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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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【秘】 Niente ラウラ → 暗殺屋 レヴィア

後悔も、怨恨の念もきっと抱かない。
それはラウラが選んだ道の先で、
仕方のないこと
だから。
ただ馬鹿なやつだと、どうして頼らなかったのかと。
少しだけ怒られてしまうのかもしれない。
…その時の様子を知ることは、叶わないけれど。

書き込んだメモを手に、何かを考えるように僅かに動きが止まる。
少しして、もう片方の白紙のメモにも何かを書き込んだ。

「……はい。…ラウラが持つままで、問題ありません。
きっと。……きっと、見つけてくださいます、から」

膝に置いた写真立ての裏板を外し、写真の裏にメモを2枚仕込む。
見つかるべきはこの写真立てで、メモはただの我儘だ。
見つからなくていい。見つからない方が、いいのかもしれない。

それでも、残さずにはいられなかった。

「……お待たせしました」

血に濡れないように、ポケットの中のハンカチで写真立てを覆い隠す。
それを鞄にしまい、そっと端に寄せた。

その後に立ち上がり、貴方に向き直る。

「……レヴィア様、これはもうひとつ ラウラの我儘、です。
………ラウラはここから動きません、から。……即死は避けて、いただけません か」

聞き入れてくれるかは分からない。
ただ、可能性が0ではないならと 口にして。
(-12) sinorit 2022/08/20(Sat) 21:12:08

【秘】 Niente ラウラ → 暗殺屋 レヴィア

託さずとも、誰かが見つけてくれる──のは、写真立てについて。
それさえ見つかればそれでいい。だから、託す必要がない。

再度こちらに向かう視線に、また真っ直ぐに見つめ。

「…………夢を、…見ていたいので。
……最期くらい は、……………」

幸せな夢。存在しないものだ、もしもでしかない。
ただ、あの人の手で 終わりに迎えたのであれば。
──そうした夢を見られたのだろうかと、甘い幻想を抱く。

誘惑と宣告。どちらが幸せで、どちらが不幸か。
そうしたことは考えても、仕方の無いことなのだから。

貴方にしてみれば、後処理が面倒になるし。
興味のないことだからと、この間にも撃ち抜くことは叶うだろう。
(-45) sinorit 2022/08/20(Sat) 21:56:34

【秘】 Niente ラウラ → 狡兎 ツィオ

いつものような調子ではなく、ただ静かに 告げられた言葉に。
ラウラは、菫色を揺らした。同時に、胸が痛み 小さな吐息が零されて。

痛みを飲み込むように、ごくりと 喉を鳴らす。

貴方が口を閉ざす理由は、きっと死ぬまで知ることが叶わない。
どうして……マウロ様もツィオ様も、不器用なのだろう。


ならばとこちらから近づいて、どちらかが動けば唇でも触れ合うような距離から 貴方を見つめる。
勿論貴方が下がれば、この距離を離すことは当たり前に叶う。

「…………でしたら、ラウラに。…今日だけは、貴方をください」

ただ傍にいるだけでいいから。それだけで構わないから。

ラウラの願いは、約束は。…やはり、叶わないことばかりだから。
本当はどこかでそれを感じていたから、貴方に幸せを望まずにいたというのもひとつ。
貴方がラウラのために苦しむのは、やはり不本意で。


「……まだ、今日は終わっていません よ」

今日の誘いに応じてくれた貴方に、最後までともにと口にする。
それは完全なる欲望で、どうしようも無い我儘だ。

それでも貴方が拒むなら、そっと目を伏せてこの身を離すだろう。
(-57) sinorit 2022/08/20(Sat) 22:19:11

【秘】 Niente ラウラ → 暗殺屋 レヴィア

/*
先の連絡返し失礼致します。

レヴィア様がお優しいので心が痛んでいたところでした…。
すみません、ちょっと次のレスで諸々を明かしつつ。

死後に死体をどうするかはレヴィア様のご自由に!
ご確認いただきありがとうございます。
(-62) sinorit 2022/08/20(Sat) 22:26:36

