【墓】 宝石集め カリナ「わ、すごい……」 空にきらめく魔女を見上げれば何かをするのかと首を傾げきっと明るく楽しげなことだろうと一人心を弾ませる。 カリナは不機嫌だった前日とは打って変わって、なんともないように、教会の周りを歩いて誰かを探していた。 「今日は……いない?」 「どうしよう……急でもあの子は時間を取ってくれるかな。 ひとまず機嫌取りのパンでも…」 焼きたての煙が漂う屋台でクリームパンを買えば、少し大きめのサイズの紙袋をもらって近くのベンチに座った。 膝に袋を抱えながら一つ取り出し。ぱくり。 「気を抜いたら買いすぎたわ」 でも美味しいな、とつぶやきながら風に運ばれて落ちてきただろう花びらを一つ摘んで笑みを浮かべた。 (+2) 2024/02/08(Thu) 21:47:34 |
シヴァは、ひらり、すとん。使われなくなった鐘塔から飛び降りた。痣が光る前、ある日の夕暮れのことだった。 (c3) 2024/02/08(Thu) 21:48:34 |
【秘】 飄乎 シヴァ → 宝石集め カリナ「え、いいじゃんブランド。全然やれる実力あるって。 南北より東西かな〜、情報屋兼なら西がいいかも」 あの町とかあの町とか。アイテムボックスから出した身軽の外套を羽織りながら、具体的にいくつかの地名を理由と一緒に並べて。 続く問いには、にことわらった。 「要るよ挨拶。おめでとうくらい言わせてよお嬢さん」 あと出来たら帰り方も教えてね。それは、まぁ言わなくていいか。聞くのならその時にで構わないだろう。 「そんなとこカシラ。 あ、入り口の鍵は開けれるよね、閉じる方もよろしく〜」 間延びした声でそんなことを投げて。 「ん〜じゃこれにて御機嫌ようお嬢さん方。 残りの祭りも良い日を送っててね〜〜」 夕日を背に受けながら、太陽の方角に倒れ込んでいたのだった。 (-7) 2024/02/08(Thu) 21:48:57 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリー「お、おぉぉ!?」 男性にしては高めのボイス。どこか女性的とさえ思えるソレになってから、音階を刻むようにどんどん低くなって太くなる。 音楽とかそういうのには学がないから分からないけど、同じ人間が出している声なのかと不安になるほどに目を丸くしていた。 「……それは、そうですね。女性相手の接客だとびっくりされそうで……魔除け?みたいにはなりそうですけど。 器用……といって良いのか分からないですけど、エリーさんはすごいですね。そんな声色まで出せるなんて」 なんて笑いながら、これはどうかと提示された化粧品。一つ一つじっくり試して、成分を見て、ついでに値段も見ながら吟味する。 自分のものについては貧乏性が抜けないから困ったものだ。 「まずは、背伸びして立ち上がることも大切ですから。赤子もケガを覚悟で立ち上がらなければ進歩がありませんので。ふへへ……。 じゃあお祭りの最中は、気合を入れるために、ちょっとオシャレな感じになっておきたいですね」 気合いを入れるために、テンションを上げるために。 欲しいものが決まったら……さっき話してくれた通りに、おずおずとだけど奢って貰うことにした。 あれこれ選んでいたらちょっと想定より高くてびっくりしたけど、あなたが支払うのなら深々と頭を下げてお礼を述べた。 「……お付き合いしてくれて、ありがとうございます。色々勉強になりましたし、助かりました」 (-9) 2024/02/08(Thu) 21:57:28 |
【墓】 仕立て屋 エリー「今日は三人か」 掲示を見て、くるりと踵を返す。 普段と比べて、いくらか胸元が膨らんでいるが…… 肩口から見える包帯からして、傷口を布で覆っているから膨らんでいるのが容易に想像できるだろう。 そうして歩いていると、ふと見知った人影をいくつか見つけた。 「あれはプリシラと……カリナか」 空を見上げて、ベンチに視線を降ろして。 普段の明るさはどこへいったのか。無気力そうにぽつりとこぼした。 (+3) 2024/02/08(Thu) 21:57:59 |
シヴァは、空から落ちる花びらに気を向ける余裕が一切なかった。 (c4) 2024/02/08(Thu) 22:03:25 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「ちょっとしたコツがあるんだよ。 多少の訓練もしたけどね」 そう、身バレを起こさないように声を変えるのは必須技能だった。 スキルというほどでもない、ただの特技程度。 それでも、今まで役に立ってくれた特技のひとつだ。 「へぇ、いい言葉だね。 それじゃあ次に会う時のアンジュを楽しみにしておこうかな。 あぁ、そういうお礼はいいよ。僕がアンジュに付き合わせてもらったんだしさ。楽しい時間をありがとう。 それで、このお店の陳列とかは勉強になった?」 (-11) 2024/02/08(Thu) 22:05:03 |
【独】 薄荷 アンジュ「……祝福、祝福」 「これはみんなを救うためのもの。誰か一人でも、取りこぼさないようにするための」 「……そうだと、良いな」 (-10) 2024/02/08(Thu) 22:05:27 |
アンジュは、群衆の中で空を見上げた。 (a3) 2024/02/08(Thu) 22:05:54 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリー「おぉ……やっぱり接客のためには声色を変えたりする必要があるでしょうからね」 そうであろうとそうでなかろうと、身に着けたからには理由があり、あなたにとって必要なことだったのだろう。 それが何なのかは、己の立場では理解することはないのかもしれないけれど。 「うへへ……まだまだ育ち盛りなので。楽しみにしていてください。 そういって頂けるのなら……ありがとうございます。私も楽しかったです。 そうですね……。香料を多く取り扱う都合もあるのですけど、他のものと匂いが混ざらないように配置してあったり、動線がしっかりしてあったり……あと、レイアウトがカラフルというか、見やすいと言うか……そういう印象でした。 売れ筋とか、買って欲しいものをちゃんと考えて配置してる感じで……こういうのだったらマネできるかもしれませんね」 (-13) 2024/02/08(Thu) 22:13:25 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール/* HELLO、こんばんは。 こちら鋼鉄人形、差分の通りまだ魂は無いの。 そんな訳で僕を対象に選んだ貴方が恐らく主です。 痣が光らない代わりによろしくお願いします、主様。 主様の意志は今如何でしょうか。 痣が光らないながら恐らく魂が宿るため連絡失礼致しました。 (-16) 2024/02/08(Thu) 22:35:32 |
ダーレンは、流星のようなそれを、少し離れた場所で眺めていた。 (c5) 2024/02/08(Thu) 22:35:57 |
ディルクは、空が上手く見えない。 (a4) 2024/02/08(Thu) 22:47:21 |
【秘】 寡黙 エミール → 遊蕩 ディルク/* なん……だと……。 とすると……我々、ふたりとも襲撃を跳ね返してしまうため…… 二人で生き残ってしまうのでは……? オオモウ……。 二人で一緒に帰りますか……。 意思……。 帰りたいけど帰りたくないのすごくぐるぐるした状態でして。 あの……帰った先、見た目は子供頭脳は大人のコ◯ン状態になる予定なのですが……どうぞ仲良くしてやってください。えーん。 残してしまうであろう人たちが気がかりと言うことが憂いですが、我々にはどうしようもない……! (-18) 2024/02/08(Thu) 22:55:02 |
アンジュは、薔薇の香りがする。 (a5) 2024/02/08(Thu) 22:56:20 |
