【独】 7734 迷彩 リョウ>>3:c4 初老の男はこのハゲです。少年院に勤めるカウンセラーの内のひとり。 どんなに社会が腐敗しても、 人間はハッピーエンドが好きですから、ね…… こっそりとその可能性に賭け、そして勝ち、負けた人。 モブの描写ガッツリしてごめんな (-139) 2021/10/04(Mon) 17:45:35 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 9949 普川 尚久「ああ……そのくらいが、ちょうど良いのかもな」 鼻を掠める、似た色の髪が擽ったい。 何だろうな、これ。……猫? 思って、くつりと喉を鳴らした。 不気味かも……。 回していただけの腕に、僅か、力が籠る。 据わりが悪い。 本当に、何だろうな、これは。 「うん。……理解し難い」 背を丸める。ずるーっと肩の辺まで頭がずり落ちる。 耳元で、「眠い」と呟いた。 (-140) 2021/10/04(Mon) 17:57:54 |
【秘】 9949 普川 尚久 → 8435 黒塚 彰人「おもたい」 何笑ってんだと思っていたら、勝手に腑に落ちられた。 理解し難いというのはそっくりそのまま返せるぞ。 「眠たいなら、寝たらいいじゃないか。 もっと寝やすくはしなよ、布団敷くくらいはしてやる」 「・・・・・・・・・・・・・・」 「もしもし?????」 (-141) 2021/10/04(Mon) 18:06:47 |
【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久「……死にはしない、終わるだけだ」 何度も言い聞かせた。いなくなる、わけじゃないと。 「なかったことには、ならない」 何度も言い聞かせた。だけど到底、自分でも受け入れられない。 「過去はなかったことにはなれない」 何度も言い聞かせた。それは、真である。 「この俺が、……」 「……、また俺が実ったら」 次こそ俺を構築するすべてを思い出す。 だからそのときは、酒でも奢れ。 いやだと、代わりにいってくれる声が聞けただけで。 きっと、成功だ。普通ができなくとも、成すことができた。 時間を与えてしまうが、大丈夫だろう。 俺か俺であることの、種は蒔いた。 帰る場所が、あることは悪くないな。榊潤。 そこは誰か特定の場所ではないが、この喜劇を耕したかいがあった。 (-142) 2021/10/04(Mon) 18:20:22 |
榊 潤は、普川 尚久の左瞼に口付けを送った。 (a47) 2021/10/04(Mon) 18:21:12 |
【秘】 0043 榊 潤 → 9949 普川 尚久その日は、あなたに眠らされずとも心地よさそうに。 明るい部屋の中で、深く深く。 誰かに起こしてもらうのを待つかのように。 あなたの音を聞いて。 「……おやすみなさい、ご機嫌よう」 榊潤は眠りについた。 (-143) 2021/10/04(Mon) 18:24:05 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史「……悲しくなんて」 通り越した、とは言い切らないが。 お前のほうが随分厄介なものに捕まってるじゃないか。 「とんだわがままをこちらも押し付けていた。 お前が笑えているのなら、少しはましだというものだ」 他人の不幸を見ていると落ち着くな、自分のことが些細に思える。 他人が大変なのを見ていれば、本当にこれは。 些事であったのだと、思い知らされる。 「……靖史」 「また、苗字に戻ったら。 しつこく怒ってくれ」 厄介事が嫌いな俺が起こしたミスが、今となっては合図になってしまう。 (-144) 2021/10/04(Mon) 18:33:45 |
