人狼物語 三日月国


69 【R18RP】乾いた風の向こうへ

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【人】 祓魔師 ダンテ


 あはは、なるほど。食べる時面倒だなって昔思って、それにあんなに果汁が出るとも知らなかった。

[ ヴィが指し示す先を眺めていたら、別の客が頼んだものだろうザクロのジュースが作られている。半分に切った実に圧をかければ赤い液体が滴るのが見えた。
 血みたいだなと少し考えてしまったが、何となく黙っている。

 ザクロは自国では珍しい食べ物で、何かの時に一度食べたきりだったから、知らないことはたくさんある。こうして旅をして知る事もあるんだろう。]

 ん? 
 君とならどこに行っても楽しいだろうなって

[ やっぱり理由なんていいと言われたがそう答えた。本当は旅人と宿の提供者という一期一会で終わる関係を自分が延長したかった。
 いつか、旅行しない?と自分は尋ねたんだったか。旅が無理でもまた彼の元へ遊びにいくつもりでいたのに、返答は「何処にいく?」と一足飛びのもので。
 
  それに彼を伴わない遠出があったとして、何か綺麗なものや美味しいものに巡り合ったらヴィにも見せたい食べさせたいと考えるようになった。]

 …

[ 一度口にしたことを撤回するのは珍しく、その上無表情を務めようとしているから少しのおかしみがある。何を考えているのかはわからないのだが、そう悪いことでもなさそうで自分は笑っていたかもしれない。**]
(125) 2021/04/22(Thu) 23:02:33
[ シャワーを浴びてからしばらくは窓際で、昨晩から今まで、見たことや思ったことなど、メモに書き込んでいたが、だんだんに眩しくなってきたから長椅子に移動した。

 ヴィの眠っている場所は天幕で遮られてはいたが、レースのカーテンで窓を覆っておく。

 風が吹き込むようで涼しく室内は心地が良い。自然なもののようだが、魔法の道具が使われているというのが不思議だ。]

 え?もうおきちゃったの?

[ だんだん飽きてきて、持ち込んだ本をめくったり今日の新聞を読んだりしていたら昼少し過ぎくらいにヴィからの問いかけ]

 ちょうど集中できなくなってきたから、何か食べにいこうかなって考えてたところ

[ 何となく、日が沈む前までは眠るものだと思っていたから、割合早い目覚めに少し驚いたのと、嬉しさと。]


 君は何か食べる?
 ルームサービスを取ろうか
 酒も飲めるし

[ ふふと笑って、いっぱいにはいなら夕方出かける時には抜けているだろうと思い堕落の誘い。*]

【人】 第11皇子 ハールーン



[その声の方に、視線など向けられない。

一日だって忘れたことはなかった──なんて、そんな事実を思い起こすのも口に出すのも嫌だ。
油断していた。来ないと言われていたし、実際居なかったから。

衝動的にダレンに縋りたくなるのを拳を握って堪える。]


 「水臭いね、アンタル。教えてくれたのなら
  予定は開けたのに。愛しい弟に会うための時間
  ひとつ作れないなんて、王たる者失格だろう?

  イスマーイールが教えてくれなかったら
  危うく機会を逃すところだったよ」


[無表情のままカップに口をつけるその弟と、薄く笑うイスハーク。

当然のように自分の隣へ座る彼の、二人の従者はソファ近くへ。連れ歩く兵団の一部は広間の外で待たせているのが見える。

一脚余ったティーカップは"そういうこと"だったのかと、今気づいた。乳母達が足早に、空いたカップへいつの間にか用意されていた淹れたての紅茶を注ぐ。]

                
.
(126) 2021/04/22(Thu) 23:15:22

【人】 第11皇子 ハールーン

 

 「へぇ……これおまえが作ったのか。
  大したものだね。あの頃は泣いてばかり
  いたのに。」


[優雅に躊躇いなく菓子に伸ばされる指は、それをその口へ運ぶ。その光景をただ見ていた。何も出来ないまま、声が出せなくなるのはあの頃と全く同じだ。呼吸が浅くなって無駄に動悸が早くなるところまで。
目は合わせていないのに、蛇に睨みつけられたネズミのようだ。]


 「うん、美味いな。ハールーン

  どうぞ?」


[一口齧られたショートブレッドを差し出されるというその行為を、一瞬、うまく把握できなかった。
眼前の、その菓子を、食べろというのだろうか。この、自らも毒でできたような人間の食べかけを。


毒物の扱いに長けているこの兄は、当然のように自身で効果も調べている。何度か倒れて居るのを見たことがあった。次の日にはケロリと笑って話すものだから、それもなお不気味で。──兄弟の間では、彼は体液は当然のこと、髪の先から爪の先まで余すことなく毒物であるという認識だ。

──あの指輪はしていない。

視線が自分を透かして後ろに注がれるのを感じた。ダレンを見てるのだと解ると、その後に発せられる最低な言葉の予想をしてしまった。

この場所では誰もイスハークに逆らえない。出来るとしてアンタルだ。けれど自分の従者を守れるのは自分だけなのである。]

                
.