【秘】 Niente ラウラ → ニンナ・ナンナ ヴェネリオ

/*
こんばんは、お声かけありがとうございます。

死後のお茶会、凄くやりたいです。
予定等は特に問題ございませんので、是非お話出来ればと存じます。

癒しを……ください………………。
地獄が見えていたものより。
(-67) sinorit 2022/08/20(Sat) 22:31:58

【秘】 Niente ラウラ → 暗殺屋 レヴィア

変わらない表情に、変わらない声。何も考えていないように見えて、何かを考えている。
その思考を読み取ることは叶わないけれど、何となく 己を見るようで。
けれど同じではないことは、知っている。


響いたサイレンサーの音とともに、バランスを崩し壁を背に座り込んだ。痛みはない、……はずもなく。珍しく顔を歪めて、吐息を零す。
提案したことに後悔はない。ただ、…嘘をついたことは 僅かに罪悪感を抱いた。

「……
ッ、…………………、


零れていく命の色に一瞬、視線を向ける。
口の端から漏れる吐息は無意識で、けれどそんなことはどうだっていい。

近くにあるバッグのショルダーストラップを掴み、引き寄せた。
それを腕に抱くようにして、強く。強く掴む。

無くしてはならないもの。あの方に届けるべきもの。
その辺の猫にでも咥えて持っていかれるのは困るのだ。猫に限らず、他のものたちにも。

だから死ぬまでの間、それが無くならないことを見ていられるように。出来るだけ少し、長めに生きたいと願ってしまった。

勿論夢の話も嘘ではない。…半分は。でも本当は、それを見ることなど叶わないのだろうと考えている。
だからどちらかと言えば全てが嘘に等しいのかもしれない。

騙してごめんなさいなんて、そんな言葉を口にするつもりもないが。最期くらい、また悪い子になっても許されるはずだ。

もしも本当にマウロ様が帰るとして、3人でいればまた笑えるだろうか。そうであればいい。それを見ることが叶わなくても、わたしの大好きな彼らが 笑っていられるのなら。…これこそが夢なのかもしれない。……だって現実は、また1人 欠けてしまったのだから。


さむい。
いたい。
…ひとりは、さみしい。
───様…、


暗くなる視界の中、小さく誰かの名を呼んで──そうして静かに、暗闇の中へと落ちていくだろう。
(-79) sinorit 2022/08/20(Sat) 23:08:57

【秘】 Niente ラウラ → デッド・ベッド ヴェネリオ

目を覚ますのはきっと、貴方が先だ。

目を開けて直ぐ、珈琲の香りに自然と辺りを見回して。
知らない場所に僅かに警戒しながらも、死んだはずだと小首を傾げる。

死に先があるなんて、どうにもおかしな話だ。
もしかすると、最期のお願いが叶ったのだろうか。

そんな訳もない。都合が、よすぎる……とは思うが。
考えたところで仕方がないので、バールに向かいその中を覗いた。

…何やら見知った姿があるような。

「ヴェネリオ、様?」

思わず、名前を呼んでしまう。
間違っていたらどうしようだとか、そうしたことは特に思わない。

ただここにいるなら、どうして。と疑問を抱くくらいで。
(-92) sinorit 2022/08/20(Sat) 23:45:31

【墓】 Niente ラウラ

本名:ラウラ・リベラトーレ(Laura・Liberatore)
※偽りなし。


死因:大腿部の銃創による失血死
(右目の銃創は死後に残されたものと見られている)

発見場所・遺体の様子:
路地裏にて。意図は不明だが、目立たぬ場所に隠されていたようだ。
衣服等に乱れはなく、抵抗の痕も見られない。
腕には
血に濡れた
ショルダーバッグが抱えられており、その中にはハンカチに包まれた写真立てのみが残されていた。

(+8) sinorit 2022/08/20(Sat) 23:59:54
Niente ラウラは、メモを貼った。
(c10) sinorit 2022/08/21(Sun) 0:00:51

