人狼物語 三日月国


269 Better Half in Bloom

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【念】 時雨

[健人の綺麗な指が、俺の肌に
 健人が残した痣と噛み跡を辿る。>>!106
 くすぐったくて、ん、と息を殺して目を細めた。]



  いーの。…これは、



[俺のだから。と。
 続く言葉を胸の裡に留める程度の理性が、戻りつつあった。
 お風呂のお誘いには頷いて、
 大人しく抱き上げられて、連れて行かれた
 浴室では、なすがままに身体と髪を洗ってもらった。
 普段なら、中を掻き出すけれど。
 今日は車でβの使用人に迎えにきてもらうのなら、
 自然と流れ出すに任せるだけでいい気がしていた。]
(!118) 2024/07/14(Sun) 16:19:45

【念】 時雨

[まだ心地よい気だるさが残っていたから。
 健人に髪を乾かしてもらう間も、
 言葉少なに、とろとろと目を細めていた。
 俺から離れて冷蔵庫を漁ってる健人を、
 遠目に見ながら唇を尖らせる。
 ヒート中の俺から離れるとか。
 何回俺とヒート中に寝てんの。
 戻ってきた健人の手にあった、ボウルの中身。]



  ……苺牛乳だ。



[上向いた機嫌を隠さず呟いて。
 あーんして?と求められるままに、
 大人しく餌付けされた。
 ボウルが何でか、一つしかないのに
 途中で気付いたから。
 時々健人にも、あーんのお返しをした。]
(!119) 2024/07/14(Sun) 16:20:43

【念】 時雨

[やがて、抑制剤の効いた俺は。
 すっきりと冴えた頭で、逆にぐるぐるしながら
 健人の部屋を後にした。

 えっ。噛まれた。すっごい噛まれた。
 普段慎重そのものの健人に。
 ラットって、みんなああなんの?
 なにそれ怖い。
 そもそも健人、何であんなに何度も
 ラット起こしたんだろ?
 俺ヒートだったけど。
 そんなの、いつもの事だし。

 見送りを申し出てくれて、隣を歩く健人は、
 どこか淋しげだったけど。>>!110>>!111
 俺は正直、それどころじゃなかった。
 そもそも一週間もしたら、学園に
 戻ってくるでしょ2人とも。]
(!120) 2024/07/14(Sun) 16:21:54

【念】 時雨

[半分上の空で歩くうち、いつの間にか
 校門まで行き着いていた。
 立ち止まった健人が自分の着けていた
 マフラーを解いて、ふわりと俺の首筋に纏わせる。>>!111
 
 優しく包み込む肌触りと、健人の匂い。
 それに体温。
 健人によく似合ってると思ってた、
 綺麗で柔らかな色合いの。
 “クリスマスプレゼント”だって囁きながら。>>!112
(!121) 2024/07/14(Sun) 16:23:23

【念】 時雨

[いや………これは、流石に。
 セフレの領分を踏み越え過ぎじゃないか。
 服。よく貰ってるけど。
 でもマフラーは違くない???

 休み前とは違う場所みたいに
 人通りのない校門の前で立ち尽くす。
 目を丸くして呆気にとられているうち、
 額にキスを貰った。
 またね、って。>>!113
 健人が微笑んで、小さく手を振る。]
(!122) 2024/07/14(Sun) 16:24:10

【念】 時雨

[校門の横には、もううちの車が横付けされていて。
 運転席には顔なじみの女性運転手が、
 車の脇には、気配を消した黒スーツの彼女が、
 静かに控えていた。
 何故か声をかけてこない彼女に、
 遅ればせながらも気づいて。
 マフラーを口元まで引き上げると、
 健人に胸元で小さく手を振って、
 足早に車に乗り込んだ。
 車がゆっくりと滑り出しても、
 2人は健人に向かって礼をして、
 『お帰りなさいませ、時雨様』と言ったきり、
 何でか、普段みたいに話しかけてこない。]


  ………………、……………


[車の窓ガラスに、こつんと額を押し当てる。
 ずる、とそのままおでこを滑らせる。
 ひんやりとしたガラスが。気持ち良かった。]
(!123) 2024/07/14(Sun) 16:25:34

