人狼物語 三日月国


69 【R18RP】乾いた風の向こうへ

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視点:



[ 乾いた風の匂いに包まれて、
  賑やかに栄える城下町を穏やかに見下ろす。
  砂塵に混じる細かな礫さえ愛しい、
  褐色のはずの世界に鮮やかな色が咲く。

 
  そんな夢を見ていた気がする。
  嗚呼これは夢だなぁと己で理解して見る夢。

  醒めたくないと願う微睡が、
  現実的な騒がしい音で破られていく。 ]
 


[ 先ずはカチャリ、と鳴る微かな金属音。
  いつもの音だと無反応を決め込んで、
  あたたかな夢に戻ろうとした意識が、
  がごん、という鈍い音に引き戻される。
  それに続いてどさりと何かが倒れるような音。

  只ならぬ様子に、そっと目だけを動かした。
  安らかな夢にさえ居させてはくれないのかと
  おまけに付け足した小さな舌打ちに、
  なぁお、と澄んだ声が重なった。

  驚いて瞬きを繰り返し、ぼやけた視界を整えた先。

  光の届かぬ此処に不似合いな、質の良い布地が
  吹くはずもない風を孕んでふわり、
  舞っていて。
 


   ……なぜ、


[ 声は掠れて、ただそれだけの言葉しか出ない。
  ずるずると体を動かして、
  どうにか上半身を起こし壁に凭れた。

  身体のどこもかしこもが自分のものでないように
  重く気怠かったけれど、大きく開いた鉄の格子と
  その隣には意識のない従者、
  大きな壺は彼女の手にか床に転がっていたか、
  ともかくそれらに気付けば目を剥いた。 ]


   
正気ですか!?

   Mais ne vous emparez pas du pouvoir!?
 


[ 身体が動けば逃げられる。
  ただ、彼女は。

  思わず上擦ってしまった声に、
  気を失ったままの従者の様子を慌てて窺う。]


   あなたは、


[ 小刻みに震える足をひとつ拳で殴って、
  ざざと音を立て折り畳み片膝をついて、
  身体を起こした。

  彼女の瞳を覗き込む。

  己は困り果て途方に暮れたような表情で、
  きっとへにゃりと下がった眉で、
  それでもおずおずと片手を伸ばして。 ]*
 



   動ける体なのかしら……?
   紙越しの口付けになってしまったから
   きちんと、したくなったの。
   
   お父様に気づかれてしまう前に
   どこかへいきましょう?
   私、何もできないけれど…
   輿入れの後、何不自由なく暮らして
   でも全てに絶望するのなら
   不自由でいいから、出来ればあなたと


   ──────  幸せを感じてみたいの。







[ 彼相手に何を言っているのだろう。
  とても困った表情をしているのを見て
  思いはすれ違っているのかと思ったしまった。
  それでも、彼の声が聞こえると  
  彼女は手に持っていた壺のことを思い出し
  床に静かに下ろせば、伸びてきた彼の手を
  きゅっと握り、優しく指を絡めて
  ゼロ距離になるのは容易くて。

  彼女は体を起こすこともままならない
  彼に寄り添うように体に手を添えて、
  初めての口づけを彼に捧げた。
  柔らかな唇が少し震えて
  彼の唇に重なっていったことだろう。 ]








   ……彼をこの中に入れて、
   入れ替わりましょう?
   鍵もかけて捨ててしまえばよいのかしら。

   私、あなたのことを忘れられないの。
   とても大切な人だと、思っているから。



[ 彼の体が何かの原因でいつもより
  動きにくいのは初動で分かっていたから、
  どうやったら動きやすいの?と
  そのまま追加で聞いたはず。

  彼女が外に出るときに使っている
  裏ルートがこの近くあるので
  そこにさえいけたなら、
  ゆっくりと逃げ出すことができる。

  ピヤールもお気に入りの彼のそばを離れず
  喉を鳴らして、昼ぶりの再会を
  喜んでいる様子で緊張がほぐれてしまった。 ]*





     『 It is a tale told by an idiot,
         full of sound and fury,
           signifying nothing. 』 



[ 脈絡もなく、借りた本の中の言葉が反芻する。
  不思議だ、と思う。
  自分の中には怒りなど無いというのに、]



自分がひどく怖がりなのは性格なんだろう。
他の兄弟と比較してはそう結論づけていた。

臆病だったから、他人の顔色を伺い過ぎて
いつしか相手が何を思っているかは手にとるようにわかるようになった。


────"あの人"を除いて。


とても綺麗な色なのに、まっくらな瞳
人を惹きつける心地良い波長の声は、水分が感じられなくて喉が渇いた

近い歳の兄達は自分を無視したけれど、星座ひと回り以上離れた面倒見の良い兄達の中で、異質に思えたのは何故だろう

考えてもわからないし、考える程に囚われる気がして、ひたすら逃げ続けていたのに。


『おまえは、ならないよね?』

 おまえも、そうなんだね 



見透かされている。いるんだ、きっと。

                
.


[それは、悪夢の続きかと思った。よく知った天井の紋様は、かつての自分の部屋。抜けられない牢獄のような日々の象徴。

背の高い窓から射し込む陽は、落ちかけていた。目線を動かして側にいる人が誰かを確認して、ひと息つく。夢からは覚めている。何が起きたかもわかっている。

ただ悪夢より酷い現実に戻ってきてしまったことを、その大切な人の姿で確認した。]


 …………ダレン。


[その人は目を開けた自分に声をかけただろうか。きっとそうだと思う。心配させたかな、ごめんなさい。ここまで運んでくれたのはきっとあなただよね、ありがとう。

そんな日常的な交流よりも伝えなくちゃいけない事がある。恐怖に裏付けされた義務感のようなそれに煽られて身を起こす。

目を、見るのは、無理で。少し視線を落として、それからは口に任せた。]


 ごめん、今更なんだけど……
 今更言われても、困らせることなんだけど

 主従関係を、解消しても、いいかな。


[添える笑顔とは裏腹に、ぼたぼたと涙が落ちた。]*

                
.


[ 空を掴むように伸ばした手は、
  容易く絡め取られ

  夢か現か、境目がぼんやりと霞む意識の中、
  先端からほわりと温かな体温が伝わる。

  耳をさらりと掃いて流れて
  鼓膜を振動させる声は
  一切の躊躇いも不安さえも感じない、
  熱の籠った芯があって。

  肩に添えられた手も、冷えた身体には熱いほど。
  滅多に降らぬ雨の雫の如く、
  静かに優しく落ちる唇は柔らかく、

  微かに震えていた。 ]
 


   あなたは、


[ 同じ言葉を繰り返す。
  かさついた唇に残る感触が、じんと胸を焼いて。]


   …… 困った人だ。
   幸せなど、他にいくらでもあるでしょうに。


[ くん、と絡めたままの手を引いて、
  立ち上がりながらぐいと引き寄せた。
  情け無いことに、壁に凭れていないと
  うまく抱きしめることもままならない。
  それでも、己より小さな細い身体を
  そっと包めば彼女の匂いが鼻腔から、
  脳を揺らす。

  髪に顔を埋め、息を吸い込み顔を上げた。
  どんな人形も敵わないほど完璧な
  カーブを描く美しい頬に触れる。

  顔を傾けて、今度は此方から、
  触れるだけの口付けをひとつ。 ]
 


[ ひとりではなにもできない、と言う
  その形の良い唇から、
  なかなかどうして豪快な提案が
  飛び出せば、目を見開いて吹き出して。 ]


   ……ほんとうに、良いのですか。
   苦労を、すると思いますよ。


[ 大切な人、と告げてくれる言葉に、
  返せるのはそんな言葉でしかなくて。

  それでも、きっと彼女とて、
  生半可な決意でここに来た訳ではないことくらい
  理解できた。

  なかなかの体格の従者が、完全に
  伸びているのがいい証拠だ、と、ちらりと見やって
  またくすりと笑った。 ]
 


[ 息を吸い込めば気道がひゅ、と鳴いた。
  ごほ、と肺の中の穢れた呼気を吐き出して、
  職務に忠実な、可哀想な従者を
  どうにか室内へ引き摺り込めただろうか。

  にゃん、とピヤールの声が高らかに響く。
  猫の手も借りたいよ、と呟けば
  なんだか楽しそうに纏わり付く艶やかな身体に
  ふ、と身体の緊張が緩むのを感じて。


  こちらを案じてくれる彼女に、
  問題ない、と告げて足を動かす。
  どうにか格子を抜けて、外から鍵をかければ、
  悪戯っ子のような表情を浮かべて
  美しい共犯者のあとへ続こうか。

  上手く進めたのなら、だんだんと強くなる
  この国特有の、乾いた風の匂い。
  祖国とは少し違うはずのそれが、今は
  とても愛しいと、一瞬だけ目を閉じて思った。 ]*
 




 俺はね、この国に帰ってくる理由なんて
 別になかったよ……



[余計なモノが止められないから、なるべく気丈に聴こえるよう、声を振り絞るけれど少し難しい。
そう、あの試験会場で。助手として誘ってくれた人も居た。少し物騒だったけど、それでもこの場所に比べたらマシなんだ。

差し伸べられた手を取らないで、あなたを掴んだ、その理由。

──この部屋の音声は、きっと筒抜けになる。好意を表す単語は外してなんとか伝えようとすが、そんなに多くの言葉をもたない自分だ。

模索した末、右の手を、ダンスを求めるかのように彼に向けて差し出した。意図が分かるだろうか? 解らなくても、重ねてくれる事はしてくれそうに思っていた。]*

                
.