 
(127) 2021/04/22(Thu) 23:19:05

【人】 第11皇子 ハールーン


[アンタルの静止が聞こえたような気がしたが、お構いなしに咀嚼して飲み込んだ。差し出された中途半端な形のそれを。
こんなところでまさか自分を殺したりはしないだろうと読んだが、何かを冷静に考える余裕なんてない。]


 「──何を考えてる?」


[ゆるく笑ってこちらに問う声に気付いたときには、距離はゼロになる。イスハークの左腕が大蛇のように自分の半身に絡む。頭を支えられて動けない。

アンタルの静止が強く入る。それでも腕は外れない。外すわけないと思ってしまう。]


 「ははは、可笑しいな。兄弟の抱擁に何を
  そんなに動揺することがあるんだい?」


[朗らかに、低く良く通る声は、よく伸びて場を征す。
思えば初めて触れられている。幼い頃からこの兄だけは恐怖で、ずうっと逃げ回っていた記憶しかない。]


  ぁ、……


[あの頃と変わらない空気に、忘れていた記憶が引きずり出される。身体は強張って冷たくなった指先が震える。ふわりと漂う甘く独特な香りが目眩を起こしそうで、ぎゅっと目を瞑って息を止めた。

どれだけどんな禍根があっても『兄弟』という言葉がそれを片付けてしまう。
そこには『従者』など、割って入れるものではなく。]

                
.
(128) 2021/04/22(Thu) 23:24:15

【人】 第11皇子 ハールーン



 「…………つまらなくなったねハールーン
  逃げ回るおまえの方が、よっぽど皇子だった」


[低くつぶやく声と共に、爪の長い指が頭髪の隙間を割って入る。皮膚を舐める尖った感触に肌が粟立ち、思わず回されてない片腕を掴んだ。抵抗になどならない程度の抵抗だ。

その爪が皮膚を破れば何らかの毒が回る。そんな想像をしてしまう──多分合っているのだが。]


 「……小さいね、ハールーン。ちゃんと
  栄養とらないと大きくなれないよ?

  ──菓子類じゃなくてね。」



[ゾッとさせられる耳元の響きに、無理矢理に意識を開かせられるこの感覚に──やっと目が覚める。

この人は意味のある言葉しか言わない。言に魔を込める人だ。表と裏などではなく、多角に光る鉱石のように。黙っていれば捕らわれてしまう。頭にこびりつかないよう意識を閉じて『跳ね返す』]



  っちゃんと、食べてる、よ……

  お菓子は、好きなんだ。
  俺に生きる道をあたえてくれたから……

                
.
(129) 2021/04/22(Thu) 23:27:48

【人】 第11皇子 ハールーン



 「……んふっ、くっくっくっ……」


[いやに嬉しそうに溢れる笑いがひたすらに気味悪く脳内に響いて、]


 「そう……じゃあおまえは
  "それに従事する"人になりたいの?」


[言い方を妙に思う。やっぱり『菓子』が指すものはそれ自体じゃない気がした。意図をやや外して答える。]


  ──俺、は、料理人になりたい
  みんなに、笑顔になってもらえる料理を、
  作る人になりたい……それが、俺の道だと思う、
  から。


[声が震えないように、決意をもって発声した。この気持ちは決して嘘じゃない。
目線を、合わせなくていい体勢になってるのは不幸中の幸いだと思った。]

                
.
(130) 2021/04/22(Thu) 23:31:54

【人】 第11皇子 ハールーン



 「そう…………良かったね。
  ならば定期的に持って来るといい、此処へ。

  僕も甘味は好きだからね。酒に合う。
  身内から忌憚のない意見を貰うのは
  悪くないだろう?」


[おまえも自分で作ったものなら食べられるだろうからと、そう言ってイスハークは腕を緩め──"ひとこと"告げて離れた。他の誰にも聞こえないような、微かな、けれど確かな音を。]



