【独】 流転 タマオ/* 見学、置き手紙の表示(xx:xxに公開)は出るけど、発言する時には通常発言に切り替わっちゃって置き手紙させてもらえないのだわ…参加者の特権ね…(? (-19) 2021/07/12(Mon) 20:18:49 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク「……ああ、本当に見えるんですねえ」 あの時、普段ならば口にしないような本音を吐いてしまった。 こちらにも気不味さはあるが、 どちらかといえば申し訳なさが勝っている。 結局のところ、貴方の善性は守れなかったのだから。 「ね、共犯者さん。少し手伝ってほしい事があるんですよ。 なに、貴方にとっても都合が良い筈です」 生前よく見られた笑顔が、そっくりそのまま浮かぶ。 此れが繕ったものである事は、 ついぞ誰にも知られないままだった。 手招きをすれば、律儀に廊下を歩いて宿直室へ向かう。 室内には入らず、廊下から中を指差した。 ニエカワの目の届く位置にいようとしているらしい。 「あれ、遺書なんですけれど。 ここを出る時に、中身を書き換えて欲しいんです」 室内を覗き込めば、 卓袱台に一通の封筒が置かれているのが見える。 (-20) 2021/07/12(Mon) 20:40:33 |
【人】 遊惰 ロク>>7 メイジ 説明を聞き乍ら、手順を想像して。 メスを動かす少年の様子を案じたものの、 兎も角己も手を動かそうと、目の前のそれに刃を向ける。 「――――――、 あ 」 からん。硬質な音。 取り落とした刃物を拾い上げた。 それから、何事も無かったかの様に事は進む。 ツプリと刃を突き立て、ぐ、と力を籠める。 それに合わせて、耳元、黒の十字架が揺れる。 教わり乍ら、真似をし乍ら、 死体をバラバラに――食らう為の“肉”へと変えていく。 元々手先が器用な男だ。飲み込みも悪くは無い。 滞りなく作業は進行されるだろう。 その間、何を考えていたのか、いないのか。 他のものが窺い知ることは難しい。 男は、誰よりも隠す事が得意だったから。 (8) 2021/07/12(Mon) 21:27:13 |
【独】 焦爛 フジノふらっと散歩に行くような足取りでひとり、外へ出る。 ふわりと靡いた横髪を耳にかけ、常より早く流れていく雲の後を追うように、台風の爪痕が残る山道を歩いていく。 そして。 ごっそりと地面が抉れた箇所を、確認した。 その下に何があるか、フジノはよく知っている。 唇が弧を描き、その横をつっとなにかが流れた。 復旧作業はいつから始まるだろう。 未だ轟々と茶色く濁った水が流れる川は、村をどれほど流してしまっただろうか? 土砂はどれほど村を襲い、収穫を目前に控えた畑を押し潰しただろうか? 今年の夏、村は例年以上に飢えに苦しむだろう。 照りつける日差しと重たい泥、満たされない腹、滅茶苦茶になった住居。 それらを抱え、生存している見込みの薄い人々を探す作業はどれほどかかるだろう? 少なくとも、フジノが何処かへ消える時間は稼いでくれるはずだ。 膨らんだ腹をそっと撫で、踵を返す。 行きに包みを隠した木が無事だったことは、確認している。 回収して、ミロクの部屋の缶詰を貰って、そうして。 「……一緒に、行ってくれるかな?」 行ってくれるといいなと、思いながら。 フジノはゆっくりと病院へ戻っていった。 (-22) 2021/07/12(Mon) 21:42:32 |
【秘】 遊惰 ロク → 諦念 セナハラ「……そうなるなァ、 お前サンがマボロシじゃなけりゃ」 顔を見れたら幾らか言いたい事はあったのだけども、 それらは一旦胸の内に押し留めることにして。 軽い返事をして、常の笑い顔を浮かべる。 カラリとした表情も軽快な口振りも、 友を励ます内に身について、客席を前に磨かれたものだ。 「はいよ、なんだろ。 むずかしいことじゃなけりゃァいいけども」 手招かれ、少し後ろをダラダラと着いていく。 傍目には一人で喋って歩いてる様にでも見えてンのかな、 とチラと浮かんで、まァ今さらかと思った。 辿り着き指差された先、医師を置いて室内に入る。 封筒を手に取り、しげしげと眺めて。 「おれが読んでもいいのかい」 卓袱台の前に佇んだ儘、廊下へ向かって声を投げた。 (-23) 2021/07/12(Mon) 22:47:03 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク「どうぞ。特定の個人に宛てた物ではありませんので」 封筒には『此手紙を讀んだ方へ』と書かれていた。 封を開ければ、中には数枚の手紙が入っている。 『全て私が脅し關わらせた事です。』 という書き出しから、その遺書は始まる。 (-24) 2021/07/12(Mon) 23:09:56 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク『彼の御父上に金を借りてゐました。』 『出世拂ゐとゐふ話でしたが催促をされ、 返すあてが無ゐのでやむなく殺めました。』 『食糧が足りなゐ中、 私は嘗て彩帆で食べた肉の味を思ひ出しました。 だうしても死ぬ前に再度味わひたゐと思ひ、 明治君を脅したのです。』 『私が殺し、彼に處理を手傳わせました。 つまり彼は壱人も殺してなどゐません。』 『大變申し譯無く思つてをります。 私の命だけでは拭ゑぬ罪とは思ゐますけれども、 明治君は被害者と云へませう。 だうかご容赦くださひ。』 内容に目を通せば、概ね罪の自供と 明治明という少年への恩情を願う物であることがわかるだろう。 (-25) 2021/07/12(Mon) 23:10:46 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク貴方が読んでいる最中であろうと、男は構わず話し続けた。 「貴方も関わってしまったでしょう。 ですから書き換えて、新しい遺書を作って欲しいんです。 他にも都合が悪い事があれば、全て僕が行った事に。 余所者の行いにするよりは、説得力があるでしょう。 ……ああ、家族はいませんのでそこもお気になさらず」 汚名に関して興味が無いのか、それとも慣れているのか。 男は淡々と、己を貶めるようにと告げる。 (-26) 2021/07/12(Mon) 23:12:02 |
失格 セナハラは、メモを貼った。 (a3) 2021/07/12(Mon) 23:49:02 |
