人狼物語 三日月国


326 【R18身内】Everlasting Summer RSS
(2026/08/23(Sun) 0:00:00 に更新。 延長2回まで。)

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 / 最新


月が姿を変え、新たな一日が始まった。村人は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?

楽観
人狼なんているわけないじゃん。みんな大げさだなあ。
誰かが死んでしまったのも部外者の仕業だよ。人狼なんているわけない。

だから処刑だなんて、そんな物騒なことはやめようよ。

現在の生存者は、藤枝 真稀、七川 惺、飛鳥 悠凛、七川 幸臣の4名

【人】 飛鳥 悠凛

[バッキンガムの裸の胸に指を添わせる。
 立てた指先で、心の臓が収まる左胸をつっと撫で下ろす。
 観客席からは、丁度真横からその様が見えるだろう。]


  
  陛下の嘆きは、
  私の嘆きだ……──


[嘯きながら男の身体にゆっくりと乗り上げる。
 下半身は、毛布に隠れて見えない。
 腰に回させたバッキンガムの腕が、二人の肌の境目を隠す。]
(0) 2026/08/17(Mon) 0:07:04

【人】 飛鳥 悠凛







    父上の哀しみは、俺の──…………


[睫毛がしとりと臥せられるのと同時、
 声が細く掠れて消える。
 リチャードの手は、バッキンガムの腰に添うている。
 白い背がしなる。長い髪が波打つ。

 本番を迎えれば、寝台が軋む音も聞こえるだろう。*]
(1) 2026/08/17(Mon) 0:16:50

【人】 七川 惺


[始めはリチャードの隣から
 次には肩を抱いてほぼ背面から手を回していたのだが
 リチャードがくるりと姿勢を変えて、向き合う形となる。

 そうすれば、攻守逆転だ。

 ひんやりとしたナイフのような指で
 左胸を撫でおろされる。]


  ……ッ。


[声を上げそうになったが、唇を引き結んで堪えた。
 本番では、俺は下半身に肌色のホーズを付けている。

 今は黒い厚手のタイツで代用しているが
 リチャードに導かれて腰に回した腕のせいで
 毛布の下に隠れた肌も、
 上半身と地続きの素肌でいるように見えるだろう。]
(2) 2026/08/17(Mon) 0:28:06

【人】 七川 惺


[毛布で隠れている分
 観客の想像力を掻き立てるのではないか。]


  あんたの嘆きを、

  あんたの、哀しみを、

  俺で埋めることが、できる、の、なら。


[声が途切れ途切れになるのも、演技のうち
の、はず。


 万一タイツが見えないように、観客側の手は固定し
 観客から見えない側の手で、
 悠凛≒リチャードの脇腹から腰、
 太腿まで撫でおろした。*]
(3) 2026/08/17(Mon) 0:42:09

【人】 飛鳥 悠凛

[俺で埋めることができるのなら、と
 切れ切れに訴えるバッキンガムに、
 リチャードは満足げに口端を撓めてみせる。]



  ふ、 お前にしか、出来ないこと、だ……



[凛とよく通る声が、今は揺れている。
 枝垂れるようにその胸に身体を預けて、
 リチャードはバッキンガムの耳元に唇を寄せる。

 実兄を亡き者にするための猛毒を、
 その耳に甘く流し込むかのように。]
(4) 2026/08/17(Mon) 1:02:57

【人】 七川 幸臣


[このシーンは途中から観ていた。

 だから今日が上半身裸になって熱演するのは
 私の知らないことだったんだが。

 ……息子が額から脂汗流してるようだったからね。

 小ホールのロッカーから、
 ボクサーが羽織るような長衣を二対取り出した。]


  今日はそこまででいいよ。

  ……はい、お疲れ様。


[やれやれ、だな。明日から薬飲んで来いよ。**]
(5) 2026/08/17(Mon) 1:03:17

【人】 七川 惺


[次の瞬間、親父の声が聞こえたんだ。>>5
 いつから来てたんだ、知らなかった。


 「特に悠凛君の最後の演技、よかったよ」なんて言ってら。

 そうして俺は救命浮き輪ならぬ、ガウンを渡された。**]
(6) 2026/08/17(Mon) 1:24:58

【人】 飛鳥 悠凛

[耳元で惺を煽って、ふわりと微笑む。

 ……ああ、愉しいな。
 ぎりぎりの綱渡りの高揚感。
 じきに本番の舞台の上での掛け合いを、惺と演れる。

 返ってきた答えは、今日の謝罪と明日の約束。

 惺の耳にだけ届くよう、ち、と微かに舌を鳴らして、
 リチャードとして鷹揚な笑みを浮かべてみせる。
 いいよ、今日は許す。
 代わりに頬に片手を添えて、誓約の口付けを深く重ねる。]
(7) 2026/08/17(Mon) 16:44:51

【人】 飛鳥 悠凛

[途中から七川先生が観ていたのには気づいていた。
 今日はそこまでと声がかかったから、
 惺の唇を解放してやって、未だ濡れた唇で
 はい、と返事をする。

 最前列に招んだ親や姉の目前で演るようなことも、
 顔見知りと演ることにも慣れているから、お父さんの前で
 大事な一人息子にあれこれした後でもあまり羞恥はない。
 プライベートで目撃された訳じゃないからね。
 だから、「特に悠凛君の最後の演技、よかったよ」と
 お義父さんに濡れ場に言及されても、
 「でした?」と普段通りの調子で答える。]


  お疲れ様、惺。


[惺は俺に乗っかられてるから、先生から二人分のガウンを
 受け取って、惺の肩に先に着せてやる。
 相手女の子じゃないけどつい癖で。]
(8) 2026/08/17(Mon) 17:33:33

【人】 七川 惺


[周りをよく見渡せる余裕なんか全然なかったけど
 何となく空気っていうのは伝わって
 最前で観てたスタッフさん二〜三名、
 
男性スタッフでまだ良かった

 迫真すぎるのでは?っていう雰囲気があった。

 そこへ親父がやってきて、さっきの台詞。>>6
 それを悠凛が「でした?」って普通に返したので
 張り詰めた空気が和んだ。]


