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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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「内も外も関係ねえ」
「おっさんの仇は片っ端から潰してやる」

レヴィアは、両手で箱を抱えて、路地を歩く。カコン、カコンと音が鳴る。
(a1) 2022/08/12(Fri) 17:10:58

俯く視界に、磨かれた革靴のつま先が映る。
こうしたところからつい、相手を値踏みしてしまうのは仕事柄のこと。
けれど、降り落ちる声には覚えがあるから、そんなものは意味のないことだった。
視線を上げる。
金色の髪の隙間から。翠の目があなたを見る。
そのやわらかな笑みのようにはいかず――それでも少年は、すこしだけ口角を上げた。笑ったのだ。

「……迷子じゃない」
「祭りとか言ったっけ、……こういう感じに慣れないだけ」

「あんたこそまたおれみたいなのに構って、ほんと、物好きだな」


廃倉庫に、硬く無機質な音が響く。

メンテナンスの為に分解された拳銃が、
汚れを除去され、注油を受け、また組み立てられていく音。

元は実に正義感溢れる巡査の相棒だったもの。
それが今となっては無造作に人間を手に掛ける輩の元にある。
何とも哀れなものだ。

「───全ては都合の良い幻聴だ」

カシャン。
最後にマガジンがセットされて、それきり静かになった。

【人】 暗殺屋 レヴィア

【寂れた時計塔】 >>ストレガ

カコン、カコンと、両手に抱えた箱から音を鳴らして。
辿り着いたのは、もう随分前から廃墟となった時計塔。
さして遠くもないこの場所にたどり着くために、
随分と遠回りした。
途中でした変装も解いて、黒のリボンを再び頭に結ぶ。
服の埃を軽く払って、錆びついた扉の前に立つ。

「入口までは知らないわ。
 出迎えてくださるかしら。」

お届けものよ、と、中にいるであろう
特定の誰かに向かって呼び掛けた。
(10) 2022/08/12(Fri) 19:35:01

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>12 ストレガ

「ここは廃墟すぎるわ。」
「木を隠すなら森の中、とはよく言ったものね。」

声の方に目を向ける。
ノッテが蔓延らせた情報網は広くて正確だ。
それがたとえ同じ【血の掟】を交わした構成員と言えど。
秘密は許されない。秘められるのは心くらいだ。

「興味がないわ。」
「でも」
「帰るにも、時間を置かなければいけないわね。」

この場所が見つからないように工夫はした。
なればそれは最後までされるべきで。
廃墟に入ってすぐに出てくる、なんて不自然な動きは
するわけにもいかない。

「少しだけ場所をお借りするわ。」

手渡した箱は、ずしっとした重さを伝える。
件のものがそれなりの数、入っているのだろう。
そうして貴女が迎え入れてくれるなら、
小さな穴に華奢な体をするりと通すのだった。
(13) 2022/08/12(Fri) 20:15:15

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>16 ストレガ

「わざわざ蹴られに来る口説き屋を一人知ってるわ。」

どかされた箱を一瞥してから、するりと穴の中に入る。
内装を、首は動かさないまま視線だけで見回して。
廃墟というには随分と小奇麗で生活感のある部屋。
靴先で床を擦る。ワックスまでかけてあるらしい。
通っていないはずの電気が通り、PCの画面が冷たく光る。
ランプの灯りだけが妙に暖かかった。

「猫は好きよ。」

興味がある事、への回答。
何処かに腰かけることはせず、壁にもたれて佇む。

「珈琲よりアールグレイの方が馴染みがあるわ。」

そう告げて。
飲み物が運ばれてくるまでは、分解された銃を
横目に眺めている事だろう。
(18) 2022/08/12(Fri) 21:33:26
見上げる視線には目を細めて返す。それから隣に並んだ。立ち去る気はないらしい。