【独】 遊蕩 ディルク何が祝福だ。何が祭りだ。 男の表情はきっと、そんな心を表していた。 だから、 美しい空を。花びらを。 見上げて、眺めて、楽しむことが、 (-19) 2024/02/08(Thu) 23:00:42 |
ディルクは、──出来なかった。 (a6) 2024/02/08(Thu) 23:00:59 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール/* ああ、主。元気をお出しください。 僕は今日こそ吊りが来るかと構えていましたが来ませんでした。 かなり二人で生き残る濃厚かもしれません。 襲撃を跳ね返す以前に無魂のまま普通に生きていました。 ぐるぐる状態……。 こちら無魂人形であったため、帰りたいとは考えている。 しかし魂がない、心の行き先がない故にさまようように答えに迷う。 何もかも流されるように生きて、意思をここぞと持てない。 そのような状態でした。(アクション) もしも2人で帰るようであれば仲良くしましょう。 大丈夫、次男だから何とでもなる。 心をここに残さないために必要以上の関係がありませんので、 僕は主様の御心のままに。全力で尽くします。 (-20) 2024/02/08(Thu) 23:11:03 |
【秘】 寡黙 エミール → 遊蕩 ディルク/* こちらも帰るために何にも固執しないで生きようとしてた人間です、奇遇ですね。 ジョブも似てますね、似た者同士です。 いや……最後にそれなりにこの世界にも愛着が湧いてたのだと自覚してしまったところなのですが……。 さて。それでしたら、最終日。 折角主になるのでしたら、秘話にて心通わせられたらと。 その前に少し絡みに行っても良いですね。 まだ最後の吊りがわからないので、二人生き残る説濃厚と考えてますが確定ではないですが……。 とはいえこうなればアンジュさんが襲撃役職なのは確実。 日程を考えると……とはなりますしね。 最終日まで痣の光らない者同士、どうぞよろしくお願いします。 (-22) 2024/02/08(Thu) 23:31:22 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 寡黙 エミール/* エミール様へ ごきげんよう、波魔でございます。 厳正なる審査の結果、御身が襲撃対象となりました。 不都合等何かございましたらお気軽にご連絡くださいませ。 (-23) 2024/02/08(Thu) 23:37:27 |
【墓】 掃除屋 ダーレン暫くその様を眺めた後、祭りの会場を見て回る。 いつものように目的なく───ではなく、自分には似合わないような華やかな装飾を求めてのこと。 幾らかは事前に用意してあるとは思うのだが、高い場所に映えるものはどうしたって目が届かないものだろうので。 「ああ…あー…よくわからねえから、華やかなもんなら何でも。 傷まない括り付け方もあるんだろ?……いや、やっぱ付けられるだけにしといてくれねえか」 「金は出すから……」 不器用だし、交渉も苦手だったものだから。すべて終えるまでは時間がかかっていたようだけれど。 雑貨屋も花屋も、複数の店を回ることとなっていた。 鮮やかな荷物を抱える男の姿は、やけに目立っていただろう。 ───服の首元からちらと見えていた痣も、ほのかに光を放っているのが見て取れるだろうし。 (+4) 2024/02/08(Thu) 23:39:41 |
ダーレンは、広場の高いところを装飾で華やかにする手伝いをしている。声援を浴びながら。 (c6) 2024/02/08(Thu) 23:46:54 |
【人】 番犬 グノウ「………」 「…………」 ここに来ては、何と声を掛けていいものか、分からなくなっていた。このただ祝われるだけの祭りの中で目出度いなどという言葉を掛けられる発光に"そんな感想"を持つこと自体に違和感があるはずなのに。 それは、泥のように拭えないままでいる。 (1) 2024/02/08(Thu) 23:50:17 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール/* 主様はもしかしてもう1人の僕でしたか? 全てをNPCだと思い名を呼ばないことで愛着を捨てていましたが、 1人から名前を呼ばないことを指摘されまして。 結果心が少し、例え一時の縁でありながらもこちらの世界に傾きました。 そうした存在がもう1人いるのも原因ですね。 さておき、主様とのお話歓迎です。 ここまでお話0ですが、心が似ているようであれば接点はいくらでも。 人のいない場所、少ない場所に隠れましたが引っ張り出せますので。 最後の吊りに関しましてはどうでしょう。 ここで急にどちらかに向いた時の感情は言い表せません。 心が裂けてしまいます、何とか助かることを願います。 それでは、こちらこそどうぞよろしくお願い致します。 (-24) 2024/02/08(Thu) 23:56:52 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「ワントーン高くしたりする程度でいいんだよ。 相手に聞き取りやすい声で話すのが大事だから」 電話応対みたいな……と言おうとして踏みとどまった。 電話で伝わるかはわからないし…… 何より、自分はそのために身に着けたものではないから。 「楽しんでもらえてよかった。育ったアンジュが楽しみだよ。 その時も姿を見せてくれる? 提携相手としてさ。 うんうん、すごくよく見えてるね。 これは店舗だからっていうのもあるけど、アンジュが言ったようなことは露店でも真似できると思う。 だからどんどん真似して繁盛してほしいな。 その時は店舗のお金も融資するからさ。融資だからいずれは返してもらうことになるだろうけど」 (-25) 2024/02/08(Thu) 23:59:12 |
【人】 薄荷 アンジュ未だ光らない己の痣を眺める。衣服に阻まれたそれは見える位置にはないけれど、自然と腹部に指が這う。 「……」 周囲は祝福し、称え、その恩恵にあやかろうとする者から、これまで目立たなかった己を激励する声までする。 早く光ると良いな、祝福があれば良いな。 確かにそれは喜ばしいもののはずで、込められた期待は冷やかしではなく本意だろう。 滅多にない機会なのだから。きっと間違いはないのだ。 (2) 2024/02/09(Fri) 0:07:41 |
【秘】 寡黙 エミール → 薄荷 アンジュ/* ごきげんよう、連絡ありがとうございます。 貴方様が原住民(?)波魔さんでしたか。 襲撃は謹んでお受けいたします。 ……が、聖女に気に入られたこの体は樹木子。 貴方の襲撃で痣が光ることはありません。 襲撃ロールのご予定がお有りでしたらその点をご了承くださいませ。 (-26) 2024/02/09(Fri) 0:11:48 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリー「聞き取りやすい……あぁそういえば、風魔法で通話をするときに伝えづらかったことがありました。 普段のトーンで話すから、こういう別のアイテムを介したお話だと伝わりづらいんだという前提が抜けてて、相手には苦労をかけまして」 はたして、あなたが何を続けようとしたのかはいざ知らず。 何を思うのかもまた知らず。あるのはただ、あなたに向けられた感情は尊敬と感謝であることが真なのだ。 「勿論です。一回り大きくなって、立派な商人として目の前に立つことをお約束…… して良いのかな ……いえ、します」提携相手、取引先。自分が大きくなればなるほど利益を生み、相手も自分も稼ぎが期待できるようになる。 薬師として腕を磨くのは当然だけど、こうした経営とか、お店のこともちゃんと学ばねばなららない。 「そ、そうですか。ならさっそく露店に取り入れてみます。 そ、その時は……融資先もまた、多い方が私としても助かるので……ふへ……きちんとお返しできるように努力します。 今日頂いた化粧品の分も余裕で返せるくらいには」 (-27) 2024/02/09(Fri) 0:15:10 |
