人狼物語 三日月国


114 【半突発R-18】Snow white Festival【飛び入り歓迎】

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【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 呪いを体内で解呪するには、
 術者の魔力をぶつけ、調和する以外に道は無い。
 込められた負の感情と、呪った本人の記憶の幾らかを
 ――― その全てを文字通り受け入れ、消し去るのだ。


     はふりと息を零し、冷えた指先を握り締めた。
     愛した人に捨てられた魔女の恨みも
     愛した物を奪われた、魔女の嘆きも
     …… その辛さは痛い程に良く分かる。



 
(200) 2021/12/16(Thu) 22:23:17

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 


   傷付けられたら、同じだけ傷付けてやりたい。
   自分の手を離した相手を赦せない。

   故に呪いという道を選んだ魔女のことを、
   魔術師は責め立てる権利を持たない。
   ――――  同じことを考えた過去故に。


 
(201) 2021/12/16(Thu) 22:23:21

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

       「 ねえ、ママ
         私のどこがいけなかった…? 」


       「 ねえ、パパ
         普通の子なら、愛してくれた? 」


  振り払われた手の痛みごと。
  ―――― 思い出しては、眉を顰める。

  復讐がしあわせに繋がると信じてしまうのも
  故に人を呪う気持ちも、 … 理解ってしまうから

  
(202) 2021/12/16(Thu) 22:23:25

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 



    「 こんな世界も、私も、皆も
      …… きらい…… 」



 
(203) 2021/12/16(Thu) 22:23:29

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 …… けれども。


    「 ―――― だからって、
      関係ない子を苦しめるのは、
      …… それは違うでしょ……! 」


 傷付いても、誰も助けてくれない苦しみは
 ―――― 誰だって識っているだろうに。

 魔術師は恨みを訴えてくる呪力を飲み下し、
 文字通り、魔力で呪いを押し込んだ。
 
 
(204) 2021/12/16(Thu) 22:23:53

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 そうしている間に、人魚が役目を終えて帰って来たなら
 おかえり――と迎えようとして。
 許可なく手を取られ、不服を訴える海色の右目を見るに
 女の行いは、説明するまでもなくバレているようで。


  「 …… えへ。
    ごめんね、……怒らないで……? 」


 なんて、可愛い兎の真似事をして許しを乞うけれど
 さしもの彼も、この甘えを受け入れてくれるかは――
 …… あまり自信がない。

 
(205) 2021/12/16(Thu) 22:23:59

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 …… 大丈夫だよ。
    テレベルムのおかげで、……平気だから…… 」


 ―――― あの、猫のような少女は。

 女が誰かを本当に呪ってしまった未来の体現みたいで。
 …… それがどうにも居心地悪くて、
 だからこそ、こんな手段を取ってしまったけれど。

 自分を抱き締める彼が気を病んでしまわないよう、
 そっと背中へ腕を回し返した。
 変わらず命を刻み続ける心音が聞こえるように
 何の隙間も生まれないよう、―― ぎゅう、と。*


 
(206) 2021/12/16(Thu) 22:24:44
 

 自分を縫い止め、組み敷く男の顔を見てしまえば
 もう人魚を純真無垢とは到底呼べやしなかった。
 そこにいるのは女を求める唯の男で、
 ―――― 彼の欲が向く先は、自分だけ、で …。


  「 ンぅ、っは、 ぁぅ……っ 」


 気をやってしまったことなんて伝わる筈なのに、
 彼は腰の動きを止めることなく緩やかに動かしてくる。
 微かな刺激もきもちがよくて、
 ―― もっと、快楽を教え込んでほしいと
 熱を食む媚肉をはしたないと思う余裕も潰えてしまう。

 

 

 強請って甘えれば、彼はそれを叶えてくれる。
 当たり前のような顔で差し出されるそのやさしさが、
 どんなに尊いものなのか――貴方は識っているのだろうか。


  「 ふぁ、あ、そこ……すき、ぃ、っ 」


 息をする間もなく責めるのではなく、
 まるで教え込むように最奥へ先端を押し付ける動き。
 媚肉を擦り、奥を甘やかに突き立てる熱へ
 女は殆ど無意識に言葉を散らして喘いだ。

