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【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[他の選択肢なんか 目に入らぬ程に その計画に取り込まれた。] タロのタイミングで、いいぜ [運命の選択の瞬間は彼に任せ、 手を引かれて駆ける。 弟みたいだ…なんて言ったけれど どちらが兄か 分からねーなって そんなことを考えられたのは一瞬だった。] (+5) 2020/05/06(Wed) 8:02:52 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[本当に… ああ、本当に この上もなく特等席だった。 扉を開けた途端に 凄い勢いで、”アレ”が這い寄り 獣臭い息を感じた時には、] ッ、──────!!!!!! [かぱりと開かれた大きな顎が タロに、タロだけに襲いかかっていた。 丸呑みされる筈だなどと言う 俺の半端な知識は、ものの見事に裏切られ 頭を噛み砕かれる血飛沫を てっぺんから爪先まで 思いっきり、ビチャビチャと浴びながら 望んで止まなかった、その光景を 食い入るように凝視した。] (+6) 2020/05/06(Wed) 8:11:01 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[前日に観ていた グロいホラーなんか 児戯に等しい、作り物。紛い物。 悲痛な叫びと、生々しい咀嚼音。 8Kの画面でだって 表現しきれない美しすぎる赤が 彼の命の散り際を、辺り一面に咲かせている。 布地に覆われていない素肌は その血の”暖かさ”を 敏感に感じ取って総毛立ち、 鼻腔を満たす噎ぶ香りに 興奮を否応なく掻き立てられた。] は、はは‥‥、ははは すっげぇ 頑張ってるな? えらいぞ、タロ。 [気が狂った訳でなく 正気を保ったまま、男は歓喜する。] (+7) 2020/05/06(Wed) 8:13:34 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[ただ、惜しむらくは あまりに早く、腹の中に収められすぎて 堪能する時間が限られていること。 その綺麗な内蔵に 手を突っ込んで掻き混ぜて 弾力も、感触も、思う存分愉しんで ぴくぴくと痙攣する様も 苦痛に歪む表情も もっともっと、味わいたかった。 そう、できれば、 ─────自分の手で。 ] (+8) 2020/05/06(Wed) 8:15:13 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[体から切り離され 取り残された腕は重いのだな、と思う。 筋肉のあまりない ほっそりした二の腕ですら こんなにも。 繋いだ指先に ぷらり、ぶら下がり血が滴る。 力強く引いてくれた ”タロの意志”は もう此処には存在しないのだと 唐突に実感して………… ] (+9) 2020/05/06(Wed) 8:17:25 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[そんなことを思っているうちに 繋いだ手も、もぎ取られ 大きな空洞へと収められていく。 肉塊が無くなってしまえば ぶち撒けられた 脳みそと血液のマーブルソースまで 旨そうにべろりと舐め取られ ころり、と眼球を口に放り込まれれば タロの痕跡は 床に転がる真っ黒な腕、唯1本だけ。] (+11) 2020/05/06(Wed) 8:23:23 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[ああ、だけど、 だけど…、そうだ!! 何の問題もなかった。 俺も続いて食べてもらえば 腹の中でグチャグチャに混ざり合える。 喰われるのは痛いだろう、 苦しいだろう、 それでも、 あの綺麗な内蔵と 鮮やかな血と、柔らかな脳みそと ”がんばる”と伝えてくれた声帯や唇と もう1度 邂逅できるのだと考えれば そう悪いことには思えなかった。] (+12) 2020/05/06(Wed) 8:25:40 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[なのに、 この番人ときたら、だ! 俺には目もくれず くるりと背を向けると 重そうな腹を引きずりながら ズルズルと去っていく。 タロの血で足裏を 滑らせそうになりながらも追いかけて 握りしめていた包丁を、力一杯振り下ろす。] 俺も、喰え!! 喰えっつってんだよッ!!!!! この畜生がッッ!!! [弾かれたか、避けられたか それとも傷つけることが叶ったか。 いずれにせよ 共に逝こうという約束は 大きな影によって、 ────阻まれた。 (+13) 2020/05/06(Wed) 8:28:53 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオあ‥‥、 ああ、…! [一度見た、夢?