失格 セナハラは、メモを貼った。 (a4) 2021/07/13(Tue) 0:00:24 |
【秘】 遊惰 ロク → 失格 セナハラ「…………」 カサリと音を立てて便箋を捲る。 捲り乍ら、医師の声が耳を通り抜けていく。 ――あァ、なんだ。と男は思った。 やっぱりお前サン、脅してなんかいねェンじゃねェか。 アハ、と思わず洩れた笑い声をあげて。 顔を上げ、頼まれた手伝いとやらを請け負う。 「死んだあとから弄られんじゃ、遺書も形ナシだなァ。 ――わかった、必要がありゃおれが書き換えとく」▼ (-27) 2021/07/13(Tue) 0:02:03 |
【秘】 遊惰 ロク → 失格 セナハラ まァ、と付け加えて言う事には。 「あんましその必要もねェとは思うが。 ――あのお嬢サンは“なにも知らねェ”ままなンだし。 おれも、もう後のことは考えねェでいいからなァ……」 先が無い事を仄めかし乍ら、続きに目を通している。 時折、読めない字に当たって首を捻りつつ。 尤も、後の事を考える必要が有れども無かれども、 この話に関してはさしたる違いは無いのだろうけれど。 男は、己の責を誰かに負わせるつもりは無かった。 (-28) 2021/07/13(Tue) 0:13:10 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロク男からすれば、貴方も充分に子供である。 生きるべきだと諭そうとして、 「……。まあ、自分の命ですから。 自由にすれば良いと思いますけど」 自分が教わった事を思い出し、やめた。 死ぬべきだとされる事と、生きるべきだとされる事。 その二つに差など無い。 せめて貴方達には自分の意思で決めて欲しい、 男はそう願っている。 「そこに新しい封筒と糊がありますから、 入れて封をしておいてください。 僕がこうして頼んだ事は伏せたまま、 メイジ君に渡して頂けますか? ……僕がここに居る、とは知られたくないもので」 小さく苦笑した。 彼に合わせる顔が無いのだった。 たとえ彼から見えないとしても。 (-29) 2021/07/13(Tue) 0:56:57 |
【人】 被虐 メイジ>>8 ロク 瞬いた瞳が、あなたの様子を一瞥する。 その心中を察することもできない。 メイジは、あなたとこの男の関係を知らないからだ。 真っ赤に染まった手で、汚れるのも構わず顔の汗を拭う。 一度や二度で慣れるはずもない。 こみ上げてきそうになる胃酸を必死で我慢していた。 思い出す。友達をそうした時のことを。 バラバラにされた手足や骨や、内臓が、剥いだ皮膚が バケツの中に溜まっていく。 もう生前の見る影もなくなっていく目の前の男 彼が死を選ぶことを、メイジは知っていた。 「……ミロクさんは、」 ふと思い出したことを、呟く。 なにか話でもしないと気が変になりそうだったのかもしれない。→ (9) 2021/07/13(Tue) 1:38:02 |
【人】 被虐 メイジ >>9 ロク 「ミロクさんが生きることを望む人はいなかったけど 死んで欲しいって望む人もいなかったって だから、死ぬことを望まれて嬉しかったって言ってた。 ついでにオレたちを生かせるなら悪くないって……」 あまり色のよくない、汗の滲んだ面持ちで オレたちってついでなんだって、とわずかに口元をつりあげる。 誰が彼の死を望んでいたかなんて、メイジは知らない。 「愛されたかったのかなぁ」 ぽつりと手を止めて、俯いた。ただの主観だった。 "人生最大の幸福は、愛されているという確信である" 彼が零していた言葉だ。それが死を望まれることと 直結するなんて、歪んでいると思いながら メイジは否定ができなかった。 そうして、ひとりの男だった者は自分らの糧となる。 (10) 2021/07/13(Tue) 1:43:49 |
【人】 遊惰 ロク>>9 >>10 メイジ 少年の声を聞くうち、手が止まる。 内心をチットモ面に浮かべず涼しい顔していた男の、 紫に黒を少し落とした、暗い色した瞳が揺らぐ。 瞬いて、少年の方を向いて、それから下を見て。 いつの間にやら詰めていた息を細く吐き出した。 「――ついでって、ハハ、ひでェひとだなァ。 おれは“ガキども守って死んでくれ”って、 ……たしかに、そう。……、言ったってのに」 真に酷いのは誰か知っている癖、酷い人だと詰って笑う。 きっと、これまでで一等下手くそに。 そうして、最早形を留めていない肉塊。 そこに彼の心は無いと知り乍ら、ボソリと呟きを落とす。 「……そんなのが、うれしかったのか、お前サン。 …………ばかだなァ 」生首の、耳に光る白い石。触れようとして―― 伸ばした手が赤く濡れている事に気がついて、止めた。▼ (11) 2021/07/13(Tue) 11:19:47 |
【秘】 遊惰 ロク → 失格 セナハラ「もうちっと―― あの子らブジに帰すまでは、気張ってみるがね。 ……終わりがわかってンのはいいモンだなァ」 本音を溢して、ヘラリと笑って。 仕切り直す様に、便箋を掲げて軽く振る。 「坊チャンには頃合いみて渡すとしようか。 知られたくねェってンなら、 ワザワザ言うこたしねェから安心してくれ。 ……アー、お前サンの体弄ったのはまずかったかなァ」 まァ、その辺りは適当に書き足すかどうにかするだろう。 医師なりの子どもの守り方がそれだというのなら、 キッチリやり遂げさせてやりたいと思ったものだから。 それから、便箋を元の通り折り畳み乍ら、 「ほかにやっとくことはあるか」と軽く問う。 (-37) 2021/07/13(Tue) 17:17:12 |
【独】 名無しの ミロク「……死者も眠いと感じるんですね、気のせいでしょうか」 どこかで自分が解体される音を聞いて何も感じない。 感謝をされているはずなのに、 ニエカワに墓を作った時のお礼より響かない。 この違いは何だったのだろう。 「私がやりたったことだから? 間に合わなかったのに、変ですね」 名もない男が取引以外で動いたのは、死者への弔いだけ。 生きている間に何もできず、やるせなさは募り続ける。 だから、その感謝がどこか救われていたのだと、答えを出した。 (-38) 2021/07/13(Tue) 19:31:05 |
