人狼物語 三日月国


111 【身内村】あの日の、向こう側【R18】

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   ぁ、ッ――…


[ ぐちゅ、と、
  いやらしい音を立てて、先端が埋めれて、
  歓喜に震える身体から、思わず悦びの声が漏れる。

  だけど、すぐには責め立ててくれない。
  焦れるくらい、ゆっくりと腰を動かして。

  強請ってくるんだ。コイツは。
  激情のまま、穿って、抉って、
  快感を貪りたいだろうに、それを耐えながら]

[ どす黒く灯される
嫉妬の炎
に炙られる。

  血の繋がった兄に向ける感情ではない。
  そう分かっているのに、その炎に炙り焦がれ
 
一塊の炭
になってしまっても良いさえ思う。

  嫉妬させてしまったことに、罪悪感もあれど、
  その感情は、酷く心地良くて、
  俺の顔をより一層、甘く蕩けさせる。]
 
 
   ん、……ばか、
   そういうのは、さっさと―― 言え、よ
   

[ 悪かったって。ともう一度、苦笑交じりに
  謝罪を口にした。

  こっちだって、ずっと昔から狂いきってる。
  もう、あどけなく笑うだけの、幼い弟ではない。

  禁忌だと、いけないことだと、
  許されないことだと、解っていながら、]

 
  
   …… もっと、よこせよ
   夏生を、全部―――― 俺に、よこせ


[ 欲しいなんて、可愛らしく強請れない。
  相変わらず、傍若無人に、我儘に強請る。]

[ 悩むことは、きっと多いし、
  この先も、迷い続けるだろうけど。

  結局。最後は同じ答えに辿り着く。
  一般論、倫理観、社会的な立場、当然の節理。

  そんなものは、
クソ喰らえ
だ。]

[ 耳元に寄せられた唇。
  獣の子が、慰めるように頬を摺り寄せて、
  背中に腕を伸ばせば、少しの隙間もないくらい、
  強く抱き寄せて、肌と肌を合わせれば、
  直接、熱も、互いの心臓の鼓動を感じる。

  湿った肌から香る夏生の匂いに、
  虐められた俺の熱芯は、またどくどくと、脈打つ。

  近親者同士って、
  本当は、匂いで嫌悪を覚える筈なのに
  狂いそうなほどに、心地良くて愛しくて、
  興奮して堪らないのだから、イカれているのは、
  兄弟揃って、同じなんだろうさ。]

 
   夏生、もっとくれよ
   何にも考えられないくらい、


[ めちゃくちゃにして。**]    



  そんなの、おまえに?
  そのあとは?


[ 望む答えが、漏れ出る吐息の隙間を縫って聞こえたから
続きを催促してやった。
口を塞ぐ手を引き剥がしてベッドに縫い止めれば、
耐荷重をゆうに超えて男二人分の重量を受け止める
スプリングが抗議するみたいに軋む。 ]
 


[ 曝け出した腹の内、蟠を巻くどす黒い嫉妬の感情に
返ってきたのは苦笑混じりのちいさな謝罪と、
今にも蕩けてへにゃりと崩れそうな海斗の表情で。
ぐ、と言葉に詰まる。

拒絶も罵倒も、そこには微塵も無くて。
ほとばしる狂気は、するすると淡く、小さくなっていく。 ]


  ……こわかったんだ。


[ 眉尻を情け無く下げて、そう呟くだけ。
ずっと一緒にいてやる、と、
聞こえた海斗の声に、ぎゅっと一瞬目を固く閉じて、
意を決したように持ち上げた瞼の下。

瞳に愛しい人だけを映して、ふわりと微笑んで
かすめるだけのキスを贈った。 ]
 


[ 甘い空気とは対極に、強請る台詞は我儘に、
傍若無人に。
虚になりかけた心に、じんわりと喜びが戻ってくる。 ]



  いいよ、全部、くれてやるから。
  ─── そのかわり、一滴も残すなよ。

 