[傍に控えてずっと主を見守っていた。
 主が目覚めたときにはほっとして微笑んだけれど、主従関係を解消と言われると、胸に風穴が開いた心境にさせられた]


  ……私に……至らぬ点があったろうか。
  申し訳ない。


[従者の首は主の気分次第。
 そう思ってはいたけれど、こんなに急に言われると、割り切れない。

 「国に帰ってくる理由がなかった」
 その言葉に意外性は無かった。
 主の望む暮らしはここではできない──それはダレンも感じていたことだったから。

 手を差し出されると、意図を考えることもなく主に手を重ねた。
 そうしながら、主従でいられなくなったら自分はこの先どう生きていけばよいのだろうと、内心途方に暮れていた。

 (この人を放り出して、私は……
  どう、すればよいのだろう。
  この人は私無しでも生きられるのだろうけれど) ]**



[ 困った人、と言われてしまった。

  幸せの形は確かに探せばもっとあったはず。
  けれど、それを探すことさえ躊躇われた。
  それは、彼女だけが幸せであることを
  彼女が許すことができなかったから。

  あの日、本当に迷子になって
  あの鉄格子越しに彼を見た時から
  幸せとは何かの犠牲の上で
  作られているものなのだと
  彼女はまじまじと感じ取った。

  侍女や従者たちがいるけれど
  それらよりももっと日の目を見ない、
  陰ですべての生活を支える誰かがいて。
  彼女は、その誰かに出会ったから。  ]







   ん、…………
   苦労を知らない私が、
   沢山の苦労を知るあなたから
   何も得なかったわけじゃない。

   私がこうやって会いにきたのは
   あなたが話をしてしまったからなのよ?

[ 足繁く通った彼女に色んな話をした彼。
  知らないことばかりで、
  自分の足で知りたいと思ってしまった。
      ..
  だから責任を取ってもらうために、
  彼女は彼と共に動いていたい。
  絡めた指から、彼の方へと連れて行かれ
  細くとも大きな体に包まれた彼女は
  大人しく、彼の髪を撫でられただろうか。
  頬を彼の指が優しく撫でたのなら
  拒むことなく唇を受け入れて。    ]






   何かあった時のために、
   装飾品を隠しておいたの。
   ……使えるかしら?

   夜だから、眩しくないと思うのだけれど
   休みながら、都を離れましょう?
   大河に船があると、動きやすいかしら…


[ 家の人間に気づかれないように、
  裏ルートへと辿り着けば
  そこには外套などが
  なぜかきれいに飾られていた。
  彼女が侍女たちとの外出の際に
  いつも使っているであろう外套を
  身に付けると、少し大きな袋を
  近くのカゴに入れて
  あたかも何かを届けにいくような
  様子を作り出して準備を整えた。

  勿論、彼にも目立ちにくい外套を
  渡してあげて。
  父親の話から、大河に出れば
  一気に離れることができると
  前々から考えていたので
  目指す場所をそこにしようとおもった。 ]





   ピヤール、彼のそばを離れないでね?


[ 扉から外へ飛び出せば、
  賢い愛猫にそう小声で指示を出して
  月明かりと微かな灯りを頼りに
  逃避行を始めようか。      ]*








 !っ、違うよ!
 ダレンに至らないところなんてない……!


 違うんだ、俺がダレンを、

 (好きになっちゃったから
  好きだって事に気がついちゃったから


   ──なんて、駄目だ、言っちゃ。)


[やはり自分の稚拙な表現力には、限界がある。言葉にはできない、なら]


(──家族じゃしない愛情表現って、なに……?)


[しばし模索して、差し出した手にはその手が重ねられた。それだけで僅かに高揚する自分を心底恨めしく笑う。自分とは形の違うその手のひらを頬に当てて、口吻を落とす。]

                
.


[その手を両の手で包んで、手首から指先まで唇でなぞる。時折柔く食んで、形を確かめるかのようなそれを、話しながら続ける。]


 ……『俺を危険から護って欲しい』って、
 言えば、申し出は断られないと思った

 その為だけに、危険を捏造するためだけに
 この国に戻ってきたんだ

 ……莫迦だよねぇ……いろいろ、気づくの遅すぎて
 巻き込んで、ごめん


[もしかしなくても、言ってる事とやってる事に相当の乖離があるだろう。正気を疑われるかもしれない。

いやもう頭はおかしいのかもしれなくて、終わらせようとして苦しいのに、触れているのは嬉しいなんて、気持ちが滅茶苦茶になってる。

笑いながら泣いて、自分も何がしたいのか混乱している。とにかく今、守るべきはこの目の前の大切な人の安全だ。]


 このままここにいると、ダレンまで危ないから
 もう、やめよ……って。俺と離れれば、
 危害は加えられないはずだから。
 
*
                
.

 
  ……私を?


言葉を途中で切られ、重ねた手を取られて、主の唇が触れる。
 手首から指先まで形を確かめるように唇が滑るのは、まるで愛撫されているかのようで、頬が熱くなるのを感じながら主から目を逸らした]


  ……私が守りたくなるような危険を
  用意するために、戻ったと?
  ……そのためだけに?


[何故そんなことを、と問いかけて。

 「ダレンと会えて、良かったなぁ……」

 しみじみとした主の呟きが脳裏に蘇った。

 そんなに、自分の身を危険に晒してまで連れ帰りたかったのだろうか──]

[──でも、それは。

 「ダレンは、俺と家族になるの嫌?」

 その、言葉の意味は。


 試験会場では「求婚されているみたいだ」と言ったら「そうかもしれないな」なんて返されていたけれど、深い意味があるものとは思っていなかった。

 「家族になってほしい」とは、「生涯の伴侶になってほしい」という意味だろうと言ったときの、主の反応を思い返す。
 あれは。
 本当に、打ちひしがれたのかもしれない──]

 
  ……ハールーン殿。
  まずは……家に帰らないか。

  ここで込み入った話はできまい。


[主が流す涙を拭おうと、指先を主の頬に近づけた]


  それに、ここにいるとハールーン殿の身も
  危険だろう。

  一度、帰ろう。

  もう私は貴殿の従者でないのかもしれないが、
  危地に単身で残るのは友人として見過ごせない。


[諦めが悪すぎるだろうかと思ってはみても、護りたいと思った相手に首を切られてそのまま置き去りにすることはダレンにはできなかった。
 それに、従者でなくとも友人だとは思っていたから。
 彼の身の安全を確保しないことには、主従関係の解消を受け入れられるとは思えなかった]*

 (…もっとも、お前自身が目星をつけた皇子が
 王にでも成ったときは、話が違うかもしれないな。)


[彼が少し腹の中を見せてくれている最中、
その言葉だけは、咀嚼の中に閉じ込めた。
今のうちから龍の影に身を潜め、
新たな王に尽くすのも悪くない。]

[さて、この国に、
結局龍の審美眼に叶う者は結局存在するのだろうか。

市を取り仕切る民衆の味方?
手を汚す覚悟などとうに出来ている益荒男?
手を汚す事こそ捕食者として瞭然たる大蛇?
未だ未来も過去も純粋な幼き希望の種?

――混迷の道で従者に手を伸ばす幼き賢者が、
王となりえる欠片は、千夜一夜、大河の光の粒の一片に
消えているのかもしれないけれど。

嗚呼、嗚呼。
単なる傭兵は皇族には非干渉なもので。]

[付き従うのではなく、
 同じ紅の駒を取るという選択肢が。
 駒ではなく、盤の外から眺める楽しみ方を、

 様々な言語のように、旨い飯のように、
 沢山の本の物語のように、教えてくれるのならば。

 雲の上に上り詰めた龍が、いつ堕ちてくるのか。
 はたまた、革命家にでもなって雲の上の存在になるのか。]



 
[一切の濁り無い真実こそ強かであって。]


 



 [そうして万一支援する皇子が倒れた処で
  損をする心算も無かったが 
   ]

 



 [
そう内心を酷く楽しそうに高揚させて。


  こんな場であれば多少の虚飾を加えつつも
  例えば先日手渡した本の登場人物に準えて
  愉しく、
     滑稽に、

         語り始めてみせるのだった ――]*

 



 …………帰りたい、でも、


[提案を、されるとは思わなくて、ぽやっとダレンを見つめてしまった。咀嚼せず、素直に返す。

あの家なら安全だ。外部からの魔法は効きにくい波長帯域に建っているし、母からの守護魔具も張られてる。
けれどもそんな場所で、自分は想いを吐露せずにいられるだろうか。
頬を拭うこの指すらも、もう離したくなくてたまらないというのに。

躊躇っていれば、突如部屋の中に響いた声。]



 「おいおい……そんな簡単に
    出ていけると思ってちゃァ困るぜよ。」



[その声の主は部屋の中央の空間から現れる。今日ここへ招き入れてくれた兄、アンタルだ。
イスマーイールの言葉がよぎって、身構える。]

 
  ──アンタル…………!