【人】 遊惰 ロク>>13 >>14 メイジ 「……はいよ、セキニンは取ろうかねェ」 笑い顔を僅かに歪めて、そんな風に返事をした。 困った様なその顔は、少しだけ幼く見えるだろう。 それから。もう一人を台に寝かせ、刃を入れる。 手順は大凡理解した。 肉を断ち骨を折り、テキパキと進めていく。 こんな時間、早く過ぎ去ってしまう様に。 「――そういやお前サン、こないだ、ここで。 キット質問をはきちがえてたと思うンだよなァ」 事を進め乍ら、合間にふとそんな事を語り掛ける。 続く一言を口にする時だけは手を止めて、 少年の大きな片目を正面からジッと見据えて。 「おれは“この医者の自殺を”手伝ったかってきいたんだ」 スイと視線を外し、再び手を動かしつつ。 それが当然の事のような軽々しさで、一度言葉を締め括る。 「こいつは自殺だろ。 しょ お前サンが殺しただなンて、そう背負いこむ必要はねェさ」 この時の男は医師の死んだ経緯も知らなければ、未だ遺書を目にしてもいない。 只、抵抗の跡が見て取れなかったという事実だけでそう確信していた。 (15) 2021/07/13(Tue) 20:28:31 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク(兄サン、どこいんだろ。 ……呼びゃァ出てくるかねェ) 暫く見かけない姿を探して、院内を彷徨いている。 腕の中には、蓋をしたブリキのバケツが一つ。 (-40) 2021/07/13(Tue) 20:42:01 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロク「ま、完全無罪ってのも難しいでしょうから。 特赦さえ得られれば良いですよ。 世間が彼を被害者と扱うのであれば、それでいい」 加害者として生きる事の苦痛は、知っているつもりだ。 被害者として生きる事の苦痛は、知らないのだが。 「他に頼む事はありませんよ。……あ、いや」 会話を終わらせようとして、思い出したように貴方を見る。 “彼方” の共犯者 にはしておいて“此方”にはしない、というのは筋が通らないだろう。 「少しの間だけで良いので、目を閉じてもらえませんか」 (-41) 2021/07/13(Tue) 20:50:47 |
【人】 被虐 メイジ>>16 ロク 「……違うよ……オレが殺したんだ。 "人の殺し方"を教えてくれるっていうから。 オレは、今まで……生きることを教えてくれた セナさんのことを利用して……」 メスを握る手が、震えていた。 これは建前だ。本当はわかっている。 自分の身を使ってまでやることじゃない。 やがてメイジは目を伏せて、ため息を吐いた。 「──勝手に死なれるより、その方がよかった」 「……いいんだ。オレはそうしたいんだよ。 痛みを分け合いたかったんだ。背負いたいんだ。 ……この気持ちを、忘れないように……」 もう動かない抜け殻を、バラバラになっていく それを見つめながら呟いた。 (17) 2021/07/13(Tue) 22:00:04 |
【秘】 遊惰 ロク → 失格 セナハラ そういうモンか、と畳んだ紙を眺める。 閉じた世界で 虐げられて 然程広くは無い。 「――目を、? ……、」 彼の前で目を閉じる事に、躊躇いを覚えはしたものの。 ――大人の前で無防備を晒す事に、虞を抱きはしたものの。 「はいよ。なんだろ。 ……見られたくねェモンでもあったかねェ」 アッサリと ――そのつもりで、実際のところ恐る恐る―― 言われた通りに瞼を下ろし、 暗くなった視界の中で話し掛け続ける。 沈黙を恐れたのだろう。 (-44) 2021/07/13(Tue) 22:03:54 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロクその頭部に手を伸ばす。 案の定触れる事はできず、ただ虚しくすり抜ける。 それでも。 撫でるように、掌で頭の形をなぞった。 「……はい、おしまい。 もう目を開けて良いですよ」 貴方が目を開ける頃には、もう手を下ろしている。 本当は見られても構わなかったが、貴方は拒むだろう。 貴方がこの手を求めていたのは今ではなく、 ずっと幼い頃だったであろうから。 全てが過ぎ去り、今となってはどうしようもない事だと理解しながら──、 そうしたかったという只の自己満足だ。 (-45) 2021/07/13(Tue) 22:27:08 |
【独】 焦爛 フジノメイジとロクが作業をしている頃。 まだ回収していないものを得るため、フジノはミロクの借りていた部屋へ向かった。 死体はもうない。けれど、血痕と匂いはまだ残っている。 あの時の事を鮮明に思い出せるほど、色濃く。 「……」 息を吐いて、部屋の中に足を踏み入れた。 床に散った赤黒い染みをそっと避け、引き出しを探す。 そうかからない内に目当てのものは見つかった。 ミロクが遺してくれた食糧。 都会へ出る間の分。それに、二人へ分ける分。 限りあるそれらをそっと抱えて、フジノは踵を返す。 そして扉をくぐり抜ける前に、ふと立ち止まり振り返った。 「……ありがとう、ミロクさん。 私、がんばる、ね」 おやすみなさい。 そう告げて、フジノは今度こそ部屋を出て行った。 (-47) 2021/07/13(Tue) 22:54:23 |
【秘】 遊惰 ロク → 失格 セナハラ「――、終いかい」 クロスグリが露わになって、瞬く瞼に幾度か隠される。 僅かな時間振りの色彩が少しばかり目に痛かった。 「そンじゃ、まァ、これにて。 なにか用がありゃアまた呼んでくれ。 もうちっとはここにいンだろ、互いにさァ」 今、何を貰ったのか――与えられた事も知らぬ儘の男は、 そんな風に。アッサリとした別れを告げる。 至って平々凡々な挨拶は、だからこそ可笑しな話だった。 (-48) 2021/07/14(Wed) 1:23:15 |
【人】 被虐 メイジ>>18 >>19 ロク 「……もし死者にでも会えるんだったら 文句のひとつやふたつ言いたい気持ちはあるけどね」 首だけになった彼をぼんやりと眺めた。 ……文句なんてひとつも出ない。今はただ、つらくて、寂しい。 そっと壊れ物を扱う時のように布に包んで、しまう。 ふと、沈黙を破るあなたの様子に首を傾けながら ぱちりと一度瞳を瞬かせた。 「うん、ありがと…… ロクさん。やっぱりやさしいね」 それは以前に手当してくれた時にも、思ったことだった。 やさしい大人、というよりは少し年の近い兄のようだと思う。 家族に例えてしまうのはメイジの悪いクセだが。 ほんのちょっと、心強さを感じながら素直に頷いた。→ (20) 2021/07/14(Wed) 2:17:10 |