【秘】 寡黙 エミール → 掃除屋 ダーレン貴方の痣が光る前。お触れが出る前日の夜。 一人の男……貴方をどこかで見かけた。 最初にあの少女の痣を光らせたその日から、これ以上、誰かを監視する気になれなくて目を背けていたけれど。 愛着を見出してしまったその隙が、もしかしたらあの人も。 そんな風な興味が湧いてしまって、その後ろをついていく。 「…………」 貴方が何かしようとするのなら、その意図を聞きたい。 例えそれが、痣を光らせることになったとしても。 それでも、……他人のことを知ってみたいと思ってしまったのだ。 (-28) 2024/02/09(Fri) 0:18:15 |
【秘】 掃除屋 ダーレン → 寡黙 エミール「おい」 ついていけば、段々人気のない場所へと向かっていく。 暫くそのまま、路地の方まで歩いていたかと思うと。 後ろを振り向いて声を掛けた。 たん、と長いモップの柄が地面にぶつけられて 軽く音を立てた。その表情には敵意などはない。 「お前、教会にいたやつだろ」 「何の用だ?」 (-29) 2024/02/09(Fri) 0:28:33 |
【秘】 寡黙 エミール → 遊蕩 ディルク/* あなたこそもう一人の俺ですか? 名前を呼ばない……実はこちらもそうでして。 表でも会話している既知のファリエさんすら、実は一度も呼んでない。 まぁ、どうしても呼ぶ必要があったときは呼んでいたかもしれませんがこの村内では……。 何にも固執しないようにするために、必要以上に名前を呼んだり、関わらないようにしていたのでした……。 (-30) 2024/02/09(Fri) 0:28:49 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 寡黙 エミール/* お返事ありがとうございます。 改めて当方この世界の原住民の波魔にございます。 そして聖女様が目をかけられた樹木子の御身は襲撃では痣が光らない旨につきましても了解しました。 日付変更の後に何事も無ければ襲撃ロールを予定しております。痣を光らせる特別な薬を盛ることで光らせようとするでしょうが、きっと聖女様のご加護のお陰で効果は打ち消されてしまうやもしれませんね。 もしも時間的都合などある場合、概ねそういうことがあった、ということにして頂く形でも問題ありませんゆえ、何卒よろしくお願いします。 (-31) 2024/02/09(Fri) 0:31:58 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「うん、多分そういうのと同じだと思う。 風魔法使わないから詳しくはわからないけどね」 軽く屈んで、あなたの前に小指を差し出した。 指切りの義は、この国でも通用するだろうか。 「約束。僕にもしものことがあっても、ちゃんと契約書は残しておくし。絶対に大成してくれるって見越してるからさ。 じゃ、とりあえず今日はお開きかな? 家まで送っていくよ。 露店までの方が都合いい?」 (-32) 2024/02/09(Fri) 0:43:40 |
【秘】 寡黙 エミール → 掃除屋 ダーレン「…………!」 暗がりでよく見えてなかったが、貴方が持っていたのは長い柄のついたモップ。 仕事帰りだっただろうかと、そんな事を思っていたら急に声をかけられて立ち止まった。 特に何も考えてはいなかった。 等と言って理解してもらえるだろうか。 体の良い理由が思い当たらず、少しばかり視線を宙に向けて、唸る。 「特別用があったわけじゃない……。 ただ、この夜更けに何をしているのか、……興味が湧いて」 「その……」 コミュニケーションが基本的に不得意な男は、言葉が続かない。 (-33) 2024/02/09(Fri) 0:53:38 |
【墓】 栄枯 プリシラ「あ、ダーレンさん!戻ってきてたんですね!」 他の人たちにも勿論挨拶しに行くつもりだったけど、 一人だけ高いところにいたからよく見えた。 跨っていた箒を横に座り直して、その近くで浮かびに。 街の人達の有難がる声が強くなるけどそれはどうでも。 「あははっ、まさかあなたまで祝福されてるとはね。 埋め合わせ以前に、仕返しを考えなくて良くなっちゃった」 何かしらの悪戯をするつもりだった。魔女なもので。 「そう。どうせなら祝福を受けていた方が好都合よ。 難しいこと色々考えなくて済むし、 街の人は前より更に親切にしてくれるしね」 (+5) 2024/02/09(Fri) 0:53:39 |
【墓】 栄枯 プリシラ「何より。これ≠本当にちゃんと祝えるのは、 御話をなぞる街の人や、与え給うた聖女様当人ですらない。 同じ立場に置かれたあたし達だけ」 そんな話を街の人々に聞こえさせるのは決まりが悪いから、 ほんの少しだけトーンを落として。 けれどやはり悪戯っ子のような顔で語る。 「起きたことを諦めるでも忘れるでもなく…… わがままな誰かさんを許し、それか恨み、 それでも前に進むための、痣持ちだけの秘密のパーティ」 未練は計り知れないほど多いことだろう。 身に起きた不運を割り切れないのは当然だ。 最初から最後まで事故のように虐められ続けてきたのだから。 けど。その全てを。与えられ過ごしてきた時間を、 勝手に奪われただけの人生とは、一切思っていない。 「勿論気味悪がられるでしょうね! でも、魔女ってそういうものでもあるから。 あたし、たった一人でもみんなを祝って、“呪う”わ。 このお祭りと祝福を受け入れて、 幸せそうに笑ってるやつがいるんだって!」 (+6) 2024/02/09(Fri) 0:54:10 |
プリシラは、きらきらと瞬いて今にも飛び立つつもりだ。 (c7) 2024/02/09(Fri) 0:54:55 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリーこちらの背に合わせて屈んで、あなたは小指を差し出す。 無意識にこちらも小指を立てる。 故郷では馴染みはないけど、こちらに来てから学んだ約束の儀だ。 「ふへへ……流石にしっかりしていらっしゃいますね」 こうしたなんだかエモーショナルな儀にもきちんと差し込む辺りは、やはり商人として見習いたい部分だ。 苦笑いをして、息を吸って吐いて。あなたの小指に自分の指を絡めて約束を交わした。 肌の色で奇異にみられることもなければ、若さに関係なく自分を肯定してくれる。 それはきっとすごい奇縁で、すごく良いことだ。 「す、すぐに店舗の調整をしたいので……店舗の方までで大丈夫です。まだ時間はありますから」 あなたに買って貰った化粧品の入った袋をしっかりと握りしめながら、少しでも期待に応えるために。 ちょっとでも頑張ろうって思えたから。 「エスコート…よろしくお願いします」 (-34) 2024/02/09(Fri) 1:16:33 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール/* 本当にもう1人の僕かもしれません。 心を置いてしまうと戻りづらいですからね。 それでも人の心があるからこそ迷ってしまうものですが。 遊び歩くのも特定の誰かを作らないためでした。 共通点が多く面白いですね。 こちらにおいては生き方が下手な人間かもしれません。 表でもどうぞよろしくお願い致します。 (-35) 2024/02/09(Fri) 1:19:48 |
【人】 寡黙 エミール>>4 ディルク 第一印象は、軽薄そうな男。 それだけだった。 「……蟲使い」 蟲と獣の違いはあれど、他の者を使役する力。 その力自体は似通ったものだろうか。 ざわり、と。 向けられた目に対し、路地裏に潜む小動物たちが反応して威嚇する息遣いが耳に届く。 何かあれば盾にでもなるつもりだろうか。 一匹の猫が足元にすり寄って己を見上げていたから、大丈夫だと伝えて貴方に視線を戻した。 「……こんな路地裏に何用かと思ってな。 まぁ……、祭りに紛れる気分でもないから付き合ってもいいが」 痣持ちは光に関わらず目立つ。 光っていれば祝福されるし、光ってなければ気の毒そうにされるし。 どっちにしろ、面倒なことこの上ない。 そこに居続けるよりかは、いくらかこの場のほうがマシに思えた。 (5) 2024/02/09(Fri) 1:28:52 |