【秘】 Niente ラウラ → デッド・ベッド ヴェネリオ

慣れない呼び方にぱちぱちと、目を瞬かせる。
本当に己の知るあのお方だろうかと考えて……どちらでも構わないかと、足を動かす。

「………ラウラで、よろしければ」

貴方の最期を女は知らない。貴方がこちらの最期を知らないように。
一体何をしたのだろうかと考えもするが、今はこれも置いておこう。

紅茶が冷めてしまう前に、席へとついて。
ついて……流石に無礼講をすぐに始められる性格でもない。

何を問おうか。まずはどうしよう。敬語や態度を崩すのは難しい。
折角の機会なのに、思案してばかりで進まない。

であればと、悩むように口を開いて最初の質問は。

「………ヴェネリオ様は、…キャンディが お好きなのですか?」

とあまりにも緩すぎるものから。
これならば何のお菓子が好きか、と問いかける方がマシかもしれない。
(-103) sinorit 2022/08/21(Sun) 1:15:41

【秘】 Niente ラウラ → 狡兎 ツィオ

欠落したものを埋めたいという感情は少なからず存在していた。
今までも、"感情"を埋めるために人を"見"ていたのだから。

だから無意識に、貴方もそうなのだろうと考えて。
…考えて、
本当はただ 貴方の笑顔が見たかったのです。


「………いいえ。……いいえ。
ラウラは、…ラウラはきっと、貴方の残すものでは 死にません」

心の奥底。閉じ込めた"かなしい"はあの日僅かに溢れ出て。
けれどきっとそのまま、理解も出来ずにまた沈む。
そうやって繰り返して、どこか壊れているなんて。
きっと、そんなことは誰も知らない。知らなくていい。

誰も知らない内緒の話。"たのしい"こと、本当は知らないの。
自分で捨てたパズルのピース。欠けたまま みつからない。


それに。
わたしは数日後、暗闇に落ちるのだから。

貴方の毒を理解するまでに、生きてはいられない。
理解するにはまだ、拾いきれていないものが 多すぎたから。


(-122) sinorit 2022/08/21(Sun) 8:55:32

【秘】 Niente ラウラ → 狡兎 ツィオ

──途端に、近づけていた体がバランスを失う。

声も出せないまま貴方に引き寄せられた。
支えがなければ崩れ落ちてしまうような、そんな危うさの中。
下に向かいかけた視線は、
囚われるように
覗き込まれて。

「……ツィオ 様、 ?」

毒に冒されていたことなんて、知らない。
けれど、逸らせない視線がそれを物語っているのか。
欠落した者ラウラには、理解が出来ないだろう。

いつだって本当の意味で笑えて、泣けて、怒れたなら。
ほんの少しくらいは……なんて、それさえも分からない。

「………えぇ。……それが貴方の望みなら」

そのときはまた、同じ答えを出せるのだろうか。
今はまだ、知る由もない。
未来の話はいつだって、不透明で 不確定だから。

叶わない
約束や願いのように。

静かに閉じられていく入り口の様子にも気づけないまま。
貴方の
をただじっと、
つめていたことだろう。
(-123) sinorit 2022/08/21(Sun) 8:57:41

【秘】 Niente ラウラ → デッド・ベッド ヴェネリオ

語られたものに幾度か頷いて、そうしたものがあったのかと記憶を辿る。
ただ、思い出せやしないけど。祭りを"たのし"んでもいないので。

「……そう、だったのですね。…お疲れ様 です」

甘いものしか旨く感じないというのは本当にかなり疲れていたのか。
その心を知らないから、そう考えるだけで終わってしまう。

今こうして解放されたなら、それでいいだろうとも思うし。

続く言葉に瞬きを繰り返し、僅かに首が傾いた。
何かを考えての事だとしても、裏でそんなことがあったなんて。

「……ですが、もしかすると 気付かれていたのかも、しれません。
ラウラの死の理由、……裏切り者 と判断されて、ですから」

リカルド様には悪いことをしてしまった。
ラウラの約束、叶わないと知って尚受けてしまったから。

それに、あの人を連れ戻すと声をくれたのに。
結局会えないまま、伝えたいことも伝えれず。
せめてひとつは、メモに残せてよかった。
見つかるかどうかは知らないけれど。死者には知る由もない。