[ 悩むことは、きっと多いし、
この先も、迷い続けるだろうけど。

結局最後は同じ答えに辿り着いてしまうのだろう。
一般論、倫理観、社会的な立場、当然の節理。

無碍に出来ない俺の隣で
きっと、そんなもんクソ喰らえだと嗤う
お前がいてくれるなら。 ]
 


[ 甘えるように擦り寄せられた頬。
互いの鼓動が皮膚越しに伝わるほど強く
抱きしめられるから、刹那、視界が歪み出してしまう。

汗ばむ肌と、海斗の匂い。
慌てて顔を首筋に埋めて、誤魔化すように
キスマークの数をひとつ増やしておいた。

イカれた兄貴は、聞こえた最高の殺し文句に体を起こして
イカれた弟によく似た無邪気な笑顔を浮かべてから
一気に穿つ。 ]


  ─── っは、やべぇ、……!

 


[ ぐぢゅん、と最奥まで抉れば、攻めているのは
己だというのにあまりの快感に達してしまいそうになる。
みし、と音が聞こえるほど奥歯を噛み締めて耐えた。 ]


  なんも、かんがえないで、
  おれだけ、みて
  俺にだけ抱かれてて



[ 譫言のような言葉を唇の隙間から滲ませたけれど
ちゃんと届いているだろうか。
海斗の様子を見る余裕はまだ少し残っていて、
それでも激しく穿つ動きは止められなかった。 ]
 



  ……気持ち、いい、 っ、海斗の中、さ
  あったかくて、ぐちゃぐちゃで、やらしくて、


[ きつく海斗の身体を抱きしめてがつがつと貪れば
わずかに残った理性さえ消え果てそう。
それでも激しい抽送の際、海斗の腹側の痼を
きっちり抉ることは忘れなかった。 ]


  ─── ぅ、あ゛…… マジでやばい、イキそ……

 


[ すぐそこまで来ている吐精感に乱れた吐息を
撒き散らし、そらして。
震える手で海斗の熱を探り、握り、擦り上げる。

達するなら、一緒にと。


何処にも行かないで、

何処までも、一緒に行くから、と、


無言のまま、縋るように乞う。 ]*
 

[ 誰を想って、慰めていたなんて、
  口にせずとも、知ってるだろうに、
  続きを促してくる声に、答えようにも、
  甘い声が漏れそうで、

  ―― お前に決まってんだろ、


  そんな言葉は、飲み込んでしまう。
  まぁ、言葉に出したら、悪態も漏れるのだから、
  言わなくても良かったのかもしれない。


  漏れそうになる甘い声を抑えようとすれば、
  無理やり手を剥がされて、はぁ、と荒い呼吸も、
  途切れ、途切れに、噛み殺しきれない嬌声も、
  全部、隠しきれなくなってしまうから。

  不満げな瞳で睨むけれど、文句を言おうにも
  口を開けず、俺の代わりに、
  ベッドが抗議の声をあげた。]

 
 
   何を、今更……


[ 呆れたというように、違う意味で眉を下げて。
  抱きしめながら、また頬を寄せる。

  ぽん、と軽く頭を撫でれば。
  望む言葉を口にする、俺しい言葉で。

  何を言われても、嫌いになる訳がない。
  嫌いになるなら、疾うの昔に嫌いになって、
  こんな苦しむだけだと分かっている感情なんて、
  捨ててしまっていたはずだ。

  苦しくて、辛くて、それでも飲み干したい
  これは、そういう
だ。


  もう、この毒なしでは生きていけない。
  骨の髄まで沁み込んで、手放すことなんて、
  ―――― できや、しないんだ。]

 

   はッ、誰に言ってんだよ?