 

 

  「 ぁふ、……ッん、ぅ……?
    ―――― ンぁ、あ、 ぁ……っ! 」


 ―― なにか、言葉を投げられているのが聞こえて。
 彼の声も言葉も、なんにも逃したくはないのに
 蕩かされた頭と理性が言うことを聞いてくれないのだ。

 指で触られた時、絶頂へ導かれた弱点さえ責められれば、
 蜜壷は男を誘うためにとめどなく愛液を溢れさせ
 すっかり降りきった子宮へ招くように収縮を繰り返す。
 怒張の先端が最奥に届く度、
 膨らんだ入口は、熱を逃さぬよう吸い付いて。

 

 

 耳に届く言葉の意味なんて、最早半分も理解出来ないけれど
 彼が絶頂に至りそうな気配を感じ取れば
 ―― いいよ、と全てを受け入れるように咲って、


  「 ………… っ、?
    なん、れ ……? 」


 なんで、という簡単な三文字も碌に発音出来ない。
 幼子のように回らぬ呂律をどうにか正そうとして、
  その真意を問う、――前に。

 兎は、彼の言葉の意味を。
 文字通り体で理解することになる。

 

 

  「 ひぁっ、ぁ、…… 〜〜〜〜〜〜ッッッ!? 」


 媚びるように蠢く膣内へ彼を迎え入れ、
 一際強く奥を穿たれる快楽に溺れかけたところで。
 胎内へ吐き出された彼の欲が、それ以上にあつくて
 ―――― ちかちかと視界に星が瞬いた。

 今までのどれよりも大きな絶頂に、
 精を吐き零す彼の怒張を食い千切らんばかりに締めつけて。
 はふ、はふ、と必死に息を整えようとするけれど
 身じろぐたびに甘やかな絶頂の波が引いてくれない。

 

 

  「 んむ、……ッふぁ、あぅ……っ
    や、 きもちいいの、とまら、な……っ 」


 なんでぇ、と子どものように泣いていれば、
 彼が唇を甘く吸う刺激にもまた達してしまう。
 本物の兎のようにまっかに潤んだ双眸で、
 叫びも喚きもしない代わり、
 自分を快楽に沈めるばかりの人魚へ追い縋った。

 
 

 


  「 もっと、あいして……っ?
    おねがい、…… ここ、あついの…… 」


 その原因がまさか、胎へ出された彼の精液だとは
 愛しい恋人との情事に溺れた女では気付けない。
 ―――― 彼が渋る様子でも見せるなら、
 力の抜けた腕で押し倒そうとでもするだろうし
 「口でしてもいいから」と、
 あの手この手で頷かせようとするのだけれど。

 それが叶えられるにせよ、そうではなくとも
 媚薬めいた効能が抜け切らぬうちに
 兎は気を失ってしまうことになるのだろうが。*

 

[子宮を揺らす奥も膀胱に近い性感帯も
 彼女が悦ぶ場所は何処も愛してやりたかった。
 自身が生物で無ければ、果てるのすら惜しいくらい
 それだけ、欲望に乱す彼女は愛くるしくも蠱惑的で。
 体の奥まで撫でてやりたいと複雑な愛情を抱かせた。]

  ――ッあ、……!ぅ

[腰が惹きつけられるくらい激しい媚肉の蠕動
 精を余さず絞り出されている錯覚を覚える。
 これは名器だ、と野暮な感想を頭に過ぎらしても
 溺れそうな熱で頭を白くさせてしまい、心音ばかり近い。]

[命のみなもとを注ぐ合間にも、果てが見える筈の瞬間すら
 彼女の絶頂は下降を知らず後を引くだろう。
 甘い蜜を文字通り体の奥で知った女は、
 しとやかな乙女では居られなくなるのは解っていた。

 解っていたけれど、加齢を重ねても若い彼女の友人と異なり
 老成もする己の精神は次なる快楽よりも彼女の身を案じて。
 もっとだと強請る甘い声には、と呼気を切らして]