                
.



 「おっとォ、そんな警戒すんなよ〜?

  まぁ少々悪役よろしく登場しちまったから
  しゃーないぜな!
  この部屋にかけられた監視包囲術を解いて
  代わりのセンサーを張っておいた。だからすまん
  話す内容は聴こえていた。」


[帰るのは止めないし、むしろ帰しにきたという。俺の所持するの魔法具は建物内からは使えない、現在ちょっとした非常事態で内部セキュリティも上がっていて、アンタルがいなきゃ外に出ることも適わないのだ、と。]



 「で、簡潔にこれだけな、ハールーン。

  ダレン君の身の安全を思うなら
  むしろ離れちゃァマズいぜ。」


[そうだった、今の話は筒抜けだったのだと改めて羞恥を感じつつ、意外な言葉の先を待った。ここにも、少し期待してしまう自分いる。離れなくていい道があるのかと。]


 「イスハークに何を言われたかは知らねェが

  お前が身を引いたところで奴がダレン君を
  殺さない保証があるか?」

                
.


[その名前に、びくりと身体が硬直する。]


 「イスハークのお前への執着の仕方は昔から
  際立って歪んでるのは皆も思ってたさ
  お前がちょこまかと鼠みたいに逃げ回るのが
  面白いんだと思ってたんだが……。」


  ひ、ひど……


 「はっは!助けてたし良しとしてくれ!」


[彼にとって俺は支配しにくいのだろう、と。だからより追い詰める必要性に迫られている。従者を連れてきた事でこれまた恰好の餌食となるのだと。

イスハークにはダレンが、ハールーンを支配するための手頃な駒に見えている、と、そう分析された。

関係ない人間になれば流石に危害は加えたりしない、なんてのは悠長に思えてきた。そうだ彼は兄を殺した──
もしかしたら、父だって。
]



 「だからむしろ離しちゃいけねんだなァ。

  『従者』を、最後まで護ってやるのも
  主の務めと、俺ぁ思うぜな。」


 
 「で、だ、な。話を続けるが、

  ちょっとした非常事態、は出国制限まで
  広がってんだ。一応、火種になってたものは
  解決したんで数日で解けるだろう。

  だがハールーン、お前は無理かもしれない。
  前に国から出したときの偽装手形も使えん。

  波長帯域が違うから、お前の魔具では他国には
  飛べないのは知ってるよな。
  転移装置は王宮にしかないが、今は護衛付きで
  閉じている。

  向かう先によっては、俺の飛空艇で
  任意の国まで輸送してやってもいい。
  数日を待てるならそれもアリだぞ。」



[この兄には、自分の心境を知られているのかと少し怖くなる。

──『この国では幸せになんてなれない』事を。
隣のダレンを見る。信じていい、のだろうか。]


                
.



  …………アンタル、イスハークに怒られない?


[下手なカマのかけ方だと思うけど、もし二人が繋がっていたら違和感が拾えるかと思い、半分正直に気になっていたトコロを質問で投げてみれば、恐ろしく豪快な笑いに吹っ飛ばされる勢いだ。]


 「確かに〜? 俺の〜? ……力の半分は、
 亡き皇太子からのお下がりだがよ……くくっ

 もしかして俺があんなヒョロ長の海藻野郎に
 敗けると思ってるかァ〜??


 ──まぁ同じ土俵で戦やァ敗けるだろな。

 俺には『支配すること』はコストがかかる
 奴には『信頼』がそうだろう
 得意な分野が違うってだけだ。

 大丈夫、そうそう敗けねェぜよ。」*


                
.


[ 小さなピヤールに倣って
  足音を立てないように歩こうとするが、
  持ち主の言うことをなかなか素直に
  聞かない足は勝手にふらついたりするので
  なかなか大変だった。
  幸いだったのは、枷がなかったこと。

  迷子のはずの彼女は、すいすいと進んで行く。
  都合の良い迷子だ、と、
  身体の辛さに反して口元は柔らかく
  緩んでしまう。

  辿り着いた先に、綺麗に準備された
  装飾品や外套をも紹介されれば
  今度こそはっきりと笑い声が漏れて。 ]
 


   用意周到ですね。


[ 手早くそれを身に纏う。
  良い生地の首元を合わせれば暖かく、
  不思議と背筋が伸びる。
  嘗て祖国に居た頃の記憶が
  じんわりと蘇るようだった。

  どれくらいぶりだろうか。

  扉の向こうは、外。
  月がある。
  夜の帷があたりを包む。
  風、熱気、生活の匂い。

  活躍する機会が無くなっていた五感が
  いそいそと動き出し、
  ひりひりと神経の存在を訴える。 ]
 


[ 屋敷から少しずつ離れたのが分かれば
  通り添いの壁にとすん、と背を預けた。 ]


   ……この国の城下町に出るのは、初めてです。
   こんな時間にも、開いている店はあるのですね。


[ 荒む息を整えながら、辺りを見渡す。
  良い国だと思った。
  今は、荒れていて尚。

  口が乾いて、気管がぜいぜいと音を立てる。
  水は貴重な国なのだろうか、
  自由に使えるような井戸があればな、と
  荒れた唇を舐めた。

  足元には、澄ました顔でピヤールが座っている。]
 


   ─── すみません、お礼を言うのが
   遅くなった。
   何から何まで、世話をかけるばかりで。


[ ふと我に帰れば目を伏せて。

  当面、何処かに出るにしても、
  金が必要なのは世の常。
  彼女に抜かりは無いのだろうと思いながらも、
  水ひとつ自分では手に入れられぬ申し訳無さに
  情けない思いはどうしたって生まれるけれど。]


   このまま何処かに向かいますか。
   何処へでも、あなたとなら。
   あ、ピヤールもね。


[ そっと、月明かりの下、白い腕に触れて。]*
 

「帰りたい」
 ぽろりと出た言葉から、涙の意味を悟る。

 攫って逃げでもしたら、彼の気が咎めず自由の身になれるだろうか──なんて柄にもないことを考えて。

 そこへ現れたアンタルには緊張が走ったが、少なくとも今は味方であるらしい。
 そうして、かえって己の身が主の枷となっていることにダレンの表情は僅かばかり暗くなった]

アンタルが説明する事情を聞いて、これは渡りに船ではと思いながら隣に視線を向けると、ちょうど目が合った]


  ……共に、この国を出るかい?

  帰ってくる理由がなかったのなら、
  出て行くのに未練も無いということだろう。


[「ハールーン、お前は無理かもしれない。」
 アンタルがそう言うのは、共に亡命できるよう計らってくれる、ということかと解釈した。

 数日かかるのもかえって都合はいいと言える。
 買い込んだ食料をそのまま置き去りにするわけにもいかないだろう]

[海藻野郎だとか不良債権だとか、よくもそういう蔑称が思いつくものだと苦笑しつつ。

 イスハークとアンタルはあまりにタイプが違うし、目指すものも異なりそうで、言うとおりライバルなのだろうと解釈した。

 共謀して陥れるなら、もっと簡単な瞬間がさっきあったのだから]


  亡命の手引きをして、
  貴殿の不利にならねばよいのですが。

  王位を継ぐおつもりでしょう。


[有利不利という話になれば、それこそハールーンには婿入りでもしてもらうのが平和に暮らせる道のひとつなのだろうけれど。
 それは彼は望まないと、よくわかってしまった]**



   街に行くときに、外套を身につけて
   その日につけていた装飾品を偶にここに残したの。

   来ないかもしれないけれど、
   こうやって逃げ出すかもしれない日の
   支度金として、ね?


[ 用意周到と言われてしまえば、
  ふふん、と明るい声で答えた彼女。
  侍女たちだけが知る場所だから
  彼女たちは先にあの屋敷から出ている。
  アウドラがこっそりと衣類を
  何かに使えたら、と渡しているので
  少しの間は大丈夫なはず。     ]






   私も、初めて見るわ……
   こんなに賑やかなのね、街は……


[ 彼が動けるように適宜休憩をとりながら
  賑やかな方へと向かって
  腰を下ろすことが出来て尚且つ
  何か食べられるものがあるところを
  目指すことにしていた、彼女の中で。
  彼が時折むせているのが目に着いたことで
  飲み物がなかったことに気づいた。 ]






   動くためには食事をしなきゃ…
   大丈夫、この場所を出た後は
   私があなたにお世話になってばかりに
   なることが目に見えているから。
   今だけは私が頑張るの。


[ 彼がお礼を言えば、
  ふふっと笑って首を横に振った。
  まだこの中なら彼女はなんとか生きていけるけど
  ここを出てしまったらもう、
  彼女は無知を晒してしまうから。
  彼の手が腕に伸びればそれに手を重ねて。 ]


   もう少しで、着きますから。
   何か飲みましょう?
   私、貴方に会うのに今日はどちらも
   持たずに会いにきてしまったから。






[ ピヤールは、付け足しのように言われたのが
  少し気に入らなかったのか、
  すたすたと先に行っているようだけれど
  偶に止まってはちらりと2人の方を見て
  すたすたとまた歩き出して。

  彼女はふふっと柔らかく笑っていた。
  拗ねているようにみえて、可愛く見えたから。

  お店にたどり着けば、お水を、と
  お願いをして手前の席に入れてもらったはず。
  ピヤールもいるので、奥の席は諦めた。
  あまり煩くもなく、落ち着いた店だから
  彼にも気に入ってもらえたらとちらりと
  視線を彼へと向けたことだろう。     ]*






─アンタルの視点から・宮殿内─


  ……なぜそんな事を訊く?