  「……あ、ああ。すごい熱演でしたね?」

  「手に汗握っちゃいました……良かったです。」


「俺は冗談抜きで額に汗が滲んでたみたいだ。
 
 …親父も若い頃一寸役者をやってたらしいし、
 勿論演出の経験は長いから場数も踏んでいて、
 ステージ慣れした悠凛とのやりとりは、
 期せずして息の合ったパフォーマンスだったといえる。]
(9) 2026/08/17(Mon) 21:12:36

【人】 七川 惺


[ふわっとガウンを着せ掛ける
 優しげな手つきを見た周りの反応は、
 俺からみた初見の感想とは全く違って見えたようで。]


 「さっきまでの熱帯夜のような空気とは一転、
  微笑ましいですね。」

 「舞台経験の豊富な悠凛君が
  舞台初体験の惺君を気遣ってるんでしょう。」

 「高校、同じだったそうだし、同学年だし。
  仲いいんですね。]


[……何とか立て直して、ガウンの紐を自分で結ぶ。

 もしかしたら、悠凛が手を差し伸べて
 立ち上がるのを補助してくれたかな。
 何にせよ、大人しくリードされた。

 しょうがねーよな、誕生日は先に来たけど
 経験値の差はデカい。]


  お疲れ様です。ありがとうございました。


[周りのスタッフさんに礼を言う……親父にも。]
(10) 2026/08/17(Mon) 21:37:43

【人】 飛鳥 悠凛

[俺達の作った空気に少し飲まれたような
 スタッフさん達の反応に笑って、
 「良かったです、どーも」と軽く返す。>>9
 惺と俺との関係が、演技に迫真を持たせる方向に
 働くってんならそれも好都合。
 これからパンフの撮り直しや取材もあるし、 
 あの二人仲良過ぎない?って噂立つくらいで
 前宣伝には丁度良い。
 あんまりやり過ぎると、本気で疑われちゃう
 可能性もあるけどね。

 懸念も危険要素もあるのに、“楽しい”と今思っている。

 何か追い込まれるような事があった時に、
 リヒトに「何でお前ちょっと楽しそうなんだ?」と
 何とも言えない顔で突っ込まれることがある。
 逆境をつい愉しんでしまう図太さは、俺の性なんだろう。
 

 そんなことを考えてるうちに、身体はもう治まっている。
 うん、問題なし。
 キスの後で逆に乾いた唇をぺろっと舐めて頷く。]
(11) 2026/08/17(Mon) 22:17:44

【人】 七川 惺


[悠凛がキスの後で自分の唇をぺろっと舐める。
 楽しそうにしている時の癖……なら、俺も嬉しいんだよ。


 身体は治まってる。

 行動や身体が先で、思考や心が後から追いついてくる。
 ……まあ、いつものことではある。

 雑談を続けた時間はそんなに長くなかったと思う。
 さっき思い描いた姿とは逆に、
 俺の方が悠凛に手を伸ばしたかな。

 ふざけてるみたいな口調で。]


  お手をどうぞ、マイ・ロード。


[そうして、小ホールを後にした。

 ──舞台稽古の日も近い。*]
(12) 2026/08/17(Mon) 23:15:51

【人】 飛鳥 悠凛

[何気ない雑談の間に>>10
 「高校、同じだったそうだし、同学年だし。
  仲いいんですね。]
 そんな話題が交じったから。
 これ幸いとばかりに切り出した。]


  そうなんすよ、
  普段から結構遊んだりもしてて。

  何気に今住んでんの、
  同じマンションですからね。
  俺が元々住んでたとこ紹介して。


[だから遠慮ないんだよね俺が、と
 惺に笑いかける。]


  今日上がりの時間同じでしょ。
  車回してもらえるから、
  乗ってっていーよ。


[そう人が揃っている前でわざと誘った。]
(13) 2026/08/17(Mon) 23:54:29

【人】 飛鳥 悠凛

[稽古上がりに、恋人に手を求められた。
 付き合い始めた日の夜、
 初めて惺に誘われた時みたいに。]



  ……ん。


[目を眇めて、お手するみたいにぽんと片手を乗せる。
 お疲れ様でしたー!と改めて周りに声をかけて、
 ぱっと手を離すと先に立って歩き出す。

 控室で着替えて荷物を回収する時、
 どうしても数時間前のことを思い出した。
 ちらりと惺を見上げたけど、何も言わなかった。]
(14) 2026/08/18(Tue) 0:02:12

【人】 七川 惺


[悠凛に笑いかけられれば。>>13
 
かわい…今すぐ抱きしめたい…


 内心とは裏腹に。]


  コイツ、暴君なんですよ!
  好き勝手振り回されて…遊んでます。


[半ば本当だけど、暴君は言い過ぎ。
 だけどじゃれあうみたいな口調で年相応に言って、
 俺は相好を崩した。

 あ、同じマンションに住んでるって、言っちゃうの?
 いや、かえっていいのか、そうか……]


  あ、乗せて乗せて!


[俺に否やはなかった。
 早く人目のない所に行って、二人きりになりたい。]
(15) 2026/08/18(Tue) 0:29:12

【人】 七川 惺



  お手かよーーー!
  つれない、マイ・ロード!


[周り中が笑いさざめく中、
 悠凛の後を追って控室に向かった。

 パーテーションの陰から荷物を回収する時
 中に入っているフェイスタオルのことを想い出す。

 悠凛と目が合えば、じ、と一瞬見つめて。
 さすがにこの後上がりのキャストも入って来るから
 抱きしめたいのに抱きしめれないジレンマ。]
(16) 2026/08/18(Tue) 0:30:21

【人】 七川 幸臣

──Refuse not, mighty lord, this proffer'd love.──


 「この愛の捧げ物、どうか拒絶なさいませんよう。」


[ある訳者はそう訳した。
 シェークスピア『リチャード三世』、バッキンガムの台詞だ。
 この台詞はこのまま使わせて頂こう。

 原典では以下の有名な場面で発せられる。

 ロンドンのベイナーズ城のバルコニーに
 リチャードが宗教書を手に現れ、市民が王位就任の要請すれば
 リチャードは一度は辞退・拒絶する。
 それに対し、バッキンガムが
 「市民たちのこの愛(忠誠)の捧げ物を拒みなさいますな」
 と促し、ケイツビーらがそれに同調する。

