人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

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【人】 水面 禎光

 
 
 七瀬と瀬名。
 生きることの楽しさを教えてくれた、ふたりの天使。
 キミ達に出会うまでは死んでいるようなモノだったよ。
 
 すぐにお姉ちゃん風を吹かせたがる七瀬も
 対等じゃないとすぐにヘソを曲げてしまう瀬名も
 僕にとっては どっちも大切なんだ
 陳腐とも、不誠実とも思わない


           ──── どっちも、愛してる

 
 
(42) 2023/05/11(Thu) 23:58:07

【人】 水面 禎光

 
 
 瀬名を救うために七瀬が狂ったのなら。
 
 そして真実であれ、虚構であれ
 賽は投げられ、もう取り返しがつかないのなら ───


      よろこんで" 大切な他人一人分 "になるさ
      七瀬と瀬名の未来のために
      僕も一緒に 狂っていたい

 
 
(43) 2023/05/11(Thu) 23:58:11

【人】 水面 禎光

 
 
 「 七瀬! 違うだろ!! 」
 
 
 ふたりがいる部屋に戻った時、
 視界に飛び込んだのは 自身の胸元に刃を当てた七瀬の姿。
 その刃は僕に向けられるべきじゃなかったのか?
 僕は全力で駆け寄り、刃先を掴むべく手を伸ばす。
 
 少しでも七瀬が怯んだのであれば ──
 迷い込んだ花びらを鮮やかに染めたのは
 僕の手のひらから零れ落ちた紅だったろう。**
 
 
(44) 2023/05/11(Thu) 23:58:17

【人】 火澄 七瀬




 「 ありがとう。お願いするね。 」


 そう言って手渡した薄紅の傘は、>>34
 思いのほか高くまで上がりました。

 …… 私の幼馴染は、いつの間にか
 随分と背が伸びていたようです。

 出会った頃は、男女の身長差が顕著になる前。
 禎光が病弱だったこともあってか、
 そこまで差は無かったように思います。
 
 
 
(45) 2023/05/12(Fri) 10:56:40

【人】 火澄 七瀬

 


 歌を褒められれば、気恥ずかしさはありましたが。
 嬉しい気持ちもありました。
 
 姉である手前、あまり表には出しませんが。
 私は案外単純なんです。
 先程のつまらなさは、
 くすぐったい物へと変わっていました。

 思慮深く、他者を配慮を欠かさない禎光は、
 いつだって私達の欲しい言葉をくれるのです。
 
 
 
(46) 2023/05/12(Fri) 10:56:57

【人】 火澄 七瀬

 


 …… ただ、少し困ってもいました。

 瀬名の意見。>>37
 予想して答えることはできたでしょう。
 私達はずっと隣にいた双子なのですから。
 それでも、私が決めていいことではありません。

 すっかり禎光の手の上で転がされていること。
 気付かぬまま、私はうんうんと悩みました。
 
 次第に明るくなっていく遠くの空を見ながら。
 結局私が言えたのは、
 当たり障りのない言葉だけでした。
 
 
 
(47) 2023/05/12(Fri) 10:57:09

【人】 火澄 七瀬

 


 「 …… やるかは、わからないけど。

   いつか禎光も含めた3人で。
  
   一緒に歌えたら、楽しそうだとは思うよ。 」



 *****
(48) 2023/05/12(Fri) 10:57:17

【人】 火澄 七瀬




 飛び込んでくる何者かの気配。
 思わずびくりと肩を震わせた頃には、
 その顔は、思いのほか近くにありました。

 刃を掴む手のひらからは、
 紅の鮮血が滴り落ち、花びらを濃く染め上げます。

 それが誰なのか。
 今さら確認するまでもありません。
 
 …… ひとりとひとりだった私達は、
 貴方と出会ったことで、

 さんにん、となったのですから。
 
 
 
(49) 2023/05/12(Fri) 11:29:17

【人】 火澄 七瀬




 思わずナイフを取り返そうとしましたが、
 しっかりと刃を掴んだ指は、
 私の力ではびくともしませんでした。


 「 ……禎光。 」


 あんなに小さかったのに。
 あんなに身体が弱かったのに。
 

     そこにいたのは
     立派に成長した、ひとりの男の子だったのです。
 


 
(50) 2023/05/12(Fri) 11:30:52

【人】 火澄 七瀬




 違うだろ。>>44


 「 …… ああ、私は、
   最後まで間違ってしまったのですね。 」


 ナイフの代わりに、貴方の言葉が胸を貫けば
 歪んだ顔から、涙が溢れ落ちます。

 ええ、そうです。
 きっと貴方が正しいのでしょう。>>46
 この場で愚かなのは、私だけなのです。

 それでもせめて、最後くらいは。
 貴方を殺せなかったこと。
 それだけは正しかったのだと
──── 信じたかった。


 
 
(51) 2023/05/12(Fri) 11:32:43

【人】 火澄 七瀬

 
 

 それでも私は、もう止まることができませんでした。


 「 禎光。 」


 再度名を呼んで、思い出します。
 貴方にはいつだって。

 言わなければいけなかったのに、>>0:16
 言えなかった言葉がありました。



 「 ごめんなさい。 」
 
 
 
 
(52) 2023/05/12(Fri) 11:34:11

【人】 火澄 七瀬

 


