人狼物語 三日月国


184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


一日目

村人:4名、狂人:3名、人狼:1名

【人】 銀鷹公 バルドゥイン


 ……修復師が、水晶宮の封鎖区域に侵入したと。
 そうか。なら普段の手筈通り、港を封鎖なさい。
 協力者を洗い出して捕縛後に種族を同定。
 血液、体毛を採取し、尋問にて
 所属するコミュニティと………


 ────待て、  この においは、 なん、
 
(0) master 2022/11/07(Mon) 0:00:00
コミット要求:ON


【人】 略奪者 ラシード

─ 水晶宮:屋上展望台 ─


 水晶宮って、生物の保存って役割から
 温度湿度の管理、みたいなものが
 いっとうに徹底された施設…なんだって。
 ……締め切った金庫の多いこの島で、
 いちばんに『呼吸』を必要とする施設だとか。
 
 後天的ではあるんだけれども、
 大気の流れは此処を中心に渦巻いてるんだ。
 だから都合が良かった。
 君をコレクションとして迎え入れて貰うのにも、
 都合が良かった。


[職人の分厚い革手袋をした手に締め上げられ、
ブクブクと泡を吹く蛇の頸から滴り落ちた鮮血が。
銀の香炉の中の火のついた香、煙の中に一滴
────ぱたりと音を立てて、堕ちた。
細く立ち上る白い煙が、沸き立つように赤黒く変色する。
僅かに立ち込めていた甘ったるく腐った果実のような匂いが
質量を持ち、大気を犯す猛毒、否、呪毒へと転じる。]
 
(1) 通行人 2022/11/07(Mon) 0:01:26

【独】 給仕 シロタエ

/*
無事村人
村人のシスメ久しぶりー
(-0) sammy 2022/11/07(Mon) 0:02:59



【人】 略奪者 ラシード



 悪く思うなよ。
 島全体に行き渡らせるには
 きみの血は残さず搾り取らなきゃ、なんだ。

 呪うなら、ぼくと一緒にこの島を呪って。
 血の誇りを口先で称えながら
 “蒐集品”に貶める、この島を。


 ぼくのために、ぼくらの誇りのために、
 “祖”の毛皮を取り戻す為に────
んでおくれ。



[鼻と口を紅で覆った若き首魁の声に祈りは無く。
鉄のように、硝子のように、  その表情は冷たい。]
(2) 通行人 2022/11/07(Mon) 0:05:36




【独】 給仕 シロタエ

/*待って使用人女ヤバいwwwww

濃いなぁ……バルドウィン様がんばって(何をだ
(-1) sammy 2022/11/07(Mon) 0:11:35

【人】 略奪者 ラシード


[呪いを孕んだ腐臭は、狂馨は、
まるで泡が弾けたかのように急激に質量を増し、
潮風に乗って島の四方八方へと拡散していく。
赤い呪布を身に付けた略奪者たちが
各所の保存施設の窓に投石や矢を放って砕く。
だが、それを衛士に報せる市民は居ない。
駆け付ける衛士も、警備員も居ない。
長い歴史が作り上げた宝箱の中に、
赤を纏った賊は次々と侵入し───誰も止めることができない。

呪いは、腐臭は、火をつけたのだ。
人々の───自身の中から身を焦がす欲望の炎に。
表層に顕れたそれは理性を蝕み、喰い殺し。
キュラステルという楽園は風上から、
北からじわじわと狂い始めた。
]*
 
(3) 通行人 2022/11/07(Mon) 0:13:40
天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
通行人 2022/11/07(Mon) 0:20:51

略奪者 ラシードは、メモを貼った。
(a0) 通行人 2022/11/07(Mon) 0:25:59

【人】 給仕 シロタエ

―― とある民家にて ――

 ケイリーさーん、いますかー?

[コンコンコン、決して控えめとは言えない勢いでノックをして声をかける。
それくらいしないと気付かないことが多々あるからだ
でも幸い、今日はすぐ気づいてくれたらしくすぐにドアは開かれた]

 あ、良かった無事だったぁ
 「あぁ、仔狐亭の……ってことはまあ心配させたか、すまないね」
 いいんですよそれくらい、ちゃんとご飯食べてました?

[返事がない、ただの屍……じゃなくお察しということだった]

 ですよね、というわけでお届け物です

[600コルドでーす、などと言いながらお弁当を渡すとすぐにその場で払ってくれる
ついでにこそっと部屋を覗き込めば、案の定混沌が広がっていた]
(4) sammy 2022/11/07(Mon) 1:39:22

【人】 給仕 シロタエ

 ケイリーさぁん、さすがにこれは体に悪いですよ
 「えぇ……この方が落ち着くんだけどなぁ」
 だーめーでーすぅ、第一借り物を汚したらどうするんですかぁ

[とりあえず床と台所だけは片付けます、と部屋に突入する
めぼしいものを片付けて床を拭くだけでだいぶ違うはずだ]

 「シロタエちゃん」
 はぁい?
 「仕事続けてていいかな?」
 
その前にご飯食べてください!


[はあ、とため息を吐く。
どうして言ってもわからない人ばかりなのか

明らかにゴミとわかる物だけを拾って袋に詰め台所を覗く

不意に、何か甘いものが腐ったような臭いがした>>3]
(5) sammy 2022/11/07(Mon) 1:41:07

【人】 給仕 シロタエ

[きっと食べ残しの何かが腐っているんだろう、でも

ああ、なんだろう、なんかちょっと
イラつくな
?]
(6) sammy 2022/11/07(Mon) 1:42:10

【人】 給仕 シロタエ

 「……シロタエちゃん」

[声を掛けられて振り返る
いつもと変わらない……いつも以上の
イラつく
笑みを浮かべてケイリーが立っていた]

 「ちょっとね、今調べてる件の証明をしたくて……実験台になってくれるかな?」

[は?何を言っているんだこの人は]

 無理ですよ
 「いいじゃないか、ほんのちょっと、ちょっとだけ犠牲になってくれればいいんだから」
 だから無理だって言ってるじゃないですか!

[無理、というのを意に介さないように手を引いて奥へと連れ込もうとするのを振り払う
ああ、
イラつく
]

 「何でだい?僕は実験がしたいんだ、協力してくれても……」

[忌々しいくらいの笑みで懲りずに手を伸ばすのに、娘の中で何かが切れた]
(7) sammy 2022/11/07(Mon) 1:44:25

【人】 給仕 シロタエ

 
無理だって言ってるでしょうが!!


[そう言いざまにテーブルの上にあった分厚い本を取り上げて
その背の部分をケイリーの頭に叩きつけた
ロクに食事もしていなかったらしい男は床に倒れる
その頭部に二度、三度と本を叩きつけると床に
赤いもの
を散らしてケイリーは動かなくなった]

 あーあ、言っても聞かないからこうなるのよ

[罪悪感なんか感じない、むしろ、そうむしろ気分がいいくらいだ
今まで、
なんで我慢してたんだろう!
]
(8) sammy 2022/11/07(Mon) 1:47:00

【人】 給仕 シロタエ

 
言ってもわからないような奴らなんか
 力づくで黙らせればよかったんだわ
(9) sammy 2022/11/07(Mon) 1:49:15

【人】 給仕 シロタエ

[気分がいい、そう娘は今までになく気分がよかった
いう事を聞かないロクデナシは、
殴り倒せなよかったの


だって、向こうが悪いんだもの、ねえ]

 アタシは、なぁんにも悪くないわ

[だから、そう

もっと世の中のロクデナシを片付けちゃいましょう!
娘は朗らかな顔でケイリーの家を出る

何故か外に置いてあった角材一つ手に取って**]
(10) sammy 2022/11/07(Mon) 1:51:01
給仕 シロタエは、メモを貼った。
(a1) sammy 2022/11/07(Mon) 1:55:38

【独】 給仕 シロタエ

/*
とりあえずここまでは出しておきたかった!
さっくり頭潰してますね、怪力ですね
きっとリミッター外れてるんだよ!

フォント変更初めてやった
読みにくいから好きじゃないんだけど演出的に

ロクデナシ基準ですが「言っても話を聞かない(と勝手に判断した)」人、らしいです
誰彼構わず殴らないあたりまだ理性あるね?

では寝る

animalクリオネanimalアルマジロトカゲanimal
(-2) sammy 2022/11/07(Mon) 2:07:34

【独】 隻影 ヴェレス

/*
みんな丸太は持ったな!!
行くぞォ!!!
(-3) Saint-Exupéry 2022/11/07(Mon) 2:46:16

【独】 住職 チグサ

/*
わーんはちゃめちゃにねてたわばかばか
(-4) kumiwacake 2022/11/07(Mon) 5:34:03

【人】 娼婦 セツナ

 
>>3その機会の訪れを知ったのは、以前から持つ魔具の報せだった。

 
 
彼らから知らされたわけではない。
けど、その時が来た時に判るようにと事前に準備していた、所謂借り物の魔具。
それが、ピリリと自分の身体にその訪れを知らせるように痺れを齎した。
ぴくり。
体を反応させ、仕事の準備をしていた私は急いで>>3口に布を巻く。
狂うことの無いように。
目的の物を得る為に準備していた、理性を保つ為の品。
風邪を引かないように。
埃で喉を痛めないように。
そんな風に、仕事のない時は普段からも使っていた物だ。
だからきっと、今着けていてもそんなに怪しまれない。
そう願う。
しかし、欲に塗れたこの店では。
その腐臭に、欲の内側のさらに闇に潜んだ欲を燃え上がらせる。
身を潜めながら店を抜けるが、聞こえてくる音はそれはひどい物だった。
 
(11) もくもく 2022/11/07(Mon) 5:41:43

【人】 娼婦 セツナ

 
男の悲鳴。その内容から、魔羅を食いちぎられたのだろう。
女の悲鳴。相手の男に殴られているのだろうか。
男の哄笑。女の髪を引き、濡れてもいないのに尻の穴に捩じ込んで。
女の哄笑。男の顔の上に跨り、奉仕を強要する。
 
実際に見えた物、察してしまった物。
一先ずここから逃げようと。逃げて目的の物を得ようと。私は店を後にする。
店の中は血の匂いもあれば糞尿の匂いも酷くて、例の腐臭より更に臭って眉を顰めた。
あの人の為に。
愛しいあの人の為に。
体も魂も売り渡しても。
手に入れなければならない物がある。
その場所の検討はもうついている。
だから、店をそっと抜け出ると私は街中へと繰り出した。**
 
(12) もくもく 2022/11/07(Mon) 5:42:03
娼婦 セツナは、メモを貼った。
(a2) もくもく 2022/11/07(Mon) 5:43:35

【人】 住職 チグサ

 ──現在:慈厳寺──

ぼぉ……ん
          ぼぉ……ん


[龍龍たる体躯の修行僧が、夕刻の鐘をつきました。
 秋色に染まった梢を、夕陽がさらに赤く染めています。]

 ……お勤めご苦労様でした。
 あなたはもう寺院にお戻りなさい。
 私もまもなく。

[修行僧を見送りながら、私はしばらくの間ひやりとした夕方の風に身を晒していました。
 袈裟の下には、例の赤布を忍ばせています。

 枯葉の香りの中に、粘りつくような甘い腐臭を感じた気がしました。
 深いため息を、秋風にひとつ交えました。]

   我昔所造諸悪業
   皆由無始貪瞋痴
   従身口意之所生
   一切我今皆懺悔

我れ昔より造る所の諸の悪業は、
皆な無始の頓・瞋・痴に由る、
身・口・意従り生ずる所なり。
一切、我れ今皆な懺悔したてまつる。

[懺悔文を三回。唱え終えるころには、香りははっきりと強く為っていました。
 渾沌の時が来ます。己の罪を、見つめましょう。]**
(13) kumiwacake 2022/11/07(Mon) 6:29:26

【独】 娼婦 セツナ

/*
なおよくぼうが解放されたらはたらきたくないでござるになります
(-5) もくもく 2022/11/07(Mon) 6:31:56
住職 チグサは、メモを貼った。
(a3) kumiwacake 2022/11/07(Mon) 6:33:23

【人】 医者 ノーヴァ




   医師は、大切なものを守るもの。

   果たして、大切なものとは
   真に守られるべきものなのだろうか?



