とても時間をかけて食べた皿をテーブルへと投げる。
カランと鳴ったそこにあるのは空席とシチュー皿だ。
やっぱり透明な男はそこにいる。顔を見せてはくれないが。



声が小さい。

>>+6



比較的近くから聞こえてきた。
忙しそうだがここに出てこれる体調にはなったのだろう。

差し出されたレモネード。そしてスプーン。>>11

グローブをつけた指で器用にスプーンを回し、
一瞬その匙はあなた達の視界から消える。





布巾を汚れるのがわかっていたかのように取り出せば
テーブルには勝手に動く布と吸い込まれていく液体。
ついでに先程よりもはっきりした男の声が響いていただろう。

>>+14　フランドル



一緒に話したいとも告げていないのに突然の悪態。見えないが。
スルーもできるがあなたは思い当たることはあっておかしくはないだろう。

>>12

>>14



しばし沈黙、立ち上がる音。周りの視線。



>>+17　フランドル

>>18　夜のこと。



首を傾げる姿に頭をかいてため息をつく。
本当に何を言い出すんだ。脈絡もない。
旦那とはスカリオーネのことだろうか、目立つ年上の取引相手は彼になる。はて、突然好意の比較対象にされる覚えがない。


何も浮かばなかったとは言わないが何も正しい言葉がでない。
本人がいない場だから助かったが、この心に思い浮かんだサウダージをなんとも説明ができないのだ。
顔が見えないのをいいことに、眉をしばらく顰めながら。
くるりと指で帽子を回してから席を立つ。



言葉を流れるように吐き出し鈴の音を鳴らし。
銅貨1枚をエアハートの手元へと投げて。
そのまま、軽く挨拶をしながら男は階段を登っていっただろう。