【独】 流転 タマオ/* ところでタマオの誕生花をセイヨウスグリに設定していたから、ロクの瞳の表現でスグリが出てきて「えっっ」ってなっていたことを報告させていただきます。 採用している花言葉は「期待」「私はあなたを喜ばせる」。寂しさを埋めてくれることを期待しているから、私はあなたを喜ばせる(と思う行動をする)。でも結構ズレている。 「あなたに嫌われたら私は死にます」もあるけど、タマオは“あなた”を軽くしているから死にますまでに至っていないだけで、素質はあるのかしらとも思ったわ。あなたが“みんな”でなく、“あなた”になったなら。 動かしてみて思ったけどマジで人間の感性してないからないかも。 (-50) 2021/07/14(Wed) 6:32:43 |
【秘】 名無しの ミロク → 遊惰 ロクあなたの足元に黒猫が一匹。 小さくないて、じゃれつけば姿を消した。 「バケツなんて持ってどこに行くんですか」 それがどんなものかわかっていても、 男はそう話しかけました。 (-51) 2021/07/14(Wed) 8:31:22 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク 足元に現れた猫を踏んづけぬ様蹴らぬ様、 避けようとしてたたらを踏む。 「――あァ、いいとこに。 お前サンの墓、つくりにいくとこなんだけども。 どこに埋めりゃァいいかねェ」 一人分の首と骨とが収まったそれを抱え直して、 顔を上げた男はそう返事をした。 (-52) 2021/07/14(Wed) 8:54:36 |
【秘】 名無しの ミロク → 遊惰 ロク「私にソレを聞くんですね。 ニエカワさんと黒猫のお墓を作ったんで、その近くにでも。 深く掘るように言われましたが力は大丈夫ですか? タマオさんを呼べばよいと思います」 警察官はあまり文句なくやってくれるだろう。 見えている自分たち以外からは異常な提案ではあるのだが。 彼が異常な存在であるのは殺されている身からすれば十二分に知っているのだ。 そのまま案内をする、病院の裏口から出て少しした場所。 泥で山も見えなくなっているが比較的無事な地表があった。 彼らがいる場所だ。 (-53) 2021/07/14(Wed) 9:55:37 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク「聞けンだし、どうせなら好きなとこがよかろ。 ……んー、まァ、おれだけでやってみるかねェ」 時間はかかるだろォが、と言いつつ 拝借したスコップを持って着いていく。 辿り着いた先、最近均されたと思わしき場所が二つ。 それが彼らの墓なのだろう。 バケツを脇に降ろし、静かに手を合わせる。 それから、程近くの地面にスコップの先を突き立てた。 十分な深さへ到達するまで、短くはない時間を要する。 只管に土を堀り返し乍らも、 話し掛けられれば手を止めぬ儘で応えるだろう。 (-56) 2021/07/14(Wed) 10:41:10 |
【独】 流転 タマオ>>1:-56 >>1:-75 >>1:-81 >>1:-82 >>1:-93 >>1:-103 >>1:-117>>1:-118>>1:-119 >>ニエカワ >>1:-171 >>1:-175 >>1:-194 >>1:-205 >>1:-225 >>1:-226 >>1:-228 >>1:-233 (-60) 2021/07/14(Wed) 11:07:00 |
【秘】 名無しの ミロク → 遊惰 ロク「それもそうですか、死者の声が聞けるのも難儀ですね。 私は死んでいる方と意識して会話をすることがありませんでしたから、随分恵まれていました」 不思議な体質でしたとあなたの手を止めない程度にぽつぽつと会話を溢し自分が埋まる穴が掘られていくのを眺める。 他人事のようにみえてしまうのは、死んでしまっているからなだけだろうか。 「その骨って、"私"なんですかね」 (-62) 2021/07/14(Wed) 11:07:50 |
【独】 流転 タマオ>>2:-2>>2:-3>>2:-4 >>2:-6>>2:-7>>2:-8 >>阿片商人 >>2:-61 >>2:-83 >>2:-101 >>2:-172 >>2:-199 >>2:-209>>2:-210>>2:-216 >>2:-225 >>2:-238>>2:-239>>2:-240>>2:-241 >>2:-250 (-61) 2021/07/14(Wed) 11:08:12 |
【独】 流転 タマオ>>3:-13〜 >>3:-27>>3:-28 >>3:-58 >>ニエカワ >>3:-129>>3:-130 >>3:-140 >>3:-149>>3:-151 >>3:-172 >>3:-203>>3:-204 >>3:-205>>3:-206>>4:-181>>4:-182>>4:-183 >>3:-208 >>3:-209 (-63) 2021/07/14(Wed) 11:09:44 |
【独】 流転 タマオ>>メイジフジノ >>4:-16 >>4:-46他 >>4:-59 >>4:-68 >>4:-76 >>4:-82 >>4:-102 >>4:-107 >>4:-108 >>4:-109>>4:+21 >>4:-118 >>4:-124 >>4:-152 (-64) 2021/07/14(Wed) 11:10:40 |
【人】 遊惰 ロク>>20 >>21 メイジ “会えるんだったら”。そういや見てねェなァ、と思う。 どこぞに隠れてしまったか、もうここにはいないのか。 その答えが分かるのは、きっとこの後直ぐの出来事だ。 “やっぱりやさしいね”。やさしかねェよ、と小さく笑う。 ――生きてたらこの年頃だった、きょうだいの様な友らがいた。 放っておけなかった理由は、只それだけだ。 汚れた手をよくよく洗って、綺麗に拭いて。 座る少年に近寄り「拭くぞ」と一声かけてから、 顔の汚れをグイと拭う。 痛みのない程度に、しかし繊細さの足りない力加減で。 それからそこかしこが赤く染まった包帯を替えてやる。 その儘ではお嬢サンの前にも出づらかろうと。 「――そンじゃこれにて。 おれの方こそ、どうもアリガトウ」 それらを終えれば、ブリキのバケツを一つ手に取って。 蓋したそれを抱えて暇を告げ、少年を残して部屋を出た。 (22) 2021/07/14(Wed) 12:11:24 |