 この台詞を、私の台本ホンでは
 別のシーンでも使うことにしようと思う。]
(17) 2026/08/18(Tue) 12:24:32

【人】 七川 幸臣


[思い起こせば。

 オープニングアクト以外でバッキンガムの初登場シーン。>>3:30
 華岡君がバッキンガムの時には
 リチャードは摘み取った薔薇を手渡すだけの予定だった。

 だが華岡君の怪我で惺が代役に決まり
 惺が演じたバッキンガムは、より“少年”らしかった。
 よく言えば初々しく、悪く言えば幼い。

 その変化に合わせ、悠凛君がアドリブで
 リチャードの行動を変えたのは素晴らしかった。

 望まぬ結婚式を翌日に控え
 本音を垣間見せてしまう少年を窘め、
 その服の胸にブートニアのように白薔薇を飾る。

 “憧れそのもの”によって“望まぬもの”へと
 送り出される少年バッキンガム。

 “己の力のなさを呪った”のは>>3:46
 早く大人になりたかったからだ──初恋を得て。

 華岡君の演技はもっとクールだった。
 解釈も違ったのだろう。
 対して惺の演技は悠凛君の演技に引っ張り上げられて
 少年の切なさ、もどかしさを表現するに至っていた。*]
(18) 2026/08/18(Tue) 12:27:38

【人】 七川 幸臣


[余談だが舞台では描かれていない話を少し。

 史実ではバッキンガムが結婚させられたのは
 11歳(12歳とも、9歳とも。歴史上では誤差の範囲内だな)。
 妻となったキャサリン・ウッドヴィルはもっと幼い。
 この政略結婚でバッキンガムは
 ウッドヴィル家を憎むようになり、
 のちにエドワード4世の後継争いでリチャード側についた、
 との記録もあるほどだ。

 いずれにしてもお飾りのようにして始まった夫婦だった。

 幼妻に罪はないと思うが、
 物語上では夫婦仲は最初から冷え切っていた。

 結婚して数年後に妻が初潮を迎えた後、
 (リチャードと禁断の誓約を結ぶまでは)
 バッキンガムはリチャードを心に想い浮かべながら
 妻を抱いていたのでは、というのは
 後にSNSの舞台考察版がさざめいていた話題の一つだ。*]
(19) 2026/08/18(Tue) 13:25:18

【人】 七川 幸臣


[話を舞台のストーリーに戻そう。

 女色にふける現王、長兄エドワード。>>4:15
 父親ゆずりの金髪の美男、若くして戦場を駆けた武勇。
 それまで誰もが王にふさわしいと
 認めていたその太陽は、今は落日寸前の輝きを残すのみ。
 その身を病が襲い、かの王が斃れる日も近い、
 後継は誰かとの話題がポツリポツリと上る様になる。

 次兄クレランス公が摂政となり
 エドワード5世(兄王の息子)を支えるのか。
 それともクレランス公・次兄ジョージ自身が……

 クレランス公自身は、野心家でもなく
 王の器でもなかった。
 ただ、おだてに乗りやすい性質と
 誑かされやすい心の弱さがあった。

 一度は舅であるウォリック伯の誘いに乗ったのが
 その証左である。
 しかしその人の好さからか、母親に偏愛され
 妻のイザベル・ネヴィル(アンの姉妹)からは
 深く愛されていた。]
(20) 2026/08/18(Tue) 14:28:14

【人】 七川 幸臣


[ただでさえリチャードの王位継承権はジョージの次。
 リチャードに王冠を被せるのには邪魔だった。

 それに加えて、先の戦いでウォリック伯が戦死したため 
 イザベルが爵位と財産を継承した。
 夫が妻の財産・爵位を代行できたので
 ジョージもそれらを得、王に次ぐ力を持った。

 しかしその後、
 ランカスター家の王太子の寡婦であったアンが
 リチャードと結婚したため
 ウォリック伯の財産相続をめぐって
 ジョージとリチャードが対立する構図が出来上がる。

 だがイザベルが男子を出産した後、死亡。
 アンが二人の子供を引き取った。
 ジョージは相続争いに敗れた。
 元々酒豪だった彼は、度を越して酒に溺れた。
 妻を亡くした喪失感からか、精神的に不安定にもなった。


 と言う背景があっての、昨日の稽古の密談シーンだ。**]
(21) 2026/08/18(Tue) 14:36:19

【人】 七川 惺

 ── 舞台稽古開始 ──

[立稽古で、初めての濡れ場体験で色々と反省して。
 悠凛のマンションに帰ってからもなんやかんやあって。

 翌日から抑制剤を飲むのは勿論のこと、
 バレエで使う前パッド入りのダンスベルトを着用して
 いくらか対策を立ててはみた。

 
半裸の番を前にしてどれだけ効果があるか知らないが
少なくとも精神安定剤代わりにはなるだろ?


 後は舞台稽古になってエチュード用の衣装が
 全部できてきたから、俺はだいたいは長衣で
 時々甲冑だ。うん、万全。

 まだゲネプロみたいな通し稽古じゃなくて
 リハーサルだから、途中でやめたりやり直しもきく。

 今は、この間の密談の後のシーンから。]
 
(22) 2026/08/18(Tue) 16:06:09

【人】 七川 惺


[暗転の後、半裸の上からバサッと長衣を羽織る。]


  ウォリック伯リチャード・ネヴィルは
  バーネットの戦いで俺が亡き者にし

  王太子エドワードは
  テュークスベリーの戦いであんたが殺した。

  戦闘中、情け容赦なく敵を打ち取るのは誉であり
  後ろ指を指される謂れは何もない。

  けれども今や蹄の音は鎮まり、
  しかも相手は獅子身中の虫。


[肉親殺し…と、はっきり言葉にはしないが
 観客にも通じるだろう。]


