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人狼物語 三日月国


169 舞姫ゲンチアナの花咲み

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【雲】 サルコシパラ



   苦悩の日も、健やかなる日も
   蒼空はいつだって壮大で青い。

   蒼空を見上げたまま
   サルコシパラは小さく笑い独り呟くと
   そのまま意識を手放して。
   
   いつも被っていた仮面が
   滑り落ちるように地面に投げ出される。


(D57) 2022/08/27(Sat) 8:21:29

【雲】 サルコシパラ



   彼女が戻ってきた頃には
   そこにはサルコシパラの姿はなく
   あるのは木にもたれかかるように
   咲いた竜胆や薔薇と


            たった一輪の、勿忘草**


(D58) 2022/08/27(Sat) 8:24:25

【雲】 ウユニ



   目に映るのは、
   木にもたれかかるように咲いた竜胆や薔薇。>>D58
   最愛の人の姿は、そこには、なかった。

   貴方がいなくて、
   さっきはなかったはずの花が咲いている。
   その意味なんて、一つしかなくて。


 
(D59) 2022/08/27(Sat) 17:13:29

【雲】 ウユニ




「いやああああああっ!」



 
(D60) 2022/08/27(Sat) 17:15:34

【雲】 ウユニ



   縋るように駆け寄って何度見ても
   貴方の姿は、ない。
   足に力が入らなくなって
   がくり、とその場に座り込んでしまった。


   
   なんでなんでなんで、
   どうして、さっきはなにもさいてなかったのに
   
             どうして―――――。


 
(D61) 2022/08/27(Sat) 17:15:57

【雲】 ウユニ


  

   脳裏によみがえるのはさっきまでの貴方の姿。
   泣きじゃくる私を優しく撫でてくれて。
   私から初めて言葉で伝えた愛情を返すように
   誓うように、口づけを交わして―――――。

  

           
そっか、わたし、が……。
 


 
(D62) 2022/08/27(Sat) 17:16:39

【雲】 ウユニ




    
私が、貴方を殺したのね。



  
(D63) 2022/08/27(Sat) 17:18:44

【雲】 ウユニ



   貴方が私を思ってついた嘘は、>>-14>>-18
   私を救いはしなかった。


           生半可な言葉では語れない
           絶望へと、私を誘うだけで。


        
(D64) 2022/08/27(Sat) 17:19:43

【独】 ウユニ




   
私の想いが、貴方の命を散らしたんだ。

   それが私をどんな気持ちにしたかなんて、
   きっと貴方は永遠に、知らないままでしょう。



  
(-19) 2022/08/27(Sat) 17:21:40

【雲】 ウユニ



   自身の病が悪化したことを悟った時だって
   貴方に病が感染ったことを知った時だって
   確かに絶望を味わったはずなのに。

   絶望には底なんてない、と。
   私は、思い知ってしまう。


         
知りたくもなかった、そんなこと。


   
(D65) 2022/08/27(Sat) 17:22:14

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   いかないで、独りにしないで。
   そばにいるって、死なないって言ったのに。

   うそつき、わたしもつれていって。


  
(-20) 2022/08/27(Sat) 17:23:09

【雲】 ウユニ

 

   貴方に向かって何を言ったのか、
   もう、わからなくなるくらいに
   何度もなんども言葉にならない音をこぼして
   涙を流し続けて。


   手に持ったままだった手紙のことを 
   ようやく思い出したときには
   もうずいぶん長い時間が流れていて。
   震える手で、中身を取り出した。


 
(D66) 2022/08/27(Sat) 17:24:14

【雲】 ウユニ



   綴られていたのは、
   貴方が静かに固めていた
覚悟
>>L1
   私への、
想い。
>>L2>>L4

   そして、今の私には、
   あまりに酷な願いだった。>>L3


 
(D67) 2022/08/27(Sat) 17:27:10

【雲】 ウユニ



   貴方を失った私は
   今、死にたくて死にたくて仕方ないのに。


   好きなだけ生き抜けと言われたって
   隣にあなたがいない日々を過ごすと考えただけで
   辛くて、辛くて、幸せなんて見いだせないのに。


   貴方の命を奪った罪悪感が
   この身を蝕んでいるのに、それでも
   耐えて生きろ、と貴方は言うの……?


