人狼物語 三日月国


169 舞姫ゲンチアナの花咲み

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【雲】 ウユニ



   女性が店の奥に戻った時に

 
   
「前も、フィアンセって言っていたの……?」

      

   と、小さく聞いてみたりもして。
   そこまでは言っていなくとも
   私への好意を口にしていたのかしら、なんて。
   もしそうなら、嬉しいような恥ずかしいような。

 
(D15) 2022/08/19(Fri) 21:36:39

【雲】 ウユニ



    
「密かな、夢……。」



   貴方の言葉に喜ぶのが、普通なのかもしれない。
   でも、突然のことに心が追い付かなかった。
   それに……箱をしまう貴方の仕草に
   何かを感じてしまって。

   例えるならそう……
   明るい陽だまりにいたはずなのに
   雲が陽の光を一瞬だけ遮って
   暗くなった時のような。

   
  
(D16) 2022/08/19(Fri) 21:37:56

【雲】 ウユニ



    「デートだったのね……?
     それなら、もっとお洒落をしてきたのに。」



   でも貴方の言葉が、微かな違和感を散らして。
   照れたように笑った気配を感じたから。
   つられたように
   くすりと小さく笑みを浮かべるの。

 
(D17) 2022/08/19(Fri) 21:38:57

【雲】 ウユニ



   
貴方の想いに気づくこともないまま。


 
(D18) 2022/08/19(Fri) 21:39:23

【雲】 ウユニ

 ✽✽✽


   「デートなら……
    私も行きたい場所があるの。」


 
   折角来た隣町。
   確かこの街には湖があったはず。
   いつか貴方と行きたいと、思っていたの。

   こうやって、私が動けるときなんて
   もうあまりないだろうから、
   未練なく、この世を去ることが出来るように。


 
(D19) 2022/08/19(Fri) 21:40:02

【雲】 ウユニ


   
   店を後にして、手をつないで
   目的の場所へと歩いていく。


    「昔住んでいた場所にもね。
     湖があって。

     暑いときは皆で水遊びに行って。
     よくいたずらに水をかけられてた。」



   もう戻らない、
戻れない
思い出の日へ
   想いを馳せて、空に視線を投げて。
   そんなことを話していれば
   湖までたどり着く。

 
(D20) 2022/08/19(Fri) 21:43:26

【雲】 ウユニ



   つないでいた手を離して
   裸足になると湖へと歩を進める。

   スカートが濡れないように裾を持ち上げて
   浅瀬へと足をつけると、
   ばしゃん、と水飛沫を上げて。


    「ねぇ、サルコシパラ。
     貴方も来て、私に付き合って?」



   楽しげに笑って、貴方を誘った。
   
家族との思い出を忘れるために、

   
そして、貴方との思い出を増やすために。


 
(D21) 2022/08/19(Fri) 21:45:01

【雲】 ウユニ



   暫く貴方と過ごしていれば私は満足したから。
   他に行く場所もないなら
   陽が沈むまでには、
   家へと戻ることになったでしょう。*


 
(D22) 2022/08/19(Fri) 21:45:58

【雲】 サルコシパラ



   「えぇ。言いましたよ。

      いずれはそうなってもらう、
      そのつもりでいましたから。」



   成就したからこそ言える台詞を
   悪戯な笑みを浮かべて告げる。>>D14>>D15

   違和感をなにか感じとったのか
   どこか鈍い反応のウユニに
   サルコシパラは目を瞑る。

   言わず、触れず
   今だけは互いにそうあって欲しいと願うのだから。


(D23) 2022/08/21(Sun) 14:32:34

【雲】 サルコシパラ



   「そんな。
    貴女は何を着ていても綺麗ですよ。」



   歯が浮くような言葉がでてくるのは
   いつかそれを伝えられなくなる日が
   やってくると知っていたからで。


      恥じらうなんて、そんな暇はないのだ。**


(D24) 2022/08/21(Sun) 14:32:47

【雲】 サルコシパラ



   「行きたい場所、ですか?」


   男女二人が出かけるスポットは
   大方頭に入っていたが

   その中でウユニがどこを選ぶのか
   そこまではピンときてはおらずに
   手を引かれるままにウユニについていく。


(D25) 2022/08/21(Sun) 14:33:22

【雲】 サルコシパラ



   するとたどり着いたのは湖
   風に揺れる水面に映るのは
   左目の花咲みと、過去の投影。>>D20

   まだ彼女に、家族がいた頃のこと。


   湖の中へと入る彼女は
   まるで今から水の中に消え入りそうな
   そんな儚ささえ醸し出して。

   ウユニの話を
   サルコシパラは静かに聴いていた。
   

(D26) 2022/08/21(Sun) 14:33:55

【雲】 サルコシパラ



   ウユニの昔の家族の話を聞くのは
   あまり得意ではなかった。

   もちろんウユニに非などなく
   決してそれを悟らせはしないのだが

   仮にも彼女が一度愛した相手達を
   いくら彼女が耐え難い煮え湯を飲まされたとして
   赤の他人である自分に糾弾する権利はない。

   その権利があるのは、ウユニだけ。



(D27) 2022/08/21(Sun) 14:34:21

【雲】 サルコシパラ



   しかしそれを理解していてもなお
   湧き出る感情に背くことは出来ない。

   明確に感じた強い怒りのやり場を失うから
   サルコシパラは困り果ててしまう。

   仕方の無いことだと分かっているから
   サルコシパラは何も言えなかった。



(D28) 2022/08/21(Sun) 14:34:57

【雲】 サルコシパラ



   だからこそ彼女の過去を
   自分の手でなぞるという行いに
   一種の希望さえ見い出せてしまう。

   水飛沫に舞うウユニに誘われて
   吸い込まれるようにその水面に足を踏み入れ
   楽しげに笑う彼女に、


   「もちろん。」



   そう応えるのだった。


