人狼物語 三日月国


69 【R18RP】乾いた風の向こうへ

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到着:傭兵団長 ダイゴ

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 -某日:河川港 - 


 全員、構え!

[号令によって、目の前に居た同志達は揃って大河を。
正確には大河の向こうに浮かぶ何隻かの機帆船を狙って、各々攻撃の態勢を取る。近辺には市場も近いが、避難を済ませた人々が様子を固唾を飲んで見ている。己が声以外は酷く物静かで、蕭々と川の音が流れているだけだった。]

 落ち着いて狙いを定めろ。
 向こうは新たな船を見せびらかしに来ただけ。
 この国の石油は自分達が所持する事こそ相応しいと言いたいらしい。見栄を張っているだけであって戦闘に長けている訳ではないことは皆把握しているはずだ。

 少なくとも我々よりはな。

["自分だけなら『逆に戦いにしか向いていない』とも言えるわけだが。"そう言いかけて留まり、一人でフ、と小さく笑う。
 同志が気にしてくれないことは何よりだった。同じように考えているのだろう。組織としての暦は浅いが、暦の何処を辿っても戦いの足跡しか付けていない。]

 我々がこの場所で待機していると気づいていれば
 そもそも船を寄こしたりはしない。
 …いや、我々の存在を知らないだけか。

 ならば知らしめてやろう。
 奴らがいかに危地へと乗り込んでいるか。
 アルファルドの地を踏む事すら敵わないという事をな。

[己自身を危地そのものだと言わんばかりに演説を続け、同志を煽動し終え、一拍置いてスゥ、と息を吸う。その一瞬だけ、川の音さえ失われた気がした。

以後、男が発した言葉は簡素なものだった。]
(24) 2021/04/14(Wed) 20:28:58

【人】 傭兵団長 ダイゴ


総員、放てェーーーーーー!!!!!




[さながら、一匹で獲物を狙う、

               虎の咆哮。]**
(25) 2021/04/14(Wed) 20:29:46

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 ― 現在 ― 


[王宮近くに住宅街と似たような石造の平屋が続く場所。
そこに自分達の為に設けられた官舎がある。二十数名が暮らすには十分だろう。訓練所となっている裏庭から透き通る金属音がぶつかり、響きあっている。自分と、相手方の剣がぶつかり合うものだ。ネネという隊員の一人だ。
彼女が振るう力の方が弱まっていく。しかし、やがて音が一際大きく弾けた。己の剣が彼女の剣を弾き飛ばしたのだ。遠慮なく突き飛ばし、尻餅をつける。息づく暇も与えず詰め寄って、剣の切っ先を顔に向ける。]

 『……降参です』

[彼女は諦めたように自由になった手を上げて肩を竦め、ため息をつく。己もそれを見て剣を鞘へ戻し、座り込んだネネを引き上げる為に手を伸ばした。]

 ……悪くない動きだった。
 相変わらず素早い。流石というべきだな。

[労いの言葉をかければ、ネネは少し俯いていた顔を上げ、眉を下げつつも己の手を取った。]
(26) 2021/04/14(Wed) 20:32:51

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 『避ける動きを意識させた本人が何を言っているんですか』

[手合わせついでの助言のつもりだったが、どうも嫌味として捉えられてしまったらしい。ネネとは傭兵団を結成する前からの古くからの付き合いで、自身が口下手なことは知られている筈だ。故にいつものように受け流してくれる、と。勝手に思い込んでいた節はある。それにしても、その反応はいつもよりも鈍く感じられた。剣を受け止めたときよりも、鈍く。]

 『ありがとうございました。本日はこれで失礼します。』

 ……ああ。

[立ち上がったネネは一度ピ、と背筋を伸ばして一礼し、早々に踵を返す。なにかの異変を感じ取っても、『自分は何も変わっていないのだから』、いつもと同じように、大した言葉も掛けられず、小さくなる背中を見送る。

――…そろそろ巡回の時間だ。]
(27) 2021/04/14(Wed) 20:33:18

【人】 傭兵団長 ダイゴ

- →市場 -


[国の人間から余所者、ヒューマンから獣人まで。
無秩序な市場広場の雑踏や、火薬や魔法薬、土煙の匂いに慣れた鼻に多種多様の香りが擽る事が、今の自分の心の乱れを都合良く誤魔化してくれた。

安堵する。
この音たちが。この声たちが無ければ、
大きく漏らした溜息が誰かに聞こえていたかもしれない。

 
『別に構わないじゃあないか。溜息の一つくらい』


群衆の誰かが、自分の声を模して背後から囁いて来る。
そう、誰かだ。俺ではない。
]