の中では 巨大な影でしかなかった存在は 隣室から入る炎の揺らめきに照らされて 輪郭を露わにする。 それは、神様と呼ぶには あまりにも…… ゾウ だった。動物の ゾウ は優しいはずだがコレは…、コイツは……] ……ッ、 い…や、 イヤ……、だ…! [禍々しい気配に ガクガクと震えながら 首を左右に打ち振り、後退る。] (+14) 2020/05/06(Wed) 8:38:50 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[タロが喰われ 皆が居なくなってしまってから どのくらい経ったのか。] ……もぅ、 も、殺さな…… あ、来るな!……来る、なッ… や、… あぁああああああ…ッ! [どうやったって その激痛からは逃れられぬというのに 一向に慣れぬ体は、逃げを打つ。 ひとは、死を意識した時 苦痛や恐怖と向き合わずに済むよう 性交の200倍もの快楽物質で、脳が満たされるという。 しかし、神の気まぐれで玩具と化した男には そんな赦しが与えられる筈もなく 逃げ道のない死の遊戯は レオの精神を延々と削り取っていった。] (+15) 2020/05/06(Wed) 8:42:24 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[蝕まれた精神の唯一の拠り所は 残された黒い、腕。 あの時みたいに、救い上げて欲しくて 硬く冷たくなってしまった腕に 手を伸ばし、抱きしめる。] ……タ、ロ ッ、 助け、て…… ぅ、ぁあ! [今度こそ、 一息で死ねるんじゃないかと 指をしゃぶり 肌を舐ったりもしたけれど 命を弄ばれる悪夢から 決して、覚めることはなく───……] (+16) 2020/05/06(Wed) 8:44:14 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[気を失ってしまえれば…、 失ってしまいたい、と何度思ったことだろう。 噛みつかれ臓物を啜られるのも 群がられ、身動き取れぬまま血を抜かれるのも される側でなく する側で在りたかった。] あぁあ! や………嫌だッ! ぅ、は、ああああッ!! [快楽に変換されぬ痛みに 床に崩折れ 藻掻き、のたうちながら ぶちゅり‥また心臓が握り潰される。] (+17) 2020/05/06(Wed) 8:46:43 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[この大きな存在の前で 自分は、なんてちっぽけなのだろう。 そう思う時 羽をもいだ蜻蛉 腹を開かれたまま逃げ出した蛙 クスリを飲ませた 実験動物たちの姿が、浮かんでいた。 自分もまた たくさんの命を 弄んできた代償なのだろうか。] (+18) 2020/05/06(Wed) 8:47:18 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[望んで受け入れたい行為では決してないが もしそうならば仕置かれるのは 仕方ないのだ、と。 反射的に漏れてしまう悲鳴は どうしようもないけれど ヤメて、と 嫌だ、と 殺さないで、と 繰り返される死という厳罰を 否定する言葉だけは 迸らせてしまわぬよう唇を噛んで耐えた。] ───────ッ、 んんん゛…ッ! [結局、最後には 礼拝堂の硬く冷たい壁に 悲痛な叫びを反響させてしまっていたから その些細な変化が 神に伝わったかどうかは、分からない。] (+19) 2020/05/06(Wed) 8:48:48 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[もし、もしも… 赦されることがあるならば、 己が願うことは、────唯ひとつ。] ……タロ、に、… ッ、 タロの、とこ‥‥っに、 逝か、…せて……ほし‥‥ぃ、 [今も、ずっと 寄り添ってくれていることに気づけぬまま ひたすら、それだけを懇願した。] (+20) 2020/05/06(Wed) 8:50:31 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[死の断罪を受け入れ ”逢いたい” ”追いかけたい” ”彼の元へ逝かせて欲しい” ひたすらに、それだけを願い続けて どのくらいが経っただろう。 礼拝堂に静寂が戻り 這う音だけが響くようになった頃、 ひたすら発作を繰り返すばかりだった青年が 皮膚を透かす眩しい陽の光に ぴくりと瞼を動かした。 のだが、 夜毎、繰り返す悪夢には 救いが訪れる瞬間のことは現れず 殺され続ける最中で、孤独に飛び起きるのだった。]** (+21) 2020/05/06(Wed) 8:56:11 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ ── 目覚めの刻 ── [起きて…と訴えかける 悲痛さを伴った懐かしい声音が すぐ傍で響く。 