 
(14) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:22:52

【人】 医者 ノーヴァ



  遥か遠い昔、物心がついた時から。
  実にさまざまなものを壊してしまってきた。
  誕生日にもらった表本箱、買い与えられた玩具、
  はたまた家族写真のフレームまで。

  家族に友人、近しい人々。
  その惨状を見た者たちはいつも怒り、悲しみ、
  さまざまな感情を見せてくれたものだけど、
  なんやかんやで今まで看過されてきたのは
  ひとえに自分が“直す”術を持っていたからだ。

  壊して、直して、直して、壊して。
  ワンパターンな作業工程と、色とりどりの表情変化。

  それらは実に壊れやすいのに
  みんながみんな、さぞ大切そうにして
  自分に見せたり与えたり、
  手の届くところに置いておく。
  大事なくせに、矛盾しているその行動が
      
■■■とさえ思ったものだ。

  どうにも理解できなかったことを覚えている。


 
(15) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:23:05

【人】 医者 ノーヴァ



  「大事なものには、願いが込められているの」

  壊れたオルゴールを掌で包みながら、
  悲しそうな顔をして母はそう言った。

  「これを作った人、受け取る人、
   沢山の人の魂が集まって、いつまでも宿り続けるの。
   今回は仕方ないけれど、
   壊さないように気をつけてちょうだいね。」

  ならどうして、って問い返そうとした口をつぐんだ。
  母はそれ以上をいうつもりはなさそうだったから。


 
(16) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:23:37

【人】 医者 ノーヴァ





[狂者というのは、生まれた頃から定義つけられた悪癖というものがひとつはある。
最初はただの興味本位、何れは其れが悪しき欲望へと変わり。
常識を解さず、境界線を乗り越えて、思うがままに歪み続けて。
その軌跡は時に、新たな「信仰者」を生み出すこともある。

世界のどこかで、そんな負の循環構造が存在しているらしい───────……]


 
(17) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:23:50

【人】 医者 ノーヴァ








「ノーヴァ。
  あなたはそうなってしまってはダメよ。
  誰かの大切を、理解できる人になりなさい。
  それを守ってあげられる人になりなさい。」


      (………………ごめんよ、母さん。)



 
(18) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:24:03

【人】 医者 ノーヴァ







(閉ざしていたけれど
 隠していたけれど

                 ………僕には。



        その気持ちが分かる気がするんだ。 )

 


 
(19) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:25:13

【人】 医者 ノーヴァ


   ───夕刻: 路上───

[昼餉を買ったのは、行きつけだった「仔狐亭」だっただろうか。>>0:5
忙しい医師のために、時折遅めのテイクアウトを特別に作ってもらったこともあったかもしれない。

大将の“人の良さ”は、自分も知っての通りだったから。>>0:7
自分のわがままだって、人の良さに漬け込んだ───わけではないけれど、そう見えたって仕方ないかもしれない。


歩きながら軽く食して、暫く束の間の散歩を楽しんでいた。
今日は診療所は午前営業(急患を除き)だったためか、少々心に余裕があった。

──────刹那、「いつも通り」で「そうではない」夕刻の鐘を聴いて俯いた顔を上げるのは……きっと明日の予定辺りを考えていた頃だったろうか。]**
(20) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:32:04
医者 ノーヴァは、メモを貼った。
(a4) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:34:12

医者 ノーヴァは、メモを貼った。
(a5) あんのうん 2022/11/07(Mon) 16:44:27

【人】 住職 チグサ


 ──回想:病院にてノーヴァと──

[その時もやはり、診断は「年ですね」でした。>>0:93
 そういえば、母も晩年は腰の痛みを訴えておりました。
 なにもこのようなところまで母に似なくても良いものを、血の因果とは面白いですね。]

 そうですか。
 こうも何もかも年のせいとなると、いちいち診ていただくのが申し訳なくなりますねぇ。

[私の言葉をたしなめるかのように、助手のお方が優しいお言葉をかけてくださいました。
 こちらの若いお嬢さんは、以前は環境が変わることに悩まれていたご様子ですが、近頃は表情がすっかり明るくなられました。]

 ありがとうございます。
 ……仏教には、抜苦与楽という言葉があります。
 この世に生きるすべてのものの苦しみを取り除き、安楽を与える。つまり慈悲心を表した言葉です。
 正しく抜苦与楽された方に、弱音で返してはいけませんね。

[私は自らの口の行いを恥じました。
 第一、心より申し訳ないと思うのならば病院になどかからなければ良いのです。
 痛みに耐えかねて、身体を惜しんだのは、私自身なのですから。

 倒れたあの日はともかく。]
(21) kumiwacake 2022/11/07(Mon) 21:12:07

【人】 住職 チグサ

[お医者様の声は落ち着いておられました。>>0:94
 島唯一のお医者様として、幾人もの死と戦った、勇ましくも悲しい経験によるものでしょうか。
 安らかな死を願って見送ることしかできなかった私と違い、お医者様は処置をしなければいけません。
 責任あるお立場で、様々な思考が渦巻いたことでしょう。

 押し当てられた額が熱く、私の意識に焼き付くようでした。>>0:95
 実際のところ、私の命を繋いでくださったのは、数々の管ではありましょうが。
 その熱をたぐりよせて、自我を取り戻したような気がしているのです。]
(22) kumiwacake 2022/11/07(Mon) 21:13:35

【秘】 住職 チグサ → 医者 ノーヴァ


(……さぁ。邪魔な婆さんと思われているお方も多いですよ。
必要以上に私のことを大切に思ってしまうのは、私自身です。)

[聞こえた言葉に、返事をする元気まではありませんでした。>>0:95
 誰もが、「我」という存在をこの世界で最も尊いと信じている。
 誰もがその病から逃れることはできない。
 私もまた。

 私が捨てきれないもの。大切に思っているものは何でしょうか。
 慈厳寺
の歴史や威厳が、私を大きく見せてくれる

 お弟子さん達
を育てたという傲慢な自負

 ご本尊様
を私の代で途絶えさせる羞恥

 老いの果てに、私自身の智慧が喪われ、耄碌してしまうこと。
 私には、御大層に抱え込んだものが多すぎる。
 
ほうげじゃく

 放下着。そんな下らぬ自我は全て、放り捨ててしまえ。
 全ての執着を捨て去ることが、私の最期の修行なのでしょう。]
(-6) kumiwacake 2022/11/07(Mon) 21:14:47

【人】 住職 チグサ


 年寄りの習性のようなものでして、有難いと感じると、体が自然と動いてしまうのです。
 居心地が悪いでしょうが、どうぞお諦めください。

[お医者様が見回りに来られた頃>>0:96には、冗談を返せる程度に回復していました。]

 ええ、とんだご心配をおかけしました。
 よりによってワクチンで死んでしまいでもしたら、怖がって打つのをやめてしまう方もありましょうから。

[明かりはすぐに遠くへ追いやられ、お医者様のお顔はあまり見えません。
 そうでなくても、ここのところ視界は白く濁り、表情の判別もつかない有様です。
 たとえ昼日中でも、お医者様の赤らんだ顔や、深く刻まれたクマ(本当にご苦労をおかけいたしました)にも気づけなかったやもしれません。
 老人特有の青い環の浮いた瞳を、皺に埋もれるほど細めて、お医者様に微笑みかけます。
 碌に見えぬ瞳には、相手に恥をかかせないという善き点もありましょう。]**
(23) kumiwacake 2022/11/07(Mon) 21:15:44
住職 チグサは、メモを貼った。
(a6) kumiwacake 2022/11/07(Mon) 21:18:56

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
通行人 2022/11/07(Mon) 21:35:02

【独】 娼婦 セツナ

/*
動 き が な い

ううん、シロタエさんのところ行っても良いのかな。
どうしたもんだろー。
(-7) もくもく 2022/11/07(Mon) 21:41:33

【人】 警備員 ジュード

 
  ── 夕方:北東の路地 ──

[ヴェレスとは、食堂では
どんな事を話しただろうか。
食事の後にはしっかりと薬を飲んで
少し、気分も落ち着いたように思う。

そして彼と別れ、日の落ちた頃に向かうのは
先程遅れた同僚が案内したという
美術館側から水晶宮まで向かうルート。>>0:140

同僚が遅れてまで案内した道がどんなものか、
ぱっと確認してみよう、という気持ちで。

ぼぉ……ん ぼ……ぉん と、
鐘の音が響く中、>>13

男は、その路地へと足を踏み入れる。]
(24) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:10:50

【人】 警備員 ジュード

[傾いた陽は、路地に届かず。
案内したという道は今はやや暗いものの、
裏道ながらも路面が舗装されており、
たしかに起伏も少なく歩きやすかった。

……しかし、人に関しては
そこまで少なくはないらしい。

この辺りを掃除している人達なのだろうか?
口元に
赤い布
をつけた人たちが
美術館の方へ、あるいは水晶宮の方へ
歩いて行くらしいのと何度もすれ違う。]
(25) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:11:51

【人】 警備員 ジュード



 ……流石に多くない、です?


[何人も何人も同じ赤を纏う人が行くのは
今日までの間に、見た事があっただろうか。

不安に思った男が、すれ違う一人に
声をかけてみようかと振り返った時、

周囲を流れる空気の中に、
腐臭
が香った。>>3

初めは勘違いかと思ったが、甘ったるい香りは
消えるどころかどんどん強くなって、
まるで密室の上から水を注ぐみたいに
辺りの空気を重く濁らせてゆく。


……何だか、嫌な息苦しさを感じる。


妙な空気に当惑し、
立ち尽くす男の後ろに建つ家では

最上階で空を見上げていた娘が
まるで飛べる事を確信しているように
何もない空中へと足を踏み出した。]
(26) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:12:35

【人】 警備員 ジュード

[鳥の翼を持たないどころか、男と同様に
地を這う者達の尾を持っていたらしい娘は、
勿論、踏み出したつま先で風を捉えることもなく。

彼女は重力に引きずられるまま、
ベシャリ、と潰れるような音を立てて
レンガの道に墜落した。]


 
おわぁっ!?

 な、なにっ? 大丈夫でありますかっ!?


[脳漿の弾ける音に
驚いて

男は振り向き、潰れかけた娘に駆け寄る。

しかし、男がしゃがみ込んで傷を確かめようとする横を、
赤い口布の人々は気にも留めぬ様子で通り抜けてゆく。

それどころか、「ぶつからなくて良かった」とか、
「危ないことをしやがる」とか、
迷惑がるような言葉さえ聞こえていた。]
(27) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:13:03

【人】 警備員 ジュード

[明らかに、いつもの町とは様子が違う。
混乱
している間にも、どこか遠くからは
窓の割れるような音や、甲高い悲鳴が。

それから、この香りの中でさえ
狂ったようにあげられる
不気味
な笑い声が、
男の耳にまで届く。


……何が起こっているのかわからないけれど
まずは、保管施設の様子を観に行かなければ。
そして、”あれ”の安否を確認しなければ。



男は、自分ではもう助けられないらしい
憐れな娘の傍を離れようと
震えそうになる
膝に手をついて
なんとか、立ち上がる為に力を入れる。

本当は、この場を離れる事も
怖い
のだけれど……]
(28) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:13:59

【人】 警備員 ジュード

 

 ……えっ?


[男は、気づいてしまった。

己の底から沸き上がる
恐怖
に。
此処から離れて、通りに出る事さえ、
とても、”
恐ろしい
”と感じている事に。]
(29) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:14:29

【人】 警備員 ジュード

[嫌だ、と気付いてしまえば
沸き上がるものを抑える事はできない。

この路地でさえ、人が一人命を失いかけているのに
こんなにも沢山の凶兆が聞こえているのに

不用意に表に出ていったら
そこにはどんなに恐ろしい光景が
広がっているだろう。

もしかしたら、刺されるかもしれない
もしかしたら、殺されるかもしれない

もしかしたら、見知った人さえ
その凶刃に、倒れているかもしれない。

でも、すでにここに残る事さえ
男には恐ろしい事だった。]
(30) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:15:01

【人】 警備員 ジュード

[逃げたい、隠れたい
どこでもいいから、今すぐ
暗く静かな場所へ。

何者にも怯える必要のない
脅かされる事のない平穏へ逃避したい。

逃げなきゃ、隠れなきゃ、離れなきゃ
この恐怖が零れ落ちる前に、
くるしくない場所へ
怖くない場所へ]


 ひ、 ぁ
 だめ  だめであります
 あふれる……!


