人狼物語 三日月国


69 【R18RP】乾いた風の向こうへ

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【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>72主と共に本宅手前へ転送され、次いでアンタルに招かれて本宅の敷地内へと入る。
 白く輝く天井の高い建物は、まさしく宮殿であって、ダレンは初めて主との生まれの違いを実感した。
 気安く話せる相手であっても、やはり身分は違うのだ。

 「泊まっていったらどうだ?」>>73
 アンタルの問いにどう答えるのかと主を見守れば、帰ると言うのを聞いて、ダレンは密かに安堵していた。表情に出さないよう努めながら。

 『家族』と言われ思うところがありそうな主を見ながら、ダレンは手に持ったお菓子の包みを主に見せた]


  ハールーン殿。お渡しするか?


[勝手に渡してしまう気にはなれなくて、説明をするなら主からと思いながら、主の言葉を待った]**
(82) 2021/04/22(Thu) 8:33:13

【人】 中隊長 アーサー



 [唯の昇格であれば「プロモーション」だが、
  敢えて自身の駒を取らせるならば「サクリファイス」
  其処から手を有利に進めたなら「トラップ」と
  言った所だろうか。>>81

  いつも変わらず身に纏い、
  大事にしていたであろう装束を
  敵を欺く為に使ってみせたその様は、
  久しく眺めて感嘆たるものだった。

  牽制と陽動とを複数人に対し加え、
  全敵側の意識を自身に引き付けてみせる
  かの男の勇姿は猛々しくも優雅で、
  しなやかに踊る虎の様だと
  独りまた称した。

  雷光が閃き。
  金糸雀色が跳び回り。]

 
(83) 2021/04/22(Thu) 10:45:30

【人】 中隊長 アーサー



 [そうして創り出して貰った時間を費やし、
  此方の手は完成の形を成した。


  …何処か、虎の男は此方を龍の様だと
  称しているのには気付いていた。
  いつかに零してしまった言葉を拾ってしまったのか。
  何方かと言えば狐や蛇と言われた方が
  合う自負はあるのだが、強い響きで
  此方を称す其の心に敬意を表して。

  ふっと自身の剣に息を吹きかけ、
  爛々と赤く染まった刀身から火を生じさせる。
  其の様は龍の息吹にでも見えるだろうか。

  その火が強く、
  高く燃え上がれば ――    ]

 
(84) 2021/04/22(Thu) 10:46:24

【人】 中隊長 アーサー



 [―― 一人、また一人と
     動きの激しかった者から倒れ出すだろうか。
     次は後方支援の身体の作りが甘い者から。
     意識を失うまでは行かずとも、徐々に
     膝を着き喉元を抑え荒い息を
     立て出すだろう。


     残る意識と呼吸がある者は
     余程鍛錬を積んだ兵くらいだったか。]

 
(85) 2021/04/22(Thu) 10:46:41

【人】 中隊長 アーサー




 [仕組んだ手は簡単で、
  単純に肺の空気を燃やしてやったのだった。


  乾燥地帯、且つ優れた魔法具が
  露店でも売り出される様な国(>>0:124)では
  自身が扱える炎の魔法とは酷く相性が悪かった。
  牽制や装備の甘い野盗、また異国の兵士等
  効果のある相手に対しては惜しみなく使うが>>1:80
  こと国土内となると途端に無能にも
  等しくなる事もあった。

    ので
    一つ思考を凝らし
    無防備の体内へ仕掛ける術を磨いたのだった。

    表面を覆う防具のを縫う様に入らせ、
    体内に見えずも着々と酸素を奪う
    炎を発生させるその術を。]

 
(86) 2021/04/22(Thu) 10:47:53

【人】 中隊長 アーサー



 [対策も薄いこの魔法の強さは、今
  この現状が示している程のものだが。
  如何せん発動までにある程度の時間と
  消耗とを強いられなければ
  ならなかった。

  よって先程彼に伝えたのは
  かの時の様に先陣を切ってくれ>>1:48>>1:49
  というもので。


    意図を読み切ってくれた様で、
    その時間稼ぎと守備は
    成功の一助を大いに担ったのだった。]