  っ……待て、 おかわりは、やるから。
  少し体を休…、め 

[心臓が悲鳴を上げそうだと言い訳を伴おうともしたが、
 男が想像するより彼女の欲は深く
 久しぶりの性交に心ばかり逸り体がついていかない身は
 細腕にすら引き倒される低落で、なんとも情けない。]


  ラヴァ、っ……、う、あぁ、

[魔力を取り戻しつつある体力は御覧の通りだが、
 上に跨る彼女の魅力を前に忠実な下肢は再び頭を持ち上げる。
 気丈にも男を征服せんとする女は実に色めかしい。
 横たわれば必然と流れる胸も見下ろす体勢であるから
 存在感を誇張し撓わに揺れているし、
 熱を戻しつつある己の性器に密着する女の蜜口が淫猥だ。

 それに――男を脆くさせる彼女の甘えたがりの表情も、
 綺麗だ、愛らしい、我を忘れさせる威力ばかり。]

[女の腰を支えようとする片手の寄り添いは
 忠実な彼女の下僕然とした愛情から来るものだが。

 下にして喘がせる愛玩が似合いの彼女を知っているが
 己を貪ろうと身を乗り出す彼女は、見知らぬ光景で。
 羞恥に顔を火照らせた情けなさを噛み締めながらも
 欲を求めてしまう右目は、海水を目尻に余し潤んでいた。]

  
それ に、恥…かしい…、


[ほとんど消え入るような声で、
 この場においては、逆効果にしかならない呻きを零して*]

 

 女のやわい細腕は、存外簡単に彼を押し倒した。
 ―――― 休もうと言っている言葉は聞こえていたけれど、
 胎内の熱に突き動かされる女には、
 単なる愛おしい男の声でしかなく 制止を受けられない儘。


  「 …… っ、ふふ……
    そんな、顔も するんだ……? 」


 消え入るように微かな声を聞いて、
 はいそうですかと頷けるならこんなことはしていない。
 涙の海に滲んだ右目を見つめ、いたずらに笑って
 ぺろりとまっかな舌を覗かせた。

 

 

 立場を逆転されても女の腰を支えようと伸びる腕は、
 どこまでも忠実で見上げた飼い犬めいた精神だ。
 男を押し倒すような姿勢を崩し、後ろへ下がると
 兎は「口で」という言葉に反応していた熱へ触れる。

 緩やかにウェーブを描く髪を耳へ掛け、
 ちいさな口を開けば、女は彼の昂ぶりをはむりと食んだ。


  「 んぷ、……ん、む……ぁふ… 」


 そのまま徐々に口内へ怒張を迎え入れるように沈め、
 裏筋へ舌を這わせ、ちゅう、と先端ごと吸い上げる。
 口に入りきらなかった根本は指先で擽るように撫ぜて
 兎族特有の人間より温かな口内と舌で、
 彼の熱を包み込むようにあまく味わえば。
 

 

 そう呟くように言葉を落とすと、再び熱を咥え込み
 つるりとした舌を精一杯使いながら
 じゅぷ、とはしたなく響く水音のことなんて気にも留めず
 緩やかなストロークを繰り返し、時折強く吸い上げて。


 散々好き放題に快楽で苛め抜いてくれた人魚を、
 どうにか善がらせてやりたい――と。
 内心で抱いた欲のまま、女は兎が好物を頬張るように
 彼が喉奥へ白濁を零すまで、口の奉仕を続けるのだけれど。*


 

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 
         ―――― その後の噺 ――――



 祝祭が終わっても、女は結局人間には成れなかった。
 垂れた兎の耳は変わらず毎日風に揺れて、
 尻尾は驚いた時にぽふんと膨む。
 溢れそうな魔力を消費し、道端の猫と睨み合って
 変わらず誰かの世話を焼いての繰り返し。

 呪いに苦しんでいた子猫の少女は、
 あの後どんな様子で魔術師を訪っただろうか。
 ―――― 無様でもいいから生きたいと叫んだあの願いが
 どうか何の柵も無く叶えばいいと、願って。

