人狼物語 三日月国


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【人】 メルヴィル

 

  ( いやなんで今そんなの思い出した……? )


[ 他人の匂いがするのは嫌だと言った我儘を思い出す。
  肉の器が幼い頃から見てきた育て親は、
  魔術師だった頃から見てきた養い子の、
  無邪気だった色ばかりではないのだ。

  思考を誤魔化すように「ねぇ」と彼の服を引いた。
  甘やかされた子どもの仕草のまま。 ]

 
(10) 2024/09/24(Tue) 21:41:52

【人】 メルヴィル

 

  朝ごはん食べたらどうする?
  昨日の調合、まだ続きあるんだっけ……?


[ 認識遮断の術で外界から隔てたこの家にも、
  まだ行商の亜人はやってくる。
  己はもう卸す分を作り終えているけれど
  彼はどうだろう、と首を傾げた。** ]

 
(11) 2024/09/24(Tue) 21:41:56

【人】 薬師 メレフ


 はちみつとバター、それと生クリーム!


[子どもの頃の味の好みは変わらないまま、
一時は量が増えたが今は落ち着いている。

見た目だけは魔術師の細胞を口にしたことが原因か
まだまだ青年の入り口に見えるが、胃腸の方は
老化へと進んでいるのだろう。

朝から甘いパンケーキをいつまで楽しめるだろうかと
思ってしまうのは、メルが「メルヴィル」を取り戻して
同じ速度で生きられないと悟ったから。]
(12) 2024/09/24(Tue) 22:59:42

【人】 薬師 メレフ


[メルヴィルを喪った日々はあんなに長かったのに、
メルに出逢ってからは日々が早く過ぎて、
きっとここからは加速度的に終わりへと近づくのだろう。]

 
(13) 2024/09/24(Tue) 23:00:29

【人】 薬師 メレフ



 眠気覚ましだからストレートで飲むよ。


[淹れて良いかと問うて自分で挽いているのに
ミルクと砂糖の有無を聞く。
メルは本当にメレフを甘やかすことに長けている。>>8]


 大人になったからねぇ。


[感慨深いということは、今はメルヴィルの記憶が勝ったか。
過ごした日々で身に着けたメルに似た口調を返して
目を細めた。

メルヴィルに教わらなかったコーヒーの挽き方は
メルが遺してくれたもので通った学院で覚えた。
だから間接的には彼に教わったと思っている。

一人では生きていけない年の魔力のない子どもでも
その子どもと共に世間から離れて暮らしていた魔術師が
道を残してくれていたから。]
(14) 2024/09/24(Tue) 23:01:03

【人】 薬師 メレフ

[ふと此方をじっと見る視線に懐かしむ色以外を見出して。>>9>>10]


 ……メル、


[メレフの服を引く仕草は肉体が何度も繰り返してきた習慣だ。
入れ替わるものでもないのだが、育てて来た方のメルの意識を
感じて上体を折る。
彼の顔に影が落ちた。]
(15) 2024/09/24(Tue) 23:01:44

【人】 薬師 メレフ

[口角の上げ方を見ればもう子どもではないとちゃんと
認識してもらえるだろうか。]


 そうだなー、納期がきついやつはもう終わってんだよね。
 だから趣味の延長っつか研究するくらいで
 のんびりいけそう。

 先に天気が良いことだしし洗濯しちゃいたいな。
 金木犀入れた洗剤作って正解だった、
 シーツからほんのり良い香りするもん。


[魔術は使えなかったが薬師としての才能はあった。
今は教わっていないやり方での調合もお手の物だし
正確さとスピードを兼ね添えたベテランである。

頼りになる薬師が増えてより多くを作れるようになったが
無茶な量の注文は受けない主義だ。

メルとの時間を尊ぶことが何よりも大切だから。

仕事に余裕がある時には二人で依頼者のいない薬の研究を
することが多いが、先日作った洗剤に混ぜた季節の花が
成功だったのでつい使いたくなってしまう。]
(16) 2024/09/24(Tue) 23:03:26

【人】 薬師 メレフ

[メルの距離が近い。
先刻見せた表情を思い出し、気づけば更に身体を折っていた。

ちゅ、と音を立てて唇を触れ合わせる。

300年の記憶に20歳のメルが連れて行かれないように
こうして事あるごとに軽くキスをするようになった。

あの、すべてを食べ尽くしてしまいそうな深いキスは
あの夜以来していない。
今日みたいに時間を持て余す日にはもう少し味わいたいけれど
日の高い内から?という気持ちは一応メレフにも存在するので。]


