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人狼物語 三日月国


169 舞姫ゲンチアナの花咲み

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【雲】 ウユニ



   歩み寄られて、小さく呟くけれど
   一度手にした温もりを簡単に手放せるわけがなくて。
   抱きしめられて、拒もうとしても
   身体には力が入らない。拒めない。
   安心させようとしてくれているのかしら、
   貴方の優しい言葉に、胸が痛くなるの。>>D11


    「サルコシパラ……
     ごめんなさい、私 は……。」



   
私には未来がないの、
と。
   そう口にできずに、謝罪を繰り返して。

 
(D16) alice0327 2022/08/14(Sun) 13:26:29

【雲】 ウユニ

   

   暫くして、少し落ち着いた私は
   あわよくば、真実を何も言わずに
   もう大丈夫だ、と言って曖昧にしてしまおう
   なんて、酷いことを考えていたから。
   貴方から少し体を離したの。

   でも、それは出来ないと知ったなら……。
   もし、貴方が手帳を持ったままなら>>D9
   恐る恐る、こう聞いたことでしょう。

 
(D17) alice0327 2022/08/14(Sun) 13:28:13

【雲】 ウユニ




    
「中身を、読みましたか……?」

  

   
(D18) alice0327 2022/08/14(Sun) 13:29:12

【雲】 ウユニ



   否定が返ってきて欲しい。
   そんな願いを抱きながら、貴方の返答を待って。
   否定されれば、それならいいのと
   誤魔化そうと思っていたけれど。


   もし、肯定が返ってくるのなら。
   淡く、哀し気に微笑んで、ぽつりと。


    
「ごめんなさい……。」



   何も語らないまま、また謝ってしまうの。*

 
(D19) alice0327 2022/08/14(Sun) 13:32:04

【独】 ウユニ

/*
色々考えてたけどウユニさんあまりにもこう…詰んでる……
傷つきたくない気持ちが強いし、怯えてるし諦めようとしてたのに何も諦められてないのアリスのPC感……どうやったら諦めってつくんですか???

なんか場面動かしてお渡しした方が絶対良かったな…猛省……
でも場面動かす方法が思いつかないっていう…朝ごはん食べるしか…?(???)
(-3) alice0327 2022/08/14(Sun) 23:22:48

【独】 ウユニ

/*
んーーーこれは私の動きがダメすぎる………すみません……(土下座)
(-4) alice0327 2022/08/15(Mon) 0:08:06

【雲】 サルコシパラ



   ばらばらの鎖が円を成すように繋がり
   点と点が結ばれていく。

   本来なら心地いいはずのこの瞬間が
   いまはただ、恨めしい。

   聞かずとも推測するに十分な情報があっても
   サルコシパラはウユニの口から語られる事を
   望んでいた。

   勇気と信頼を持って、
   自身を受け止めて欲しいと願っていたから。



(D20) 西 2022/08/15(Mon) 21:46:19

【雲】 サルコシパラ



     「…………はい。読みました。」


   その答えは彼女の望みとは真逆のもの
   僅かな望みを摘み取ってしまえば
   零れたのは謝罪。>>D19

   何も語らないその姿に
   サルコシパラは頬をそっと撫でて。


(D21) 西 2022/08/15(Mon) 21:46:53

【雲】 サルコシパラ



   「貴女の病気のことを
    貴女が抱えているものを
    私に教えてくれませんか。

    貴女の病気のことを
    貴女のことを、私には知る義務がある。

      貴女に添い遂げると誓ったのですから。」


(D22) 西 2022/08/15(Mon) 21:47:50

【雲】 サルコシパラ



   あの手記には病気のことが記されていた。

   思い浮かぶの昨夜のこと。
   自分の犯した過ちの断罪などいつでも出来る。
   今はそれどころではないのだ。

   でもその先のことは記されておらず
   彼女の口から直接聞かなければならない。

   サルコシパラは強い決意で
   ウユニの左目の花に触れた。*


(D23) 西 2022/08/15(Mon) 21:50:24

【独】 ウユニ

/*
言いたいことがまとまらない………
左目の花に触れてくれたのは絶対拾いたい(メモ
(-5) alice0327 2022/08/15(Mon) 22:43:39

【雲】 ウユニ



   手記を読まれてなお、語ろうとしなかったのは
   怯えていたから。
   勇気を出して、踏み込んだ次の日には
   悪化してしまった病。
   貴方と心を深く通わせるほど
   貴方へと想いを募らせるほど
   花が咲いていくと、知って。

   貴方が私を蔑ろにしないと
   わかっていても怖かった。


  
(D24) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:26:09

【雲】 ウユニ



   それでも、僅かな望みの芽を摘まれて
   貴方が、教えて欲しいと願うから。

   花に触れる手が、
   肌に触れるときと同じように優しくて
   貴方は私のこの姿も厭うことはないと。
   全てを受け入れてくれると、語ってくれるから。


      貴方の強い決意が、私の心を溶かして。

 
(D25) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:26:49

【雲】 ウユニ



    「……花咲病を発症したのは、
     私が、18歳の時。

     その時は、太ももに小さな花が
     一輪、咲いているだけだった。」


   何処から話せばいいのか
   少し迷って、視線を彷徨わせていたけれど
   貴方の手を軽く握って。

   話し始めるのは、本当に、最初から。
   
抱えて来たもの、全て。


 
(D26) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:27:58

【雲】 ウユニ



    「私は家族に相談したの。
     味方でいてくれるって思ってた。
     でも、……違ったの。
     
出て行け、
って。そう、言われて。」
   

   追い出されたことは、
   貴方も既に知っている事実。
   自嘲したように笑うと、続きを語っていく。

 
(D27) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:28:24

【雲】 ウユニ



    「病のことを知らないと、って。
     そう思ったから、街を巡って、
     色々調べてまわったわ。

     貴方がさっき読んだことは、
     行く先々で知ったこと。

     病が重くなっていく原因は
     時間が経つことだけ、
     最初は思っていたけれど……。
     感情が昂ったり、自我が薄くなったり。
     そういったことも原因になるって知って。」

