人狼物語 三日月国


100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】

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ミズガネ! 今日がお前の命日だ!

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

けど ナニカ はいます。
 

 

「 
こうすれば見えるのにな
 」
 

 

「 
こうしないと 見えないんだよなぁ
 」
 

 

ナニカ はどこかへ 行きました。
 

/*
ハローハロー、あなたのベル記(思い込み)、当方です。

当方、引き続き『
透明な描写
』を続けますが、本窓が見えている方は特筆がなくとも、任意の箇所を『半透明な描写』として認識していただいてOKです。

何かあれば都度聞いていただければ〜〜! とりあえずLoveを振り撒いておきます、キャッキャッ  ٩(ˊᗜˋ*)و

酷く寒い。
目が醒めて真っ先に浮かんだのはそれだった。身震いをして、自分の体を抱きしめながら外に出る。
自分の身に異変が起きる直前の出来事は、未だ思い出せていない。


「ああちょうどよかった。お前、今手が空いているなら白湯を……」

お気に入りの下女が廊下を掃除していたから声をかけた。何も返事がない。男は眉間に皺を寄せる。

「おい!聞いているのか、何の冗談だそれは。揶揄っているのなら今すぐそれを……」

手を伸ばし、肩を掴む。掴む筈だった。

すり抜ける。己の手が、うっすら透けて、触れないまま空を切る。

「………………え?」

歩く。声をかける。走る。声をかける。
誰もがこちらを見てくれない。誰もがこちらを認識してくれない。

「ッおい!聞こえないフリはよせ!何のつもりだ!タチの悪い冗談はやめろ!」

どいつもこいつも無視をする。ここで過ごした一年の間に沢山言葉を交わした者など何人も居る筈なのに。

「やめろ……やめろって、なあ。
 本当は聞こえているんだろう?わざと無視をしているんだろう?俺が機嫌を損ねるようなことでもしたのか?

 答えてくれよ、なあ!」

口元が引き攣る。冗談だと笑い飛ばしたくて、けれど視界に叩きつけられる現実はそう変わらなくて。笑みを作ろうとした唇は、綺麗に弧を描く事なく歪に戦慄いている。

ああ、
まただ。

知っている。この感覚はずっと自分の傍にあって、逃げたくても常に離れず纏わりついていた。

まるで透明人間になってしまったかのような扱いになったのに、世界はそれでも回り続ける。
才能もなく、努力も続かず、誰も見向きしてくれない平々凡々な吟遊詩人。

見慣れている。
この光景は見慣れている。

嫌というほど、知っている!

メモを貼った。

メモを貼った。

メモを貼った。

メモを貼った。

「誰か!誰か聞こえないのか!?
 僕が何かしたのか!?僕が何か悪い事でもしたっていうのか!?」


箍が外れたように叫びだす。口から出るのは美しい歌声でも世界各地の光景を描き出す詩でもない。
ただ、独りが耐えられない哀れな男の絶叫だった。

「どうしてこんなところに来てまで元いた場所の苦痛を味わう事になるんだ!
 なあ、なあ……誰か、僕を見てくれる人はいないのか!?

 あぁ……
あぁああぁ……ッ!!!


男は手入れが行き届いた濡羽色の髪をかきむしり、そのまま嗚咽を零してふらふらと消えていく。

逃げる場所なんて何処にもないのに。

メモを貼った。

何処かへと姿を消した。いてもいなくても、きっと変わらず世界は回り続ける。


 

「 
え? 来たは来たけどすごい素直に席に着きたくないな??
 」
 

 

「 
……えっ 注いでくれないの???
 」
 

………
……


キエはミズガネの悲痛な叫びを満足気に聞いていた。此れならば良い対価をせしめる事ができそうだ。
しかし見えないし聴こえない振りをする。此れ以上館の主に目を付けられるのは少々面倒だから。

「リーパー君、吉報だよ。リソースの確保ができたから館を利用しなくても良くなった。

 そしてなんだが僕ァどうやら館の主に目をつけられてしまったようでね…今からでも行おうかと思っているよ。もし都合が良ければ裏庭の木陰に来ておくれ。折角だから女の姿にでもなっておこうか?」

これは、ミズガネを殺害した後のこと。
地の底に堕ちたミズガネの慟哭はゲイザーの耳に入った。
悦に入った声色で、あなたに通信が入る。

リーパーに割り振られた役割には、
”神隠し”された人間の声が届く。

だって、殺した後の怨嗟の声が聞こえなきゃ損だろう!