普川 尚久は、榊 潤の眠りに、おやすみ。ほかのあいさつはしませんでした。 (a48) 2021/10/04(Mon) 18:34:26 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史「だから、」 だけど、じゃない。 これを必然思おう、作られた舞台ではなく新しい確かな再演だ。 「お前にまた会う日まで」 笑えているといいな、悩んでる姿は似合わんぞ。 次はお前を可哀想だと思わないことを祈っている。 たとえ、記憶が戻らなくてもこの際、どうでもいい。 この世界が正しくないことを、 お前が、改めて俺に思い出させてくれた。 それだけで、俺は俺の世界を取り返しに行く。 (-145) 2021/10/04(Mon) 18:34:57 |
【秘】 0043 榊 潤 → 4274 素崎 真斗「……よかったな?」 (ハメ撮りの)出来栄えよくて。 「そうか。お前も外出てくるのか、……たまには会いたいな」 なんだか珍しそうなこの男から出てこなさそうな言葉が飛び出して。 「性欲処理に困らなさそうで」 最悪な言葉を付け加えて。 「……せいぜい、嫌がるか酒か食事でもおごれるぐらいになっているといいな」 社会に生かされることを。 社会に生きることを許される人間で有りたいと思う。 ここには、閉鎖的な世界にいた人間が多すぎる。 (-147) 2021/10/04(Mon) 18:44:45 |
【秘】 0043 榊 潤 → 4274 素崎 真斗「またな、素崎」 お前とは、またあと数度の別れをするが。 きっとお前は、傷付きはしない。 だが、またか。といい、"またか"と、落胆をして。 今日のことを思い出すのだろう。 それは、きっと、榊潤にとって心地よいいことになる。 「今日もいい夢が見れそうだ」 この日は眠らなかったか。 眠りたくて影によって眠らされた日だった。 「お前も風呂は入れよ。 補助してやるほど年寄りではないだろう?」 ひらりと手を振って、ご機嫌よう。 背を向けて、部屋を出ていくために歩き出した。 (-148) 2021/10/04(Mon) 18:45:08 |
【赤】 8435 黒塚 彰人椅子に腰掛けた膝の上、指を組む。右手の親指のはらで、左の親指の爪を擦る。 そうやって、言葉に迷うような、言い渋るような、何とも表現し難い沈黙があって。 「ここを出て――大切な人と生きたいと、言っていた奴がいるんだが」 「…………心底、羨ましいな。 俺の大切な人は……あの“俺”は、もう、いない」 目の前の少年から視線を逸らしたまま、ぼそぼそと言葉を吐く。 己の声が、遠い。……あの人の声は、もっと、低かった。 「……記憶だけは、ここにある」 とん、とこめかみを人差し指で叩く。 今となってはもはや、この記憶だけが、あの人の存在を残している。 「まっさらにはならないな。 そいつの見た景色を、俺も見るだけだ」 は、と自嘲するように笑う。 降り積もって、いつまでも残り続ける。便利で、不便な仕組みだろう?▼ (*11) 2021/10/04(Mon) 18:47:35 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:48:14 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:48:36 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:49:05 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:49:37 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:49:58 |
黒塚 彰人は、ただ―――― (a49) 2021/10/04(Mon) 18:50:18 |
黒塚 彰人は、 冷たい死の感覚が、いつまでも、いつまでも。忘れられなかった。 (a50) 2021/10/04(Mon) 18:50:45 |
