学園内の何処かの廊下の窓の下。静かに鎮座するのは、日に当たらぬ様立てかけられた一つのキャンバス。
それには今朝の騒動の一端が描かれていた。

絵の中の部屋の窓を額縁に。
騒動を見守る者、何かしら行動を起こす者、渦中の人物、止めに行く者、止めた者。グラウンドに居た人間は全て描かれている筈。
嫌にリアルな油絵だ。

「所謂写実画、見たものを見たまま描いてみただけの事」
描いた本人ならばそう言うかもしれない。

実際これに深い意味は無いので、安心してほしい。

ただ上手く描けたから、見せびらかしたくなっただけとのちに語るかもしれないが。

まぁ語る前に。誰かしらが撤去するだろう。

（メモをはがした）