[それは他愛のない質問だったろうか。それとも『主人の兄』である自分への気遣いというものか。

意図はどうあれ、敢えて声色を落として返答を。調書に拠れば──いや、自己紹介があった通り、兵士であったという彼なら──察知するものがあるか。否か?]


  俺は元々ウスマーンに付いていたから、
  それを引き継ぐ形でまァ、争って居る。
  兄貴の嫁さんらや子供も居るしな。
  彼女らをみすみす殺させる訳には
  いかねェってとこだ。

  ただ……ハールーン、お前を守りたいと
  思ったのは本当だよ。
 
  ……お前の様な人間が、近くに居てくれる
  のは支えになるってもんだ。


[弟に何かしらの情は抱いているだろう従者は、この言葉から何かを得るだろうか。]

                
.


[──本当は近くで飼えたなら良かったが。

厄介な"兄上様"が抱く、無意識レベルでの愛情の発露が何を引き起こすかが読めず、殊更に面倒臭くなるのを懸念し、一旦引き剥がすのが良いと思案した。

輸送を兼ねて潰しても構わない。そして、奴につけ入る隙を作ってもいい。だが、まだ始まってもいない戦いだ。手札として使うのは今では無い。]


(そもそも自分自身が毒の塊になる様な不器用な奴が、長生きする訳は無いんだよなァ?)


[ "正直、力になって欲しくはあるが、愛弟を守り抜く覚悟の人間"、が放つ笑顔を作る。
さて、弟達はどの手段を選ぶだろうか。何方にせよ何処へ向かうにせよ──こちらの手中だ。]


 アルスラーンも俺が守るし、心配するな。


*

アンタルに問うた言葉は疑問を与えてしまったらしい。
 失敗したか、と思いながらも返答を聞いて]


  ……なに、本当に善意かを推し量れるかと
  思っただけですよ。


[力を貸すふりをして自分の都合のいいように使う──そういうことが無いとも限らない。
 が、この話しぶりならどうやら本当に信用してよさそうか、とダレンは見当をつけたのだった。

 それならば力を貸してもらって、国外に出してもらおう。
 その先いかに追跡を逃れるかは、国を出てから考えよう。
 ダレンは内心でそう結論を出して、主──国内にいる間は主と扱うことにした──のほうを向いた]**



 (ダレンと離れなくてよくって、この国を出ていける……?)


[交わされる二人のやり取りを眺めながら、『共にこの国をでるか?』という言葉を反芻していた。

イスハークの存在に一抹の不安はあったものの、アンタルからかけられる言葉は自分に勇気をもたらしてくれた。あの小さな弟も、この兄に任せておけば安心だと思える。

ダレンから注がれる視線を感じる。きっと彼の答えも自分と同じものだ。]


 アンタル……ありがとう……
 お願い、します。


[目を合わせて、しっかりと告げれば、いつものあの笑顔で。
差し伸べられた、その手を取った。]


                
.


[無事に別宅に戻れば、空はもう夜色になっていた。

数時間前とは何もかも状況が違っていて、心の整理がつかないまま、食べておかなくちゃいけない食材をある程度形にしやすいように仕込む。

出来れば日持ちする菓子類にしようと、ぼんやり考えていた。]


 (この国を、出るんだ……ダレンと一緒に……)


  ──ぇえ…………?


[何度考えても、心がついていけなくて思い返しては手で顔を覆った。状況を整理するほど、あの恥ずべき行為に思い当たりそこで思考が止まり、無心で食材を仕込んだ。その繰り返しを、している。

全部伝わってしまったのだろうか。
いや、伝えたかったのはやまやまなのだが、もう二度と会えなくなる覚悟でいた先刻とは状況が違う。

改めて話した方が良いのか、話すべきなのか、悶々としながらいたら、うっかり指を切ってしまった。思わず刃物を床に落とす。]*

                
.

[無事に主の別宅に帰り着いた後は、保存食作りを手伝っていた。
 数日分の弁当代わりになれば、どこの国に行くことになってもその先でなんとかなるのではないかと。

 しかし任意の国と言われたからには、どこか望ましい国を見つけなければならないだろうか。
 この国の動乱に巻き込まれることのない国が良いだろうが、ダレンがパッと思いつく国はなかった。
 ダレンの祖国はそれなりに平和だが、そう遠く離れているわけでもないように思う。

 できるだけ遠い国がいいのでは。
 しかしあまりに文化が違いすぎても困るだけだろうか]

[どうしたものかと考え込んでいたら、刃物が床を鳴らした


  ハールーン殿!?


[弾かれたように音の出所を向き、そのまま飛びついた。

 主は指を切っただけのようだが、傷の深さはどれほどだろう。

 傷に一番近い関節を押さえて、傷口を心臓より高く掲げる──そんなシンプルな止血を試みようとすれば必然的に主の手を握り締めることになるのだが、果たして手を任せてはくれるだろうか]*


[上の空だったものだから、だいぶ横着をしていた。黄色く柔く熟したフレッシュデーツを手のひらに乗せてナイフで雑に切り分けていて。
力加減を間違えた拍子に、左手の人差し指から中指に渡って、第二関節と付け根の間の肉を割ってしまった。

感じた痛みから想像していたよりも流れる血の量が多くて驚いたのだが、それよりも。

──どう考えても止血の為だと解っていても、手を握られてるこの状況に先程の自分の行為のフラッシュバックを禁じ得ない。

顔に血が上るのを感じて目を逸らすと、艶めいた板張りの床にポツポツと赤い斑点が拡がっていく。これは恥ずかしがってる場合じゃないかもしれない。]


 ──ごめん、思ったよりやっちゃった……


[赤面しながら、バツの悪そうな上目遣いになるのは、まともに顔をみられないからだ。いろんな意味で。]

                
.



 治癒系の魔法具とかあったら良かったんだけど
 ……結構高価なんだよね。
 というか、怪我なんてあんまりしなかった
 からその必要性を考えた事なかったな

 こういうトコ、俺って『皇子』だよねぇ
 手当の仕方とか全然わからないや……
 執事試験の為に色々教わった筈だったんだけどなぁ


[医療セットをダイニングのテーブルに置きながら、手当をダレンに任せた。いろんな種類の羞恥が混ざって、いつもより饒舌になる。

ダレンは兵士だったし、こういった医療行為は日常の一部だったろうか? 手際は良いのだろう。
そして着々と進めていくその『手』を、どうしても意識してしまうのだ。

──ああ叫び出したい。叫び出したいあまり、余計な一言が口をついて出た。]



 あの、さっきは、ごめん。変なことして……



*

傷口が第二関節と指の付け根なのを目に止めて、主の手首を強く掴んだ。
 血管を圧迫するためではあるが、血を滞らせすぎないように手の血色には注意を払う。
 手の高さを主の顔より少し高いくらいに保って、血が流れ落ちるのが止まるか見守り続けた。

 無事に瘡蓋ができたなら、旅の荷物に入れて持ってきた薬で手当てをするだろう。傷の化膿を防いで治りを早める、薬草由来の塗り薬だ。
 ダレンの祖国は魔法具は庶民にまでは普及していないが、代わりに薬草学は古くから根付いていて、庶民でも平易なものは使いこなすほどだった]

[無言で手当てをしながら主の話を聞いていたが、表情を見る余裕はあまりなかったかもしれない。
 だが、謝罪の言葉を聞くと、ぴくりとダレンの手が止まった。
 あのとき主にされたことを思い出すと無性に気恥ずかしくなって、頭の隅に追いやろうとしながら]


  あまり気にしないでくれたまえ……。

  ……それよりも。
  今日は料理も荷造りも終いだな。
  動かして傷が開いてはいつまでも治らない。


[話題を逸らしたわけではないが、必要と判断した話に切り替えた。
 傷薬を塗り終えた後は、傷口が開かないように指を包帯で固定して]


  傷口を縫える医者か、塞いでしまえる魔法使いがいれば
  動かすくらいはできるだろうけれど。
  魔法具は高価なのだったな……。


[まずは軍隊がほしがるものだろうから、傷を癒やす魔法具が値が張るのは頷けた。
 魔法であっても傷を完全に癒やせるのは相当に高位で、大抵は応急処置程度の効力のはず。少なくともダレンの知識にある治癒魔法はそうであった]

 
  ……国を出る前に、王家の息がかかっていない
  魔法具がほしいな。


[どう探せば手に入るものかはわからないが。

 国内ではどこでどう皇子たちの手が回っているかわからない。
 アンタルの様子を見れば、市場の店は性質によらず彼の支配下の可能性があった。

 彼は今のところ友好的だが、この先もそうとは限らないだろう。

 住宅街に店を出しているアレフシルバーはどうだろうか……そう思い浮かべながら、主の様子を窺った]*


[ 初めて会った時は、あれ程頼りなげで
  儚げで、一人で生きて行くなど
  到底無理だと思った。
  彼女の瞳は、今後ろ盾を無くして尚
  きらきらと光を撥ねて輝く。

  ─── 綺麗だな、と思った。

  そっと重ねてくれた手も、震えてはいない。

  月の側には星が瞬いていただろうか。

  己よりずっと強く、凛と前を見据えた
  その双眸は、砂糖をざあと撒いたような星空の、
  砂金に似た煌めきにも決して引けを取らない。

  触れた手に力を込め、甲に唇を押しつけた。]
 


   ……いつもあなたが来てくださるのを、
   困りながら喜んでいました。

   するりと差し込んでくれる食べ物も
   ありがたかったけれど、
   あなたのドレスの裾が花が咲いたように
   舞う様が好きだった。


[ 拗ねたようにすたすたと数歩離れては
  ちらりとこちらを振り向くピヤールに
  ふふ、と笑いながら。

  自らの気持ちを言葉にして伝える。

  手にした自由の責任とその重さに
  決して負けぬよう、顔を上げて。 ]
 



 おはようのキスをしてもいい?