 
(D28) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:29:08

【雲】 ウユニ



    
「独りでいよう、って改めて思ったの。」


 
(D29) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:29:35

【雲】 ウユニ



   誰かに関われば、そこに待っているのは
   決して明るくない未来。

   証明なんてしたくなかったのに
   昨夜、貴方とそれを証明してしまった。

   病を悪化させたくないのなら
   間違いだったのかもしれない。

   でも、それでも―――――。


  
(D30) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:29:56

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



    「昨日…貴方に愛されて。
     私はね、とても幸せだったのよ。
   
     今まで生きてきた中で、一番、幸せだって。

     
     …止めたくなかったの。こうなるって、
     予測できないわけじゃなかったのにね。」



   空いている方の手で左目の花に触れた。
   そして、
貴方のせいじゃないと伝えるように

   貴方の頬を軽く撫でて、微笑むの。

  
(-6) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:31:14

【雲】 ウユニ



   ふ、と息を吐く。
   貴方の反応はどうだったかしら。


    
「治療法、は……。」



   そこまで言って、言い淀んだ。
   書かなかった、治療法になるかもしれない手段。

   
誰かに感染せば、助かるかもしれない。

   それは犠牲を伴う治療方法。
   だから言いたくはなかったの。

   誰かが犠牲になる治療法なんて、治療法じゃない。
   知った時、そして今もそう思っているから。

  
(D31) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:33:07

【雲】 ウユニ



    
「私が望むような治療法は、ない、の……。」



   か細い声で、告げて。
   きっとこの先も話すことを貴方は望んでいる。
   わかってはいるの。
   でも、嫌な予感が頭を掠めてしまうから。

   それを打ち消すには、
   まだ貴方への理解が足りない気がする。
   踏み込まないようにしていたから
   知らないのは、当たり前。


  
(D32) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:34:50

【雲】 ウユニ


   
   貴方の方を見つめていたのに、
   ふい、と目をそらせば、
   零れ落ちるのは心に抱えていた本音。


    「私には、未来さきがないのに…。

     貴方が、私に時間を捧げることなんて……。」



   ないのに、とは言わない。
   だって貴方は以前に答えを示してくれているから。

  
(D33) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:35:35

【雲】 ウユニ



    「私は貴方を騙していたし
     寄り添い続けることはできないのに。

     そういう意味では、
     貴方のW家族Wと、同じでしょう……?

            
それでも貴方は―――。」



   貴方の決意を疑っているわけじゃない。
   ただ、私は、貴方のことをもっと知りたかった。
   独りになってしまった理由も、
   貴方が仮面に隠そうとしたものも。


   
貴方が私に望んでくれたように、知りたかった。


   
だから私は、貴方の心に、手を伸ばしたの。*


 
(D34) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:37:33

【雲】 サルコシパラ



   語られていく花の歴史は
   想像していたよりも重く
   共感と呼ぶにはあまりに絶する痛み

   独りで居たいのではなく
   独りになるしかなかったのだと
   そんな叫びに聞こえてならなくて。


   共感とは程遠い理屈としての理解が
   サルコシパラの顔に陰りを見せた。


(D35) 西 2022/08/17(Wed) 10:00:15

【雲】 サルコシパラ



   彼女を受け止めたいと。
   彼女の全てを受け入れたいと。

   青い少年の戯言のような誓いが
   あまりに無力で滑稽であることを
   サルコシパラは思い知る。

   自分が彼女にしてあげられることが
   何も無いことに気づいてしまったのだから。



(D36) 西 2022/08/17(Wed) 10:00:42

【雲】 サルコシパラ



   彼女は答えない。
   あの手帳に続く言葉を。>>D31>>D32

   それはあるけど答えたくないのか
   本当に知らないのか。

   どちらにせよ
   ウユニの言いたいことはなにか。
   手が伸び、語られた言葉が答えだ。>>D34


(D37) 西 2022/08/17(Wed) 10:01:32

【雲】 サルコシパラ



   家族は皆自分を置いて逝ってしまった。
   置いていかれたと嘆いた事がないわけではなく。

   そういう意味では彼女の言うことは正しい。

   このままでは辿る未来が
   いつかの悲劇と同じであることも。


   
(D38) 西 2022/08/17(Wed) 10:02:44

【雲】 サルコシパラ



   いまだ幼かった頃
   かつて小言のように言われた言葉を思い出す。
   独りとなったサルコシパラに浴びせられた同情は
   身勝手に家族を非難する言葉に乗せられて。

   こんな小さな子を捨てて死んでしまうなんて
   なんて酷い家族なんだ、と。

   赤の他人が憶測で家族を語るその様は
   当時サルコシパラの怒りを買うのに十分だった。


(D39) 西 2022/08/17(Wed) 10:05:19

【雲】 サルコシパラ



   「僕の家族に裏切り者なんていない。」



   「私の家族に人を裏切るような人はいません。」


(D40) 西 2022/08/17(Wed) 10:05:48

【雲】 サルコシパラ



   サルコシパラは過去を思い出し
   滲み出たやり場のない苛立ちを引っ込めると

   ウユニの手に、応えた。


(D41) 西 2022/08/17(Wed) 10:06:36