  まずは図り事を。
  ……王になる者が自ら手を汚すことはない。


[バッキンガムは計画の概要をリチャードに耳打ちする。]
(23) 2026/08/18(Tue) 16:41:40

【人】 七川 惺


[その後、ジョージを陥れる計画が着々と進められ、
 謀反の嫌疑をかけ、
 兄王エドワードに「ジョージを処刑せよ」と
 言わせるように誘導する。

 計画は成った…かのように見えたが、
 裁判もなくジョージをロンドン塔に送った後に
 母親に懇願され、エドワードが兄弟の情にほだされ後悔し、
 内内に撤回命令を出す。

 撤回命令が届く前に、処刑は執行されなければならないと
 バッキンガム、リチャード、ケイツビー、
 それに途中から計画に加わったティレルが
 二手に分かれて動く。

 差し入れと称して巨大なワインの酒樽を
 ジョージに届けたのは
 顔をまだあまり知られていないティレル、と
 その影からフードを目深に被ったバッキンガム。

 ……実行犯は、ティレルの役目だった。
 バッキンガムは見届け役のはず、だった。]
(24) 2026/08/18(Tue) 17:08:03

【人】 七川 惺


[ふとしたことから、
 ジョージとティレルがもみ合いになる。

 影から飛び出すバッキンガム。
 横合いから、護身用のナイフとおぼしき得物で
 ジョージの脇腹を刺した。
 小さく叫び声をあげようとするジョージの口を
 ティレルの手が塞ぐ。]


  最初の、計画通りに。


[ジョージは上蓋を割られたワインに首をつっこまれ
 やがて動かなくなる。

 ちゃんとした裁判も受けられず
 ちゃんとした処刑も行われず


 ……溺死である。
 記録には、処刑、と残された。]
(25) 2026/08/18(Tue) 17:19:21

【人】 七川 惺


[その後、リチャードの下に戻り

 
 まだ血を拭きとっていないナイフを布の上に乗せ
 恭しくリチャードの前に差し出す。]


  ……俺が、クレランス公を最初に刺した。





  ──この忠誠の捧げ物、どうか拒絶なさいませんよう。
(26) 2026/08/18(Tue) 17:40:41

【人】 七川 惺


[それから暫くして、観客の方に向いて独白。]



  咄嗟に身体が動いてしまった。

  ケイツビーは見返りを求めない献身を捧げ。
  アンは遺産で権力を支えている。
  
  俺はリチャードの肉親殺しの実行犯となることで
  彼らとは違う形でリチャードの魂深く近づきたかった。

  今後万一ことが露見した場合は、
  俺の目立つ長身が罪の証左となるかもしれない。
  その時は、俺
……反逆の罪を担おう。
(27) 2026/08/18(Tue) 17:43:41

【人】 飛鳥 悠凛

[ジョージが亡くなったという一報が、
 邸宅に居るリチャードに内密にもたらされた。
 実兄に情が無い訳ではないが、必要なことだった。
 リチャードはそう考える。]


  ……兄上が身罷られたか。

  死に時だった。


[兄の訃報にはぽつりと呟くに留めたが、
 自分が刺したというバッキンガムの報告には目を瞠る>>26


  ……おまえが?


[足がつきにくいように、事故に見せかけ
 溺死させる手筈だったというのに。>>23
(28) 2026/08/18(Tue) 20:53:58

【人】 飛鳥 悠凛

[バッキンガムに直接手を下させる気はなかった。
 戦場で敵兵を討ち取るのとは訳が違う。
 血塗られたナイフを見つめ、
 やがてバッキンガムの顔へと視線を持ち上げる。]


  よくやった、が──

  刺したのはおまえではない。
  次は、その手を血で汚すな。


[もしもの際は身代わりを立てるよう示唆すると共に、
 バッキンガムが実行犯になる必要はないと戒める。
 それは、傍近くに置くバッキンガム本人に
 嫌疑がかかり、自分に累が及ばぬようにともとれる。
 ──或いは。]
(29) 2026/08/18(Tue) 21:04:08

【人】 飛鳥 悠凛



  後始末は抜かりなくな。


[血で汚れたナイフを見遣り、念を押す。
 バッキンガムがここに居るということは、
 もう片がついたのだろうが。
 護身用に見えるナイフに、手を伸ばすことはない。]


  その後で、今宵はお前を労おう。
 
 
  ……何が欲しい?


[書斎の椅子から立ち上がって歩み寄り、
 その輪郭を指先で辿りながら尋ねる。
 答えは分かっているというように、微笑を浮かべて。*]
(30) 2026/08/18(Tue) 21:20:23

【人】 七川 惺



  「次は、その手を血で汚すな。」

   …………。


[あんたのためなら、
 幾らでも手を汚す覚悟はできているのに。]


  「後始末は抜かりなくな。」


[ふっと視線を逸らし、一呼吸置いて。]


  ……よいことを考えました。

  この、どこにでもあるようなナイフ。>>25
  出所は、ウッドヴィル家のどこかにしましょう。


[それでもリチャードの腹心として、頭をフル回転させる。]
(31) 2026/08/18(Tue) 21:37:20

【人】 七川 惺



  証拠はない。でも反証もない。
  疑わしきは罰する。
  そうできる布石を敷いておきましょう。


[リヴァースを謀反人に仕立て上げ
 現王妃エリザベスと、その二人の王子を幽閉する布石に。]


  あんたの害になるものは、
  すべからく王宮から遠ざけよう。


[敬語と、気安い言葉が入り混じる。
 布にくるんだナイフを、元の箱の中に戻して机に置く。

 “何が欲しい”かと問われて
 何とも言えない、苦しそうな顔を、一瞬だけ浮かべる。

 あんたの愛だ、とは言えない。
 身体だけでなく、心も欲しい。
 いつからだろう、そう思うようになったのは。
 ──悪魔に、心はいらないのに。
 ──悪魔から、心をもらえるはずはないのに。

 
そんな心の葛藤を表現できているだろうか、俺に。
(32) 2026/08/18(Tue) 21:45:52

【人】 七川 惺


[けれども、一瞬浮かべた複雑な表情はすぐかき消して。]


  今宵も、あんたの隣で、束の間の夢を。


[そうして、リチャードの瞳を見つめたまま
 背中を少し折り曲げ、片方の手を持ち上げ。
 手の甲に唇を落とす。渇望は隠して恭しく。*]
(33) 2026/08/18(Tue) 21:55:22