[ぽた、ぽた、と、乾いた道に染みをつくるものは
冷汗だったか、恐怖からの涙だったか。

どちらにしても、僅かに粘性を持つそれには
”が混じっているのに違いなかった。

垂れ落ちるものは増えるばかりで、
男がそれを止めようと頬に当てた手を伝って、
溢れて、落ちて、染みを広げる。]
(31) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:16:06

【人】 警備員 ジュード

[警備員として、赤い彼らの行く方へ
事態を確認しにいかなければならないのに、
脅かされている人を助けなければいけないのに

ひどい匂いや断末魔の響くこの空間で
無防備にしているのが恐ろしくって。

とうとう、細い道の真ん中に立つ事さえ
耐えられないようになると、

男は恐怖に浅くなった呼吸を整える間もなく
近くの物陰に飛び込んだ。


……かつて、厳しく警備の目を光らせていた男が
目を回したように狼狽えたと思ったら、
道の端に積まれた空の木箱の山に潜り込む様は、
行き交う赤い正気の者には可笑しくさえ見えたかもしれない。

しかし、崩れた木箱の隙間から道の方へ
情けなくにょろりとはみ出した尾は、
滲み出した
の粘膜を纏って
不用心な者への
警告
を示している。*]
(32) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:16:57
警備員 ジュードは、メモを貼った。
(a7) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:24:42

【独】 娼婦 セツナ

/*
これ、いきなり毒で死ぬのはありかしら。
(-8) もくもく 2022/11/07(Mon) 23:36:44
警備員 ジュードは、メモを貼った。
(a8) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:48:17

【独】 警備員 ジュード

/*
気を付けるぞっ!と思ってメモ取ってて
頭の中の地図でも北に水晶宮があって西側に美術館があるのに
どうして、どうして打たれた文字は東なのか。

一連を打つたびに、何かやってしまっていそうで
PLまでそわそわ右往左往しているとか。

色々ここ好き〜とか書きたい事も多いのですが
まずは銀鷹公が大変なことになっているのに
いいなって、思ってしまったとか なんとか。
むすおじ疑似ペニバン孕ませ願望 良いですね

……なんておもって、そっかぁお耳たべちゃったかぁ……と
萌え語りを読むような気持で>>n6を読んでましたが

この舞台設定だと本当にお耳食べちゃう事もありえる……?
NPCは生きて帰ってくるはずだから無事……?
(-9) CONBE 2022/11/07(Mon) 23:52:23

【人】 隻影 ヴェレス



 
──── 大禍刻


  [夕刻を告げる鐘が鳴る。
   緻密な計画の元、全ての運命は狂っていく。]


 
(33) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:29:55

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [観測手達は北の空を観る。
  魔導レンズを通して見た夕暮れの空は確かに、
  空気の流れに乗せて赤黒い煙を広げている。

  中央図書館の真上に立つ学星院より北方には、
  ブランドンの有する二つの邸の内の一つがある。

  彼が第二夫人を娶った際に与えた別邸。
  事実上の隔離先として建てた鋼の檻だ。


 
────その、三階の、南側の窓が割れている。
]


 
(34) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:30:11

【人】 隻影 ヴェレス



  この家には刃物がない。
  調理器具の類から、枝切り鋏に至るまで
  全てが使用人達によって厳重に管理されている。

  私は長らく腕に留まっていた
赤い布

  顔を覆うようにして固く結び目を作った。

  自室の書架から分厚い辞典を一つ取り出すと、
  それを思い切り窓目掛けて投げ付けた。

  北側に位置する邸宅の周囲は既に混沌に包まれており、
  外から飛び込んでくる喧騒がそれを伝える。

 
(35) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:30:25

【人】 隻影 ヴェレス




  [飛び散った硝子の一欠片が肌を裂く。
   最早そこに痛みは、驚きはない。

    血液の代わりに零れ落ちるのは煌めく赤い石。
    母子が『宝石の魔人』と呼ばれるその所以。]


 
(36) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:30:48

【人】 隻影 ヴェレス



  影の存在である事は幸運だった。
  欲望に狂う大衆は、私を気に留めることがない。
  堅牢な鉄門をこじ開けてまで侵入しようとする者は
  既に知性を失った者達の中に居ないのだから。

  …………そう、重要な『用事』でも無ければ。

  興味本位でほんの少し鼻先を大気に晒すと、
  多肉性の花が腐った様な異臭が掠める。

  私は自室の扉も、廊下の扉も全て開け放って
  階下へと降りていく。
 
(37) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:31:05

【人】 隻影 ヴェレス



 「ヴェレス様! 今の異音は!?」


 [使用人の一人が大慌てで階段を駆け上がった。
  丁度、二階の踊り場で主人と鉢合わせるように。]


        敷地内に暴徒が……
         部屋に石を投げ込まれた!


 [怪我はないことを示す少年と、駆け出す使用人。
  その腰に提げられている鍵束をそっと盗み取る。]


   ( ……もっと早くこうすれば良かったんだ。
       全ての期待を裏切られる、その前に。 )


 
(38) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:31:28

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [屋敷の一階の物置の鍵を開け、内側から掛け直す。
  並んでいるのは庭木の手入れ道具や、

  
────『赤い宝石』を生産する為の道具の類。

 
  爪を捩じ切る為のペンチ。
   足の指を折り取る為のニッパー。
    皮膚を剥がす為のクレーパーに至るまで。


   “彼等”の血肉は何処も余すこと無く価値となった。

 世界中で開拓が進み、知恵の民たる地人の国家が乱立し
      それ故に彼等は滅びを迎えた。

  価値故に、『楽園』になり得なかったのである。



  少年の手が、その中から小ぶりな刃物を選び取る。
  それから幾つかの古びた魔道具を懐に忍ばせた。]

 
(39) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:32:10

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [上階ではひっきりなしに靴音がしている。
  慌ただしく右往左往する使用人達。
  当然ながら庭園に侵入した暴徒など居るはずもない。

  それらがひとつ、またひとつと止む。
  薄気味悪いまでの沈黙が屋敷中に染み渡る。

  少年は小さなナイフを手に物置を出る。*]
 
(40) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:32:28
隻影 ヴェレスは、メモを貼った。
(a9) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 0:35:00

【人】 給仕 シロタエ

―― どこかの路地で ――
[娘は鼻歌でも歌いそうな表情で街を歩く
その周囲では正気を無くした人々が阿鼻叫喚を繰り広げていたが、娘がそれを咎めることはない
娘が探す
「ロクデナシ」
は自分が迷惑だと思う連中で、そうでなければ

 たとえ盗みを働いていようと
 たとえ殴り合いの喧嘩をしていようと

気にするようなことなんか欠片もない、自分に迷惑さえかけなければどうでもいい
その代わり、迷惑を掛けようとするなら問答無用で殴り倒した]

 
だって、言っても聞いてくれないんだもの


[原因はさっぱりわからないし自分が毒されていることも知らないけれど
いつも以上に話が通じない奴らばかりで
イラつく

それを黙らせることはとても気分がよかったのだ]
(41) sammy 2022/11/08(Tue) 1:32:58

【人】 給仕 シロタエ

[少し歩くと今日何度目かの少女の悲鳴が聞こえた
興味無さげに視線を向け、のしかかっている姿に覚えがあって近づく
さっきの酒癖の悪いロクデナシカーヴィだと気付いて舌打ちをする]

 
ほぅら、やっぱり言ってもわからないんだわ


[なら、やっぱり野放しはダメよね、なんて言いつつ近寄って
カーヴィの頭に思い切り角材を振り下ろすと、鈍い音がして頭が割れた
スイカたっだらもうちょっと綺麗に割れたでしょうにって呟いてカーヴィを蹴飛ばし少女の上からどかす]

 もう大丈夫よー

[と笑って見せた娘が見た少女は不満げな顔をしている
だがそれは娘に向けられた不満ではなかった]

 「ちょっとおじさん!私のこと襲ってくれるんじゃなかったの!!」

[そう叫んで向かったのは倒れたカーヴィのもと]
(42) sammy 2022/11/08(Tue) 1:35:06

【人】 給仕 シロタエ

 
「襲っておいて、殴られたくらいでやめるなんて酷い!」


[言いながらカーヴィの衣服を弄り股間に手をやって、取り出したそれを口に含んだ]

 「最後までしないと許さないんだから!」

[実際は半分くらいもごもご言っていたがそんなことを少女は言う]

 あらぁ、邪魔しちゃったのかしら?

[目の前で、今度はカーヴィが襲われているけれど娘は止めたりはしなかった
元はカーヴィが襲っていたのだし、少女がその気なら止めるのは野暮だし
カーヴィ自身も嫌がってなかったし……嫌がるも何もなかったけれど]

 まあいいか。
楽しそうだもの!


[そんなことを呟いてその場を離れる。
血まみれの角材を手にしたまま*]
(43) sammy 2022/11/08(Tue) 1:37:17

【人】 給仕 シロタエ

―― その頃の仔狐亭 ――
[その頃の仔狐亭では娘の帰りが遅いことを気にするものはいなかった
いつもなら夕刻の混雑にテイクアウトの用意やらで大忙しのはずの店内は
いつもとは違う意味で混沌としていた

勝手に料理や酒を奪い合う客に紛れて、ひたすらに店の掃除をするベテラン給仕がいて
その傍らでは別の給仕が客と痴態を繰り広げて
新入りのリーリはどこかに消えてしまっていた

そうして、それらを咎めるはずの店主は厨房に籠って

「俺はなぁ、魚より肉を料理したかったんだよ!」

なんて言いながら包丁を振るっている。

エプロンを
真っ赤
に染めた店主の目の前
作業台にのった肉塊は、どう見ても
鳥や豚や牛ではなかった
**]
(44) sammy 2022/11/08(Tue) 1:40:57
給仕 シロタエは、メモを貼った。
(a10) sammy 2022/11/08(Tue) 1:44:29

【独】 給仕 シロタエ

/* 店主の名前はパラベラムじゃないですよ!

と前回ネタ(おい
カニバリズムから離れろお前は

えー、リーリが消えて謎の肉塊がありますね?
そういう事です(まてやこら

さてここからどうしようかなー、後ラストしか決めてないんだよなー(しかも流れ次第では使えないしな
誰かとエンカウントできればいいんだが、下手すると予定してるラストに行けないから悩む

では寝よう……村始まると睡眠時間がやばい

タイゴンanimalanimalマンボウanimal
(-10) sammy 2022/11/08(Tue) 1:52:00

【独】 給仕 シロタエ

/*

マンボウが出たわぁぁぁ!!


←マンボウを出すためだけに動物ランダムする人

すっきり(
(-11) sammy 2022/11/08(Tue) 1:54:13

【人】 略奪者 ラシード

─ 狂騒 ─


[朱に染まり、傾いた陽光が
市街地に長く冷えた影を落とす。
幾度も幾度も其処で繰り返されていた筈の
人々の営みは今や其処には無い。

肉屋の硝子棚を拳で叩き割り、
陳列された生肉を手掴みで引き摺り出し
破片の刺さった己の腕から流れる血液ごと
次から次へと口に押し込んでいく肥った地人。
獣人の店主は路上で犯された末に引き裂かれた女の死体を
鉈で更に細切れにしつつ片っ端から機械に放り込み
ドス黒い腸詰め肉を延々とひり出し続けている。

職人街では、表情を失った刀鍛冶が
焼けた鉄をハンマーで叩く。叩く。叩き続ける。
何度も何度も叩いて叩いて叩き続けて、
そうすれば鉄は粉々になって、
やがて彼は只々金床だけを叩き続けるだけ。
彼にだけは見えているのだろう。
想像を絶するほど美しい光を放つ、渾身の刃が、金床の上に。 ]
 
(45) 通行人 2022/11/08(Tue) 2:04:43

【人】 略奪者 ラシード


[書店の前の路上には奇妙なものが広がっていた。
チョークで書き付けられた難解な数式に難解な図形、
まるで古代文明の陶器に刻まれた幾何学模様のように
丸眼鏡を掛けた魔人の少女が息を荒げながら、文字を、数を、
彼女の頭の中で爆発する閃きを書く。書く。書き連ねる。
それはやがて向かいの煉瓦壁にも進出し、
壁を舐めまくっている若い男の背中臀部そして頭部にも刻み、
街路樹の葉の一枚一枚、石の一つにも数式は刻まれ、
チョークが尽きればペンを、ペンが尽きれば己の指先を切りその血液を。
此処はもはや異空間だ。彼女の頭蓋、その内側のようなものだ。

野菜を犯す男。人妻を犯す女。
ころすころすころすと泣き喚きながら、衛士から奪った槍を振り回す少年。
誰が着れるのか検討も付かない巨大な服にミシン針を叩きつける女。
その数々を足蹴にして、見向きもせずに、
性欲や暴力衝動を孕み飛び掛かってくるものたちに
拳や脚を叩きつけ、赤い呪布を身に付けた略奪者達は駆ける。
彼らの求める宝の元へ向かうもの。
または手近な民間の窓や扉をぶち壊して、金目の物を狙うもの。]
 
(46) 通行人 2022/11/08(Tue) 2:05:29

【人】 略奪者 ラシード

─ 銀鷹公の屋敷 ─

[ 

   だ


       た ん。

 吹き抜け階段の巡る広間。
 其処に次から次へと降り注ぐものがある。
 死体。いや違う。衝突する瞬間までは生きていた。
 虚な目を、否、”居場所を見つけた安堵”に満ちた
 泣き疲れて安堵した子供のような、
 さかさまの人間ひとりふたりさんにんよにんごにん、
 だ   たん。だ  たん。次々と堕ちてくる、堕ちてくる。
 広間を塗り潰さんばかりに、赤い血液が広がっていき、
 ああ、また”おかわり”の追加だ。
 だ  たん。 だ  たん。]