「ギャハハハハハハ、あっは、ああ笑えた。
 あァ? 何だかよく分からねえが、
 ゲイザーの野郎をブッ飛ばせるなら何でもいい」

提案には肯定。冗談には、こう付け足される。

「ハッ! 要らねェよ。
 オレは女は好きだが、オマエは女だろうと絶対勃たねェ。
 可愛げもねェし、何より気色悪ィからな!」

そうして、暫しの後。
リーパーは裏庭へと向かうのだろう。

⏤⏤⏤⏤裏庭でキエと
ゲイザー
リーパーは言葉を交わした。

其れは在る殺人の計画。
しかし其の殺人は血も出なければ死体も出やしない。犯行の証明など誰にもできぬ謂わば完全犯罪である。

本来キエにとって夢その物を喰らう事は山を荒らす事に等しい。

記憶を荒らせば実りが減ってしまうからだ。其れは善意ではなく自身の恒久的な利益を考えての事だった。

しかし、
伐採がその山の利益に繋がるなら
話は別だ。

人格を喰らう
のは僕も初めてでねェ。咀嚼に時間がかかってしまうだろうがそこは許してほしいな」

少女の身体を一度抱きしめると耳を塞ぐ様に少女の頭を抱えた。

 
 
「………君が
悪夢を見るのは此れが最後だ

 

ふたりは夢を見た。

ゲイザーは郊外の出身である。
ある時、都会的な少女がひとり越してきた。

彼女は閉鎖的な環境ながらも見事に馴染み、
その洗練された風体から皆の憧れとなった。
ゲイザーも憧れるその一人だった。

彼女を喜ばせたくて、誕生日パーティに手作りのパイを贈った。
ゲイザーはべつに彼女の友達ではなかったけど、
彼女と仲良しのみんなで食べてくれたらうれしいと贈った。

けれどグズでノロマなゲイザーの手作りパイなどダサいので、
翌朝捨てられていた。

ゲイザーは泣くばかりだ。
だから代わりにもう一人のお友達が怒っていた。

『ひっく。ぐすん。あたし、かなしい。かなしいよ』
『なんだそいつ! お高く留まりやがって。
 オレがブッ殺してやる!』 ⇒

ゲイザーはそれから暫く、パイが焼けなくなった。
ゲイザーはパイを焼くのが好きだったので、ママに相談した。

「かわいそうに。ひどいわね。
 でも、叱ってはいいけど怒ってはだめ。
 それはきっとあなたの為にならないわ」

「辛いなら、誰もが目を見張るほど
 おいしいパイを焼けるようになりなさい。
 誰もが憧れるほど素敵な、心優しいひとになりなさい」

「あなたは頑張り屋さんだから。
 きっといつか、あなたの努力を認めてくれる人がいる」

ゲイザーはそのように生きることにした。
こうして、今のゲイザーは生まれた。

「…………」

「終わりだよ」

耳をふさがれているから何も聞こえない。

「ほら、早く殺せよ、そいつ」

「オレの居場所作ってくれよ」


 

・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
 


 

 有難いお話だけど、今──が聞いたのはそうじゃなくて……と  

  言うか、自分自身の存在など誰も証明ができないって言っても、 

  さぁ?まずキエちゃん達はそこに居る事がわかっているじゃな  

  い。明かりに照らされているじゃない。ああして心配するくら  

  いの仲間だっているじゃない。──の目に映っているじゃない 
 

 