「…役に、立てるだけで良かったんです。
それで、……いつかに死ねたなら、それでいい と」

マウロ様は
怒る
だろうか。
悲しむ
だろうか。
…あの人は本当はとても優しいのに、とても不器用だから。
(-125) sinorit 2022/08/21(Sun) 9:43:41

【秘】 Niente ラウラ → 無風 マウロ

ラウラは死の瞬間、貴方のことが気がかりでした。

連れ戻してくださると、リカルド様が仰っておりましたから。
きっと、きっともうすぐ会えるのだろうと 待って……。

待って、いようとしたんです。
でも駄目でした。最期まで運のない自分だと、思いました。

マウロ様、貴方にお会いしたかった。
役に立ちたかった。見ていたかった。

欠落したものも少しずつ拾い上げて。
貴方の"右腕"として、もっと お傍にいられたのなら。

──夢物語。また 願い事は、叶わない。



それでもまた、願い事ひとつ。

──貴方の生を、未来を。幸せを……心から願っています。
(-129) sinorit 2022/08/21(Sun) 10:10:29

【秘】 Niente ラウラ → デッド・ベッド ヴェネリオ

「お仕事、ですから。…仕方の無いことです」

そう割り切っていなければ、後悔というものに苛まれそうだ。
猫に刃を向けたとて、きっといつかに死んでいた。

「……そう、ですね。分からないから、見ていたかった」

貴方の言うように女の意思は希薄で。
その理由としてはかつて自らでパズルのピースを捨てたから。
"感情"という名のパズルのピース。欠けたままでは、完成しない。
結局、取り戻せずにいたものの方が多い。…それを知ることは無いが。

でもそれでも、心のどこかではもっと知れたらと願って。探して。
"たのしさ"だって、掴めると思っていた。…ずっと。

「…はい。一番は、……マウロ様のために。
ラウラは知っていますから、あの方が不器用でお優しいこと。
いつだってラウラを道具のようにと振る舞いながら、その実 気にかけてくださっていたこと」

無いものが多いなりに、見ていたんですよ?
伝わらないだろうけれど、伝えなかったけれど。

「……………会いたかった、です」

零した言葉は小さくて、弱々しくて。
素直に零したのは、死ぬ直前に彼の名を呼んでしまったからかもしれない。
(-134) sinorit 2022/08/21(Sun) 10:38:17

【独】 Niente ラウラ

/*
まず決闘者に向いてない事件から開始したんだが
初回処刑で同票で死ねない!と思ったら上司達死んでて
その前の問いかけで答えを探している最中だったから
本人に理解できないながらも凄く動揺して

無意識に姿を探したり 紫煙の香りを求めたり
する前に死之商人がわかってうわぁー!になり
それでリカルド様との会話で「お?前向ける?」してたら
決闘相手が死にシステム的な重みを感じて

死ぬ前に返事しとくかぁのツィオ様呼び掛けしてたら
リカルド様から蘇生するんだろうなぁっていうあれと
なんかこの人死にそうだなってフラグを見て……
いたら、ラウラにも選ばれたよ通告が来て

これマウロ様大丈夫かな ツィオ様も大丈夫かな?
とか思いながらやり取りしてたらツィオ様がぶっ込んでくるし
あの問い、死んで欲しくない人に聞かれたら「YES」しちゃうやつ
自分の我儘でこの人が生きるならそれもいいかって
思うようになってたかもしれないけどリカルド様パワー

リカルド様ありがとう……リカルド様が光だった
約束守れなかったのは本当に申し訳ない フラグ完璧だった

フィオレロ様の言葉は最後まで使えて楽しかったな〜
スナイパー活かせなかったのが残念ポイント

本当はリカルド様に「生きてたら教えてください」したかった
(-148) sinorit 2022/08/21(Sun) 17:44:09
ラウラは、2枚のメモを残しました。
(c18) sinorit 2022/08/21(Sun) 20:05:52

ラウラは、1枚はマウロ様に。もう1枚は──。
(c19) sinorit 2022/08/21(Sun) 20:06:26

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

/*
もったいないおばけ様こんばんは、おやつはたい焼きです!
しんみりして悲しいので死者語りしませんか?