「そう? それならよかった」
「マンマとはぐれた仔猫ガッティーノのような顔をしているんだもの。余計なお世話だったかな?」

覗き込むように首を傾げてまたはにかむ。いつもの様子だった。この男はいつだって君に対して、子どもにするように接する。
実際子どもではあるのだけど、年相応より幼い対応に思える​────君がどう受けとっているかは定かではないが。

「うん。確かに賑やかだ。逆に裏通りは静かなものだよ、みんな出払ってしまって」
「君はどうしたの。散歩? お使い? 仕事かな。それとも遊びに?」
「遊びに来たならやっぱり一人はいただけないな。保護者が必要だろう? 付き合うよ、どこに行きたい?」

元よりおしゃべりなこの男は、君といる時一層饒舌になる。強引というか、お節介というのも正しいかもしれない。とにかく気にかけている、世話を焼きたい。そんな様子が伺えるはずだ。……やっぱり、当人である君がどう受けとっているかは分からないけれど。
アソシエーテの女に拾われただけの子どもである君は、組織の末端も末端だ。ファミリーの人間が多く集まる場に顔を出すことなんてないだろう。この男がほかの人間にどう接するかなんて、きっと知らない。

いつも通りの子供扱いだ。少年はひとつ息をつく。
けれどこちらも、背を向けるようなことはない。

「……いい、声がかかるのはありがたいことだし」

他にいくらでもいる中で自分がこう構われるのは、やはりよくわからないけれど。
あなたはそういう人物なのだろうと少年は思っている。
他にいくらでもいるのだから、自分が特別だとは到底思えない。

「今は散歩。仕事したってべつにいいけど」
「……どこ行きたいとか、何したいとか。
それもよくわからない」
「こういうの、……初めて見た、から」

流れる人波へ視線を向ける。
誰も彼も、何がそんなに楽しいのだろう。
少年は、祭りも知らないようだった。

君とは頭一つ程度慎重に差があるから、ただ立っていては表情が伺いにくい。普通に並ぶとつむじばかりが見えるのもあって、実際はそんなことないのだろうけど、少しいじけたように映る。

「そう。そうか」

ふむ、と指の腹が顎を撫ぜる。
通りの右から左へと視線を移す。人の流れやら年齢層、手に持った何がしかを眺めて。

「甘いものは好き?」
「少し歩いたところに美味しそうなジェラートの屋台が出ていてね。気になってたんだ」
「君と行ければ嬉しいんだけどな」

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>20 ストレガ

「貴女も猫なら良かったのに。」

上へと昇る背中を見つめて、そんな風に言って。
家主が消えたとて、女は何をするでもなく。
ただ同じ場所に、石像のように立ち続けている。
ガチャ、パタン。
こつ、こつ。
音を聞いて、投げ渡されたものを片手でキャッチする。

「手ずから淹れられたものより、こっちの方が安心できるわ。」

キャップを回して鳴る、パキリという音が心地よい。
こんな仕事をしていれば、いつどこで、何を入れられるか
分かったものではないから。
だから未開封の飲み物は、嫌いじゃない。

「そのライフルは、狙撃用かしら。」

薄い色の唇を飲み口につけて、喉を上下させ。
それから、作業机の上に視線を移した。
(43) 2022/08/13(Sat) 17:04:18

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>47 ストレガ

「だから外では飲食をしないようにしているわ。」
「ファミリーから貰うものだけ、受け取ってる。」

"同じファミリーなのだから毒を盛るわけがない"という楽観的な考えなのか、
あるいはまったく別の考えがあるのか。
氷のように動かぬ表情には、何一つも読み取れる要素はなく。
猫を可愛さで好いているわけでない女は、
可愛げのない言葉を気にした様子もなく。

