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![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[静かな声が応える。] ──…おまえの望む通りにしよう。 [それはバッキンガムの勧めたことか、 或いは続いた話のことか。] おまえが私に望んだ先が叶えば、 おまえの影を誰にも踏ませはしない。 茨に縛られ牙を研ぎ続けた日々に、 報いを与えよう。 [抱き締める腕にリチャードの身体は、 隙間なく囲われる。*] (45) 2026/08/19(Wed) 0:35:32 |
![]() | 【人】 七川 惺[それからまた、暫くして暗転。 再び灯りが灯った時には、服を着たバッキンガムが一人。 実際には、天蓋付きのベッドは片付けられておらず、 バッキンガムだけにスポットライトが当たっているのだ。 ここで独白。] ──“報い”とは。 愛をくれないのなら、死を与えてくれ。 その日から俺の心の奥に そんな想いが巣食い始めた──…。** (46) 2026/08/19(Wed) 0:50:22 |
![]() | 【人】 七川 幸臣[TVドラマ撮影の時はそれほどでもなかったが 今回の惺の演技はまさに“劇場型”だ。 元々感情の起伏が激しいタイプで顔に出やすい。 日本人としては飛びぬけて背が高いのもあり 手足の長さも加わって演技がデカくなる。 路傍の石になるには存在感がありすぎるのだ。 通行人として舞台に上げてくれと頼まれた時 長身を活かせるモデルなっとけと言ったのは 先に“型”を学ばせたかったというのが大きい。 まずは指示通りに無駄なく美しく動けるように。 演技を制御できるように。 SHOUの仕事ではそれができるようになったようだが 悠凛君が相手だと、ともすればすぐ素が出るようだな。 ……だが、悪くない。>>4:37、>>4:38 二人のケミストリーを活かせる方向に 二人以外のキャストに支障を与えない範囲内で 演出を変えていこうと思う。 アドリブやインシデントにも対応できるよう スタッフにも言い含めておこう。] (48) 2026/08/19(Wed) 12:43:22 |
![]() | 【人】 七川 幸臣[狂言回しは必ずしも主役でなくてよい。 原典の主役のリチャードは 狂言回しの役割を強くかねているが この舞台のリチャードは内心を語らずミステリアスである。 最初から主演として念頭にあった、 悠凛君の表現力を見込んでのことでもある。 狂言回しのもう一方の役割、narratorとしての機能は リチャードに最初から最後まで付き従う ケイツビーが担っている。 台詞が、出演キャストの中で一番多い。 惺の独白は、主に観客に感情移入してもらうためにある。 華岡君に渡していた脚本はもう少し独白が少なかった。 惺バッキンガムにあて書きして寄せたともいえるが 惺が開演までに演技のみで表現できるようになれば もう少しコンパクトに戻してもいいだろう。 閑話休題。] (49) 2026/08/19(Wed) 12:49:47 |
![]() | 【人】 七川 幸臣[舞台セットのバルコニーの仕上がりが予定より遅れている。 ロンドンのベイナーズ城バルコニーでの演説シーンは 今日は飛ばして、ウェストミンスター寺院での、 リチャードの戴冠式から、リハーサルを続けてみよう。 バッキンガムが不審の種を撒いてから暫くして>>31、>>32 リチャードの兄、エドワード四世がついに身罷った。 エドワードの忘れ形見である当時12歳のエドワード5世を 擁立するにあたり、まず力を持つのは 前王の妻エリザベスの実家ウッドヴィル家。 弟のリヴァースが摂政になるのが最終力であった。 しかし彼はジョージ殺しの嫌疑で リチャードとバッキンガムに拘禁される。 ついにリチャードは エドワード5世を補佐するための護国卿(摂政)となった。 だがその期間は短かった。それからわずか数か月後。 前王エドワードはエリザベスと重婚していた、 だから結婚は無効、よってその息子に王たる資格なし。 僅かな証言を拾い集め、そんな計画の図面が描かれた。 ここに(今日は飛ばす)バルコニーのシーンが挟まれる。] (50) 2026/08/19(Wed) 13:09:17 |
