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![]() | 【人】 七川 惺[オープニングアクト>>2:0 の、次のシーン。薔薇戦争の戦闘が 大スクリーンにシルエットで映し出された後。>>2:2 さらに時は遡るが、時系列はふんわりしている。 なんとなれば、バッキンガムの結婚は史実では11歳。 まあ、日本の文学でいえば、光源氏が結婚した年だ。 まだ子供…おかざりの夫婦。その結婚前夜。 子役を使わないのと、絵面的な面で、 俺は15歳位を想定した扮装で舞台に立つことになっている。 今日は舞台に見立てた、ステージのない小ホールに入る。 オープニングアクト以外で、俺の初登場のシーンだ。] 結婚なんて、まっぴらだ。 [回廊を速足で歩いていると。 貴族達が外を指差しながら噂話をしている所にでくわす。 咄嗟に身を隠して聞き耳を立てた。] (30) 2026/08/12(Wed) 16:57:10 |
![]() | 【人】 七川 惺「あの漆黒の黒髪をごらんなさい。 父上に全く似ておられない。」 「母上の浮気。 ジプシーの血が混じっているとの噂ですぞ。」 「どうりで。奔放な血なのでしょう。 彼にたぶらかされたのは、一人二人ではない。」 「美しすぎるのです。禁断の恋に身を焦がす者もいる。 たぶらかされても仕方がない程に。 悪魔のように美しい。」 「いや、実際悪魔のような身体をしているのでは?」 (31) 2026/08/12(Wed) 17:02:39 |
![]() | 【人】 七川 惺[俺は物陰から踏み出す。] 諸兄。お言葉が過ぎます。 ……黒髪なら、ここにもいる。 「これはバッキンガム公。 貴殿の由緒正しい血筋は疑うべくもない。」 [一歩下がる貴族達。 控えたように見えるが、俺が去った後に聞こえるのは。] 「若造が。」 「王にもなれる血筋といえど、此度の結婚では 彼の出世は打ち止めでしょう。いや、むしろ……」 (32) 2026/08/12(Wed) 17:04:46 |
![]() | 【人】 七川 惺[俺=バッキンガムである ヘンリー・スタッフォードは、その後中庭で 悠凛=リチャードと対面する。 中庭に踏み入れる直前の、独白。] 遠くから、いつも見ていた、彼を。 その涼し気な美しい横顔を。 悪魔なんかじゃない、けれども。 ……まるで誘われるように欲が湧く。 ああ、だから。 皆、彼を怖れるのだ。 自分の深淵を覗くのが怖くて。 [それから数歩前へ進み、リチャードと対面する。*] ……王弟閣下。 [実際言葉を交わすのは初めてだった。 続けるべき言葉が見つからなかった。眩しくて。 この眩しさは、悪魔などではない。 一言目の呼びかけに それだけの気持ちを込めるのが、俺の解釈。*] (33) 2026/08/12(Wed) 17:13:17 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[一人遅れて稽古に加わることになった惺は、 持前の人当たりの良さで共演者やスタッフさんと すんなり打ち解けているようだ。 いつも俺との稽古がある訳じゃないけど、 一緒になった時にその指に控えめに光る プラチナリングが視界に入ると 誇らしい気持ちで満たされる。 この美しい男は、俺のもの。 “惺君、舞台初めてって聞いたけどいいね” 裏でそんな声を聞けば、なおのこと。*] (34) 2026/08/12(Wed) 18:38:51 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[リチャードが中庭を散策するシーン。 白薔薇の咲き誇る季節。 薔薇の茂みの向こうに下肢が見え隠れする様を 思い描いて、悠然と歩を進める。 以前より顔見知りだった二人は、 その時、初めて言葉を交わす。 未来の王と、王の半身の邂逅。] これは、バッキンガム公。 此度はおめでとう。 お父上も、美しい花嫁を随伴する 貴公の姿を見れば、さぞ誇らしく 思われたことでしょう。 [バッキンガムの先代は、リチャードの生まれの プランタジネット家と敵対するランカスター家を 支持していた。 しかしリチャードは、優れた者、美しい者、 そうして熾火を燻らす者を好む。 