【赤】 8435 黒塚 彰人 (*12) 2021/10/04(Mon) 18:52:20 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 0043 榊 潤少年の胸を突き飛ばす。口元から飲み込み切らなかった液体が垂れる。 いくらかの文句を口にしたろうか。 起き上がることはたぶん、叶わなかった。 じき、重くなる瞼に抗えず、抗わず。 吐き出す息ごと吞み込むような口づけを拒む力も失せ、齎されたぬるい眠りの中へ沈んでいく。 後のことをその眼で見るのは共演者と、モニター越しの観客。 この男が目覚めるのは、この一幕が終えられてからのことだったろう。 (-149) 2021/10/04(Mon) 19:11:34 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 9949 普川 尚久うん、はい、あー……などの相槌 (誤。正:生返事) を差し挟みつつ、長い手足で巻き付いた少年ごと横へ傾ぐ。「…………」 脇に置いてある畳まれたままの布団へもたれかかり、規則的な呼吸を立てはじめた。おやすみなさい。 (-150) 2021/10/04(Mon) 19:23:51 |
黒塚 彰人は、迷彩リョウたちの部屋の扉を叩く。 (a51) 2021/10/04(Mon) 19:31:19 |
【人】 7734 迷彩 リョウ>>a51 黒塚 扉を開ける。 最初視界に飛び込んできたのは、人間の胴だった。 視線を上げる。自分を見下ろす双眸と目が合った。 「……何か用」 僅かに身構えた。 首にかけられた手を思い出す。貴方にとっては戯れでも、少年にとっては殺されかけた記憶だ。 (25) 2021/10/04(Mon) 19:41:24 |
【赤】 3839 南波 靖史「そう。羨ましいな。仲間だね、彰人くん。 ──俺も、一番大切な自分には“二度と会えない”し、 “誰も、その存在を証明も観測もできていない”から。 彰人くんは最期に話せたみたいだけど。 俺は未だに自分の中に“靖史”がいるのを認識できない」 「……生きてるのか死んでるのかすら、不明で、」 「俺と言う“自我を持った異能”が存在する事すら、証明ができない。 創くんの記事見た?異能が自我ってマズいらしいね色々と。 でも俺こうして普通に生活してるのって、普通に見逃されてるのか、ただの多重人格者の狂人 の“戯言”と思われてるのか」「──実は、最も存在があやふやなの、俺なんだよね。 記憶だけが、『私』と『僕』の存在を証明してくれる。俺にだけ、ね」 君はコピーがあるから。肉体があるから。 同時に二つの個体が存在する限り、『外部の観測』によって証明がなされるだろうけど。俺の答えは誰一人観測ができない。『ただの多重人格者の妄言』を否定できない。 「……俺は死んだ事がないから、羨ましいとは言わないけど。 ただ、『最も大事な自分を、他者から認められなかった』」 「その一点は、君と共感できると思っている」 ▼ (*13) 2021/10/04(Mon) 19:42:23 |
【赤】 3839 南波 靖史「彰人くんの異能は、寿命と記憶の問題で、死体と苦痛が出るんだよね?」 「──俺の異能、使えないかな。」 「結局の所、俺の“1番”は俺から変わらない。 普通に誰かの傍にいるならこれはハンデだけど、彰人君も同じでしょ。そして、俺は“君の為に君を無痛で殺すことができる”」 「昔の俺の『自分が1番』で『他の全てが2番』が、此処で変わった。今の俺には、2番も3番も付けられる。」 「だから、君に声をかけている。俺、“ただしい人”に紛れて生きていける気がしないよ。だから、……ここから出たら、」 「“ただしくない人”のままで生きられる世界を、 一緒に、探しませんか」 「例え1番が自分でも、“独り”は寂しいから」 (*14) 2021/10/04(Mon) 19:46:06 |
【秘】 9949 普川 尚久 → 8435 黒塚 彰人「おい。 なあおい何このまま寝てんのさ黒塚彰人 」キレそう(キレません)。 「 はあ……いいけどさあ 」少しの間、内心でだけで騒いで。 喧しくするのはそれでおしまい。 あとはなんにも気にしない。 逃がされないのは、いやじゃない。 ずっとほしい。 電気は消してしまおう。鍵も掛けておこう。 慣れた調子で影を使って。 おやすみなさい。僕は寝ないけどな。 (-151) 2021/10/04(Mon) 19:46:57 |