【秘】 掃除屋 ダーレン → 宝石集め カリナ「いい男なもんかよ」 何も気にはしない、とまではいかなかった。 やはり、バツが悪い顔は浮かべてしまうことになっただろうし。 悪い人間であることに変わりはない。エゴで、他人を不幸にしている。 けれど、それを謝りはしなかった。あなたはそれを望まないだろうと思ったから。 そしてエゴを貫いてまでかなえようとした、その願いだって。 「即物的で、他にもあったはずの大事なものを見ないふりしてるだけだ」 「自分が楽になりたいだけだ」 「あんたが思うほど、綺麗なもんじゃない」 (-36) 2024/02/09(Fri) 1:49:40 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 薄荷 アンジュ「なんたって一国一城の主だからね」 ただ、店舗を持っているだけだけれど。 肌の色、年齢、性別。そんなの全て些細なことだ。 自分はそれらで苦労したけれど、だからと言って他者にそれを強いるつもりはない。 寧ろ、能力があるのなら積極的に取り立てたいと思っている。 今、指を絡めているあなたのように。 ……業務提携は、登用とは別物だけれど。 そうして指切りの儀を終えればあなたにエスコートをお願いされた。 それならば、それに相応しい返しをしなければ。 「じゃあ露店……ううん、店舗の方までエスコート承るよ。 それじゃレディ、お手と荷物を。 責任をもってエスコートさせていただきます」 恭しく傅いて、あなたの前に手を差し出す。 ……少し気障すぎるだろうか? (-37) 2024/02/09(Fri) 2:10:12 |
【墓】 掃除屋 ダーレン「手伝うって言ったのは俺だからな」 魔女らしく箒で上がってくる姿が目に入る。 赤と白のポインセチアを束ねたスワッグが、柱に提げられる。 祝福を意味する花らしい。男にはよくわからなかったが。 「は……自分のことばっかり考えてるから、天罰でも食らったんだろ」 「まあ……大魔女様の仕返しなんて恐ろしいものが回避できたことこそ、祝福であったというべきなのかもな」 祝福だなんて、それこそ受ける資格はない。 だからこそ、皮肉と自嘲交じりにそう言い返してやって。 相変わらず前向きな姿を前にすれば、まだ自分はそうなれないだろうなと思いつつ。 「そこまで言うなら…誰よりも、楽しめよ」 「誰よりもいい恰好で、いい顔で」 そこまでされたのなら、燻っている自分も前をようやく向けるような気がするから。 ここまで来てなお、我儘を言ってやるのだ。 (+7) 2024/02/09(Fri) 2:49:46 |
【人】 遊蕩 ディルク>>5 エミール 小動物の威嚇する声。 耳に届けばふと笑い、胸元の笛を引き寄せる。 人の耳には凡そ届かない音が響き、蟲達はざわめきを止めた。 かさかさと、どこからともなくやってきて。 どこへともなく消えていく。 「…路地裏に用があるっていうよりは、そうだな。 まるで光らないことを憐れむ視線が面倒でね」 視線跳ね除けいつも通りに振る舞えばいいとして、 それでも面倒なものは面倒だ。 棒付きのキャンディを新たに取り出し口に含んで、転がす。 「男2人の遊びってのは華やかさが足りないけど。 僕としては大歓迎、……どうせ暇だからね」 光っていない人間も残り少ない。 いっそ残された人間で広場でパーティも悪くないかも。 祝福されない人間も、決して不幸ではないのだと。 (6) 2024/02/09(Fri) 8:55:41 |
【秘】 宝石集め カリナ → 仕立て屋 エリー「もしかして慰めながら口説いてくれてる? ふふ、ありがとね」 なんだかあなたに対しては、同じ感覚を持っていそうなところが不思議であり、少し怖くもある。 だってここには痣を光らせられる存在が居るっていうじゃない。あなたを疑っているわけではないのだけれど。 でもちょっと弾んだような内緒話は楽しくて愚痴といっただけに気は緩んでいる。 「ん? えっ!? そんなすごいステータス生きて目にすると思わなかったわ? 生まれもってなら相当じゃない、訓練したって言われても正直信じがたいけど……」 「うん? ……あら逃走に奔走色々あったのね。 ええと……うーーん……悪用だなんて、持って手に入れた才でいい生活を送るのは自然だと思うけど、泥棒?それとも……あー、もったいぶらずに教えて頂戴! どうせココだけの話になるわよ」 (-38) 2024/02/09(Fri) 16:02:41 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 宝石集め カリナ「そう思ってくれて構わないよ? 同じ痣持ち同士、仲良くしたいしさ」 痣を光らせるような相手がいるとは聞く。 実際、研究の副産物で光らせることができる毒はできてしまった。 ……まぁ、それは痣を光らせる不届き者以外に使う気はないけれど。 それよりも、結果である他人の痣を非活性化できる毒の方が重要だ。痣の魔力にアテられる前に、誰かに使ってあげたいものだ。 「えー……いいけど引かないでよ? 依頼者とかブッキング以外ではカリナにしか言ってないから」 周りの様子を見てからあなたの手に触れて、レアスキルの『認識阻害』を発動する。 自分から発せられる物事の解像度が一段階落ちるというスキルだ。 発動時に触れあっている相手も対象となる。 これで盗み聞きされる心配はない。 「今使ったスキルで多少察したかもしれないけど、暗殺とかしてなんとか生計立ててたんだよ。 十つくらいの子供が一人で生きていくためだったから…… ……やっぱり引いた?」 (-39) 2024/02/09(Fri) 17:37:08 |
【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ「たっ、試すだけですから! その言葉は薬がちゃんと完成してからにしてください……」 居心地悪そうに両手を胸の前でぶんぶん振ってかけられた言葉をお返し。 孤児院で人生の殆どを費やした女は商売はもちろん、単純な駆け引きというものに疎くなっていた。 なればこそあなたの瞳に溜まった雫をきっとそうだと思い込んで疑わなかった。 信じたかった"救う"という言葉をも嘘にしたくなかった。 痣にかける思いも、この薬に託す願いも。 こんなにもどうしようもなくすれ違ったままに取引は成立してしまった。 「では帰ってからで構いませんか? 飲むだけなら自分でできると思いますし」 (-40) 2024/02/09(Fri) 20:03:13 |
【墓】 白昼夢 ファリエ>>4:20 エミール 「はあ。釈然としませんけどその通りみたいです」 否定するのも無駄な努力だと分かっている。 今回はこちらの負け。 してやったりと得意げに笑う顔は、あなたらしからぬ雰囲気を覚える。 それでもあなたを朴念仁だとは思っていない。 今まで見たことが無かったというだけであなたの一面なのだろう。 拗ねるように頬を膨らませている自身の子供っぽいところもまた、同じような一面なのだろう。 可能性なんて昨日に忘れてきてしまったように思い込んでいた。 もしかすると見えていなかったのか、もしくは見ようとしていなかっただけなのかもしれない。 「……好きにしたら良いじゃないですか」 痣に対する考え方と、それから突拍子もない提案に対して告げた。 座ったまま背を丸めて手慰みに指を絡ませながら、覗き込むように顔だけ横を向く。 分からないだらけの現状でも不思議と答えは決まっていた。 「これが祝福かどうか、エミールの答えを待っていますから」 (+8) 2024/02/09(Fri) 20:16:27 |
