蝋燭が灯るそうだ。 もっとも本物の火を灯すのではなく ゆらめくように見える炎は、LEDキャンドル。 ──ここは、王宮敷地の一角にある、 バッキンガムの邸宅である。 妻は領地の居城に置いてきている。] ケイツビー…彼のような清廉の士を 俺は他に知らない。 アイツは、なんの見返りも求めず あんたに付き従っている。 [マットレス──ベッドで半身を起こしている二人。 言葉遣いも、気安いものに変化している。親友のように。] (39) 2026/08/16(Sun) 17:05:31 |
![]() | 【人】 七川 惺[青い血……リチャードとバッキンガムは イングランド王エドワード三世を共通の祖先に持つ。 バッキンガムは王家の血をいくつも引いてはいたが、 女系なり妾腹だったりして王冠に届くには遠かった。 しかし長引く薔薇戦争によって、思いがけなくも 必ずしも不可能ではない所まで登って来ていた。 が、自分が王になることは望まなかった。 リチャードを“mighty lord”と想い定めた。 対するケイツビーはジェントリの出で (経済的には豊かだが、下級地主である)、身分は平民。 こちらも、リチャードを人生をかけて支えようとしている。 二人ともリチャードの腹心である。 けれどもリチャードにとって二人の位置づけは、朋友と部下。 バッキンガムは青い血に連なることを誇りとしていた。 リチャードと同じ血を引いているのが誇らしかった。 ]刷り込み…?それだけにはみえないが。 [肉欲を伴わない純愛があるのか。 それともそれを抑え込む忍耐力があるのか。] まあ、詮索するのはよそう。 (41) 2026/08/16(Sun) 22:01:59 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[疑問を呈する男に、リチャードは肩を竦めてみせる。 ケイツビーにとって自分は、忠心を捧げる唯一絶対だ。 リチャードはそれに報いる。 互いにそれ以上を踏み越え、求めはしない。] よく弁えた男だ。 野心を肥やし悪魔にまで手を伸ばす、 おまえのような身の程知らずじゃない。 [気になるか?と戯れに尋ねはするが、 詮索するのはよそうと言うバッキンガムに 同意を示して微笑む。 そんなことを話すために、こうしているのではない。] (42) 2026/08/16(Sun) 22:59:24 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[男の腕の中で聞く寝物語。 血生臭い御伽話の後は、よく眠れる。] 最近のクラレンス公は、 いよいよ自暴自棄になられたな…… 奥方を亡くされて、心痛いかばかりか。 目に余る所業に、陛下も嘆き憂いておられる。 [喉を逸らして、くつりと笑う。 首筋を横に引っ掻くはずの惺の指が逸れた。 ……手加減するなって言っただろ、と振り向きざま 目配せをする。] (43) 2026/08/16(Sun) 23:21:48 |
![]() | 【人】 七川 惺身の程知らず…それは誉め言葉と取っても?>>42 [今夜の寝物語の贄はリチャードの兄ジョージだった。 リチャードより三歳年上の次兄ジョージ。 アンの妹イザベルと結婚し、一度は 舅のウォリック伯と手を結び、 兄王エドワードの脅威となった。 その後ジョージは戦功を立て、 三兄弟は仲直りしたかのように見えたが。 その名で兄上と呼ばず、 クレランス公と公爵の称号で呼んだのは なにがしかの覚悟の現れだろうか。] 陛下も あんたが 嘆いておられると?[首筋を掻き切るような仕草をする場面だった。 それもできれば、色っぽさも加えて。 鎖骨に逸れると、悠凛リチャードに目くばせされた。] (44) 2026/08/16(Sun) 23:53:19 |
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