[ ヴィはその時どこにいたんだろう、バカみたいに毎日繰り返してやろうと思っている。そうしたらいつか当たり前のことになって習慣になるはずだから。*]

 

[しかし、木漏れ日も差し込まない日陰の語らいは、
太陽の下で読むどんな長編小説よりも楽しくて。

 見知った土地が物語の舞台であるならば、
 かつて鼠が見つけた抜け穴を教えたり、だとか。
 話の途中で見知った登場人物があれば、
 その御老体は歓楽街の見回りの時に見かけたぞ、だとか。


 これでもいくらか、
 彼の国の言語をただの趣味で学んで来たのだ。
 聞き手ではなく同じ語り手として、

 初めて己の中に、柳緑花紅の華を咲かせる。]

 お前が語る物語の中で、
 お前が主要人物でないとは言わせないぞ? 
 
[その名が出てこなければ、隣にすら立てやしない。
それでも拒むのなら舞台に引きずり降ろすまで――]*


[魔法が盛んなこの国では『未然に防ぐ』発想の方がスタンダード。なので余程の突発的なことが無い限り、多くの民間人は日常に怪我をしないだろう。街の外科医は軒並み内科医に転向し、治癒系魔法具の商売に精を出す者もいた。

ダレンが手当てに使う道具たちを珍しく思って、その手際の良さに惚れ惚れした。]


 ……うん、そうだね……今日はやめる。


[逸れされた話題にほっとしたような寂しいような複雑な心持ちになったのも束の間、嫌われたかもしれないという強い不安が過る。
主だから、抵抗できなかったりしただろうか。ぐるぐると思考しながら、会話を続けた。]

                
.



 みんな、魔法具で危険を避けるから、
 怪我する人って少ないかも。
 宮殿では怪我しても治さない兄弟も多かったな。
 命に関わらない限り、痛みを知る事も必要
 なんだ、って。

 街のお医者さんは魔法具屋さんになった人も
 多いみたい。みんな怪我を未然に防いじゃうから
 商売あがったりなんだって。

 魔法具なら、今日のお店に寄ってみよっか
 俺も、行きたいし……


[声に力が入らないのは、きっと疲れているからだ。状況が目まぐるしく、気持ちもだいぶ振り回された。いまだって振り回されている。]


 (そうだった、俺が勝手に好きなだけで、ダレンはそうじゃないんだ。一緒にいられる事につい、喜んじゃったけど……)


                
.



[それだけで十分ではないか。なんの前触れもなく急に主従を解消するといった自分に、この国を出ないかと言ってくれて、事実そのように事は進んでいる。

喜ばしい事なのに、またじくじくと胸が痛む。

『こんな関係じゃなくても、側にいてほしい、ずっと。自分の気持ちを、嫌がらないでほしい。』

手の痛みが甘い考えの浅ましい自分を相殺してくれるような気持ちで救われる。そんな自分がまた卑小で、笑ってしまう。]


 (俺、って、なんでこんなに欲が深いの)*

                
.

やめると素直に言う主を見て頷いた]


  軽食くらいは私も作れるが、
  レシピを覚えるほどではなくてな。
  隣で教えてくれれば、私が代わりにやろう。


[そう手際は良くないかもしれないが、時間が有り余っているわけでもない。時間を無駄にしないためには、それがよいのではと申し出て。

 魔法具の話を聞けば、文化の差を実感した]


  そうか……。
  であれば負傷を防げる魔法具を手に入れようか。

  アレフシルバーか。
  そうだな、明日にでも行ってみよう。


[話しながらも、主の声が弱々しいことに不安を覚える。
 主をどう思っているか、誰かに盗み聞きされても差し支えのない内容はどんなものだろうとダレンは必死に考えた]

 
  ……ハールーン殿。
  私は、貴殿の望む生き方を叶えたいと思っている。

  それに、私は……
  『アルファルド皇子』ではなく
  『ハールーン殿』にお仕えしているのだが。


[それで伝わるものだろうか。
 主が皇子だからではなく、主の人柄に惹かれたから仕えているのだということが。

 彼が主でないとしたら友人と思うのも、主従でないとしても彼の幸せも彼との交流も望むからだった。

 けれど、短い間とはいえ従者であり続けた弊害だろうか。
 主の想いを察そうが、手に主の唇が這おうが、拒む気が起こらないのは少々服従しすぎではなかろうか。
 内心では少し不安を抱いていた]*






               駒の数を数えて遊ぶ
         吹く風はカラカラと乾いたままで


                       **
 


[それは、嬉しい言葉だと思う。実際『ありがとう』と言おうとして、口を開いた、筈だった。]


 ──……お仕え、しなくていいよ。


  お仕え……しないで…………っ、


[喉が灼ける。人生で感じたことの無い痛みに、身体は正直だ。まるで深く傷を負ったみたいにとめどなく涙が流れる。

ダレンからしたら意味不明な光景だろう。いや、初めからそうか。なにせ大前提を抜かしたまま事を進めてしまっているのだから。
『あなたが好きです』というその一言を抜かして、空洞のまま装った。『主従』という関係を。

きっと自分は分かっていたんだろう、]



(愛を告白……してしまえば、受け取ってもらえないだろうって、きっと理解してた、だから騙し討ちしてたんだよずっと……!)



 俺はね、ダレンが…………好き、なんだよ……


                
.



  だから主従関係なく、一緒にいてほしいの

  家族、に……なって、ほしくれっ……


[泣いてるせいで噛んだ。もうどうにでもなれ。
いや、だめだろ、踏ん張って自分、とは思えども。]



  …………望みを叶えてくれるっていうなら
  一緒にいて。俺の気持ち嫌がらないで

  なんにもなくても、一緒に生きてよ……!



[こんなに駄々をこねたのは、この家を貰うため父に進言した以来、人生2回目だ。

仕えなくて良いと言ったそばから、命令みたいになってしまって全くどうしようもない。
『不良債権』はピッタリかもしれない。
力もないのに、欲しがるだけの自分は。]

                
.


[ダレンは、わかり易くないから、少しでも嫌がっているならそれを見極めなくては。

それを見つけられたなら、潔く身は引く。
普通の家族でも見つけて家の駒として動くのも良いのかもしれない。そうでもしないときっともう上手く生きていられない。

水分を吸いやすそうな状態の左手で涙を拭って、自由がきくこの右手で、ダレンの手に触れてみた。]*

                
.

 
  ……私は、思っていることを伝えるのが
  下手らしいな。


泣き出してしまった主に心を痛めて苦笑しながら、触れられた手を握り返した]


  一緒にいたいと思わなければ、
  主従を解消すると言われながら
  共に国外に出ようなどとは言わないのだが。

  貴殿の想いはあのとき察したが、
  嫌ではないからそばにいるのだが……。


[それを言い換えたら本当に友情なのだろうか。
 それを突き詰めるのはこの国の中ですることではないと思った。

 あと一歩で無事に出られそうなところを、その直前に罪を見出され処刑されたのでは、これまで何のために主が耐えてくれたのだろうか]

 
  この国の中では、想いを返したら罪になってしまう。
  あと少しなんだ、ほんの数日耐えれば
  別の国に行けるんだ。

  ……そばにいるから。
  共に行こう。

  別の国に着いた後でなら、もう少し前向きに
  考える余裕もできると思うから。


[想いを向けたら、己が原因となって主を殺す。
 想われることに抵抗こそなくても、返すことを考えられないのは、それを恐れるあまりなのだろう。
 護りたくて、望みを叶えたい、支えたい相手。皇子だからではなく、ハールーンその人だから。

 そう思うのは従者だからだ。
 この国ではそういことにしておかなければならない]**


   ────セ、ト?

