![]() | 【人】 聖母 エリシア[やはり罪を消すと言うならば、 わたしは彼女にそれ以上何か言うことはなかった。 わたしは結局、グリンダさんではなく イリゼルの味方だから。 真に彼女に寄り添った言葉をかけることは できないのだろう。 それでも、心を殺して生きていけとは言えない。 自分にもできなかったことだから。 手を伸ばす先にあったのが花か亡霊か、 違いはそれだけの話だったのかもしれない。 ただ、良い結果になることだけを願った。]* (82) 2024/12/27(Fri) 6:15:54 |
![]() | 【人】 聖母 エリシア[グリンダさんと別れたあと、 わたしはゆっくりと広間へ戻る。 視線は下を向いて、物思いに沈んでいた。 先ほど、兄を。 話の流れで罪人と呼んでしまったことに、 今になって気が咎めていた。 世間からその烙印を押されようと、 わたしがそう思ったことは 一度もなかったはずなのに。 いや、そうだろうか? 違う。 その罪の深さに慄いて、わたしは確かに、 彼から目を逸らしたことがあったじゃないか――] (83) 2024/12/27(Fri) 6:15:57 |
![]() | 【赤】 聖母 エリシア 『兄さん、おやすみのキスをして!』 [そんなふうにねだるのが当たり前だった、幼い頃。 早くに両親を亡くしたわたしにとって、 彼は兄であると同時に、親代わりでもあったから。 甘えに甘え、わがままを言って、 いつもべったりくっついて。 見かねた大人に窘められれば 泣いたり、へそを曲げたり。 散々困らせただろうに。 それでもわたしを嫌うことのなかった兄は、 気がつけば、すっかり過保護になってしまった。] (*15) 2024/12/27(Fri) 6:15:59 |
![]() | 【赤】 聖母 エリシア[でも、わたしが元々そんなだったから。 歳を重ねて多少落ち着いても、 距離の近い兄妹でいることに疑問はなくて。 だって、家族からのハグやキスは いくつになっても嬉しいものでしょう? わたしがそうだったから いけなかったのだろうか。 兄の視線に違和感を抱いたのは、いつだっただろう。] (*16) 2024/12/27(Fri) 6:16:02 |
![]() | 【独】 聖母 エリシア[兄さんはきっと、 わたしがぐっすり眠っていると思ったのよね。 だけど、頭を撫でる手にわたしは気がついた。 ああ、おやすみのキスを忘れていたんだわ。 わざわざ来てくれたのね、ありがとう兄さん。 でもごめんなさい、わたし、 眠たくて目も開けられないの――…… 夢の中でそう語りかけ。 現実では再び眠りに落ちようとしていた。 その気配が近付いてきても、 何を心配することがあるだろう。 わたしは彼を、信用しきっていたのに。] (-25) 2024/12/27(Fri) 6:16:05 |
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![]() | 【赤】 聖母 エリシア[知ってしまって恐怖を覚えた。 兄の感情にじゃない。 異端、という言葉が浮かんだからだ。 だめよ兄さん、それは、 そんなことが誰かに知られたら、 わたし達引き裂かれてしまう……! 恐れたものはそれ。 兄がわたしに向ける愛情は、わたしにとって 家族を奪い去るものに変貌してしまったのだ。 わたしも兄さんを愛していた。 触れられてもいやではなかった。 それでも、彼の想いとは違っていたんだろう。] (*18) 2024/12/27(Fri) 6:16:09 |
![]() | 【赤】 聖母 エリシア[わたしには家族という関係が最上で。 それを守りたい一心で、 必死に何も知らないふりをし続けた。 気がついたと知られてしまえば、 全部壊れてしまいそうな気がしたから。 聡い兄さんは、もしかしたら 何もかもわかっていたのかもしれない。 でも、苦しいのはきっと今だけ。 熱情はいつかさめて、また穏やかに 移り変わっていくものだろうと思っていた。 わたし達が道を踏み外すことはなかった。 いつかが来ることもなかった。 結局わたしは最後まで、 彼の心に寄り添うことはできなかった。] (*19) 2024/12/27(Fri) 6:16:12 |
![]() | 【独】 聖母 エリシア[だから。 兄が死んでしまって、 もしかしたらすべて、わたしへの罰なのかと 馬鹿な考えが脳裏に過ぎった。 兄さんだって悩んだり苦しんだに決まっている。 それに寄り添うことも、支えることもせず、 わたしは兄さんをひとりぼっちにしてしまった。 これはその報いなのだろうかと。] (-26) 2024/12/27(Fri) 6:16:14 |
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![]() | 【独】 聖母 エリシア[こんな終わりが来るならいっそ 兄の想いに応えてしまえばよかったと。 後悔、申し訳なさ、同情心、 愛、悲しみ、独占欲、嫉妬、 ぐちゃぐちゃの感情が入り交じり 心に湧き上がった言葉は醜くて。 とても直視できるものではなかった。 わたしの中にこんな醜い感情があったなんて 知りたくなかった。] (-28) 2024/12/27(Fri) 6:16:19 |
![]() | 【人】 聖母 エリシア[美しいばかりの愛ではなかった。 罪ならもう、とっくに背負っていた。 だからこそ。 きっと神の国には行けなくて、 地獄にいるだろう兄をひとり残して、 わたしだけ、忘れていいはずがないのだ。]* (84) 2024/12/27(Fri) 6:16:22 |
![]() | 【人】 聖母 エリシア[……そんなことを思い出しながら広間に戻ってみれば ヴィオラさん達はティータイム中…… というよりも何か、大事な話の途中だったようで。] …………お取込み中だったかしら [わたしは話の区切りを待って、そっと声をかけた。 それがおもしろい話だったか、深刻な話だったかは 流れにお任せするとして いえ、中断するつもりはないのだけれど。 先ほども優しく声をかけてくれた彼女に>>33 グリンダさんには暖を取れるよう火を渡してきたこと、 わたしは一足先に戻ってきたことくらいは 報告しておこうと思って。 簡単にそれを伝えたら、 お邪魔しましたと言って話の続きを促しただろう。]* (85) 2024/12/27(Fri) 6:16:24 |
![]() | 【人】 聖母 エリシア[むしろ、そちらが取り込み中で 助かったのかもしれない。 わたしも少し、 込み入った話をしたい相手がいたから。] あの。ライナス・カディアさん、 ……でお間違いないですよね。 先ほどのお話の件で、少々、 お尋ねしたいことがあって…… 少し、お時間いただけませんか。 [話の輪には加わっていなかったように見えた 彼のところへ行くと、わたしは緊張しながら、 真剣な顔をしてそう声をかけた。]** (86) 2024/12/27(Fri) 6:16:27 |
聖母 エリシアは、メモを貼った。 ![]() (a8) 2024/12/27(Fri) 6:19:09 |
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