111 【身内村】あの日の、向こう側【R18】
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キスマークつけたやつはさ、知ってんのかな、
海斗がこんなことしてるって。
[ ふ、と顔を上げて、にやりと呟いて。 ]
教えてやりてぇな、
─── 他でも無い血の繋がった兄貴に
フェラされてる海斗の顔が、どんなにえろいか。
[ 優しく手でゆるゆると扱きながら
ぱくりと咥えて、喉奥まで飲み込んで、
全身全霊の愛を込めた口淫を。
……我ながらなんだかんだで
ちょっとは妬いているのだろう。
いつもより執拗に、海斗が達するまでは
死んでも口から離さないつもり。
]**
[ 夕食時が終わった時間。
カーテンの向こう側では、家族揃って
一家団欒だとか、本来なら、まだ健全な時間。
締め切った部屋の中。
空調が動く微かな音の中に響く、
くちゅ、と淫らな水音と、熱く掠れた乱れた吐息が、
空間を甘く、蕩けさせていく。
与えられる快感に、耐えるように
布団を蹴り上げて、ふわりと香った線香に匂いが、
少しだけ現実を思い寄越させる。
昨晩、母が気を利かせて焚いておいたものだった。
そんな覚えがあったせいだけど――
罪悪感が芽吹く前に、身体の奥底から触れる快感に、
その記憶は消えていく。
悪い虫も殺せない。
]
[ 今はただ、この愛しい温もりと
溶け合うことだけ考える。
膝にあたる熱を持った固い感触に、
口の端を楽しそうに歪めれば、
痕をつけていいと、機嫌良さそうに煽ると、
露になった、日に焼けていない白い肌に
ひとつ、ふたつ、みっつ。
全部で、5つの赤い花が
咲
く。]
ん、……っ、5こ?
[ 焦らすように、避けられ、
代わりに太腿に感じる感触に、微かに息をつめて
5個という数の理由が分からず、首を傾げば、
簡単に、理由は教えられる。
何処かの歌手の歌の一節のような言葉。
あの歌のように胸をときめかせるような、
そんな状況ではないけれど――
]
ば、……んん……ッ、
[ つい、いつもの癖で、悪態を吐こうとして、
下肢に走る甘い刺激に、口を閉じる。
それでも、漏れてしまう鼻にかかった声に、
羞恥心から頬を染めて、それでも
その甘さを拒みはしない。]
―― ッ、ん、はぁ?
知るわけ、ねーだ、ろ……
[ にやり、と
笑い零される言葉に、眉を寄せて、
続く言葉に、ぱちりと、何度か瞳を瞬かせ、]
ばっ――ッ!
ん、ぁ、
[ じわ、と羞恥で、赤を差して
罵倒の一つでも投げようとするが、
執拗な責めに、言葉を出そうとすると、
あられもない喘ぎ声を出してしまいそうで、
言葉を放つことはできなかった。
それでも、兄貴が嫉妬している気配に、
不謹慎にも嬉しくなってしまう。]
[ 快感を逃がすように、
頭を振って、時折、太腿で兄貴の頭を挟んでは、
呼吸と同じタイミングで、力が緩む。
動きを止めて欲しいのか、
もっと、喉奥を押し込もうというのか、
びくびく、と震えて、腰が勝手に動いてしまう。
抑えきれない吐息を、必死に噛み殺しながら、
熱に蕩けかけた赤く濡れた瞳で、見上げれば、
くす、と、ふいに笑みを浮かべて]
[ 手を伸ばして、
くしゃ、と兄貴の髪を撫でた。
だけど、そんな余裕があったのも、そこまでで
柔らかな熱くぬめる口の中で、
舐められて、吸われて、なぞられて。
喉奥で耐えていた喘ぎ声が、
声になる前に、熱い吐息として零れては、
飲み込み、鼻にかかったくぐもった甘い声を漏らす。
最近、殆ど、触れ合っていなかったせいもあって、
どくり、どくり、と脈打つ屹立は、
いとも容易くびくつき、熱い迸りを
包み込む熱い口腔に解き放っていた。]
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