(D29) 2022/08/21(Sun) 14:35:25

【秘】 サルコシパラ → ウユニ




   このまま二人で沈んでしまうのもいい。

   そう思ってしまわなかったとは言わない。
   どちらかが死に、どちらかが残される。
   二人で身を投げることと大差なんてない。

   それでもそれを切り出せないのは
   サルコシパラがウユニを家族として



            愛していたからなのだろう。



(-6) 2022/08/21(Sun) 14:36:06

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「ウユニさん。

      このあと、もうひとつだけ
      最後に行きたい場所があるんです。」


(-7) 2022/08/21(Sun) 14:36:36

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   ついてきてくれますか?なんて
   今更聞く意味もないだろう。

   そう言って沈みゆく太陽に別れを告げるように
   ウユニに行きたいと告げたのは


           あの日二人が出会った場所。*




(-8) 2022/08/21(Sun) 14:37:12

【独】 清廉水花 ウユニ

/*
Q、なんで湖にしたんですか?
A、この肩書見てなんとなく……((
(-9) 2022/08/21(Sun) 16:28:03

【独】 ウユニ

/*
サルコシパラくんの肩書「路迷ノ嘆」……(ため息をついてるalice
(-10) 2022/08/21(Sun) 16:29:16

【雲】 ウユニ



   私の反応だって貴方にとっては
   どこか違和感のあるものだったのかもしれない。
   違和感を言葉にすれば、触れていれば。
   貴方が何を考えているのか、わかったのかしら。


  
(D30) 2022/08/21(Sun) 16:53:36

【雲】 ウユニ



   好きな人の前ではより綺麗でいたい。
   取り繕うとかではなくて……
   もっともっと綺麗な私を見ていて欲しい。
   ただ、それだけのこと。

 

    「ありがとう。
     ……でも、今度は、お洒落させてね。」


   悪戯な笑みとともに伝えられた言葉も>>D23
   綺麗だと言ってくれるのも
   嬉しいと思う反面…狡いな、と思うの。
   恥じらうこともなく真っ直ぐに伝えられると
   私の心に響くから。

   それでも。弱い私は、
   今度、なんて曖昧で不確かな言葉を重ねてしまう。

        時間が残り少ないと知っていながら。**


 
(D31) 2022/08/21(Sun) 16:54:48

【雲】 ウユニ



   家族の話をしたのは
   別に、貴方からの慰めの言葉が
   欲しかったわけじゃない。


   貴方がそんな安い同情をするような人なら
   私は、貴方を好きになんてなっていないもの。


   楽しい話じゃないのは、分かってた。
   ただ、聞いてくれたらそれでよかったの。
   家族だった人たちとの、あたたかいはずの思い出は
   今となっては全て痛みへと変わってしまうから。
   抱えていた痛みを、過去を吐きだして
   楽になりたかった、それだけ。

   酷いことをされたのに
   愛されていた時のことを忘れられなくて。
   未練を捨てたかったの。


 
(D32) 2022/08/21(Sun) 16:56:28

【雲】 ウユニ



   そんな、自分本位でしかない話だから。
   貴方が私の家族を糾弾したとして
   責めることなんてあるはずもないし
   怒りのやり場を失って困っているとわかったら
   謝っていたはずなのに。
   それを悟らせまいという貴方の優しさに、
   私は知らず知らずのうちに甘えてしまう。


 
(D33) 2022/08/21(Sun) 16:57:22

【雲】 ウユニ



   わざわざ過去と同じことをするのは
   痛みを、幸せで塗り替えてしまえるように。
   貴方の手で、痛みを忘れさせてほしいと。


   だから、誘いに応えてくれたことが嬉しくて
   負っていた傷が、癒えていくのを感じて。

   くるり、と清廉な舞姫のように
   その場で水飛沫をあげながら回っては
   貴方への喜びと感謝を表していた。

 
(D34) 2022/08/21(Sun) 16:58:02

【独】 ウユニ




   
私の考えていることは清廉からは程遠いのに。



 
(-11) 2022/08/21(Sun) 16:58:32

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   この先に待っているのが
   どちらかが残される未来なら
   二人で沈んでしまうのも悪くない。

   そんな思いは、貴方には死んでほしくないという
   我儘に消されてしまう。

   あぁ、でも。
   もし、貴方がそれを切り出していたなら。
   私は悩みながらも受け入れたでしょうね。


              
貴方を愛しているから。


 
(-12) 2022/08/21(Sun) 17:00:16

【秘】 ウユニ → サルコシパラ

   

   「もう一つ……
だけ……?」



   時間を考えれば、別に不自然でもないそれは
   
どうしてか、私にまた一抹の不安を与えて。


   明日ではだめなのか、とか
   先延ばしを提案することだってできたのに。

 
(-13) 2022/08/21(Sun) 17:01:26

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   場所を聞いてしまえば、私は断れなくなる。
   
二人が出会った場所。

   
二人の、始まりの場所。


       ―――終わるときに、
       行きたいと思っていた場所だったから。


 
(-14) 2022/08/21(Sun) 17:02:33

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   「……もし嫌だと言っても、行くんでしょう?」


   困ったように笑って。
   断りもせず、私はまた貴方と手をつないだ。*  

 
(-15) 2022/08/21(Sun) 17:02:55
 




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