   ぽたっ、と手紙が涙にぬれていく。
   濡れる度に文字が滲んで、
   それでもあふれる涙は止まらない。


  
(D68) 2022/08/27(Sat) 17:29:11

【雲】 ウユニ


   
   風に吹かれて、何かが転がるような音が
   微かに聞こえてそちらに目をやれば
   貴方がいつも付けていた仮面を見つけた。

   
   
「……どうして、って聞けなかった。」



   仮面を拾い上げて、
   泣き腫らして酷い顔を貴方から隠すように
   それを身に着けると、貴方の方を見て。

  
(D69) 2022/08/27(Sat) 17:31:45

【雲】 ウユニ



   たった一輪、咲いていた勿忘草を


                 ―――――手折った。


 
(D70) 2022/08/27(Sat) 17:35:25

【雲】 ウユニ




   
私を忘れないで。


         
貴方が遺した想いをこの手に。**



 
(D71) 2022/08/27(Sat) 17:36:03

【雲】 ウユニ



   そのあとの記憶はおぼろげで
   どう家に帰ったのかすら、曖昧だった。
   思い出そうとしても、思い出せない。

  
   貴方がいない家に戻って
   私が割ってしまった花瓶の破片を見て。
   貴方が薔薇を可愛がっていた姿を思い出せば
   また、涙があふれていく。
   この先ずっと、こんな思いを抱えていくなんて
   到底耐えられない。


   貴方の言葉に背いて、死んでしまおう、と。
   破片を手に取り、腕を切ろうとして―――――。


 
(D72) 2022/08/27(Sat) 17:37:34

【雲】 ウユニ




    
「―――――。」



 
(D73) 2022/08/27(Sat) 17:40:43

【雲】 ウユニ



   誰かの声を、聴いた気がした。
   貴方の声だと最初は思って、辺りを見て。

   勿論、貴方がいるはずもなく。
   幻聴だったのかと、がっかりした。


   でも、貴方に引き止められたような気がしたから。
   その日は気絶するように眠った。


  
(D74) 2022/08/27(Sat) 17:42:59

【雲】 ウユニ



   次の日も、その次の日も。
   私は何もする気力も起きなくて
   ただただ、死ぬ方法ばかり考えていた。


   
家にいれば、貴方との思い出ばかり蘇って

   
そのたびに何度も泣いて

   心の痛みを誤魔化すように、
   自分の身体を傷つけ続けた。


   何かを食べても味がしないと気づいて
   食事も疎かになっていって。

   
それでも私は死なないように、生きていた。


   
死ねなかった原因は二つ。

  
  
(D75) 2022/08/27(Sat) 17:50:11

【雲】 ウユニ



   一つ目は、貴方が遺した手紙。
   
W数十年後にW
の一言は
   今、死んでも貴方にあえないんじゃないか、
   私にそう思わせたし、

   私が貴方の宝だという一言は
   この命を投げ捨てるのは、
   貴方の宝を投げ捨てるのと同じだと、
   私に思わせたから。

   死のうと体に傷をつけても
   躊躇うような傷で終わったのはそのせい。


          今まで散々貴方の気持ちを
          蔑ろにしてきたから。
          罪滅ぼしにもならないけれど
          それでも、……。


  
(D76) 2022/08/27(Sat) 17:51:05

【雲】 ウユニ



   二つ目は……
   あの日にきいた声。>>D73
   誰の声か分からない、貴方に似た声。
   その声を、何度か聞いたから。

  
   どうしてかしら。
   誰か分からないはずなのに

   
おしい、と思うの。



   引き止められるように、
   
誰かに生かされるかのように、
私は生きて。

   痛みから目を背けたくて、こう思うようになった。

  
(D77) 2022/08/27(Sat) 17:52:49

【人】 ウユニ



   
あぁ、私は……。


            
を、見ていたのね。


  
(0) 2022/08/27(Sat) 17:53:20

【人】 ウユニ



   家族に見捨てられた私を、優しく迎え入れて
   普通なら到底受け入れられない病を受け入れて
   私の事を、愛してくれる人と、過ごしていた。

   綺麗だ、と言ってくれたことも
   私の贈り物に喜んでくれたことも
   思い出をなぞるように湖で遊んだことも

   愛を誓いあったことさえも。
   すべて、ゆめだったの。


  
(1) 2022/08/27(Sat) 17:53:59

【人】 ウユニ




         
私の身に余るほどの幸せな、永い夢。

 
(2) 2022/08/27(Sat) 17:54:41

【人】 ウユニ




   いっそ忘れられたらいいのに、
   
手にした想い
のせいで、忘れることもかなわず
   夢をいつまでも忘れられなかった。


 
(3) 2022/08/27(Sat) 17:55:37

【人】 ウユニ



             ✽

             ✽

             ✽
 

  
 
(4) 2022/08/27(Sat) 18:00:45

【人】 ウユニ



    『―――さん。
     おかあさん……?どうしたの?』

  
(5) 2022/08/27(Sat) 18:02:04

【人】 ウユニ



   
―――――また、哀しい夢を見ていた気がする。


   呼ばれて、ふと、現へ意識が引き戻された。
   心配そうにこちらを見つめている子に
   私は優しく笑いかけて。

  
(6) 2022/08/27(Sat) 18:03:01