【秘】 時雨 → 世良健人




  お礼。言いそびれちゃった……、


[俺、何もあげてないのに。
 力なく独りごちると、何でか。
 運転席の方から、小さく咳払いが聞こえた**]
(-57) 2024/07/14(Sun) 16:26:37

【独】 世良健人

/*
>>!119 このご不満顔が甘い物で一気に機嫌が直るの本当可愛く無いですか?可愛いですよね。可愛い。
(-58) 2024/07/14(Sun) 19:04:04

【独】 世良健人

/*
ヒートから覚めてどんどん冷静になっていくのも可愛い。
>>!123 え。かわっっっっ。

いやまあ。俺もやり過ぎたかなって思いはしましたが。
だって健ちゃんだよ???????????
ク。クリスマスプレゼント。贈りたかったんだもん。
後。首筋と項隠したかったんだもん。誰にも見せたくなかったんだもん。そしたらマフラー一択だった。しかもガッツリ自分で身に着けて匂いつけた。マーキングしてるのは俺です。(自首)
(-59) 2024/07/14(Sun) 19:08:20

【念】 世良健人

[まだどことなくぼんやりとした時雨に。
ご実家に連絡してもらって。抑制剤を飲ませる。
傷跡をつけた。きっと痛かった。
謝る俺を。時雨はあっさりと許してくれた。>>!118
呑み込まれた言葉が何かは。分からなかったけれど……

お風呂上りにお水を飲ませて。髪を乾かし終わったら。
少しでも何かお腹に入れた方が良いと思って冷蔵庫を漁った。
…ヒートの期間は。離れたくなかったし。離したくなかった。
時雨も許可をくれたし……。
冷蔵庫に立つ時間だって惜しかったから。
お水もゼリー飲料も最初からベッドサイドに置いたし常温のままだった。>>!103
これから長旅になる。ちょっとだけでも……

そう思ってキッチンで苺を潰して。
時雨の元に戻ったらご不満顔だった。胸が熱くなる。
ボウルの中身を見せたら『苺牛乳だ。』>>!119て。
甘い物を見せたら何時だって途端にご機嫌になる。
愛おしくて。可愛い。胸がいっぱいになって。笑顔が零れた。]
(!124) 2024/07/14(Sun) 19:53:45

【念】 世良健人

[車まで送らせて欲しいって申し出は受け入れて貰えて。
2人で一緒に校門まで歩いた。
その頃には時雨の足取りはしっかりとしたものになってたし。
何やら混乱して考え込んでいるようだった。>>!120
それはそうだろう…………
相手のヒートにかこつけて。アレだけ首を噛んでおいて。
冷静になればあの程度>>!118で済む話では無いと分かるはずだ。

混乱する時雨の首元にマフラーを巻いた。
俺の独占欲が詰まったかのような贈り物。
自分の匂いをたっぷりとつけて。
彼の項を誰の目にも触れさせないよう覆い隠す。
時雨は混乱の度合いを増したようだけれど。>>!121>>!122
気付いても。気付かなくても良い。
むしろ。そろそろちゃんと気付けば良い……。]
(!125) 2024/07/14(Sun) 19:54:48

【念】 世良健人

[暗闇に溶けるような黒い車にも。
人目に着かない場所に立つSPにも気付いて居た。>>!123
そう言うのは実家で慣れている。
慣れているから。存在しないものとして。
常と変わりない態度を時雨に対して取り続けた。
額にキスをして。またね。と。手を振る。

時雨はようやく彼女たちに気付いたみたいで。
小さく手を振って。車に乗り込んだ。
目を細めて笑いながら。手を振り返して。
時雨が載った車のドアが閉まってから。

初めてご実家を訪問した際。
裏口のドアを開けてくれた女性に対して。
深く腰を折ってお辞儀をした。
彼女達が時雨の安全を守ってくれている……。]
(!126) 2024/07/14(Sun) 19:56:03