ああ、 ずっとずっと 求めて求めて求め続けていた────] ‥‥‥っ、 タ、ロ‥? [掠れた息で呼びかけて、 手を伸ばす。 何度となくそうしてきたように。] (+22) 2020/05/06(Wed) 9:25:01 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[掴めたとしても、硬く冷えた腕だけだった。 だが、今回は違った。 俺の大好きな 新鮮な 血 熱が、鼓動が、吐息が 重みを伴って乗り上げる。 薄く開いた瞼の合間 指が捉えた肌はぬるりと滑って その感触と見た目の美しさに溜息を漏らす。] ………あぁ、 綺麗、だ、 [再会の喜びの発露でもなく、 共に逝けなかったこと 追いかけるのが遅くなったことを 詫びる言葉よりも先に 口から零れたのは、感嘆の響き。] (+23) 2020/05/06(Wed) 9:27:51 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[唇から伝い 腕からも溢れる真紅で 彼と、自分が、彩られていく中 恍惚の笑みを浮かべ 抱きしめ返す。 なんとなく感じる違和感の要因に 気づくよりも早く タロの言葉が、鼓膜に届いた。>>5:+0] … 捌いて 、 グチャグチャ に……?[反芻しながら その響きにゾクゾクと背筋を震わせる。] (+24) 2020/05/06(Wed) 9:30:26 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[死後の世界が どんなところか分からねど 虫も、動物も 無益な殺生はするまいと 繰り返し殺されながら、誓いを立てた。 己が抱く欲求は どうやら 世の理から外れているらしいから。 天国でも、地獄でも タロと同じところに逝けるのならば それら全て、無理矢理にでも抑え込もうと 考えていたのだが‥‥‥、] (+25) 2020/05/06(Wed) 9:33:25 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[この 狂った欲望 ただひとり、叶えてくれる存在。 タロだけが特別で タロだけが必要だ。] 俺の、好きに‥‥シてもいいんだ? ああ…、うれしいな。 タロのことを精一杯 大切に、大切に、苛んであげる。 [此処を出る、の 正確な把握もできていないままで 望んでもらえる未来に 妄想の翼を羽ばたかせる。 興奮に沸き立ち 立ち上がったのは産毛だけではなかったけれど 厚い布団が開かってくれた。] (+27) 2020/05/06(Wed) 9:37:58 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[そんな興奮も 病室の中に鎮座する 像の姿を目にした途端に、霧散する。] ……、 ッ、 ………ぁ、 ぁぁ…! [あまりの恐怖に 呼気を取り込むのも忘れ 喉の奥に籠もる悲鳴を上げながら ガクガクと体を大きく震わせて ベッドの上で後退る。 男の病名は「強度の恐怖症」。 目覚めたレオを診た、精神科医はそう診断した。] (+28) 2020/05/06(Wed) 9:40:32 |
【墓】 精神を患った医学生 檜扇 レオ[ ゾウ が怖い。筒状の細長いものが怖い。 だが、タロが手を繋いでいてくれると その恐怖が薄れていく。 タロのことが どうしても必要で、大切で でも、とてもとても壊したくもある。 酷く矛盾した想いを抱えて 礼拝堂で黒い手にそうしていたように 傷ついた腕に何度も口付る。] ‥‥ん、 [口腔内に広がるタロの味。 生きている、証。 お互いに。 それを啜って陶然と笑む、始まりの日。]** (+29) 2020/05/06(Wed) 9:43:32 |
【独】 精神を患った医学生 檜扇 レオ/* ずっと、続きを綴りたかった レオを動かせて幸せです。 忙しい中、村を立ててくれて、ありがとね。 ネタバレ部分をなるべく削るようにしてみたけど ちゃんと伝わるかな? 語彙力と文才の限界を感じるよね。 それは別として タロ、ほんと愛おしすぎるよ。 村の最中、現状すっとばして犯したくなったりもして… まだまだ先も楽しみだなーーー。 (-6) 2020/05/06(Wed) 9:50:27 |
【独】 貴方の殉教者 北落 祐伍 (-7) 2020/05/06(Wed) 9:55:54 |
【独】 ナーを大好きな半獣人 ルー/* ナーと、なーに 無茶振り(伝家の宝刀?!)してるところでエピだぁぁぁ 困らせてないといいけどなー。 ルーと、るーは 思いっきり愉しんでしまっているーww (-9) 2020/05/06(Wed) 9:59:40 |
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