  自殺願望持ち、か。
  ……確か銀鷹公の屋敷では、
  若手の研究生を奨学生として受け入れて
  小さな研究室を与える……
  みたいな慈善もやってたのだっけ。

[見上げる螺旋階段。壁際には開け放たれた部屋の数々。
そのひとつひとつに若き研究者が住まい、夢を追って、]

  どいつもこいつも行き詰まりで、
  正直死にたい気持ちで一杯だった、ってことかな。
(47) 通行人 2022/11/08(Tue) 2:07:02

【人】 略奪者 ラシード



 閉じた箱にはお似合いの末路ってやつだ。


[踵を返せば、もう其処には興味の一欠片も残らない。
螺旋階段を登り、次々と身を投げていく学徒に目もくれず
略奪者の首魁は屋敷の上層へと向かっていく]**
(48) 通行人 2022/11/08(Tue) 2:13:35
略奪者 ラシードは、メモを貼った。
(a11) 通行人 2022/11/08(Tue) 2:16:30

医者 ノーヴァは、メモを貼った。
(a12) あんのうん 2022/11/08(Tue) 2:32:54

【人】 隻影 ヴェレス

 


  母が故郷の神々を想って付けた名Velesよりも、
  父がくれた祖先の名
Eldred
を気に入っていた。

  それが叡智の為、自ら実験に身を捧げて死んだ
  狂信的な研究者の名前だと知らなければ。
  膨大な図書の中に埋もれた目録からその項目を
  見つける事がなければ、運命は違っていたのか。


(49) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:49:30

【人】 隻影 ヴェレス



  幼い頃は憧れだった、顔を合わせる事の無い父。
  疑念が一つ増えたところで直接尋ねればいいと。
  その為に学星院に加わって登り詰めればいいと。

  ただその一心で、どれだけの分野を学んだのだろう。
  
生傷の絶えないこんな身体
では通学など出来ないから、
  出入りを許された図書館の蔵書を幾つも漁ったものだ。

  
  兄ばかりが学会で持て囃されるようになり、
 「病弱な弟に捧げる発明」という新聞の見出しを見た時
  疑念は二つに増えた。


 
(50) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:49:50

【人】 隻影 ヴェレス



  何度傷付けられても、血を流しても、
  いずれ痛覚すら遠のいて大切なものを失くしても、
  それが父に必要なものだと信じ続けた。 



  信じていたのに、調べずにはいられなかった。
  突き止めてしまった、秘匿された計画の一部。
  あなた方が⬛︎を殺し、それに成り代わるための。



  私にひた隠しにして来た計画の中に私は居ない。
  なのに、何も知らない儘に保護され
  狂う事さえ赦されないなど。どんな形でもあなたの役に立ちたかった


  
  私達を傷付けて剥ぎ取り、生み出した資金の使い道が
  余所者を招き入れてこの島を実験台に変える
  摂理に逆らった試みだと知ってしまえば。



  疑念は、……疑念は、もはや…………嗚呼。


 
(51) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:50:09

【人】 隻影 ヴェレス

 


諢帙@縺ヲ諢帙@縺ヲ諢帙@縺ヲ諢帙@縺ヲ

  
「ヴェレス様、ああ」

  
迥ッ繧キ繧ソ繧、迥ッ繧キ繧ソ繧、迥ッ繧キ繧ソ繧、迥ッ繧キ繧ソ繧、

          
「此方に居らしたのですか」

           
郢九′縺」縺ヲ郢九′縺」縺ヲ郢九′縺」縺ヲ郢九′縺」縺ヲ


 [階段を覚束なく降りて来る使用人の面々。
  彼等もまた、あえて若く未熟な個体として選ばれ、
 
魔人の特性を研究する為に投入された憐れなる命。


   渦を巻く、渦を巻く、呼び起こされた思惑。
   誰もが理性で縛り付けて来た本音。
   封じながら、良心を果てもなく傷付けられながら
   命令を遵守し少年の肉体を損ない続けてきた。]

 
(52) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:50:32

【人】 隻影 ヴェレス




  其処に憐れみはない。怒りもない。
  軽蔑も、嫌悪も、惜別も、憂鬱も、ありはしない。

  ただ私は、父上と同じやり方で。
  手段を問わずにあなた方の罪をなぞるだろう。
  そして全てを███にするのだ。


  ────あの人を舞台装置のとして死なせたように。       
本当に死にそうなほど辛かったけどね。


 
(53) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:51:13

【人】 隻影 ヴェレス




  虚弱で外を出歩けない次男坊とは
偽り
である。
  名誉ある研究助手としての未来は
嘯き
である。
  無気力で籠の鳥じみた少年の姿は
欺き
である。

   
おまえたちには日頃から感謝していたよ。

   
(何もかも無価値だったと気付かせてくれてありがとう)

 


 
(54) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:51:34

【人】 碧き叡智 ヴェレス





  
 おいで。最後に一曲、踊ってあげよう────


  [幕を上げろ。慟哭のワルツを鳴らし、擾乱で彩り、
   人生の終末、一夜限りの狂気を永遠の一秒へ。]


 
(55) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:52:11

【人】 碧き叡智 ヴェレス




 我先にと、折れたパンプスで階段を駆け下りる女。
 よろこびと、焦燥と、手に汗握るほどの感動に
 今にも息が上がって死んでしまいそうな。

  その手を取って、くるくるとステップを踏む。
  螺子が外れるまで、歯車が止まるまで、
  あなたが人生の絶頂において死を迎えるまで。


            
「ああ、ゆめのよう」
   𑁍
    * .゚   


 私は感涙さえする彼女の頬へ呪布越しの接吻を贈る。
 首に回した腕を引けば、柔らかい首の皮が断ち切れて
 忽ち、それが今際の言葉となる。

  膂力を失った肉体が足元に転がり、物と化す。
  宛ら花のひとつが散るように。

 
(56) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:52:30

【人】 碧き叡智 ヴェレス



 歌姫として期待されていた魔人の女
 劇場の没落により学星院に買われる
 その最期は甘い声で囀り地に臥した

          若くして故郷を失った逞しい獣人の男
          庭木の手入れが密かな趣味でもあった
          囁いてやれば二重の意味で「果てた」

  下流階級家庭の長子だった地人の女
  魅了に弱く好意を隠せていなかった
  慄いて舞踏と呼べるものでなかった



    お前たちは記録であり手段に過ぎない。
     それも本当に些細な脇役としての。

      私はお前たちの価値を否定する。
    摂理に反した実験を禁忌の儘にする為に。

 
(57) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:52:42

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 


 [出自も種族も異なる七人のモルモット。
  常日頃から魅了性にあてられていながらも
  業務を徹底していた彼等でさえ、衝動を孕んでいる。

   耐え難きに耐えし日々も全てが無に帰す。
   学星院は彼等の生活を、名誉を、意義を焼いたが
   今日この日、与えられた地位さえ無意味になった。]



     
( 滑稽だと思わないか )

     
✟ ♱ ✛ ✚ ✞ ✥ ✢

( 狂ってもなお、私の言葉に操られるなんて )


 
(58) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:53:08

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [血に濡れたナイフを携えたまま、
  少年は他に誰も居なくなった大広間を一瞥する。

  喉を、頸を掻き切られ血の海に沈む幾つもの屍体。
  結界は窓と共に破られ、何もかもが狂い果てた。

  それでも仕事はまだ残っている。
  最後の仕上げをしなくてはならなかった。]
 
(59) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:53:26

【人】 碧き叡智 ヴェレス




 [────同刻、ブランドンは思わず息を飲む。
  ・・・・・・・
  名状し難い景色の中、子息が何かを叫んでいる。
  魔導レンズの先で唇の動きが見て取れる。]


    「 ……よもや、だ。予想していなかった。
      それはお前が取る選択では無かった筈。
      動機がなければ、効果も不明だ。

       これまでになく、度し難い──── 」


 
(60) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:53:53

【人】 碧き叡智 ヴェレス




 [ごう、ごう、と音を立てて炎が立ち昇る。
  庭木の白樺から植込みへ、そこから屋敷の壁へ。
  枠組に着火した建築物は最早、狂気に飲まれた街では
  全焼するのをただ待つだけ。

  少年は遠くの空を見る。
  黒煙と呪香に霞む、堆き学星院の塔に向かって
  返り血を浴びた手を振っている。

  もう片方の手に、母親の肖像画を抱えて。

  そして口元に巻かれた赤い布を自ら解くと────]


 
(61) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:54:06

【人】 碧き叡智 ヴェレス



  お前たちは叡智の代償に、教えを破り神を殺した。
  罰などないと自らの行いで証明してしまったのだ。

  だからこれは一身上の都合による制裁だ。
  我々を資金繰りの為の道具として保護するのなら、
  そんなものは願い下げだ。
  私は私の手で、お前達の全てを台無しにする。



     
「 僕がやった! 」



  嗚呼、だからね────
  本当は神に救いを求めちゃいなかったんだ。
  救えるものなら救ってみせろよ。もっと早く。
  僕は親殺しで、母は台本の為に殺された。
  それ以上でもそれ以下でもないよ。
  
  どんな宗教でも親殺しは重罪だったろう?
  だから、君らの神様方の裁きが「本当に」降りるなら
  僕は地獄に堕ちるだろうね、って。


 
(62) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:54:34

【人】 碧き叡智 ヴェレス




   この歪んだ命でさえも蒐集品だと云うのなら
   この
苦悩
を証明する権利も手段も無いのなら
   最早あなた方に遣わせるものなど存在しない。

     全て台無しにしてしまいたかった。
  学星院に抱いてきた自らの疑念を人々に植え替え、
    今日この日まで牙を隠して居続けるには
     全ての人に同情される必要があった。

   
本当
愛した母の殺害
の哀しみでなくては意味がなかった。
   


(63) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:54:49

【人】 碧き叡智 ヴェレス



  学星院だけが被害を免れた暴動。
  無惨にも襲撃され、使用人が死に絶えた別邸。
  最後に見付かる、私の亡骸。

  そして早すぎる母の死と、それらを
  世間の人々が結び付けるのに時間はかからない。
  このまま滅びるか、存続したとしても
  立つ瀬を無くすかのどちらでしかないだろう。
  私を嫡子だと広めた見栄と建前が仇になったな。

  さあ、後は…………



  「次はもっと重要なものを奪ってやる」



  何もかも壊して己ごと終わらせてしまいたい衝動と
  普段通りの明日と少しの平穏を望む想いが
  矛盾せず両立するなんて皮肉だね。

  父に裏切られた絶望からなる全てへの悪意も、
  大切な友人と過ごして与えられる安らぎも
  僕にとってはどちらも真実だった。

  ……そのどちらも選び取る手段が、
  どうして一つしか思い浮かばないんだろう。

 
(64) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:55:11

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [再び呪布の結び目をきつく締め直し、
  少年は燃え盛る生家を後にする。

  肩から提げた普段使いの鞄に入っているのは
  彼が副葬品として選んだ品の数々。

   父の眼前で果てるまでの片道切符に等しい物資、
   母の形見、愛用の写真機、心許ない武器、
   ……そして“幸福”或いは“未来”を願った幾つかの写真。


  望まない儘に生み出され、地位を着せられた。
  そしてこの結末に辿り着くまでに抱いてきた感情は
  どれだけ歪んでいたとしても真実に変わりなく。*]

 
(65) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 3:55:26

【独】 碧き叡智 ヴェレス

/*
情報量に自分が負けて色々漏らしました

父親の罪が「宝石の魔人の最後の集落を焼いたこと」が入ってない
(-12) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 4:05:11
碧き叡智 ヴェレスは、メモを貼った。
(a13) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 4:16:06

【独】 住職 チグサ

/*
ぎゃー秘話禁止か!見落としていた、申し訳がない。
(-13) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 4:19:49

【秘】 住職 チグサ → 略奪者 ラシード

/*
申し訳ありません、秘話やったの私です……見落としておりました。念のため、転記します。
ノーヴァ様宛、>>22>>23の間に下記の秘話を挟みました。
(なお、質問ではなくご報告のため反応不要です)

/*

(……さぁ。邪魔な婆さんと思われているお方も多いですよ。
必要以上に私のことを大切に思ってしまうのは、私自身です。)

[聞こえた言葉に、返事をする元気まではありませんでした。>>0:95
 誰もが、「我」という存在をこの世界で最も尊いと信じている。
 誰もがその病から逃れることはできない。
 私もまた。

 私が捨てきれないもの。大切に思っているものは何でしょうか。
 慈厳寺
の歴史や威厳が、私を大きく見せてくれる

 お弟子さん達
を育てたという傲慢な自負

 ご本尊様
を私の代で途絶えさせる羞恥

 老いの果てに、私自身の智慧が喪われ、耄碌してしまうこと。
 私には、御大層に抱え込んだものが多すぎる。
 
ほうげじゃく

 放下着。そんな下らぬ自我は全て、放り捨ててしまえ。
 全ての執着を捨て去ることが、私の最期の修行なのでしょう。]
(-15) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 4:30:52