 
(282) 2021/12/17(Fri) 21:43:28

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 淫魔の友人がこの街を再び発つ前に、
 女は彼の元を訪って、パイ屋の特大パイを御馳走した。
 もしかすれば彼は驚いたかもしれないし、
 ―― 等価交換ではないと言われたかもしれないが。


  「 メレフ、あのね …… ありがと。
    私は御伽噺の女の子にも、人間にもなれないけど
    あの時助けてくれたの――嬉しかったよ。 」


 唯のラヴァンドラを、友人として慈しんでくれた
 ―― 彼の不器用にも思える優しさは
 けれど確かに、寂しがりの兎を助けてくれたから。

 
(283) 2021/12/17(Fri) 21:43:32

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 ―――― 少し時間を置いてから、魔術師は暫くの間
 人魚を伴って姿を消した。
 目的地は極少数の友人にだけ伝え、
 旅には向かない身の上で、それでも彼と歩くことを選び。

 街から出たことのない女は、あちこちへ興味を示し
 けれど逸れることを恐れて人魚の手は離さなかった。
 「誘拐されたら困る」と本気の顔で告げて、
 そしてその誘拐対象は女ではなく人魚であることも
 付き合いの長い彼には理解るだろう。

 
(284) 2021/12/17(Fri) 21:43:37

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 彼は妹を見つけられただろうか。
 無事に――使命など関係のない、家族の再会を果たせたなら
 その時ばかりは女も彼から手を離し
 家族のみの空間にしてあげようとしただろうけれど。

 …… 本当は。
 女の知らない、温かいだけの家族の形を見るのが怖くて
 妹に再会した彼が どんな道を選ぶのかが分からなくて
 見ないフリをしようとしただけ。


        識らなかった頃には帰れないから。
 
 
(285) 2021/12/17(Fri) 21:43:40

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 けれども結局女の危惧とは裏腹で、人魚は女と共に
 住み慣れたエオスの街へと帰って来てくれた。
 ―― それがどれだけ嬉しいことなのか、なんてこと
 彼はずっとずっと知らない儘で、良いのだけれど。


  「 リル! 」


 兎は月を見て跳ねる、――と東の国では歌われるが
 この街の兎は、訪った親友を見て跳ねる生き物だ。>>262
 ぱっと顔を輝かせ、自宅の扉を開き
 そこに立つ彼女をぎゅうと抱きしめよう。

 
(286) 2021/12/17(Fri) 21:43:44

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 私の大切なお友達。
 人間になりたいという願いも、私の存在も
 初めて肯定してくれたかわいい貴女。

 世界への復讐を希っていたと、もし私が識れたなら
 ―― 私もきっと彼女の全てを受け入れる。
 それが誰かを傷付ける結果になることでも、
 それで彼女の全てが掬われるのならば、と。


      復讐に心を堕としても、誰かを殺めても
      …… 貴女は、私の。

 
(287) 2021/12/17(Fri) 21:43:46

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 …… なんて、沢山の手土産を持参してくれた彼女へ
 いたずらっぽく囁いてみせれば。
 あの時のように可愛い反応を見せてくれるのか、
 或いは受け流されてしまったか。


  「 リル、こっちきて!
    一緒にご飯食べよっ 」


 どちらにせよ女は、彼女の腕を逃がさないように抱き締め
 家の中へと招き入れた。
 …… やや過剰に思えるスキンシップの理由は、
 いつの間にか彼女が傍へ置き始めたホムンクルスなのだが。
 そんな子供じみた嫉妬心は隠してしまって。

 
(288) 2021/12/17(Fri) 21:43:56

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 …… ねえ、その子の名前は?
    甘いもの用意してるんだけど、好きかなぁ。 」


 ―― 兎は出来る兎なので。
 そんな風に、可愛いばかりの友人へ尋ねてみては
 恐る恐る交流を計ることも、あっただろう。*


 
(289) 2021/12/17(Fri) 21:44:00
 




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