 
(87) 2021/04/22(Thu) 10:48:28

【人】 中隊長 アーサー



 [同じ金糸雀色の軍服の彼女の事は彼に任せ、
  
消耗は誰にも気取らせない様に

  悠々とした足取りを以て、指揮を執っていた
  将兵の方へと歩み寄っていった。

  からりと、戦闘や陽動の際に壊してしまった
  木箱や壺やの破片が足元で音を立てて
  此方の来訪を相手に伝える。


    意識を奪う前にと止め、
    黒紅に戻った刀身を相手に突き付け
            相手に一言を送る。
              
              あの時と同じ声で、
                 同じ笑顔で。]

 
(88) 2021/04/22(Thu) 10:49:43

【人】 中隊長 アーサー



    流石
    国の要所たる関所を衛る将兵殿。
    
    *
 
(89) 2021/04/22(Thu) 10:50:09

【人】 第11皇子 ハールーン



 あ、そうだね!
 アンタル、これ俺が作ったお菓子なんだけど
 皆に、……皆と食べれたらと思って!
 俺ね、料理人になろうと思うんだよね!


[>>82ダレンに促されるまま、一応、言い方には注意を払った。何が誤解されるか解らないから、意図もちゃんと伝えて──これは執事試験でのあの騒動が役に立ってるかもしれないななどと振り返りつつ。]


 『──ほぉ!へぇ〜それはそれは、
  じゃあ早速茶を淹れさせようか!』


[アンタルがダレンに手を差し出す。無事に受け取ってもらう。

すると通路の奥、階段の方から『アンタル!』と高い声が聞こえた。そしてこちらへ駆けてくる小さい影が、隣の兄に飛びつくまでお時間少々。]


 『アルスラーン、こっち来ちまったか!』


[兄が笑いながら肩に抱き上げたその子の名は記憶にある。『アルスラーン』、もうすぐ6歳になる第16皇子だ。茶色の髪と薄緑の瞳に親近感が湧いた。]

                
.
(90) 2021/04/22(Thu) 14:14:29

【人】 第11皇子 ハールーン



 か……っ、かわいいね?!
 俺と同じ色だ〜! こんにちは!


[興奮しすぎて思わずダレンの服の裾を掴んで、同意を求めてしまった。
改めてその小さな弟に自己紹介をしていれば、また違う声が割り込む。どこか聞き覚えのあるその声。]



 「……ホント緊張感ねぇな、クソ兄弟。」


                
.
(91) 2021/04/22(Thu) 14:16:10

【人】 第11皇子 ハールーン



  ……イスマーイール……


 「アンタル、それ貸せよ。茶ァ淹れてくる
  ハールーン、オマエも来い。気になんだろ」


[自分とは違う白めの肌にオレンジの髪。歳は同じのその弟は、あの日毒殺を仕掛けてきた人物──第12皇子イスマーイールだ。

アンタルが苦笑しつつ呼び止めるも、さっさと給仕室へ向かっているようだった。ダレンに彼の事を口頭で簡単に紹介した。過去に何をされたかも含めて。]


 「──おい、早くしろ。」


[彼の言う『気になるだろ』とは、自分があの日から頑なに出された食事に手をつけなかった事に由来するんだろう。

"誰の手を通ったものか"をひたすらに気にしていた。もっとも、ここに居てそれを気にするのは当時の居住人数を考えると不可能で。それでノイローゼ気味になりながら別宅に逃げたのだった。

──少し、懐かしく思える程度には色褪せた記憶らしい。否、隣に居てくれる人のお陰で心強くいられるからかもしれない。
ダレンに目線を送って、返答する。]


 ……いま、行くよ!