 朝ごはん、食べよっか。


[言ってまたキスをする。
コーヒーを飲む前だから、苦くはない筈だ。**]
(17) 2024/09/24(Tue) 23:04:50

【人】 メルヴィル

 


[ 魔術師を構成するものが人間の口に入るとどうなるか。
  その答えを男は持たず、
  何より彼が体内へ細胞を招き入れたことを知らない。>>12
  流れる時間がゆるやかに見える錯覚のせいで、
  未だにこうして朝食にパンケーキを選んでいる。

  水の勢いが弱まることなどないのと同じように
  人間の肉体や生命が、離別から遠ざかることなんて
  有り得はしないと分かっているのに。 ]


  
(18) 2024/09/25(Wed) 19:59:32

【人】 メルヴィル

 

[ ミルクも砂糖もいらないことは察していたけれど。>>14
  「そっか」と頷いて、コーヒーの匂いに目を細める。
  昔は──昔の自分はどうだっただろう。

  今の彼と同じように何も入れず飲んでいたが、
  この子は好きじゃないのか、と悟ってから
  あまり積極的に口にはしなくなった記憶が有る。
  肉体の器を変えてからも、甘やかされることに慣れて
  苦味が強いコーヒーから距離を置いていた。 ]


  まあ、ねぇ。
  でも甘えんぼなとこは変わってないでしょ?


[ 口許に手を当てて穏やかに笑った。
  苦いコーヒーを飲めるようになり、背が伸びても
  彼の甘え仕草はそのままだ。 ]

 
(19) 2024/09/25(Wed) 19:59:37

【人】 メルヴィル

 

  ん?


[ 服を引いたまま、呼ばれた名前に顔を上げた。
  見上げた先、彼の赤褐色の瞳がかすかに揺らめいている。

  夜が降りるように影が差して、
  反射的に瞳を閉じる──前に。 ]

 
(20) 2024/09/25(Wed) 19:59:41

【人】 メルヴィル

 

[ どう考えても髪の色で──いやそれ以前に態度で
  動揺は悟られそうなものだが。
  考えていたことが筒抜けになったような気恥ずかしさに
  「もう!!」と目を逸らし、手を離した。

  幼い頃どころか、育ててくれた大人の彼からさえ
  こんなからかいが飛んでくることは無かったのに。
  二人を結ぶ糸が、関係性という名前を変えてから
  彼は夜更けの色を覗かせることが増えた。 ]


  そうだねぇ……お洗濯しよっかぁ。
  暇だったらメレフの研究の成果でも見ようかな。


[ 洗剤に花を混ぜる発想は男にはないものだ。>>16
  男が自己流で薬の調合に成功したのも、
  魔術師の頃でさえ数十年かかっていたのだから
  全くたいしたものである。 ]

 
(21) 2024/09/25(Wed) 19:59:54

【人】 メルヴィル

 

[ もう行商に卸す分が終わっているのなら、
  今日はのんびり過ごす一日にしても────

  考えて、男は色を増した夜の影に瞬いた。>>17 ]


  ン、


[ 唇同士が重なって、仄かな体温だけが残っていく。
  思わずぽかんと彼を見つめている間に、
  二度目のキスが降って、じわ、と熱が溶けた。 ]

 
(22) 2024/09/25(Wed) 19:59:59

【人】 メルヴィル

 

  ぁ……えと、……うん


[ 別に、キスが初めてというわけでもない。
  あの夜以来、こうして軽いキスは幾度となく与えられて
  男に体温やキスの感触を教えている。

  唇を重ねることの意味も熱も感触も、
  ──寂しさも、与えたのはあの夜の彼なのに。
  蜃気楼の夢かなにかか、と思うほど
  あれ以来、彼は優しく触れるばかりで。

  別に、それが不満というわけでは、ない。
  …………不満では、ない、はず だ。 ]

 
(23) 2024/09/25(Wed) 20:00:03

【人】 メルヴィル

 

[ 前も今も、色恋や性的なことに関心がなかったせいか
  男の中には″ 日が高い ″ことに思うことはなく
  しかし、彼は食事を腹に収める必要はある訳で。
  朝食に同意はしたものの、男は珍しく
  やや躊躇った仕草の後、彼の胸へ頬をすり寄せて ]


  ………………もっかい。


[ なにを、とまでは言わないが。
  理解してくれるはずだと甘えながら顔を上げた。** ]