普川 尚久は、温度を感じていた。 影の中よりいいかもな。 (a52) 2021/10/04(Mon) 19:47:28 |
【人】 8435 黒塚 彰人>>25 迷彩 開かれた扉。 視線を置いていた位置ちょうどに、少年の顔が現れた。 「顔を見にきた」 用件らしい用件はここに来る途中で耳に挟んだ噂話によって消えたので、本気でそれだけ。 顔を見るために他に用件を作るような殊勝さを持っていなかったので、これで目的は果たした。 「…………」 見慣れているであろう仏頂面で、少年を見下ろす。 その実、一つの事実を伝えるか否か、迷っていた。 (26) 2021/10/04(Mon) 19:52:05 |
【人】 7734 迷彩 リョウ>>26 黒塚 「はあ?」 最初の出た感想は、その一言だった。 しかし以前別れ際に向けたような、敵意までは含まれていない。 「……オレ、別にもう死ぬつもり無いから」 お前、報いてやる気がないんだな あの日激昂したのは、隠していた本音を指摘されたからだ。 隠す必要の無くなった今、怒る理由はもう無い。 その視線を、死地に向かう人間に向ける物だと勝手に解釈して告げた。 「お前の言う事、ほんとはわかってたよ。謝るつもりはないけど」 (27) 2021/10/04(Mon) 20:00:47 |
【赤】 8435 黒塚 彰人少年の顔を見上げて、目を細める。 眩しいライトはもう無いというのに。 「……つくづく、似ているな」 人間のなり損ない。 一番を自身と定める、ただしくないものたち。 「だが、お前は『俺じゃない』。 お前と違って、……違うものを、愛せる保証は無いぞ」 手を伸ばす。指輪の嵌ったそれに、指先を絡める。 交じり合う温度はやっぱり心地が悪くて、けれども少しばかり、マシになっているような気もした。▼ (*15) 2021/10/04(Mon) 20:03:48 |
【独】 7734 迷彩 リョウ★リョウちゃんの資料室★ 【ある号外】>>3:c15 書くの大変だった。新聞って書くの難しい。資料探しに一番時間かかったな… 【週刊新世界】>>4:-128 >>4:-129 書くの大変だったPart2。元々メモで出す予定でしたが、せっかくなのでここで出しました。 【ある速報】 【ZRNニュース速報】2XXX年 児童連続殺人事件 迷彩サリ被告 死刑確定 最高裁 『最高裁が上告を棄却した為……、死刑が確定ですね』 『この事件は2XXX年から2XXX年にかけて発生した児童連続殺 ……コマーシャルに切り替わる。家族が車に乗り、海の見える道路を走っていた。 >>4:c17 >>4:c20 >>4:c21 >>4:c33 >>4:c35 書くの大変だったPart3。 特に速報部分。色んな速報画面の画像を漁った時間が長かった。 【診断結果】>>5:c30 >>5:c32 これ1番書くの大変だった。 古細菌が現代科学で解明しきれてないモンだからですね。 だからこそ解釈と可能性の余地があると思って採用したんですが、もうなんか……未知の世界すぎてヤバかった (-152) 2021/10/04(Mon) 20:14:02 |
【人】 8435 黒塚 彰人>>27 迷彩 変な顔をした。変な顔、としか形容しようのない、どの表情を選ぶべきか決め損ねたような顔だった。 「ここに来る途中で、聞いた。 ……お前が生きる気になったらしいと聞いて、」 つい、と合わさった視線を一度逸らして、また戻す。 それはたぶん、少年とのこれまでには、あまりない仕草だっただろう。 「……。……リョウ、」 手を伸ばして、ニット帽にぽすんと置く。 ふ、と笑う。こぼれたそれは案外、柔らかい。 「前から思ってはいたが――」▼ (28) 2021/10/04(Mon) 20:25:43 |