![]() | 【人】 七川 幸臣[血生臭い権謀術数の裏側で アンはリチャードに献身的に尽くす。 リチャードとアンの絆は深まってゆく。 少なくともアンの側からはそう見える。 実際、王位簒奪の戦略的には必要なことだった。 そうして戴冠式のシーンだ──…。**] (51) 2026/08/19(Wed) 13:16:03 |
![]() | 【人】 七川 惺[バーネットの戦いとテュークスベリーの戦いは>>23 同年の一月違い。 バッキンガム17歳、リチャード19歳の時だった。 戴冠式まで、史実では実に12年の月日が流れている。 舞台ではそこまで年表を忠実に再現していないとはいえ 少年の日の出会いから数えれば、もっと長い月日を。>>3:33 清らかな憧れと。 誓約してからは、忠誠と愛欲の日々とを。 想い出さずにはいられない。] 寝台を共にすることは、 この頃ではもうほとんどない。 ……それは王妃様のために、と遠慮した。 [それでもまだ、戴冠式までは……。 昇殿のための支度をしながら独り言ちる。 リチャードの即位を支える最大の腹心として。>>45 ベルベットのマントの引き裾を持つ役割がある。 ──王と王妃はTwin Thronesに並ぶ。*] (52) 2026/08/19(Wed) 16:44:29 |
![]() | 【人】 七川 惺[戴冠式当日。 リチャードの儀礼用のマントを外すのを手伝う。 その後、掬うように片手を取って、 その手の甲に一度キスを捧げる。] この__ の 捧げ物、どうか拒絶なさいませんよう。[俺はもうこれ以上聖域に踏み込めない。 臣下として留まる。 悪魔として止まる。 ]どうぞ、王妃様もご一緒に……。 [やがて、王と王妃に、冠が被せられるのを離れて見つめる。 ──ああ、輝くようだ。*] (53) 2026/08/19(Wed) 17:50:55 |
![]() | 【人】 七川 惺[寺院の傍の離宮で、即位の晩餐会が開かれた。 食事が終われば、小舞踏会に移行する。 Twin Thronesから立ち上がり、 踊り始めた二人を見届ければ、俺は席を立った。 そういえば結婚式の披露宴でも、 二人は楽し気に踊っていたっけ。] 踊りはあまり得意でないと、 よく言ったものだ。 [悪態ともつかぬ抑揚のない言葉を吐いて 入退室の扉を潜る。 暫く歩いてゆくと、物陰から潜めた声が聞こえる。 どうやら、アンの傍仕えの侍女達のようだ。] (54) 2026/08/19(Wed) 18:36:23 |
![]() | 【人】 七川 惺「……ご懐妊、かもしれないわ。」 「え、やっぱりそう?」 「良かった!お二人目がなかなかできないから 気をもんでいたのよ。」 「あ、これはバッキンガム公…、失礼を。」 [二人に見つかった俺は、唇の片側をやや釣り上げて 微苦笑をする。] いや。今日のこの日に、二重にめでたい話を聞いた。 [他言無用、とは言わない。密かに広めてもらうといい。 おしゃべりを咎められなくて良かっただの、 バッキンガム公は陛下の右腕だから大丈夫よ、だの。 背中でさざめく声を聞きながら、足早に歩く。] (55) 2026/08/19(Wed) 18:38:13 |
![]() | 【人】 七川 惺[客席に向かって。] ……そう。俺は王の隣に座る半身ではない。 せいぜいが、右腕。 ルシフェルは許されて神の代理人となり 俺達の野望は成った。 メフィストフェレスはもう、いらない。 いらないどころか、これからはもう、邪魔なだけだ。 [厩舎へと向かい、行先を厩の番人に告げる。 「ちょっと借りるぞ。近くの森で風に当たって 酔いを醒ましてくる」とだけ。 森には湖がある。 現代の地図上ではセント・ジェームズ・パークがモデルだが 後に出てくるディーンの森とそっくり同じセットだ。 夏だ── 頭を冷やす水浴びにちょうどいいかもしれない。**] (56) 2026/08/19(Wed) 18:49:09 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[──ここに来るまで長かった。>>52 手の届くはずのなかった玉座が、今そこにある。 王位までの道のりの難を排すべく尽力したのは、 リチャードの右腕と謳われるバッキンガムだ。 