[ にや、と不敵に笑い返して、全部受け止める。
  一滴だって、逃さない。喰らいつくしてやる。

  兄貴を包み込んでいる部分を、
  意識的に緩めて、時折、食いちぎるように
  力を籠めれば、快感に眉を寄せて、
  苦悶の表情を浮かべるけれど、
  より深いところを抉られながら、
  それでも、なんとか口に笑みを浮かべて、]

 
 
   ッぁ!、ぐ、――はッ、ふ、


[ 苦痛と快感の混ざった声を漏らす。
 
  奥を抉られると、入口を捏ねるように擦られると、
  気持ちが良くて、堪らない。

  ぐちゅ、と淫猥に泡立つ水音と、
  肌がぶつかり合う音が、耳に響き、
  溶け合っていく肌と呼吸。


  触れた唇の柔らかさと熱と、ほんのりの苦味。
  そのすべてに興奮して、欲を煽られて、

  触れられずとも、既に腹の間のものは、
  弾けてしまいそうな程、張り詰めていた。]

 
  
   ……ッんん、ゃ、ッ!、あッ、


[ それをまた、握り擦り上げられれば、
  堪らず、徐々に、抑えきれない声が大きくなっていき。

  気付けば、背にしがみ付いて、何処にもいかない。
  あられもなく喘いで、叫んで。
  ひと際大きく声を張り上げて、名まえを呼ぶ。
  ぐっ、いっそう強く抱きしめて、放しはしない。

  縋るように乞う。
  愛しい人の気配に、唇を愛しげな形に歪めて]


   ひぁ、あ"ッ――
ふッ、ん"ッ!!!



[ 繰り返し、激しく奥を責め立てられて、
  悲鳴染みた艶声が空気を震わせた瞬間。

  どくり、と触れ合う腹の間で、白く熱いものを
  解き放てば、がぶり、と肩口に噛みついていた。

  口の中に広がる、微かな血の味。


  とろり、と惚けた意識の中で、
  腹の奥にも、熱いものがじわりと広がる感覚を
  感じることができていたなら、
  嬉しそうに、噛みついた場所を労わるように
  ちろ、と舌を転がして舐め上げただろう。**]


[ 男に、それもよりによって兄に組み敷かれ、
自室のベッドに縫い止められながら、
海斗はそれでも小生意気に煽り、
言葉と共鳴するように後孔を締め付けてくる。
食いちぎろうとするかのように力が込められれば
思わず舌打ちが出るほどの快感に襲われた。

それでも挑む視線が快感と苦悶に歪むのがたまらなく
好きで、もっと見たくて、
もっと、俺の手の中で淫れてほしくて、
入り口を捏ねて、奥を抉る。

中での悦を得られるように、
同時に直接的な刺激を与えて、
完全に勃ちあがった熱を扱けば、
抑え込めないといった様子で声が、色を帯びて、響く。]
 


[ 海斗の顔や身体のあちこちにキスの雨を降らせる。

夏の名残の空気を懸命に冷やすエアコンも、
俺の役には立たなくて、本当の雨のように
ぽたりぽたりと汗が滴り落ちた。

乱れた前髪をかき上げて、海斗の顔に張り付いた髪も
そっと、払う。
手が、細かく震えているのが自分でもわかった。

愛しい人の名前を何度も呼びながら
穿つスピードを上げれば、海斗の口から
濁点の付いた嬌声が、半ば叫ぶように部屋に響き─── ]
 



  …… っ、 い゛ッ、
  ぁ゛…ッ!!ん ぅ、───


[ 腹に挟まれて、俺の手の中で海斗が爆ぜた。

震える身体をきつくかき抱けば、掌にどろりとした
白濁が生暖かく伝う。

ふいに肩に鋭い痛みが走って、思わず背を撓らせて
小さく呻いた。
けれど同時に脊髄をとんでもない悦が走る。

きっとほとんど変わらないタイミングで、
薄い膜一枚隔てて、俺もどくりと脈打つ欲望を
海斗の中、深く熱く、吐き出した。 ]
 


[ はぁ、はぁ、と荒い呼吸で肘を着いて
身体を少し起こし海斗の瞳を覗き込む。

とろりと蕩けて火照る頬で、嬉しそうに俺の肩に
舌を這わせる、蠢く赤が酷くエロいなと思った。
ちゅ、と軽い口づけを落として、 ]


  ……海斗、噛むの好きなの?