【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ「そんなに?よかったね。 確かに私もあんな風にお祭りを回ったのは初めてだったかも」 孤児の世話をするのと一見同じように見えた時間は、女の予想に反していた。 姉妹ごっこという、たったそれだけの違い。 ラベルを張り間違えた同じ飲み物を口にしたら口当たりが違うように、確かにあの時間は未知の体験だった。 楽くなかったと言えば嘘になる。 「じゃあリッカにとってはあれが一番なんだ」 だのに口から漏れ出る声音は一向に晴れない。 幸せを拒絶するように。 楽しさを否定するように。 祝福を享受できない。 一度暴れだしそうになった感情に鞭打つように歯噛してから、うなじを覆っていた手を下ろす。 ぼんやりと下から照らされた女の顔は、やつれていて幽鬼のようにも見えたかもしれない。 (-41) 2024/02/09(Fri) 20:45:11 |
【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ「…………もう知ってるんでしょ。 私はもう、願いを叶えられないんだって。 本当はそれがあるから、楽しそうに笑ってられるんじゃないの?」 飾り気のない顔が醜く歪むのが自分でもわかった。 「滑稽だった?結局は 聖女様 の掌の上。箱庭で踊る愚かな道化みたいに、楽しませられたかな」 「何が──祝福だって?本当に笑っちゃう」 聖女が何かなんて知らない。 守り神でも、創造神でも、奇妙な子供でも、何も変わらない。 もう元の世界に帰ることができないという事実は覆らない。 他ならぬあなたが決めたルールであなたが刻んだ 呪い だ。「いつまでもいい子ぶってないでさ、本音を言ってよ。 帰ってほしくないんでしょ? 自分は何も関係ないみたいに、無邪気に笑ってるの見てたらどうにかなっちゃいそう。 私達はあなたを喜ばせる人形なんかじゃないんだよ」 (-42) 2024/02/09(Fri) 20:47:08 |
【人】 寡黙 エミール>>6 ディルク 何だ同じかと。 少しだけ呆気にとられて、きょとり。 最初の軽薄なイメージ同様、もっと明るく賑やかな事を好むのだと思っていたけれど、どうやら少し違う人物像を持っているようだ。 「……奇遇だな。 俺も街の人達の視線が億劫に思っていたところだ」 とはいえ、食事や遊びとなれば街に戻らなければならないし、光らない痣がふたつも揃えば余計に視線を集めてしまうだろう。 それならば少し、喧騒を離れた静かな場所でのんびりするくらいがちょうど良いだろうかと思案する。 「……そもそも華やかな場所に戻るのは面倒だろう、お互い……。 高台にでも昇って町並みでも眺めてみるか?」 デートに似合いの場所を提案するものの、ようするに。 人気のないところのほうがお互いマシだろうという意見だ。 「それか、いっそ楽しくしてるところを見せつけてみるか」 男としては、どちらでも構わない。 (7) 2024/02/09(Fri) 21:41:54 |
【人】 遊蕩 ディルク>>7 エミール 「あ、今僕に対して偏見持ってたでしょ」 表情で分かると言いながら気にはしていなさそう。 からかいでもするような軽い口調だ。慣れているのだろう。 「僕も人間だからね、面倒なものは面倒。 そりゃ賑やかなのは嫌いじゃないけどさ。 別に人の中心に立って注目を浴びたい訳じゃないって」 楽しく気ままにやりたいように、なりたいように。 許される範囲でふらふらと生きていきたいだけ。 「…高台か、いいね。足りない華やかさが追加されるかも。 見せつけるのも悪くないけど今はその気分じゃないかな」 そうと決まれば向かおうかと、影から出て貴方の近くに。 …今なら、向かう途中空に舞う花びらは見られるだろうか。 あの魔女は今、何を思うのだろう。 (8) 2024/02/09(Fri) 22:28:46 |
【秘】 掃除屋 ダーレン → 寡黙 エミール「別に」 「仕事もないし、祭りの雰囲気は肌に合わないし」 「楽しんでそうな奴にちょっかい掛けてるだけだ」 嘘ではない。 つい先ほどまでも、花の魔女に会ってきたところだった。 モップを肘に立てかけて、ぱっと手を開いて見せる。 煙草の香りがする以外には、変わったところもないのだった。 「何もなけりゃこのまま、酒でも飲みに行くつもりだけど」 「お前は尾行が趣味なのか?」 これまでもやってたのか?そんなニュアンス。 自己紹介の場にはいなかったが、テイマーであることは聞いていた。だが、それくらいなもので。 あなたの事は何も知らないのだ。 (-44) 2024/02/09(Fri) 22:40:23 |
【墓】 栄枯 プリシラ「言われるまでもないわ」 そう言い残し、次の目的地へと飛ぶ──その前に。 身体を大きく使って揺らめき、 花吹雪を纏った腕を広げて広場を見下ろしたかと思えば。 「あなた達にも、華やかさがまだ足りないわね!」 天高くに掲げたフィンガースナップが響くと、 街の人々の頭上目掛けて赤いポインセチアが落ちていく。 いつか昔にやった子供だましの手品ではない、 与えられた命に宿った、こんなにも素敵な魔法。 一番見せたい相手はいないけれど、それでも。 抱えきれないほどの幸運は、確かにこの胸にあるのだから! 驚き、喜びの声、自分の笑い声、 それらを置き去りにどこかへと一直線に。 (+9) 2024/02/09(Fri) 23:59:35 |
プリシラは、白いポインセチアを三つ編みに挿して、またおかしそうに笑った。 (c8) 2024/02/10(Sat) 0:00:06 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 白昼夢 ファリエ「お、おぉぉ……そうですね……。気が早かったです」 興奮冷めやらぬ気持ちを押さえて、間延びした声と共に深く深呼吸。 ……この祭りで痣が光らなかった者は忽然と消えるという噂があった。 その理由も、どういった人間が消えるかも薄々理解してはいるのだけど。 あなたはそうなのかもしれないし、そうでないのかもしれないけれど。 どちらにせよ自分にとって、あなたたちは真に救うべき存在だ。 目を潤ませる雫も、あなたに渡した努力の結晶もすべては本意だし、本気で取り組んだからこそだ。 ゆえに致命的な嘘を隠すのは容易くなる。 ……己が伸ばした救いの手は、真に救う薬どころか、刻まれた痣を光らせる毒に過ぎないのだけど。 「もちろんです。しっかり暖かくして寝てくださいね。ご体調になにか変化あれば遠慮なく仰ってくださいね」 (-45) 2024/02/10(Sat) 0:04:14 |
【墓】 栄枯 プリシラ>>+11 エリー 「ええ、頼みたいことがあって…… ……って、あなた、もしかして怪我してるの!?」 ふわり流れるように箒から舞い降りて、 肩口に覗く包帯を見れば慌てたように駆け寄っていく。 「処置、はちゃんとしてるみたいだけど、 無理しないでね。してほしくないですし」 身体を心配する様はいつも通りの表情で、 まるで何事もなかったかのようにそこにある。 掲示も、祝福も、決して気のせいではないというのに。 「……パーティを開くつもりで、 そのためのドレスがほしかったの! 痣のある場所──背中を曝けるような物がどうしても。 勿論エリーさんも誘うつもりなのだけど……」 怪我のことも、痣についてのことも考えて、 やはり無理はしなくていいという心情が滲み、言い淀む。 ドレスのことだって、今は頼むのを迷っているくらいだ。 (+12) 2024/02/10(Sat) 1:25:50 |
【秘】 寡黙 エミール → 掃除屋 ダーレン「……なるほど」 確かにあまり喧騒などが好きそうには見えないが。 とはいえ、いい趣味してるなとは思う。 ……趣味。 「いや……、そんな趣味はないが。 ただ……この祭の間やることもあるからな」 その結果ストーカーまがいのことをしているわけで、疑問に思われるのは至極最もである。 「本当に酒を飲むだけなら良いがな……。 痣を光らそうとするやつもいるようだし……どういうことか、俺は知っておきたい……から、気になったものを見ておくお事にした」 (-46) 2024/02/10(Sat) 2:15:56 |