【人】 飛鳥 悠凛

[次は、と戒めた声に、返事は返らない>>31
 代わりに示唆された企みには頷く。
 兄王に寵愛されたエリザベスの一族は、
 成り上がりで不相応に力を持たされ過ぎた>>32



  頼もしいことだ。

  お前は私の手を引き、導いてくれる。


[唆しているのは自分のくせ、バッキンガムが
 主導しているかのように、長身を見上げて囁く。
 頼りにしているのだと甘い毒を含ませて。
 褒美を仄めかされたバッキンガムの顔に苦し気な表情が
 過ったのを、リチャードは間近で見ている。]
(34) 2026/08/18(Tue) 22:08:09

【人】 飛鳥 悠凛

[貴人に礼をとる恭しさで、バッキンガムが手の甲に口づける。
 人前でもそれを許される、卑しからぬ身分を持つ男だ。
 微かにリチャードの口端が上がる。
 バッキンガムを見下ろす目は、いつになく柔らかい。]



    … 叶えよう。



[戯れにその手を掬い上げ、
 手と手を合わせるようにしてから指を折る。
 バッキンガムの指股に差し込まれる指。
 何でもなかったようにその手を下ろして、
 先に立って寝台へと向かう。

 寝台の天蓋の陰へと、二人の姿が半ば消える。*]
(35) 2026/08/18(Tue) 22:20:24

【人】 七川 惺


[ジョージ暗殺から、まだあまり時を置いていない。
 絶命して暫くしてから抜いたナイフに血糊はついていたが、
 返り血を浴びてマントを汚すということはなかった。
 溺死させるのは主にティレルがやったので
 ワインの汚れや匂いが着くこともなかった。

 目深なフードが着いたマントを脱ぎ
 ロンドン塔の庭土を踏みしめた靴も脱げば
 光を反射する装飾一つない黒一色の長衣だった。

 それ以上は着替えずにリチャードの部屋に来た。
 意識したつもりはなかったが、あえて、だったのだろう。

 人一人殺した後の興奮と、これからの決意を
 伝えるためというのは大げさだが。
 水浴びもせず、一刻も早くリチャードに会いたかった。
 周囲に怪しまれないよう最低限度の時間をあけて、
 ここに来たのだ。

 天蓋つきの寝台、半ば開いたカーテンの後ろ側から
 黒い長衣が揺れて、解かれてゆくのが見えるだろう。
 リチャードの服は、今日もチュニックだったか
 どうだったか。*]
(36) 2026/08/18(Tue) 22:46:43

【人】 七川 惺


[このシーンは観客側からは主に、
 シルエットだけが見える演出になっている。

 天蓋カーテンの向こう側から
 ゆらめく蒼い炎の灯でシルエットを透かしている。
 僅かに開いたカーテンの隙間から、
 腕や脚は見えるかもしれない。]


  ……似てないな、あんたと。

  あんたの所の幼子は、
  ランカスターの王太子、前夫の胤じゃないか、
  一部の奴らがそう噂してる。


[声は、響く。*]
(37) 2026/08/18(Tue) 23:04:38

【人】 飛鳥 悠凛

[タッセルでゆったりと纏められたカーテンの向こうで、
 黒一色の長衣を纏った身体が傾ぐ。
 横たわったリチャードの身体はあまり見えないが、
 チュニックの緩い裾が捲れ上がり、
 すんなり突き出た白い腕が黒衣へと伸びる。
 前を解かれ、剥かれていくバッキンガムの裸体。
 その手がリチャードの服にかかる前に、
 白い手に包まれ、引き寄せられた。

 リチャードへと覆い被さる一瞬、
 バッキンガムの横顔を、観客は盗み見ることになる。
 徐々に暗転してゆく寝室。

 リチャードの、どこか無邪気な忍び笑いが漏れ聞こえる。]
(38) 2026/08/18(Tue) 23:12:02

【人】 飛鳥 悠凛

[やがて、カーテンの内側だけが明るく灯る。
 今は閉ざされたカーテンに、青い炎が
 ゆらゆらと照らし出す二つのシルエット。]


  ……そう見たい者の目には、
  そう見えるだろうな。

  実際の所は、誰にも分からない。
  私にも、アンにも。


[エドワード王太子が亡くなってからさして間を置かず、
 リチャードはアンを娶っている。]


  おまえの目にも、そう見えるか?

  
[リチャードはそう問い返す。*]
(39) 2026/08/18(Tue) 23:19:54

【人】 七川 惺


[暗転したあと、どちらともつかない
 甘い息遣いが聞こえる。

 やがて、苦悩があろうとなかろうと、
 満足してしまう身体が、悦に打ち震える、
 そんな男の声が漏れ聞こえるだろうか。


 そうして青い炎が灯る。
 二人のシルエットは、寝台の上に半身を起こしていたか。
 もしかしたら、長身の男がもう一人の男を
 後ろから抱きしめている、そんなシルエットだ。]


  俺には、まだわからない。
  お前も外見は父に似ておらず
  似たような噂が流れていたが。
  
  お前はお前の父と等しく凛々しい魂を持っていた。
  俺は、信じている。
(40) 2026/08/18(Tue) 23:41:03

【人】 七川 惺


 
  だから……


[それから暫く台詞に間が開く。]


  そいつらを黙らせる方法があるぞ。
  第二子をもうけることだ。

  アンとの仲が揺るぎないものだと、思わせることだ。

  万が一……廃嫡するとしたら、その後でいい。*
(41) 2026/08/18(Tue) 23:42:53

【人】 飛鳥 悠凛

[リチャードの声が持つ凛とした響きは、
 今はなりを潜めている。
 気だるげな、どこか甘い声。
 声は二人分聞こえるが、
 人影は緩く重なり、離れない。]


  “信じている”…か。
   いかにも無責任な響きだ。  

   そう思っているのはおまえくらいだろうな。
   

[くすりと笑み交じりに揶揄する声。
 高潔だった父を悪魔と等しく凛々しいなどと。
 血を分けたかは定かでないが、共に育った兄を謀殺した
 リチャードは、今や悪名を体現している。]
(42) 2026/08/19(Wed) 0:02:49

