「聞いてもないことをベラベラと。
　しかもお客様にいきなり死体の話するってマジ？
　コンプライアンスとか以前の問題でしょ。信じらんね」

文句を垂れながらも、
慣れた様子で滞りなくチェックインを行う。

「ああ、それとも。
　俺が子供だからって、口が軽いとでも思ったわけ？
　お生憎様。アンタみたいなおばかさんに
　渡す情報なんてないよ」

不機嫌そうに言ってペンを置く。
その傍らにはギルドカードも置かれていた。

「……ま、ルールならこれくらいは置いといてやるよ」

■名前：カウス
■所属ギルド：宝探しギルド『silly billy』
■職業：（空欄）
■性別／年齢：男／13歳
□ひとこと
子供扱いするやつはみんな嫌いだよ

「……んぬぁ……。
　なんだなんだ、吾の神聖なる瞑想の邪魔をする輩はだれだ？
　まさか、あんな奴らも招集されたギルドの代表なのかー？」

会議室にて舟を漕いでいた少女が、おもむろに顔をあげる。

「そも。この吾が斯様な場に顔を出すことが奇跡だというのに。
　まったく、先が思いやられるのだぞ」

少女は提げ袋から、図柄の描かれたカードを取り出した。

「仕方なかろ。早速だが、ここは吾が会議の行く末を占ってやる。
　卜占ギルドのリーダー、このキファがな！」

>>5

「ドゥルドゥルドゥル……ジャン！」

VIII 正義tarot (1)^1d2

>>6
「ムムッこの結果は……！」

【正義】
■正位置：公正な判断、均衡、正しさ、平等

「吾の占いによると……。
　多分……良い感じになる。」

■名前：ゲイザー
■所属ギルド：生産(料理)ギルド 『月女神の台所』
■職業：料理人
■性別／年齢：女／１８歳
□ひとこと
よろしくお願いします（未編集）

■名前：キファ
■所属ギルド：卜占ギルド『運否天賦』
（卜占とは：偶然性による占いのこと。）
■職業：占い師
■性別／年齢：女／吾十六歳
□ひとこと
吾の占いは大体当たる！

「ふむふむむうむんもむんむん！？」

──その光景はまるで学校に遅刻した少女のごときだった。
その場でかけあし足踏みしながら、食パンをくわえ、エルナトの話をしっかりと聞いてからしばらく──あることに気づいた。とりあえず、パンを飲み込もうと。

もぐもぐもぐもぐ。ごくん。

「も、もしかして遅刻じゃなかったですか！？
　会合まだはじまってません！？
　……せ、セーフ！　は、はあ゛あ゛あ゛　あ！？」

ほうっと一息したのち、はっと顔を上げて
去っていくエルナトの後を追う。

「あ！あの、あの、わた、わたし実はその、例の事件のせいで
　今の仕事がっ休業になっちゃって！あの、あのあのあのぉ！

　
　こんなひょろひょろでもなんでもできます！！！！！！
　わたしの名前あげてもいいです！！！！！
　ああ〜〜待ってくださ〜〜〜〜〜〜い！」

バタバタと慌しく駆けていった……。

「各ギルドの代表の集まりですかァ、めんどくさそ〜〜〜！
つまんねぇ話聞くのは勘弁したいとこなんスけど」

やれやれ、と肩を竦める。
ギルドカードに手を伸ばした。

「僕は文系なので〜。
こ〜〜〜〜んな感じでぇ」

■名前　　　：ヘイズ
■所属ギルド：役者ギルド『パルテノス』
■職業　　　：役者/休業中の為宿屋のお手伝いします。
■性別／年齢：非公開
□ひとこと　：ここってなにかけばいいんですか？

■名前　シトゥラ
■所属ギルド　技術者ギルド『gyroscope』
■職業　文系
■性別／年齢　男/172cm
□ひとこと
よろしくお願いしますよォ、仲良くしてくださいね〜！

暗転からぐるり、青と白の光が目に映る。
さながら白昼夢を見ていたような。

「ぼんやりしていた。すまない。

　……確かにギルドの者だが、ああ待って。
　頼まれていた品だ。受領のサインを頼む」

包装紙に包まれた荷物をエルナトへ渡し、
受領書を懐へしまう。

「ありがとう。主人によろしく頼む」