【人】 遊蕩 ディルク>>10 エミール 正直すぎるのは玉に瑕だが、正直者は好ましい。 寧ろそう見えているなら結構結構。 評価もイメージも何ら間違いではない。 今回はたまたま、こうであっただけだ。 「……おー、指摘しちゃう?いいけどね」 「笑顔って心からじゃなくても出来るもんだよ。 そりゃ楽しい時はちゃんと笑ってるけど」 よく見てるんだなという印象。 しかしここで長話もなんだから、それじゃあ向かおう高台へ。 向かう途中は適当な話を続けただろう。 例えば、今日は何を食べたか。例えば、昨日は何を食べたか。 そもそも食欲あった?よく寝れた?行き道で何か買ってく? その程度の、適当な話。 高台周囲は街とは異なり静かで、 逃避成功だねと男は笑って街を見下ろしていた。 (11) 2024/02/10(Sat) 6:04:56 |
【墓】 栄枯 プリシラ>>+13 エリー 「大したことないあれこれを気にしちゃう性分で。 ……何もないようならそれでいいんですけど」 癒しに造詣が深いわけじゃなし、 適切な処置がされているならそれでいい。 自分を棚に上げて、他人ばかりを気にしている。 そちらの問い、表情を窺って、 何か考え込む様子を見せては、軽く息を吸った。 「……あたしね。わかってるの。 なんで祝福を受けた皆が萎れていくのか。 お話で嘉すべきとされる素敵な出来事が、 どうして当事者の笑顔を枯らしていくのか」 「早く、この夢から醒めたかったのよね」 だいたいの人にとっては悪夢と呼ぶだろうが。 それこそが紛れもない現実として焼き付いてしまうのは、 耐えがたいことに違いない。魔女はなぞらえて。 「それでも……誇りたいと思ったから。 どんな状況でもこうべを上げて咲くように。 あたしは本当に、現実に置き忘れたもの沢山あるけど、 それでもこの夢に精一杯生きて…… 夢見た魔女で居られて、とっても楽しかったの!」 (+14) 2024/02/10(Sat) 8:00:22 |
【墓】 栄枯 プリシラ>>+13 >>+14 エリー 魔女は両手を合わせて、ただ微笑む。 能天気に何もかもを受け入れたわけじゃない。 苦悩して、譲歩して、その先に浮かんだ答がこれなのだ。 「だから、強く悲しんだりして否定したくなかった。 ……誰かが祝福したからじゃない。 あたしが皆の分までこの夢を望むから、 光る痣を晒して、皆の為のパーティを開きたい」 誰も参加しなかろうと、ただ独りでもそこに立つだろう。 深い事情も知らぬままどこまでも独善的に咲き誇って、 現在を肯定して、いつか踏み出すための土壌を作る。 「なんであいつは平然と受け止められるんだって、 痣を持った誰かから疎ましく思われるくらいでいい。 ずっと先のいつか、他の皆の心がまた芽吹くとき、 憎たらしい大魔女の姿を絶対に思い浮かばせるわ。 それぐらい──綺麗なドレスを、あたしに纏わせて」 葉と蔦のストールを靡かせて、えらく抽象的なイメージを。 大魔女の希望することは、それだけの大きな野望だった。 (+15) 2024/02/10(Sat) 8:03:00 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ祭りの喧騒は、遥か遠く。 何も変わっていないはずなのに、ただぼんやりと光るあなたのうなじだけ、確かな変化を示している。 本来、聖女にとってその変化は喜ばしいことのはずだ。 この世界からあなたたちは―――あなたは、出て行かずにいてくれる。 でも、光らずにいてくれても、よかったのだ。 ううん。光らない方が良いのだと、聖女は知っていた。 あなたはそれを、望んでいるんだって。 (-47) 2024/02/10(Sat) 10:31:29 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ「 ………… 」 だから。 あなたの言葉には、ほんの一瞬、言葉を失って。 微かに下がった眉尻。それでも、すぐに力なく、笑って。 ……―――"やっぱり"。 どうしても。そう浮かぶことだけは、止められない。 (-48) 2024/02/10(Sat) 10:33:45 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ「 ――― ええ そう。 ファリエの いうとおり 」 あのときと同じ、諦めを帯びたかお。 「 帰って ほしく なかったわ。 ずっと。 みんな。 ……誰も 」 何年も。何十年も。何百年も。 聖女祭りが繰り返される毎、いなくなってゆくひとたちの顔は今も忘れない。 誰もがみんな、帰りたいって願っていた。 あなたと、おんなじ。だから、だから聖女は、 (-49) 2024/02/10(Sat) 10:36:35 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエルールを決めたのは、確かに自分。 決して誰かに強制されたわけじゃない。 すべて、自分の意思。 ううん、本当はひとつだけ、"例外"は確かにあったけれど。 「 でも みんな 帰りたいのよね 。 みんなは この世界が きらいなの 」 「 …… だから それなら、 もっともっと、いい世界にしないと 」 光った痣を、"聖女の祝福"にしてしまって。 みんなから「おめでとう」って言ってもらえたら、悪くないなって思ってくれるかしら。 手伝ってくれる人達の願いを叶えれば、今よりもっと住み良い世界になってゆくかしら。 帰らなくてもいいって、思ってくれるかしら。 「 ――――…… でないと 」 (-50) 2024/02/10(Sat) 10:37:57 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ―――ねえ、ファリエ。 それでも、わたしはやさしいかしら。 みんながほんとうに帰りたいってこと、知っているのよ。 だって行かないで、って言っても、誰もここにいてくれないの。 ……わかってるの。わかっているのに。 わたしは、このお祭りを失くしてしまうことができないの。 そうやって、みんなの願いを潰えさせてきたの。 (-52) 2024/02/10(Sat) 10:42:34 |
【教】 聖女 リッカむかし、むかし。 まだ聖女とも呼ばれてもいなかったその子供は、 その力でひとつの世界を創り上げました。 ――― 幾星霜のメモワール。 その世界を模したことだって、 何の意味もないわけではありません。 だってその世界は、誰もが知るほど愛されているはずでした。 …… 愛されている、 はず だったのです。 (/0) 2024/02/10(Sat) 10:50:20 |
【鳴】 番犬 グノウ例えば、だ。 自分の大好物がケーキであったとする。 そのケーキが"食べられないこと"を不幸と呼ぶのならば、 そのケーキを"他の誰かに食べられてしまうこと"という 更なる不幸が生まれると俺は思う。 だから、事故のことを、俺は未だに許せない。 隣に座る明るく意気投合した女も。 目の前に座っていた髪の長いいい匂いがする女も。 後ろに座った足を俺の座席に掛けてきた女も。 全部、自分が選ぶことが出来る"ケーキ"だったはずなのに。 それら全てを奪って行ったその瞬間。 せめて隣に居る女だけでもと手を伸ばした細首が。 そこに巻き付く自分の掌の感触が。 こんなハリボテのような体になっても、 未だに俺を俺たらしめてさせているのだ。 だからきっと。 俺の"刻印"は、その時 "親指を強く捻じ込んだ""顎"に浮かんだんだと思う。 ――そうだろう、女神様。 ▽ (=0) 2024/02/10(Sat) 15:19:46 |