己と同様に。] (35) 2026/08/12(Wed) 21:15:48 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[9歳にしてグロースター公に叙されたリチャード。 それと前後して、6歳で公爵位を襲爵した ヘンリー・スタッフォード。 王妃を後見人に持ち、此度はこの年若さで 王妃の妹を娶る手筈となった。 棘なき茨で雁字搦めの、若き公爵。] 今日はことに空が高い。 ……ですが、花の顔が曇るのを幾度か見た。 喜ばしき明日という日を控えて、 憂い事でも? [眼下に咲き乱れる白薔薇に手を翳し、 強い陽光の下、くっきりと影を落とす── その光景を現実の視界と二重写しに観ながら、 ゆったりと首を擡げる。*] (36) 2026/08/12(Wed) 21:20:03 |
七川 惺は、メモを貼った。 (a4) 2026/08/12(Wed) 21:46:56 |
![]() | 【人】 七川 惺はーっ。 [思いっきり溜息をついてしまう。俺の素に近い。 これでいいのか?違うのかもしれない。 ]……失礼いたしました。 ご機嫌麗しゅう。 [今更ながらに挨拶を付け加える。 居住まいを正したものの、表情は昏い。] 正直言って、気が進まないのです。 家の繁栄のためにと決めつけられた妻。 例えどんなに美しかろうと それは私の選んだ、望んだ美ではありません。 [あんたの前では霞むだろうと思っても それはまだ胸の内に秘め、視線を落とす。] (37) 2026/08/12(Wed) 23:11:10 |
![]() | 【人】 七川 惺[しかしその視線はやがて 白薔薇の上にくっきりと落ちる リチャードの手の影の方へと吸い寄せられる。] 家の繁栄が私の望む形のものなら 義務だと諦めもしましょう。 貴族の家に生まれた者の務めとして。 けれどもこの結婚が、 現王妃に頭を押さえ付けられものなら ……間違っている。 [──後見だと?おためごかしに。 観客にギリギリ聞こえるような悪態。 そして熾火を燻らす者の瞳。 できているだろうか、俺に。 ] (38) 2026/08/12(Wed) 23:12:27 |
![]() | 【人】 七川 惺ただ、私はあまりに年若く 今それを跳ね返すだけの器量がない。 そもそも私は現王が一番玉座にふさわしいとは…… [さすがにそれ以上は口を慎む。 ほとんど言ってしまったようなものだけれども。 ──ああ、あんたの前で俺は本音を隠せない。 できるだろうか、そんな貌。 リチャードの掌の下の、 影が落ちている薔薇の茎に手をかける。] 貴方、なら、と思う。 [棘に刺されて血を流す指。 痛そうに、そう見えるようにする。 ] (39) 2026/08/12(Wed) 23:22:19 |
![]() | 【人】 七川 惺その手に欲しいものを見出した時、 私を想い出して下さい。 [そうして観客に向かって抑えた声で独白。 まだ観客はいないけどな。 *]この美しさは悪魔のものではない。 ──麻薬のような、王の、器。 (40) 2026/08/12(Wed) 23:25:00 |
七川 惺は、メモを貼った。 (a5) 2026/08/12(Wed) 23:28:22 |
![]() | 【人】 七川 惺[いつかの、休憩時間。] 「なんか惺君さー。 私達と演る時と、 悠凛君とのシーン、熱量違くない? [これは橋立カンナ。ホントに童顔。 同い年くらいに見えちゃうけど、 芸歴でも舞台歴でも先輩だから、敬語。] ええーっ?そうですか? 前に共演したから、呼吸が合うっていうか。 他の皆さんとは初共演ですし。 「そうかなぁ?」 アン橋立さんとはライバルですからね。 これから負のオーラ出すようがんばりますから。 [それが後に現実になるとは。 舞台の上で、俺バッキンガムはアンに激しく嫉妬する。*] (41) 2026/08/13(Thu) 0:07:25 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛望んだものを望んだように得られる者はそう居ない。 神の代理人たる王の血筋に連なる者とて、 それは同じこと。 足ることを知り、務めを果たすのみです。 [王弟であるリチャードは無論、 バッキンガムも王の血筋を引いている。 それでも、世の道理を動かす術はない。 動かしがたい、この世に産声を上げた巡り合わせの前には。] (43) 2026/08/13(Thu) 0:23:15 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛……貴公は、婚儀を明日に控えた身。 “薔薇の下”での会話は不問にしよう。 [掴んでいた手首から手を離すと、バッキンガムの 肌を刺した一輪を摘み取り、恭しく跪く。 その胸元に、ブーケトニアのように 純白の薔薇を挿してやる。 立ち上がる間際、白い頬につと頬を寄せて] 不遇に倦まず、牙を研いでおくことだ。 時代がいずれ、お前を必要とすることもある。 [鮮血の滲む指に視線を留め、すっと目を細める。 己のために、青き血を流すを厭わぬ男かも知れない。 ──リチャードは、そう考える。 失礼、とマントの長い裾を踊るように翻し、 ゆったりとした足取りで歩み去る。*] (45) 2026/08/13(Thu) 0:40:56 |
![]() | 【人】 七川 惺[「“薔薇の下”での会話は不問にしよう。」 今のアドリブだよな?親父の台本にねーぞ? ここでの会話は特別に不問、だったか。 あ、いけない見惚れちゃ…… まだ滑らかな、年若な頬を撫でられ。 己の力のなさを呪いながら。 胸元に飾られた白薔薇を血濡れた指でなぞる。 ──翻るマント姿を見送る。**] 牙を研いでおこう。 あんたの為に。 いつかの日、“薔薇の下”にて。 秘密を共有できる、大人の力を携えて……。** (46) 2026/08/13(Thu) 1:16:35 |
七川 惺は、メモを貼った。 (a6) 2026/08/13(Thu) 1:18:28 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[婚儀を控えた花婿に贈るには物騒な餞を囁いた リチャードは、バッキンガムを振り返ることもなく 悠々と歩み去る。 途中、舞台脇上方に設えたバルコニーから こちらを見つめささめきあう娘達に、淡く微笑みかける。 長兄であるエドワード4世のように 好色の素振りはないが、女性に冷淡でもない。 それでも人々の噂は絶えない。>>31 王位継承権が高いということは、 その威光に擦り寄る者も、陥れようとする者も 多いということだ。 侮られてはいけない。 目立ちすぎてもいけない。 秀でていればなおのこと、慎み深く用心すべきだと リチャードは心得ている。] (47) 2026/08/13(Thu) 13:59:16 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[“舞台袖”へと捌けて、ふっと息を吐く。 今はまだ小ホールでの練習だから、 実際にはバルコニーも緞帳もない。] …前とちょっと雰囲気変わったと 思うんですけど、どうでした? [キリの良い所で七川先生に尋ねる。 ついアドリブを幾つか入れてしまった>>46 舞台に慣れてない惺相手に。 惺が即興で返してくれてよかった。 今回はトラブルで稽古の進みが遅れたのに、 役の入りが早いと自分でも感じる。 惺のバッキンガムは、やっぱり雅治さんとは違う。 雅治さんのバッキンガムは、子供時代から強かさがあった。 大人になってからは、老獪さも。 大仰に溜息を吐く惺のバッキンガムを前に“素直な方だ”と 口にし、自然と笑みを零したのはアドリブだった。 “貴方、なら、と思う。” そう囁かれ、よく物を言う眼差しを向けられた時には。 ──この少年が俺に見た夢を、叶えてやりたい。 そんな想いが湧くのを感じた。*] (48) 2026/08/13(Thu) 14:02:22 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[つい別のシーンの事も話し込んでしまって、 休憩をとりそびれた。 俺のお妃様を探しに休憩室に入ると、 惺が同世代の女子数人に囲まれている。>>41 背後から近寄って、話に割って入る。] それはねー、惺が俺のファンだから。 [「ね、惺?」と冗談半分本気半分で同意を求める。 同じ舞台に立つなら、やっぱり他の誰より 俺に魅了されていて欲しい。 “ライバル”とアン王妃役の彼女を呼んだ惺が可愛い。 そこは頑張らなくても自然にできるんじゃないかな?なんて。] カンナちゃん。 スタッフさん呼んでるよ、 次俺らのシーンだって。 [年上の彼女への接し方が気安いのは、 前に学園物のドラマで一緒になった時に、 「芸歴はほぼ一緒だし今はクラスメイトでしょ」と フランクに接して欲しいと言われてたからだ。 彼女が童顔なのもあって、俺らの実年齢をそこまで正確に 把握してないスタッフさんには、同い年位に思われてそう。*] (49) 2026/08/13(Thu) 19:38:22 |
![]() | 【人】 七川 幸臣 ── As you like it ── ──よかったよ。 “素直な方だ。”からの、流れ。 悠凛君の対応能力には舌を巻くものがあるね。 [リチャードの微笑みを見た惺バッキンガムは。 いや、観客も。 その一瞬は慈しみを与えられたような気分になるだろう。 そこから声を落として、静かに。 それから反転して、厳しく演じるのも映える。] 華岡君と相対した時とはまた違って。 惺のバッキンガム登場シーンは まだまだ生意気盛りの子供に見えるからね。 [でかい図体しているのにね、と笑った。*] 丁々発止のやり取りも魅力的だが 少年の夢と、それを包む包容力。 思春期の二年差は、あれくらい隔たりがあってもいい。 “薔薇の下”でと置き換えたのも、 薔薇戦争時代にふさわしいし、浪漫のある響きだ。 (50) 2026/08/13(Thu) 21:58:23 |
![]() | 【人】 七川 幸臣相手によって柔軟に対応を変える、 経験の積み重ねでそれができる役者さんはいるが ……君がフォローが上手いのは昔からだね。 今後とも、よろしく頼むよ。 [まあ、演技面でのことだがね。 主演の君に舞台全般をよろしくというのは、 それも本当のことだが。 リテイクがきかない舞台において。 プロの舞台が初体験の惺のことが、 やはり心配ではあるよ……色々とね。 親心が見え隠れしてしまったかもしれないな。*] (51) 2026/08/13(Thu) 22:12:59 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[七川先生に演技の是非を仰げば、 肯定的な答えが返ってきてほっとする>>50 思い出してきたけど、惺と演るとたまに ペースが崩される感があるんだよな。 結果的にそれはそれで収まるというか、 寧ろ良かったりするんだけど。] そう……、なんかそういうのひっくるめて、 可愛い、んですよね。 [周囲にこちらに注意を向けている人がいないことを 確認してから、ぽつっと漏らす。 やっぱり序盤は調子が狂う、というか。] 前話してたラストシーンも、 バッキンガムの仕上がり見てから 考えた方がいい気もしてて、 [惺の演るバッキンガムの仕上がりが、 俺が構築したリチャードを何がしか 変容させるのかも知れない。] (52) 2026/08/13(Thu) 22:31:49 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[思春期の二歳差の隔たりは、俺も意識した事だった。 七川先生は役者のアドリブも好む方だと知ってはいたけど、 受け入れて貰えて有難い。 相槌に時折お礼を挟みながら、話を聞く。] 上手く合わせていけたらと思って 意識的に変えてる部分はあるんですが、 ……何というか、 あの直向きさと熱意には、 揺さぶられるものがありますね。 [演技に限らずなんですけど。と声を潜めて ひっそりと笑う。 演出家としての顔の奥に、お父さんの顔も ちらりと垣間見えた気がしたから。*] (53) 2026/08/13(Thu) 22:43:00 |
![]() | 【人】 七川 惺[さてアン王妃役のカンナさんらと話していたら] 「それはねー、惺が俺のファンだから。」>>49 [背後から悠凛に声をかけられて、焦ってしまった。 バラすなバラすな。 ……って、それ位バラしているうちに入んないけど。 顔色に出てなきゃいいけど。 ちょ、ふざけて凭れ掛かってくんなよー。] あ、はい。 同級生だった高校時代から 悠凛君のダンスや演技は尊敬してましたから。 [半分外れかかったSHOUの仮面を、慌てて被り直す。] 「えー、仲いいんだね〜」 「時々遊んでる写真、インスタにもあがってるもんね」 [カンナさんとエリザベス役の戸倉理恵さんが 交互にさんざめく。] (54) 2026/08/13(Thu) 22:51:58 |