そんなお誘いに参りました。
勿論お手隙かつ死者語りに問題なければですが。

問題なければ都合のいい夢のような空間でお会いしましょう。
(-168) sinorit 2022/08/21(Sun) 20:22:51

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

死後の世界なんて、そんな都合のいいものはあるのだろうか。
あるいは今際の際の夢だろうか。

考えたところで分かるはずもない。
考えたところで知れるはずもない。

ならばここが何処かを考えることなど無粋だ。

知らない場所。何も無い空間。
あるいは、望むものが存在する夢の世界。

そんな場所で、女は目を覚まし 過ごしていた。

「────……」

誰かと語り終えた後か、あるいは前か。
僅かに甘い香りを纏わせて、ぼんやりと 歩き続ける。

さて、貴方の姿をどこかで見かけることは叶うだろうか。

この不思議な世界で、託した者と託された者。
皮肉にも同じ日に命を終えた2人が、出会える瞬間は──。
(-184) sinorit 2022/08/21(Sun) 23:13:39

【秘】 Niente ラウラ → デッド・ベッド ヴェネリオ

拾われたあの日、今よりももっと感情は欠落して見えなくて
頷くだけで、考えることもせずにいた。それでも少しずつ、少しずつ拾い集めて。
──それが、今に繋がるのだから きっと、いつかは。

「……ラウラは、皆様の笑顔が 好きでした。
これがきっと"好き"というものだと、思えたのです」

見ている中で、聞いている中で。
こんな世界だとしても、笑っている貴方達が。
女の心を揺らし、作る……そんな、優しい場所だった。

頭を撫でられるその心地にゆったりと目を細めて。

「そう、ですね。…いまのうちに、全てを」

そのまま、細めた目を閉じる。そうして浮かぶその姿に語りかけるように。ぽつ、ぽつ と。

「マウロ様に、お会いしたかった。…伝えたかった。
お慕いしておりますと、気づいたあの日からずっと……ずっと」

「…不器用な貴方が、心配なこと。優しい貴方が、好きなこと。
あの手紙に残したかったもの全てを、知りたかった」

「ラウラを お傍に置いてくださったことへの感謝も。
……全部、全部…………叶えたかった」

声に震えはないだろう。それはいつも通りに。
ただ、…ただ 何も思わないはずが、ない。

閉じた目を開けて、遠くを見つめた先に映るのは──もう1人の、不器用なあの人の姿。
(-205) sinorit 2022/08/22(Mon) 1:54:58

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

宛もなく、歩き続けてその途中。
見つけた姿に立ち止まる。

目をぱちぱちと瞬かせ、何故ここにいるのかと……口にはしない。

「……………声、ですか?」

歩き続けていたから、気づかなかった。
辺りを見回して、それで貴方の隣に立つ。

「……どうでしょう、か。
…どんな、声が……聞こえましたか」

誰の声が聞こえているのか。それはきっと、あの2人。
貴方は、マウロ様を連れ戻してくださると言っていたから。

きっと、きっと……それは叶えられたのだろう。
女と違って、貴方は約束を──違えないだろうから。
(-208) sinorit 2022/08/22(Mon) 2:06:10

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

貴方の笑みに、何を言うでもなくただじっと見つめて。
その心の奥が何を思うのか、少しだけ考えた。

欠落した者ラウラには、思いつけやしないけれど。

続く言葉も黙って聞いて。
質問の答えがないことに、咎める真似もない。

「……ラウラは、…ラウラにも 悔いは沢山、沢山 あります。
いつだって、死ぬことに恐怖はありませんでしたが」

死ぬ瞬間も、恐怖というものは無かったように思える。
ただ、
孤独への寂しさは 無意識に抱いた。


「マウロ様と会うことが叶わなかったこと。
写真立てを返せなかったこと。……それから、」

と、口を閉ざして俯く。思い浮かべるは、もう1人の姿。

"答え"を返せずにここに来てしまったこと。
守れなかった約束を 傷として残してしまったこと。
(-219) sinorit 2022/08/22(Mon) 7:28:02

