人狼物語 三日月国


303 地久節に吟うprélude RSS
(2025/07/05(Sat) 22:00:00 に更新。 )

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[犠牲者リスト]
  

二日目

本日の生存者:サレナ・アントワーヌ、  、男以上3名

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

サレナは、迷いを見せずに、歩き出す。歩を進めるごとに、人だかりが増えてくる。人々は、異様な騒めきを見せ、各々、有る事無い事をささめき合う。

それは、寂れた路地裏だった。

サレナは、身を屈め、何かを拾い上げる。
(0) uebluesky 2025/06/30(Mon) 21:32:24

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

血の気のない白い手に、それは仰向けになり、包まれていた。

「おかえりなさい」
(1) uebluesky 2025/06/30(Mon) 21:41:57

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

昨日、ある男に渡した、黒い人形だ。白とのコントラストが、眩しい。

人形の洋服は、ズタズタに切り裂かれている。まるで、鋭利な爪を一振りしたような。

視線を上げて、野次馬が取り囲む空間を見つめる。

麻布に覆われた人が運ばれていくところであった。
(2) uebluesky 2025/06/30(Mon) 21:43:01

【人】 人形技師 サレナ・アントワーヌ

ー黒い人形

人の死期を察知し、人形の意思で、その者と、縁を結ぶ。

黒色は、元々、「孤独」を意味する。
「孤独」との「縁」を結ぶ。
*
(3) uebluesky 2025/06/30(Mon) 21:54:52

【人】 今宮 水芭   

九月一日。
それがいつの年の九月一日で、その日何が起きたのか、などということは東京府民であれば語らずとも知り尽くしているに違いありません。
もし彼らにこの日についての話を振れば、何気ないふうを装いつつも、その裏にしこりのある、気重げな顔色を見せることでしょう。

その頃の私は、家より少し歩いた処にある、とある府立中学に通う五年生でした。中学校の最終学年らしく、多くの同級生と同じように、この国で最も有名な高等学校への進学準備に邁進する日々を過ごしていました。

幼少より縁側の虫の音を背景に鉛筆をはしらせ、分別がつくようになってからは阿羅々木を知り、子規を知り、さらに彗星のごとく現れた若き文士らによる文壇というものに強く惹かれるようになった私が、その黄金道に数えられる帝大・一高にも憧憬を抱くに至ったのは当然の成行きでした。
(4) 榧 2025/07/01(Tue) 1:05:02

【人】 今宮 水芭   

成績は、学内ではせいぜい中の上といったところ。とは言え私の中学校からは半分以上の生徒がその高校に進学できるくらいです。日々の学習を怠らずにいれば然程問題ない、などと、私としては気楽に構えながら、学校と、進学のための補習校を往復する毎日を送っていました。

その頃より、時折、風景画のような絵図を夢に見るようになりました。
超現実的で、油絵具で暖色に濃く塗ったようで、さながらキリコの絵画を思わせる情景です。

私はいつも、どこか高い所からその情景を見ています。
ただその場に佇み、遠くの地平を茫と眺めているのです。やがてその場がふわりと重さを失くしたかと思うと、私は地平に向けて放り出されます。鳥のように空を割き、そのまま、でこぼことした岩並に着地して夢は終わるのです。

恐ろしさは露も感じず、むしろ己の詩的感性がここに現れたのではないかと満更でもない思いで、床に就けばそれに出逢うのを楽しみとするくらいなのでした。
(5) 榧 2025/07/01(Tue) 20:14:26

【人】 今宮 水芭   

中学五年の暑中休暇、その最後の日に、学友と浅草の展望台に行こうということになりました。

中学生が足を踏み入れるには憚られる土地です。
並び立つ胡乱な呑み屋とカフェーに、まだ昼だと言うのに客を引こうとする売笑婦風情が入り乱れて私の心をおそろしくさせ、早くも学友について来たことを後悔していました。
蒸籠の中に閉じ込められたような湿度に、酒の匂いが四方八方から押し寄せていて、妙に風の散らかった正午前でした。