【念】 世良健人

[ゆっくりと発進する自動車が。
角を曲がって。視界から消えても。
暫くその場に佇んで。時雨の去った方角を見ていた。]
(!127) 2024/07/14(Sun) 19:56:21

【念】 世良健人

[それから踵を返して。ゆっくりとした足取りで寮に戻った。
足取りはゆったりとした物だったけれど。
頭の中は忙しなく働いていた。

今まで自分にとって当たり前だったこと。
自分を取り巻く世界の全て。

準備だけは進めてきた。
それでも。ただ縁を切って終わりにしようと考えていた。
けれどそれではダメなのだと…………
決定的に気付かされた。
時雨に恋をした。それを全ての切欠にして。]
(!128) 2024/07/14(Sun) 19:59:22

【念】 世良健人

[彼は忘れて居るだろう。
俺が語った言葉。描く未来。『よかった』の一言。
それらが今全て自分に返って来るかのように感じた。

流石に一年生の時の図書館での会話は覚えてるかな?
カラオケで歌った歌は?

時雨……………………
待ってて欲しい。>>!101
(!129) 2024/07/14(Sun) 20:00:04

【秘】 世良健人 → 時雨


[卒業までには。必ず…………**]
 
(-61) 2024/07/14(Sun) 20:00:22

【独】 世良健人

/*
ここからすれ違いまくって時雨さんの心境をどうするか考えてもらわなければならないのですが…………
どうなるんだろうね?(未知数進行)

健ちゃんはとりあえず夏が舞台なので期限を卒業にするって言うミスリードを一個入れときました←
(-60) 2024/07/14(Sun) 20:11:03

【念】 時雨

[使用人と雇用主の息子とはいえ、普段の彼女達なら、
 関西人気質の気安さと親愛を適度に持ち合わせた態度で、
 自分達からも話しかけてくれる。
 俺本人が、傅かれるよりそういう方を好むって、
 側近くに仕えてくれる彼女達なら知っているから。

 けど、今日の車内は静寂そのものだった。
 まあ明らかに、健人とのやりとりは
 ばっちり見られていただろうし。
 マフラーで口元を覆い隠した俺は、そっとされていた。
 フェロモンの匂い立つ首筋に、健人が最近よく纏っていた
 グレーのマフラー。俺の色素にも似合う色。
 鼻腔のすぐ傍で香る、健人の匂い。 
 俺の身体の、服で隠れた場所にも、
 自分で見えないところにも残る、健人の痕。

 健人に。包まれている。
 ……身体が熱い。
 抑制剤、飲んだのに。
 そういえば。中に貰ったの、掻き出してもないから?
 αのラットに繰り返し中てられるのなんて。
 初めてだから?]
(!130) 2024/07/14(Sun) 22:38:53

【秘】 時雨 → 世良健人

[静かな車内。シートに深く凭れて目を瞑っても、
 頭も身体も未だ、昂っていた。
 どうしても。健人に思いが向かう。

 健人が繰り返し起こしたラット。
 いつか健人が言ってたこと。
 『αは複数の番を持てる。』
 だから、一人と決める必要もないのだ。
 これだけ傍に置いて、日常的に抱いているΩを
 他のαに渡さないように、と本能が動くのは。 
 別に不思議でもない。
 そこに健人の意志は介在しない。

 セックスの間、俺の首輪の鍵を預かってるのは健人だ。
 それでも健人は。
 結局、首輪を外して俺を噛もうとはしない。
 好きだとも、番いたいとも言わない。
 それこそが、健人の意志で。
 初めから。俺たちに。先なんてない。
 浮き立つ身体に言い聞かせる。


 何故だか、ふっと。
 “待ってて欲しい”としどろもどろに告げて
 笑った健人が、一瞬過った。>>!101]
(-62) 2024/07/14(Sun) 22:44:44

【秘】 時雨 → 世良健人

[健人は、ヒート中の俺のフェロモンに中てられたんだろう。
 今までも、いつもと違う様子を見せること自体はあったし。
 けど。そもそも俺のヒートが始まったのは───