【鳴】 番犬 グノウこちらの世界で俺はその運命の相手を探していた。 俺の"人生"で唯一殺せなかったその女は、 きっと俺と同じ境遇で世界のどこかに居るはずなんだ。 温度のない肌と血の流れていない身体に残る、 その感覚だけが荒唐無稽で温度のない 自動人形の中に封印されていてなお、 自分が血の通った殺人鬼である事を思い出させてくれたから。 ありとあらゆる方法で他人に近寄った。 人は、その人だけが知っている情報を明らかにされると、 急激に距離を縮めてくれる。 俺にとって言葉は警戒を解くための呪文で、 俺にとってこの図体は 警戒を解くための前準備でしかなかった。 まあ、魔女ちゃんやシヴァピッピみたいに、 簡単には靡かない人もいて、そういう相手は丁寧に丁寧に 時間を掛けて解していかないといけなかった。 そんな時には逆にこの朽ちない身体が、 その邪念を上手く包み込んでくれた。 そうして時間を掛ければ、 相手の首に手が届くか、 相手の首に手を掛ける必要がないかの二拓で、 その相手との関係は殺人鬼にとって"正常化"された。 ▽ (=1) 2024/02/10(Sat) 15:21:02 |
【鳴】 番犬 グノウ武骨な武人でありながら本性は軽快。 軽薄な態度でありながら本性は沈思。 男性的な側面を持ちつつ本性は女性。 大人のような身の丈でも本性は子供。 様々な仮面を纏うには、 嘘が表情に現れないこの自動人形の身体は、 随分と味方してくれたように思う。 その仮面も、この祭りが終われば用済みだ。 グノウという名も、今の立場も捨てて、 またどこかの街で獣の自動人形として、 人々の心の隙間に滑り込もうと思う。 その時はどんな仮面を被るだろうな。 今回覚えた、何人かのような振る舞いをすれば、 少なくともそいつがこの祭りで勝ちえた信頼くらいは、 自分も勝ち得ることができるだろうか。 そしてその仮面でなら、 あの時手を掛けようとした運命の相手は、 ――俺に喜んで殺されてくれるだろうか。 ――俺に殺されて悦んでくれるだろうか。 ▽ (=2) 2024/02/10(Sat) 15:22:24 |
【鳴】 番犬 グノウなあ。 多分、もうこの思念の共有も、 既に切れているだろうけど。 最後にここで、 一つ言えることがあるとすれば。 もし、運命の相手がキミであるならば。 大人しく俺に、首を絞めて殺されてくれ。 世界中の、感覚共鳴者に向けて。 俺は笑顔で思念を送った。 さあ。 次は誰と会話を試みよう。 (=3) 2024/02/10(Sat) 15:23:35 |
【秘】 薄荷 アンジュ → 仕立て屋 エリー「ふへへ……お願いします」 調子に乗ってお願いしちゃったけど、あなたはノリよく応じてくれた。 あなたに今買った化粧品の入った袋を持ってもらい、差し出された手を取った。 キザかもしれないけれど、そういった対応なんて縁遠いと思っていたものだから、喜ばないわけにもいかない。 薄っすらと笑みを浮かべて、あなたの眼に視線を絡める。 「一国一城の主様……まるで王子様のようですね」 自分を見定めて背中を押して、そんな自分の手を取るあなた。 なるほど、実際に直面するとこそばゆい気がするけど、いい気分だ。 「それでは参りましょう、エリーさん」 そうしてあなたに手を取られながら、自分の店まで送ってもらうことになるのだろう。 (-53) 2024/02/10(Sat) 16:47:17 |
【人】 薄荷 アンジュ予定していた仕事のノルマを終えて、広場へと足を運ぶ。 相変わらず人々は楽しそうに歩いていたり、開けた場所では踊っていたり歌っていたりと様々だった。 民衆の熱気から逃げるように彼らを横目に過ぎていく。 尾引くようなローズの香りが彼女の跡を辿るようにふわりと舞っていた。 (12) 2024/02/10(Sat) 16:56:12 |
【人】 寡黙 エミール>>11 ディルク 指摘したのはなんとなくだ。 別に、そこに興味が少しだけ湧いたという話し。 それもこの祭りに毒された気がしていて、気持ちが少なからず動くようになったことを自覚してバツが悪い思いだ。 さて、道中で飲み物くらいは買っただろうか。 適当な話しに適当に答えながら着いた頃、眼前に広がる町並み、広場が賑わう様子を見下ろして、より自分が置かれている立場がわかりやすく見える。 自分は最初からからこんな距離感で、賑わう祭を眺めていたらしい。 「……悪くない。 普段はここに来ようなんて思わないしな……」 蟲使いはどうだか知らないが、自分は街中よりも、森で動物とともに居るほうが好ましい。 村から外に出ようと思わなかったのも、人との関わりを最低限にしていたからだ。 手に持った飲み物をぐいっと喉に流し込んで、隣に立つ男に流し目を送って小さく鼻を鳴らした。 「……アンタは、普段は何してるんだ。冒険者でも?」 (13) 2024/02/10(Sat) 20:28:49 |
【秘】 宝石集め カリナ → 掃除屋 ダーレン「私が知ってる男より空気が読めるわ」 もしかしてと思った予想は当たっていたみたいだ。 でも追求するのはやめておこう、自分だってきっとそういう選択をした。 それに自分は、あなたに対して嫌な感情を持ちたくないのだ。 そして痣が光ってもまた同じ祭りに参加した者同士話せたら嬉しいと思っている。 「そうやって大事なものがあるって思われてる時点でその人も嬉しいに決まってるじゃん」 「楽なものには誰だって気が行く。 だから精々全部納得できるような行動をし続けることね」 「……報われて頂戴? 私は違う方法で自分の夢を叶えるわ」 全部勝手な期待。エゴの押しつけをしながら、自分の現状を納得させるように頬を叩いた。 「よし、あとはあなたから気になる事はある? 特にないっていうなら……私からは美味しいパン屋の情報を教えてこの話は終わりよ」 (-54) 2024/02/10(Sat) 20:53:00 |
【秘】 白昼夢 ファリエ → 薄荷 アンジュ「分かりました。 その時はまた探しに来ますね。 明日になったらどうなっているのか……楽しみです」 薬を懐に仕舞って頭を下げた。 これから女は孤児院に戻り、言いつけ通りにあなたの特製薬を服用する。 そうして夢見がちな少女のように穏やかな眠りに就いたのだった。 それが夢を絶つ毒とも知らず。 (-55) 2024/02/10(Sat) 21:51:03 |
【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ「──────何、それ」 あなたが言っていることを聞いて。 女は欲しがった答えを手にしたのに、どうしようもなくこの胸は空虚のまま。 「どうしてそうなるの?」 否定したかった。 この世界を嫌いだなんて、ファリエは一度も 思えなかった 。祝福も協力者による"救い"も。 全部あなたの善かれと思った贈り物なのだとしたらあんまりに皮肉だ。 だってそれは縛り付けられた檻の中で与えられる烙印のようなもの。 受け入れられるのなら、きっと初めから帰りたいなんて思わない。 (-57) 2024/02/10(Sat) 23:28:26 |
【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ世界がより良くなったとして。 世界に人が住み着くようになったとして。 世界を人が愛するようになったとして。 世界は孤独じゃなくるかもしれない──けれど。 「それじゃあ誰も……リッカを好きになってくれないよ……」 ファリエはただ。 ただ……抱きしめたかった。 怒りも、絶望も、困惑も、ない交ぜになった混沌とした心を置き去りにして。 空気に溶けることもできない身体も脱ぎ捨てて。 すれば残るのは"ファリエ"だけ。 それは全部があなたからもらったもので、確かにあなたが望んだものなんだよ。 あなたに愛されてあなたを愛したファリエを、透明になんてしてしまわないでよ。 (-58) 2024/02/10(Sat) 23:29:29 |