 ナイフから彼の指を剥がすことは難しかったでしょう。
 ならばと私は、貴方の腕ごとを掴んで動かします。

 貴方の手の分、隠れた刃。
 胸を貫くには、深さが足りなくなっていました。

 ならばと、刺すのは別の場所と。



 「 …… 大好きですよ、禎光。
   瀬名のこと、よろしくお願いしますね。 」


 ──── それが、最期でした。
 私は自身の喉に、刃の切っ先を突き刺しました。
 
 
 
(53) 2023/05/12(Fri) 11:35:30

【人】 火澄 七瀬

 

 

         ああ、これでもう、歌えない。>>48

(54) 2023/05/12(Fri) 11:35:40

【人】 火澄 七瀬




 吹き出す鮮血の熱が、鉄錆の匂いが、
 貴方の手や顔を覆ったかもしれません。
 人を貫く感触も、こびり付いて離れない。

 …… 最後まで私は、
 貴方にひどいことしかしませんでした。
 でも見逃して貰えると嬉しいです。

 全て忘れてしまうのですから。
 最初から、全部無かったことに。
 
 
 
(55) 2023/05/12(Fri) 11:36:25

【人】 火澄 七瀬





 …… ああ、声が聞こえます。
 そうですね。言っていましたよね。
 これは愉快な見世物≠セと。>>26

 ならば貴方がここにいるのは当然なのでしょう。
 
 

(56) 2023/05/12(Fri) 11:36:31

【人】 火澄 七瀬





 薄れゆく意識の中。

 誰かの笑い声が響いていました。**
 
 

(57) 2023/05/12(Fri) 11:37:29

【独】 火澄 七瀬

/*
令和の世でお前たちが俺の翼だ!!!
が見れるとは、感慨深いのじゃ
(-0) 2023/05/12(Fri) 11:39:41

【人】 火澄 瀬名

 
 

 「 …………… 七瀬? 」



 もしも、やり直せるのなら
  どうか今度は間違えないように=@>>32



              どういう、意味?



 「 なな ………… 」

 
 
(58) 2023/05/12(Fri) 23:36:29

【人】 火澄 瀬名

  

 
 懐から取り出された刃の先が、
 薄暗い湿った部屋で、歪に光を反射しました。

 時間が止まったかのように全身が固まって、
 後から冷たい汗が背中を伝って。

 永遠のように長く感じた一瞬のうち、
 禎光の声が響くと、その刃先を掴みました。
 
  

 「 っ ……… 」


 
(59) 2023/05/12(Fri) 23:36:32

【人】 火澄 瀬名

  


 その手のひらから零れ落ちる紅に目を背けたくなり、
 それと同時に、
 決して背けてはならないと、
 誰かの笑い声が聞こえたような気がしました。


 
(60) 2023/05/12(Fri) 23:36:34

【人】 火澄 瀬名

 
  

 違う?>>44 間違ってしまった?>>51

 ほら今だって、私には何も分からない。


  
(61) 2023/05/12(Fri) 23:36:38

【人】 火澄 瀬名

 


 「 七瀬っ …… 禎光っ ……
 
   ……っ……ふたりとも、だめだよ……

   ナイフそれ、離して……ょ…… 」


 
 震えるような私の声が
 ふたりの耳に届いても届かなくても
 その刃は七瀬の喉に突き刺さったのでしょう。

 止まった時計の針が動き出したかのように
 感覚のない足に伝達をしてふたりのもとへと駆け寄り、
 七瀬のことを抱き抱えるように座りました。

 
   
(62) 2023/05/12(Fri) 23:36:41

【人】 火澄 瀬名

 
 
 
 「 なな …… ななっ、 せ ……

   ごめ …… ご っ… めんなさい …… 」
 
 

 吹き出す生温い朱を纏って、
 取り返しのつかないことだと知りました。

  
(63) 2023/05/12(Fri) 23:36:44

【人】 火澄 瀬名

   
 


 七瀬のことが、分からなくなった。



 
(64) 2023/05/12(Fri) 23:36:46

【人】 火澄 瀬名

 
 

 そもそもそれが、間違っていたおかしかったのです。

 私は……私たちは双子で、
 互いのことは手に取るように分かっていたのに。



 「 どこで …… 間違見失っちゃった、の かな… 」
 


  
(65) 2023/05/12(Fri) 23:36:50

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 ごめんなさい。 分からなくて。
 
 私が、気が付いてあげられなくて。

 私が苦しめていたのでしょう?
 
 全て、独りで背負っていたのでしょう?

 ごめんなさい。ごめんなさい。
  
 ごめんなさい。ごめんなさい。

 ごめんなさい。ごめんなさい。

 
 七瀬はしっかり者のお姉ちゃんで、
 私はきっと、頼りのない妹で、

 
 ほら ……… 今だって結局、

 
(66) 2023/05/12(Fri) 23:37:07

【人】 火澄 瀬名





      ………… 何も分からないのです。
  


(67) 2023/05/12(Fri) 23:37:12

【人】 火澄 瀬名

  
 
 
 そんな私にできる、最後のひとつ


  
(68) 2023/05/12(Fri) 23:37:15

【人】 火澄 瀬名

    


 「 ごめ …… んね ……

   もう、……


   苦しまなくて、いいよ …… 七瀬 ……」
 

  
(69) 2023/05/12(Fri) 23:37:31

【人】 火澄 瀬名

  

 
 そう声を振り絞ると、
 七瀬の喉元からナイフを抜き取り、
 彼女の心の臓へと、
 力いっぱいナイフを突立てました。

 苦しむことなく、ひと思いにと言わんばかりに。 **
 
  
   
(70) 2023/05/12(Fri) 23:38:32
 




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