[ と笑う。
火傷しそうな熱い舌が伝う肩は、傷になっているのか
ぴりぴりと滲みて、相変わらずイカれているとは
思うけれどその痛みからは出血と共に
多幸感が滲んでくるような気がした。 ]
 


[ 腕の中にまだ閉じ込めたまま、汗ばむ額に唇を落とそう。]


   ごめん、なんか……
   カッコ悪かったな俺。
   いや早いとかそうじゃなくて、


[ にへらと戯けて。 ]
 


[ さて、気まぐれな彪のご機嫌とご希望は
いかがなものだろう、とちょっと小首を傾げて様子を
伺おうか。

ひとまず中のものをずるりと引き抜いて
手早く処理したいけれど。
……そうここは自宅なわけで、
ゴミの処分も、丁寧にしないと。ほら、ね。


まだ離れないとかわいいことを言ってくれたのなら
もう一戦ももちろん喜んで。
そうじゃないなら
汗となにやらでベタベタのバスタオルと
シーツを引き剥がして、 ]


  シーツ、洗わねぇと……って母親か俺は。
  お前、寝るとこないなら俺の部屋で寝ろよ。
  それか酒でも飲む?


[ そんな色気のない提案を口にするだろう。
一緒にシャワー浴びようと言いかけたけれど、
きっと狭いだのなんだの言われそうで
二人で入っても充分な広さの、あのホテルのバスルームを
ふと思い出して微笑みながら、じっと見つめるだけ。 ]*
 

[ 弱い場所を同時に責められ、
  快楽から溢れる涙と、閉じきることができない
  口から零れる涎で、ぐちゃぐちゃな顔や、
  身体に降り注ぐキスの雨。

  増えていく愛してるのサイン

  言葉でもらって、態度で示してもらって、
  身体にも刻まれていくのが、堪らなくイイ。

  濡れた髪を嗅ぎあげる仕草から、
  色香が漂ってくるように、こく、と唾を飲めば
  俺の髪を払う手つきの優しさに、小さく喘ぐ。]
 
 
    な、夏生―― ッ、


[ 呼ばれる度に、嬉しくて。
  同じ数だけ、呼び返した。

  愛しい人の名を、何度も、何度も。]

[ どく、と薄い膜一枚向こう。
  愛しい人の欲望の熱を腹の奥で感じれば、

  その熱が愛しくて、でも、
  まだ、隔てるものがあることに、
  ほんの少しだけ、不満を抱く。

 
  その感情を自分の中で誤魔化すように、
  噛みついて傷をつけてしまった場所を舐めていると、
  噛むのが好きなのかと、問われて、]
 
 
    さぁな? でも、悪くはねーな?


[ 身体中に散った赤い花よりも、
  より深く刻まれた所有印。

  そして、それをお前も望んでいると、
  囁く声で確かめれば、

  にや、と機嫌良さそうに笑みを浮かべて、
  もう一度、ぺろり、と舐めた。]

[ 久しぶりの交じり合い。
  正直、まだ物足りないが、腕の中で
  この微睡んでいる時間も嫌いじゃなくて。

  額に触れる柔らかさに、
  猫のように目を細めて、へにゃと笑っていれば、
  謝る声が降ってくる。]


   そんなの、今更だろ?


[ カッコ悪いとか、そんなこと。
  そんなもの、今更だろうと。

  大したことじゃないと、肩を震わせた。]

[ ずくり、と痛みそうになる胸の奥に、
  気付かぬフリをするために、
  両手を伸ばして、見上げた先の頬を包み込んで、]
 
 
   俺が好きなのは、お前だけだ
   ―――― ずっと、この先も、だ


[ 珍しく素直な言葉を口にして、
  そのまま顔を引き寄せて、触れるだけのキスをした。

  唇を離せば、ふ、と笑って、
  引き抜かれる感触に、
  微かに甘さの残る吐息を漏らす。

  ぐちゅ、とひくつく肉壁が、
  名残惜しそうに抜けていくものに絡みついて、
  また、火が灯ってしまいそうなのを、今は堪える。

  だけど、視線を一度、横に逃がして、
  ちら、と足りないと言いたげに、見つめれば、]