[ ふと、手の甲に唇が当たった。
  その唇はまだ乾いているようで
  少し硬さが感じられたが、
  嫌な感じは全く感じられなかった。

  彼の瞳を覗くことができたなら、
  澄んだ瞳だと改めて彼女は感じた。 ]


   まぁ……困っていたの?
   困るのに喜ぶなんて不思議な人。


[ 困ることと喜ぶことは普通共存しない。
  だから、首を少し傾げてつつも
  拗ねてばかりはダメよ、なんて
  ピヤールへと声をかけていると
  ふと聞こえた告白。

  彼はなにを言っているのだろうと
  理解をするまでに一拍の間が。
  そして、反応するまでにもう一拍。 ]


   な、っ……!





[ まだ彼女はそういう感情に自信がなく、
  彼の手を軽く握って尋ねる。
  それは多分、これから先彼女が
  しっかりと理解していくための第一歩。 ]






【人】 ひとりの娘 アウドラ

    *

   拗ねていたようだけれど、
   すんなりあなたのもとに戻ってしまうのね。
   私に似て、……現金な子だわ。

   その話し方はおやめになって。
   私とあなたはもう……
   対等であるはずなのよ?
   少しお腹を満たして、
   大河を使って出ましょうか。
   …………あてはないけれど、どう?


[ 彼の口調がまだ前のままだったことに
  水を飲んであたまがすっきりしたことで
  気付いた彼女は、すっと彼の唇に
  指をおいてムッとした表情をみせたはず。

  でも、すぐに表情は戻って
  彼の問いかけに答えるのだ。
  それは少しでも早く行動に移すため。
  彼が同意するなら何か手軽なものを
  オーダーしようとメニューに目を通してみた。 ]*
  


(40) 2021/04/25(Sun) 21:49:50
[ 朝刊を受け渡す際に、ダンテがおはようのキスをしてもいいかと問うたので笑った。一々に問うその律儀さと、どうだ、とでも言いたげな様と気恥ずかしさが混じった様子が愛らしい。
 身を伸ばすと、頬と瞼に口吻けた。

 列車が目的地に着く頃、自分が目を覚ませばもう一度その機会がある筈だ。
 昼と夜、過ごす時間が異なるなら、おはようと交わす節が二度あってもいい。]*


[ それから長椅子の前にかがみこんで、おはようのキスをねだった。ヴィが苦笑しているように見えたが不愉快さなどはなかったとポジティブに判断して。

 頰とまぶたへの口づけを受けて自分は嬉しげに笑った。*]


 うーんと、 …
 
  いや、あとでいう

[ 言いかけてやめたのは時間が差し迫ってるとかではなく]



 いいよ寄りかかって

[ そう言えば、再び重みは帰ってきただろうか。
 彼が目を覚ましたならおはようと夕刻に。

 もう国境を超えた、
 彼の今の姿であっても口づけをねだっても良い。

 それから思い切り抱きしめても良いかと尋ねよう。

 今の彼なら、あまりに華奢で壊してしまいはしないかなんて心配しなくていい。**]


[満たされて、言葉もない。


『そばにいるから 共に行こう』

それは長いこと求めていた言葉な気がした。一緒に生きてくれる人が、ずっと欲しかったんだ。]


 ……ありがとう


[もっと伝えたいことはある気がするのに、今は形にならない。言葉の代わりに強くダレンに抱きついた。]*

                 
.

 
  ちょっ……落ち着いてくれたまえ。


泣いたかと思えば抱きつかれて、ダレンは大いに狼狽えた。
 軽くハグし返してから、そっと肩を押して]


  ほら、途中になっている作業を終わらせて
  片付けるぞ。

  明日は町に出るんだろう。
  休んでおかないと。


[残り時間はそう多くない。
 心残りこそ無いだろうが、やらなければならないことは済ませてから旅立ちたかった]

[片付けの途中、ふと口を開く]


  どこの国に運んでもらったものだろうか。
  どこか目星はあるかい?

  なるべく、皇子たちの手が届かないところが
  いいと思うのだが……。


[他国へは魔法で移動することは困難らしい。
 となれば、できるだけ遠く。
 空路でも行きづらいようなところ……。

 そんな遠くにダレンの伝手はなかった]**


[狼狽えるその人を見るのがちょっと楽しいことに気づく。あんまり無い光景だからかな。うわの空になっていた自分はどこ吹く風だ。気持ちはすっきりしていた。]


 うん! えっと、じゃあこの残りのデーツ
 ダレン剥いて貰っていいかな。
 半分に割って種ごと身だけ出して欲しい。


[作業途中になっていた調理を頼む。治療できる魔法具が買えないとしても、誰か持ってる人に使わせてもらえないだろうか?片手が使えないとやれる事が一気に減るなと実感した。

そしてを問われれば、少ない人生経験を手探りする。]


 うーん、……国、かぁ。知ってる人がいる他国って
 レグルスの所……すら分かんないや俺。

 イスハークの手が届かない場所なら、多分うちと
 仲の悪い国が良いのかなって思うけど……
 でもそんな場所には送ってもらえないもんね。


[アンタルは『向かう先によっては』と言っていた。ならば、輸送可能な先は友好国に限られるだろう。]

                
.


 
 近場の大きめの国に下ろしてもらって、
 そこから陸路で小さい国に、行く?
 伝手がないから、ホント冒険みたいになりそう


[自分がここを出た一年前は、母が手引きしてくれて色んな国に滞在したけれど、身内に関わってしまう場所は避けたい。]


 ひとまず俺は、コレを治さないとね!
 魔法具屋さんに、治癒魔法具のサンプル
 とかないかな〜?


[左手をひらひらさせて苦笑する。うっかり怪我防止のアイテムは必須だな。]*

                
.

 
  ん。わかった。


デーツを剥いてと頼まれると、指示通りに剥き始める。初回こそ勝手がわからないものの、すぐに慣れて手つきはそこそこ。果物を剥くくらいはできるらしい。

 他国の話には]


  レグルス殿のところは内乱の直後ではなかったか?

  そうだな……送ってもらうなら
  友好国でないと難しいだろうな。


[空路で運んでもらうなら余計である。
 亡命を手助けして狙撃されたのでは話にならない]

主の案を聞くと納得した様子で]


  それはいいかもしれないな。
  ある程度の場所まで送ってもらった後、
  自力で住み良い国を探して旅をする。

  ……気の長い話になりそうだが。
  足取りは追いにくかろう。


[できればアンタルからも追跡されない場所、とダレンは考えていた。
 イスハークは主を手中に収めようとするかもしれないが、アンタルはそれを利用するかもしれないと。

 兄弟との関わりを絶たせてしまうことになるが、ふつうの暮らしをするには、皇子たちの諍いから完全に届かない場所に行くしかないだろう]


  魔法具屋はいくつか回ってみるかい?
  この国が便利すぎるとも言えるけれどね。


[痛い思いや不便な思いをするから傷を避けようとし、注意力が養われるのでは、とダレンは考えていたが。魔法が根付ききっていない国ならではの発想なのかもしれない]**



  あっ、そうだったっけ……!

[内乱の直後……ならばこの国とそう変わらないのだろうか。あんまり他人の話を聞いていない自分である。兄弟には簡単に毒を盛られるし……注意力散漫かもしれない。

で同意を貰えれば、楽しくなってくる自分がいた。]


  旅って、してみたかったんだよね!
  俺にもできるかな〜色んな人に
  会えたらいいなぁ
  その土地ならではの食事とか、記録して
  レシピつけていくのも楽しそう!


  魔法具屋、回ろう!
  っていっても、お店の数自体は多いから
  質の良いものを提供してくれるお店がある
  ならそこだけでも良いかな

  魔法陣の類はどこの国でも使える
  わけじゃないから、それ自体で完結する
  魔法具はいくつか持っておきたいと
  思うけど……

                
.



[便利すぎる、と言われ少し考える。いま残ってる兄弟達はそういえば、魔法に頼らない事に拘っていた面々だ。イスマーイールなんかは魔法そのものを侮蔑しているくらいだった。]


 (……俺が母さんの魔法に頼りっきりだったのも嫌われる要因だったのかもな)


  ……お守り代わりのは、一つだけにしとく


*

 
  うむ……それで国を立て直すための
  パートナーを求めて来たと言っていたような気がする。


レグルスのことを話しながらデーツを剥き終え、次はどうしようかと主の指示を待ち]


  私もあまり旅の経験はないが……
  危険さえ避けられればなんとかなるだろう。
  いろいろな料理に出会えるだろうな。
  将来は多国籍料理店でもやるかい?


[いろんな国を旅して美味しかった食べ物をピックアップして出していると言えば、魅力を感じてくれる人もいそうだなどと考えて、主に微笑みかけた]

魔法具の話には頷いて]


  頼りきりでは結局、この国との縁が切れないからな。
  いざというとき、どうしても困ったときにだけ
  使うものを用意しておこうか。

  あぁ、旅に出るなら布袋があるとよさそうだ。
  この国のものは丈夫で使いやすいと聞いてね。
  アレフシルバーで尋ねてみよう。


[言いながら主の表情が少しだけ沈むのを見て、ぽん、と肩に軽く触れて微笑んだ。
 気落ちすることはないとでも言うように]**


[数日、がいつになるかは分からないけれど、小麦粉、ナッツ類、バターやスパイスを携帯食として焼き菓子に。スパイス数種や、栄養価に信頼がおけるデーツとフレッシュデーツをジャムにしたもの。あとは岩塩。その辺りをお供にしようと考えていた。

明日の午前中までに菓子類を作ってしまって、ジャムはこれから煮詰める。ココナッツシュガーとレモン、水とフレッシュデーツで火加減少し強めにと、ダレンにお願いした

シーツは、そのままでもいいか。
消費しきれなかった缶詰や何やらはアーイシャに頼んでおこう。まだ国を出ることは伝えてないけれど、アンタルからもう伝わったりしてるかな。]


 ふふ〜楽しみだなぁ〜未知のごはん……
 
 多国籍料理店!やりたい!そうする!