![]() | 【人】 七川 惺「お店の人に色違いのマフラー買わされたって? 仲良すぎるからなんじゃない?」 「あやしーぃ」 [勿論揶揄われてるだけなんだろうけど。] や、違いますって。 [プラチナリングを嵌めた右手を咄嗟に顔の前で振る。 偶然にも恋人がいますからアピール… になったかな? その恋人が、目の前の悠凛なんだけど。 でも、バレてないと思う。 例え俺の頬が薄く桜色に染まってたって。 じゃれ合って照れてるだけだと見てくれるはず。 だって、さっきのカッコイイ悠凛の演技の後だぞ。 女優さん達、魅了されただろ、どうよ? この後すぐ悠凛の真骨頂、女の子をたらす演技あるし…!*] (55) 2026/08/13(Thu) 23:03:08 |
七川 惺は、メモを貼った。 (a7) 2026/08/13(Thu) 23:06:09 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛──Take up the sword again, or take up me.── [早くに父王を亡くしたリチャードは、ウォリック伯の城で 彼の庇護と騎士の薫陶を受けて育った。 共に野で遊び馬を駆った、ウォリック伯の娘のアン。 長じてランカスター家のエドワード王太子の妻となるも、 父は兄王に討たれ、夫はリチャードの率いる軍に殺された。 彼女は今や、イングランドで最も高貴な捕虜だ。 莫大な財産と貴人の称号を持つ寡婦でもある。] ──…どうか、今だけ。 昔のように“我が君”と呼ぶことをお許し下さい。 私の罪は、決して許されざるもの。 貴女から愛する人を奪ってしまった。 美しい貴女が、もう誰かの妃ではない事に歓喜する この卑しき心も、許されるものではない。 罪深きこの心臓を、どうか。 貴女の手で貫いて下さい。 私の血一滴までを以て、贖いを。 [彼女を幽閉する塔の上、寝台に腰かけるアンの傍に 抜き身の剣を安置し、自分の胸をはだけて足元に跪く。] (57) 2026/08/13(Thu) 23:35:19 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛これは元より、貴女のものです。 御父君の城で貴女を見知って以来、 ただ御身一つに捧げてまいりました。 剣をお取りください、我が君。 [剣を拾い上げたアンの震える手は、それ以上動かない。 強張った顔には、躊躇いと迷いが見てとれる。 彼女を見上げるリチャードの瞳が、 眩しいものを耐えて見つめるようにそっと細まる。] ……願わくば、私のこの手を。 [押し殺した声には、一途な熱が滲む。 苦悩する男の最期の哀願。 アンの手から剣が床へと滑り落ちる音が、 その答えだった。*] (58) 2026/08/13(Thu) 23:41:43 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[嫋やかな手首を男の掌で捕らえ、 取り零した剣の代わりに自分の手を握らせる。 思慕と崇拝を籠めた眼差しで、 陶然と彼女を見つめること暫し。 片腕で抱き寄せた背を庇いながら、 寝台へと押し倒し──── というところで、一旦シーンは中断される。 寝台のセットがないからね、まだ。 悪ふざけして、腕の中でオーバースウェイのように くっと撓らせた彼女の身体を引き戻す。 彼女との結婚式では、ワルツのシーンもある。] … あれ、 [惺だ。まだ呼ばれるタイミングじゃなくない?>>56 「どうかした?」と腕の中でカンナちゃんが見上げてくる。] や。見学のひとがね、 [気まずい。恋人が現場に居んの、気まずい。 そっと彼女の身体を離して、ホール後方に軽く手を振った。*] (59) 2026/08/13(Thu) 23:57:04 |
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