 
『おまえはウスマーンのようには、ならないよね?』




                
.
(131) 2021/04/22(Thu) 23:35:56

【人】 第11皇子 ハールーン



 「……では僕はこれにて失礼するよ。
  御馳走様、ハールーン。
  
  ──戻ってきてくれて、嬉しいよ。」


[離れた腕の感覚だけを、確認して。あとはもう何も、耳に入らなかった。ただその兄の姿が消えるのを見送った。それが本宅での最後の記憶となる。

その場で、自分は意識を手放していた。]**

                
.
(132) 2021/04/22(Thu) 23:40:51
第11皇子 ハールーンは、メモを貼った。
(a10) 2021/04/22(Thu) 23:44:41

【人】 宵闇 ヴェレス

 うん。思い出したらね。

[ 急かなくとも、まだ時間は充分にあるのだと思いたい。
 そうして自分が思い出したというように、市街地と異なり必要もなく、今はふたまわりも大きい彼の手に指を掛け、薄明の石畳を歩く。]

 僕らの故郷じゃあんまり見ない果物だものね。

[ 種明かしをすると、流通の良い現住の国の、市で屋台が出ていたのを見たことがある。汁を絞るのではなく実をそのままカップに盛り匙を差したものを並べて売っているのも見たから、粒を剥くのが面倒なのは多かれ少なかれ誰しも思うものなのだろう。

 幾つかの実が割られては絞られ、屑箱に捨てられまた絞り機に挟まれ赤い汁を垂らすのを目を細めて見る。]

 楽しいよ。

[ 今のは無し。そう遮ったと言うのに律儀に彼は答える。]

 今も楽しい。

[ 楽しければいいと言ったのは彼だと言うのに、今の自分の気持ちこそ告げる。何度もこうして伝えられる時に伝えなければいけない気がした。それが許される間に。
 旅へ行こうと誘った彼の言葉が気紛れであっても、行き摺りの彼がまた訪う幸運が50年後の先であっても、多分自分は、ダンテと過ごした数日を、得難くしめやかに輝く想いとして、繰り返し胸に反芻していただろう。

 当のダンテは何だか面白げに此方を眺めていたので、次第に膨れ面になった。]**
(133) 2021/04/22(Thu) 23:45:43
 よく寝たよ。

[ 寝台の上に起き上がると大きな欠伸とともに伸びをする。朝食を採った後からすると、4、5時間は寝ていたのではないか。]

 そろそろ退屈してたんじゃない?
 お酒、お酒飲んだあとダンテ出掛けられる?

[ 昼を摂ったかと聞けば、部屋で摂ろうかと応えが返る。
 既に酒に弱いという前提で答えている。基準は自分である。]

 僕はお酒だけでもいいけど。

[ 昨日取った干葡萄とチーズが、些か干からびながらまだ残っている。それを肴に食べれば充分。後はダンテが頼むものを横合いから摘めばいい。

 酒だけでいいと答えて、それから不意に黙り込む。ダンテをじっと見詰めたまま、黙り込んでいる。]**

仕立て屋 アルフレドは、メモを貼った。
(a11) 2021/04/22(Thu) 23:54:07

【人】 祓魔師 ダンテ

[ 思い出したらと自分は気軽に言う。彼の心中は知らないまま。一年二年と積み重ねていく間に、ダメになってしまう事は多い。
 だけれど、ヴィは自分が悪い変わり方をしなければ、いつもあの駅の国にいてくれるような気がしていた。

 自分にとってはこれから先の長い時間、彼とできるだけそばに居られたらと思うのに、
 ヴィにとっては短い時間だ、四十九年周期の出来事をまるで数年前のことのように話す。]

 うん、僕も楽しい

[ ただ二人で食事をして、同じものを見て、今はザクロが絞られている光景とか、木漏れ日のキラキラしたところとか。

 それだけだというのに、彼が楽しいというから、ヴィからすれば自分は無邪気ともとれるような同意を返したことだろう。

 注文した食事が届いてパンケーキの三枚のうちのひとつをヴィに、それからオムレツやサラダなどの盛られたプレートを二人でつまむ。そのうち2/3は自分が食べてしまった気がするが。]
 
 
 眩しい?

[ ヴィの表情が、眩しいものでもみるようだったから、そんな風に尋ねて。皮膚だけでなく夜目の効く彼の瞳は強い光に弱い。
 そうじゃないとわかったのは自分が彼を見て面白そうにしていたせいで、珍しくヴィがムッとした顔をしたからだ。*]
(134) 2021/04/23(Fri) 1:08:55

【人】 祓魔師 ダンテ



 そうだ、海を二人で見られるから
 やりたいことはまた一つ達成できるよ

[ コーヒーが届いた頃、自分が思いついたようにそんなことを言った。

 この国を離れられたら次は海を二人で見られる。厳寒な地方に住んでいたから、海といえば冬の灰色の厳しいものしか思い浮かばない。ヴィも多分同じような光景を海の印象としているのではないかと思う。