「 
いいね 不透明人間
 」
 

 

 
ナニカ は、鼻で笑った。
その後すぐ、落ち込んだ。

目が醒めて、自分の異変に気づいて、耐えきれなくなって逃げ出したすぐのこと。

目眩がする。
どれだけ叫び、泣いて、暴れても。誰一人としてこちらを見てくれる人はいない。

昔からそうだった。
小さな酒場一つもろくに賑やかすことが出来なくて、センスも才能も無い吟遊詩人の声や竪琴に耳を傾けてくれる者などいやしない。
努力を続けるなんてことも出来なくて、すぐに酒と女に逃げては溺れる始末。
いてもいなくてもどうでもいい透明人間のようなものだった。

たまに視線が向けられていたとしても……それはろくでなしの自分を嘲笑うものだった気がする。
「気がする」と言うのは男が悲観的になるあまり見えないものまで見て聞こえないものまで聞いていたからだ。

皆が皆、自分を良くない目で見て馬鹿にするようなことを話しているんだ。

追い詰められた精神は、そうしてありもしない風評被害を勝手に描き出していく。自分で透明な場所に濁った何かを見出していく。

逃げるように館を彷徨い、その足は――時計塔へ。


この体は壁や床などはすり抜けられないけれど、人や小物は触れない。扉は何故かすり抜けられるから、開閉して何かを主張することも出来ない。

物が掴めないのなら酒に溺れて酔いに逃げることが出来なくなる。ずっと毎日のようにアルコールで思考を溶かしていた身としては、拷問が始まるのだろうかと言う心持ちだった。

そうした小さな考えが浮かんでは消えを繰り返し、足はいつしか時計塔の階段の終わりまで来ていた。技師が入るであろう部屋がまだあったけれど、既に高度はある。もう十分だ。

窓から顔を出す。
重苦しい濁った気分を抱えた自分の頬を、何も関係ないとばかりに風が撫でて走り去っていく。

いてもいなくても関係ないのなら、いっそ死んでしまったほうが楽なのでは?

縁に両手を置いて、体を前へ倒す。
地面があんなにも遠い。
叩きつけられたらきっと、自分は、自分は……。

「死ね」


「――ッ!!!」

ひゅ、と。喉が鳴る。


「いやだ、いやだ、いやだ……」


階段に蹲る。身を守るように体を丸め、がたがたと震えながら嗚咽を零す。
男は才能も努力を続ける根気もなかったけれど、勇気だって持っていなかった。

こんなところで死ねるほどの勇気があったなら、最初から酒と女に逃げる選択肢など取っている筈ないのだ。

怯える男の脳裏にとある光景が蘇る。蘇ってしまった。
命が潰える直前の記憶だ。

動けない。
何度も何度も命乞いをした。
ナイフが腹に突き立てられる。
泣いて喚いた。耐えられない痛みに絶叫した。
それで相手は満足したのか、より深く刃を差し込んでとどめを刺した。

思い出した。思い出してしまった。

「死にたくない、死にたくない……死にたくない……!」


それでも自分は一度、確かに死んだ。だからこんな事になっている。
死んだのに周り続ける世界にいなくてはならないなんて、悪夢以外の何者でもない。
じゃあどうしたらこれは終わるんだろう。
夢が醒めるには夜が過ぎ、朝が来る必要がある。
それなのにこの館は一向に夜が来ない。ずっとずっと、明るいまま。