  ……そっか。ラットって、意図的に起こせるんだ。 



 健人の言葉を、ふと思い出して。胸の内で呟く。
 考えたこともなかったけど。
 ヒートも、そうなんだろうか?]
(-63) 2024/07/14(Sun) 22:46:22

【人】 時雨

[みぃちゃん達と戯れたり、久々の固形食、
 しかも舌に馴染んだ地元の料理を堪能している内に、
 あっという間に年が明けた。
 新年会と挨拶回りは2日からだし、元旦の今日は
 普段のように、自分で着付けようとしたら。
 今日の着物を見繕ってくれた彼女に、
 『時雨様。お手伝いします。』と、柔らかく、
 けれど当然のように告げられる。]



   ……? じゃあ、お願い。



[俺はこういう時に逆らわない。
 彼女の目の前で服を脱いでから、…ぁ、と思う。
 ヒート明けでも、俺はまだぽやぽやしてたみたいで。
 肩口や腕にも痕が残っているのを、この瞬間忘れていた。
 お世話され慣れてるとはいえ。流石に気まずい。
 けれど、彼女は顔色一つ変えずに、
 失礼します、と手際よく着付け始める。]
(1) 2024/07/14(Sun) 22:49:29

【人】 時雨

[彼女の手で、元旦らしく華やかに装ってもらう。
 失礼します、と彼女は再び断りを入れてから、
 メイク道具らしきものを取り出し、背後に回った。
 肌色のそれが、首輪の際に塗り込められて───]



   ぁー………、



[ようやく察した。
 髪で隠れてるかと、思ってた……
 それに。家族と使用人だけだし。
 安全地帯だし。ぽやぽやしてたし。
 だって。健人が。俺に。
 また身体が熱を持ちそうで、無理矢理思考を止める。
 ありがと、とそっと囁いてから、座敷を後にした*]
(2) 2024/07/14(Sun) 22:53:06

【人】 時雨

── 学園 ──


 『────時雨、時雨!』


[始業式が終わって、自販機に立ち寄り教室に戻った直後。
 何故か抑えた声で、女友達が俺を呼んだ。
 じ、と物言いたげに俺を見つめてから。
 彼女の席の椅子を指差す。]


 『………ここ座って。髪。結ったげるから。』

 「え、いーよ。今日体育とかないし。」


[たまに髪を弄られるけど、大体体育とか調理部の時とか。
 あとは。お出かけがあるって、知られてるときくらいで。]


 『いいから。座んなさい。』


[問答無用で肩を押さえつけられて、椅子に座らされる。]
(3) 2024/07/14(Sun) 22:56:17

【人】 時雨

[桃ちゃんは黙々と髪を編んでいるし、
 ちょっと手持ち無沙汰だ。
 カーディガンの袖に半ば隠れた指で、苺カルピスの
 パックを胸元に抱えて、ちぅちぅ啜る。おいし。
 そしたら、何でか頭上から溜息が降ってきた。]


 『時雨はさぁー……、それ、わざとじゃないよね?
  自意識過少な自覚ある?』

 「?なにそれ。」


[自意識かしょー。
 口内で繰り返している間にも、
 慣れた手つきで後ろ髪が結い上げられていく。
 人の手で髪を弄られる感覚が、気持ちいい。
 健人に髪を乾かしてもらう心地良さを思い出す。
 項に垂れる、一本の編み込み。
 毛先を少しずつ引っ張り出して、
 わざとほつれさせてる感覚があった。
 桃ちゃん、お洒落さんだもんな。芸が細かい。]


 『今日から3日…や、念の為5日。
  毎朝あたしか、他の子がやってあげるから。いーい?』

 「んん、ありがと……?」
(4) 2024/07/14(Sun) 23:02:37

【人】 時雨

[妙に具体的な期間が気になったけど、
 こういう有無を言わせない空気を出してる女子に
 逆らうのは、経験上得策じゃない。


 ……なんか。最近もあったな?こういうこと。


 自分の席に向かいながら、ふと思い出して。
 人前ではまず触れることのない自分の項に、手を伸ばす。
 ちょうど編み込みの下に隠れる位置に。
 まだ残る、瘡蓋の凹凸。]
(5) 2024/07/14(Sun) 23:05:10

【人】 時雨

[ぶわっと身体が熱くなって、産毛が逆立つ。]



  ───………、ッ!?