エドワード4世の即位とヘンリー6世の復位に 貢献したウォリック伯に続く、キングメイカー。 少年の日にバッキンガムがリチャードに 見出した望みは、今日叶う。 深紅の絹のシャツとサテンのホーズを身に着け、 毛皮の縁取りのついたベルベットのマントの裾を引いて、 ウェストミンスター寺院の身廊を一歩一歩歩む。 その長い裾を持つのは、戴冠式で大侍従を務める バッキンガムの役目だ。 リチャードのマントを外したバッキンガムが、 その手をとってキスを捧げる。 厳粛な雰囲気の中、二人の目線が一瞬絡む。 リチャードの口端が、微かに笑みの形に撓んだ。] (57) 2026/08/19(Wed) 21:10:54 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[その言葉をバッキンガムが最初に捧げた夜から、 数年が経った。>>53 ──拒絶するなら、とうにしている。 静かに退がり傍を離れていくバッキンガムを、 儀式の主役である新王が振り返ることはない。 宣誓の後、胸と肩に聖油を塗布され、 王杖が、指輪が、剣が捧げられ。 いよいよその時が来る。 参列した貴族達が息を殺して見守る中、 玉座の前で跪くリチャードの頭上に、 カンタベリー大司教の手で王冠が授けられた。 リチャード・プランタジネットが 正式な国王として宣言されるやいなや、 その空気は一変する。 教会の鐘が鳴り響き、「王に栄あれ!」と 歓呼の声がウェストミンスター寺院を満たす。 王妃と共にリチャードが玉座に座り、 一同に微笑みかければ、人々の興奮は最高潮に達した。] (58) 2026/08/19(Wed) 21:21:11 |
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![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[盛大な晩餐会の間、王冠を戴いた新王と王妃は、 隣り合って仲睦まじく食事を進める。 宴席の程近い場所に、バッキンガム公も配されている。 やがて、宮廷楽師がフィドルを奏で始めれば、 リチャードとアンが立ち上がる。] お手をどうぞ、我が君My lady。 [10年連れ添った王妃は、未だ若く美しい。 ほっそりとした手をとり、リチャードは唇を落とす。 華奢な背に腕を回し、一歩を踏み出した。 「我が奥方は、今宵はひときわ美しい」と賛美を交え、 軽やかに彼女を踊らせ── 一曲終える頃には、バッキンガムの姿が見えなくなっていた。 (59) 2026/08/19(Wed) 21:41:56 |
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![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[朝から続いた戴冠の祝祭。 舞踏会が終わるころには夜も更け、 王と王妃は退場し私室に引き上げることになった。] 今日は疲れただろう。 先に休んでいなさい、 明日も祝祭は続くのだから。 [リチャードの言葉に、アンが不審を抱く様子はない。 共に過ごすのが日常になっているからだろう。 近頃は、バッキンガムに共寝を請われることもなくなった。] (60) 2026/08/19(Wed) 21:51:22 |
![]() | 【独】 七川 惺/* 俺が“踊り”って言ったからフィドルなの? 以下、調べた所によるど クラシック音楽で使われる際は「ヴァイオリン」と呼ばれ、一方でカントリーやアイリッシュなどの民族音楽や大衆音楽で演奏される際には「フィドル」という呼称が用いられます。 せめてダンスと書けばよかったかと思ったけど、円舞曲とかに限定しなくてよかったね! 楽し気に踊ってるね!(その分惺バッキンガムの嫉妬もおおきくなるね←) (-20) 2026/08/19(Wed) 21:54:12 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[戴冠式には、地方からも貴族や聖職者が 多数参集している。 明日は諸侯からの祝いの挨拶が続く。 アンに早寝を勧めたのはごく自然だ。 自分もそうしないということを除けば。 私室の前で、少し行先に迷う素振りを見せたリチャード。 人伝にバッキンガムの行方を知り、 目立たぬよう身をやつして、自分も馬を駆る。] ──… 何をしている? この栄えある佳き日に。 こんな所で。 [夜の森で人一人探し出すことは困難だ。 それでもじきに、彼を見つけた*] (61) 2026/08/19(Wed) 22:00:56 |