酔いに溺れることも出来ず、来ない宵を渇望し続ける。

男は一人、寒さに震え続けた。

……



どれくらいそうしていただろうか。
もう一度覗き込んだ死の淵への怯えが鎮まり、体の震えの原因が強まる寒さだけになった頃。

「……あれは……」

ふと顔を上げ、窓から見える誰かを捉える。

キエがいる。彼は一体何をしている?
全く見当がつかない。
でも、あの何を考えているか分からないインチキ詐欺師探偵の動きは正直怖い。

「あいつ……あそこで、何を……」

ようやく腰を上げる。
なんだか酷く胸騒ぎがする。
行ったところで何かできるわけではないけれど、それでも、それでも……。

男は体を引き摺るように時計塔の階段を降り、外へと飛び出した。

「………」

キエは記憶を何処から食べようかと迷っていた。其れは子供がショートケーキの苺を何時食べるか思案する様な和やかな間だった。

「…………嗚呼、今君を悪夢から醒ましてあげるとも。

 辛かっただろう、唯一の友達ゲイザーに忘れられて。

 苦しかっただろう、
誰にも気付かれなくて。


 君は沢山の苦痛と孤独を味わった。

 だから、そう⏤⏤⏤⏤
報われるべきなのさ!

キエは心に疎いが、リーパーがゲイザーを心の底から憎んでいる訳では無いのだと薄々気づいている。只寂しいだけなのではないかと予想している。

身勝手で愚かな此のリーパーが、かつて他者ゲイザーの為に怒っていた程なのだから。
尤も其れは“そう産まれたから”かもしれないが。



………いただきます。


しかしそんな事は、キエにとってどうでも良い事だ。

何の躊躇も無く、ゲイザーを喰らった。

走る。寒さはずっと残り続けたままだけど、そんなことも気にしていられなかった。

胸騒ぎが止まらない。
あの探偵が報酬としてW得体の知れない何かWを要求してくるのを知っている。自分もまた彼と契約してしまったからだ。

もしそれが、取り返しのつかないものだとしたら。
もしそれが、人の大切なものだとしたら。

「おい!やめろ、お前、そいつに何をするつもりだ……っ」

男は叫んで時計塔を飛び出す。
走る。走る。世界に無視をされていても、男は声を上げる。
届かなくても、叫ばずにはいられない。

「キエ!やめろッ、そいつに手を出すなッ!」


手遅れで、どうにもならなかったとしても。

リーパーは目を瞑った。
これで、あの忌々しい呪縛から解き放たれるのだ!

ゲイザーの隙を見て顔を出すのはもうおしまい。
隠れて自らの欲求を満たすのはもうおしまい!

これからは自らがゲイザーに取って代わる!
殺人鬼『リーパー死神』として!!


ミズガネの声が聞こえる。
これはきっと神の慈悲か。

「ミズガネ、さん……?
 あたし、あなたを殺したのに、なんで──」

か細い断末魔が響いて、消えた。

──さて。極上のパイのお味はいかが?


 
えいっ、
キエの両眼に指を突き立てました

 
なんにも起こりませんでした。

 
触る気がなかったので。

 

「 
誰かが 答えを くれたらいいのに
 」
 

 

「 
いないねぇそんな誰かなんて。知っているさ
 」
 

「ギャーーーーーハハハッハ!!
 あーーウケる! 最高! この躰! なあ!

 オマエには感謝するぜ、キエ!」

「礼と言っちゃなんだが、次回の”神隠し”を
 オマエにやらせてやるよ。
 誰かいねェの? 世界から消し去りたいヤツ」


 

「 
……すっごくわざとやった動作だったけど、そう見えるん だぁ……? 

 笑ったか吃驚したかなら、そうなんだね
 」
 


 

「 
あと抱きついたとか言い辛くって適当にそれっぽいこと言って 
 
  
たら見事に誘導できてしまって困惑しているよ。ごめんってミ  

  
ズガネちゃん。言ってくれてすごいうれしかったんだって〜〜  

  
ってここで言ってもなんにもならないけどとりあえず言うわ?
 」
 

「消し去りたい相手はいないけれど、そうだなァ。世界の真相を見せてあげたい子は幾らかいるね。
 チャンドラ君にはきっと良い刺激になると思うし、ユピテル君は自然の摂理が気になる質であるようだから。