【独】 住職 チグサ

/*
しかし想像を超える地獄絵図やん……
(-14) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 4:34:02

【独】 娼婦 セツナ

/*
やりたい事は布が外れた後なんだけど。
布が外れると死亡時並みに動けなくなるから問題。
(-16) もくもく 2022/11/08(Tue) 4:41:29

【人】 住職 チグサ

── 回想:いつの日かの本堂にて ──

我昔所造諸悪業
皆由無始貪瞋痴
従身口意之所生
一切我今皆懺悔

 
さんげもん

[懺悔文は、よく唱えられるお経の一つです。
 それだけ重要だからではありますが、お経のままでは意味が分からないでしょう。
 短いお経を三回繰り返した後に、私はお集まりいただいた皆様に向き直りました。]

 仏教の開祖であるお釈迦様は、人の心の仕組みを解明されたお方です。
 お釈迦様は、苦しみとは自身の煩悩──つまり心が生み出した妄想であり、煩悩を捨て去ることによって涅槃寂静、すなわち究極の安心を得るとされました。
 さて、百八もあると言われる煩悩のうち、代表格となるのが貪、瞋、痴です。
 
とん

 貪とは、むさぼり、必要以上に求める心。
 
じん

 瞋とは、怒り、憎しみ、妬みの心。
 

 痴とは、おろかさ、愚痴、無知。
 仏教では、これらを心の三毒としています。
 毒です。この毒は己自身を蝕みます。
 己を守るために、できるだけ早く捨ててしまいなさいと繰り返し説かれました。
(66) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 6:06:17

【人】 住職 チグサ

 ですがどうでしょう。
 これらの心を、本当に三毒だと思われますか。
 欲しいものが手に入らなくて苦しみ、
 理不尽な扱いへの怒りにのぼせ、
 己の立場で物事を推し量っては悪口をおっしゃる。
 これらの三毒に苦しみながらも、どこかで自分は正しい、間違っているのは相手であるのに何故分かってくれないのだと、そのように思ってはおられませんか。
 そうであるからこそ、三毒を手放せずにおられるのではありませんか。
 本当に三毒であると──己を殺しかねない危険な感情であると。認識しておられるならば、一刻も早く手放そうとするはず。
 毒ではないと思っておられるから、後生大事に抱え込んでしまう。
(67) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 6:07:59

【人】 住職 チグサ

 三毒は炎のようなもの。燃え盛れば、あっというまに勢いを増して自らを包み込みます。
 どうぞ、自身の三毒を、ありのままに見つめ、御仏に告白してください。
 けれど三毒を評価してはいけません。こんなことを考えるから自分は駄目なんだとか、私の中に生まれたこんなに多くの苦しみはあいつのせいだとか、そのような評価をすれば、ますますご自身が苦しくなります。
 だから何も言わず、ただ黙ってそこに居てくださる御仏の前で告白をするのです。
 自分の中の欲の火種を見つめることで、炎は燃え広がることなく収められます。
 そのようにして、苦しみは自ら制御せねば。

[かつて、そのように説いたこともありました。
 けれど──
 既に炎に呑まれてしまった方々に、説法とはなんと無力なことでしょうか。]*
(68) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 6:10:47
住職 チグサは、メモを貼った。
(a14) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 6:13:01

【独】 住職 チグサ

/*
んーむ、欲望バーニングがテーマの村なので、そもそも欲望ってなんなのよ? を見つめるキャラがやりたかったのだけど
これただの水差し興醒めマンになってねぇかい?

呪布とれちゃったり説法が届かず誰かに殺される方が盛り上がりそうやなーとは思う
神も仏もねぇんだよ!って絶望したいですね
(-17) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 6:34:55

【独】 住職 チグサ

/*
速攻チグサを殺しそうなのは修行僧なのだけれど
まだソロルで死ぬタイミングではない。
一旦境内や修行僧の様子を描写してから街に降りたいですね。
それ昨日から思ってたんだけどそこまで書けませんでしたね。
(-18) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 6:37:22

【独】 娼婦 セツナ

/*
やばい二度寝した。
午後にかけたらどこかに突撃しよ。
(-19) もくもく 2022/11/08(Tue) 6:48:43

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 


 [燃える、燃え行く、二十余年の記録。
  彼は知った、故に物証に意味はなく。
  彼は去った、故に発明に意義はない。
 
  炎の立てる音、建材の崩れる音。
  灰と化す調度品の数々、過ごした時間、
  何度没収されようと密かに組み上げて来た魔道具たち、
  幾度となく読み返した書物、擦り切れたペン、
  母が編んだ衣服、「兄」と交わした手紙。そして。

  取り残された肖像画、その柔らかな瞳が
  愛する我が子の罪を見据え、見届け、燃え尽きる迄。]

 
(69) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 7:52:50

【人】 碧き叡智 ヴェレス




 [それは奇しくも、若き日のブランドンが
  密やかに暮らしていた宝石の魔人の集落を焼き、
  最も美しく無知だった女を連れ去った日の光景と
  何処までも告示していた。


    ────老いた男は溜息を吐く。
        それですら少年の仕草とよく似ている。]


 
(70) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 7:53:03

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [一片の情も無かったのなら、
  初めから人権を与える事もしなかった。
  我が子であろうと家畜の様に育てた事だろう。

  何処からが過ちだったかなど、遡れど限がない。
  唯一分かっている事は、人間のエゴが引き起こしたこと。

  魔人達の信仰心を根こそぎ折り砕き、神を殺した。
  研究に従わない者は心臓の石を奪い、滅ぼした。
  その過程を記し、最後の生き残りを連れ去り、
  合の子を産ませた挙句、生殖能力を奪う事で
  無知だった女の、世界の全てを掌握した。

  己の罪と向き合うのは恐ろしかったが、
  それ以上に、我が子が成長する程に
  知性、感性、その全てにおいて
  想定外の変化を重ねるのが不穏でしかなかった。]

 
(71) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 7:53:20

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [見目の変わらぬ母子を別邸に閉じ込め、
  新たな妻と血の繋がらぬ子を迎えた。

  何年も掛けて世間にカバーストーリーを流布し、
  あの恐ろしい母子の存在感はすっかり消えた。

  そうまでして漸くこの地位に登り詰めたのだ。
  そこまでしたのに『人間』の儘にしておいた事が、]


        「 ……矢張り、失態だったろうか。 」


 
(72) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 7:53:36

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [学星院の低階層では混沌が広がり始める。
  階級の低い職員達がこの下界へと送り込まれ、
  その上で遠隔操作により結界を取り払われた。

   とどのつまり、彼等は悪影響を恐れた指導者により
  『学星院も被害者である』という名目を作る為の
   尊い犠牲となったのである。]


     「 明日が来れば、明日が来てしまえば。
       どれだけ輝かしい実績を得ようとも、
       最早こうなっては追及は避けられぬ 」

  [奴等は目的を果たしただろうか。
   外部からの介入までどれ程の猶予があるだろうか。
   それまでに消しておける火は如何程か。

   初めから狂っていた機関は、
   既のところで選択を誤らない。]


 
(73) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 7:54:09

【人】 碧き叡智 ヴェレス



 [ブランドンの瞳には燃え落ちていく建物が映る。
  懐かしくも忌々しき、偽りだらけの家が。

  夫人は美しく、柔和で人畜無害な人柄だった。
  子息は今日この時まで息を潜めていた。

  暴動によって焼かれたと説明するには、
  余りにも不可解で、動機が薄すぎる。

  何を支払えば、何を犠牲にすれば、
  引き続きこの叡智の為の研究を続けられるだろう。


  覗いたレンズ越しに既に息子の姿はなく。
  階下から響く絶叫や嘆きが狂気の感嘆に変わるまで、
  耳を塞いだ。]


 
(74) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 7:54:29

【人】 碧き叡智 ヴェレス




「エル、お前は次に────何を為出かそうとしている?」*


 
(75) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 7:54:54

【独】 住職 チグサ

/*
どうしても……お弟子さんたちの住む庫裏の結界を消すことができないんだわ……
ここで消そうとしていたんだけど……
(-20) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 20:02:33

【人】 住職 チグサ

── 夕刻の鐘の後:境内にて ──

[梵鐘の柱に、
を見つけました。
 私は、この島を売った賊ですから。
 売国の罪は私の独断です。寺院は知らぬこと。
いえ、少々の協力者程度は居たでしょうか?

 ここもまた、結界の保護の対象とされておりました>>0:57
 賊に隠れ蓑を差し出す代わりに、慈厳寺は欲の炎や暴徒の襲撃から逃れられるのです。
 そうして、暴動が終わった後、難を逃れたこの寺は、霊験あらたかな寺院としてますます大きく、地位を確立していくのでしょう。

 御仏が、まがい物の神になってしまう。
 
 私は路傍の石を拾うと、その柱の印を、削り壊しました。]
 
   
ほうげじゃく

 ……放下着。

[全ての執着を、捨ててしまえ。]
(76) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 20:48:16

【人】 住職 チグサ

[街から隔絶された寺院でありますから、日が落ちると、灯はごく最低限になります。
 ぽつぽつと立ち並ぶ石灯籠が、夕闇の中に朧げな明かりを写していました。
 一歩、一歩と歩きなれた道の歩みを進めるうちに、伽藍の影が見えて参りました。
 僧達の住まう庫裏や、ご本尊様のおられる本堂。
 それらも、あの印が守ってくださっております。
 私は庫裏の後ろに回ると、印を打ち消すべく、石を握りしめました。
 放下着、と呟きながら。

 今は夜のお勤めの時間です。
 本堂からは、誰かの読経が聞こえてきました。]


しょあくまくさ

諸悪莫作
しゅぜんぶぎょう

衆善奉行
じじょうごい

自浄其意
ぜしょぶっきょう

是諸仏教

       
もろもろの悪を作すこと莫く
もろもろの善を行い
自ら其の意を浄くす
是がもろもろの仏の教えなり』
(77) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 20:49:24

【人】 住職 チグサ

[──何かが落ちる音がしました。
 きっと、手のひらから石が滑り落ちた音だったのでしょう。
 しばらくの間、呆けたように夜風に老躯を曝していました。
 自分が立っているのかさえ、よくわかりませんでした。]

『どなたかおられるのですか?』

[ふと、庫裏の障子に小さな影が映っていました。影から伸びる手は障子戸にかけられ、今にも開かれそうです。]

 出てきてはなりません!

[思わずぴしゃりと𠮟りつけました。]

『……お師匠様?』

[まだ幼い声に、精一杯毅然とした声で答えました。]

 街で騒ぎが起きているようです。
 自らの身を守ることに徹し、決して出てきてはなりません。
 ですが、お寺を頼って来られた方があれば、必ずお助けしてさしあげなさい。

[ああ──と。
 自分自身に深く落胆しながら、私は踵を返しました。
 放下着。全ての執着を捨て去ってしまえ。
 けれど私には、この寺院を捨てることができなかった。
 他人の死であれば、予測はできても手を貸せた。
 にもかかわらず、身内となると、この手で死の因を作ることができなかった。
 なんと浅ましい利己心でしょう。]
(78) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 20:50:57

【人】 住職 チグサ

[捨てられぬのならば、自我を抱えたまま立ち去るしかありません。
 白い尼頭巾を外し、赤い呪布を巻き付けると、私は街へと歩みを進めました。

 甘く腐った匂い。その中に、きな臭い嫌な臭いさえ混じっています。
 歩みを進めるにつれて、私は突き付けられるのでしょう。己がしでかした事の大きさを。]**
(79) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 20:51:37
住職 チグサは、メモを貼った。
(a15) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 20:58:26

【独】 住職 チグサ

/*
ここで寺の結界を消すつもりだったんだけど、どうしても今のチグサにはできなかった……ずるいね……
(-21) kumiwacake 2022/11/08(Tue) 20:59:19

【独】 略奪者 ラシード

/*
ああ〜〜〜〜〜なるほどなるほどなるほどね!!???
繋ぎがお上手というか展開させる力が凄いというか収束が美しいというか 前回存在しなかった『安全地帯』の概念が利権や信仰と絡み合って面白い様相を作り上げている 私の中には無い世界だったからものっすごくキラキラしてます 今 目が
(-22) 通行人 2022/11/08(Tue) 21:36:30