 
(24) 2024/09/25(Wed) 20:00:10

【人】 薬師 メレフ

[メルヴィルを喪ってからの数年は、甘えん坊ではいられなかった。
行商の亜人には助けてもらったが、甘える対象にはならず、
養子の提案は断った。
学院では一人で生き急ぐように学問を収め、世間の人よりも
早く薬師として身を立てるようになった。

甘えなくても生きていけることをもう知っている。
甘えん坊になれるのは、彼が甘やかしてくれるからだ。]


 メルにだけだよ。


[嬉しくて笑う時の仕草を見た時に感じる愛しさも変わらない。]
(25) 2024/09/25(Wed) 21:20:41

【人】 薬師 メレフ

[瞼が揺れる。

このメルは「キスを知っているメル」だ、と実感する。
揶揄の声を密やかに響かせれば、感情に合わせて変わる髪が
一気に様相を変えた。]


 ふっ ……くく、


[300年を生きたメルヴィルは、養い子が揶揄したところで
こんな風に動揺しないだろう。
その記憶があるのにほんの短い言葉で狼狽するのだから、
彼が恋心を自覚してくれて良かったと思わざるを得ない。]
(26) 2024/09/25(Wed) 21:21:25

【人】 薬師 メレフ



 シーツと、ついでにカーテンもかな。
 抽出用のガーゼは香りをつけたくないから
 別洗いで。

 それでも午後まではかからないだろうからね。
 昼は研究につきあってくれると嬉しいね。
 夏に採集した材料はそろそろ使い切りたいし。


[子どもの頃にも石鹸を作ることのあったメレフ少年は
病を治す為の薬の研究の他に病にならない予防医学の為の
薬の研究を長年行ってきている。

その過程で花による自然の香料を取り込むことを思いつき、
まずはこの家で使っているのだけれど、金木犀は
想いの外良い匂いだから、市井に売り出しても良いかも
しれないと思っているところだ。

金木犀の外にも洗浄効果を保ったまま香りがつけられるか、
目下の研究テーマである。]
(27) 2024/09/25(Wed) 21:22:00

【人】 薬師 メレフ

[「しないといけない」ものではなく「したいな」程度の予定は
開始時間も所要時間も気にしなくても良い。
まずはゆっくり甘い朝食を楽しもうと思って、
テーブルを挟んだ距離でも離れるのを惜しむようにキスをしたら。]


 ……メルが言ったんだからね?


[そんな仕草でお願いされたら、
「お言葉に甘える」しかない。

何せ年季の入った「甘えんぼ」なので。]
(28) 2024/09/25(Wed) 21:23:11

【人】 メルヴィル

 

[ 男も、最初から甘やかし方を識っていたわけではない。
  拾ったばかりの頃は、子どもの目線に合わせて
  屈んでやるという行為ひとつすら知らなかった。
  彼が甘え方を自分で憶えたのだとすれば、
  甘やかし方を教わったのは自分だった。

  ────それが今は甘やかすばかりでも無くなって、
  嚙み殺せない笑いを零す彼のことを>>26
  頬を赤くして睨むので精一杯なのだけれど。 ]


  いいよぉ、僕もメレフの研究は興味あるし。
  行商に頼まれたものばかりも飽きちゃうからねぇ。


[ 自白剤だの惚れ薬だの、全く変わらない要求である。
  彼は今や予防医学の薬を研究するところまで進んで、
  世界は色を変えているというのに。 ]

 
(29) 2024/09/25(Wed) 22:19:32

【人】 メルヴィル

 

[ 対する自分は、今も夢見の薬を作っている最中だ。
  もう彼が悪夢に苛まれることはないだろうけれど、
  未完のまま研究を終わらせるのは好きではない。
 
そう、それに。
もしもこの薬が完成すれば────……
 ]


  夏の素材って、結構色々使えるけどねぇ。
  活用できそうなレシピ、あったかな……


[ 彼が作るのだから、魔術を絡めたものは駄目だ。
  昔の自分が書き残しているかもしれないし、
  それを探してみてもいいだろう。

  とはいえ時間はたくさんあるのだ。
  探すのも考えるのも、今日すぐでなくていい。 ]

 
(30) 2024/09/25(Wed) 22:19:36

【人】 メルヴィル

 

  わ、…わかってるよぉ……


[ 自分から「もっかい」と言っておいて、
  言ってないもんと駄々をこねるほど子供ではない。
  羞恥で「やっぱりなし」と前言を撤回する前に
  我儘を聞いてほしいものである。