![]() | 【人】 七川 惺[某有名な映画のロケ地ともなったディーンの森。>>56 宮殿をも臨めるセント・ジェームズ・パークは 整備されていて勿論美しいが、 舞台のそこはディーンの森に寄せていて 野性的で、もっといえば幻想的だ。 ゲネプロと本番ではドライアイスも使い、 床を這うように広がる白い低層スモークを発生させる。 それはまだないが、美術さんの仕事がすごくて スモークがなくてもライトアップだけで 充分魅力的な舞台装置だ。 そこに、背後からリチャードの声がかかった。 森の木に仮に繋いである、馬の方を先に見つけたか。] ……水浴びだ。 [最初は少しぶっきらぼうに。 まあそれは、夜目に慣れてくればわかるだろうな。] いや……雑念を追い払う、禊だよ。 [次には、声を低くして、少し柔らかく。*] (62) 2026/08/19(Wed) 22:21:11 |
七川 惺は、メモを貼った。 (a0) 2026/08/19(Wed) 22:30:35 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[リチャードは目を凝らす。 ぼんやりと浮かび上がる背中に。 顔だけで振り返り、不愛想に答えた 目当ての男に。] 我らが大望果たした、今日という夜を選んでか。 [酔狂なことだ、と呟き歩み寄る。] ……宴席を中座していたな。 [湖の畔、少し手前で立ち止まる。 それ以上距離を詰めることはない。] (63) 2026/08/19(Wed) 22:31:17 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[リチャードの視線は、どこか遠い。 月と星の光の落ちる湖面ではなく、 昏い森の奥、その向こうへと。] 近頃、おまえの笑った顔を 見た記憶がない。 [儀礼として微笑む顔は、幾らも見ているが。] ───私が王では不満か? [つと振り向いて、自分を玉座へ押し上げた男に問う。*] (64) 2026/08/19(Wed) 22:37:49 |
七川 惺は、メモを貼った。 (a1) 2026/08/19(Wed) 22:44:01 |
飛鳥 悠凛は、メモを貼った。 (a2) 2026/08/19(Wed) 23:00:55 |
![]() | 【人】 七川 惺……今日、だからさ。 俺にできることは、あと、何があるのか。 考えていたら、雑念に囚われて 考えが纏まらないから。 [ざぶっと一度身体を沈めて、 それから、湖畔近くまで泳いでやってきた。 月明かりに照らされる上半身。 貌の輪郭と筋肉の隆起が、蒼く昏く影を作る。 髪にも、肩にも、胸にも、 流れ星のように雫が滴っている。] ──お前を王にしたい。 子供の頃からの夢が叶った。 不満があるとすれば…… お前の隣に座れないこと。 お前の半身になれないこと。 言ってもせんなきことだった。忘れてくれ。 [睫毛からも、星の雫が滴った。*] (65) 2026/08/19(Wed) 23:08:39 |
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![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[蒼黒い湖に逞しい裸体を潜めた男は、 王宮の中に居る時よりも、 春の庭に憩うよりも野性的だ。] お前にこの身を幾度も任せた。 私は王になった。 お前の力で。 いずれ、私の血を継いだ子も この王国の礎となるだろう。 ……おまえの望みは、叶えたつもりだった。 [リチャードは、目の前の男をもう見ていない。*] (67) 2026/08/19(Wed) 23:49:39 |
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