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

貴方の言葉に、肯定も否定も出来ずにいた。

あの人が何を考えて、あの問いかけを行ったのか。
どうしてあんなに苦しげで、それでも言葉を飲み込むのか。

どうして、答えをもう一度求めたのか。
どうして、……聞きたいことは沢山、沢山。

伏せた目をそっと持ち上げて、痛むはずのない胸に己の手を添えた。

「………本当に何も知らなかったのは、誰なんでしょうね」

少しずつ、ズレていたのか。答えは出せない。
だからこれは独り言だ。空に溶けるだけの、解のない問。

「……そうですね。…ともに、見届けましょう。
それが今ラウラ達に出来る、全てですから」
(-237) sinorit 2022/08/22(Mon) 11:45:14

【独】 Niente ラウラ

喉を押さえ、小さな呟きを落とす。
それは誰にも届かなくて、届けたかった言葉。

「──────────……」

その呟きは、音を出さずに口だけが動いて。
それで、それで終わり。

生きたい。…生きたかった。

答えを飲み込んで、目を伏せた。
(-252) sinorit 2022/08/22(Mon) 13:40:59

【独】 Niente ラウラ

「……胸が、苦しい」

きっと、落ちるだけ落ちたのだ。
そうでなければ本当にただ運が悪いだけになる。

だから最後くらい。

「──叶えてください…」

叶わない者ラウラの願い。
奇跡のほんの一欠片でも、この手に。
(-253) sinorit 2022/08/22(Mon) 13:46:27

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

/*

お返事遅くなりました!申し訳ない。
落ち着いたので以下に失礼します。

まずは……おめでとうございます!!
蘇生入るようにお祈りしておきますね………!!
今度こそ幼馴染が揃うように、願っております故。

あと臨死というか……あれでしたら記憶飛ばしていただいても。
何か見たような気がするだけで、覚えてなくても……全然!
形のない、名前もない不思議な世界ですからね。

どうか良きように。
(-282) sinorit 2022/08/22(Mon) 18:55:25

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

独り言として零されたものに、応えが返る。

結局、全てを知ることなど叶わない。
相手の心でも読み取れない限り。

「……本気、ですか。……………それは、」

それは……その感情の名前は、想像するものであっているのか。
答えを聞けない今では、その名を付けることが正しいのか わからない。

会いたいと願って。会えないと知っていて。
また、いつかのように泣きたくなった。

それを堪えるように、己の身を抱く。
あの日の熱を思い出し──小さな吐息を 零した。
そこに含まれた感情は……己にも、分からない。


貴方の横でまた泣くのは、きっと 困らせてしまうから。
何かを思うように握りしめるその手を見つめて、口を噤んだ。

貴方が、貴方達が笑える未来が見たかった。
だからどうかと、──最後の願いを ひとつだけ。
(-286) sinorit 2022/08/22(Mon) 19:47:59

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

言葉を飲む込む様子を見て、放っておけない気持ちが湧いて。
どうにもひとりに出来なくて、あの日 こちらから──。

それが正しいか、正しくないか。今に考えたところで意味はない。

不器用な手に撫でられて、ほんの少し 眉を下げた。
泣くのは見届けてからでいい。その方がいい。
──貴方の優しさがじんわりと胸の奥に広がって。

少しだけ、考えていたものを紡いでみせる。

「……リカルド、様。"好き"の形は、ひとつ ですか。
……………分からなく、なるのです」

どちらを思っても、胸は苦しくなる。
けれどきっと、本当は何かが 違うのだろう。

「………ラウラだけでは、見つからないのです」

欠けてしまったパズルのピース。
自分で捨てたせいで、拾い集めることが出来なかった。

ただ、誰かの持つそれをなぞって。型を作って。
少しずつ、歪ながらにも欠落ピースを埋めてきた。
(-333) sinorit 2022/08/22(Mon) 22:57:40

【秘】 Niente ラウラ → デッド・ベッド ヴェネリオ

神というものは、信じない。
何故ならば、いつだって約束や願いが叶わないから。

神がいるのなら、きっともう少し なんて。

「……………"愛"、ですか」

それは、どちらに対してだろうか。
なんて、女には上手く汲み取れないから 首を傾げる。

会いたい気持ちはどちらも同じで。
"好き"の形も………同じ、だろうか。…………………。


けれど軟派な彼と貴方が似ている、というのは想像し難い。
それではつまり、己の上司が?