 しかしユピテル君の方には折角だし僕らの手を取らずに“館の自然現象としての神隠し”を体験して欲しくもあるんだよねェ」

キエが特定の存在に対して好悪を抱く事は無い。好悪を示すのは感情に対して程度だろう。相手の抱く感情に興味はあっても愛情と呼べるものは持ち合わせていなかった。

か細い断末魔を聞いた。

「はっ、……はぁっ……ゲイザー……ゲイザー…………?」

一度死んで幽霊のような身になったのに、走れば息が上がる。肩を上下に揺らして呼吸を整えれば、何度か咳き込んだ。本気で走ったなんていつぶりだろう。怠惰に生きていたツケなのかもしれない。

男は裏庭までまだまだ遠いところにいる。
だから、裏庭から少女が出て来たところしか見ていない。キエとゲイザーが何をしていたのか男は知る由もない。

でも、か細い断末魔が聞こえた気がした。
勘違いかも知れない。けれど、『勘違い』で済ませたくない。

そうやって『勘違い』で透明にしてしまった者たちは、きっと何人いたのだろう。

「……ッ、ああクソッ!面倒だ面倒だ面倒だ!なんで僕だけこんなにあっちこっちに苦められなきゃいけないんだ!」

濡羽色の髪を掻きむしり、癇癪を起こしたように苛立たしげに叫ぶ。
しばらく自分勝手に喚き散らして、結局また咳き込んで。呼吸を整えるのに幾分か時間を費やしてから――男はまた駆け出した。

何か出来ることはないだろうか。
酒も手に取れないし竪琴も触れない。
何も出来ないかもしれない、でも何か出来るかもしれない。

何にも分からないから、確かめる。

あの探偵が余裕ぶっているのが気に食わない。
自分を殺した奴が今も尚笑っていると思うとそれも腹が立つ。
自分の知っている人達が自分のような文字通り死ぬほど苦しい思いをするのも嫌だ。

身勝手な男は、身勝手な理由で走り始めた。

自分の部屋に誰かが来たことをまだ知らない。

知らないけれど、自分の部屋を最初に訪れたのはあの人だ。

「チャンドラにユピテルぅう?」

それはゲイザーにとって大切なひとだったが。
リーパーにとっては、『ゲイザーにとっての大切なひと』だった。

「オマエに任せるぜ。オレぁドッチでもいい。
 オマエの感じる『面白そうなほう』に賭けろ。

 ……てか、“館の自然現象としての神隠し”なんざ
 そうそう自発的に起こせるモンじゃねェだろ」

「問題は其処だよ。しかし願わねば始まらない事でもある。其方に関してはあくまで運が良ければって感じだなァ。

 だから先ずはチャンドラ君にヒントをあげに行こうと思うよ。

 …しかし僕ァ目を付けられている様だから、君も成功を願っていてくれないかな」


/*
キエが再びランダムで吊られた場合に備えて、リーパーさんもチャンドラさんに襲撃セットをお願いします。

「オマエ……。ま、そうか。
 何やらこの場所の願いは、力を生むらしい」

/*セットしました。

「……なあ、オマエなんでこんなことしてんだ?
 ヒントを与えて、何になる。
 人間を引っ掻き回して……愉しいから、それでおわり?
 オマエ、そんな単純な動機で動いてんのか?」

「オレはそれでおわりだけど!」

「其れを説明するには先ず僕の在り方から説明する必要があるね。

 知っての通り僕ァ夢を食うが、普段は夢其の物を食べる訳じゃない。夢から滲み出る感情を⏤⏤負の感情だけを食う。

 夢を丸ごと食べれば記憶も失ってしまうのは説明したね?
 其れは林檎の木を根から引っこ抜く様なものさ。林檎の実だけ食べれば其の木はまたいつか素敵な果実負の感情を実らせるのだから、木を抜く必要なんて無いじゃないか」