「そう。」
「威力を下げる改造は、威力をあげるよりも
 随分簡単なことに思えるけれど。」

ゆるりと分解されたそれを眺めたまま、
まるで疑うような言葉を、疑心の見えぬ声で紡ぐ。

「誰かからの依頼かしら。」

何故この銃が此処にあるか、という問いかけだ。
(49) 2022/08/13(Sat) 19:24:58
少年ここにはきっと欠落があって、けれど、最初からないものを『ない』と気付くことは難しい。
だから、年相応の楽しみをよく知らないままここまで来てしまった。
少年はついと視線を上げ、あなたを見た。
ああ、気を遣わせた。それはわかる。
それでも、どういう顔をすればいいのかわからない。
あなたが何か買い与えようとするときも、これは決まって同じ顔をする。
媚と身体を売るのなら、甘えればいいものを。

「……ん」
「あんまり食べないけど、嫌いじゃない」
「いいよ、行こう」

どうしたって、口が巧くないのだ。

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>50 ストレガ

「それが、罪を犯すという事だもの。」
「罪と欲とエゴが私達マフィアのドレスコードでしょう。」

だから、仕方のない事だと眉一つ動かさず。
暗殺屋は、マフィアの中でも恨みを買いやすい役割だ。
沢山を殺す、それも、自分の危険を殆ど犯さず。
きっと仲間であるノッテの中ですら、女に忌避感を抱くものは
少なくはないはずだ。


「そう。出来ないわけではないのね。」
「趣味仲間を見つけるのが大変そうね。
 そう。やってないならいいのよ。」

返答をすんなりを受け入れる。
敵意も害意もない。徹頭徹尾、冷えた声と表情。

「じゃあ何のために?」

だから紡ぐ言葉は、ただの純粋な疑問だった。
(53) 2022/08/13(Sat) 20:39:19

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>54 ストレガ

「この年まで生きてるから、しっかりしてるのよ。」
「そう。貴女を大切に思う人は大変ね。」

興味のない声色で告げる。
静粛なパーティ会場を土足で踏み荒らすかのような態度。
正装をきっちりと着込んだ女は、石の顔で笑顔をちらりと見た。

「ファミリーの整備士の工房が、こんな廃墟の中だなんて嘆かわしいわ。」
「立場に相応しい住居を得るべきではなくて?」

銃の構造に深く精通しているわけではない。
しかし、全てのパーツが揃ってない事くらいは分かる。
机全体を見て、それから部屋を緩く見渡した。

「人体消失マジックでもするのかしら。」

それから、夕闇が貴女を見据えた。
(55) 2022/08/13(Sat) 21:31:25

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>57 ストレガ

「いないことを祈るわ。」
「嫌いなのよ、人。」

煤けた指を見る。
女は普段白いシルクグローブをしているから、汚れとは無縁で。
指を出すのは、グラスハープを奏でるときくらい。
だけれど、血に濡れた手は、不自由だ。

「馬鹿ね。」
「そんな人を殺しますよ、なんてアピールする
 暗殺者、いないわ。」

部屋に這わせられた配線達。
最早銃の整備士、の枠には収まらない技術のようにも思える。
機械全般に強いのだろうか。

「こんな世界に入らなくても、生きていけそうなのに。」
「馬鹿ね。」

瞳を落として、紅茶をまた一口飲んだ。
紅の液体は、まだボトルのラベルの上辺程しか減っていない。
(59) 2022/08/13(Sat) 22:36:10

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>60 ストレガ

可憐な容姿は随分と色んな所で役に立つ。
仕事だって、標的に近づくにはこの顔は便利だ。
しかし、それを振り回して自由に振舞う事はない。
任務に忠実な暗殺者は、自分の意志を重視しない。

「手からする香りが油なのか、血なのか。」
「どちらが良いのかしらね。」

招集でも掛けられなければアジトにも顔を出さない女だ。
貴女の仕事ぶりを見たことはなく。
そして、自分の仕事もまた、誰にも見せることはない。

「そう。幸せな人生なのね。それはよかったわ。」
「私にお店は無理よ。接客、嫌いだもの。それに」
「この世界以外の道もないわ。」
「だって私、ノッテに拾われなければ、
 道端で凍え死ぬ赤子になっていたもの。」