【人】 飛鳥 悠凛

[バッキンガムの勧めにリチャードが言葉を継ぐまでの間は、
 バッキンガムのそれより短かった。]


  …そうだな。

  俺もそれは考えていた。

  いずれその時が来れば、
  彼女には確実に私の“世継ぎ”を
  産んでもらわねばならない。


[即位すれば、それは王と王妃の務めだ。
 最近はアンへの訪いが間遠になっているが、
 元より二人の婚姻は白い結婚ではない。*]
(43) 2026/08/19(Wed) 0:09:26

【人】 七川 惺


[リチャードを王に伸し上げる。
 そしてリチャードの王国を盤石にする。

 そのためには……確固たる“世継ぎ”が必用だ。]


  ……ああ、お前の将来のために。

  必要なことだ。


[そう言ってから、遠くない未来を予見した。

 口火を切ったのは俺の方だ。
 なのに、リチャードから同じ応えを聞けば
 胸が苦しい。

  
独白ではないその気持ちを、
声の響き一つに乗せなければならない。


 その辛さを埋めるように、リチャードを強く抱きしめる。
 シルエットは、全き一つになっただろうか。
 それとも、ならなかっただろうか。*]
(44) 2026/08/19(Wed) 0:19:59

【人】 飛鳥 悠凛

[静かな声が応える。]


  ──…おまえの望む通りにしよう。


[それはバッキンガムの勧めたことか、
 或いは続いた話のことか。]  


  おまえが私に望んだ先が叶えば、
  おまえの影を誰にも踏ませはしない。

  茨に縛られ牙を研ぎ続けた日々に、
  報いを与えよう。

  
[抱き締める腕にリチャードの身体は、
 隙間なく囲われる。*]
(45) 2026/08/19(Wed) 0:35:32

【人】 七川 惺


[それからまた、暫くして暗転。

 再び灯りが灯った時には、服を着たバッキンガムが一人。

 実際には、天蓋付きのベッドは片付けられておらず、
 バッキンガムだけにスポットライトが当たっているのだ。

 ここで独白。]



  ──“報い”とは。

  愛をくれないのなら、死を与えてくれ。

  その日から俺の心の奥に
  そんな想いが巣食い始めた──…。**
(46) 2026/08/19(Wed) 0:50:22

【人】 飛鳥 悠凛

[時折狂言回しのようにバッキンガムは
 独白を交える。>>46
 一方、リチャードの内心は語られない。

 人の間でリチャードは語る。
 不実な愛を、
 毒を含んだ示唆を、
 人の昏い望みを嗾ける慰めを。


 今朝のリチャードは独り、窓の傍に居る。
 高い塔から、自由な空を傍観している。**]
(47) 2026/08/19(Wed) 1:00:59

【人】 七川 幸臣


[TVドラマ撮影の時はそれほどでもなかったが
 今回の惺の演技はまさに“劇場型”だ。

 元々感情の起伏が激しいタイプで顔に出やすい。
 日本人としては飛びぬけて背が高いのもあり
 手足の長さも加わって演技がデカくなる。

 路傍の石になるには存在感がありすぎるのだ。
 通行人として舞台に上げてくれと頼まれた時
 長身を活かせるモデルなっとけと言ったのは
 先に“型”を学ばせたかったというのが大きい。
 まずは指示通りに無駄なく美しく動けるように。
 演技を制御できるように。

 SHOUの仕事ではそれができるようになったようだが
 悠凛君が相手だと、ともすればすぐ素が出るようだな。

 ……だが、悪くない。>>4:37>>4:38
 二人のケミストリーを活かせる方向に
 二人以外のキャストに支障を与えない範囲内で
 演出を変えていこうと思う。
 アドリブやインシデントにも対応できるよう
 スタッフにも言い含めておこう。]
(48) 2026/08/19(Wed) 12:43:22

【人】 七川 幸臣


[狂言回しは必ずしも主役でなくてよい。
 原典の主役のリチャードは
 狂言回しpresenterの役割を強くかねているが
 この舞台のリチャードは内心を語らずミステリアスである。
 最初から主演として念頭にあった、
 悠凛君の表現力を見込んでのことでもある。

 狂言回しのもう一方の役割、narratorとしての機能は
 リチャードに最初から最後まで付き従う
 ケイツビーが担っている。
 台詞が、出演キャストの中で一番多い。

 惺の独白は、主に観客に感情移入してもらうためにある。
 華岡君に渡していた脚本はもう少し独白が少なかった。

 惺バッキンガムにあて書きして寄せたともいえるが
 惺が開演までに演技のみで表現できるようになれば
 もう少しコンパクトに戻してもいいだろう。


 閑話休題。]
(49) 2026/08/19(Wed) 12:49:47

【人】 七川 幸臣


[舞台セットのバルコニーの仕上がりが予定より遅れている。
 ロンドンのベイナーズ城バルコニーでの演説シーンは
 今日は飛ばして、ウェストミンスター寺院での、
 リチャードの戴冠式から、リハーサルを続けてみよう。


 バッキンガムが不審の種を撒いてから暫くして>>31>>32
 リチャードの兄、エドワード四世がついに身罷った。

 エドワードの忘れ形見である当時12歳のエドワード5世を
 擁立するにあたり、まず力を持つのは
 前王の妻エリザベスの実家ウッドヴィル家。
 弟のリヴァースが摂政になるのが最終力であった。
 しかし彼はジョージ殺しの嫌疑で
 リチャードとバッキンガムに拘禁される。