【独】 8435 黒塚 彰人死ぬ必要もないくせ、死にたがって―― ――そのうえそれは本心ですらないときた。 馬鹿な子どもだ。 死ぬほどに愛した人間に、同じ道を――苦しい終わりを辿ってほしいと思うものなど、そうはいないだろうに。 愛した“俺”が、踏みにじられるようだったよ。お前の言うことは。 そんなお前が、生きる気になったらしいと聞いて。 よかったな、お前。 お前が嫌う、俺と同じにならなくて。 そんなことをはじめに思ったのは、たぶん、気の迷いだろうと思う。 (-154) 2021/10/04(Mon) 20:30:06 |
【赤】 3839 南波 靖史「知ってるよ。その上で、そこも似てるから誘ったんだ。 俺もまだ、2番も3番も生まれただけで── 『自分以外を愛せてはいない』のは同じ。保証なんて俺もない」 指を絡められた手を見て、少し考えた後に。 もう片方に常に嵌めていた自分の右手の薬指の指輪を取る。 「凄くない?記憶ない状態で“それでも誰にも渡したくなくて”自分の両手の薬指に婚約指輪代わりに嵌めてたの相当だと思う」 「なのに一回、彰人くんこれ外して来たでしょ。君だけだぞ」 だから、責任取ってよ。冗談めかしてそう言って、 取った指輪を貴方の右手薬指に着けようとしてくる。▼ (*16) 2021/10/04(Mon) 20:39:32 |
【赤】 3839 南波 靖史「……保証も証明もないない尽くしだね、俺達。 だから考えてくれるって言ったから、それ、あげる。」 「気が向いたら別の指に着けてくれたらいい。 或いは、誘いもそれも不要と思えたなら捨ててくれていい」 「俺も、今着けている“この指輪の意味”が、 変わる事があるのか──1年、2年?もっとその先?わからないけど、」 「互いに、賭けてみよう。 それでも苦しかったら、終わらせよう。全部」 俺は幾らでも、『居てくれるなら』答えを待てるから。 本当に『ただしく人を愛せなかった』俺達なのか、 それを確かめる未来への誘いへの返事を、俺はずっと待ってる。 (*17) 2021/10/04(Mon) 20:40:03 |
【人】 7734 迷彩 リョウ>>28 >>-154 >>a54 黒塚 視線が逸らされるのは、いつものこと。 しかし。 再び合わさったのは、記憶する限り初めてだった。 手を伸ばされた瞬間、体が強ばった。 ぐ、と逃げそうになる足を踏ん張り、きつく目を閉じる。 手は頭に置かれた。 恐る恐る目を開ける。初めて見る柔らかい表情が、そこにあった。 「……、」 ぐりぐり、大人が子供にするような撫で方をされる。 これも、初めてだった。 初めてのことだらけで、少年の思考は数秒硬直してしまう。 ようやく言われた言葉を理解したのは、その手が離れた頃だった。 「── はああああ!? ケンカ売ってんのかテメェ!!」上書きするように自身の頭を撫でる。 体当たりで貴方を押し出し、勢いよく扉を閉める。 そうして、廊下には再び静寂が訪れた。 貴方が何故こんなことをしたのか、少年が理解する日はきっと遠い。 しかし、いつかその日はやって来る。 ……彼は、この先も生きるのだから。 (29) 2021/10/04(Mon) 20:43:01 |
【独】 0251 鏡沼 創企画は終わり、馴染みかけた日常にもうすぐ戻る。 ―――出所が早まっただとか、早めようとしているだとかで、周囲はそれとなく慌ただしい。 『褒美』の申請はもうした。出所後の生活の保障。十分それが為されるならば、このような企画にもう参加しなくていいように。 早く出れるに越した事はない。 そう言った事に嘘偽りはない。しかし、急いて出る必要性も鏡沼創は感じていなかった。『異能』が通じるこの閉じた空間は、窮屈ではあるけれどその分身の安全も保証されていたから。 ……まぁ、またこのような企画があるならばその考えは改めるけれど。 そもそも、半ばこじつけ気味に入所した鏡沼創の少年院での生活は、それほど長い期間設定されていないのだ。 (-158) 2021/10/04(Mon) 20:49:26 |
黒塚 彰人は、扉を軽く叩き、閉ざされたままのそれへ向かって、 (a56) 2021/10/04(Mon) 20:49:27 |
黒塚 彰人は、「おはよう。おやすみ」 (a57) 2021/10/04(Mon) 20:49:37 |