【独】 流転 タマオ/* すり抜ける物とすり抜けない物の差とか。 タマオの所有物でない“借り物”はすり抜けないです。>>1:-74>>1:t8>>1:-77 正当な報酬としてもらった金銭だとか、なんとなく気に入って拾った・持ち主のいない物だとか、“自分の物”にした物は一緒にすり抜ける形。 とは言え現時点では亜空間に出し入れ自由というわけでもないので、ポケットに入る程度の物しか自分の物にしていない。旅荷はほとんど持っていません。 /* 「・・・・・・」と「……」 考えてもよくわからんかったとか、なんかすごい物申したいけど黙ったとか、そういう沈黙が全角。単純な間とか、その他のものが三点リーダー。くらいのつもりだったけど厳密ではないわ。その時のテンションよ。 (-65) 2021/07/14(Wed) 12:28:08 |
【人】 焦爛 フジノ初日は多くの人が集まっていた部屋。 今はガランと静まり返ったそこに足を踏み入れ、机の上に缶詰を並べる。 『メイジ』『ロクサン』 名前の書いた紙の上に重し代わりの缶切りを置いて、満足そうに頷いた。 ミロクはああ言っていたけれど、フジノは二人にもちゃんと食べて欲しいと、思うのだ。 食べることは生きることだから。 (23) 2021/07/14(Wed) 12:45:38 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク「あァ、そういやお前サンもだったか。 ……まァ、ちっとばかしナンギかもなァ」 視界の外で幾人分か、パタパタと走る小さな足音。 バッチリシッカリ とり憑かれている 側に居る。なかなか姿は見ないものの。スコップを差して、掘り起こして、穴の外へ土を盛って。 無心に繰り返す動きが、掛けられた言葉で一瞬澱んだ。 「――おれのやったモンつけてんだ、 十中八九お前サンでちがいねェだろうよ」 (-66) 2021/07/14(Wed) 12:55:31 |
【秘】 名無しの ミロク → 遊惰 ロク「……そうですかね?」 声色が少しだけ明るく聞こえたかもしれない。 「私、商人として死んだのか私として死んだのか、 あんまり自信がないんです。 理由はすべてミロクに起因しているんですが。 ……ああ、わかりにくいですかね。 ミロクというのは商人の名前で、私は名前がありません。 だから私の意思でちゃんと死ねたのか、わかりかねています」 あのとき話した言葉より少し揺れた言葉。 生き方を変えられなかった男は、自分を見つけられていない。 自分のものがようやく手に入ったのもあの瞬間だった。 今なら言っても良いだろう、生死で揺れているのは同じだ。 「誰かの為に、誰かのせいで。あなたは言いましたが。 何よりも、自分がそこにいたのかがわからなくなるのはあまり良い気分ではないと経験則から語りましょう」 (-68) 2021/07/14(Wed) 13:05:23 |
【人】 被虐 メイジばしゃりと泥が跳ねた。 靴が濡れるのも構わずぬかるんだ道をふらふらと歩く。 ──外に出ようと思ったのは、晴れたからではない。 無駄に動いて、体力を消耗することは避けている。 薄くなった雲間から差し込む、わずかな光に目を眇めた。 外は、こんなにも眩しいものだっただろうか。 バケツをひとつふたつ、みっつ、運んでいく。 アユミの、ニエカワの、セナハラの。 あのまま置いておくのは、忍びなかったから、全部。 ミロクのはロクにまかせておいた。 気だるげに顔を少し上げると、濁った水が流れていくのが見えた。──この位置からは、メイジの実家は見えない。 「…………」 ゆるく頭をふった。適当な場所にバケツを置き しゃがみ込んで顔を伏せ、長い溜息を吐いた。 (24) 2021/07/14(Wed) 13:08:31 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロク視界の隅に捉えたままの少年に、一瞬目をやった。 「そうですね。 まあ、僕はニエカワくん次第ですが」 貴方がどんな選択をしようと、 停滞する己から見れば進むことに変わりはない。 だからこそ、別れの言葉はこのひとつしかなかった。 「……いってらっしゃい」 (-69) 2021/07/14(Wed) 13:15:20 |
【秘】 失格 セナハラ → 首枷 ニエカワ「……お待たせしました」 短くそう言うと、貴方の傍らへやってくる。 たとえ目の届く場所にいても、やはり離れるのは不安だった。 「ニエカワくんはこれからどうしますか? 僕はその、きみの傍にいますから。きみが決めてください」 (-70) 2021/07/14(Wed) 13:22:50 |
【独】 首枷 ニエカワ人と会話しているセナハラの方をじっと見つめている。 彼が移動すれば、自分も移動する。 誰かと話していれば距離を取りつつも視界に入れる。 誰もいなければいつものようについて回っているだろう。 別に人と話してほしくないとか逃げないように見張っているというつもりではない。 傍に居ることを確認したくて視界に常に入れてしまうようだ。 見つめられている本人にとっては監視の目ともとらえられるのかもしれないが。 (-71) 2021/07/14(Wed) 13:37:10 |
【秘】 首枷 ニエカワ → 失格 セナハラ貴方が自ら戻ってくればほっとした様子で表情を和らげる。 「おかえり、セナハラさん」 貴方の手をぎゅっと握る。 「俺はずっとこのままでいいよ……セナハラさんさえいてくれれば……」 ミロクさんのセリフをふと思い出して 「──セナハラさんは。成仏したい……?」 じっと、何かを測るような目で貴方を見上げる。 (-72) 2021/07/14(Wed) 13:48:40 |