*
(92) 2021/04/22(Thu) 14:18:43
[ 見栄っ張りなのかと伺うように問うてみたら、すんなりと肯、と帰ってきた為思わず笑ってしまった。これは諦念ばかりの笑いではない。]

 別に、気取ったりする必要ないのに。

[ こう言えば、彼にとっては甲斐のないことだろうか。彼がそうであろうとする意を汲み取れていないことはぼんやりわかるが、大事に思うこと変わりないとどうして伝えればいいのか惑う。
 或いは、自分が彼の望む姿であろうということも、彼に同じ様な気持ちを抱かせているのだろうか。

 胸内は言葉にならず、泣かないで、との自分の言葉に彼が笑みを作ってみせるから余計に苦しい。]

[ それから朝の口吻を、と彼が言う。唇が離れて暫く目を閉じたままでいた。おはよう、と掠れたような囁きに漸く目を開くと、間近に此方を覗き込むような彼がいる。

 あと何度、目を開けば彼がいる幸福を過ごせるのだろう。
 与えたものを同じ様に与えて欲しいと望まれもう一度触れ合った唇は、先よりも少しだけ長い。]*

【人】 宵闇 ヴェレス

 嬉しそう。

[ 折角褒めてくれているものを、あまりに無粋な反応だったかもしれない>>75。このワンピースは彼が気に入り勧めてくれたものだから、似合うようなら安堵の気持ちはある。
 けれど着付けないのは変わらないので、姿見の前で前に後ろに確かめてみたりする。布地の多い裾がゆったりとはためき膝が覗く。

 暁暗から夜明けまでは瞬く間で、石畳の上を歩むほど落ちる影は濃くなっていく。敷地内に放された鳥の鳴き声も遠くから響く。]

 子どもみたい。

[ 宿として改装されているのは一部の区域だけなのだろう。後は往時の面影を残したままの佇まいだ。城の中を見て回ろうとの提案にダンテも乗り気となってくれたのは嬉しいが、その理由が無邪気極まりない。
 笑いを抑えて口元に手をやる様に、子どもの頃の思い出とだけ受け取ってはいないことが知れるだろうか。]
(93) 2021/04/22(Thu) 14:30:50

【人】 宵闇 ヴェレス

[ ザクロ、オレンジ、りんご、バナナ、パイナップル、レモン、種類ごとに山と盛られた果実は目にも楽しく、中には人参などの野菜もある。見覚えのない果物も中にあり、聞いてみるとデーツというこちらで好まれる果実のようだ。一際目立つ山はザクロのもので、他のものの倍ほどの数が盛られている。よく注文されるのだろう、それならザクロを、と選ぶとあっという間に絞り機に掛けられ、卓に運ばれてくる。氷を満たしても居ないのに水滴が滴るほどに冷えているのは、盛りとは別に冷やしておいた果実を準備しているのだろう。
 ダンテはこちらの朝食の定番であるパンケーキを頼んだので、他のものを選ぼうとすると、やはりこちらでよく食べられているという惣菜のプレートを勧められた。数種類のチーズに、ツナやナスのペースト、卵料理。それにチョップドサラダなどが一皿に盛り付けられている。パンと合わせるといいと言われたが、食べきる自信がない。ダンテが注文したパンケーキは甘みのないものらしいので、それを少し分けて貰えないかとねだる。どのみち惣菜もすべてをひとりで食べきる気はないのでシェアだと言い張る。

 同じ異国での朝食であるのに、昨日と比べて随分と落ち着いて感じるのは、 腰を落ち着ける宿を見つけている為か、静けさの為か。
 この宿が喧騒から離れている為もあるが、こうしていれば治安を恐れる必要などないようにも思えるものを。]

 市場や街の方の雰囲気も好きだけど、少しだけ遠いのが難だね。

[ 遠いからこそ部屋から覗く展望であるし、自分でそれを望んだのだから文句がある理由もないが、気軽に行き来し難いのだけが残念だ。]**
(94) 2021/04/22(Thu) 14:35:13
 うーん……

[ 眠くはないかと尋ねられると歯切れが悪い。昨日からを思えば横になった方がいいような気はするが、眠るといえば彼が付き合わせてしまいそうな気がして憚られる。]

 シャワーを浴びたいなら。
 今日は湯船も使いたいな。

[ だから、シャワーを浴びたいのだと理由があれば渡りに船であったし、ダンテの気遣いに気を回すことができない程度、疲れていたのかもしれない。

 朝方支度をする為に簡単にシャワーは使ったが、折角足を伸ばせる湯船が備えられているというのに昨夜は使わなかった。

 一度部屋に戻り、彼が湯を浴びる支度をする間に寝台に横たわり夕方には王宮に行く? と聞いた。
 彼に他に出向きたい場所があるのなら、少し早めに出た方がいいという思いと、昨日と異なりきちんと起こして欲しいとの念押しだが、次に彼が浴室から姿を見せるまでに、すっかり寝入ってしまっていた。]**