黒塚 彰人は、言い損ねた挨拶を投げ。踵を返し、自分の部屋へ戻っていった。 (a58) 2021/10/04(Mon) 20:49:47 |
【魂】 少年A 迷彩 リョウ【独白:何故人を殺してはいけないのか】 少年は倫理を除かれ育てられた。 幸福になる手段は数多存在するが、概ね難しいことに変わりない。 幸福になる為の最も簡単な手段は、 他者から奪うこと である。腹が減ったのならば、誰かから奪えばいい。 居場所が欲しいのなら、誰かから奪えばいい。 本能のままに生きることは悪とされ、規律に従うことは善とされる。 性善説というものが生まれてから、人間は性悪なものとなってしまった。 人として生きる為に必要なものが日々増えていく中で、人為的な淘汰が生まれていく中で、とある親子は小さな幸いを手にした。 人を殺してはいけない理由。 それは自分と、大切な誰かが殺されない為に。 自分 誰かから、幸福を奪わない為に。 共感 他者を思いやる気持ちを得た少年は、漸く人間と成った。 ────幸福になる為の最も困難な手段は。 ──── 他者から与えられること 、である。 (_4) 2021/10/04(Mon) 20:54:21 |
【秘】 市川 夢助 → 4274 素崎 真斗「ペットショップで犬買うとき、その犬に了承とったりしないのに……なんかめんどくさいよね」 根本的にあまり理解できていないらしく苦笑いしたが、撫でる手には心地よさそうに目を瞑った。 この親友がずっと隣にいてくれたらいいのにと 「割り切れなくはないんだけど……愛のないえっちってあんまり乗り気にはなれなくて あぁ、でも真斗は別だから。親友だし」 (-160) 2021/10/04(Mon) 20:54:34 |
【独】 0251 鏡沼 創―――鏡沼創は愛がわからない。 正確には他者へ向ける愛がわからない。 一定のラインを越える好意は束縛だ。 押し付けられ見返りを求められる愛情というものは泥濘のようだ。 鏡沼創は、ほどほどに長生きするのだろうなという確信がある。 鏡沼創は、死ぬ時はひとりであるのだろうという確信がある。 ずっと誰かの傍で生きてゆき、最期は誰にも知られずに死ぬのだろうと思う。 それが自身の普通なのだと、思っている。 誰になんと言われようと、『鏡沼創』はそれを当然と思って、ふらりと日々を生きていく。 それでも。 どこかの探偵の冤罪が晴れたというニュースを見て。 誰かの死刑が執行されたというニュースを見て。 身体の奥に一瞬燻る熱を思い出して。 ふと、ここを思い出す事もあるのだろう。 (-162) 2021/10/04(Mon) 20:56:12 |
鏡沼 創は、昨日も今日も『鏡沼創』だ。きっと、これからも。 (a60) 2021/10/04(Mon) 20:56:59 |
【人】 0043 榊 潤目が覚めた、看守に頼んでキッチンを借りていた。 誰に食わすわけでもないのに、適当なパンを作っていた。 誰もいない食堂を見た。 誰もいない談話室を見た。 ひどく違和感を感じて、首を傾げて。 これは叔父に作ってあげたときの癖だろうか、と思い出す。 家事をすべてやっていたときの癖。 片付けも、食事も、外で買い物もさせてもらえなかったから。 家にあるもので何かを作らなければならなかったときの知恵。 (30) 2021/10/04(Mon) 20:57:15 |
【独】 0043 榊 潤『潤は優れている』 異能を自覚していないのに。 『潤は賢い』 お前のためにしか動いていないのに。 『『潤は』』 会いたい二人はもういないのに。 また彼らの声がリフレインして、 (-163) 2021/10/04(Mon) 20:58:33 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「いいよ」 「“靖史”じゃなくて、ちゃんと“靖史”って呼んでね。ふみちゃんでもいいよ。それ、俺個人が付けて貰った名前だから」 「名字とか、戸籍に登録されてる“靖史”だと、俺が愛した人の方になっちゃうんだよ。だから、言われなくても怒るよ。 『あれだけ言ったじゃん!』