 ……。

[声を退けるように視線を横に向ければ、石煉瓦造りの建物が目に留まる。小さく古びているが、中は何時も涼やかで、古書も状態良く購入出来る為、非番の時に頻繁に訪れている書店だった。無意識に辿り着いていたようだ。

そういえば、ここ最近本すら読んでいなかった気がする。
防衛戦が長引いていたので戦い詰めだった事もあったが、それ以外でも、訓練や哨戒任務に時間を当てていたせいで、個人的な時間を削っていた。]
(28) 2021/04/14(Wed) 20:35:04

【人】 傭兵団長 ダイゴ

――……。

[足を踏み入れたい気持ちを抑える。それこそ今は市場周辺の見回り中だ。王が統治していた時期より、国民の不平不満が顕著に現れていた。小さな乱闘が頻発しているから抑えるのに人手が欲しいと、城下町の自警団から協力の要請があり、遠征に出ていないものが交代で行っている任務。

何かしていないと落ち着かない今、自分にとって、仕事が舞い込んでくる事は都合が良かった。

寄り道をしている場合ではない。
そんな姿は国民に見せられない。

雑念を振り払い、一瞬泳いだ視線を隠すように帽子を唾を抑え深く下げる。練り歩く旅人達>>17に危害が加わるような酷い喧騒は今の所無い。このまま無事に一日が過ぎ去る事を誰にでも無く祈った。

最も、過ぎる事が平穏なのかは定かではないが。]*
(29) 2021/04/14(Wed) 20:35:32
傭兵団長 ダイゴは、メモを貼った。
(a5) 2021/04/14(Wed) 20:40:25

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[書店含めた比較的堅牢な店の通りを抜けて、露天の通りとの境目を見回す。とはいえ、此方の目的は暴動や乱闘のの鎮圧であって、旅人達の思惑>>51なんて露程にも感じていなかった。

皇子らのいざこざに紛れて取巻きの大臣が税金を上げようだの観光客を制限しようだの好き放題宣っているせいで、民衆は尾鰭背鰭をつけて抗議という名の暴動を起こしているという、解決のしようもない、あちがちといえばありがちな泥沼。
ひとつを止めたっていずれはもうひとつ、またひとつと浮き上がってくるだろう問題は、現状数でなんとかするしかない。

だからこそ、向こう側から監視をしているような視線に見えても>>45>>48>当人としては目に入ったと形容しても良いかはわからない。

その上、初めこそ目線は自身と同じような高さに留まっていたが、不意にそれは足元へと移り、顔だけでなく身体を捻り、歩いてきた方角をもう一度走りだすこととなる。]
(52) 2021/04/15(Thu) 6:06:01

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[店通りまで戻り、裏路地に入り込もうとする『それ』に追いつくため、低い壁を蹴って軽く跳躍を用いて速度を上げる。己の着地と同時に『獲物』は道を立ち塞がれたことで一瞬の怯みを見せた。すかさず、右手を前方へ伸ばす。

手の中で、フギャイ、と『それ』からはなんとも不細工で情けない声が発せられた。同時に口を開いたことによってぽとりと口元にくわえていたものを落とす。

それは、キジトラ柄の猫だった。]

 …化けるなら盗むものは選べ。
 塩漬け瓶など即座に持っていく訳ないだろう。

[国の人間、余所者、ヒューマン、獣人。
とりたてて差異を感じないのは、大方二足歩行が多くを占める為だろう。どんなに獣の特性を持ち合わせていても、大方ヒューマンに寄っている方が多い印象を受ける。

だからこそ小さな野良猫による窃盗などもままあるのだが、捕まえた猫が野良猫――ましてや猫で無いことも知っていた]
(53) 2021/04/15(Thu) 6:06:12

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 『か、勘弁してくだせぇ!生魚は目の前に店員がいてどうしても取れなかった!店端にあるコイツでもなんでも、腹が膨れるならそれで良かったんだ!』

[猫はまるで口元だけ人間のように、人間の言葉を喋りだす。

その口振りには当然覚えがあった。もう少し離れた地で露頭に迷っている窃盗の常習犯だった。とはいってもやることはコソドロで、捕まえてはヒンヒンと情けなく泣くような奴で、誰かを手に掛けた、などという話は聞かない。

落ちた瓶を拾い上げれば、市場でも活気ある店員が地元でもそれなりに有名な、鮮魚店>>1で扱っているオイルサーディンであることの確認が取れる。酒好きな同僚達が食卓によく並べていたことを記憶していた。]

 職を手にしたのではなかったのか?