【人】 娼婦 セツナ

 
慣れ親しんだ街は、それは酷い様相だった。
私は向かう。あの宝の元へと。
愛しいあの人が願ったあの力の元へ。
一振りの小太刀を手にしながら、けれど、目立つように走るのではなくて、物陰から物陰へ、隠れるように、逃げるように。
欲望を抑えられなくなった人間は恐ろしい物だ。
ただでさえ、その欲を受け止めて暮らしの糧を得ていた私だが、それだって耐えられないと思う時はあった。
娼婦なんて弱いもの。
換えの効く欲望の吐口の最もたるもの。
首を絞めるのが好きな男がいた。
髪を掴んで手綱のようにして犯すのが好きな男がいた。
前戯もろくにせずに痛がるのを好む男もいた。
締まりが良くなるからと尻を叩く男も。
そんな男たちが欲を曝け出したなら、此方は殺すつもりでないと勝てないだろう。
私の力は決して強くない。
だから、逃げて逃げて、この機会に得る物を得て、そうして飛び出すつもりだったのだ。
飛び出して、あの人の元へ。
 
(80) もくもく 2022/11/08(Tue) 22:02:57

【人】 娼婦 セツナ

 
そうして物陰を選んで逃げていたからか。
細い道、裏道、人通りの少ない場所。
>>32その、木箱の崩れた奥側の方。
尾のはみ出る広い道の方ではない方から入ってきた私は、彼の正面から見ることになったのだろうか。
それとも、彼は怯えて顔を隠していたか。
人影にぎくり。体をこわばらせる。
相手を睨みつけながら油断なく木立を構えた。
 
 
「…くそっ。」
 
 
小さく悪態が出てしまう。
身を固くしながら彼の様子を窺う。
攻撃的な状態だろうか。
それとも、他害的な状態とは違うのだろうか。
見定める必要がある。*
 
(81) もくもく 2022/11/08(Tue) 22:03:26
娼婦 セツナは、メモを貼った。
(a16) もくもく 2022/11/08(Tue) 22:05:24

【人】 給仕 シロタエ

[町はどこもかしこも狂気の沙汰
悲鳴 歓声 怒声 嬌声
何かが壊れる音 何かを叩く音 そして何かが落ちる音

誰も誰も誰も、人の話なんか聞いちゃいない!]

 でもいいわ、だって誰も困ってないみたいだもの!

[困るも何も自分のことしか見えていないのだけど
娘もまた「自分にとって迷惑なロクデナシ」以外はどうでもよかったから
周りのことなど知らぬ素振りで通りを歩く
時々手を出してくるロクデナシを殴り倒しながら]
(82) sammy 2022/11/08(Tue) 22:21:19

【人】 給仕 シロタエ

[気まぐれで路地に入ると様々な色に塗りたくられた壁、壁、壁
その前で男が何かを振り回しながら壁を
く染めていく]

 「ははは!そうだ、僕が求めていた
はこの色なんだ!」

[その足元には腕を捥がれた女の死体、男はその腕の切り口で理想の
を描いていた
だけどその
は、見る間に暗く
く変わっていく]

 「なぜだ!? 何故なんだ!やっと見つけた
が!!!」

[男は死体から新たな
を得ようとするが、流れた血はすでにどろりと固まっている
嘆く男が顔を上げ娘を見た、まるで宝物を見つけたような顔で、笑う]

 「ああ、僕の
、理想の
……そこにあるんだろう?」

[女を殺しただろう刃物を取って、ゆらゆらと娘に近づいてくる
ああ、わかるこいつは言ってもわからない
ロクデナシ
だ]
(83) sammy 2022/11/08(Tue) 22:24:46

【人】 給仕 シロタエ

 
何のことかわからないけど、アンタにあげるものなんてありませーん!


[ふん、と言い放つ
男はぶつぶつ言いながら近付き刃物を向けてくる

ほら、やっぱり人のいう事を聞きやしない


をよこせ、とか言いながら突っ込んできた男の横っ面を角材で張り倒す
懲りずに向かってくるなら二度三度、そうして、男が落とした刃物を拾い上げ
その胸元に突き刺して]

 
が欲しいなら自分のを使いなさいな!


[そう言って引き抜けば勢いよく
が迸る
その赤に、自分の流した
にそれでも男は歓喜して]

 「あぁ、これだ……今度こそ、この  
、で」

[よろよろと壁に這い寄り
を塗り付けて、崩れ落ちた]
(84) sammy 2022/11/08(Tue) 22:27:57

【人】 給仕 シロタエ

 満足した、のかしらぁ?

[娘が浮かべるのは朗らかな笑み
だって、あの人は満足そうだもの、
良い事をしたに決まってる!
]

 あら、服が
真っ赤
、最近の流行りに乗れたかしら?

[その色もすぐに黒ずむけれど気にしない
娘にあるのは「またロクデナシを片付けた」っていう満足感、それだけ*]
(85) sammy 2022/11/08(Tue) 22:29:23

【独】 給仕 シロタエ

/* 何故なのよぉぉぉぉ!

書いてて思ったが別に元ネタではない
被るなぁと思ってからはわざと合わせたけど

しかし書いてて思うけどこの子結構理性あるな?
罪悪感はぶっ飛んでるけど標的は厳選してるからな

ゴア描写入るかもと言いつつ表現は控えめです(当社比
頭割ってるけど脳みそぶちまけてないからね!
(-23) sammy 2022/11/08(Tue) 22:35:33
給仕 シロタエは、メモを貼った。
(a17) sammy 2022/11/08(Tue) 22:38:27

【独】 給仕 シロタエ

/*
あ、色替え忘れてるところ発見
普段やらないことするから……

奇妙な果実出そうと思ったけど明日に取っておこう、眠い
でも記号一個にしたからもひとつ落とさねば(悩
(-24) sammy 2022/11/08(Tue) 22:42:19

【独】 給仕 シロタエ

/*
あ、でも一個だけで離脱の人もいるか……
おとなしく寝ておこう

animal駱駝animalanimal
(-25) sammy 2022/11/08(Tue) 23:02:23

【人】 略奪者 ラシード

─ 銀鷹公屋敷:博物廊 ─


[青磁色の壁にずらりと並ぶ、
大小様々な草食獣、肉食獣の首。
まるでアラベスク模様のように
円を描くよう釘打たれた蝶に蛾に甲虫。
天井をぎこちなく泳ぐように吊り下げられた
亀やエイ、小さな鯨の骨格標本。
王の前に控える騎士のように、
恭しく膝を立てて鎮座する人骨。
皮を剥いた人間の標本。
人の皮だけの標本。
枝葉めいた神経系だけの、標本。

床タイルの一部は分厚い硝子張りで、
その下にあるらしい、細長く浅い水槽で
生きた魚がゆったりと泳いでいるのが垣間見えた。

此処は晩年、生物学に傾倒した黒鴉公が
キャビネットや水晶宮から更にお気に入りの物を選び出し、
彼の趣味に沿った形式で飾り立てた廊下。]
 
(86) 通行人 2022/11/08(Tue) 23:21:10

【人】 略奪者 ラシード


 ……報告で聞いてたけど、悪趣味ったらないな。

[べ、と吐いた唾は透明な硝子に落ちる。
何も知らぬ顔の淡水魚がゆらりとその下を通り過ぎる。
生命の歩み、形、歴史を並べた標本箱も、
略奪者にとっては耄碌老人の玩具箱でしかない。

けらけらと嗤いながら廊下を疾走する使用人女
───たぶん、モップ掛けが楽しくて楽しくて仕方がないのだ───を、二、三歩の軽い歩みで避けながら、
略奪者はずかずかと大股で奥へ、奥へと進んでいき、


歩みは、ある地点で止まった。]
 
(87) 通行人 2022/11/08(Tue) 23:22:13

【人】 略奪者 ラシード



  …………ああ、 あぁ……
  やっと、やっと見つけた。見付けられた。
  なんて非道い。けど、もう大丈夫、大丈夫ですよ。


  お迎えに上がりました、我が祖よ。
  
 
(88) 通行人 2022/11/08(Tue) 23:22:35

【人】 略奪者 ラシード


[島を混沌に堕とした略奪者は跪く。
騎士の様に。標本のように。信徒のように。

其処にあったのは、漆黒の額縁。
その内側で、腹から開かれ、薄く平され
磔にされた白銀の獣皮。
突き出した鼻と三角形の耳から狼だと分かる。
……だが、狼の物にしては明らかに大きい。
四肢は長く、爪も鋭く、長いたてがみは毛髪のよう。
保護の為の硝子に押し花めいて押し潰された毛並みは
いっそ、緻密な銅版画のようにすら見えただろうか。]


  大いなる狼の祖。
  貴方を、この閉ざされた匣から連れ出します。

  

[がつん。
硝子に突き立てられた鑿から
蜘蛛の巣めいた亀裂が走る。破片が降り注ぐ。
煌めく硝子編の中、滑るように落下した銀色の毛皮は
抱擁でもするかの如くに、獣人の子の身を包み込んだ。]
 
(89) 通行人 2022/11/08(Tue) 23:23:06

【人】 略奪者 ラシード

─ キュラステル 市街地 ─


[ 欲望の赤に染まった街を、
  銀の獣が疾駆する。
  分厚い毛皮を背に被り、
  呪の穢れに手を染めて。


  奔る、奔る、奔る。
  彼が地を蹴り向かう先。
  コレクションを積んだからくり車が
  首魁を乗せ、港に向けて走り出すべく
  今か今かとその時を待っていた。 ]*
(90) 通行人 2022/11/08(Tue) 23:25:26
略奪者 ラシードは、メモを貼った。
(a18) 通行人 2022/11/08(Tue) 23:30:18

碧き叡智 ヴェレスは、メモを貼った。
(a19) Saint-Exupéry 2022/11/08(Tue) 23:38:51

医者 ノーヴァは、メモを貼った。
(a20) あんのうん 2022/11/09(Wed) 4:06:53

【人】 住職 チグサ

── 街へ ──

[街が近づくにつれて、筆舌に尽くしがたい惨状が露になりました。
 街は、夜の底に沈んでおりました。
 もはや街の基盤を維持する方も狂っておられるのでしょう。
 街灯は、その多くが灯を失い、ただ卒塔婆のように突っ立っているばかり。
 けれど人工的な灯を失えば、夜空が息を吹き返します。
月は昼をも欺く明るさで、影さえも作るほど。満天の星々と共に、じっと人の欲を見下ろしておられました。
 街は、銀月に照らされてなお、赤黒い。
 灯も灯らぬくせ、人々は騒がしく。
 暴力と殺戮に溢れているくせ、辺りに響くは笑い声。
 私はただ街並みの中を歩き続け、老いた眼に惨状を焼き付けて回りました。]
(91) kumiwacake 2022/11/09(Wed) 6:47:42

【人】 住職 チグサ

[路傍には若い女性の御遺体が。顔は原型が分からぬほどに腫れあがり、明らかに性暴力の痕があります。
 その腕に抱かれた赤子は、母が既に死んでいることに気づかず、乳房に吸い付いておられます。乳が出ないことにいら立っているのか、強く噛みすぎて乳首からは血が滲んでいました。
 欲に狂った人々の中に、時折私と同じように呪布を巻いた方がおられます。
 彼らは何をお考えなのでしょうか。私にも街並みにも目をくれず、自らの目的に応じて去っていきました。
 
 また、放火もあったのでしょう>>1:62
 島の北側の空は赤く、夜空をも焦がさんと伸びあがっていました。
 火の光は迷い風に吹かれては千切れ、扇を広げたかのよう。飛び火も時間の問題でしょうか。
 近づいてみれば、きっと火が雨となって降り注いでいることでしょう。
 もくもくと立ち上る煙が、雲に加わっていきます。煙たさにむせび泣きながら、火の粉の残る灰が降る中を歩き回りました。]
(92) kumiwacake 2022/11/09(Wed) 6:48:53

【人】 住職 チグサ

[また、いったいどういうご事情があったのでしょうか。
 頬を赤黒く変色させ、胸に刃物を突き立てられた男性が、べったりと血塗られた壁に貼りつくようにして亡くなられていました。満面の笑みのままに。>>1:84
 その近くには腕を失った女性の死体が打ち捨てられています。>>1:83

 ……あぁ、なんということ。

[筆舌に尽くしがたい情景を、陳腐と知りながらもあえて表現するとすれば、地獄でしょうか。
 私はお二人に丁寧に合掌しながら、安らかな眠りを願いました。]
(93) kumiwacake 2022/11/09(Wed) 6:49:10

【人】 住職 チグサ

一心頂礼 万徳円満 釈迦如来
真身舎利 本地法身 法界塔婆
我等礼敬 為我現身 入我我入
仏加持故 我証菩提 以仏神力
利益衆生 発菩提心 修菩薩行
同入円寂 平等大智 今将頂礼