キエの物言いは誰かに苦言を呈するかのような言い方だが決してリーパーに向けたものではない。

「賢者というのは視野が広すぎて中々絶望してくれない。
 しかし皇族、一族の長……彼ら賢者はその他大勢の愚者を動かす事ができる存在だ。
 
人災を作る事ができるのは彼らだけなんだよ


 僕ァね、チャンドラ君には人災を振り撒く側になって欲しいんだ。だから賢者に至る手助けをしようと思う」

「賢者は肥料、愚者は土壌と喩えれば判り易いかな? 
 良い肥料と良い土壌、此の2つが揃えば上質な果実悪夢が実る可能性が高まる。実際には天候も関わるから絶対に上手くいく訳じゃあないが可能性は限りなく高くしたいだろう?」

「オマエ……やっぱムカつくぜ。
 自分が賢者──自分がそれ以上の存在だと信じて疑っていない。
 まるでマリオネットを動かす人形師だ!」
 
感情喰らいと称すべきだろうか。
そんなヒトならざるものであるあなたにとって、
ニンゲンの負の感情を肥やすことは、
正しく林檎を育てるような行為に他ならない。

けれども一際怒りっぽいリーパーは、
それがまるで、自分を下に見ているようで腹立たしかった。

自分は林檎でも愚者でもない。

「ま、オマエがこれから何をしたいのかは分かった。
 どうして暗躍しているのかも……。

 オマエ、探偵からそろそろ脚本家に
 仕事変えた方が良いんじゃねーの?
 ……しかし、チャンドラか。チャンドラ……ふん!」

ゲイザーとチャンドラは友人だ。

「好きにすれば!」

 

「 
人間の“形”は保っていると思ってるんですよ、これでいて
 」
 

 

「 
ばいば〜い 悪くなかったよ、言ってもおくね
 」
 

 

ナニカ はどこかへ 行きました。
 

「僕ァ人が滅びれば消えてしまう儚い存在だよ? 僕らは君達知的生命体によって創られたから、君達の中に巣食わないと存在を保てないんだ。

 そして折角の言葉を否定して申し訳ないが…僕は賢者などでは無いよ。禍を撒くのは神と人のやる事であって僕らのやる事じゃあない。
 しかし見下した様に見えたのならすまないね」

少しも申し訳なさなど見られない口調だった。

「其れに脚本なんてものは無い方が良い。筋書き通りの悲劇なんてつまらないじゃないか。物語は予想外の事が起きてこそさ」

「……ではそろそろ好きにさせてもらおうかな。
 もし神隠しに遭ってもきちんと手伝うし助言もするから、安心しておくれ?」

普段より僅かに上がった調子で告げた後、声は途絶えた。


……
………


「アイツムカっっっつく!!」

 

リーパーは終始この調子だった。
あなたと協力関係でこそあるけれど、心を許す気は一切ない。

例え彼が恩人であろうとも。
心を許した瞬間喰らわれると。
餌のひとつにされると、生存本能が敬称を鳴らしている。

だけれどどこかのグズのように、下手に出る気も毛頭ない。
この二人は、目的が一致している。
それだけの理由で、行動を共にしている。

けれどもあなたにとって、それくらいのほうが丁度いいだろう。
扱いやすいし。


ぎゃあぎゃあ騒ぎつつも、リーパーはもしもの時に備えて、
ナイフを研いでおいた。

今日のいけにえは、きっとあいつだ。

 




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ぷわわ〜

ゾズマ
10回 残 たくさん

 

アマノ
6回 残 たくさん

 

ユピテル
33回 残 たくさん

ブイブイ〜

犠牲者 (4)

クロノ(2d)
0回 残 たくさん

 

ミズガネ(3d)
42回 残 たくさん

透明に触れたい

ポルクス(4d)
11回 残 たくさん

 

チャンドラ(4d)
16回 残 たくさん

賢者では、ないの

処刑者 (3)

キンウ(4d)
7回 残 たくさん

 

ゲイザー(5d)
4回 残 たくさん

 

キエ(6d)
13回 残 たくさん

僕は僕だよ

突然死者 (0)

舞台 (3)

トラヴィス
34回 残 たくさん

アクセルだけ踏む

シトゥラ
19回 残 たくさん

 

プルー
9回 残 たくさん

宝物はもうあるの

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