目的地の凌雲閣はひときわ混み合っており、エレベーターは諦めてひたすら階段を登ります。運動の方はからっきしな私は一段上る度に蒸した熱気が重く脚に絡みつく心地がし、もうろうとしてきました。
(6) 榧 2025/07/01(Tue) 20:17:43

【人】 今宮 水芭   

八階まで登った所で風を感じ、何気なく窓に目を向けました。
煉瓦をくり抜いたようなビルの大穴よりのぞく青空が、混み合う下町の様子をよく映し出していました。

ふと記憶に引っ掛かるものを感じ、こんどは窓辺に歩み寄りました。いまいちど眼下を見渡そうと、身を乗り出します。
すると手をついた窓縁がボロ……と崩れ、その先の床のない場所へと投げ出されました。

風を切るように下へ下へと吸い込まれて行き着く先は、岩並……ではなく、飲屋街の上に設られた、不均一で、色褪せて、うらぶれた屋根瓦の群れでした。
(7) 榧 2025/07/01(Tue) 21:09:07

【人】 今宮 水芭   

地面にむけて落ちゆく傍ら、己を投げ出したその高台を見れば、青い絵筆で執拗なまでに塗られたような晴天に、おなじように放り出される人間達。
そして泰然とそびえる、ひとつの塔。

ジョルジュ・デ・キリコが執拗に描いてきた"塔"のモチーフが、繰り返し眺めてきた絵図と、いましがたの眼前の光景とを接続し、かつてない怖気おぞけが背筋をはしって……

目の前がまっくらになりました。
(8) 榧 2025/07/01(Tue) 21:13:49

【人】 今宮 水芭   

ドン、という衝撃とともに、ふたたび目に入ったのは変わらぬ八階の展望室。
一時的な幻を見ていたらしい、熱さにやられたのだろう。正常であればそんな判断を下すのでしょう。しかし。

落ちる。今に落ちて、死ぬ。皆死ぬ。
直感としか例えようのない確信が、つい数十秒前まで魯鈍になりかけた私の神経をまっすぐに貫いて、がなり立てます。

階段をいくつか上った処には学友の一人である萩木という男が、気怠げに背中を揺らしなが歩を進めていました。
私は咄嗟に萩木の袖を掴みました。

「君、先に行ってはいけない」
「なんだ、お前」

最上階まであと一息というところに水を差された友は、怪訝そうに返します。
説得までのやり取りすらまどろっこしくなりました。とにかくここに居る人間達を下に向かわせねばと気がはやり、何やら喚くように口走っていた記憶だけが残っています。
(9) 榧 2025/07/01(Tue) 21:36:25

【人】 今宮 水芭   

余りに普段らしからぬ様子の私に、萩木は何らかの異常事態を感じ取り、君がそこまで言うなら……と私を気遣い手を取ってくれました。

私はもう一人の連れであった尾張を呼びました。
疲労を微塵も見せずに闊歩していた膂力自慢の彼は、一度階段のむこうに消えて見えなくなった姿をもう一度、顔だけ覗かせると、あきれたように言いました。

「情けねぇや。来る気ねぇならさっさと帰んな」

尾張の不機嫌な顔がふたたび向こうに引っ込み、先ほどにまして足音を立てて去りゆく音だけがしました。私は足を縺れさせるようにして追いかけてみたものの、その姿はすでにありませんでした。

往来の人々に至っては、私を気狂いかのような目で見るばかりです。
(10) 榧 2025/07/01(Tue) 21:57:46

【人】 今宮 水芭   

私は、萩木の手首をぐいと掴み返しました。
そのまま、彼ひとりを連れて階下を駆けて行きます。

うだるような熱気も、空に聳ゆる墓場にのこしてきた大勢の人いきれさえも忘れ、
ただここの高台から離れて、いやそれだけでは危ない、もっと開けた場所へ……と、ただ自分達のみを助けんとする思考ばかりが、冴え冴えと巡ってゆくのでした。*
(11) 榧 2025/07/01(Tue) 21:59:59
 




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