[………嘘。肩のは治ってたから、
 こっちも消えてると思ってた。
 そういや、番の噛み跡ならずっと残るんだよな?
 もしかして、Ωの項の周りって、
 傷消えんの遅かったりする……!?

 項を押さえてばっと振り返ると、
 桃ちゃんが、半眼で俺を見ていた。
 ようやく気づいたか、と言わんばかりの顔で。 
 一気に顔まで熱くなる。

 今外だったら、あのマフラーで顔の半分くらい、
 ぐるぐる巻きにできたのに。
 今直ぐそうしたい。健人の匂い嗅いでたい。
 そんなことを思いながら。
 先生が来るまで、机に突っ伏していた**]
(6) 2024/07/14(Sun) 23:08:51

【独】 世良健人

/*
可愛い(きゅんってした……………………
俺の服着て苺カルピス飲んでる……………
(-64) 2024/07/14(Sun) 23:13:03

【人】 世良健人

── 正月の集まりにて ──

[世良家での俺の最低限の役割は正月の挨拶だけだった。
系列企業やお世話になった方々の集まるパーティーと。
親族間の顔合わせの集まり。

表向きの理由は俺と弟がまだ成人していないため。
外部への顔出しを控えていることになっている。
本当の理由は…………
弟の教育の進捗度合いと、俺との比較を恐れたためだ。
だからこそ俺は常に弟のフォローに回って。
周りを立てる動きをしてきた。

けれど今年はそれを辞めた。
調子に乗って漏らす不用意な一言。
目上の人間を軽んじる言葉を公言する若者の傲慢さ。
身に着いて居ないマナー。協賛企業への知識と理解不足。
別に弟を貶めたかったわけじゃない。
ただ。現実を知って欲しかっただけ…………]
(7) 2024/07/14(Sun) 23:19:08

【人】 世良健人

[普段と同じことをしているのに。
周りの反応が普段と異なり白けていく弟の困惑を余所に。
自分はじっくりと周囲を見回して。
分家や一族の同年代の人間を観察した。

立ち居振る舞い。周囲への話題の降り方。
会話から伺える頭の回転の良さや。
給仕や裏方の人間への対応まで。

それから。幾人かに声をかけて。
軽く話をしたり。何人かとは連絡先の交換も行った。
若い人達の間では、別の家が主催する七夕の会の話題も出て。
伝承に因んで若い人達を引き合わせる。
所謂お見合いのような会らしいけれど。
強かな若者からすれば、家や学校を超えた横の繋がりを作るのにも利用しているらしい。
自分はそう言うのに疎いから色々と教えて貰った。
寄付金で成り立つ私立では。生徒会とは別に家の家格のみで構成される会が存在する学校もある事や。
そこで来年会長になることが決まっている人とは、妙に話があったし。頭の中で家の来歴を検索すれば納得も出来た。]
(8) 2024/07/14(Sun) 23:22:13

【人】 世良健人

[時雨に仕立ててもらったタキシードを着て出た会合。
普段より三割増しで見目好く見えただろうし。
おかげで口が滑らかになった相手もいると思う。

今年も政治家の先生にはご挨拶をして。
写真も撮ってもらった。

弟のフォローを怠った事への母の当てこすりは酷かったが。
父親は俺が顔を繋いだ相手を評価しているようだった。
今年も大人しく父に写真を渡して…………
帰り際。珍しく弟に声をかけた。

『勉強はちゃんとした方が良いよ?
 身に着けた知識や教養は。決して奪われる事の無い財産になる。』

父親の運命の番は一般家庭の出で。
弟は集まりでの失態を逆恨みしていた。
逆鱗を逆なでしたかもしれないけれど…………
それは俺が生きていく上で身に着けた術で。
それを弟に伝えたのは。俺の精一杯の優しさだった。**]
(9) 2024/07/14(Sun) 23:23:15
 




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