 『い、いや……そこがたまたまその、劇場の裏方要員でな、キャストのなんだ、色んな魔法を裏から見てるうちに「こいつは使える!」って思っちまって……へへ……』

[乾いた笑いで誤魔化そうとするそいつは、どうも反省の色が見られない、普段から寄せ気味の眉の皺をさらに増やして睨みつければ、ヒ、と男は小さく悲鳴をあげ、次いでみ、みゃぁ、と猫撫で声を出した。単刀直入に言えば中身を知っているので気色悪い。

しかし、長い沈黙のあと、ふう。とため息をつく。]
(54) 2021/04/15(Thu) 6:06:26

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 ……もう一度職探しからやり直すことだな。

[自身は、この窃盗犯を何度か捕まえていた。
しかし、直接罰しようなどとは考えたこともない。それは自分の仕事ではない。

この仕事でなかったら。
そもそも、見過ごしていたかもしれない。]

 変身を解くなよ。罪を重ねたくなければ。

[確かその魔法、服はごまかせないのだろう。そう尋ねれば、猫状態の窃盗犯は、みるからに萎れていき、己の手の中で背の肉をつままれたまま大通りへと連れて行かれるのであった。

ひとまず、この瓶をどうにかしようか。]**
(55) 2021/04/15(Thu) 6:06:48
傭兵団長 ダイゴは、メモを貼った。
(a10) 2021/04/15(Thu) 18:49:11

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[鮮魚店に辿り着き、彼女の快活な声とは真逆な単調な挨拶を済ませる。それが客の横入りとなるのならば、>>83失敬、と軽く謝罪をした。]

 失礼する。近場で窃盗犯を捕らえた為、
 その報告を。

ええ?と目を丸くした彼女に対して、つまんでいる猫を真顔で持ち上げてみせるが、あまり真実とは捉えられていないようだ。]

 …窃盗犯は今後然るべき場所へ送らせていただくが、
 此方に関しては…

[そういって、猫がくわえていた瓶詰めを見せる。本来だったらそれなりの名産品を示す商品ラベルも唾液がべったりそうして何となく彼女理解を示してくれたようで、あぁーぁ、という落胆の声をあげた。]

 『いやぁ、もうそれは客に出せるものじゃないわ
  弁償だけして処分しておいてくんな』

 ……、…………この場は私が払おう。  

[理論的には出来なくもないが、物理的には出来ないだろう。様々な要員を含めて。しかし彼女にとって大事な点は、売上として金が戻ってくるかどうか。それだけなのかもしれない。犯人が目の前にいるのにお小言を代わりに貰うのも中々厄介そうだと判断し、懐の小銭入れから必要分の賃金を手渡し、領収書を受け取った。]
(91) 2021/04/15(Thu) 22:09:19

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[反省の色を見せない窃盗犯>>55は、相変わらず己の手中でぷらぷらと揺れて『ただの猫』を演じている。このあといつもどおり自警団に引き渡される事は自覚してるだろうに、それよか眼の前の店主に人としての顔がバレていない事の方が大事らしい。

"これはまたいつかやるんだろう"。証拠の無いのに強い確信があった。猫の背の肉を誰にも知られず少し強めに握れば、人混みに「あででで!」と声が聞こえるかもしれない。]


 『にく、肉が抉れる!
  お前さん自分の力加減わかって無いのか!?』
 
  いや?そんなことはないが。

 『この!離せ戦闘狂!脳筋!金で雇われてるだけのくせに!』

[じたばたと手の中で暴れるも、解放されるだろう余地はまるでない。表情は一向に固いまま、市場の喧騒にニャァゴ、ミャアゴと濁声が重なる。"無駄な罵声"が蕩けていく。]
(92) 2021/04/15(Thu) 22:10:10

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[男の所属する傭兵団『ココウ』。
 それは、東の国の言葉で、"危地"を意味する。
 全団員二重数名>>26、例外無く同じ官舎暮らしで、国王より一定の『支援』を賜りつつ、長いこと従事してきた。

 自身に至ってはもう8年。成人になる前からだ。故に母国よりも思い入れがあるし、記憶として鮮やかに赤色はこびり着くし、石油の匂いが軍服に染み付いている。

 情勢を詳しく知らぬ者からすれば、国の兵隊の一部としてしか捉えられていないだろう。どれがどんな部隊かなんて気にするほうがおかしい。
 少し知られていたとしても、「やや血の気の多い部隊」か「国王の命令には絶対」であった事くらいだろうか。任務を淡々とこなしてきた一方で、命令以上の事はしなかった。]
(93) 2021/04/15(Thu) 22:10:32