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>90主が意図を含めて説明したお菓子を、アンタルに差し出して受け取ってもらった。
 そこへ現れた少年は主と色合いが似ていて、思わず主の幼い頃を想像した]


  可愛いな……。
  こんな幼い方もいらっしゃるのだな。


>>91同意を求められて頷いて、幼き皇子に跪いて自己紹介をした。
 >>92次いで現れた皇子のことを主から聞けば、共に行かないわけにはいかなかった。

 兄弟の差し入れたお菓子に浮かれて飲み物を用意する兄弟たちと思えば微笑ましいのに、その裏にある事情を知れば気が重くなる光景だった。
 主が望む『ふつう』の暮らしは、ここには無いのだろう。

 では、主が望む暮らしはどうすれば実現できるのだろうか。この国の中で果たすとするなら、国王が決まってもらわねば始まるまい。
 一介の従者にできることなどありはすまいと思いながらも、少しでも理想に近づける方法を探していこうとダレンは密かに考えていた]**
(95) 2021/04/22(Thu) 16:35:11

 気取ってるわけじゃないんだよ
 格好悪いことをしたくないだけで…

[ 語尾は尻すぼみになっていたかもしれない、]

 うん、普段通りでいいってことだよね

 そうありたいな

[ 彼の前では、本当に自然にできることとできないことがある。頰にヴィの手のひらが触れて、彼の体温は自分の人種にとっては幾らか低くてひんやりとして心地いい。
 抱きしめているのは自分なのに、熱のある子供が額に冷たいものを乗せてもらった時のような気持ちになる。いつの間にか目をつむっていて、

 睡眠は心地よいが彼といる時は本当に眠りたくないと思ってしまう。*]

[ 翌朝、額に口付けを一つもらったというのに、不意打ちだったのだからと、長椅子のまえでもう一つと強請った。

 ヴィは目を閉じ睫毛は長く銀色で、頰に手を添えて指先で触れて見たいと思いながら、それを我慢した。

 彼が目を開けば想像通りの緑の瞳がこちらを見ていて、薄暗い部屋で光を集めとても綺麗だ。

 要望は通るだろうかとじっとしていたなら彼が顔を寄せてくれたので、今度は自分が眼を閉じてそれを待つ。彼の冷たい口付けが額に届いて、目覚めた時より少し長くて自分は嬉しげに笑っただろう。*]

【人】 祓魔師 ダンテ



 嬉しいよ

[ 自分の見立てが間違ってなかったのか、彼が何を着ても似合うのかはわからないが。思った通りかそれ以上かのものが見れたなら単純に嬉しいものだ。
 しかも自分のわがままに付き合ってくれたようなものだ、その気持ちが嬉しい。

 可愛い綺麗だとか、ヴィに言っても、彼にとってはあまり意味をなしていないのかなとは思ったりする。彼の種族的な特性として、自分のような世界を占める大多数の人種が好むような姿なのは、猫が猫のまま可愛いみたいなもので、そういうものだからくらいの感覚なのかもしれない。推し量るばかりだが。]

 ふふ、子供の時のやり残しだから、大人がすること

[ 子供みたいというからそう答えて。とはいえ、凝った作りの宿に泊まることが今後もあるなら毎回同じようなことは考える気もする。

 自分の話を聞きながら、彼が笑いを堪えるような仕草をしていたから、こんなつまらない話でそんな反応をもらえるならと何だか喜ばしい。
 それから口元を抑える仕草に少し笑って。*]
(96) 2021/04/22(Thu) 17:06:02

【人】 祓魔師 ダンテ

[ スタンドには色とりどりの果物と野菜もいくらか積まれていて、目移りするほどだ。ヴィは多めに積まれていたザクロが人気なのかだと判断して、それを選んだようだ。
 地元の人に人気なら触れて見たいのはわかる気がする。]