ノッテに拾われ、教育され。
女は"こんな世界"以外の世界を知らない。


「私、人を殺すためだけに生きてるのよ。」


だから、人を殺す以外の仕事はできないのよ、と。
(61) 2022/08/13(Sat) 23:40:23

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>63 ストレガ

「邪魔だわ。楽しみなんて。」
「死ぬときに、未練が残ったら嫌だもの。」

生に執着するような人間にはなりたくない。
屍の山を築いておいて、生きたいなんて言葉を吐きたくはない。
明日が来ることに期待なんてしたくもない。

また一口、ドリンクに口を付けた。

「血でふやけた手なんて、猫は嫌がるわね。」
「ないわ、やりたい事。一つも。」
「それに………あの店を気に入っているの。」

「死ぬならあの店の中がいいわ。」

時代から忘れられた品物たちと共に、
誰にも見つからずに忘れられていく。
貴女が私を殺すときは、あの店にしてくださる?なんて
無機質な問いかけを零した。
(72) 2022/08/14(Sun) 16:59:41
少し足りない・・・・様子の君を見る度に、男は君を愛しく思う。未熟であることは成長途上であることとよく似ている。それはまた幼さと同義で、守ってやりたく思うのだ。
同時に少し哀しくもある。無邪気に無防備に育つことの出来なかった君の過去を思って、男は君の髪を柔らかく撫でるだろう。

「お腹もすく頃だしね。串焼きの屋台も出てたよ」
「僕、あんまり食べたことないんだよね。肉は好きかい」

先導するようにゆっくりと歩き出す。大股の歩みはそのまま、速度を落としてはぐれないように。

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>75 ストレガ

「誰にも見せたりなんてしないわ。暗殺屋だもの。」
「そう。ぜひ死ぬまで待ち続けてくださるかしら。」

暗に探す気もない、という言葉だけ吐いて。
飲みかけのボトルは、鞄の中にしまった。
ここでは全部飲み切れそうにないから。

「じゃあ、お役御免になったらお願いしに行くわ。」
「……………。」

返された言葉を、一切の色もない冷えた夕闇が見つめて。

「わかったわ。」
「後始末は烏にお願いするけれど。」

戸惑いもなく頷く。
それが依頼であるならば、十全にこなす。
女はそのために生きているのだから。

「時間を潰しすぎたわ。」
「ランプと共に、良い夜を。」

最後の挨拶だけは、店員らしく。
そうして、くるりと踵を返して。
飴色の髪がふわりと浮いて、呼び止められなければ、
そのまま去っていくだろう。
(79) 2022/08/14(Sun) 19:23:53
レヴィアは、何かを望んだことがない。
(a22) 2022/08/14(Sun) 19:24:35

【人】 暗殺屋 レヴィア

>>82 ストレガ

小さな穴を抜けて、服の汚れをぱっと払って。
レースのついた黒い傘を差す。
背中から上をすっぽり覆う、暗幕。

呼び止められて、少しだけ振り向いて。

「そう。」
「興味ないわ。」

また傘を貴方に向けて、そうして、歩き去っていった。
(84) 2022/08/14(Sun) 19:47:52
「ああ――そっか、そういう時間か」

少年はあまり、食事に頓着しない。
というより、ほとんどの物事への執着が希薄だった。
毎日の食事がある、ということに、まだ慣れ切っていない。


「確かにあんたは物を食べ歩くようなヒトじゃないよな」
「今はだれも彼も何かしら持って歩いててさ、だからまあ、その方が自然なんじゃない」

その高価そうな外套に、スーツに、汚れがついては大変だ。
などと思うことこそ、価値観の差異なのかもしれないけれど。
時間帯もあるのだろう。道行く人々の多くは、あなたの言ったジェラートやら串焼きやら、ものを食べているのが目立つ。
流れる人混みの中を、身長差の分、どうしても狭くなる歩幅でついて歩いて。
串焼きの屋台を見つけると、くいと袖を引いた。

 




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