 だから、もっと青くてキラキラとしたものを見てみたい。*]
(135) 2021/04/23(Fri) 1:09:48
[ ヴィの言葉が本当かなと、彼の様子を眺めればしゃんとしていて。無理をしておきたのではなさそうだ。昨晩少しとはいえ眠ったのも関係しているんだろうか。]

 うん、じっとしてたから疲れた

[ ルームサービスを頼もうかと言いながら伸びをして、そのあとの言葉は彼なりの冗談なのかと思ったがどうやら本心から出た様でわざとらしくため息をつく。]

 流石に昨日買ってきたアラックを開けるなら自信はないけど、

[ ヴィが強すぎるんだよとぶつぶうと言いながら、食べ物は特別要らないというから飲みたいものを訪ねようと彼に視線を向ける。]

[ すると彼は突然に黙り込んでこちらをじっと見ていた。天幕の向こう、影の濃い場所に、いつもより小柄な彼が広い寝台の上にぽつんといるから何となく寂しげに見えて歩み寄る。]

 手に触れてもいい?

[ 許されるなら膝をついて両手で彼の片手を取り、指先に口付け頰で触れる。返答がなければ跪くだけにして。どうしたのと彼の言葉を待つ。**]

【人】 放浪者 イシリオン


[ その店を初めて訪ねた深夜。

 明かりを消した宿の部屋の窓辺から星空を見上げていた。
 空に星々は瞬いていたが、月の横顔は冷たく映る。

 いったい何処へ散らばってしまったのだろう。
 彼の人の魂は―――― ]
(136) 2021/04/23(Fri) 1:39:31

【人】 放浪者 イシリオン



  …明日には、不足のお金を持っていかないとね。
 

[ 他所の国で仕入れたものを、またこの国で売れば
 そこそこ良い値がつくだろう。

 重要と供給のバランスというのは不思議なもので
 ある国では当たり前のようにある品が、
 別の国では希少なものであったりする。

 そうやって売り買いをしながら旅をしてきたから、
 すっかり商売にも慣れたものだ。

 明日は市場の店も少し覗いてから、
 あのアルフシルバーという店へと向かおう。 ]*
(137) 2021/04/23(Fri) 1:42:29

【人】 放浪者 イシリオン

― 住宅街・仕立て屋アルフシルバー ―


  こんにちは。

  昨日は、どうも。
  ええと、代金をもってきたのですが…


[ >>110>>111 店内には先客がいたようである。

 お忙しいようなら、あとで来ますが、と声を掛けて。 ]**
(138) 2021/04/23(Fri) 1:49:27

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>138ああ、どうも。

 ほれ、ちゃんとした客が来たんだ。
 冷やかしは帰りな。

[適当にだべっていた男を体よくあしらう
男は対してわかったわかった、また今度なと言いながら店を出る。でかい図体と顔のわりに身のこなしは軽やかに見える。]

 おーけー。
 大丈夫だぜ、ちゃんと取り分けてるんだ。

[ドアに視線を移し、ちゃんと移動したのを確認すると箱を持ってくる。外面は武骨だが、中身は傷つかないよう丁寧に並べてある。]
(139) 2021/04/23(Fri) 2:07:19

【人】 仕立て屋 アルフレド

 そういやさ。この国に流通しずらい、アクセサリに使えそうな金属や布の材料―いや製品とかでもいいが。そういうのを扱うこともあるかい?

[間違いがないか確認してもらって、代金を受け取れば商談成立になる。そこで彼の目的を>>1:108思い出して切り出す。異国の地に売るとなれば、異国の地で買うのだろう。」

(見識を深めることは良いことで重要ってね。それに珍しいものに目がなさそうな連中に対して、な。)**
(140) 2021/04/23(Fri) 2:20:14

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>126姿を現した声の主は、この場にいる皇子たちの中では最年長に見えた。
 その彼に主が視線を向けようとしないのを見て、相当な禍根がある相手なのかと察する。

 >>127食べかけの菓子を差し出すのは、本来なら安全の証明だろうけれど、それは既にわかっていることのはず。
 かの皇子の意図を察しかねて戸惑っていたら、主は差し出されたものを食べて飲み下した。>>128

 続く2人のやり取りを固唾を呑んで見守っていれば、奇妙な言い回し>>130がダレンの意識にも残った]
(141) 2021/04/23(Fri) 5:53:28

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>132後に思い返してみればほんの数瞬、だが見守っている間にはどれほど長く続くのかと気が遠くなるような時間のあと、かの皇子は去っていった。
 それを見届けた主がふっと倒れ込むのを見て]


  ハールーン殿!!