【秘】 失格 セナハラ → 首枷 ニエカワ手を握られれば、僅かに身体が強ばってしまう。 それを悟られないように、笑みで誤魔化した。 「成仏は……できないと思うので。 僕が行くのは浄土ではなく、地獄でしょうから」 男は己を加害者とみなしている。 対して貴方は間違いなく被害者であり、 生前の行いに非などひとつもない。 この地を離れれば二度と会うことはないだろうと、思っている。 ──そうなってしまえば、己の罪は一体誰が許してくれるというのだろう? 「僕も、ね。ニエカワくんがいてくれれば、良いんです」 貴方と同じ言葉を返す。 されどその言葉の裏には、天と地程の差があった。 (-73) 2021/07/14(Wed) 14:09:41 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク「お前サンの話はややこしいンだよなァ……」 流れ落ちる汗をグイと手の甲で拭う。 汚さぬ様に上着は裏口に置いてきていた。 「“商人のミロク”と、そうでないお前サンと。 ……わかんねェなァ。 それってまったくの別モンなのかい」 そう零してから、暫くの間。 傍目には変わらず黙々と腕を動かし―― 不意に、スコップをザクリと縦に突き立てた。▼ (-74) 2021/07/14(Wed) 14:58:33 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク 持ち手から手を離し、一つ伸びをして。 チラリと相手に視線を送る。頬に土汚れをつけた儘。 「――お前サン、どうして死んでくれたんだろ。 おれァ商人サンには“ガキども生かすために”って 頼んだつもりなんだけども」 諳んじる様に流れる様に言葉を吐く。 学が無いなり、考えて。用意できた返答がこれだった。 「それだけがお前サンの死んだ訳なら、 お前サン、商人として死んだんだろうさ。 それがチットモ関係ねェなら、 お前サン、商人じゃねェお前サンとして死んだんだろう」 (-75) 2021/07/14(Wed) 15:00:49 |
メイジは、探してきたスコップで穴を掘っている。無心で。 (a5) 2021/07/14(Wed) 15:05:21 |
メイジは、ざく、ざく、ざく、ざく、ざく、ざく。 (a6) 2021/07/14(Wed) 15:07:29 |
メイジは、それほど不慣れではないようだ。土とスコップがぶつかる音だけがしばらく響いた。 (a7) 2021/07/14(Wed) 15:08:49 |
【秘】 首枷 ニエカワ → 失格 セナハラ「………」 手を握った時の反応や笑顔の違和感に目を逸らしながら指を絡めた。 「天国にセナハラさんがいないから、俺も成仏したくないな……」 言葉の裏にどんな思いがあろうとも、貴方の言葉だけが少年にとっての真実だ。 「じゃあ約束……今度はちゃんと守ってもらえそうだね……」 空いた手が貴方の首筋へと触れる。 「でも、もし違うところへ行きたくなったら行って……? その時は、俺もついていくから……」 地獄でも来世でも。 その執念は愛情という名の呪いだ。 (-76) 2021/07/14(Wed) 15:25:01 |
【秘】 失格 セナハラ → 首枷 ニエカワひゅ、と止まった筈の息が詰まる。 首筋に触れる手が、まるで首輪のように思えた。 己を罰する男の魂は、 愛情という名の呪いによってのみこの地に留まるだろう。 「……、はい。誓います」 永遠を誓う言葉を、小さく呟く。 その永遠に未来などひとつも無く。 ──……結ばれた縁の色は、もう見えない。 (-77) 2021/07/14(Wed) 15:52:32 |
タマオは、穴の数を増やした。ざく、ざく。土とスコップがぶつかる音が多かった。 (t2) 2021/07/14(Wed) 16:32:26 |
【秘】 首枷 ニエカワ → 失格 セナハラ「ふふ……なんか、結婚式みたい」 細い指の腹が頸動脈当たりの肌を滑る。 そのまま首裏へ手を回すと自分の方へと引き寄せて、冷たい唇の端へ口づけを贈った。 「『汝を妻とし、今日より いかなる時も 共にあることを誓います』……」悪戯に子供のごっこ遊びのようなことをして幸福そうに目を細めて笑う。 そんな言葉も貴方にとってはさらなる首枷となるかもしれない。 (-78) 2021/07/14(Wed) 16:34:13 |
メイジは、夢中で作業していたので、しばらく音が多いことに気づかなかった。 (a8) 2021/07/14(Wed) 16:39:12 |
メイジは、ふと顔を上げた。なぜか掘った穴が増えていた。 (a9) 2021/07/14(Wed) 16:40:30 |
メイジは、「 ? 」 (a10) 2021/07/14(Wed) 16:40:45 |
【人】 被虐 メイジ長い時間をかけて掘り、地面に深めの穴ができた。 なぜか増えていた穴にしばし首を傾げたが 考えることを放棄した。助かったので見えない誰かに感謝した。 メイジはじんわりと汗が滲んだ額を拭う。 せっかく替えてもらった包帯がまた少し泥で汚れてしまった。 ……そおっと、バケツの中身をひとつひとつ、穴の底へ。 別れを惜しむように睫毛を伏せて、土をかぶせていく。 そうしてしばらく、その前に座り込んで、手を合わせた。 ──どうか安らかに、なんて祈る資格はないかもしれないけれど。 (25) 2021/07/14(Wed) 17:47:08 |
【赤】 被虐 メイジ──ある人が言っていたことを思い出した。 "もし何か悪い事をしたとしても、それは生きる為にした事" いい子のままでは生き残れない。そう、メイジに説得してくれた時の彼は まるで自分に言い聞かせているようだったのを、覚えている。 それと同時に "自分のやった行いは許されるものではない" と、また別の人の言葉も思い出してしまうけれど。 それでも"死にたくない"とメイジは選び、ここまできた。 誰かを犠牲にしてまでもそうする術を教わって。 "僕は、たとえ死んでもきみに賛同し続けます" 覚えている。背を押してくれた言葉を、頭を撫でてくれた温もりを。 死後の存在に確信のない少年には 今でもそうであることを信じて、祈るだけだった。 それは"尊敬"に近くて、すこし"同情"にも似た感情。 彼が医師を志した理由をきいてしまったからだろうか。 (*0) 2021/07/14(Wed) 18:11:11 |
【秘】 失格 セナハラ → 首枷 ニエカワ何の抵抗もせず口付けを受け入れる。 覆水は盆に返らず、後戻りなどできやしない。 目を細め笑う少年を見て、思う。 自分はいつかきっと、逃げたくなる。 しかし貴方は、絶対に自分を離さない。 だからこそ、赦されたと安堵できるのだ。 ……一人では難しい約束も、二人でなら守れるから。 この枷は、罰を求め続けた男に相応しい。 (-79) 2021/07/14(Wed) 18:25:04 |