一心に礼拝いたします。
多くの徳を十分に備えた仏様のお体とお骨に対して、
また、その尊い仏様の、
お骨を納めた供養塔に対して礼拝いたします。
このように私たちが礼拝いたしますと、
仏様は私たちのために姿を現し、
私たちの心に寄り添い、
仏様と私たちは一つになったように感じるのです。
こうして仏様が守ってくれるように感じるからこそ、
私たちは大切なものを得ることができ、
仏様の見えない力によって私たちは救われるのです。
道を求めようと心を起こし、道を求めて行動すれば、
よりどころができて、
皆心やすらかとなることでしょう。
このように、人々を平等に導く仏様の智慧に対して、
いま、まさに礼拝いたします。



[──裏切り者の証を身にまといながら、深々と頭を下げる姿は、見る者からすればさぞかし滑稽だったことでしょう。]**
(94) kumiwacake 2022/11/09(Wed) 6:51:32

【人】 警備員 ジュード

 
 ── 夕方:北西の路地にて ──

[深まる狂気と共に、夜の帳は降りて来る。

陽が落ちる前から暗かった路地は更に黒を増し、
足元に何が落ちているのかさえ不明瞭にしていた。


先刻墜落した娘の身体>>27
彼女の飛び降りた家の家主らしい
壮年の男によって家の中へと連れ戻され。
血痕を残して、路地からは消えていた。

そうして一人と一つの帰った家からは、
ひっきりなしに厭らしい罵倒と
なにかを打ち付けるような音、歪な喘ぎが響くから、

近くの木箱の山に頭から潜り込んでいる男は、
この場も落ち着ける場所ではないのだと理解する。

奇妙な情事の音の響く空間は平穏とは言い難く、
まして此処は路地の片隅。人が通る可能性がある限り、
安寧は簡単に崩れうるものだった。]
(95) CONBE 2022/11/09(Wed) 10:31:46

【人】 警備員 ジュード

[もっと安全な、落ち着ける場所を探さないと。

路地に新たな人影が現れたのは、>>81
そう考えた男が、伏せていた顔をあげた時だったろうか。

最初、男は尾の方ばかりを気にしていたが、
何者かが頭の方に居るらしい事に気付くと、
びゃっ!と短く悲鳴をあげて
急いで木箱の山から這い出し距離を取ろうとした。

しかし、漸く相手の顔、身体、手元を見て、
睨まれている事、刃物が握られている事に気付くと、
男もまた身体をこわばらせる。]


 あああっ あ、あの あのっ!

 あぶない!近付いたら、そのっ あぶないです!
 ころしてしまいますっ!これ、べとべと、毒です!どく!

 あっ、 そ、そう!
 おれがどきます、すぐどきますから
 だからっ!きっ、切らないでくださいっ……!!


[己のまみれた粘液を指差して毒だと言い、
逃亡の機会を求めて命乞いを唱える男に対して、
彼女はどのような判断を下すだろう。**]
(96) CONBE 2022/11/09(Wed) 10:33:44
警備員 ジュードは、メモを貼った。
(a21) CONBE 2022/11/09(Wed) 10:39:59

【独】 警備員 ジュード

/*
寝て起きて気付いた 今の状況って

────────────
         血痕

   ジュー
     ド
     尾
───┐木箱山┌────
   │ 頭 │
   │   │
   │ ↑ │
   │セツナ│

という感じなのかなと思ってるんですけど、これって壁尻なのかも?

本人は頭を隠したいだろうとか、シェルターから尻はみ出してる有尾類かわいいよねとか
そんな気持ちで状況設定したつもりだったけど、不思議なかんじになってるかもしれない……

(-26) CONBE 2022/11/09(Wed) 17:37:26

【人】 給仕 シロタエ

[通りは相変わらず大騒ぎ
いつもはいい子の子供たちが菓子屋に群がって、手も口もべとべとにしながらお菓子を貪っているし
それを嗜めるはずの老店主は、店の隅で酒瓶と共に転がって動かない
犬を犯そうとして逆にモノを噛み切られ、それでも腰を押し付けてる男の後ろから
別の男が尻を狙って弄っている

娘はそれもただ眺めるだけ、だって自分には関係ない
それに、迷惑そうじゃないもの、
構わないわ!


そんな通りの真ん中を、銀色の何かが駆けていく>>90
犬にしては大きくて、そしてどこか気高く見えて]

 あら不思議な子! 蒐集されないように気を付けなさいなー

[なんてのんきに声をかけてみた
まさか蒐集されていたものが「逃げ出した」なんて思わないから
その獣に興味を引かれたか、後を追いかけ捕まえようとする学者風の連中ごと見送って
別方向に歩き出す]
(97) sammy 2022/11/09(Wed) 20:16:19

【人】 給仕 シロタエ

[通りを少し逸れると小さな広場
いつもは人々を癒す木立には、奇妙な果実がいくつも揺れている]

 誰かに迷惑をかける前に、って、良い事ね!

[それぞれの思惑なんか知らない、だけど「死んでしまえば迷惑はかけない」から
この場合娘の頭には後始末や葬儀のことはない、だって自分には関係ない
そうしている間にまた一人、新たな果実がぶら下がる
枝は鈴生りで今にも折れそう!
なんて思っていたらいい音を立てて今ぶら下がったばかりの枝が折れた
落ちた男は虚ろな目をして立ち上がり、別の枝を探してまたぶら下がる

いっそ手伝ってあげようかしら?
でも、誰にも迷惑かけてないから放っておきましょ!

そうして変わらず朗らかな笑みのまま
花壇の花の香りと果実から漏れた汚物の臭いが混ざり合った広場をあとにする*]
(98) sammy 2022/11/09(Wed) 20:18:33

【独】 給仕 シロタエ

/*
奇妙な果実=首吊り死体なんですが、この表現て通じるだろうか……描写そのままだから大丈夫と思うけど
元はアメリカだっけ?の歌
処刑されて吊るされた黒人奴隷のことを歌った歌、らしい

しかしほんとこの子、自分に迷惑かけなきゃどうでもいい子だなぁ
(-27) sammy 2022/11/09(Wed) 20:26:46

【独】 給仕 シロタエ

/*
あ、チグサさんもしかしてシロタエがそこにいる想定だったかな?
だとしたら申し訳ない……でもシロタエの存在に直接触れてないし大丈夫、かな?

今回、ロル一つごとに一つの出来事って感じで書いてるのと、明確にやりたいことが〆になるから、直接話しかけられたりしない限りはたぶん移動してる……

あんまり書いちゃうとエピ前にやることなくなるが、自分の想定したラストに行けないのも困るのだ……
あと他の方の想定を壊したくないし
(-28) sammy 2022/11/09(Wed) 20:40:38

【人】 娼婦 セツナ


 ── 夕方:北西の路地にて ──
 
死体なんて気にしていられない。
此方が被害者にならないよう、そればかりを気にしている。
だから、転がってる死体には目もくれなかったし、今気になるのは目の前の男のことばかりだった。
ここで見てしまって、いきなり掴まれるかもしれないのだ。
いきなり犯されるなんてものは良い方で、そんな事は毎日やられている。
想像もできないようなえぐいことを強要されたら。
死んだ方がマシと思うようなことをされたら。
そう思うと、男の存在を確認した時、どうしたってその危険性を確認したくなっていた。
 
いきなり殺せなかったのは、自分の中に残る人の理性というものだろうか。
 
(99) もくもく 2022/11/09(Wed) 20:54:24

【人】 娼婦 セツナ

 
「べとべと? 毒?」
 
 
>>96悲鳴をあげたかと思いきや。
物騒なことを口にする男を訝しむ。
どうして毒なんて纏っている?
見たところこの怯える男は、欲望を隠すための赤い布は身につけていないよう。
とすると、これがこの男の欲望?
だとするとうわあ、と思わずどん引いた。
よく考えればこれがこの男の、種としての特徴かもしれないと思い痛れたかもしれない。
しかし、今は非常事態。
そこまで冷静に考えつくことができず。
 
 
「毒浴びるなんて…変態…?」
 
 
その毒を自分で浴びている分には良い。
けれど、いつそれが「君もどう?」となるか分からない。
道を明け渡すという男に油断なく切先を向けながらじりじりと背を向けずに横を通り過ぎようとする。
此方に攻撃してくるなら許さない。
少しでもおかしい挙動を見せれば、その切先は彼の肌を裂くだろう。
 
(100) もくもく 2022/11/09(Wed) 20:54:53

【人】 娼婦 セツナ

 
「近づくだけで人を殺すような毒をまとって
 平気なのは種族のこともあるでしょうけど
 …気持ち悪い。」
 
 
それは、ほとんど独り言。
吐き捨てるようにつぶやいた言葉が苛立ち紛れに零れ落ちる。
あの毒は接触したら? 吸い込んだら? 摂取したら?
どんなふうにきいてしまうのだろうと思うと、その危険性に鳥肌が立った。*
 
(101) もくもく 2022/11/09(Wed) 20:55:13

【人】 医者 ノーヴァ



  「死にたいけれど、死ねないの。
   私は彼らにとって大事な人なんだって」


[ひどい風邪を拗らせ入院した──自分と同じく尖った耳の、オッドアイの少女は自嘲的にそう言った。
口や鼻、排泄孔──穴という穴から花を吐き出す彼女は、3ヶ月前にこの島に連れてこられた“標本”のひとつ。普段であれば水晶宮に留まらなければならない存在。

常日頃から蝶よ花よと大切に守られてきた異色の瞳は、輝きを失い濁っていた。]


    「自由になりたい。」


[うまくここを抜け出せたらどこへ行きたい?
なんとなく差し出した問いに、少女は明るく「海に入ってみたい」と答えた。
生まれつき虚弱で、ろくに外にも出してもらえない彼女の願いは、きっと叶わないだろう。

…………“今のまま”では。]


 
(102) あんのうん 2022/11/09(Wed) 22:59:15

【人】 医者 ノーヴァ





 「先生はいいな。
  自由にお外に行けるんだもの。
  好きなものを食べられて、好きなものが着れて。」


 「ただそれだけの事だよ。
  少しばかりの自由を与えられているだけで、
  全体的に見れば僕だって、不自由ばっかりだ」


 「でも、立派な肩書きを持っているじゃない。
  それも全部、かりそめだっていうことなの?」


 「さあ、どうだろう。
  君がもっと賢くなれば、視界がもっと広がれば、
  わかることもあるかもしれない。」



[慈しむように、愛おしむように、研究者たちがそうするように。
そこに秘められた可能性を理解する。
そこに込められた欲望等を理解する。
……彼女に傷一つつけないように、と釘を差した彼等の気持ちは大切にしなくてはならないから。

齢16の彼女の頬を細い指先で撫ぜた後、ゆっくり視線を重ねるように、額をぴったりと重ね合わせて─────、]


 
(103) あんのうん 2022/11/09(Wed) 22:59:57

【人】 医者 ノーヴァ




   「 この島には、大切なものと
     大切にするものしかいない。
         
“標本”

     ……僕は君と同類のようなものだからね。 」



   ( 君の望むように扱ってあげられる。
     ……だから、安心してお
りなさい。 )



 
(104) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:00:40

【人】 医者 ノーヴァ



    [数日後、少女は心臓麻痺で息を引き取った。
    
「ただの風邪ではなかったのか?」  「今後の研究はどうなる!」

    
「資産が…研究費用が…」 「何もかも終わりだ…」 「上になんと言えば、」

     行き場を無くした怒りは、
     やがては無意味な絶望となる。
     大切なものを無くした水晶宮の担当職員は
     身体の螺子が外れたように震え、呆然としていた。
     その瞳には何も映さず、感情も消えている。]



[予想外のアクシデントに見舞われた、
大切な患者を救うことができなかった。
そんな悲痛な表情を必死に装い続けながら、
かりそめの謝罪で頭を下げたその瞬間。
───目が、瞳孔が、頭の中が勢いよく開かれるような、
   そんな奇妙な快感を抱く。]


 
(105) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:00:55

【人】 医者 ノーヴァ



[彼女の哀れみなんかより、
解放させた充足感より、
その力の抜けた表情が、冷や汗で濡れた額が、
何よりも興味深く、愛おしいものに見えたから。

悲観にくれて顔を覆う振りをして、指の隙間から覗き見る。]



   
  きっと最初から狂っていた

   
「 僕は間違っていなかった!! 」



[人生ではじめてのヴァンダリズムは、まるで麻薬のように。

ひた隠しにした己の歪んだかんばせには、まるで道化師の化粧を施したような、不格好で美しい刻印が浮かび上がっていた。]



(106) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:01:10

【人】 医者 ノーヴァ



[魔人の中には、最大限迄力を発揮した時、激しい感情を抱いた瞬間、顔に特定の刻印が刻まれることがある。

代々医療に役立つ自身の血脈が病院長としてこの島に“収納”されていたのも、その美しさ故だったのかもしれない。
母が異常に“破壊行為”を厳しく躾けようとしたのも、ただやんちゃなだけの息子には縁のなさそうな異常者の話をしたのも……或いは────……


嗤っているのに、頬に描かれた涙の印は興奮の裏に隠された悲哀だったのかのか、今はもうわからない。
再び学者たちの前に現れた時には、そのかんばせからは何もかも消え去っていたから。*]


 
(107) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:01:27

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 ──── 過ぎし日々;昼下がりの安息

 [経験は総ての人にとっての宝である。
  そう説いたからこそ、業火を免れた場所もある。
  例えば、罪過の象徴たる地下の蔵書の数々だとか。]
 

 [少年は道すがら、出力された写真を眺める。
  光の取り込みようではない、鮮やかな一枚。
  あの鳥は初めから青かったのだろうか?]