 ついにリチャードは
 エドワード5世を補佐するための護国卿(摂政)となった。
 だがその期間は短かった。それからわずか数か月後。

 前王エドワードはエリザベスと重婚していた、 
 だから結婚は無効、よってその息子に王たる資格なし。
 僅かな証言を拾い集め、そんな計画の図面が描かれた。

 ここに(今日は飛ばす)バルコニーのシーンが挟まれる。]
(50) 2026/08/19(Wed) 13:09:17

【人】 七川 幸臣


[血生臭い権謀術数の裏側で

 アンはリチャードに献身的に尽くす。
 リチャードとアンの絆は深まってゆく。
 少なくともアンの側からはそう見える。

 実際、王位簒奪の戦略的には必要なことだった。


 そうして戴冠式のシーンだ──…。**]
(51) 2026/08/19(Wed) 13:16:03

【人】 七川 惺


[バーネットの戦いとテュークスベリーの戦いは>>23
 同年の一月違い。
 バッキンガム17歳、リチャード19歳の時だった。

 戴冠式まで、史実では実に12年の月日が流れている。
 舞台ではそこまで年表を忠実に再現していないとはいえ
 少年の日の出会いから数えれば、もっと長い月日を。>>3:33

 清らかな憧れと。
 誓約してからは、忠誠と愛欲の日々とを。
 想い出さずにはいられない。]


  寝台を共にすることは、
  この頃ではもうほとんどない。
 
  ……それは王妃様のために、と遠慮した。


[それでもまだ、戴冠式までは……。
 昇殿のための支度をしながら独り言ちる。

 リチャードの即位を支える最大の腹心として。>>45
 ベルベットのマントの引き裾を持つ役割がある。

 ──王と王妃はTwin Thrones双子の玉座に並ぶ。*]
(52) 2026/08/19(Wed) 16:44:29

【人】 七川 惺


[戴冠式当日。

 リチャードの儀礼用のマントを外すのを手伝う。

 その後、掬うように片手を取って、
 その手の甲に一度キスを捧げる。]


  この__
捧げ物、どうか拒絶なさいませんよう。


[俺はもうこれ以上聖域に踏み込めない。
 臣下として留まる。
悪魔として止まる。



  どうぞ、王妃様もご一緒に……。


[やがて、王と王妃に、冠が被せられるのを離れて見つめる。

 ──ああ、輝くようだ。*]
(53) 2026/08/19(Wed) 17:50:55

【人】 七川 惺


[寺院の傍の離宮で、即位の晩餐会が開かれた。

 食事が終われば、小舞踏会に移行する。

 Twin Thronesから立ち上がり、
 踊り始めた二人を見届ければ、俺は席を立った。

 そういえば結婚式の披露宴でも、
 二人は楽し気に踊っていたっけ。]


  踊りはあまり得意でないと、
  よく言ったものだ。
 
 
[悪態ともつかぬ抑揚のない言葉を吐いて
 入退室の扉を潜る。

 暫く歩いてゆくと、物陰から潜めた声が聞こえる。
 どうやら、アンの傍仕えの侍女達のようだ。]
(54) 2026/08/19(Wed) 18:36:23

【人】 七川 惺



  「……ご懐妊、かもしれないわ。」

  「え、やっぱりそう?」

  「良かった!お二人目がなかなかできないから
   気をもんでいたのよ。」

  「あ、これはバッキンガム公…、失礼を。」


[二人に見つかった俺は、唇の片側をやや釣り上げて
 微苦笑をする。]


   いや。今日のこの日に、二重にめでたい話を聞いた。


[他言無用、とは言わない。密かに広めてもらうといい。

 おしゃべりを咎められなくて良かっただの、
 バッキンガム公は陛下の右腕だから大丈夫よ、だの。

 背中でさざめく声を聞きながら、足早に歩く。]
(55) 2026/08/19(Wed) 18:38:13

【人】 七川 惺


[客席に向かって。]


  ……そう。俺は王の隣に座る半身ではない。
  せいぜいが、右腕。

  ルシフェルは許されて神の代理人となり
  俺達の野望は成った。

  メフィストフェレス男の愛人はもう、いらない。

  いらないどころか、これからはもう、邪魔なだけだ。


[厩舎へと向かい、行先を厩の番人に告げる。

 「ちょっと借りるぞ。近くの森で風に当たって
 酔いを醒ましてくる」とだけ。

 森には湖がある。
 現代の地図上ではセント・ジェームズ・パークがモデルだが
 後に出てくるディーンの森とそっくり同じセットだ。
 
 夏だ──
 頭を冷やす水浴びにちょうどいいかもしれない。**]
(56) 2026/08/19(Wed) 18:49:09

【人】 飛鳥 悠凛

[──ここに来るまで長かった。>>52

 手の届くはずのなかった玉座が、今そこにある。

 王位までの道のりの難を排すべく尽力したのは、
 リチャードの右腕と謳われるバッキンガムだ。
 エドワード4世の即位とヘンリー6世の復位に
 貢献したウォリック伯に続く、キングメイカー。
 
 少年の日にバッキンガムがリチャードに
 見出した望みは、今日叶う。


 深紅の絹のシャツとサテンのホーズを身に着け、
 毛皮の縁取りのついたベルベットのマントの裾を引いて、
 ウェストミンスター寺院の身廊を一歩一歩歩む。
 その長い裾を持つのは、戴冠式で大侍従を務める
 バッキンガムの役目だ。
 リチャードのマントを外したバッキンガムが、
 その手をとってキスを捧げる。
 
 厳粛な雰囲気の中、二人の目線が一瞬絡む。
 リチャードの口端が、微かに笑みの形に撓んだ。]
(57) 2026/08/19(Wed) 21:10:54

【人】 飛鳥 悠凛

[その言葉をバッキンガムが最初に捧げた夜から、
 数年が経った。>>53
 ──拒絶するなら、とうにしている。

 静かに退がり傍を離れていくバッキンガムを、
 儀式の主役である新王が振り返ることはない。  

 宣誓の後、胸と肩に聖油を塗布され、
 王杖が、指輪が、剣が捧げられ。
 いよいよその時が来る。

 参列した貴族達が息を殺して見守る中、
 玉座の前で跪くリチャードの頭上に、
 カンタベリー大司教の手で王冠が授けられた。

 リチャード・プランタジネットが
 正式な国王として宣言されるやいなや、
 その空気は一変する。
 教会の鐘が鳴り響き、「王に栄あれ!」と
 歓呼の声がウェストミンスター寺院を満たす。