【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ「あーあ…………わたしたちって。ひとりぼっちとひとりぼっちで。 ひとりぼっちになりたくなかったのに」 投げやりに唇を震わせる。 頬を伝う雫に白雪のような煌めきは無いけれど。 冬の静寂でも冷めないあたたかさがあった。 零すべきでは決してないそれは、もはや行き場を失うしかない。 「ひとりぼっちにしかなれなかったんだね……」 (-59) 2024/02/10(Sat) 23:31:14 |
【秘】 白昼夢 ファリエ → 聖女 リッカ──ねえ、リッカ。 私がみんなと違ったらそうはならなかったのかな。 でもね。 あなたもみんなとおんなじ。わがままなんだよ。 誰だって幸せはエゴでしかないから。 だから。 幸せを痛くないかたちにしたかったんだよね。 ほらやっぱり。 私はあなたが好きだと思うんだ。 (-60) 2024/02/10(Sat) 23:35:05 |
【人】 寡黙 エミール>>+19 ファリエ 「……あぁ、わかった」 忘れない、と頷く。 とってつけたような先生の顔は気になるが、子どもたちの前では笑ってないといけない。 それはわかるから、先生というのは難儀な職業だなと呟いた。 「泣きたいときは泣けば良い。 ……”先生”してる時は無理でも、また……付き合う。」 別に今まで泣いていた訳では無いが、愚痴を言いたいときは言えばいいとそう思う。 だからそう告げたけれど……それが最後。 その後は他愛もない話をして、ぎこちない顔を少しほぐすようにして孤児院へと向かった。 待ちかねたように出てきた子供たちにもみくちゃにされながら、その日は祭りから離れてのんびりと過ごしただろう。 (15) 2024/02/11(Sun) 0:49:06 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ誰とも遊んだことなんてないくせに、 見よう見まねで世界を創った創造者。 みんなと遊びたかっただけ。 みんなと過ごしたかっただけ。 ―――ひとりぼっちで、いたくなかっただけ。 自分を好きになって欲しいなんて、 きっと、思ったこともなかった。 それ以前の、問題だったから。 (-61) 2024/02/11(Sun) 10:37:51 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエあなたの言葉に、そう思って。 聖女はまたあわく微笑んでいた。 いつか自分も、誰かに愛してもらえるかしら。 でもいまはまだそのときじゃないって。 だけど、聖女はみんなを愛していた。 いなくなったひとりひとりの顔も忘れないほど。 だから、―――ううん、その中でも、聖女は。 (-62) 2024/02/11(Sun) 10:39:05 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ「 ファリエ 」 濡れた涙に、聖女の指先が 触れた 。この冷たい冬の夜空の下、そんなものも感じさせない暖かな手だった。 聖女がそう望んだから。 だからこの手は、そんな、子供みたいな体温の手。 「 ファリエは ひとりぼっちじゃ ないわ 」 「 ――― だって わたしが いるもの 」 そのままあなたの頬に手を添え微笑うのだ。 あなただけは。ひとりぼっちじゃないよって。 (-63) 2024/02/11(Sun) 10:41:30 |
【秘】 聖女 リッカ → 白昼夢 ファリエ星空を見上げた、ちいさな転生者。 そのすがたに何かを重ねて、聖女はその夜自らの姿を露わにした。 "それ"が、何だか知っていたから。 "それ"は、とても寂しいと知っていたから。 "それ"を、放っておけないと、そう思ったから。 だから、あなたは"聖女のお気に入り"。 ……あなたと聖女は、おんなじだったから。 「 わたしが いるわ。 ……ファリエ 」 ダメ押しのようにまた告げて。 ふわりと浮いた身体は、あなたと視線を合わせている。 淡く光る聖女の身体と、あなたの痣と。 その上に、星々が一面に瞬いている。 きっと、あの日とおんなじに。 (-64) 2024/02/11(Sun) 10:42:43 |
【秘】 宝石集め カリナ → 仕立て屋 エリー「引かないでっていったのに聞く?」 絡み酒が少し入ったような酩酊の気分の最中、触れられた手に首を傾げていれば認識阻害のスキルに目を瞬かせて、わと声を出す。 「これ、レアスキル? 初めてお目にかかったわね」 「浮かれすぎたかしら? そんな緊張しないで。 正直意外だったし良いことだなんて思わないけど……。 必要だった技術に非難なんてしない、ここはそういう世界よ」 「私だって盗賊ギルドってバレたら、近寄られなくなるの。名前で損してるの」 誰かに言われたそんな言葉を使ってあなたを元気づけるような声掛けをする。盗賊とか暗殺の字が恐いのではと、情報屋や護衛とかもう少し存在するではないか。 この世界では仕方のないこと、立場が違えば自分もする必要があったかもしれないと、口には出さないが覚悟しようとしたことを思い出して。 「殺されそうになるまでは味方よ。 私に依頼が来たら返り討ちにするわ、覚悟して?」 そんな事はできなくとも、言うだけ、酒の勢いは女の気分と調子をよくさせ続けていた。 (-65) 2024/02/11(Sun) 12:20:16 |
【秘】 仕立て屋 エリー → 宝石集め カリナ「……だって、モンスターじゃなくて人を殺めたなんて。 穢れた手で服を作ってるなんて、引かれても仕方ないかなって」 叱られるのを恐れる子供のように俯いていたけれど、あなたの言葉で視線を戻す。 「必要だった技術……ていうかカリナ、盗賊ギルドだったんだ。 何? 人の心盗むのが得意みたいな?」 元気づけてくれたあなたに、軽いお返しとばかりに冗談を。 共感だけでなく、理詰めで無理矢理納得させられるのはなんだか心地いい気もした。 「それは困るな。 カリナ暗殺依頼が来たらまず保留にしてカリナと相談しないと」 ま、今は依頼を蹴る程度の蓄えは余裕であるのだけど。 穢れた手で今更ゴミ掃除をするくらいならと足を洗えていないのも事実だ。 そしてカリナは宝石であってもゴミではない。 そんな依頼がきても、受けるつもりは毛頭ないのだ。 (-66) 2024/02/11(Sun) 15:52:29 |
【人】 薄荷 アンジュ>>+21 カリナ 「あ、いえ全然。こう……お祭りの期間ですから、華やかなほうが雰囲気としては良いかなって。 小さいですし未熟な身ですが、それっぽく見せた方が売り上げも伸びるかななんて」 概ねあなたが思考を巡らせた内容と合致するものだった。 自分なりの効率的な手法でもあるのだけど。 とはいえ、もう仕事も終わったところ。色気より食い気、花より団子のタイミングだ。 「あ、ありがとうございます。 実はアドバイスを受けて、店構えや出している品物を変えてみたら結構繁盛してて、今日もてんやわんやでして」 ご飯を食べ損ねていたことも思い出して、真似するようにお腹を撫でて苦笑いを浮かべた。 (17) 2024/02/11(Sun) 20:24:48 |
【人】 寡黙 エミール>>14 エミール 「外の世界は暇つぶしになったか? 行こうと思えば行けただろうが、あんまり楽しさとか必要ないと思ってたからな……」 適当に人と接する代わりに動物と接していたと言えば想像は容易いだろうか。 獣使いなだけあって、動物は好きで癒やされる。 動物は自分たちで生活もできるから、深入りし過ぎないで済む。 少し心配になるのは、魔物よけがなくなった後の老人くらい。 「だから俺は村で動物や年寄の相手しながら、月に数回ルフトまで買い出しに行かされる毎日だった。 まぁ、ルフトまで来たら知り合いのガキどもに会いに孤児院に寄るのが気晴らしっちゃ気晴らしだったが……」 (18) 2024/02/11(Sun) 20:42:52 |
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