 
(108) Saint-Exupéry 2022/11/09(Wed) 23:18:05

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [少年は道すがら、出力された写真を眺める。
  光の取り込みようではない、鮮やかな一枚。>>0:145
  言葉はなく。逡巡もなく。ただ唇を密かに噛み締めた。

  ややあって駆け込んで来たもう一人の警備員の存在は
  口にこそしなかったが、いよいよとも言うべき
  焦臭さを感じてもいた。

  既に昼餉時を外れつつある、
  暖かな陽気の中を歩く。
  その光景こそ、副葬品に選ぶのに相応しかったのかも
  知れないが、言えなかった。

  写真を撮る建前を思いつけなかったから。]


 
(109) Saint-Exupéry 2022/11/09(Wed) 23:18:18

【人】 碧き叡智 ヴェレス



 [この時間も関わらず、仔狐亭は賑わっていた。
  昼餉を終え、この時間から酒を酌み交わす集団が
  長テーブルの座席で騒がしくしていた。

  彼等が度々問題を起こすのは二人共知っていたから、
  点対称に離れた座席に着く。

  注文したのはコーカサス由来の鶏肉のスープ。
  勿論、料理は代金と引き換えで。>>0:6

  トマトと唐辛子で既に真っ赤なそれに
  貰った胡椒をがんがん振り掛ける姿も
  とっくに慣れてくれたと思いたいけれど。

  何か問われても“だって体が温まるだろ?”って
  不思議そうに返すだけ。]


 
(110) Saint-Exupéry 2022/11/09(Wed) 23:18:32

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [ほんの少し前にも問題が起きたとは露知らず、
  いつも通りくるくると働く女給>>0:30の背を目で追って
  何となしに、向かいの席に問い掛けた。]

   ……して、貴方もさ。
   此処に移り住んでからそれなりに経ったでしょう。
   同僚や友人とは上手くやれている?

 [“それだけが今後の心配事なんだよね”なんて笑う。

  食後の薬を飲む彼の身分は保証されている。]
  不正な移民とも、既に忍び込み息を潜めている
  略奪者達とも違って。

  だけど、一部の人間に色濃く残る選民思想が
  何を引き起こしたのかを我が身で知っている己からすれば
  彼の行先を案じずにはいられない。]


 
(111) Saint-Exupéry 2022/11/09(Wed) 23:18:46

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 


 [周囲の人に恵まれているならそれで良い。
  だが人々がその本性を解き放った時、
  心の奥底に眠っていた差別感情が
  彼を害さないとも言い切れなかった。

  言えない事が、これからの計画が山程あって。
  それを話せばきっと彼は止めようとするだろうから。
  どうなるか予測出来た上で、道を分かった。
  何も言わずにいつも通り、“またね”と別れた。]


 
(112) Saint-Exupéry 2022/11/09(Wed) 23:18:58

【人】 碧き叡智 ヴェレス




 (もしこの先、褒められるべきではない理由で
  彼の本心を聞くことが叶ったとして。

  僕達の間に不可逆的でない友情があると
  証明されてしまう事が何よりも恐ろしく、つらい。
  どこまでも打算的な自分を受け入れてくれと
  打ち明ける事ですら非道に思えて、実行し難い。

  貴方は計画に関係ない。関係ないからこそ、
  明かす事も守る事も叶わないから。)

 
    
立つ瀬がなくなったら、一緒に終わってあげても良いけれど────……


 
(113) Saint-Exupéry 2022/11/09(Wed) 23:19:17

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [エール酒のボトルを慌ただしく運ぶ様子の給仕に、
 “美味しかったです、また来ます”と告げて
  騒がしい店内を後にした夕暮れ前のこと。

  再び仕事へと戻っていく彼を見送って、
  これから訪れる非日常が一体何を壊すのか
  改めて一つ一つ計算しながら帰路へ着いた黄昏に
  影が暗く長く伸びつつあった。*]
 
(114) Saint-Exupéry 2022/11/09(Wed) 23:19:30

【人】 医者 ノーヴァ



     ───現在・路上───


[それは、まるで静寂に忍び寄る病魔のようだった。

普段から薬剤を嗅ぎ分けていた医師の鼻孔は、澄んだ空気の場所には似合わぬ腐臭を確かに感じ取る。

腐った卵のような、誰かが嘔吐したような、はたまた■臭を詰め込んだような────、


人一倍敏感な感覚器官は、慣れないそれに対応出来ずに麻痺を起こす。激しい眩暈に襲われて、思わず眉間を押さえて下を向いた。
思わず沈みそうな意識をどうにか繋げば、軽い足取りは水を含んだみたいに重くなる。様々な感情が噴き出て、表現すべき言葉が分らなくなった。

────きっと、背後から声がかからなければ、その場で倒れていたかもしれない。]

 
(115) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:58:22

【人】 医者 ノーヴァ



    「 …………ッ !先生ッ! 」



[はっと我に返って顔を上げれば、退勤した筈のジェインが息を切らして駆けよってくるのが見えた。
彼女の自宅は此処より南の方角のせいか、異常事態には未だ気づいていなかったのかもしれない。


  「夫が……彼と連絡がつかなくて。
   周りの様子も異常に静かでなんだか変で。
   北の方で煙が見えて……なんだか、おかしいです!
   私、不安で不安で仕方なくって……」


身重なりに外の世界を確認しようとしたのは看護助手としての使命感だったのだろうか。落ち着かなそうに片手はひっきりなしに膨らんだ腹を摩っている。
漸く知り合いを見つけたというのに、男の様子は呆然としていてなんだか身が引き締まっていなかったから。「先生?」と彼女はもう一度呼びかける。一定の距離を保ったまま。]

 
(116) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:58:29

【人】 医者 ノーヴァ



  ─────噫、 ごめんごめん。寝不足で。
  然し、それは本当かい?
  怪我人が出ていないか心配になるな…………


[呼びかけに応じるように目の焦点が戻ってこれば、その声色は“いつも通り”の穏やかな響きを帯びていた。
眼鏡の奥底に見える瞳は焦燥感が浮かんでおり、状況を飲み込めていない一般市民のようにも見えた。
困り眉の儘、ジェインは安心したかのように小さな笑みを取り戻す。]


   「……もう!しっかりしてくださいよ!
    ただでさえおかしい状況なのに、
    先生迄おかしくなったら大変ですよ!」


   あはは……ごめんごめん。
   一緒に様子を見に行かなくちゃね。
   でもその身体じゃ遠くまで歩くのは大変だろう?
   僕が支えてあげよう。さあ、此方に。


[妊婦を気遣い、手を差し伸べる。
その誘導も、自然な動作も、全てにおいて“彼らしく”“違和感がない”。何より精神が弱く、守るべき我が子を抱えた女にとって孤独から救ってくれるような存在のようにも見えたから。

呆気なく警戒心を解いた女は言われるがままに男のプライベート・ゾーンに入り込み────、]

 
 
(117) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:58:44

【人】 医者 ノーヴァ






        [───次の瞬間、腹部を鋭い痛みが襲う。]


 
(118) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:58:46

【人】 医者 ノーヴァ



[湿った呻き声を上げて、彼女は身体をくの字に曲げる。膨らんだ腹には、男の左足の革靴がめり込んでいた。
ゆとりのあるマタニティウェアから足が離れれば、くっきりと残った靴底を目印にするように……今度は靴先を捻るように叩きつける。
肉の潰れるような音と共に、吐血した彼女は倒れ込む。痙攣しながらやっとの思いで掌を子宮に添えた時、宿った命を失ったことを理解する。徐々に光の消えていく視界、朦朧とする意識。

   「 ………ぁ、う、 どうして 、 せんせ、 」

鉄の味しかしない舌先は、答えをもらえない問いを繰り返すばかり。
見える世界がフェードアウトする直前、蔓延り始めた腐敗臭と優しく微笑んだ彼の顔。美しく刻まれた刻印を、彼女は初めて認めたのだ。

  それは、普段通りのようで明らかにおかしい。
  酷くアンバランスな構図の絵画を眺めるような
  不安感さえ覚える美しさだった。

ぐじゅ 、と響いた三発目。それから先のことはm]


 
(119) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:58:49

【人】 医者 ノーヴァ



[足を再び上げれば、動かなくなった看護助手の腕をそっと引き上げる。意識はないが、呼吸はしていることを確認した。
今度はこちらが安堵したように息を吐く。

医者は命を守るべき存在なのだと知っているから。]


  ……大丈夫かい?もう歩けないか。
  おぶってあげよう。なに、安心するといい。
  ちゃんと治してあげるからね。


[心の底から心配するような声色を滲ませ、懐から薬剤の入った注射針を取り出し脈に刺す。
アキネトン注射液。許容量を上回ったそれは、副作用に記憶障害を引き起こす代物だ。

大切なものを忘れてしまえば、それはもう治したも同然だと思うのだけれど。

“治療”が終われば今度こそ彼女を背中に抱いて、ゆっくりと市街地に向って歩き出す。]

     [よく口が回り、小言の多い女だが、
      いうことは決して間違ってなどいなかった。
      これは恨みなどから来る行為ではない。
      彼女の違う顔を見てみたい。
      絶望に満ちた歪んだ顔は、
      予想以上に美しく、甘美で愛おしかった。]


 
(120) あんのうん 2022/11/09(Wed) 23:58:52
 




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視点:


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生存者 (6)

シロタエ
13回 残----pt

一応いるのです

チグサ
7回 残----pt

皆さんありがとう

ヴェレス
28回 残----pt

 

ノーヴァ
9回 残----pt

 

ジュード
20回 残----pt

 

セツナ
0回 残----pt

ちょっと体調不良

犠牲者 (1)

バルドゥイン(2d)
0回 残----pt

 

処刑者 (1)

ラシード(3d)
2回 残----pt

フリー素材の構え

突然死者 (0)

舞台 (0)

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
舞台
置き手紙

一括操作




発言種別注目






















(0.18 CPUs)
運営 moonpupa
人狼物語 by あず/asbntby
人狼議事 by ななころび
トップバナー画像 by naomyplum
人狼物語画像 by Momoko Takatori
Schwarzwald(黒い森) by hagios
トロイカ TYPE:А / 哀愁のタタロチカ by かえるぴょこぴょこ/あさくら
ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
都道府県キャラセット by kairi(企画代表)
繋<つなたま>魂 / 班帝家の一族 / H)SOCIUS(A by めいあ
もふぁんたじぃ / もふぉれすと by ほのゆる
Cathedral / 学園Cathedral / Grand Cathedral / 学園Grand Cathedral by Izuya
夜月町 by 夜月けい
南区 / 古今東西 by 南
IRO-COLORE(いろころる) by Izuya, 南
お茶会 / 演奏会 / 花見会 by ゆひろ
GNL / GNL+ by guiter-man
ジランドール / イルミネーション by may-co
シキメグリ by afinter
-汝人狼也-人物画 by 878, かんこ
closure / closure' by 閉
Emoricu / Cumorie / 黎明街 by milk_sugar
ワンダーズ言戯団 by pike
宝石箱《Jewel Box》 by 宝石箱制作委員会
文明開化 by sin
カティサーク by apricot with y_hyuga
月狼学園 / 人狼署 / 狼達の軍歌 by apricot
花一匁 / 桃酔郷 by さね
po!son / Girl's Talk by pure_g
madparty by シロクマ
rhizome by CH3COOH
曲芸会 / 曲芸会Hello! by otokasa
AtoZ by 築
瑞洋館 by ういろ
LastSunday / HeaVen by 志摩
かくりよ by plmi
桃色concerto by 桃昆布
狼兎 by クロマ
人狼ヶ谷学園の放課後 by 竜山明日佳
bAroQue / tradimento by souya
Bokuyume. by 卜部
FGOキャラセット by 有志一同
魔法少女は眠らない by 魔法少女チップ企画
Liberte by みぃな
噛志野医院 by manamiz
メギド人狼 by メギドチップ企画
absolventi by ぶんちゃん
歳時抄 by 小由流
文アルセット by 文アルセット企画
荘園パック by ARC(企画代表)
Friends by 真知
城下町の酒場 / 大神学園 by じっぷ
エッグ by 朧恩
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