[俺が料理人で、ダレンが給仕長? そんな想像をするのがとても楽しくて幸せだ。]


                
.


[『この国との縁』といわれて少しどきりとした。『危険さえ避けられれば』と言われて、魔法具が浮かんじゃう自分はもうダメかもしれない。
やはり自分はこの国の人間で──今、その出生の縁ごと、断ち切ろうとしている。]


 (……断ち切って、良いんだよ。)


[アンタルやまだ小さな弟。イスマーイールを思い出してさえ少し寂しくなるのは、心が今、安定しているからだ。イスハークだってもう2度と会わなくて済むと思うから名前を口に出せる。]


   ……そうだね。布袋と、物が腐りにくく
  なる魔石みたいなのあった気がするな。
  鮮度を保つ刃物を使ってる魚屋さん多いし

  そういうの、探しにいこ!
  ジャムができたら、今日はもう寝よっか


[ダレンの手が軽く肩に触れてその笑顔を貰えれば、現金な自分はたちまち元気になる。お手軽だなぁ、というか。

すごく的を得てるんだけど、当人からしたら不思議な言葉を投げながら、朝に使う製菓器具を用意した。]


  ……ダレンがくれるものの方が、俺には
  魔法みたいに思えるなぁ。


*

指示通りにジャム作りを始める。
 調理はあまり慣れないが、煮詰めるだけならできそうだった]


  缶詰類は持っていけば非常食にならないか?
  荷物が重いかな……。


[缶を開けられる道具も必要になるが。
 手間を加えず持ち歩けるのは便利そうに思って、そう進言した。
 どうしても残ってしまうものは任せられる人がいれば任せるのが良いだろうと頷いて]


  どんな料理を出したいか、考えながら
  あちこちで食事するのは楽しそうだな。


[店を開くとしたら何が手伝えるだろうとぼんやり考えて、飲み物の目星でもつけようかと思うなどした。
 ダレンに飲食店に関わる自分は想像できなかった。戦いが身近な暮らしばかりしていたからだろう]

 
  鮮度を保てる袋があれば便利そうだな。
  旅が終わればなくなっても困らないだろうし。


[火加減に注意しながらジャムを煮詰める。
 火が強い分、焦げつきを警戒してときどき混ぜながら]


  傷は痛むかい?
  深かったからな、そう簡単には治らないと思う。
  明日も手伝うから、無理はするなよ。


[製菓器具を用意する主に声をかけながら、国を出たら主ではなくなるのかと想像して。

 それは、嬉しいことのような気がした。

 誰かに仕える生き方しか知らないダレンだったが、ハールーンに対しては、対等な立場で生きられるなら、それが一番心地よい気がしていた]

 
  私のくれるものが……魔法?


言われた言葉にはきょとんとして、どんな意味なのだろうと首を傾げた。
 何か与えられているのだろうか。
 与えたつもりはなくて、戸惑いながら、ジャムを煮詰め続けていた。
 完成が近づいて来ているようだ]**



 ……そっか、鮮度を保てる袋と、容量拡張の袋、いいな
 そしたら缶詰も持っていける、けど、容れ物として
 利用するなら瓶詰めの方がいいかも!


[くつくつと煮詰められるジャムを見ながら、並んでキッチンに立っている状況に癒やされている。驚くほどに。

まだ危険な場所にいるのも変わりないし、自分の生まれは生涯変えられないものであって、始まってもいない関係なのかもしれないけれど。

その不思議そうな声に、『便利って意味じゃないよ?!』って笑って返しつつ。]


 ダレンが居てくれると、元気になれるもん
 こうやって隣にいるだけでさ……
 いろんな重い気持ちが軽くなって、身軽でいられる

 
(傍に、いてね。ずっと一緒に生きられますように)


[鍋の様子を見計らって、右手で火を止めた。]


                
.



  コレで朝まで自然に覚まして、
  瓶に詰めれば完成です!
  
  今日は、寝よっか。
  手伝ってくれて、ありがとね


[笑顔を作るのは元々得意だったけれど、すごく自然に笑えるのをダレンの近くにいるといつも感じていた。
『笑う』だけじゃなくて、他の感情もだけれど。
何度もわがままに泣いてた事をちょっと恥ずかしく思い出して。


そしてアンタルから『輸送の目処がたった』と連絡が来るのは、次の朝のことだった。]*
                
.


 

 
  あぁ、確かに……
  瓶詰めのほうが再利用もできるかな。


ただ隣同士でジャムを作っているだけで、そんなに癒しを与えているとは夢にも思わない。
 けれど、こういう一見平凡な時間が主の望むところなのだろうと思うと、それを叶えられていることは嬉しかった。

 火を止める前、言われた言葉には好意が滲み出ていて、それが気恥ずかしくて目を逸らしてしまった。
 少し頬も赤くなっていたかもしれない]


  じゃあ、休もうか。
  寝ている間に傷が開かないよう気をつけてな。


ジャムの火が止められるとそう声をかけて。

 翌朝の連絡には、早さに戸惑うことになった。
 町に出てくる時間はあるだろうか]**

─ 街から戻った後 ─

[街で最後の用事を済ませ、主と共にアンタルの元へ向かう。
 送ってもらう先として目星をつけた国を数カ所伝え、可能な場所をアンタルに選んでもらうことにした。

 どこを選んでもらったとしても、そこにそのまま定住するわけではないが、そのことは言わず伏せておく。
 欺くようだけれど、身の安全のためには仕方のないことである]


  貴殿ならばよい治世を築かれるでしょう。
  この国の繁栄が続くことを祈っています。


[無事に送り届けてもらって別れる間際には、そう言って深く礼をした]**


[アンタルが父から与えられた管理権限は北方だった事を初めて知った。
待ち合わせは緑と砂が混じり合う断崖の近く──まさに別宅と同じような景色の広がる場所だった。
北方の外れから密かに飛び立つ。

この国を遥か上空から見るのは2回目だ。そしてきっとこれで最後なんだろう。寂しく思う気持ちはそのままに。]


(──どうか最後でありますように。)

                
.

[ 乗車の際は車窓を覆うカーテンの隙間から白く細く漏れていた朝陽が、今は朱く長く列車の中に差し込む夕陽となっている。

 目的地まではもう僅か、そろそろダンテも起こそうと思っていた頃合いかもしれない。目を覚ますと、当たり前の様に彼が隣に在り、おはよう、と今日2回めのそれを告げるとまた眠る為でなく頤を上げ目を閉じた。

 抱きしめてもよいか、と問われたのが唐突でもあったので、どうして、と小さく笑う。拒否なんてする訳がない。]*

[ ヴィを起こそうとした時、彼もちょうど目を覚ました頃のようだ。何度か自分が席を立つことがあったから、眠りは浅かったのかもしれない。

 おはようと言えば彼は、一度開いた目を再び閉じてみせて、自分は目元と頰に口づけを返す。]

 だって

[ どうしてと小さく笑う彼は拒むことはなく、ボックスシートになっているとはいえ、他の乗客はまだちらほらとはいえそこらにいる。
 だというのに自分は彼のことを思い切り抱きしめた。

 小さく華奢な姿の君は壊してしまいそうだったとかは、恥ずかしすぎて口にはできなかったし。今までこうしたかったのが自分だけというのも恥ずかしいし。
 単にくっついているだけの数秒が続いたかもしれない。*]


 ねえ、キスしてもいい?

[ 波打ち際を歩きながら、唐突にそんなことを尋ねた。
 君が好き、ヴィに触れてもいい、
 その逆も、自分に触れてほしい、甘えてほしい

 いつか問いかけもなく出来るようになれば彼もそうしてくれるんだろうか。**]


[そうして降り立った先は、大陸の中のそう大きくはない国だ。といっても小さくもない。軍事力も経済力もバランスがよく、国民も活発に生活しているように見えた。

故郷のアルシャマーリとは全く違いそうな文化圏。どちらかといえば、あのお嬢様の──ダレンの国に近いのだろう。

兄に提示した輸送先の候補は、アルファルドには無い信仰の国ばかりだった。"何か"を、察されてしまっただろうか。
正しさなんて分からないけれど、自分を偽るようには生きて来なかった。自分は、そんな風には生きられない。それは終わりまで、きっとそうだから。

兄に一つ抱擁と感謝を告げて別れた。]*

                
.