【人】 焦爛 フジノ>>28 メイジ 「うん、いいの。私の分も、ちゃんとある、から。 ……ふふ。ほら、だから、ちゃんと食べて、ね」 たしか魚の缶詰だと言っていた。 ……魚なら、『猿肉』の味を思い出すこともあまりないだろうと、思う。 「うん。かわいい、し、それに…… 見たら、メイジとミロクさんの事、思い出せる、から。 近くにあったら、心強いなって、思ったの」 ありがとうと言って箱を受け取る。 箱の重みにほんの少し、得意げになれたあの日を懐かしく感じた。 「……メイジが、住んでいる所は。 ミロクさんの教えてくれた場所と、近い?」 ふと、貴方に会える場所を知らない事に気付いた。 自分の行く場所はここだと、ミロクに渡されたメモを見せる。 きっと会えると言ってくれたけど、自分で会いに行ける方法も知っておきたかった。 知りたいと、思った。 (29) 2021/07/14(Wed) 19:41:20 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク貴方が外から戻ってくると、フジノが近づいてくる。 「お疲れ、様。 ……外、暑くなってきた、から、喉渇いてないかなって、思って」 そう言って水の入った水筒を差し出した。 「……ロクさんは、救助が来て、その後は、どうするの? 来たところに、戻るの?」 そも、貴方はどこから来たのだったか。 そういう話を全然していなかったと思い出す。 (-81) 2021/07/14(Wed) 19:59:39 |
【人】 被虐 メイジ>>29 フジノ 「……ありがと。 そういえばオレもフジノのハンカチまだ持ったままだ。 家に帰ってさ、洗ってから返したいって思ってたんだ」 魚の缶詰を開けて、動物の如くにおいを嗅いでいた。 なんだか"猿肉"以外を食べるのは、久々だった。 いただきますと手を合わせて、味わった。 「オレの住んでる場所はね、──」 あなたが自分の名を書いていた紙に、書き記す。 ミロクが言っていた場所と近いかと言えば どうだろう。メイジの住んでいる場所は 少し見上げれば、赤い塔がみえるところだった。 「フジノまで会いに来てくれたらすれ違っちゃわないかな」 メイジは、頬杖をつきながら笑った。 (30) 2021/07/14(Wed) 20:01:18 |
【独】 流転 タマオ>>0:@0 >>1:-178>>4:-192 こうやって勘違いしたまま離れるのよくありそうなのだわ。 >>2:-66>>2:-67>>2:-68>>2:-71 今のタマオは消滅しないことの方が大事。 >>2:-73 結局この肩書は自称であり、かつ己はけっこう適当な人間だ。 >>3:-66 簡単に物の出し入れできそうね。窓もありだわ。 (-82) 2021/07/14(Wed) 20:11:23 |
【秘】 名無しの ミロク → 遊惰 ロク「あなたのことを考えたかどうかで決まりますね……」 今までのややこしさを吹き飛ばし、簡潔にまとめる。 話すことが思考の整理になっているのだろうか。 「言うとおり取引にあなたは入っていなかったんです。 死ぬことは、入っていたと思いますが。 ……私あなたのために(も)死にましたか?」 罪を後悔する生者にする質問ではない。 「…………、答え出ていましたね」 そういえば、言っていた。なんだ、私はいましたか。 「私名前も、戸籍もないんです。 だから死んでしまったら本当にどこにもいなかったことになります、それが寂しいなと思っていたところだったんですよ。 あなたのおかげで、あまり気にしなくて良さそうです」 (-84) 2021/07/14(Wed) 20:11:25 |
【独】 流転 タマオ/*本官と己 素は敬語も使わないのだけど、基本的にずっと警察官の本官として喋るから、己の時も敬語混じりになっている節がある。 /*敬称 女性は名前チャンか名前サン。男性は名前クン。名字を使う時はどちらでも呼び捨て。全部名乗られないこともあるから、そういう時は聞いた印象。ロクロクは二人ともクンです。片方人伝にでも聞いたか覚えてないけど。 /*差分 実質通常差分と妖狐差分縛り。目玉転がし以外で墓下差分使ったのは一回。ここ>>2:-136の墓下差分どういう心境? 「これ取引として成立しないかな? あんまり断られたくないな〜」みたいな感じの。真名を言うのを然程よしとしない文化が無意識に染みついているので、教えてもらえないかも……を思っていた。 ちなみに同じく一回の赤差分のこっち>>3:-78>>3:t13は悪戯っ子の気分。 (-83) 2021/07/14(Wed) 20:12:46 |
【秘】 遊惰 ロク → 焦爛 フジノ キョトン、と。差し出された水筒と少女の顔を見比べて。 どこか面映ゆそうに受け取る。 「こいつはどうもアリガトウ。 アハ、ワザワザ用意してくれたのかい」 それなりに渇いていたのだろう、直ぐに蓋を開ける。 喉仏が幾度か上下して、一気に中身を目減りさせたのち。 「おれァ、……どうするかなァ。 ……出てきたとこには戻んねェつもりだけども。 アー、ここだけのハナシ。親から逃げてきてんだ、おれ」 まさか 『おっ死んじまう予定です』などと 馬鹿正直に答える訳にもいくまい。 シカシ咄嗟に上手い嘘も吐けず、そんな風に返事をした。 (-85) 2021/07/14(Wed) 20:19:01 |
【秘】 遊惰 ロク → 被虐 メイジ「お医者サンから、お前サンに」 いつかの時間。そう言い乍ら一枚の封筒を手渡す。 封がされておらず、中には数枚の紙が入っている。 ――少年の手に渡ったと同時、 男は「アッ」とワザとらしい声を上げる。 「封しとけって言われたんだが、忘れちまった。 悪いが坊チャン、しといてくんねェか」 糊は宿直室にあると言って、そンじゃこれにて。 返事も待たずヒラリと手を振り、男はサッサと立ち去った。 死人に口なしとはマサにこの事。中身を見るも見ないも、少年次第だ。 そも、少年を只、大人しく守られているだけの存在と見做さなかったのは、かの医者なのだし。 (-86) 2021/07/14(Wed) 20:27:13 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク「外の作業、手伝えなかったから……できる事、しようと思った、の」 ほっとしたように水を飲む貴方を見た。 「……そう、なの? ロクさんも、私も……メイジも。 似た者同士、だったんだね」 すんなりと信じた。自分の事も、メイジの話もあったから。 貴方が死んでしまうつもりだなんて、思ってもいない。 「……なら、また、会える? 私、ね。都会に出て、ミロクさんの紹介してくれた所へ、行くの。 もし、ロクさんも都会へ行くなら……会えたらいいなって、思って」 言いながら、腹を摩った。 (-87) 2021/07/14(Wed) 20:27:34 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク「……。そうかい」 何かを露わにする程の体力も残っておらず。 ただ相槌を打って、男は再びスコップを握る。 「お前サン、いなかったことにはなんねェだろ。 いなくなって泣く子だっていンだから。 ………………、おれが言えたことじゃねェんだが」 下を向いて作業を続け乍ら、そう言った。 ……本当に、言えた義理ではない。 (-88) 2021/07/14(Wed) 20:35:45 |