 ザクロの実を一つ一つとるのがもどかしいってなるのに、こんなに果汁が取れるんだね

[ 届いたグラスは赤い液体が満たされて、グラスは結露しているからよく冷えているのだろう。氷で薄めることもしないから果実だけの味が楽しめる。

 自分はしばらく考えたがお任せで野菜ジュースを作ってもらった。旅先で急遽パランスとか考え始めるようなアレだ。]

 うん、もちろん

[ ヴィがシェアしようというから即答した。主食だけ決めたのはヴィが何を頼むかを見てから考えようと思っていたからだが、偶然かちょうどサイドになりそうなものを彼が頼んでくれて少し笑う。]

 足止めされて仕方なくってのを忘れそうになるね
 もっと安全なときに立ち寄りたかったな

[ ゆっくり朝食をとり、締めにはコーヒーまで。市街地の喧騒も普段なら好ましいのだが、この国の前提を考えるなら緊張も伴う。

 だから自分としては、少し離れたこの場所でよかったとも考えてしまうが、各地の風土や文化など興味ありげなヴィとしてはもったいないと考えてしまうんだろう。*]
(97) 2021/04/22(Thu) 17:08:01
 
 じゃあ一度部屋に戻ろう
 
[ シャワーの水音はしていたがそういえばヴィはゆっくり足を延ばす機会はなかったなと。
 先に湯船を使っても良いよと伝えたがそこは遠慮されてしまっただろうか。

 自分が湯を浴びたいということを言い訳にしてしまったのが裏目に出てしまった。]

そうしよう、あかりが灯るところを見てみたいよね
 王宮の近くなら逆に安全だと思うし

[ がさごそと荷物を漁りシャワーを浴びる準備をする間そんなやりとりをして。浴室から戻った頃には彼は案の定というかヴィは寝息を立てている。
 計画通りというのはこのことだろうか。]

 寝ちゃった?

[ ベッドのそばで一応の声をかけたが返答は期待してない。今日こそは書き物を進めておきたい。覚えておきたいことがたくさんある。
  日が陰ってきたらバスタブに湯をためておこうかなとか、それはやりすぎだろうかとかバカなことを考えていた。**]

【人】 第11皇子 ハールーン

─ 給仕室 ─


 「皿は下の棚の左にある一番デカイ奴使え。
  茶葉はモスグリーンの棚。茶器はその上。 
  壊すなよ。人数?知らね。6人でいーんじゃね。」


[──なんて事を、コンロ台に足を組んで座りながら上から目線で一気にまくし立てるもんだから、俺は流石に開いた口が塞がらない。あの頃と全く変わっていないのだ。
変わってないといえば、この給仕室も何年経っても真っ白のまま。鮮やかな濃いブルーとターコイズ、ウルトラマリンのタイルが幾何学模様を描いていた。コンロの上に備え付けられた棚はモスグリーンの石造り。コンロしたの棚のドアは昔から木だった。ここだけなんで材質が違うんだろうと、今も同じことを思う。それはさておき、]


  ……ちょっ、なんで命令してんの?!
  俺がやる!

 「オマエ相変わらず莫迦だな
  何の為の従者なんだよ。仕事を奪うな。」


[そういえば、といった雰囲気で俺はじっとイスマーイールを見つめた。実に嫌そうな怪訝な顔で見つめ返される。]


 「……何?」


  イスマーイール……従者居ないんだ。


 「殺してやろうか???」
                
.
(98) 2021/04/22(Thu) 19:40:21

【人】 第11皇子 ハールーン


[引きつった笑みで零された物騒なセリフに、思わず笑ってしまった。こんなやり取りを、ダレンはどう思ってるんだろうか?さっき伝えた情報が冗談みたいな雰囲気にみえるかな。
だけど、そう思ってるのは俺だけかもしれない。憂鬱そうなセリフが続く。]


 「もてなしてやってんのに何その態度
  ホント腹立つ野郎なとこは変わってねぇ
  昔からトチ狂ってんだよな。」


  それ、俺のこと毒殺しようとした人が言う?!