北方の外れの断崖へ着いたとき、ダレンは思わず北西の方角へ視線を向けた。
 祖国のある方角。
 さすがに祖国を視認はできないが、そちらからここまで旅してきて、また旅立つのだと思うと、随分遠くまで行くことになると思いを馳せる。

 それほど主と認めた相手が大切だったろうかと考えてみても、実感はあまり湧かなかった。
 それが当然すぎて感じ取れないのだろうか]

[空の上から見下ろした大地は世界地図と同じ形をしていて、それがとても不思議だった。
 見たこともないうちから地図を作っていた人たちがいる。それが合っている。どうやってそんなことを成し遂げられたのだろう、なんて考えていれば目的地に着いていた。

 まだ見ぬ国だが、建物や自然の雰囲気はどことなく祖国に近い気がする。
 礼を言って別れ、陸に降り立った後は、主を振り返って]


  ──さて、
 

 
  “仕えないで”ほしいんだったな。
  では行こうか、ハールーン?


[主だった人を呼び捨てにして、微笑んで手を差し伸べる。

 さて、ではこの人のことは何と思えばよいのだろう。
 「家族になって」と言われるからには伴侶と思えばよいのだろうか。伴侶とするに申し分のない人かどうか、と考えたことがなかったのだけれど。

 誰かに仕える生き方しかしなかったせいで、対等な関係の相手が傍にいる暮らしは想像が及ばない。
 だが、そのうち慣れていくだろう。
 彼の望みを叶えたいと思う気持ちも、幸せを護りたいという想いも、従者でなくなっても何ら変わってはいないのだから]**


[『仕えないで欲しいんだったな?』と微笑まれたのは不意打ちだった。
つい先日の自分のセリフに赤面する。駄々っ子のようでも愛の告白なんだってことを、この人は分かってるのだろうか。

もう従者ではない彼から、差し伸べられた手を取る。今までとは全く異なる意味合いに思えるけど、その手の優しさは変わらずだった。]



 ……ダレンとなら、どこでも行けるよ。


 ひとまず今は〜美味しいもの食べたい!


[素直な気持ちを口にするのが急に気恥ずかしく思えて、誤魔化すように提案した。

いつまで、どこまで続くかわからない旅だから、資金繰りには慎重に。けれど旅の目的の一つとしては重要なタスクだよ、なんて自分に言い訳しつつ。]*

                
.

【人】 ひとりの娘 アウドラ



   あなたって……いくつなの?


[ ふと見えた笑みは少年のように曇りがなく。
  実際、彼女よりも年上なのか年下なのかも
  さっぱり分からなくて聞いてしまう。

  そう思っていると聞こえる感謝の言葉。
  やっぱり、感謝をされると大小問わず
  口元が綻んでしまった。
  やっと対等になっていく兆しが見えてくる。 ]



(76) 2021/04/27(Tue) 13:55:56

【人】 ひとりの娘 アウドラ



[ ピヤールも食べられるものを選んで
  2……3人で食事を楽しんだ。
  しっかりと食事をすることが
  久しぶりであろう彼がきちんと
  咀嚼できているか心配しながら。  ]


   え、っと…………


[ 砂漠の薔薇の花言葉。
  それを聞けば、手から伝わる熱も相まって
  彼女の頬は赤く染まっていく。
  まるで薔薇のような赤になったかも。

  ピヤールは何かを察したのか
  彼の膝に飛び乗って動きを制限した。
  それを見たら、緊張の糸はほぐれたものの
  少しの間固まっていたことだろう。   ]



(77) 2021/04/27(Tue) 13:57:28

【人】 ひとりの娘 アウドラ




   大河を使って、他の国に行って、
   ……そうだわ!旅をしましょう?
   あなたがどこまで知っているのかも分からないけれど
   色んな思い出を作りたいわ。

           ──────どう?


[ その道中で彼の祖国があったところや
  彼を待っていた人々が住むところに
  出会えるのであれば
  思い出を聞かせてとお願いをしただろう。

  どこまでいけるのかも分からないけれど
  彼とならどこでも楽園に違いない。
  苦楽を共にできる人物だからこそ。  ]



(78) 2021/04/27(Tue) 13:58:32

【人】 ひとりの娘 アウドラ

   *


   とっても、楽しいわ。
   人間ってこんなにも…自由なのね。


[ あれからどれだけの時が経って、どこにいたか。

  泥だらけになることもあったと思うけれど
  彼女は全てがあたらしく、根をあげることはなかった。
  彼の体調も徐々に良くなっていたなら
  彼女の気持ちも更に明るくなったはず。  ]



(79) 2021/04/27(Tue) 13:59:16

【人】 ひとりの娘 アウドラ



   セト?……私、やっぱり好き。

   あなたのことが、とっても好きよ。
   私を選んでくれてありがとう。
   

[ 彼女は事あるごとに伝えた。
  それは彼女にとって大切なことだったから。

  両親のことを気にしていないわけではないけれど
  もう気にしすぎてはいけないと思っている。
  だから、彼との新しい生活を通して
  新しい彼女になっていたなら、
  それでいい……ことにしておこう。    ]**




(80) 2021/04/27(Tue) 13:59:45



    ご苦労様、アーサー。
    そう、国外警備の兵だけでなく
    王宮の警護兵や元老院直属の兵団にも
    話を着けたの。

    
・ ・

    アレの目にもそろそろ留まっちゃうんじゃない?


 [そう、
  緩く笑って愉しそうにされるだけ。
  甘い香りは鼻腔を擽り、低い声は鼓膜を撫でる。
  眼には魔性を宿らせ相手を射貫く様に、…

        ―― すっかりと慣れてしまえば、
               単に居心地の好く。]

 




    ええ、あの方も勘が良いでしょうから。
    …ですがその時には
          ・

    既に手を打っておりますので。


 [御心配なさらずに、と此方もいつもの様に
  第■皇子…、…  

     ――『
第二皇子
』に向け微笑んでみせた。]

 

[ 何故と問うたのもおかしなことかもしれないが、返ってきたのも答えにならない随分甘えたような響きであったので、やっぱり小さく笑いを漏らしてしまった。]

 可愛い。

[ 言葉尻も消えないうち、今までにないほどの強さで彼が自分を抱き締めた。いや以前にも一度あった。先が途切れるのを怖れるように、彼が自分を腕の中に囲ったことが。]

 海に来れたね。

[ あの日に願った約束が、今こうして叶っている。次の約束はまだ結んでいないが、叶うものだと願うのは、楽天的に過ぎるだろうか。]

 君だよ。

[ まるで意外そうに見えて笑うので、ひとの気も知らずに、と口を尖らせた。] 

 唐突だね。

[ 列車の中であったり、今であったり。もう聴いたりはしないといいながら、同じことを問うているのだと多分彼は気付いていない。それとも、もう好意を尋ねる必要がないからこそ、やっと触れ得る事を問えるのだろうか。

 小さく笑って答えなかったのは、多少の意地悪だ。]

[ あの時可愛いなんて言われて驚いたのだった何とも反応し難いのだなと思ってしまって、ヴィが自分の言葉にあまり反応しない理由がわかったような気もする。

 そして今も、ダンテに何事もなくてよかったと安堵する様に自分が驚けばヴィは人の気も知らないでと拗ねたような仕草をする。
 この薄暗い場所でもかろうじて自分にも見えてよかった。]

 そうだよね

[ 自分が彼を心配するのと同じく彼もそうしてくれたんだろう。なぜだか自分ばかりが捧げるような気がしていたが、きっと鏡のようなものだ。
 彼が返してくれる色々を自分は気づけずにいることがたくさんある。]

 だめ?

[ ヴィの返事は得られないままで、焦れたようにそれだけを返した。彼は笑うままだったろうか。
 多分シュンとした犬みたいに一瞬振る舞い、その後は、手を取り目的通りに、食べ物を買いに行く。

 彼は僕が好き、僕は君が好き。
 ただそれがわかっていれば満たされるような気持ちがするのに、彼に触れたい触れて欲しいと思うのはなぜなんだろう。]




 [その地を踵で、ザリ、と。踏みしめる。]


.

 『しかし、錬金術ってのは、恐ろしいな。
 無機物から生命を作るのが禁呪、だってのに、
 "無機物といえるものを土に変える"のは、
 簡単だってンだから、人道も理もクソもねえ

 一体何人"運んだ"っけなあ。団長さんよ』


 さぁな。
 少なくとも昨晩十程増えた気がするが、
 良くは覚えてない。

 …目の前と足元ばかり見ていて、
 星が、見えなかったからものでな。


 はて、止める必要がどこに存在する?

 見届けさせておくれよ。歯車の軋む様を。

 かの王の時と同じように、お前の未来を、

.

[出国間際に買ったスカーフをピンで留め 、食料は魔法の布袋へ
 今は剣の鞘飾りになっている組紐は、いつか別の用途に使われることがあるのだろうか]


  おいで、ハールーン。
  私の大切な人。


[旅の伴侶に微笑みかける。
 彼への想いは形にするのが難しいけれど、この上なく大切な人だということだけはずっと変わらない。これからもきっと。

 これから先も、彼は逃れ得ぬ出自のせいで苦しむことがあるのかもしれない。
 追手と出遭うことも無いとは言い切れない。
 けれど護り抜こう、彼の身の安全と幸せを。新しい生き方を2度くれた人なのだから]**

 




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