【秘】 名無しの ミロク → 遊惰 ロク「泣かせたんですか。知りませんでした」 すべて見ていたわけでもなくて、死体に興味がなかったわけですから。 ピアスが残っていたのは嬉しかったです。 「あなたは悲しくなってくれましたか? 心が痛むのならば、いい場所がありますよ。 安くて、美味しいものが食べられます。 死ぬ前に贅沢しませんか、私の荷物隠してあるんです路銀にしていいですよ」 (-89) 2021/07/14(Wed) 20:40:49 |
流転 タマオは、メモを貼った。 (t3) 2021/07/14(Wed) 20:44:29 |
【秘】 被虐 メイジ → 遊惰 ロク「……え? あ、うん──」 メイジは不思議な面持ちで封筒を受け取る。 さっさと立ち去ったあなたを、唖然と見送って 封のされてないそれを見つめる。 そういえば、手紙を置いておいたと 彼が生前言っていたのを思い出した。 ──中身は見ないでください、とも。 (-90) 2021/07/14(Wed) 20:47:48 |
【秘】 遊惰 ロク → 焦爛 フジノ「――どうだろ、なァ。 おれァ先のこと、まだ考えてねェからさ」 “まだ”なんて、言葉の上では小さな、 けれども総じて大きな嘘を口にする。 商人がやってくれたのはそういう事だったのか、 と思い乍ら、回りにくさを覚える口を開く。 「……そうだなァ、もし、都会にでるって決めたら、」 それから一度水筒の口に唇をつけて、 その必要もないというのに軽く湿らせる様にして。 「そん時は、もうちっと。 飯をキチント食えてそうなお嬢サンに、会えたらいいなァ」 ヘラリと笑って、 あるかも分からぬ 未来を語った。 (-91) 2021/07/14(Wed) 20:48:36 |
メイジは、どうみても読んでと言わんばかりのその手紙を、開いた。 (a11) 2021/07/14(Wed) 20:49:28 |
メイジは、思わずつぶやいた「馬鹿じゃないの……」 (a12) 2021/07/14(Wed) 20:51:36 |
【神】 名無しの ミロク>>G16 ニエカワ 「はい、私も皆さんに生きてほしいだけでした。 ミロクとしても、わたしとしてもです」 自然死がこの世の中では良いとされます。 倫理の中で言われる自然とは、この世で起こったことはすべて自然的であるという論。 キリスト教でいう、死者が蘇るなどの奇跡とは対比されます。 人為的または事故などは、稀に起こる普通では起き得なかったこととされ、自然とは対比されます。 「信じましょう、彼らを。 死んでしまった私たちにはそんなことしかできません。 奇跡とは程遠いこの運命が、奇跡だったことを信じて」 自然でないことと、奇跡がこんなふうに証明されるなど。 倫理の世界も皮肉ですね。 (G17) 2021/07/14(Wed) 20:51:53 |
メイジは、泣いていた。 (a13) 2021/07/14(Wed) 20:52:24 |
ロクは、死んでいない。まだ、今のところは。 (a14) 2021/07/14(Wed) 20:53:41 |
ミロクは、この年の夏に起きた事件を奇跡だと信じている。 (a15) 2021/07/14(Wed) 20:53:51 |
傷痕 メイジは、メモを貼った。 (a16) 2021/07/14(Wed) 20:54:50 |
ミロクは、またこの夏に空を見上げ、誰かの生誕を祝うのだろう。 (a17) 2021/07/14(Wed) 20:54:56 |
【人】 警官 ハルカゼ──時は令和三年。東京オリンピックの開催が迫る、夏のことだった。 「あれ、まだ読んでたんですか? ……ま。長いから暇潰しにはなりますよねェ。 昨日は忙しかったから、尚更退屈ですよ」 ハルカゼは溜息を吐く。 小さな駐在所の中は片付いていた。 綺麗好きのハルカゼが赴任してから、所内はいつも整頓されている。▼ (37) 2021/07/14(Wed) 20:55:23 |
セナハラは、遠くから見守っている。 (a18) 2021/07/14(Wed) 20:56:40 |
タマオは、初雪の日に彼を一言祝います。何度も。 (t4) 2021/07/14(Wed) 20:56:49 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク「――お前サン、諦めてなかったのか」 “悲しくなってくれましたか?”。 その問いに答えは返せず、返さず。 青年は只そう言って、困った様な顔して笑った。 (-94) 2021/07/14(Wed) 20:57:34 |
ロクは、一先ず、今日も生きていた。 (a19) 2021/07/14(Wed) 20:57:41 |
メイジは、フジノと約束をした。また会えますように。 (a20) 2021/07/14(Wed) 20:58:47 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク「じゃあ、今、考えて……ううん、やっぱり、いい」 じっと貴方を見て、そう言いかけ……途中で口を閉ざした。 「それぐらいなら、するよ。 見せられるように、する。 ……その、時は」 腹をそっと撫でる。 「その時は、『この子』を見せる、からね。 絶対。会いに来て。 皆に生かしてもらった、子だから」 そう言って、女は笑った。 (-95) 2021/07/14(Wed) 20:59:25 |
フジノは、願った。また、次が、ありますように (a21) 2021/07/14(Wed) 20:59:50 |
タマオは、相槌を打った。「はい、よく似ていると思いますよ」 (t5) 2021/07/14(Wed) 21:00:02 |
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