 「……昔からそう。皇子の自覚がねンだよ。
  家のために強い奴が残るのは当然だろ。
  弱ぇヤツまで大事に保護なんかしてたら
  秒で財政破綻の未来が見えるわ。」


[『財政破綻』という単語に少々面食らう。確かにそんなこと、考えたことなかったかも知れない。イスマーイールの言葉はそこで終わらなくて]


 「オマエの主観では悲劇かもしんねェけど、客観、
 『皇子の自覚もなくフラフラと逃げ回った挙げ句、
  特に用もないのに男連れで帰ってきた不良債権』
  って状態なの、オマエ解ってんの?」


[そこまでいって、何かに気づいた様に口を噤む。俺は、返す言葉が見つからなくて、ただ、相手から目を離さない事しかできない。]
                
.
(99) 2021/04/22(Thu) 19:45:37

【人】 第11皇子 ハールーン



 「……悪い。言い方誤った。

  けど、お前は全然解ってない。
  こうやって生まれてきたんだろうがよ。
  死ぬのが嫌なら、大人しく言う事聞いてりゃ
  不自由なく暮らせるだろうが。」


  ──大事にしてる、ものが、違うだけ、
  じゃないかな……


 「…………そうやって馬鹿にした目で見るオマエが
  ずっと大嫌いだ。帰ってくんなよ。」


[酷いことを言われてる気はするのに、俯向いてこちらを見ないこの弟の方が傷ついてる気がして、何も言えなくなった。

こんな事を考えてるなんて全く思いもしなかったから、思いやる様な返事はできなくて。自分を正当化してしまっただろうか。でもそれも分からない。

重い空気になってしまったと、ダレンを気にしたら、同じタイミングでイスマーイールが声を投げる。]

                
.
(100) 2021/04/22(Thu) 19:49:11

【人】 第11皇子 ハールーン



 「──おい、出来たか?
  こんだけ喋ってんだ流石に出来たろ。」


[皿に並べられた菓子類を『悪くないじゃん』と眺め、胸元から取り出した指輪を嵌めて、皿の上にその手を翳す。]


 「ふーん。なんも盛ってねぇな。OK。
  行くぞ。」

  ……えっ、何それ、なにか分かるの?


[指輪を外して仕舞いながらさっさとキッチンの外へと踵を返す彼に問えば、毒殺防止に職人に特注で作らせたものだという。石の変色によって毒も数種類見分けられると簡潔に教えてくれた。それから、背中越しにひとこと。]




 「……アンタルが味方だとか思うなよ。」



[それについては、彼はもう口を開かなかった。]*
                
.
(101) 2021/04/22(Thu) 19:57:06

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>98主についていくと、イスマーイールがまくし立てる。
 はて、誰に言ったのだろう──と、ダレンはきょとんとした。

 というのも、自分の主以外から命令される可能性を考えていなかったのである。
 「俺がやる」と言い出す我が主を見てから、もしかして自分が言われたのかと思う有様であった。

 さすがに主の手を煩わせるわけにはいかず、他に誰もいないのならダレンがやることになっただろう。
 主がどうしても自分でやりたかったのなら手伝うことになろう]
(102) 2021/04/22(Thu) 20:14:32

【人】 第11皇子の従者 ダレン

[イスマーイールの物騒な言動>>98は軽口の範疇と受け取ったものの、主への侮辱>>99は聞くに堪えなかった。

 とはいえ主に争う意思がないのに従者の己がぶち壊すわけにはいかず、視線を逸らして聞かないふりをしていたが。
 ダレンの表情には怒りが滲んでいた。

 それは主に様子を窺われたとき>>100に気づかれてしまったかもしれない]
(103) 2021/04/22(Thu) 20:15:46

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>101毒がないか見極められる指輪の存在を知ると、魔法具の優秀さに目を瞠った。
 毒見で死んだり障害が残ったり、そういう不幸な使用人が出なくなる。
 もっとも、そんな魔法具が普及することがあれば毒自体が使われなくなってしまうのかもしれないが。

 背中越しに言われた言葉には、何とも言えない思いが浮かんだ。
 アンタルの人当たりの良さは、弟を懐柔したいだけなのだろうか。味方は多いほうが良いのは確かだが。

 こういった、腹に何があるかわからない者たちの世界は性に合いそうにない──と、ダレンは心中でため息をついていた]*
(104) 2021/04/22(Thu) 20:16:10
第11皇子の従者 ダレンは、メモを貼った。
(a9) 2021/04/22(Thu) 20:16:32

 




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