考えるように、視線が下に向かう。
"愛してた"なんて、そんなことを考えるようには思えないのだ。

多分、きっと。……焦がれて囚われるのも、思い付かない。
ただ、部下を思う気持ちは確かで……。

確かで…………と、思案の先で何かが割れる音が響いた。

(-352) sinorit 2022/08/22(Mon) 23:58:02

【秘】 Niente ラウラ → デッド・ベッド ヴェネリオ

視線は既に下を向いていた。
だから破片が散らばるこの状況は瞬時に理解して。

目をぱちぱちと瞬かせていれば──
が見えた。

「………………………え、」

零した声は、きっと間抜けだった。
流石に驚きは浮かびでるものだ。それは二つの意味でも。

「………あ、……っ、……………………はい、」

ずっと、ずっと己が己を駒として見てきたから。
家族になんて、なれるはずも無いと。
これ以上は望むまいと、諦めていた。

だから今この場で落とされる誓いの色に。動揺せずにいられるはずもなく。

それでも、気づいたその瞬間に動き出していたはずだ。
同じように破片を拾い、親指を切り裂いて
を浮かばせ。
──向けられたその色に、己のものを交わらせた。

ここで何か言葉を返せたのなら格好もついたのかもしれないが。
慣れないそれに、返事をすることが精一杯だった。


何とも不思議な話だ。上司マウロ様よりも1歩先に。
そして、残りの2人ツィオ様とリカルド様と同じ立場に並び立つ。
あの3人がどのような表情を見せるのだろうと、少しだけ笑みが零れた。
(-354) sinorit 2022/08/22(Mon) 23:59:18

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

確かに、貴方へ聞くのは間違いなのかもしれない。
とはいえだ、ラウラにとっては今 貴方にしか聞く術がない。
それからまともな答えが返ってきそう、という信頼もある。

黙って話を聞きながら、時折相槌を入れて。
それで、悩むように視線を落としたところで。
体に回していた腕を下ろす。

「………………親愛と、友情。………恋、心」

ぽつぽつと、紡がれたものを復唱し。
その意味を考えるように視線がゆっくりとあちこちに向けられる。

「親、と……は…………、」

しないだろう、と両親を思い浮かべる。
顔や声は思い出せやしないけど、そういう対象とは違うのは流石に理解出来る。

「……マウロ様と、…………ツィオ様、」

浮かべたそれぞれの姿に感じるのは、どういう形だろう。
それを今この場で出すには難しいが、……難しい、と思っているが。

自ら望んで手を伸ばし熱を求める存在というのであれば。
──あれば、と……目を瞬かせた。

何となく、意味を理解出来たかもしれない……多分。
答えを口にするには、もう少し考えるべきだとは感じたけれど。
(-363) sinorit 2022/08/23(Tue) 0:52:24

【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド

ゆっくりと、頷いて。
さ迷っていた視線はまた貴方に。

感情とはままならないものだ。
だからこそいつかに捨ててしまった。
それでも探していたのは──ノッテ家族のおかげ。

抱くそれぞれの"好き"が。
同じである必要などないのだろう。
近くなった答えに、心が軽くなったような気がした。

その答えが相手と同じものでなくとも。
それが独りよがりと呼ばれても──ラウラの答えを探そう。


頭を撫でていた手が下りて、背に回れば。
僅かに首を傾けて。

口を開く前に──引き寄せられた。

大きな腕の中におさまる女は、目を見開く。
そのままほんの少し顔を歪めて、その背に腕を回した。

貴方達は不器用だ。とても不器用で。
それでもその中で欠落した者ラウラに多くをくれた。

そんな貴方達の幸せを願っていた。
…願っている。

叶わないことばかりでも、ずっと。──ずっと。


「…………"さみしい"です ね……」
(-434) sinorit 2022/08/23(Tue) 18:56:39
 




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