[慌てて駆け寄り、抱え起こして息があるか確認を試みた。
 無事でもそうでなくても、目覚めるまで主を宮殿内の彼の自室で休ませたいと他の皇子たちに頼み込む。
 叶えば主を抱き上げて運び、目を覚ますまで傍に控えて見守っているだろう。叶わなかったなら宮殿から主を連れ帰ることになるだろうか]**
(142) 2021/04/23(Fri) 5:54:14
第11皇子の従者 ダレンは、メモを貼った。
(a12) 2021/04/23(Fri) 5:55:08

 外出してもよかったのに。

[ 凝った身体を解すように彼も伸びをする。
 応接室の卓には彼がいつも書付けに使っている手帳や万年筆が置かれている。手帳は閉じられているから、書き加えた内容の墨は乾き、暫く前に作業は止められているのだろう。

 そう言いながらも起きれば宿の室内に真っ先に彼を探し、姿を見つければ安堵する。]

 それは今は僕も遠慮したい。

[ 拗ねたように自分が弱いんじゃないとかなんとか、呟く彼に一頻り笑う。
 物言いたげに彼を暫く見詰めていると、腰掛けから立ち上がった彼が此方へ歩み寄り自分の手を取った。まるで貴重なものかのように許可を請うて、指先に口吻け、頬で触れる。]

 起きたから。

[ 歯切れが悪い。目覚めの口吻は朝だけなのかと、当然ではなかった筈のものが与えられると、それを当然のように強請りたくなるから、どこまでも強欲だと思う。]**

【人】 宵闇 ヴェレス

[ 一月、二月流石に足留めされることはなく、悪くて数日だろうと>>0:2国境を務める公吏は言った。明日か明後日かこの国を経つことになり、そうすればおあずけされた海にようやく辿り着く。]

 青い方の海。

[ 故郷も国の一辺を海に接する形だったが、それは断崖の下に白い泡の波をぶつけるものと、鈍色に光る港のものだ。青い海など、物語か海を内装に模したカフェ>>1:174でしか見たことがない。]

 楽しみだね。

[ 夜には波打ち際が発光する様子も見られるという。昨晩買い付けたこの地の酒を、それを眺めながら呑むのもいいかもしれない。

 また目を細めたのは今度は気分を害したのではなく、陽の角度が変わって疎らに差す木漏れ日が、そこに彼がいる風景があまりに眩しかったからだ。]**
(143) 2021/04/23(Fri) 7:20:49

【人】 中隊長 アーサー



 [後の流れは綺麗なもので、
  ダイゴは同学の友に言葉を投げかけ
  その身を引き取り。>>123

  此方は紙製の伝書鳩に言伝を載せ
  副官へと向け飛ばす。
  後の始末は此方の名の下、
  彼やその補佐官達が早急に付けてくれるだろう。

  …とは言っても、
  既に二度目の鼻を挫かれたかの将兵は撤退。
  再襲撃する気も起こさないだろうし、
  これで完膚も無く此方の要求を呑むだろう。
  結果としては良好であった。


    目下一番の懸念点と言えば
    彼に事の真意を問い質される事だろう、が>>123

 
(144) 2021/04/23(Fri) 7:47:59

【人】 中隊長 アーサー




    やれ、やはり
    お前に動いて貰ったのは正解だったな。

    随分と手間が省けた。

    約束通り飯を奢ってやろう。
    次の機会にでも、な。


 [そう、何時もの顔をして
  一度か立ち去るだろう虎に投げかけた。

  陽の光は既に昼を告げており
  直射に目を焼かれそうにはなる、が
  久し振りに躍動したからか
  何処か清々しくも
  感じていた。
  

         
乾いた風がまた一つ吹き抜けて。



 
(145) 2021/04/23(Fri) 7:51:04

【人】 中隊長 アーサー



           ―― Re1# ――
   
尖兵も守兵も全てを取られ、裸の王は何処へ征く


              **
 
(146) 2021/04/23(Fri) 7:52:15
[ そばに寄り、許されれば手を取って指先に口付け頬で触れた。寂しげに見えていたが近づけば言いたいことがあるのを我慢しているように見える。]

 …

[ それから、起きたからとだけ一言を彼が呟いて、自分は暫く血の巡りが悪くて気付けた時には破顔してしまったと思う。]

 君が好き

[ 昨日の夜中に返し損ねた言葉を添えて、立ち上がり彼のひんやりとした片手も名残おしかったが離して、彼の頬に手を添えて目元と頬に口付け。
 それから大きな犬がするみたいに額で彼の髪に触れた。**]

 




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