 王妃と共にリチャードが玉座に座り、
 一同に微笑みかければ、人々の興奮は最高潮に達した。]
(58) 2026/08/19(Wed) 21:21:11

【人】 飛鳥 悠凛

[盛大な晩餐会の間、王冠を戴いた新王と王妃は、
 隣り合って仲睦まじく食事を進める。
 宴席の程近い場所に、バッキンガム公も配されている。

 やがて、宮廷楽師がフィドルを奏で始めれば、
 リチャードとアンが立ち上がる。]



  お手をどうぞ、我が君My lady。



[10年連れ添った王妃は、未だ若く美しい。
 ほっそりとした手をとり、リチャードは唇を落とす。
 華奢な背に腕を回し、一歩を踏み出した。

 「我が奥方は、今宵はひときわ美しい」と賛美を交え、
 軽やかに彼女を踊らせ──
 一曲終える頃には、バッキンガムの姿が見えなくなっていた。
(59) 2026/08/19(Wed) 21:41:56

【人】 飛鳥 悠凛

[朝から続いた戴冠の祝祭。
 舞踏会が終わるころには夜も更け、
 王と王妃は退場し私室に引き上げることになった。]


  今日は疲れただろう。

  先に休んでいなさい、
  明日も祝祭は続くのだから。
 

[リチャードの言葉に、アンが不審を抱く様子はない。
 共に過ごすのが日常になっているからだろう。
 近頃は、バッキンガムに共寝を請われることもなくなった。]
(60) 2026/08/19(Wed) 21:51:22

【人】 飛鳥 悠凛

[戴冠式には、地方からも貴族や聖職者が
 多数参集している。
 明日は諸侯からの祝いの挨拶が続く。
 アンに早寝を勧めたのはごく自然だ。
 自分もそうしないということを除けば。

 私室の前で、少し行先に迷う素振りを見せたリチャード。
 人伝にバッキンガムの行方を知り、
 目立たぬよう身をやつして、自分も馬を駆る。]



  ──… 何をしている?

  この栄えある佳き日に。
  こんな所で。
  

[夜の森で人一人探し出すことは困難だ。
 それでもじきに、彼を見つけた*]
(61) 2026/08/19(Wed) 22:00:56

【人】 七川 惺


[某有名な映画のロケ地ともなったディーンの森。>>56
 宮殿をも臨めるセント・ジェームズ・パークは
 整備されていて勿論美しいが、
 舞台のそこはディーンの森に寄せていて
 野性的で、もっといえば幻想的だ。

 ゲネプロと本番ではドライアイスも使い、
 床を這うように広がる白い低層スモークを発生させる。
 それはまだないが、美術さんの仕事がすごくて
 スモークがなくてもライトアップだけで
 充分魅力的な舞台装置だ。


 そこに、背後からリチャードの声がかかった。
 森の木に仮に繋いである、馬の方を先に見つけたか。]


  ……水浴びだ。


[最初は少しぶっきらぼうに。
 まあそれは、夜目に慣れてくればわかるだろうな。]


  いや……雑念を追い払う、禊だよ。


[次には、声を低くして、少し柔らかく。*]
(62) 2026/08/19(Wed) 22:21:11
七川 惺は、メモを貼った。
(a0) 2026/08/19(Wed) 22:30:35

【人】 飛鳥 悠凛

[リチャードは目を凝らす。
 ぼんやりと浮かび上がる背中に。
 顔だけで振り返り、不愛想に答えた 
 目当ての男に。]


  我らが大望果たした、今日という夜を選んでか。


[酔狂なことだ、と呟き歩み寄る。]



  ……宴席を中座していたな。
  

[湖の畔、少し手前で立ち止まる。
 それ以上距離を詰めることはない。]
(63) 2026/08/19(Wed) 22:31:17

【人】 飛鳥 悠凛

[リチャードの視線は、どこか遠い。
 月と星の光の落ちる湖面ではなく、
 昏い森の奥、その向こうへと。]


  近頃、おまえの笑った顔を
  見た記憶がない。


[儀礼として微笑む顔は、幾らも見ているが。]



  ───私が王では不満か?


[つと振り向いて、自分を玉座へ押し上げた男に問う。*]
(64) 2026/08/19(Wed) 22:37:49
七川 惺は、メモを貼った。
(a1) 2026/08/19(Wed) 22:44:01

飛鳥 悠凛は、メモを貼った。
(a2) 2026/08/19(Wed) 23:00:55

【人】 七川 惺



  ……今日、だからさ。

  俺にできることは、あと、何があるのか。

  考えていたら、雑念に囚われて
  考えが纏まらないから。


[ざぶっと一度身体を沈めて、
 それから、湖畔近くまで泳いでやってきた。

 月明かりに照らされる上半身。
 貌の輪郭と筋肉の隆起が、蒼く昏く影を作る。

 髪にも、肩にも、胸にも、
 流れ星のように雫が滴っている。]


  ──お前を王にしたい。
  子供の頃からの夢が叶った。

  不満があるとすれば……
  お前の隣に座れないこと。
  
お前の半身になれないこと。

  言ってもせんなきことだった。忘れてくれ。


[睫毛からも、星の雫が滴った。*]
(65) 2026/08/19(Wed) 23:08:39

【人】 飛鳥 悠凛

[自分に何ができるのかと自問するバッキンガム。
 リチャードは怪訝そうな、不思議げな色を浮かべる。
 珍しいことだ。>>65


  これからではないのか。

  この美しき我らがイングランドを、
  白き断崖と緑なす大地を富ませ、
  王国の礎を固め、民を善く統べる。
 

  おまえにやってもらうことは、幾らでもある。


[湖畔近くまで泳ぎ着いたバッキンガムが、
 語りかける。]
(66) 2026/08/19(Wed) 23:34:06

【人】 飛鳥 悠凛

[蒼黒い湖に逞しい裸体を潜めた男は、
 王宮の中に居る時よりも、
 春の庭に憩うよりも野性的だ。]


  お前にこの身を幾度も任せた。

  私は王になった。
  お前の力で。

  いずれ、私の血を継いだ子も
  この王国の礎となるだろう。

 
  ……おまえの望みは、叶えたつもりだった。


[リチャードは、目の前の男をもう見ていない。*]
(67) 2026/08/19(Wed) 23:49:39
 




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七川 惺
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