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[ だからこそ、だ。

 病死した国王の訃報とともに、
 自身の噂も緩やかに消えていくものだと、勝手に思い込んでいる。

 ――国王以外の命令なんて、まるで受けていなかったものだ。

 誰かさんと違い、媚の売り方なんて、知る由が無い。>>58]
(94) 2021/04/15(Thu) 22:10:42

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 …少なくとも犯罪の現行犯に、
 手加減しろとは教育されていないものでな。

[自分がこの常習犯を知っているように、彼だって、此方のパーソナルデータのなにかを漁ったのだろう。語彙力乏しいそれを聞く限り、いずれは消えゆく風の噂だろう。陳腐な表現は何一つ響くわけもない。]*
(95) 2021/04/15(Thu) 22:10:48
傭兵団長 ダイゴは、メモを貼った。
(a14) 2021/04/15(Thu) 22:12:34

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 『なぁなぁ、もう反省したって、いいだろ?
  と言うよりわからねえか?
  俺にだって養わなきゃいけねえ家族がいるんだ
  お前さんもわかるだろ?父さん母さんが泣くぜ?』

[自警団の拠点にちかづくにつれ、暴れ方の種類が変わってきた。反抗的なものでなく情にでも訴えているつもりだろう。それなら猶更職を失わなければ良かったのに、だとか、そもそも働いた金は全部博打に使っているのを知っているのだが、だとか。手札が多いこちらとしてはどう返したってよかったのだが、父母、と聞いて数秒だけ足を止める。]

 ………俺は孤児だ。親の顔なぞ知らん。

[それだけ言って歩を進めるのと同時に、猫の動きはぴた、と止まり、俯く。ぶらさげる自分からは顔が見えなくなった。性格的に謝るような奴ではないと思っていたし、個人的にどう受け止められようと。構わなかったわけだが。]

 『……文字通りの虎の子ってか』


[ぼそ、と耳に届いた言葉に反応するわけもなく、それを最後に猫は言葉を発さなくなった。辿り着いた自警団へ引き渡す時すら、此方を軽蔑するような眼差しを向けて、どちらとも何も言わなかった。]
(116) 2021/04/16(Fri) 5:10:49

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[『国王の命令にには絶対』。
金で雇われているのだから、当たり前といえば当たり前の話なのだと返したいが、傭兵団としてはかなり特殊な扱いを受けている。

理由のひとつとして、全体としてかなり莫大な支援金を貰っていることはあげられるだろう。民衆の目から見てもかなり公平を重んじる意向を持った国王であったはずだった。

同性愛を死と同義とする現代社会より少し前には種族差別も酷い時期もあったのだが、それを緩やかにして今の国の形を作ろうとしていた事でも知られている。だからこそたった二十数名の贔屓を滲ませている部分があるのだろう。それが気に入らない皇族や大臣らがいることも承知している。

しかし、誰一人裏切り者などを出していないこと、数年団員の中から死人を出していないことなど、功績を残している為に今の今まで王の都合良い駒という『悪評で済んだ』とも取れる。

王を戦地で護衛していたことは勿論、金次第では暗殺から守っていたこともあった。故に、王の病死というのも功績の類に入るのだろうか、さすがに、自意識が強いかもしれない。]
(117) 2021/04/16(Fri) 5:10:58

【人】 傭兵団長 ダイゴ

- →市場の端・大河沿い -


[閑話休題。様々な面から自身の行いを間違いと微塵も疑っていない己としては、どれも些細な言葉に聞こえてしまっているのは事実だ。耳にはどんな罵声も市場の声と同じに聞こえた。

 ――その雑踏も少し小さく。

気づけば、市場でも川沿いの方へと来ていたらしい。国の象徴ともいえる大河は陽によって煌めき、昼間なのに星を浮かべているようだった。数年前には防衛戦の場所だった防波堤も見える。>>24その景色は、何も変わっていない。

ポケットから懐中時計を取り出して時間を確かめれば、とうに正午を過ぎていた。自覚してしまうと、市場の奥から漂う香辛料の香りは誘惑という毒を帯び始めてしまう。何故人はどんなに憂鬱でも食事を求めるのだろう。

あまり一目の付くところで食事に時間を割きたくもなく、手軽に食べれるものは何だろうか、と思案し、首筋を掻いた。]**
(118) 2021/04/16(Fri) 5:11:12
傭兵団長 ダイゴは、メモを貼った。
(a19) 2021/04/16(Fri) 5:13:51

 




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