  何せこちらは、甘やかすことをとうに知っていて
  甘えることも憶えた男なので。

  前までの自分なら言わなかったお願いを、
  言葉に輪郭を纏わせたまま息を呑んだ。 ]

 
(31) 2024/09/25(Wed) 22:19:42

【人】 薬師 メレフ

[「メレフ」はずっと人間で、人間の基準で薬師の資格を得たので
製薬のセオリー等は人間準拠なところがある。

人間社会に出回るのは人間の知識だけで生成可能なものだ。
そうでなければ魔術師と見なされて狩られるから。

勿論、行商に渡すのは人間社会には出回らないものも含まれる。
どちらでも重宝されるのは病気の治療薬よりも
惚れ薬や媚薬といった心に作用するものだ。

メルと暮らして慾を向けてしまいそうになった時から
媚薬の生成研究の副産物で生まれた性欲減退薬を
服用してきたが、此方は売り物としては全然商売にならなかった。]
(32) 2024/09/25(Wed) 23:57:37

【人】 薬師 メレフ



 あっそーだ、レシピといえば。
 メルが書き遺してくれてたやつ、劣化してるのが
 何冊かあって、俺は魔術で保存が出来ないから
 朽ちる前に書き写したんだけど、あれも古くなるから
 保存魔術掛け直してほしいんだよな。


[魔術の行使者を喪っても長く残ったものもあるが
多くはその死から日が経つにつれ朽ちていった。
そのひとつがメルヴィルが300年の間に遺したレシピ集で、
それを書き写すことで勉強にもなったが、人間が残すものは
どうしても何十年と持たないから。

魔術を掛けてくれたら、自分がいなくなっても
自分の字は彼の傍にいられる。]
(33) 2024/09/25(Wed) 23:58:01

【人】 薬師 メレフ

[午後の予定はそれにしようかと提案するのは朝食時に、
と思っていたが、その朝食も少し遅くなりそうだ。
固さを失った生クリームも美味しいから問題ない。**]
(34) 2024/09/25(Wed) 23:58:24

【人】 メルヴィル

 

  うん?
  あぁ……そっか、さすがに古かったかもねぇ。
  魔術もいくつか綻んでたかもしれないし。

  いいよぉ、後で掛け直しとく。


[ 術者が死んでも残り続ける魔術は幾つもあるが
  ──その最たる例が契約印だ。
  保存魔術も死んだ瞬間に解けるものではないけれど、
  とはいえ生存下と同じ時間保つこともない。

  わざわざ書き写してくれたのか、と思った。
  300年生きた魔術師が遺した知識の寄せ集め。
  永きを渡れば、いずれ朽ち星のように崩れるのが正道で
  それを惜しいと感じることは、なかったけれど ]

 
(35) 2024/09/26(Thu) 19:45:03

【人】 メルヴィル

 

[ 今でこそ外界から遮断することが出来ていても、
  人間がいつ踏み入るか分からなかった頃などは
  見つかってしまえば異端の裁きを受ける知識ばかりだ。
  ────世界はそういう風に出来ている。
  だから、誰かの手で残るなんて思わなかった。

  星のかけらを集めてひとつの星にするような作業を、
  彼がしてくれていたというのならば
  自分にもその星を夜空に置き留めるこころがある。 ]


  ありがとねぇ、メレフ。


[ 微笑んで礼を言うと、男はゆるやかに目を細めた。
  真昼の星がきらきらと眩くて。* ]

 
(36) 2024/09/26(Thu) 19:45:08

【人】 薬師 メレフ


 なに。「ありがとう」は俺だよ。
 魔術かけてもらうんだから。
 俺に使えてたら良かったんだけどな。


[メルヴィルの研究をなぞる日々は、一人の生活を慰める時間だった。
彼が確かに生きていたことを、子どもの小さな脳ではすべて
憶えていられないことが怖くて、常にメルヴィルの記憶に
繋がっていたかった。

それが自分の文字として彼の傍に残ってくれるなら、
彼の方も「メレフの記憶」として悠久の時の慰めに
してくれるのではという思いがあった。]
(37) 2024/09/26(Thu) 20:23:17

【人】 薬師 メレフ

[そうして保存魔術の話をしたのに、
朝食にも掛けられるという発想がないのだから
どこまでもメレフ・ヴィルは人間だ。]
(38) 2024/09/26(Thu) 20:23:36
 




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