ってさ」 “再演”と言う事は、つまりは一度幕引きだ。“終演”が訪れる。 「俺本当は物凄く執念深いから。 “ただしい人”のまま生きるの、認めるつもりないから」 「それを腹立たしいものだと、最初に教えられた潤ちゃんの事、置いていくつもりもないから。嫌って言われても助けにいくから」 (-164) 2021/10/04(Mon) 20:58:34 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「だから、今度会った時は、」 「半端に俺に 希望を与えた責任を負って貰うので」 「半端に私に 「証明に付き合って貰うよ。俺達に見つけられるべき── “ただしい”と違う、新たな“答え”がこの世界にあると」 「またね」 『さよなら』 (-165) 2021/10/04(Mon) 20:59:18 |
【人】 0043 榊 潤「……」 足音がした、振り返った。 いつの間にか同室にされたやつだろうか。 この間適当に犯したやつだろうか。 やかましく笑いながら騒いでるやつだろうか。 笑って。真面目で。個性が強い。あいつ等だろうか。 「……食べるか?」 なんて、声をかけた。 なんだか、無性に美味いオムライスが食べたくなってきた。 (31) 2021/10/04(Mon) 20:59:20 |
迷彩 リョウは、これからも生き続ける。 (a61) 2021/10/04(Mon) 20:59:21 |
南波 靖史は、『南波靖史(やすし)』は、今度こそ終幕を見届けた。 (a62) 2021/10/04(Mon) 20:59:50 |
【妖】 9949 普川 尚久「暗いところに行きたいな」 最初から、ずっとそれがあったのさ。 愛してくれる人がいて、食事や寝床に困らないくらいの、 高望みしない普通の幸せって、自分の幸福に思えなかった。 多分これがもっといっぱいいっぱい…… ──誰も彼もからあいされて、贅沢がいっぱいできて。 そんなふうになっても幸せにはなれないのが、漠然と感じられて。 それでも、きっとそれは決まっていることだって確信があって。 だから、幸せって言えない方に向かってみた。 結果としては、幸せとまでは言わないけど、 それまでの人生よりは満足感があると思えた。 ひどく扱われて、なんだか生きている心地がした。 自分が可哀想な立場になったり、不幸に見舞われる方向に 行こうとするのを止められないのは、知っているけど形にしていない。 ($0) 2021/10/04(Mon) 20:59:50 |
【妖】 9949 普川 尚久 こんないびつな存在は、自分のほかになくていい。 だからなくそうとするんですよ。 可哀想な君らに、ほしいものをあげるよ。 ぼくだったらほしいから。 たすけたげるよ、他に引く手がないのなら。 ぼくはたすけてをずっと言えない。 自分で立ってられるだなんて、ただの意地だろうから。 ひとりはさみしいだろ? だから、手を取る誰かが現れるまでは、勝手に手を引いていたげる。 だれかができたら、ほどいていいよ。 たすけてが聞こえたら、そう思ったら、 ぼくもいつかいえるかな。 僕は好きに振る舞いますよ。 さみしいな だれかたすけて ($1) 2021/10/04(Mon) 20:59:52 |
9949 普川 尚久は、メモを貼った。 (a63) 2021/10/04(Mon) 20:59:55 |
【赤】 8435 黒塚 彰人指輪の話……大概重たい、それを聞き。 いや、知らないが……? という顔をした。手慰みの行為で、何か意味を込めたつもりもなかった。そしてそれが己の指へ嵌められ、節のあたりに引っかかるのをぼうっと見ている。 「……心中する気はないからな」 そんなことを言いながら指を曲げ、関節のあたりに光る銀色を暫し眺めて。 不意に、そこへ口づけを落とす。 やっぱりそこに深い意味も、思慮も無かった。とりあえず、今のところは。 (*18) 2021/10/04(Mon) 21:00:00 |
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